JPH10181581A - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

車両用ブレーキ装置

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JPH10181581A
JPH10181581A JP28203297A JP28203297A JPH10181581A JP H10181581 A JPH10181581 A JP H10181581A JP 28203297 A JP28203297 A JP 28203297A JP 28203297 A JP28203297 A JP 28203297A JP H10181581 A JPH10181581 A JP H10181581A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えばSMC弁の差圧機能とポンプの吐出機
能との様な制御手段の動作状態を、容易に且つ確実に検
出することができる車両用ブレーキ装置を提供するこ
と。 【解決手段】 ステッフ゜120では、SRC弁34をオンし、
ステッフ゜130では、SMC弁31をオンする。ステッフ゜140で
は、電動ポンプモータ41をオンして、SMC弁31の
両側に圧力差が発生させる。そして、チェック制御を開
始するタイミングに至ると、ステッフ゜170にて、SMC弁3
1を一時的にオフしてその流路を開き、SMC弁31の
両側の圧力差を解消する。ステッフ゜180では、SMC弁31
の一時的なオフによって生じたブレーキ油の脈動を、圧
力センサ51によって検出し、ステッフ゜190では、脈動の変
動幅△Pを求める。ステッフ゜200では、脈動の変動幅△Pに
基づいて、SMC弁31の差圧機能や油圧ポンプ38の
吐出機能の異常を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば制御弁やポ
ンプによって車輪の制動力を上げて制動制御を行うこと
ができる車両用ブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば乗員のブレーキペダル
の踏込による制動ではない場合、即ち非制動時の制動制
御を行う場合として、例えば加速スリップを低減するト
ラクションコントロール(TRC)等の制御が知られて
いる。
【0003】この種の非制動時の制動制御を行う場合に
は、ホイールシリンダにブレーキ液圧をかけるが、この
ブレーキ液圧をかけるための装置として、マスタシリン
ダからホイールシリンダに至る管路をマスタシリンダカ
ットバルブ(SMC弁)によって遮断し、ポンプによっ
てSMC弁とホイールシリンダとの間にブレーキ液を供
給するブレーキ液圧回路を備えたものがある。
【0004】つまり、SMC弁によってマスタシリンダ
側とホイールシリンダ側とを分離し、ポンプの吐出によ
ってホイールシリンダ側を増圧する(即ちSMC弁の両
側に差圧を発生させる)ものである。前記TRC等のシ
ステム(あるいはその他のABS等のシステム)では、
プライマリチェックを行なうことが一般的であり、この
プライマリチェックでは、各弁あるいはポンプへの通電
状態すなわち断線ショート等が発生していないかをチェ
ックしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記の装置
では、SMC弁の両側にて発生した差圧を確保する機能
(差圧機能)とポンプによるブレーキ液の供給機能(吐
出機能)とに関しては、それらが確実に作動しているか
というチェック機能がないため、本当にそれらの機能が
充分に発揮されて、必要なブレーキ液圧がホイールシリ
ンダ側に加えられる状態にあるかかどうかが不明である
という問題があった。そのため、SMC弁の差圧機能と
ポンプの吐出機能とが十分ではない場合には、車両の精
密な制御には不都合であった。
【0006】すなわち、プライマリチェックでは、単に
断線ショートをチェックしているのみで、実際の各弁や
ポンプの作動状態をチェックしているわけではなかっ
た。本発明は前記課題に鑑みなされたものであり、例え
ばSMC弁の差圧機能とポンプの吐出機能との様な制御
手段の動作状態を、容易に且つ確実に検出することがで
きる車両用ブレーキ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、車
両制動時に、ブレーキ液圧発生手段によって発生したブ
レーキ液圧は、ブレーキ液圧発生手段と車輪制動力発生
手段とを連通する管路を介して、車輪制動力発生手段に
伝えられ、車輪に車輪制動力を発生させる。更に、例え
ばトラクション制御時などに、前記管路に設けられた制
御手段を駆動することにより、ブレーキ液圧発生手段側
のブレーキ液圧と車輪制動力発生手段側のブレーキ液圧
との間に圧力差を発生させて、例えば車輪制動力を増加
させる。そして、この圧力差を発生させた場合に、制御
手段を駆動して逆に圧力差をなくすことにより、管路中
にブレーキ液圧の脈動を発生するので、判定手段によ
り、この脈動に基づいて制御手段の作動状態を判定する
ことができる。
【0008】つまり、制御手段によって前記圧力差を発
生させて例えば車輪制動力を増大させることができる
が、本発明では、この制御手段より所定の圧力差が発生
したか否かを確認するために、一時的に制御手段による
圧力差の発生を停止する(例えば制御手段を瞬間的にオ
フする)。よって、実際に所定の圧力差が発生している
場合には、ブレーキ液圧に所定の脈動が発生するはずで
あるから、この脈動の状態から、制御手段の作動状態を
判定することができる。
【0009】これにより、例えばSMC弁の差圧機能や
ポンプの吐出機能の様な制御手段の作動状態を確実に判
定することができるので、この判定結果に基づいて、車
両の精密な制御を行うことが可能になる。また、作動状
態に異常がある場合には、制御手段の修理や交換を行う
ことができるので、安全性の上からも好ましい。
【0010】請求項2の発明では、管路中において制御
手段によってブレーキ液の圧力差を発生させた場合に、
ブレーキ液圧の低い方のブレーキ液圧変化に基づいて、
判定手段の判定を行う。つまり、制御手段による圧力差
を発生を一時的に停止した場合には、制御手段の両側、
即ちブレーキ液圧の高い方にも低い方にもブレーキ液圧
の脈動が発生するが、ブレーキ液圧の低い方には(液圧
の差が大きいので)大きな脈動が発生する。よって、ブ
レーキ液圧の低い方のブレーキ液圧変化に基づいて判定
を行うことにより、より容易に且つ確実に制御手段の作
動状態を判定することができる。
【0011】請求項3の発明では、制御手段として、管
路の開閉状態を制御する制御弁又はブレーキ液の吸引・
吐出を行うポンプを採用できる。例えば、制御弁により
管路を遮断し、この状態でポンプを作動させることによ
り、制御弁の両側に圧力差を発生させることができる。
【0012】請求項4の発明では、ポンプによって、ブ
レーキ液圧発生手段と制御弁との間からブレーキ液を吸
引して、制御弁と車輪制動力発生手段との間にブレーキ
液を吐出することにより、圧力差を発生させる。これに
より、制御弁を遮断した状態でポンプを駆動することに
よって、車輪制動力発生手段側のブレーキ液圧をブレー
キ液圧発生手段側のブレーキ液圧よりも高めることがで
きる。
【0013】請求項5の発明では、制御弁の開弁又はポ
ンプの停止により、圧力差の解消を行う。例えば、車輪
制動力発生手段側のブレーキ液圧をブレーキ液圧発生手
段側のブレーキ液圧よりも高めた場合に、例えば制御弁
を瞬間的に開いたり、ポンプを瞬間的に停止することに
よって、ブレーキ液圧に脈動を発生させることができ
る。
【0014】請求項6の発明では、ブレーキ液圧発生手
段と制御弁との間に設けられた液圧センサによって、ブ
レーキ液圧の変化を検出することにより、判定手段の判
定を行う。制御弁の両側に圧力差を発生させた場合に、
例えばポンプを瞬間的に停止すること、あるいは管路内
の圧力を低減するように制御弁を瞬間的にオン・オフし
