JP4006791B2 - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば制御弁やポンプによって車輪の制動力を上げて制動制御を行うことができる車両用ブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば乗員のブレーキペダルの踏込による制動ではない場合、即ち非制動時の制動制御を行う場合として、例えば加速スリップを低減するトラクションコントロール(TRC)等の制御が知られている。
【0003】
この種の非制動時の制動制御を行う場合には、ホイールシリンダにブレーキ液圧をかけるが、このブレーキ液圧をかけるための装置として、マスタシリンダからホイールシリンダに至る管路をマスタシリンダカットバルブ(SMC弁)によって遮断し、ポンプによってSMC弁とホイールシリンダとの間にブレーキ液を供給するブレーキ液圧回路を備えたものがある。
【0004】
つまり、SMC弁によってマスタシリンダ側とホイールシリンダ側とを分離し、ポンプの吐出によってホイールシリンダ側を増圧する(即ちSMC弁の両側に差圧を発生させる)ものである。
前記TRC等のシステム(あるいはその他のABS等のシステム)では、プライマリチェックを行なうことが一般的であり、このプライマリチェックでは、各弁あるいはポンプへの通電状態すなわち断線ショート等が発生していないかをチェックしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記の装置では、SMC弁の両側にて発生した差圧を確保する機能(差圧機能)とポンプによるブレーキ液の供給機能(吐出機能)とに関しては、それらが確実に作動しているかというチェック機能がないため、本当にそれらの機能が充分に発揮されて、必要なブレーキ液圧がホイールシリンダ側に加えられる状態にあるかかどうかが不明であるという問題があった。そのため、SMC弁の差圧機能とポンプの吐出機能とが十分ではない場合には、車両の精密な制御には不都合であった。
【0006】
すなわち、プライマリチェックでは、単に断線ショートをチェックしているのみで、実際の各弁やポンプの作動状態をチェックしているわけではなかった。
本発明は前記課題に鑑みなされたものであり、例えばSMC弁の差圧機能とポンプの吐出機能との様な制御手段の動作状態を、容易に且つ確実に検出することができる車両用ブレーキ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、車両制動時に、ブレーキ液圧発生手段によって発生したブレーキ液圧は、ブレーキ液圧発生手段と車輪制動力発生手段とを連通する管路を介して、車輪制動力発生手段に伝えられ、車輪に車輪制動力を発生させる。更に、例えばトラクション制御時などに、前記管路に設けられた制御手段を駆動することにより、ブレーキ液圧発生手段側のブレーキ液圧と車輪制動力発生手段側のブレーキ液圧との間に圧力差を発生させて、例えば車輪制動力を増加させる。そして、この圧力差を発生させた場合に、制御手段を駆動して逆に圧力差をなくす方向に制御することにより、管路中にブレーキ液圧の脈動を発生するので、判定手段により、この脈動に基づいて制御手段の作動状態を判定することができる。
【0008】
つまり、制御手段によって前記圧力差を発生させて例えば車輪制動力を増大させることができるが、本発明では、この制御手段より所定の圧力差が発生したか否かを確認するために、一時的に制御手段による圧力差の発生をなくす方向に制御する(例えば制御手段を瞬間的にオフする)。よって、実際に所定の圧力差が発生している場合には、ブレーキ液圧に所定の脈動が発生するはずであるから、この脈動の状態から、制御手段の作動状態を判定することができる。
【0009】
これにより、例えばSMC弁の差圧機能の様な制御手段の作動状態を確実に判定することができるので、この判定結果に基づいて、車両の精密な制御を行うことが可能になる。また、作動状態に異常がある場合には、制御手段の修理や交換を行うことができるので、安全性の上からも好ましい。
【0010】
請求項2の発明では、管路中において制御手段によってブレーキ液の圧力差を発生させた場合に、ブレーキ液圧の低い方のブレーキ液圧変化に基づいて、判定手段の判定を行う。
つまり、制御手段による圧力差を発生を一時的に停止した場合には、制御手段の両側、即ちブレーキ液圧の高い方にも低い方にもブレーキ液圧の脈動が発生するが、ブレーキ液圧の低い方には(液圧の差が大きいので)大きな脈動が発生する。よって、ブレーキ液圧の低い方のブレーキ液圧変化に基づいて判定を行うことにより、より容易に且つ確実に制御手段の作動状態を判定することができる。
【0013】
請求項3の発明では、制御弁の開弁により、圧力差の解消を行う。例えば、車輪制動力発生手段側のブレーキ液圧をブレーキ液圧発生手段側のブレーキ液圧よりも高めた場合に、例えば制御弁を瞬間的に開いたりすることによって、ブレーキ液圧に脈動を発生させることができる。
【0014】
請求項4の発明では、ブレーキ液圧発生手段と制御弁との間に設けられた液圧センサによって、ブレーキ液圧の変化を検出することにより、判定手段の判定を行う。
制御弁の両側に圧力差を発生させた場合に、例えば管路内の圧力を低減するように制御弁を瞬間的にオン・オフすること等によって、ブレーキ液圧に脈動を発生させることができるので、この脈動を、ブレーキ液圧発生手段と制御弁との間に設けられた液圧センサによって検出することによって、制御弁の作動状態を判定することができる。
【0015】
請求項5の発明では、判定手段による判定時期として、車両のブレーキ制御の実行中を採用することができる。
例えば制御弁である制御手段を駆動して、例えばトラクション制御等のブレーキ制御を行っている時には、例えば制御弁の両側に圧力差が発生していると考えられるので、一時的に例えば制御弁をオフすることによって、一時的な圧力差の解消の現象を起こす。これによって、ブレーキ液圧に脈動が発生するので、この脈動の状態に基づいて、走行中に自動的に制御手段の作動状態を検出できる。
【0016】
請求項6の発明では、判定手段による判定時期として、車両の始動時を採用できる。例えば制御弁である制御手段を駆動していない始動時(車両の停止時)には、制御弁の両側に圧力差が発生していないと考えられるので、一時的に例えば制御弁をオンすることによって、制御弁の両側に一時的な圧力差の発生及びその解消の現象を起こす。これによって、ブレーキ液圧に脈動が発生するので、この脈動の状態に基づいて、始動時に制御手段の作動状態を検出できる。
【0017】
請求項7の発明では、判定手段による判定時期として、車両のブレーキ制御を行わない低速走行時を採用できる。
例えば制御弁である制御手段を駆動しておらず、よって例えばトラクション制御等のブレーキ制御を行っていない低速走行時には、例えば制御弁の両側に圧力差が発生していないと考えられるので、一時的に例えば制御弁をオンすることによって、例えば制御弁の両側に一時的な圧力差の発生及びその解消の現象を起こす。これによって、ブレーキ液圧に脈動が発生するので、この脈動の状態に基づいて、車両の低速走行時に制御手段の作動状態を検出できる。
