JP4006780B2 - 映像信号再生装置と映像信号再生方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、映像信号再生装置と映像信号再生方法に関する。詳しくは、複数のディスク状記録媒体を用いて構成されたディスク装置を用いてベースバンドのディジタルの映像信号を記録し、この複数のディスク状記録媒体から記録された映像信号を読み出す際に、映像信号を読み出すことが出来ない画素が判別されたときには、読み出された近接する画素の映像信号を用いて読み出すことが出来ない画素の映像信号を補間することにより、良好な再生画像を継続して得ることができるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディスク状記録媒体を用いて構成された例えばハード・ディスク・ドライブ(以下「HDD」という)を並列に複数並べて、1つのディスク装置のように制御するディスクアレイ装置に映像信号を記録する映像信号記録装置が知られている。
【0003】
このディスクアレイ装置の詳細は、「A Case for Redundant Arrays of Inexpensive Disks (RAID) , ACM SIGMOD(Conference,Chicago,IL),June(1988)」で論じられているため、ここでは省略する。上記文献において、ディスクアレイ装置はRAID(Redundant Array of Inexpensive Disks)と呼ばれ、RAID1〜RAID5までの5つのクラスに分類されており、ここでもこの呼称を用いるものとする。
【0004】
この映像信号記録再生装置に用いられるRAIDでは、供給されたディジタルの映像信号が分割されて複数のHDDに記録されると共に、例えばRAIDのレベル3の方式では複数のHDDに記録された映像信号に対する誤り訂正用のパリティが生成されて1つのHDDに記録される。このため、1台のHDDで正しく映像信号を読み出すことが出来ない場合が生じても、パリティを利用して正しい映像信号に訂正することができ、信頼性の向上が図られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように構成された映像信号記録装置であっても、RAIDを構成するHDDのうちの複数台で同時に故障を生じたときには、パリティを用いても映像信号を訂正することができない。また、RAIDを制御するためのプログラムのバグ等によって、例えば並列に使用されているRAIDの1台が機能停止したときには、このRAIDに記録されている全ての映像信号を読み出すことができない。このように、正しく映像信号を読み出すことができない場合には、良好な再生画像を得ることができなくなってしまい、例えば番組の編集や送出を中断しなければならない場合が生じてしまう。
【0006】
そこで、この発明では、複数のディスク装置のいずれかから映像信号を読み出すことができない場合やディスク装置の複数のディスク状記録媒体から映像信号を読み出すことができない場合であっても継続して良好な再生画像を得ることができる映像信号再生装置および映像信号再生方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る映像信号再生装置は、隣接する画素が異なったノンリニアアクセス記録媒体に記録され、当該ノンリニアアクセス記録媒体から映像信号を再生する映像信号再生装置において、複数のノンリニアアクセス記録媒体とエラー訂正回路とコンシール画素設定回路とを備えるRAIDを複数設け、各RAIDで映像信号の再生が行われているか否かを検出するRAID機能停止検出回路と再生された映像信号の処理を行うコンシール処理回路とを備える出力処理部を複数設け、各RAIDのエラー訂正回路は、単一のノンリニアアクセス記録媒体から、映像信号の読み出しができないエラー画素が再生時に検出されると、当該エラー画素に対し、隣接する画素が異なったノンリニアアクセス記録媒体に記録されたときに該ノンリニアアクセス記録媒体に記録されたパリティーデータを用いて、エラー画素を修正し、各RAIDのコンシール画素設定回路は、再生時にエラー画素が複数のノンリニアアクセス記録媒体から検出され、パリティーデータによる修正ができないとき、該複数のエラー画素を、第1の所定の信号で代用し、各出力処理部のRAID機能停止検出回路は、 RAIDのひとつが機能停止のときに、該機能していないRAIDからの映像信号として第2の所定の信号を用いるものとし、各出力処理部のコンシール処理回路は、第1及び第2の所定の信号を検出し、第1及び第2の所定の信号で代用された画素を、該画素と隣接する画素を用いて補間することにより、第1の所定の信号で代用したエラー画素と第2の所定の信号で代用したエラー画素を修正するものである。