たり、ポンプの吸引側を遮断すること等によって、ブレ
ーキ液圧に脈動を発生させることができるので、この脈
動を、ブレーキ液圧発生手段と制御弁との間に設けられ
た液圧センサによって検出することによって、制御弁や
ポンプの作動状態を判定することができる。
【0015】請求項7の発明では、判定手段による判定
時期として、車両のブレーキ制御の実行中を採用するこ
とができる。例えば制御弁やポンプ等の制御手段を駆動
して、例えばトラクション制御等のブレーキ制御を行っ
ている時には、例えば制御弁の両側に圧力差が発生して
いると考えられるので、一時的に例えば制御弁をオフす
ることによって、一時的な圧力差の解消の現象を起こ
す。これによって、ブレーキ液圧に脈動が発生するの
で、この脈動の状態に基づいて、走行中に自動的に制御
手段の作動状態を検出できる。
【0016】請求項8の発明では、判定手段による判定
時期として、車両の始動時を採用できる。例えば制御弁
やポンプ等の制御手段を駆動していない始動時(車両の
停止時)には、例えば制御弁の両側に圧力差が発生して
いないと考えられるので、一時的に例えば制御弁及びポ
ンプをオンすることによって、例えば制御弁の両側に一
時的な圧力差の発生及びその解消の現象を起こす。これ
によって、ブレーキ液圧に脈動が発生するので、この脈
動の状態に基づいて、始動時に制御手段の作動状態を検
出できる。
【0017】請求項9の発明では、判定手段による判定
時期として、車両のブレーキ制御を行わない低速走行時
を採用できる。例えば制御弁やポンプ等の制御手段を駆
動しておらず、よって例えばトラクション制御等のブレ
ーキ制御を行っていない低速走行時には、例えば制御弁
の両側に圧力差が発生していない考えられるので、一時
的に例えば制御弁及びポンプをオンすることによって、
例えば制御弁の両側に一時的な圧力差の発生及びその解
消の現象を起こす。これによって、ブレーキ液圧に脈動
が発生するので、この脈動の状態に基づいて、車両の低
速走行時に制御手段の作動状態を検出できる。
【0018】請求項10の発明では、判定手段は、制御
手段にて発生された第1のブレーキ液圧を車輪制動力発
生手段側からブレーキ液圧発生手段側へ流動することに
より脈動を発生させる脈動発生手段を備える構成を採用
できる。また、請求項11に記載のごとく制御手段の作
動状態の判定を行う時期として、圧力増大手段を実行し
ている時期を採用できる。
【0019】すなわち、車輪制動力発生手段側の高いブ
レーキ液圧(第1のブレーキ液圧)をブレーキ液圧発生
手段側の低いブレーキ液圧側へ流動することにより油圧
脈動を発生する。この際、例えば請求項17に記載のよ
うに、ブレーキ液圧発生手段としてのマスタシリンダの
マスタシリンダ圧を検知するマスタシリンダ圧センサを
採用した場合、第1のブレーキ液圧よりも低いマスタシ
リンダ圧を検知するようにすれば、センサへの負荷を低
減できるという有利な点が存在する。且つ、圧力増大手
段の実行時期に判定手段を実行するようにし、マスタシ
リンダ圧よりも高い第1のブレーキ液圧を用いて判定手
段を実行すれば、脈動の出力が大きくなるため判定精度
を向上することも可能である。
【0020】請求項12の発明では、第1管路の前記第
2管路の接続部よりもブレーキ液圧発生手段側に設けら
れ、高圧源から車輪制動力発生手段側にブレーキ液圧が
付与される際に前記ブレーキ液圧発生手段側と車輪制動
力発生手段側との間の圧力差を形成する圧力差形成手段
と、圧力差形成手段によりブレーキ液圧発生手段側と車
輪制動力発生手段側との間に設けられた圧力差を用いて
圧力差形成手段の作動状態を判定する判定手段とを備え
ている。
【0021】すなわち、車輪制動力発生手段に付与され
る高圧源からの高圧のブレーキ液を用いて第1管路中に
圧力差を形成し、この圧力差に基づき圧力差形成手段の
作動状態を判定する。たとえば、請求項13ないし請求
項15に記載のポンプ等による高圧源の高圧ブレーキ液
圧の発生状態、アキュムレータの圧力状態あるいは制御
弁による圧力差の保持の状態を圧力差形成手段の作動状
態として一括して判定できる。
【0022】請求項18の発明では、マスタシリンダ圧
センサの出力変化が単位時間内に所定以下である場合を
判定許可条件として判定手段を実行する。また、請求項
19の発明では、車輪制動力発生手段にかかるブレーキ
液圧が基準時間以上継続して保持されていることを判定
許可条件とする。
【0023】マスタシリンダ圧を元圧として差圧を設け
て車輪制動力を発生させている状態において、マスタシ
リンダ圧が変化している際にブレーキ液圧発生手段と車
輪制動力発生手段との間の圧力差をなくす動作を行え
ば、車輪制動力の変化がブレーキ液圧発生手段における
ブレーキ液圧の変化から離れる割合が大きくなる。
【0024】すなわち、マスタシリンダ圧がある程度一
定であれば、ブレーキ液圧発生手段と車輪制動力発生手
段との間の圧力差を、短時間、その差を無くすように制
御したとしても車輪制動力にそれほど影響を与えない。
ところが、たとえばブレーキ液圧発生手段の圧力が増大
されている際に、前述の圧力差を無くすような制御を行
えば、ブレーキ液圧発生手段の増大に伴って増大される
べき車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増大勾
配が低下してしまい、車輪制動力の発生しいては制動距
離に悪影響を与えかねない。しかしながら、上述のごと
く判定許可の条件を設定すれば、このようなことを回避
可能となる。
【0025】また、請求項20の発明では、車両の非制
動状態の際を、判定許可の条件とする。このように車両
の非制動状態時に判定手段の判定許可を行うようにすれ
ば、判定を行うことにより車輪制動力の発生すなわち車
両制動状態に影響を与えることがなくなる。
【0026】請求項21の発明では、基準時間毎に定期
的に判定手段が実行される。すなわち、判定手段の判定
対象が経時変化にて故障に至った場合あるいは突発的に
故障に至った場合の双方を、網羅的に判定可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車両用ブレーキ装
置の好適な実施の形態を、例(実施例)を挙げて図面に
基づいて詳細に説明する。 (実施例1)本実施例は、油圧制御回路の制御弁やポン
プを作動しているときに、一時的に制御弁をオフするこ
とによって発生するブレーキ油圧の脈動を検出し、この
脈動の状態から制御弁の差圧機能やポンプの吐出機能の
チェックを行うものである。
【0028】a)図1は、周知のトラクション制御(T
RC制御)やアンチスキッド制御(ABS制御)、更に
は通常より制動力を上げることができるパワーブレーキ
制御(PB制御)等を行なうことができる車両用ブレー
キ装置の概略構成図である。図1に示す様に、車両用ブ
レーキ装置は、タンデム型のマスタシリンダ1を有し、
このマスタシリンダ1には、ブレーキペダル3と、マス
タリザーバ5と、X配管(ダイアゴナル配管)の油圧2
系統で構成されてブレーキ油圧を調節する油圧制御回路
7が接続されている。また、マスタシリンダ1は、二つ
の油路9a,9bを介して、油圧制御回路7を構成する
第1油圧配管11a及び第2油圧配管11bにそれぞれ
接続されている。
【0029】前記油圧制御回路7では、第1油圧配管1
1aを経て右前(FR)輪のホイールシリンダ41と左
後(RL)輪のホイールシリンダ16とが連通されてい
る。また、第2油圧配管11bを経て右後(RR)輪の
ホイールシリンダ17と左前(FL)輪のホイールシリ
ンダ18とが連通されている。
【0030】前記第1油圧配管11aには、FR輪のホ
イールシリンダ15の油圧を制御するための周知の増圧
制御弁21及び減圧制御弁25と、RL輪のホイールシ
リンダ16の油圧を制御するための増圧制御弁22及び
減圧制御弁26とが設けられ、第2油圧配管11bに
は、RR輪のホイールシリンダ17の油圧を制御するた
めの増圧制御弁23及び減圧制御弁27と、FL輪のホ