【0018】
請求項8の発明では、判定手段は、制御手段にて発生された第1のブレーキ液圧を車輪制動力発生手段側からブレーキ液圧発生手段側へ流動することにより脈動を発生させる脈動発生手段を備える構成を採用できる。
また、請求項9に記載のごとく制御手段の作動状態の判定を行う時期として、圧力増大手段を実行している時期を採用できる。
【0019】
すなわち、車輪制動力発生手段側の高いブレーキ液圧(第1のブレーキ液圧)をブレーキ液圧発生手段側の低いブレーキ液圧側へ流動することにより油圧脈動を発生する。
この際、例えば請求項10に記載のように、ブレーキ液圧発生手段としてのマスタシリンダのマスタシリンダ圧を検知するマスタシリンダ圧センサを採用した場合、第1のブレーキ液圧よりも低いマスタシリンダ圧を検知するようにすれば、センサへの負荷を低減できるという有利な点が存在する。且つ、圧力増大手段の実行時期に判定手段を実行するようにし、マスタシリンダ圧よりも高い第1のブレーキ液圧を用いて判定手段を実行すれば、脈動の出力が大きくなるため判定精度を向上することも可能である。
【0022】
請求項11の発明では、マスタシリンダ圧センサの出力変化が単位時間内に所定以下である場合を判定許可条件として判定手段を実行する。また、請求項12の発明では、車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧が基準時間以上継続して保持されていることを判定許可条件とする。
【0023】
マスタシリンダ圧を元圧として差圧を設けて車輪制動力を発生させている状態において、マスタシリンダ圧が変化している際にブレーキ液圧発生手段と車輪制動力発生手段との間の圧力差をなくす動作を行えば、車輪制動力の変化がブレーキ液圧発生手段におけるブレーキ液圧の変化から離れる割合が大きくなる。
【0024】
すなわち、マスタシリンダ圧がある程度一定であれば、ブレーキ液圧発生手段と車輪制動力発生手段との間の圧力差を、短時間、その差を無くすように制御したとしても車輪制動力にそれほど影響を与えない。ところが、たとえばブレーキ液圧発生手段の圧力が増大されている際に、前述の圧力差を無くすような制御を行えば、ブレーキ液圧発生手段の増大に伴って増大されるべき車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増大勾配が低下してしまい、車輪制動力の発生しいては制動距離に悪影響を与えかねない。しかしながら、上述のごとく判定許可の条件を設定すれば、このようなことを回避可能となる。
【0025】
また、請求項13の発明では、車両の非制動状態の際を、判定許可の条件とする。このように車両の非制動状態時に判定手段の判定許可を行うようにすれば、判定を行うことにより車輪制動力の発生すなわち車両制動状態に影響を与えることがなくなる。
【0026】
請求項14の発明では、基準時間毎に定期的に判定手段が実行される。すなわち、判定手段の判定対象が経時変化にて故障に至った場合あるいは突発的に故障に至った場合の双方を、網羅的に判定可能である。
請求項15の発明では、ブレーキ液圧発生手段は、乗員により操作されるブレーキペダルの操作状態に基づいた電気的な制御信号に基づいてブレーキ液圧を発生する非接触型ブレーキシステムの構成を備え、制御信号に応じて、ブレーキ液圧発生手段あるいはポンプおよび制御弁においてブレーキ液圧を発生し、車輪制動力発生手段にブレーキ液圧を付与する。
請求項16の発明では、制御弁は、電気的な制御によりブレーキ液の流動を連通・遮断する2位置弁で構成されている。
請求項17の発明では、制御弁は、電気的な制御により車輪制動力発生手段が輪とブレーキ液圧発生手段側とのブレーキ液の流動量を可変するリニア制御弁である。
請求項18の発明では、車両用ブレーキ装置は、車両の旋回挙動を乗員の旋回操作意志に合わせるように、乗員の制動意志にかかわらず自動的に各車輪のいずれかに車輪制動力を付与するトレース制御手段を備えており、判定手段は、トレース制御手段により駆動される制御弁の作動状態を判定する。
請求項19の発明では、車両用ブレーキ装置は、乗員のパニック的な車両制動状態を検知して補助的に急ブレーキをかけるブレーキアシスト手段を備えており、判定手段は、ブレーキアシスト手段により駆動される制御弁の作動状態を判定する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両用ブレーキ装置の好適な実施の形態を、例(実施例)を挙げて図面に基づいて詳細に説明する。
(実施例1)
本実施例は、油圧制御回路の制御弁やポンプを作動しているときに、一時的に制御弁をオフすることによって発生するブレーキ油圧の脈動を検出し、この脈動の状態から制御弁の差圧機能やポンプの吐出機能のチェックを行うものである。
【0028】
a)図1は、周知のトラクション制御(TRC制御)やアンチスキッド制御(ABS制御)、更には通常より制動力を上げることができるパワーブレーキ制御(PB制御)等を行なうことができる車両用ブレーキ装置の概略構成図である。図1に示す様に、車両用ブレーキ装置は、タンデム型のマスタシリンダ1を有し、このマスタシリンダ1には、ブレーキペダル3と、マスタリザーバ5と、X配管(ダイアゴナル配管)の油圧2系統で構成されてブレーキ油圧を調節する油圧制御回路7が接続されている。また、マスタシリンダ1は、二つの油路9a,9bを介して、油圧制御回路7を構成する第1油圧配管11a及び第2油圧配管11bにそれぞれ接続されている。
【0029】
前記油圧制御回路7では、第1油圧配管11aを経て右前(FR)輪のホイールシリンダ41と左後(RL)輪のホイールシリンダ16とが連通されている。また、第2油圧配管11bを経て右後(RR)輪のホイールシリンダ17と左前(FL)輪のホイールシリンダ18とが連通されている。
【0030】
前記第1油圧配管11aには、FR輪のホイールシリンダ15の油圧を制御するための周知の増圧制御弁21及び減圧制御弁25と、RL輪のホイールシリンダ16の油圧を制御するための増圧制御弁22及び減圧制御弁26とが設けられ、第2油圧配管11bには、RR輪のホイールシリンダ17の油圧を制御するための増圧制御弁23及び減圧制御弁27と、FL輪のホイールシリンダ18の油圧を制御するための増圧制御弁24及び減圧制御弁28とが設けられている。
【0031】
ここで、第1油圧配管11aについて説明する。
各増圧制御弁21,22よりマスタシリンダ1側に、その油圧経路45aを連通・遮断するマスタシリンダカットバルブ(SMC弁)31と、ホイールシリンダ15,16側を増圧するためのD弁42が設けられている。尚、SMC弁31は、ホールシリンダ15,16側が高圧になった場合には流路が開く構造である。
【0032】