イールシリンダ18の油圧を制御するための増圧制御弁
24及び減圧制御弁28とが設けられている。
【0031】ここで、第1油圧配管11aについて説明
する。各増圧制御弁21,22よりマスタシリンダ1側
に、その油圧経路45aを連通・遮断するマスタシリン
ダカットバルブ(SMC弁)31と、ホイールシリンダ
15,16側を増圧するためのD弁42が設けられてい
る。尚、SMC弁31は、ホールシリンダ15,16側
が高圧になった場合には流路が開く構造である。
【0032】このD弁42とは、前記PB制御に使用さ
れるものであり、周知の比例制御弁(P弁)を逆接した
もの、即ち一般的に、マスタシリンダ圧が所定の折れ点
以上になった際に、前輪側よりも後輪側のホイールシリ
ンダ圧の増圧勾配をねかせるために使用されている弁を
逆接したものである。従って、この逆接された比例制御
弁により、例えば(SMC弁31の開状態で)油圧ポン
プ38を駆動させた場合には、油圧経路45a側の油圧
をマスタシリンダ1側よりも所定の割合で高くすること
が可能である。
【0033】また、第1の油圧配管11aには、各減圧
制御弁25,26から排出されたブレーキ油を一時的に
蓄えるリザーバ36と、ブレーキ油を油圧経路45aに
圧送するための油圧ポンプ38が備えられている。尚、
油圧ポンプ38からのブレーキ油の吐出経路には、ポン
プ吐出による油圧の脈動のホイールシリンダ15,16
側への伝達を抑えるアキュムレータ47が設けられてい
る。
【0034】更に、第1油圧配管11aには、トラクシ
ョン制御時等にホイールシリンダ圧を加圧する際に、マ
スタシリンダ1から油圧ポンプ34に直接ブレーキ油を
供給するための油圧経路49aが設けられ、この油圧経
路49aには、その油圧経路49aを連通・遮断するリ
ザーバカットバルブ(SRC弁)34が設けられてい
る。
【0035】特に、本実施例では、後述するSMC弁3
1の差圧機能及び油圧ポンプ38の吐出機能をチェック
するために、D弁42とSMC弁31との間に、ブレー
キ油圧を検出するための圧力センサ51が配設されてい
る。尚、油圧ポンプ38を駆動することにより、SMC
弁31の両側に圧力差が発生した場合には、圧力センサ
51が設けられている側が低圧になるので、この圧力セ
ンサ51によって、低圧側のブレーキ液圧の(高圧側よ
りもその脈動幅が大きな)脈動を検知することができ
る。
【0036】一方、第2油圧配管11bには、前記第1
油圧配管11aと同様に、増圧制御弁23,24、減圧
制御弁27,28、SMC弁32、D弁43、圧力セン
サ52、リザーバ37、油圧ポンプ39、アキュムレー
タ48、SRC弁35等が、同様な箇所に設けられてい
る。
【0037】尚、前記両油圧ポンプ38,39は、電動
ポンプモータ41に連結されて駆動される構成となって
いる。 b)図2に示す様に、上述したブレーキ制御装置を制御
するECU50は、周知のCPU50a、ROM50
b、RAM50c、入出力部50d及びバスライン50
e等を備えたマイクロコンピュータを中心に構成されて
いる。
【0038】前記ECU50には、各車輪に配置された
車輪速度センサ53、ブレーキスイッチ54、圧力セン
サ51,52等からの信号がECU50に入力される。
また、ECU50からは、電磁弁である増圧制御弁21
〜24、減圧制御弁25〜28、SMC弁31,32、
SRC弁34,35や、電動ポンプモータ41等の制御
アクチュエータを駆動する制御信号が出力される。
【0039】c)次に、本実施例における制御処理につ
いて、図3のフローチャート及び図4のタイミングチャ
ートに基づいて説明する。尚、本処理は、例えばトラク
ション制御による増圧制御が開始される毎に実行され
る。この制御処理は、SMC弁31,32の差圧機能及
び油圧ポンプ38,39の吐出機能をチェックするため
の制御処理(以下チェック制御と称す)であるが、通
常、第1油圧配管11aと第2油圧配管11bのチェッ
クは別個に行うので、この制御処理では、第1油圧配管
11aを例にとって説明する。
【0040】図3のステップ100にて、ブレーキペダ
ル3が踏まれたか否かを、ブレーキスイッチ54がオン
か否かによって判定する。ここで、ブレーキペダル3が
踏まれたと肯定判断されると、非制動時の制動制御(乗
員のペダル操作によらない制動制御)ではないので、一
旦本処理を終了し、一方、否定判断されると、ステップ
110に進む。
【0041】ステップ110では、例えばトラクション
制御を開始する条件が満たされたか否かを、例えば車輪
のスリップ率が所定値以上か否かによって判断する。こ
こで、肯定判断されるとステップ120に進み、一方否
定判断されると一旦本処理を終了する。
【0042】ステップ120では、トラクション制御を
開始するので(開始時刻t0;図4参照)、第1油圧配
管11aのSRC弁34をオンして、油圧ポンプ38の
吸引側とマスタシリンダ1側とを連通させる。続くステ
ップ130では、SMC弁31をオンして、その流路を
閉じる。
【0043】続くステップ140では、SRC弁34、
SMC弁31を共にオンした状態で、電動ポンプモータ
41をオンして油圧ポンプ38を作動させて、ブレーキ
油をSMC弁31と増圧制御弁21,22との間の油圧
経路45aに供給する。これによって、SMC弁31の
両側に圧力差が発生する。つまり、マスタシリンダ1側
よりホイールシリンダ15,16側のブレーキ油圧が高
くなる。
【0044】続くステップ150では、増圧制御弁2
1,22及び減圧制御弁25,26を制御して、ホイー
ルシリンダ圧を所定の油圧に調節して車輪に制動力を加
える周知のトラクション制御を行う。続くステップ16
0では、チェック制御を開始するタイミングか否かを判
定する。例えばトラクション制御の開始から所定期間経
過した場合に、チェック制御を開始する様に設定するこ
とができる。ここで肯定判断されるとステップ170に
進み、一方否定判断されると前記ステップ120に戻
る。
【0045】ステップ170では、図4に示す様に、チ
ェック制御を開始するタイミング(時刻t1)であるの
で、SMC弁31を一時的に(例えば3〜6ms)オフ
してその流路を開き、SMC弁31の両側の圧力差を解
消する制御を行う。つまり、SMC弁31のオフによっ
て、SMC弁31を介して、ホイールシリンダ15,1
6側からマスタシリンダ1側に高いブレーキ油圧が瞬間
的に導入されるので、特にマスタシリンダ1側(低圧
側)に大きな脈動が発生する。尚、このとき、増圧制御
弁21,22がオフされてその流路が開いていると、ブ
レーキ油圧の脈動がホイールシリンダ15,16に加わ
って車輪に予期せぬ制動力がかかることがあるので、少
なくともSMC弁31を一時的にオフする期間は、増圧
制御弁21,22をオンしてその流路を遮断しておく。
【0046】ステップ180では、前記ステップ170
のSMC弁31の一時的なオフによって生じたブレーキ
油の脈動を、圧力センサ51によって検出し、そのデー
タを読み込む処理を行う。続くステップ190では、圧
力センサ51によって検出した脈動の変動幅△Pを求め
る。
【0047】続くステップ200では、その脈動の変動
幅△Pが、SMC弁31や油圧ポンプ38が正常に機能
している場合に発生する脈動の基準となる変動幅△KP
と比較し、検出した変動幅△Pが基準となる変動幅△K
Pより小さい場合は、SMC弁31の差圧機能又は油圧
ポンプ38の吐出機能のいずれかに異常が発生したと判
定し、一旦本処理を終了する。なお、通常のTRCで
は、△Pが10〜20atmであると推測されるため、
△KPを10atmに設定してもよい。
【0048】この様に、本実施例では、SMC弁31を
オンしてその流路を遮断した状態で油圧ポンプ38を作
動させて、SMC弁31の両側に圧力差を発生させたと
きに、一時的にSMC弁31をオフしてその流路を連通
させることによって、ブレーキ油圧に脈動を発生させ、
その変動幅△Pが基準値△KPより小さい場合には、S
MC弁31の差圧機能か油圧ポンプ38の吐出機能のい
ずれかに異常が発生していると判断している。
【0049】つまり、SMC弁31や油圧ポンプ38の
異常を、自動的に且つ的確に検出できるので、その判定
結果に基づいて、車両の精密な制御を行うことができ
る。例えば、正常と判定された場合には、そのまま各種
の制御を実行することができる。一方、異常と判定され
た場合には、例えばSMC弁31や油圧ポンプ38の能
力の低下を加味して、それを補完する様な制御(例えば
ブレーキによる制動性能が低下していることが予想され
るので、エンジン出力を低減する割合を増大させる等の
制御)を行うことにより、例えばトラクション制御等の
各種の制御を継続して実施することが可能である。
【0050】また、異常が検出された場合には、SMC
弁31や油圧ポンプ38の修理や交換等を行うことによ
り、安全性の向上に寄与する。尚、第2油圧配管11b
においても同様にチェック制御を行うことにより、SM
C弁32や油圧ポンプ39の異常を検出することができ
る。 (実施例2)次に、実施例2について説明するが、前記
実施例1と同様な部分の説明は、省略又は簡略化する。
【0051】本実施例は、イニシャルチェック時、即
ち、パーキング時にイングッションをオンした場合の様
に、油圧制御回路の制御弁やポンプが停止しているとき
に、一時的にポンプ等をオンすることによって発生する
ブレーキ油圧の脈動を検出し、この脈動の状態から制御
弁の差圧機能やポンプの吐出機能のチェックを行うもの
である。
【0052】本実施例のハード構成は、前記実施例1と
同様であるので、そのイニシャル時のチェック制御を、
図5のフローチャート及び図6のタイミングチャートに
基づいて説明する。尚、ハード構成の図番は、実施例1
と同じものを使用する。イグニッションがオンとなった
場合には、所定のタイミング(図6の時刻t1;例えば
イグニッションオンの直後)で、図5のステップ200
にて、第1油圧配管11a(以下同様)のSRC弁34
を一時的にオンして、油圧ポンプ38の吸引側とマスタ
シリンダ1側とを連通させる。
【0053】続くステップ210では、SMC弁31を
一時的にオンして、その流路を一時的に閉じる。続くス
テップ220では、電動ポンプモータ41をオンして油
圧ポンプ38を一時的に作動させて、ブレーキ液をSM
C弁31と増圧制御弁21,22との間の油圧経路45
aに供給する。
【0054】尚、この時、増圧制御弁21,22は、車
両は停止しているのでオフでもオンでもどちらでもよい
が、ここではオフのままとする。つまり、前記ステップ
200〜200における、SRC弁34、SMC弁3
1、電動ポンプモータ41の一時的なオン(オンした後
にすぐにオフすること)によって、SMC弁31の両側
に一時的に圧力差が発生しすぐにその圧力差がなくなる
現象が起きるので、図6の(a)に示す様に、ブレーキ
油圧に脈動が発生する。なお、この(a)のような油圧
脈動は、乗員によりブレーキペダル3が踏み込まれてい
ない場合の波形である。
【0055】続くステップ230では、前記ブレーキ油
の脈動を、圧力センサ51によって検出し、そのデータ
を読み込む処理を行う。続くステップ240では、圧力
センサ51によって検出した脈動の変動幅△Pを求め
る。
【0056】続くステップ250では、その脈動の変動
幅△Pが、SMC弁31や油圧ポンプ38が正常に機能
している場合の変動幅△KPと比較し、検出した変動幅
△Pが基準となる変動幅△KPより小さい場合は、SM
C弁31の差圧機能又は油圧ポンプ38の吐出機能のい
ずれかに異常が発生したと判定し、一旦本処理を終了す
る。
【0057】この様に、本実施例では、イニシャルチェ
ック時に、SRC弁34、SMC弁31、油圧ポンプ3
8を一時的に作動させて、SMC弁31の両側に一時的
に圧力差を発生させ、それによってブレーキ油圧に脈動
を発生させている。そして、その変動幅△Pが基準値△
KPより小さい場合には、SMC弁31の差圧機能か油
圧ポンプ38の吐出機能のいずれかに異常が発生してい
ると判断している。
【0058】よって、前記実施例1と同様に、SMC弁
31や油圧ポンプ38の異常検出を自動的に且つ的確に
検出できるとともに、車両走行前にそのチェックができ
るので、一層安全性が高いという利点がある。更に、増
圧制御弁21,22をオン(遮断)してチェックする
と、油圧ポンプ38で加圧される管路容量が小さいた
め、短時間で圧力が増加するので、チェック時間が短く
なるという利点がある。
【0059】なお、オートマチック車のように、パーキ
ングにおいてイグニッションスイッチがオンされる際
に、ブレーキペダル3が踏み込まれてマスタシリンダ圧
が発生している場合には、図6の(b)の油圧波形とな
るが、同様に△PによってSMC弁31や油圧ポンプ3
8の異常検出が行える。 (実施例3)次に、実施例3について説明するが、前記
実施例1と同様な部分の説明は、省略又は簡略化する。
【0060】本実施例は、トラクション制御等を行って
いない低速走行時、よって、油圧制御回路の制御弁やポ
ンプが停止しているときに、一時的にポンプ等をオンす
ることによって発生するブレーキ油圧の脈動を検出し、
この脈動の状態から制御弁の差圧機能やポンプの吐出機
能のチェックを行うものである。
【0061】本実施例のハード構成は、前記実施例1と
同様であるので、チェック制御を図7のフローチャート
及び図8のタイミングチャートに基づいて説明する。
尚、ハード構成の図番は、実施例1と同じものを使用す
る。図7のステップ300にて、車両走行時おいて、そ
の速度が所定の速度より低速であるか否かを判定する。
ここで肯定判断されるとステップ310に進み、一方否
定判断されると一旦本処理を終了する。
【0062】ステップ310では、所定のタイミング
(図7の時刻t1)で、第1油圧配管11a(以下同
様)のSRC弁34を一時的にオンして、油圧ポンプ3
8の吸引側とマスタシリンダ1側とを連通させる。続く
ステップ320では、SMC弁31を一時的にオンし
て、その流路を一時的に閉じる。
【0063】続くステップ330では、増圧制御弁2
1,22を一時的にオンして、その流路を一時的に閉じ
る。尚、この時、増圧制御弁21,22を閉じる理由
は、増圧制御弁21,22が開いていると、油圧ポンプ
38にて増圧されたブレーキ油圧がホイールシリンダ1
5,16にかかって、ブレーキがかかるからである。
【0064】続くステップ340では、電動ポンプモー
タ41をオンして油圧ポンプ38を一時的に作動させ
て、ブレーキ液をSMC弁31と増圧制御弁21,22
との間の油圧経路45aに供給する。つまり、前記ステ
ップ310,320,340における、SRC弁34、
SMC弁31、電動ポンプモータ41の一時的なオン
(オンした後にすぐにオフすること)によって、前記実
施例2と同様に、SMC弁31の両側に一時的に圧力差
が発生しすぐにその圧力差がなくなる現象が起きるの
で、図8に示す様に、ブレーキ油圧に脈動が発生する。
【0065】続くステップ350では、前記ブレーキ油
の脈動を、圧力センサ51によって検出し、そのデータ
を読み込む処理を行う。続くステップ360では、圧力
センサ51によって検出した脈動の変動幅△Pを求め
る。
【0066】続くステップ370では、その脈動の変動
幅△Pが、SMC弁31や油圧ポンプ38が正常に機能
している場合の変動幅△KPと比較し、検出した変動幅
△Pが基準となる変動幅△KPより小さい場合は、SM
C弁31の差圧機能又は油圧ポンプ38の吐出機能のい
ずれかに異常が発生したと判定し、一旦本処理を終了す
る。この様に、本実施例では、低速での走行時に、SR
C弁34、SMC弁31、増圧制御弁21,22、油圧
ポンプ38を一時的に作動させて、SMC弁31の両側
に一時的に圧力差を発生させ、それによってブレーキ油
圧に脈動を発生させている。そして、その変動幅△Pが
基準値△KPより小さい場合には、SMC弁31の差圧
機能か油圧ポンプ38の吐出機能のいずれかに異常が発
生していると判断している。
【0067】よって、前記実施例1と同様に、SMC弁