このD弁42とは、前記PB制御に使用されるものであり、周知の比例制御弁(P弁)を逆接したもの、即ち一般的に、マスタシリンダ圧が所定の折れ点以上になった際に、前輪側よりも後輪側のホイールシリンダ圧の増圧勾配をねかせるために使用されている弁を逆接したものである。従って、この逆接された比例制御弁により、例えば(SMC弁31の開状態で)油圧ポンプ38を駆動させた場合には、油圧経路45a側の油圧をマスタシリンダ1側よりも所定の割合で高くすることが可能である。
【0033】
また、第1の油圧配管11aには、各減圧制御弁25,26から排出されたブレーキ油を一時的に蓄えるリザーバ36と、ブレーキ油を油圧経路45aに圧送するための油圧ポンプ38が備えられている。尚、油圧ポンプ38からのブレーキ油の吐出経路には、ポンプ吐出による油圧の脈動のホイールシリンダ15,16側への伝達を抑えるアキュムレータ47が設けられている。
【0034】
更に、第1油圧配管11aには、トラクション制御時等にホイールシリンダ圧を加圧する際に、マスタシリンダ1から油圧ポンプ34に直接ブレーキ油を供給するための油圧経路49aが設けられ、この油圧経路49aには、その油圧経路49aを連通・遮断するリザーバカットバルブ(SRC弁)34が設けられている。
【0035】
特に、本実施例では、後述するSMC弁31の差圧機能及び油圧ポンプ38の吐出機能をチェックするために、D弁42とSMC弁31との間に、ブレーキ油圧を検出するための圧力センサ51が配設されている。尚、油圧ポンプ38を駆動することにより、SMC弁31の両側に圧力差が発生した場合には、圧力センサ51が設けられている側が低圧になるので、この圧力センサ51によって、低圧側のブレーキ液圧の(高圧側よりもその脈動幅が大きな)脈動を検知することができる。
【0036】
一方、第2油圧配管11bには、前記第1油圧配管11aと同様に、増圧制御弁23,24、減圧制御弁27,28、SMC弁32、D弁43、圧力センサ52、リザーバ37、油圧ポンプ39、アキュムレータ48、SRC弁35等が、同様な箇所に設けられている。
【0037】
尚、前記両油圧ポンプ38,39は、電動ポンプモータ41に連結されて駆動される構成となっている。
b)図2に示す様に、上述したブレーキ制御装置を制御するECU50は、周知のCPU50a、ROM50b、RAM50c、入出力部50d及びバスライン50e等を備えたマイクロコンピュータを中心に構成されている。
【0038】
前記ECU50には、各車輪に配置された車輪速度センサ53、ブレーキスイッチ54、圧力センサ51,52等からの信号がECU50に入力される。また、ECU50からは、電磁弁である増圧制御弁21〜24、減圧制御弁25〜28、SMC弁31,32、SRC弁34,35や、電動ポンプモータ41等の制御アクチュエータを駆動する制御信号が出力される。
【0039】
c)次に、本実施例における制御処理について、図3のフローチャート及び図4のタイミングチャートに基づいて説明する。尚、本処理は、例えばトラクション制御による増圧制御が開始される毎に実行される。
この制御処理は、SMC弁31,32の差圧機能及び油圧ポンプ38,39の吐出機能をチェックするための制御処理(以下チェック制御と称す)であるが、通常、第1油圧配管11aと第2油圧配管11bのチェックは別個に行うので、この制御処理では、第1油圧配管11aを例にとって説明する。
【0040】
図3のステップ100にて、ブレーキペダル3が踏まれたか否かを、ブレーキスイッチ54がオンか否かによって判定する。ここで、ブレーキペダル3が踏まれたと肯定判断されると、非制動時の制動制御(乗員のペダル操作によらない制動制御)ではないので、一旦本処理を終了し、一方、否定判断されると、ステップ110に進む。
【0041】
ステップ110では、例えばトラクション制御を開始する条件が満たされたか否かを、例えば車輪のスリップ率が所定値以上か否かによって判断する。ここで、肯定判断されるとステップ120に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
【0042】
ステップ120では、トラクション制御を開始するので(開始時刻t0;図4 参照)、第1油圧配管11aのSRC弁34をオンして、油圧ポンプ38の吸引側とマスタシリンダ1側とを連通させる。
続くステップ130では、SMC弁31をオンして、その流路を閉じる。
【0043】
続くステップ140では、SRC弁34、SMC弁31を共にオンした状態で、電動ポンプモータ41をオンして油圧ポンプ38を作動させて、ブレーキ油をSMC弁31と増圧制御弁21,22との間の油圧経路45aに供給する。
これによって、SMC弁31の両側に圧力差が発生する。つまり、マスタシリンダ1側よりホイールシリンダ15,16側のブレーキ油圧が高くなる。
【0044】
続くステップ150では、増圧制御弁21,22及び減圧制御弁25,26を制御して、ホイールシリンダ圧を所定の油圧に調節して車輪に制動力を加える周知のトラクション制御を行う。
続くステップ160では、チェック制御を開始するタイミングか否かを判定する。例えばトラクション制御の開始から所定期間経過した場合に、チェック制御を開始する様に設定することができる。ここで肯定判断されるとステップ170に進み、一方否定判断されると前記ステップ120に戻る。
【0045】
ステップ170では、図4に示す様に、チェック制御を開始するタイミング(時刻t1)であるので、SMC弁31を一時的に(例えば3〜6ms)オフして その流路を開き、SMC弁31の両側の圧力差を解消する制御を行う。つまり、SMC弁31のオフによって、SMC弁31を介して、ホイールシリンダ15,16側からマスタシリンダ1側に高いブレーキ油圧が瞬間的に導入されるので、特にマスタシリンダ1側(低圧側)に大きな脈動が発生する。尚、このとき、増圧制御弁21,22がオフされてその流路が開いていると、ブレーキ油圧の脈動がホイールシリンダ15,16に加わって車輪に予期せぬ制動力がかかることがあるので、少なくともSMC弁31を一時的にオフする期間は、増圧制御弁21,22をオンしてその流路を遮断しておく。
【0046】
ステップ180では、前記ステップ170のSMC弁31の一時的なオフによって生じたブレーキ油の脈動を、圧力センサ51によって検出し、そのデータを読み込む処理を行う。
続くステップ190では、圧力センサ51によって検出した脈動の変動幅△Pを求める。
【0047】
続くステップ200では、その脈動の変動幅△Pが、SMC弁31や油圧ポンプ38が正常に機能している場合に発生する脈動の基準となる変動幅△KPと比較し、検出した変動幅△Pが基準となる変動幅△KPより小さい場合は、SMC弁31の差圧機能又は油圧ポンプ38の吐出機能のいずれかに異常が発生したと判定し、一旦本処理を終了する。なお、通常のTRCでは、△Pが10〜20atmであると推測されるため、△KPを10atmに設定してもよい。
【0048】