31や油圧ポンプ38の異常検出を自動的に且つ的確に
検出できるとともに、トラクション制御時等でなくても
そのチェックができるので、一層安全性が高いという利
点がある。 (実施例4)次に、実施例4について説明するが、前記
実施例1等と同様な部分の説明は省略または簡略化す
る。
【0068】本実施例4は、左右前輪の各ホイールシリ
ンダで第1の配管系統、左右後輪の各ホイールシリンダ
で第2の配管系統をそれぞれ構成する前後配管のブレー
キシステムに本発明を適用する。また、前述までの実施
例では、前述のPBを行う管路構成として、マスタシリ
ンダ1とD弁42、43との間の管路中からSRC弁3
4、35を介してポンプ吸引し、D弁42、43よりも
各ホイールシリンダ側(SMC弁31,32が閉状態で
はこのSMC弁31,32よりもホイールシリンダ側)
にブレーキ液を吐出し、さらにD弁42,43あるいは
SMC弁31,32にてホイールシリンダ側のブレーキ
液圧をマスタシリンダ圧よりも高い圧力に保持可能なよ
うな、マスタ自吸の構成であったが、リザーバ自吸の構
成にも採用できる。
【0069】すなわち、図10に示すように、ポンプ3
8はSRC弁34を介して、マスタシリンダ1に独自に
設けられたマスタリザーバ5からブレーキ液を吸引可能
なように管路110aが形成されている。そして、ポン
プ吐出は蓄圧用制御弁103を介して油圧経路45aに
流動する。なお、蓄圧用制御弁103は、通常ブレーキ
状態では閉状態にされており、アキュムレータ101に
高圧のブレーキ液を蓄圧する。
【0070】そして、このアキュムレー夕101に貯め
られている高圧のブレーキ液圧を用いて、トラクション
制御あるいはパワーブレーキの初期段階のホイールシリ
ンダ圧の増圧を実施する。よって、蓄圧用制御弁103
はトラクション制御、パワーブレーキあるいはトレース
制御の開始に伴って、開状態にされる。
【0071】なお、蓄圧用制御弁103が開状態にされ
て、トラクション制御、パワーブレーキあるいはトレー
ス制御の開始される場合には、通常閉状態であるSRC
弁34は開状態にされ、マスタリザーバ5からポンプ吸
引可能な状態とする。さらにこの状態ではSMC弁31
は閉状態とされ、マスタシリンダ側よりホイールシリン
ダ側のブレーキ液圧を高圧に維持できるようにする。
【0072】なお、トラクション制御等の実施に伴い、
アキュムレータ101内の高圧ブレーキ液が消費された
際には、トラクション制御等の終了時において、ポンプ
吐出および蓄圧用制御弁103の閉状態によりアキュム
レータ101内に高圧ブレーキ液を貯留する。すなわ
ち、通常状態ブレーキ状態では、常時アキュムレータ内
に高圧のブレーキ液圧が蓄圧される制御形態を採用す
る。
【0073】また、トラクション制御あるいはトレース
制御等において、マスタシリンダ側とホイールシリンダ
側との間の圧力差を形成する構成としては、上述のSM
C弁31の他に、マスタシリンダ圧よりも高い圧力を形
成するためのポンプ及びモータあるいはアキュムレータ
およびポンプ吸引のためのSRC弁が存在する。
【0074】アキュムレータ101の内部には、ブレー
キ液貯留部位よりも奥にガス不透過膜等を介してガス1
0laが封入される。このガスは、アキュムレータ内へ
ブレーキ液が吐出された際にアキュムレータ内における
蓄圧を容易にし、効果的に行えるようにできる。すなわ
ち、ブレーキ液は非圧縮性であるため、圧縮性であるガ
スを用いることにより、アキュムレータ内の圧力形成を
容易に行える。
【0075】他方の配管系統においても同様の構成を持
つことができ、油圧経路110b、アキュムレータ10
2、蓄圧用制御弁104が設けられる。次に、油圧の脈
動の変動幅△Pから、ポンプ38、蓄圧用制御弁10
3、アキュムレータ101、およびSMC弁31の異常
検出を行うフローについて図11に基づき説明する。
【0076】ステップ400では、ブレーキスイッチに
基づき車両非制動状態か否かを判定し、肯定判断された
場合にステップ410に進む。ステップ410では、ト
ラクション制御、あるいはトレース制御等の制御がなさ
れていない非制御状態であるか否かを判定する。ステッ
プ430では前回の異常検出すなわちポンプ38、蓄圧
用制御弁103、アキュムレー夕101、およびSMC
弁31のチェック動作から基準時間(たとえば1ヶ月相
当時間)が経過したか否かを判定する。
【0077】ステップ400、410、420における
制御許可条件をクリアした場合には、ステップ430以
下の異常検出に入る。ステップ430では、増圧制御弁
21、22をオンして、ホイールシリンダ側へアキュム
レー夕101からのブレーキ液圧が流動しないようにす
る。ステップ440では、SMC弁31をオンして、マ
スタシリンダ側とホイールシリンダ側とを遮断する。ス
ナップ450では蓄圧用制御弁103をオンする。ここ
までのステップにより、油圧経路45aにアキュムレー
タ101からのブレーキ液圧が貯えられる。
【0078】なお、ステップ450における蓄圧用制御
弁101のオンは所定時間(たとえば100ミリセカン
ド)継続されるようにし、十分に油圧経路45aに圧力
が流動するようにするのが望ましい。ステップ460で
は、SMC弁31がオフされ、開状態にされる。これに
より、ポンプあるいはアキュムレータ等が正常であれ
ば、油圧経路45aにおける高圧のブレーキ液圧が、マ
スタシリンダ1側に流動する。
【0079】ステップ470では、異常検出のための弁
制御が終了したため、蓄圧用制御弁101および増圧制
御弁も通常状態に戻すため、蓄圧用制御弁470および
増圧制御弁がオフされる。そして、ステップ480、4
90、500において、前述までの実施例と同様、油圧
の脈動の変動幅△Pから、アクチュエータの異常検出す
る。ここで、検出される異常とは、アキュムレータ10
1の蓄圧状態、SMC弁31の開状態、蓄圧用制御弁1
03の開状態が網羅的に検出でき、どれか一つでも異常
があれば、ステップ500において異常と検出される。
【0080】また、この異常検出では、ポンプ異常も含
めて検出される。すなわちアキュムレータ101が異常
である状態としては、アキュムレータ101の液圧漏洩
の他に、ポンプによる適切な蓄圧がなされなかったこと
も含めて考慮でき、ポンプの異常とも考えられる。
【0081】なお、このような異常検出を行った後に異
常と判断された場合には、それを乗員に報知するように
してもよい。なお、図11のフローは左右後輪側の配管
系統に対しても、同様に実行される。 (実施例5)次に、実施例5について説明する。
【0082】ここでは、図12のフローに基づき、車両
制動中で、ホイールシリンダシリンダ圧が存在する場合
に異常検出がなされる実施例について説明する。ステッ
プ600〜ステップ630は、異常検出の許可条件であ
る。すなわち、ステップ600において、ブレーキスイ
ッチに基づき車両制動中であり、PB制御中であると判
定された場合にはステップ610に進み、圧力センサ5
1の圧力TPをマスタシリンダ圧として読み込む。そし
て、ステップ620ではこのマスタシリンダ圧の所定時
間内の変動幅△TPを算出する。ステップ630では、
この変動幅△TPが、比較値α△TPよりも大きいか否
かを判定する。ここで否定判定されて、マスタシリンダ
圧の変動幅△TPがある程度小さいと判定された場合に
は、ステップ640に進み、ホイールシリンダ圧の保持
制御中であるかいなかが判定される。
【0083】このホイールシリンダ圧の保持制御とは、
たとえば乗員のペダル操作に応じて、圧力を増大された
ホイールシリンダ圧を保持する制御であり、マスタシリ
ンダ圧の変動がほとんどない状態では、モータをオフあ
るいは駆動デューティを低下したりしてホイールシリン
ダ圧をマスタシリンダ圧よりも高い状態でほぼ一定保持
する。なお、増圧制御弁をオンしてホイールシリンダ圧
を保持するようにしてもよい。
【0084】そして、このステップ640において、ホ
イールシリンダ圧の保持制御が実行中であると判断され
た場合にはステップ650に進み、異常検出を行う。ス
テップ650に至った際にはPB制御中であるため、マ
スタシリンダ圧よりもホイールシリンダ圧を高く保持す
るべく、すでにSMC弁31はオン(閉状態)されてい
る。すなわち、マスタシリンダ圧とホールシリンダ圧と
の間に差圧が形成されている状態である。よって、この
ステップ650ではSMC弁31を一時的にオフ(開状
態)することによりマスタシリンダ側に油圧脈動を発生
できる。
【0085】その後、ステップ660では、前述までの
実施例のごとく、油圧の脈動から圧力差を発生させてい
る構成の異常判定を行う。ここで圧力差を形成する構成
とは、SRC弁34、ポンプ及びモータ、蓄圧用制御弁
103、およびSMC弁31、アキュムレータ101の
異常を網羅的に判定でき、どれか一つでも異常である
際、たとえばSRC弁34が目詰まりしていたり開状態
にならなかったりした場合には、マスタシリンダ側とホ
イールシリンダ側とに圧力差が形成されていないため、
SMC弁31を一時的に開状態としたとしても、油圧脈
動はおきず、異常と判定される。
【0086】なお、この異常検出では、以下の状態も判
定できる。すなわちアキュムレータ101に封入されて
いるガスが、ガス封入膜を浸透したりガス封入膜が破け
たりして、ブレーキ液中に放出される場合が考えられ
る。この際にホイールシリンダ側へこのガスが存在して
しまうと、ポンプおよび各弁等が正常であっても、ホイ
ールシリンダ圧が上がらず、マスタシリンダ圧とホイー
ルシリンダ圧との差圧がそれほど付かない場合がある。
なお、このような場合では、ホイールシリンダ圧も増大
されず、ブレーキのききが悪くなる可能性もある。しか
しながら、このような状態も、本実施例では検出するこ
とができる。
【0087】次に、本実施例のタイミングチャートであ
る図13に基づいて、図12のフローが実行された際の
圧力等の作動について説明する。時刻t1にてブレーキ
ペダルが踏み込まれ車両制動状態になったとする。そし
て時刻t2においてPB制御が開始される。この開始条
件は、たとえばペダルストロークが所定以上であるこ
と、ペダルストローク速度が所定以上であること、車体
減速度が所定以上であること等を採用することができ、
乗員のパニック的な制動状態等において実行される。
【0088】そして、この時刻t2から時刻t3は、マス
タシリンダ圧よりもホイールシリンダ圧の方が高く増大
される。すなわち、時刻t2から時刻t3までの予め定め
られた所定時間の間、マスタシリンダ圧の増圧勾配と比
べてはるかに大きい増圧勾配を、ポンプ38による吐出
およびSMC弁31による圧力保持により実現する。
【0089】このホイールシリンダ圧の増大は、乗員の
ブレーキベダルの操作に応じて行われ、時刻t3から時
刻t4までの間は、ペダルが徐々に踏み込まれ、マスタ
シリンダ圧も徐々に増大しているため、それにあわせ
て、ホイールシリンダ圧も徐々に増大する。なお、時刻
t1から時刻t4までの間は、ペダルストロークの変化に
伴うマスタシリンダ圧の変動(増大)が存在するため、
異常検出は行わない。ところが、時刻t4から時刻t5の
間では、ペダルストロークの変化がほとんどなく、マス
タシリンダ圧の変動がほとんどないため、前述のステッ
プ630で否定判定される。マスタシリンダ圧の変動△
TPが所定以下であるという条件を満足する。
【0090】また、この時刻t4から時刻t5において
は、マスタシリンダ圧の変動がほとんどないことにあわ
せて、ホイールシリンダ圧をマスタシリンダ圧より高い
状態で保持するようにする。よって、前述のステップ6
40においても肯定判断されて、ステップ650に進
む。よってこの時刻t4から時刻t5において異常検出の
実行許可条件を満足し、異常検出を実行する。
【0091】よって、時刻Tにおいて異常検出を行い、
マスタシリンダ圧及びホイールシリンダ圧にはその異常
検出による波形が現れる。なお、この異常検出を行う条
件として、マスタシリンダ圧の変動がほとんど存在しな
くなってホイールシリンダ圧の保持をし始めた時刻t4
から所定時間たって、マスタシリンダ圧およびホイール
シリンダ圧が安定したかどうかを判定した後に、異常検
出を行うようにしてもよい。
【0092】時刻t5から時刻t6では、乗員のペダル操
作が少々ペダル戻しぎみにされたのに伴い、マスタシリ
ンダ圧が低下し、これに応動してホイールシリンダ圧も
低下される。よって、この時刻t5から時刻t6では、マ
スタシリンダ圧が所定以上変動しているとして、異常検
出を行わない。
【0093】このように異常検出の許可条件を設定すれ
ば、ホイールシリンダにブレーキ液圧が存在する車両制
動時、たとえばパワーブレーキ時においても異常検出を
的確に行え、且つ、アキュムレータ内のガスのホイール
シリンダ側への漏れ等についても含めた異常判定を行う
ことが可能である。
【0094】尚、本発明は上記実施例に何ら限定される
ことなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り、種々
の態様で実施できることはいうまでもない。 (1)前記実施例の油圧制御回路以外に、各種の油圧制
御回路を採用できる。例えば図9に示す様に、第1及び
第2油圧配管60a,60bにおいて、各D弁61,6
2とSMC弁63,64とがそれぞれ並列に設けられて
いる油圧制御回路65に適用できる。尚、圧力センサ6
6,67は、例えばSMC弁63,64よりマスタシリ
ンダ68側(低圧側)に配置されている。そして、この
油圧制御回路65によって、ABS制御とPB制御とを
行うことができ、特に応答性がよいという利点がある。
【0095】(2)前記実施例では、トラクション制御
を例に挙げたが、ブレーキペダルを踏まない場合の各種
の制動制御、例えばVSC制御(乗員によるステアリン
グ操舵状態と実際の車輪の旋回状態とを合わせるため
に、車輪に制動力を付してトレース性を向上する技術)
や、例えば追突を防止するための自動ブレーキの制御等
の適用できることは勿論である。
【0096】(3)圧力センサを、SMC弁の(油圧ポ
ンプ作動時の)低圧側であるマスタシリンダ側に配置す
ると、脈動幅が大きく、容易に脈動が検出できて好適で
あるが、高圧側であるホイールシリンダ側に配置しても
よい。尚、高圧側、例えば油圧経路45aに圧力センサ
を配置した場合、そのブレーキ液圧の脈動の波形は、前
記実施例1〜3とは上下逆になる。例えば実施例2,3
にて、圧力センサを高圧側に配置すると、(図6及び図
8において)ブレーキ油圧は下に凸の脈動となる。
【0097】(4)パニック的制動時等において、PB
制御によるブレーキアシストが行われている時に、油圧
ポンプ及びSMC弁の作動状態を検知するようにしても
よい。このことを図9に基づいて説明すると、ホイール
シリンダ圧をマスタシリンダ圧よりも高くなるようにP
B制御が行われる際には、例えばSRC71弁はオン
(連通)、油圧ポンプ72はオン、SMC弁63はオン
(遮断)とされ、他の弁は図示の通りの状態である。こ
のため油圧ポンプ72はマスタシリンダ68とD弁61
及びSMC弁63との間からブレーキ油を吸引し、ホイ
ールシリンダ73,74側に吐出する。よって、D弁6
1及びSMC弁63により、ホイールシリンダ73,7
4側の圧力がマスタシリンダ68側より高く保持され
る。
【0098】この際に、例えば、所定の減速G以上あれ
ば、SMC弁63を瞬間的に連通し、この時に発生する
油圧脈動を圧力センサ66で検出するようにしてもよ
い。なお、脈動波形は、図6の(b)のようになる。こ
のときには、油圧ポンプ72、SMC弁63の他に、D
弁61の圧力保持作用すなわちホイールシリンダ73,
74側からマスタシリンダ68側への圧力減衰流動作用
の異常も検知できる。
【0099】(5)また、ブレーキブースタ(ブレーキ
倍力装置)の失陥時(不機能時)に、ブレーキブースタ
による倍力作用の減滅を補うように、油圧ポンプ及びS
MC弁が制御されてホイールシリンダ圧がマスタシリン
ダ圧より増大される際に、油圧脈動を発生して、油圧ポ