この様に、本実施例では、SMC弁31をオンしてその流路を遮断した状態で油圧ポンプ38を作動させて、SMC弁31の両側に圧力差を発生させたときに、一時的にSMC弁31をオフしてその流路を連通させることによって、ブレーキ油圧に脈動を発生させ、その変動幅△Pが基準値△KPより小さい場合には、SMC弁31の差圧機能か油圧ポンプ38の吐出機能のいずれかに異常が発生していると判断している。
【0049】
つまり、SMC弁31や油圧ポンプ38の異常を、自動的に且つ的確に検出できるので、その判定結果に基づいて、車両の精密な制御を行うことができる。例えば、正常と判定された場合には、そのまま各種の制御を実行することができる。一方、異常と判定された場合には、例えばSMC弁31や油圧ポンプ38の能力の低下を加味して、それを補完する様な制御(例えばブレーキによる制動性能が低下していることが予想されるので、エンジン出力を低減する割合を増大させる等の制御)を行うことにより、例えばトラクション制御等の各種の制御を継続して実施することが可能である。
【0050】
また、異常が検出された場合には、SMC弁31や油圧ポンプ38の修理や交換等を行うことにより、安全性の向上に寄与する。
尚、第2油圧配管11bにおいても同様にチェック制御を行うことにより、SMC弁32や油圧ポンプ39の異常を検出することができる。
(実施例2)
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な部分の説明は、省略又は簡略化する。
【0051】
本実施例は、イニシャルチェック時、即ち、パーキング時にイングッションをオンした場合の様に、油圧制御回路の制御弁やポンプが停止しているときに、一時的にポンプ等をオンすることによって発生するブレーキ油圧の脈動を検出し、この脈動の状態から制御弁の差圧機能やポンプの吐出機能のチェックを行うものである。
【0052】
本実施例のハード構成は、前記実施例1と同様であるので、そのイニシャル時のチェック制御を、図5のフローチャート及び図6のタイミングチャートに基づいて説明する。尚、ハード構成の図番は、実施例1と同じものを使用する。
イグニッションがオンとなった場合には、所定のタイミング(図6の時刻t1 ;例えばイグニッションオンの直後)で、図5のステップ200にて、第1油圧配管11a(以下同様)のSRC弁34を一時的にオンして、油圧ポンプ38の吸引側とマスタシリンダ1側とを連通させる。
【0053】
続くステップ210では、SMC弁31を一時的にオンして、その流路を一時的に閉じる。
続くステップ220では、電動ポンプモータ41をオンして油圧ポンプ38を一時的に作動させて、ブレーキ液をSMC弁31と増圧制御弁21,22との間の油圧経路45aに供給する。
【0054】
尚、この時、増圧制御弁21,22は、車両は停止しているのでオフでもオンでもどちらでもよいが、ここではオフのままとする。
つまり、前記ステップ200〜200における、SRC弁34、SMC弁31、電動ポンプモータ41の一時的なオン(オンした後にすぐにオフすること)によって、SMC弁31の両側に一時的に圧力差が発生しすぐにその圧力差がなくなる現象が起きるので、図6の(a)に示す様に、ブレーキ油圧に脈動が発生する。なお、この(a)のような油圧脈動は、乗員によりブレーキペダル3が踏み込まれていない場合の波形である。
【0055】
続くステップ230では、前記ブレーキ油の脈動を、圧力センサ51によって検出し、そのデータを読み込む処理を行う。
続くステップ240では、圧力センサ51によって検出した脈動の変動幅△Pを求める。
【0056】
続くステップ250では、その脈動の変動幅△Pが、SMC弁31や油圧ポンプ38が正常に機能している場合の変動幅△KPと比較し、検出した変動幅△Pが基準となる変動幅△KPより小さい場合は、SMC弁31の差圧機能又は油圧ポンプ38の吐出機能のいずれかに異常が発生したと判定し、一旦本処理を終了する。
【0057】
この様に、本実施例では、イニシャルチェック時に、SRC弁34、SMC弁31、油圧ポンプ38を一時的に作動させて、SMC弁31の両側に一時的に圧力差を発生させ、それによってブレーキ油圧に脈動を発生させている。そして、その変動幅△Pが基準値△KPより小さい場合には、SMC弁31の差圧機能か油圧ポンプ38の吐出機能のいずれかに異常が発生していると判断している。
【0058】
よって、前記実施例1と同様に、SMC弁31や油圧ポンプ38の異常検出を自動的に且つ的確に検出できるとともに、車両走行前にそのチェックができるので、一層安全性が高いという利点がある。
更に、増圧制御弁21,22をオン(遮断)してチェックすると、油圧ポンプ38で加圧される管路容量が小さいため、短時間で圧力が増加するので、チェック時間が短くなるという利点がある。
【0059】
なお、オートマチック車のように、パーキングにおいてイグニッションスイッチがオンされる際に、ブレーキペダル3が踏み込まれてマスタシリンダ圧が発生している場合には、図6の(b)の油圧波形となるが、同様に△PによってSMC弁31や油圧ポンプ38の異常検出が行える。
(実施例3)
次に、実施例3について説明するが、前記実施例1と同様な部分の説明は、省略又は簡略化する。
【0060】
本実施例は、トラクション制御等を行っていない低速走行時、よって、油圧制御回路の制御弁やポンプが停止しているときに、一時的にポンプ等をオンすることによって発生するブレーキ油圧の脈動を検出し、この脈動の状態から制御弁の差圧機能やポンプの吐出機能のチェックを行うものである。
【0061】
本実施例のハード構成は、前記実施例1と同様であるので、チェック制御を図7のフローチャート及び図8のタイミングチャートに基づいて説明する。尚、ハード構成の図番は、実施例1と同じものを使用する。
図7のステップ300にて、車両走行時おいて、その速度が所定の速度より低速であるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ310に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
【0062】
ステップ310では、所定のタイミング(図7の時刻t1)で、第1油圧配管 11a(以下同様)のSRC弁34を一時的にオンして、油圧ポンプ38の吸引側とマスタシリンダ1側とを連通させる。
続くステップ320では、SMC弁31を一時的にオンして、その流路を一時的に閉じる。
【0063】
続くステップ330では、増圧制御弁21,22を一時的にオンして、その流路を一時的に閉じる。
尚、この時、増圧制御弁21,22を閉じる理由は、増圧制御弁21,22が開いていると、油圧ポンプ38にて増圧されたブレーキ油圧がホイールシリンダ15,16にかかって、ブレーキがかかるからである。
【0064】
続くステップ340では、電動ポンプモータ41をオンして油圧ポンプ38を一時的に作動させて、ブレーキ液をSMC弁31と増圧制御弁21,22との間の油圧経路45aに供給する。