ンプ、SMC弁の異常を検出することもできる。なお、
この際の油圧ポンプ及びSMC弁の制御は、図1におい
て、TRC制御に基づいて説明した弁及び油圧ポンプの
制御と同様である。
【0100】(6)また、上述の実施例では、SMC弁
31あるいはSRC弁34を、開状態と閉状態の2つの
弁位置を有する2位置弁にて構成していたが、これに関
わらず、たとえばソレノイドへの通電量(デューティ
比)に応じて弁体のリフト量を任意の位置へ移動可能な
リニア制御弁を採用するようにしてもよい。
【0101】すなわち、SMC弁31に代わってリニア
制御弁を用いた際には、リニア制御弁において弁体を開
状態と閉状態の中間位置に移動し、絞り効果によりホイ
ールシリンダ圧とマスタシリンダ圧との差圧を保持す
る。このようにすれば、差圧保持率を任意に設定でき、
ブレーキペダルの乗員の操作具合に応じたホイールシリ
ンダ圧増圧制卸を行え、且つこのようなリニア制御弁に
おいても異常判定は上述の実施例と同様に実現できる。
【0102】また、SRC弁34に代わってリニア制御
弁を用いた際には、絞り効果を利用することによって、
モータへの通電量を制御してポンプ吸引性能を可変する
のに代えてポンプ吸引吐出量を制御できる。これに伴
い、ポンプ吸引吐出脈動を抑制でき、騒音等低下でき
る。そして、このようにSRC弁34に代えてリニア制
御弁を採用しても、上述の実施例と同様、異常判定を実
現できる。このように異常判定の対象となりうる各弁と
しては、電気的に弁位置が制御されるものであればよ
い。
【0103】(7)上述までの実施例では、ブレーキペ
ダルの乗員の操作に伴いブレーキペダルストロークによ
りマスタシリンダ圧を発生していたが、これに関わら
ず、乗員によるブレーキペダル操作を電気的な信号とし
て受け、この信号に応じてホイールシリンダ圧を発生す
るいわゆるブレーキバイワイヤー式の装置、あるいは乗
員のペダル操作によらず図示しないブレーキブースタの
大気圧室に自動的に大気圧を導入する等により自動的に
マスタシリンダ圧を発生する自動ブレーキ式の装置に上
述までの実施例を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の車両用ブレーキ装置を示す概略構
成図である。
【図2】 実施例1の電子制御装置の構成を示すブロッ
ク図である。ある。
【図3】 実施例1の制御処理を示すフローチャートで
ある。
【図4】 実施例1の各弁等やブレーキ油圧の状態を示
すタイミングチャートである。
【図5】 実施例2の制御処理を示すフローチャートで
ある。
【図6】 実施例2の各弁等やブレーキ油圧の状態を示
すタイミングチャートである。
【図7】 実施例3の制御処理を示すフローチャートで
ある。
【図8】 実施例3の各弁等やブレーキ油圧の状態を示
すタイミングチャートである。
【図9】 他の実施例の油圧制御回路を示す説明図であ
る。
【図10】 実施例4の車両用ブレーキ装置を示す概略
構成図である。
【図11】 実施例4の制御処理を示すフローチャート
である。
【図12】 実施例5の制御処理を示すフローチャート
である。
【図13】 実施例5のブレーキ油圧の状態等を示すタ
イミングチャートである。
【符号の説明】
1,68…マスタシリンダ 7,65…油圧制御回路 21,22,23,24…増圧制御弁 25,26,27,28…減圧制御弁 31,32,63,64…マスタカットバルブ(SMC
弁) 34,35,71…リザーバカットバルブ(SRC弁) 38,39,72…油圧ポンプ 41…電動ポンプモータ 42,43,61,62…D弁 51,52,66,67…圧力センサ

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両制動時に、車輪に車輪制動力を発生
    させるためにブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生
    手段と、 該ブレーキ液圧発生手段から前記ブレーキ液圧を受け
    て、前記車輪制動力を発生する車輪制動力発生手段と、 前記ブレーキ液圧発生手段と前記車輪制動力発生手段と
    を連通する管路と、 該管路に設けられ、前記ブレーキ液圧発生手段側のブレ
    ーキ液圧と前記車輪制動力発生手段側のブレーキ液圧と
    の間に圧力差を発生させる制御手段と、 該制御手段によって前記管路中のブレーキ液圧に圧力差
    を発生させた場合、前記制御手段を駆動して前記圧力差
    をなくす際に前記管路中に発生するブレーキ液圧の脈動
    から前記制御手段の作動状態を判定する判定手段と、 を備えたことを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 前記管路中において前記制御手段によっ
    て前記ブレーキ液の圧力差を発生させた場合に、ブレー
    キ液圧の低い方のブレーキ液圧変化に基づいて前記判定
    手段の判定を行うことを特徴とする前記請求項1に記載
    の車両用ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記管路の開閉状態を
    制御する制御弁又は前記ブレーキ液の吸引・吐出を行う
    ポンプであることを特徴とする前記請求項1又は2に記
    載の車両用ブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 前記ポンプによって、前記ブレーキ液圧
    発生手段と前記制御弁との間から前記ブレーキ液を吸引
    して、前記制御弁と前記車輪制動力発生手段との間に前
    記ブレーキ液を吐出することより、前記圧力差を発生さ
    せることを特徴とする前記請求項3に記載の車両用ブレ
    ーキ装置。
  5. 【請求項5】 前記制御弁の開弁又は前記ポンプの停止
    により、前記圧力差を解消することを特徴とする前記請
    求項3又は4に記載の車両用ブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 前記ブレーキ液圧発生手段と前記制御弁
    との間に設けられた液圧センサによって、前記ブレーキ
    液圧の変化を検出することにより、前記判定手の判定を
    行うことを特徴とする前記請求項3〜5のいずれかに記
    載の車両用ブレーキ装置。
  7. 【請求項7】 車両のブレーキ制御の実行中に、前記判
    定手段による判定を行うことを特徴とする前記請求項1
    〜6のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
  8. 【請求項8】 車両の始動時に、前記判定手段による判
    定を行うことを特徴とする前記請求項1〜6のいずれか
    に記載の車両用ブレーキ装置。
  9. 【請求項9】 車両のブレーキ制御を行わない低速走行
    時に、前記判定手段による判定を行うことを特徴とする
    前記請求項1〜6のいずれかに記載の車両用ブレーキ装
    置。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、前記管路中に前記ブ
    レーキ液圧発生手段に発生されたブレーキ液圧よりも高
    い第1のブレーキ液圧を発生する圧力増大手段を備え、 前記判定手段は、前記制御手段にて発生された前記第1
    のブレーキ液圧を前記車輪制動力発生手段側から前記ブ
    レーキ液圧発生手段側へ流動することにより前記脈動を
    発生させる脈動発生手段を備えることを特徴とする前記
    請求項1〜9のいずれかに記載の車両ブレーキ装置。
  11. 【請求項11】 前記制御手段は、前記管路中に前記ブ
    レーキ液圧発生手段に発生されたブレーキ液圧よりも高
    い第1のブレーキ液圧を発生する圧力増大手段を備え、 前記判定手段は、前記圧力増大手段の実行時に前記制御
    手段の作動状態の判定を行うことを特徴とする前記請求
    項1〜9のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
  12. 【請求項12】 車両制動時に、車輪に車輪制動力を発
    生させるためのブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発
    生手段と、 前記ブレーキ液圧発生手段からブレーキ液圧を受けて、
    前記車輪制動力を発生する車輪制動力発生手段と、 前記ブレーキ液圧発生手段と前記車輪制動力発生手段と
    を連通する第1管路と、 前記ブレーキ液圧発生手段からのブレーキ液圧の供給と
    は別に、前記車輪制動力発生手段に対してブレーキ液圧
    を付与可能な高圧源と、 前記高圧源からのブレーキ液圧を前記第1管路中に導入
    する第2管路と、 前記第1管路の前記第2管路の接続部よりも前記ブレー
    キ液圧発生手段側に設けられ、前記高圧源から前記車輪
    制動力発生手段側にブレーキ液圧が付与される際に、前
    記ブレーキ液圧発生手段側と前記車輪制動力発生手段側
    との間の圧力差を形成する圧力差形成手段と、 前記圧力差形成手段により、前記ブレーキ液圧発生手段
    側と前記車輪制動力発生手段側との間に設けられた圧力
    差を用いて、前記圧力差形成手段の作動状態を判定する
    判定手段と、 を備えることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  13. 【請求項13】 前記判定手段は、前記圧力差形成手段
    の作動状態および前記高圧源の少なくとも一方に異常が
    発生しているか否かを判定することを特徴とする前記請
    求項12に記載の車両用ブレーキ装置。
  14. 【請求項14】 前記高圧源は、前記ブレーキ液圧発生
    源に独自に設けられているリザーバからブレーキ液を吸
    引して高圧吐出するポンプと、ポンプ吐出により高圧ブ
    レーキ液を貯留するアキュムレータと、前記アキュムレ
    ータに貯えられたブレーキ液圧を保持するための保持弁
    と、を備えていることを特徴とする前記請求項12又は
    13に記載の車両用ブレーキ装置。
  15. 【請求項15】 前記アキュムレータは、その内部に予
    め貯留される圧縮性のガスと、前記ガスをアキュムレー
    タ内に保持する保持部材と、を備えることを特徴とする
    前記請求項14に記載の車両用ブレーキ装置。
  16. 【請求項16】 前記圧力差形成手段は、前記高圧源か
    ら前記車輪制動力発生手段側へ高圧ブレーキ液が流動さ
    れた際に、前記ブレーキ液圧発生手段側と前記車輪制動
    力発生手段側との間の圧力差を保持するための制御弁を
    備えることを特徴とする請求項14又は15に記載の車
    両用ブレーキ装置。
  17. 【請求項17】 前記ブレーキ液圧発生手段は、乗員の
    ブレーキペダル操作によりマスタシリンダ圧を発生する
    マスタシリンダであり、 前記判定手段は、前記マスタシリンダ側のブレーキ液圧
    の変化を検知するマスタシリンダ圧センサを備えること
    を特徴とする前記請求項1〜16のいずれかに記載の車
    両用ブレーキ装置。
  18. 【請求項18】 前記判定手段は、単位時間当たりの前
    記マスタシリンダ圧センサの出力変化が所定以下である
    際に、前記作動状態の判定許可を行う許可手段を備える
    ことを特徴とする前記請求項17に記載の車両用ブレー
    キ装置。
  19. 【請求項19】 前記判定手段は、前記制御手段として
    構成されている前記管路を遮断する制御弁よりも前記車
    輪制動力発生手段側の圧力が、基準時間以上継続して保
    持されている際に、前記作動状態の判定許可を行う許可
    手段を備えることを特徴とする前記請求項1〜18のい
    ずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
  20. 【請求項20】 前記判定手段は、前記車両の非制動時
    であるか否かを検知する制動状態検知手段を備え、前記
    制動状態検知手段により非制動時であるとの検知結果が
    なされた際にのみ、前記作動状態の判定許可を行う許可
    手段を備えていることを特徴とする請求項1〜19のい
    ずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
  21. 【請求項21】 前記判定手段は、予め定められた基準
    時間ごとに定期的に前記作動状態の判定を実行すること
    を特徴とする前記請求項1〜20のいずれかに記載の車
    両用ブレーキ装置。
  22. 【請求項22】 前記ブレーキ液圧発生手段は、乗員に
    より操作されるブレーキペダルの操作状態に基づいた電
    気的な制御信号に基づいて前記ブレーキ液圧を発生する
    非接触型ブレーキシステムの構成を備え、前記制御信号
    に応じて、前記ブレーキ液圧発生手段あるいは前記ポン
    プおよび制御弁においてブレーキ液圧を発生し、前記車
    輪制動力発生手段にブレーキ液圧を付与することを特徴
    とする前記請求項3に記載の車両用ブレーキ装置。
  23. 【請求項23】 前記ブレーキ液圧発生手段は、乗員に
    より操作されるブレーキペダルの操作状態に基づいた電
    気的な制御信号に基づいて前記ブレーキ液圧を発生する
    非接触型ブレーキシステムの構成を備え、前記制御信号
    に応じて、前記ブレーキ液圧発生手段あるいは前記高圧
    源においてブレーキ液圧を発生し、前記車輪制動力発生
    手段にブレーキ液圧を付与することを特徴とする前記請
    求項12〜16のいずれかに記載の車両用ブレーキ装
    置。
  24. 【請求項24】 前記制御弁は、電気的な制御によりブ
    レーキ液の流動を連通・遮断する2位置弁で構成されて
    いることを特徴とする前記請求項3〜6のいずれか又は
    請求項16に記載の車両用ブレーキ装置。
  25. 【請求項25】 前記制御弁は、電気的な制御により前
    記車輪制動力発生手段が輪と前記ブレーキ液圧発生手段
    側とのブレーキ液の流動量を可変するリニア制御弁であ
    ることを特徴とする前記請求項3〜6のいずれか又は請
    求項6に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  26. 【請求項26】 前記車両用ブレーキ装置は、前記車両
    の旋回挙動を乗員の旋回操作意志に合わせるように、乗
    員の制動意志にかかわらず自動的に各車輪のいずれかに
    車輪制動力を付与するトレース制御手段を備えており、 前記判定手段は、前記トレース制御手段により駆動され
    る前記制御弁もしくはポンプの作動状態を判定すること
    を特徴とする前記請求項3〜6のいずれか又は請求項1
    6に記載の車両用ブレーキ装置。
  27. 【請求項27】 前記車両用ブレーキ装置は、乗員のパ
    ニック的な車両制動状態を検知して補助的に急ブレーキ
    をかけるブレーキアシスト手段を備えており、 前記判定手段は、前記ブレーキアシスト手段により駆動
    される前記制御弁もしくはポンプの作動状態を判定する
    ことを特徴とする前記請求項3〜6のいずれか又は請求
    項16に記載の車両用ブレーキ装置。
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JP2009292206A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Hitachi Automotive Systems Ltd ブレーキ制御装置

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