つまり、前記ステップ310,320,340における、SRC弁34、SMC弁31、電動ポンプモータ41の一時的なオン(オンした後にすぐにオフすること)によって、前記実施例2と同様に、SMC弁31の両側に一時的に圧力差が発生しすぐにその圧力差がなくなる現象が起きるので、図8に示す様に、ブレーキ油圧に脈動が発生する。
【0065】
続くステップ350では、前記ブレーキ油の脈動を、圧力センサ51によって検出し、そのデータを読み込む処理を行う。
続くステップ360では、圧力センサ51によって検出した脈動の変動幅△Pを求める。
【0066】
続くステップ370では、その脈動の変動幅△Pが、SMC弁31や油圧ポンプ38が正常に機能している場合の変動幅△KPと比較し、検出した変動幅△Pが基準となる変動幅△KPより小さい場合は、SMC弁31の差圧機能又は油圧ポンプ38の吐出機能のいずれかに異常が発生したと判定し、一旦本処理を終了する。
この様に、本実施例では、低速での走行時に、SRC弁34、SMC弁31、増圧制御弁21,22、油圧ポンプ38を一時的に作動させて、SMC弁31の両側に一時的に圧力差を発生させ、それによってブレーキ油圧に脈動を発生させている。そして、その変動幅△Pが基準値△KPより小さい場合には、SMC弁31の差圧機能か油圧ポンプ38の吐出機能のいずれかに異常が発生していると判断している。
【0067】
よって、前記実施例1と同様に、SMC弁31や油圧ポンプ38の異常検出を自動的に且つ的確に検出できるとともに、トラクション制御時等でなくてもそのチェックができるので、一層安全性が高いという利点がある。
(実施例4)
次に、実施例4について説明するが、前記実施例1等と同様な部分の説明は省略または簡略化する。
【0068】
本実施例4は、左右前輪の各ホイールシリンダで第1の配管系統、左右後輪の各ホイールシリンダで第2の配管系統をそれぞれ構成する前後配管のブレーキシステムに本発明を適用する。
また、前述までの実施例では、前述のPBを行う管路構成として、マスタシリンダ1とD弁42、43との間の管路中からSRC弁34、35を介してポンプ吸引し、D弁42、43よりも各ホイールシリンダ側(SMC弁31,32が閉状態ではこのSMC弁31,32よりもホイールシリンダ側)にブレーキ液を吐出し、さらにD弁42,43あるいはSMC弁31,32にてホイールシリンダ側のブレーキ液圧をマスタシリンダ圧よりも高い圧力に保持可能なような、マスタ自吸の構成であったが、リザーバ自吸の構成にも採用できる。
【0069】
すなわち、図10に示すように、ポンプ38はSRC弁34を介して、マスタシリンダ1に独自に設けられたマスタリザーバ5からブレーキ液を吸引可能なように管路110aが形成されている。そして、ポンプ吐出は蓄圧用制御弁103を介して油圧経路45aに流動する。なお、蓄圧用制御弁103は、通常ブレーキ状態では閉状態にされており、アキュムレータ101に高圧のブレーキ液を蓄圧する。
【0070】
そして、このアキュムレー夕101に貯められている高圧のブレーキ液圧を用いて、トラクション制御あるいはパワーブレーキの初期段階のホイールシリンダ圧の増圧を実施する。よって、蓄圧用制御弁103はトラクション制御、パワーブレーキあるいはトレース制御の開始に伴って、開状態にされる。
【0071】
なお、蓄圧用制御弁103が開状態にされて、トラクション制御、パワーブレーキあるいはトレース制御の開始される場合には、通常閉状態であるSRC弁34は開状態にされ、マスタリザーバ5からポンプ吸引可能な状態とする。さらにこの状態ではSMC弁31は閉状態とされ、マスタシリンダ側よりホイールシリンダ側のブレーキ液圧を高圧に維持できるようにする。
【0072】
なお、トラクション制御等の実施に伴い、アキュムレータ101内の高圧ブレーキ液が消費された際には、トラクション制御等の終了時において、ポンプ吐出および蓄圧用制御弁103の閉状態によりアキュムレータ101内に高圧ブレーキ液を貯留する。すなわち、通常状態ブレーキ状態では、常時アキュムレータ内に高圧のブレーキ液圧が蓄圧される制御形態を採用する。
【0073】
また、トラクション制御あるいはトレース制御等において、マスタシリンダ側とホイールシリンダ側との間の圧力差を形成する構成としては、上述のSMC弁31の他に、マスタシリンダ圧よりも高い圧力を形成するためのポンプ及びモータあるいはアキュムレータおよびポンプ吸引のためのSRC弁が存在する。
【0074】
アキュムレータ101の内部には、ブレーキ液貯留部位よりも奥にガス不透過膜等を介してガス10laが封入される。このガスは、アキュムレータ内へブレーキ液が吐出された際にアキュムレータ内における蓄圧を容易にし、効果的に行えるようにできる。すなわち、ブレーキ液は非圧縮性であるため、圧縮性であるガスを用いることにより、アキュムレータ内の圧力形成を容易に行える。
【0075】
他方の配管系統においても同様の構成を持つことができ、油圧経路110b、アキュムレータ102、蓄圧用制御弁104が設けられる。
次に、油圧の脈動の変動幅△Pから、ポンプ38、蓄圧用制御弁103、アキュムレータ101、およびSMC弁31の異常検出を行うフローについて図11に基づき説明する。
【0076】
ステップ400では、ブレーキスイッチに基づき車両非制動状態か否かを判定し、肯定判断された場合にステップ410に進む。ステップ410では、トラクション制御、あるいはトレース制御等の制御がなされていない非制御状態であるか否かを判定する。ステップ430では前回の異常検出すなわちポンプ38、蓄圧用制御弁103、アキュムレー夕101、およびSMC弁31のチェック動作から基準時間(たとえば1ヶ月相当時間)が経過したか否かを判定する。
【0077】
ステップ400、410、420における制御許可条件をクリアした場合には、ステップ430以下の異常検出に入る。
ステップ430では、増圧制御弁21、22をオンして、ホイールシリンダ側へアキュムレー夕101からのブレーキ液圧が流動しないようにする。ステップ440では、SMC弁31をオンして、マスタシリンダ側とホイールシリンダ側とを遮断する。スナップ450では蓄圧用制御弁103をオンする。ここまでのステップにより、油圧経路45aにアキュムレータ101からのブレーキ液圧が貯えられる。
【0078】
なお、ステップ450における蓄圧用制御弁101のオンは所定時間(たとえば100ミリセカンド)継続されるようにし、十分に油圧経路45aに圧力が流動するようにするのが望ましい。
ステップ460では、SMC弁31がオフされ、開状態にされる。これにより、ポンプあるいはアキュムレータ等が正常であれば、油圧経路45aにおける高圧のブレーキ液圧が、マスタシリンダ1側に流動する。
【0079】
ステップ470では、異常検出のための弁制御が終了したため、蓄圧用制御弁101および増圧制御弁も通常状態に戻すため、蓄圧用制御弁470および増圧制御弁がオフされる。
そして、ステップ480、490、500において、前述までの実施例と同様、油圧の脈動の変動幅△Pから、アクチュエータの異常検出する。ここで、検出される異常とは、アキュムレータ101の蓄圧状態、SMC弁31の開状態、蓄圧用制御弁103の開状態が網羅的に検出でき、どれか一つでも異常があれば、ステップ500において異常と検出される。
【0080】
また、この異常検出では、ポンプ異常も含めて検出される。すなわちアキュムレータ101が異常である状態としては、アキュムレータ101の液圧漏洩の他に、ポンプによる適切な蓄圧がなされなかったことも含めて考慮でき、ポンプの異常とも考えられる。
【0081】
なお、このような異常検出を行った後に異常と判断された場合には、それを乗員に報知するようにしてもよい。なお、図11のフローは左右後輪側の配管系統に対しても、同様に実行される。
(実施例5)
次に、実施例5について説明する。
【0082】
ここでは、図12のフローに基づき、車両制動中で、ホイールシリンダシリンダ圧が存在する場合に異常検出がなされる実施例について説明する。
ステップ600〜ステップ630は、異常検出の許可条件である。すなわち、ステップ600において、ブレーキスイッチに基づき車両制動中であり、PB制御中であると判定された場合にはステップ610に進み、圧力センサ51の圧力TPをマスタシリンダ圧として読み込む。そして、ステップ620ではこのマスタシリンダ圧の所定時間内の変動幅△TPを算出する。ステップ630では、この変動幅△TPが、比較値α△TPよりも大きいか否かを判定する。ここで否定判定されて、マスタシリンダ圧の変動幅△TPがある程度小さいと判定された場合には、ステップ640に進み、ホイールシリンダ圧の保持制御中であるかいなかが判定される。
【0083】
このホイールシリンダ圧の保持制御とは、たとえば乗員のペダル操作に応じて、圧力を増大されたホイールシリンダ圧を保持する制御であり、マスタシリンダ圧の変動がほとんどない状態では、モータをオフあるいは駆動デューティを低下したりしてホイールシリンダ圧をマスタシリンダ圧よりも高い状態でほぼ一定保持する。なお、増圧制御弁をオンしてホイールシリンダ圧を保持するようにしてもよい。
【0084】
そして、このステップ640において、ホイールシリンダ圧の保持制御が実行中であると判断された場合にはステップ650に進み、異常検出を行う。ステップ650に至った際にはPB制御中であるため、マスタシリンダ圧よりもホイールシリンダ圧を高く保持するべく、すでにSMC弁31はオン(閉状態)されている。すなわち、マスタシリンダ圧とホールシリンダ圧との間に差圧が形成されている状態である。よって、このステップ650ではSMC弁31を一時的にオフ(開状態)することによりマスタシリンダ側に油圧脈動を発生できる。
【0085】
その後、ステップ660では、前述までの実施例のごとく、油圧の脈動から圧力差を発生させている構成の異常判定を行う。ここで圧力差を形成する構成とは、SRC弁34、ポンプ及びモータ、蓄圧用制御弁103、およびSMC弁31、アキュムレータ101の異常を網羅的に判定でき、どれか一つでも異常である際、たとえばSRC弁34が目詰まりしていたり開状態にならなかったりした場合には、マスタシリンダ側とホイールシリンダ側とに圧力差が形成されていないため、SMC弁31を一時的に開状態としたとしても、油圧脈動はおきず、異常と判定される。
【0086】
なお、この異常検出では、以下の状態も判定できる。すなわちアキュムレータ101に封入されているガスが、ガス封入膜を浸透したりガス封入膜が破けたりして、ブレーキ液中に放出される場合が考えられる。この際にホイールシリンダ側へこのガスが存在してしまうと、ポンプおよび各弁等が正常であっても、ホイールシリンダ圧が上がらず、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧がそれほど付かない場合がある。なお、このような場合では、ホイールシリンダ圧も増大されず、ブレーキのききが悪くなる可能性もある。しかしながら、このような状態も、本実施例では検出することができる。
【0087】
次に、本実施例のタイミングチャートである図13に基づいて、図12のフローが実行された際の圧力等の作動について説明する。
時刻t1にてブレーキペダルが踏み込まれ車両制動状態になったとする。そして時刻t2においてPB制御が開始される。この開始条件は、たとえばペダルストロークが所定以上であること、ペダルストローク速度が所定以上であること、車体減速度が所定以上であること等を採用することができ、乗員のパニック的な制動状態等において実行される。
【0088】
そして、この時刻t2から時刻t3は、マスタシリンダ圧よりもホイールシリンダ圧の方が高く増大される。すなわち、時刻t2から時刻t3までの予め定められた所定時間の間、マスタシリンダ圧の増圧勾配と比べてはるかに大きい増圧勾配を、ポンプ38による吐出およびSMC弁31による圧力保持により実現する。
【0089】
このホイールシリンダ圧の増大は、乗員のブレーキベダルの操作に応じて行われ、時刻t3から時刻t4までの間は、ペダルが徐々に踏み込まれ、マスタシリンダ圧も徐々に増大しているため、それにあわせて、ホイールシリンダ圧も徐々に増大する。なお、時刻t1から時刻t4までの間は、ペダルストロークの変化に伴うマスタシリンダ圧の変動(増大)が存在するため、異常検出は行わない。ところが、時刻t4から時刻t5の間では、ペダルストロークの変化がほとんどなく、マスタシリンダ圧の変動がほとんどないため、前述のステップ630で否定判定される。マスタシリンダ圧の変動△TPが所定以下であるという条件を満足する。
【0090】
また、この時刻t4から時刻t5においては、マスタシリンダ圧の変動がほとんどないことにあわせて、ホイールシリンダ圧をマスタシリンダ圧より高い状態で保持するようにする。よって、前述のステップ640においても肯定判断されて、ステップ650に進む。よってこの時刻t4から時刻t5において異常検出の実行許可条件を満足し、異常検出を実行する。
【0091】
よって、時刻Tにおいて異常検出を行い、マスタシリンダ圧及びホイールシリンダ圧にはその異常検出による波形が現れる。なお、この異常検出を行う条件として、マスタシリンダ圧の変動がほとんど存在しなくなってホイールシリンダ圧の保持をし始めた時刻t4から所定時間たって、マスタシリンダ圧およびホイールシリンダ圧が安定したかどうかを判定した後に、異常検出を行うようにしてもよい。
【0092】
時刻t5から時刻t6では、乗員のペダル操作が少々ペダル戻しぎみにされたのに伴い、マスタシリンダ圧が低下し、これに応動してホイールシリンダ圧も低下される。よって、この時刻t5から時刻t6では、マスタシリンダ圧が所定以上変動しているとして、異常検出を行わない。
【0093】
このように異常検出の許可条件を設定すれば、ホイールシリンダにブレーキ液圧が存在する車両制動時、たとえばパワーブレーキ時においても異常検出を的確に行え、且つ、アキュムレータ内のガスのホイールシリンダ側への漏れ等についても含めた異常判定を行うことが可能である。
【0094】
尚、本発明は上記実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り、種々の態様で実施できることはいうまでもない。
(1)前記実施例の油圧制御回路以外に、各種の油圧制御回路を採用できる。例えば図9に示す様に、第1及び第2油圧配管60a,60bにおいて、各D弁61,62とSMC弁63,64とがそれぞれ並列に設けられている油圧制御回路65に適用できる。尚、圧力センサ66,67は、例えばSMC弁63,64よりマスタシリンダ68側(低圧側)に配置されている。そして、この油圧制御回路65によって、ABS制御とPB制御とを行うことができ、特に応答性がよいという利点がある。
【0095】
(2)前記実施例では、トラクション制御を例に挙げたが、ブレーキペダルを踏まない場合の各種の制動制御、例えばVSC制御(乗員によるステアリング操舵状態と実際の車輪の旋回状態とを合わせるために、車輪に制動力を付してトレース性を向上する技術)や、例えば追突を防止するための自動ブレーキの制御等の適用できることは勿論である。
【0096】
(3)圧力センサを、SMC弁の(油圧ポンプ作動時の)低圧側であるマスタシリンダ側に配置すると、脈動幅が大きく、容易に脈動が検出できて好適であるが、高圧側であるホイールシリンダ側に配置してもよい。
尚、高圧側、例えば油圧経路45aに圧力センサを配置した場合、そのブレーキ液圧の脈動の波形は、前記実施例1〜3とは上下逆になる。例えば実施例2,3にて、圧力センサを高圧側に配置すると、(図6及び図8において)ブレーキ油圧は下に凸の脈動となる。
【0097】
(4)パニック的制動時等において、PB制御によるブレーキアシストが行われている時に、油圧ポンプ及びSMC弁の作動状態を検知するようにしてもよい。
このことを図9に基づいて説明すると、ホイールシリンダ圧をマスタシリンダ圧よりも高くなるようにPB制御が行われる際には、例えばSRC71弁はオン(連通)、油圧ポンプ72はオン、SMC弁63はオン(遮断)とされ、他の弁は図示の通りの状態である。このため油圧ポンプ72はマスタシリンダ68とD弁61及びSMC弁63との間からブレーキ油を吸引し、ホイールシリンダ73,74側に吐出する。よって、D弁61及びSMC弁63により、ホイールシリンダ73,74側の圧力がマスタシリンダ68側より高く保持される。
【0098】
この際に、例えば、所定の減速G以上あれば、SMC弁63を瞬間的に連通し、この時に発生する油圧脈動を圧力センサ66で検出するようにしてもよい。なお、脈動波形は、図6の(b)のようになる。
このときには、油圧ポンプ72、SMC弁63の他に、D弁61の圧力保持作用すなわちホイールシリンダ73,74側からマスタシリンダ68側への圧力減衰流動作用の異常も検知できる。
【0099】
(5)また、ブレーキブースタ(ブレーキ倍力装置)の失陥時(不機能時)に、ブレーキブースタによる倍力作用の減滅を補うように、油圧ポンプ及びSMC弁が制御されてホイールシリンダ圧がマスタシリンダ圧より増大される際に、油圧脈動を発生して、油圧ポンプ、SMC弁の異常を検出することもできる。なお、この際の油圧ポンプ及びSMC弁の制御は、図1において、TRC制御に基づいて説明した弁及び油圧ポンプの制御と同様である。
【0100】
(6)また、上述の実施例では、SMC弁31あるいはSRC弁34を、開状態と閉状態の2つの弁位置を有する2位置弁にて構成していたが、これに関わらず、たとえばソレノイドへの通電量(デューティ比)に応じて弁体のリフト量を任意の位置へ移動可能なリニア制御弁を採用するようにしてもよい。
【0101】
すなわち、SMC弁31に代わってリニア制御弁を用いた際には、リニア制御弁において弁体を開状態と閉状態の中間位置に移動し、絞り効果によりホイールシリンダ圧とマスタシリンダ圧との差圧を保持する。このようにすれば、差圧保持率を任意に設定でき、ブレーキペダルの乗員の操作具合に応じたホイールシリンダ圧増圧制卸を行え、且つこのようなリニア制御弁においても異常判定は上述の実施例と同様に実現できる。
【0102】
また、SRC弁34に代わってリニア制御弁を用いた際には、絞り効果を利用することによって、モータへの通電量を制御してポンプ吸引性能を可変するのに代えてポンプ吸引吐出量を制御できる。これに伴い、ポンプ吸引吐出脈動を抑制でき、騒音等低下できる。そして、このようにSRC弁34に代えてリニア制御弁を採用しても、上述の実施例と同様、異常判定を実現できる。このように異常判定の対象となりうる各弁としては、電気的に弁位置が制御されるものであればよい。
【0103】
(7)上述までの実施例では、ブレーキペダルの乗員の操作に伴いブレーキペダルストロークによりマスタシリンダ圧を発生していたが、これに関わらず、乗員によるブレーキペダル操作を電気的な信号として受け、この信号に応じてホイールシリンダ圧を発生するいわゆるブレーキバイワイヤー式の装置、あるいは乗員のペダル操作によらず図示しないブレーキブースタの大気圧室に自動的に大気圧を導入する等により自動的にマスタシリンダ圧を発生する自動ブレーキ式の装置に上述までの実施例を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の車両用ブレーキ装置を示す概略構成図である。
【図2】 実施例1の電子制御装置の構成を示すブロック図である。
ある。
【図3】 実施例1の制御処理を示すフローチャートである。
【図4】 実施例1の各弁等やブレーキ油圧の状態を示すタイミングチャートである。
【図5】 実施例2の制御処理を示すフローチャートである。
【図6】 実施例2の各弁等やブレーキ油圧の状態を示すタイミングチャートである。
【図7】 実施例3の制御処理を示すフローチャートである。
【図8】 実施例3の各弁等やブレーキ油圧の状態を示すタイミングチャートである。
【図9】 他の実施例の油圧制御回路を示す説明図である。
【図10】 実施例4の車両用ブレーキ装置を示す概略構成図である。
【図11】 実施例4の制御処理を示すフローチャートである。
【図12】 実施例5の制御処理を示すフローチャートである。
【図13】 実施例5のブレーキ油圧の状態等を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1,68…マスタシリンダ
7,65…油圧制御回路
21,22,23,24…増圧制御弁
25,26,27,28…減圧制御弁
31,32,63,64…マスタカットバルブ(SMC弁)
34,35,71…リザーバカットバルブ(SRC弁)
38,39,72…油圧ポンプ
41…電動ポンプモータ
42,43,61,62…D弁
51,52,66,67…圧力センサ
Claims (19)
- 車両制動時に、車輪に車輪制動力を発生させるためにブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生手段と、
該ブレーキ液圧発生手段から前記ブレーキ液圧を受けて、前記車輪制動力を発生する車輪制動力発生手段と、
前記ブレーキ液圧発生手段と前記車輪制動力発生手段とを連通する管路と、
該管路に設けられ、前記ブレーキ液圧発生手段側のブレーキ液圧と前記車輪制動力発生手段側のブレーキ液圧との間に圧力差を発生させる制御手段と、
該制御手段によって前記管路中のブレーキ液圧に圧力差を発生させた場合、前記圧力差をなくす方向に前記制御手段を駆動した際に前記管路中に発生するブレーキ液圧の脈動から前記制御手段の作動状態を判定する判定手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記管路の開閉状態を制御する制御弁を含み、前記判定手段は、前記制御弁の開弁による脈動により前記制御手段の作動状態を判定することを特徴とする車両用ブレーキ装置。 - 前記管路中において前記制御手段によって前記ブレーキ液の圧力差を発生させた場合に、ブレーキ液圧の低い方のブレーキ液圧変化に基づいて前記判定手段の判定を行うことを特徴とする前記請求項1に記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記制御弁の開弁により、前記圧力差を解消することを特徴とする前記請求項1又は2に記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記ブレーキ液圧発生手段と前記制御弁との間に設けられた液圧センサによって、前記ブレーキ液圧の変化を検出することにより、前記判定手段の判定を行うことを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
- 車両のブレーキ制御の実行中に、前記判定手段による判定を行うことを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
- 車両の始動時に、前記判定手段による判定を行うことを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
- 車両のブレーキ制御を行わない低速走行時に、前記判定手段による判定を行うことを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記制御手段は、前記管路中に前記ブレーキ液圧発生手段に発生されたブレーキ液圧よりも高い第1のブレーキ液圧を発生する圧力増大手段を備え、
前記判定手段は、前記制御手段にて発生された前記第1のブレーキ液圧を前記車輪制動力発生手段側から前記ブレーキ液圧発生手段側へ流動することにより前記脈動を発生させる脈動発生手段を備えることを特徴とする前記請求項1〜7のいずれかに記載の車両ブレーキ装置。 - 前記制御手段は、前記管路中に前記ブレーキ液圧発生手段に発生されたブレーキ液圧よりも高い第1のブレーキ液圧を発生する圧力増大手段を備え、
前記判定手段は、前記圧力増大手段の実行時に前記制御手段の作動状態の判定を行うことを特徴とする前記請求項1〜7のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。 - 前記ブレーキ液圧発生手段は、乗員のブレーキペダル操作によりマスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダであり、前記判定手段は、前記マスタシリンダ側のブレーキ液圧の変化を検知するマスタシリンダ圧センサを備えることを特徴とする前記請求項1〜9のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記判定手段は、単位時間当たりの前記マスタシリンダ圧センサの出力変化が所定以下である際に、前記作動状態の判定許可を行う許可手段を備えることを特徴とする前記請求項10に記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記判定手段は、前記制御手段として構成されている前記管路を遮断する制御弁よりも前記車輪制動力発生手段側の圧力が、基準時間以上継続して保持されている際に、前記作動状態の判定許可を行う許可手段を備えることを特徴とする前記請求項1〜11のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記判定手段は、前記車両の非制動時であるか否かを検知する制動状態検知手段を備え、前記制動状態検知手段により非制動時であるとの検知結果がなされた際にのみ、前記作動状態の判定許可を行う許可手段を備えていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記判定手段は、予め定められた基準時間ごとに定期的に前記作動状態の判定を実行することを特徴とする前記請求項1〜13のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記ブレーキ液圧発生手段は、乗員により操作されるブレーキペダルの操作状態に基づいた電気的な制御信号に基づいて前記ブレーキ液圧を発生する非接触型ブレーキシステムの構成を備え、前記制御信号に応じて、前記ブレーキ液圧発生手段あるいは前記ポンプおよび制御弁においてブレーキ液圧を発生し、前記車輪制動力発生手段にブレーキ液圧を付与することを特徴とする前記請求項1に記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記制御弁は、電気的な制御によりブレーキ液の流動を連通・遮断する2位置弁で構成されていることを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記制御弁は、電気的な制御により前記車輪制動力発生手段が輪と前記ブレーキ液圧発生手段側とのブレーキ液の流動量を可変するリニア制御弁であることを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載の車両用ブレーキ制御装置。
- 前記車両用ブレーキ装置は、前記車両の旋回挙動を乗員の旋回操作意志に合わせるように、乗員の制動意志にかかわらず自動的に各車輪のいずれかに車輪制動力を付与するトレース制御手段を備えており、前記判定手段は、前記トレース制御手段により駆動される前記制御弁の作動状態を判定することを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記車両用ブレーキ装置は、乗員のパニック的な車両制動状態を検知して補助的に急ブレーキをかけるブレーキアシスト手段を備えており、前記判定手段は、前記ブレーキアシスト手段により駆動される前記制御弁の作動状態を判定することを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
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