【0009】
この発明に係る映像信号再生方法は、隣接する画素が異なったノンリニアアクセス記録媒体に記録され、当該ノンリニアアクセス記録媒体から映像信号を再生する映像信号再生方法において、複数のノンリニアアクセス記録媒体を備える複数のRAIDで映像信号を再生する際に、単一のノンリニアアクセス記録媒体から、映像信号の読み出しができないエラー画素が再生時に検出されるとき、当該エラー画素に対し、隣接する画素が異なったノンリニアアクセス記録媒体に記録されたときに該ノンリニアアクセス記録媒体に記録されているパリティーデータを用いて、エラー画素を修正する工程と、複数のノンリニアアクセス記録媒体を備える複数のRAIDで映像信号を再生する際に、エラー画素が複数のノンリニアアクセス記録媒体から検出され、パリティデータによる修正ができないとき、該複数のエラー画素を、第1の所定の信号で代用する工程と、複数のノンリニアアクセス記録媒体を備える複数のRAIDで映像信号を再生する際に、RAIDのひとつが機能停止のときに、該機能していないRAIDからの映像信号として第2の所定の信号を用いる工程と、複数のRAIDで再生された映像信号から、第1及び第2の所定の信号を検出し、第1及び第2の所定の信号で代用された画素を、該画素と隣接する画素を用いて補間することにより、第1の所定の信号で代用したエラー画素と第2の所定の信号で代用したエラー画素を修正する工程とを有するものである。
【0012】
この発明においては、信号分配手段によってベースバンドのディジタルの映像信号がディスク装置の複数のディスク状記録媒体に振り分けて記録されて、この複数のディスク状記録媒体から記録された映像信号を読み出す際に、ディスク装置の複数のディスク状記録媒体から記録された映像信号を読み出すことが出来ない場合、あるいはディスク装置を複数設けて複数のディスク装置のいずれかのディスク装置から映像信号を読み出すことが出来ない場合に、例えば第1あるい第2の信号生成手段によって所定のレベルの信号が読み出された映像信号とされて、信号補間手段で映像信号の信号レベルが所定のレベルであることが判別されたときに読み出された近接する画素の映像信号を用いて映像信号の補間が行われる。
【0013】
また、ベースバンドのディジタルの映像信号を記録する際には、誤り訂正符号生成手段によって記録される映像信号に対する誤り訂正符号が生成されて記録される。ここで、記録された映像信号を読み出すことができたときに誤り訂正符号に基づき誤りが発生したとされたときには、第3の信号生成手段によって読み出された映像信号に変えて所定のレベルの信号が読み出された映像信号とされて、近接する画素の映像信号を用いて補間が行われる。さらに、新たなディスク状記録媒体を用いる場合には、予め所定のレベルの信号を記録するものとし、近接する画素の映像信号を用いて、この新たなディスク状記録媒体から読み出されるべき映像信号が補間によって生成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の一形態について図を用いて詳細に説明する。図1は映像信号記録装置の全体の構成を示しており、この映像信号記録再生装置では、例えば3つの入出力処理部10-1,10-2,10-3が設けられており、タイムスロット発生回路20からのタイムスロット信号TSLに基づいて処理動作が制御される。
【0015】
タイムスロット発生回路20では、所定時間(例えば1秒)を1つのサイクルとし、1つのサイクルを分割してタイムスロットが設定される。このタイムスロット数は、入出力処理部の数などに基づいて設定されており、図1の場合には3つの入出力処理部10-1,10-2,10-3が設けられていることから、1つのサイクルが3つのタイムスロットに分割されて、3つのタイムスロットを示すタイムスロット信号TSLが入出力処理部10-1,10-2,10-3に供給される。
【0016】
入出力処理部10-1は図2Aに示す記録系の処理部と図2Bに示す再生系の処理部で構成されており、ベースバンドのディジタルの映像入力信号DINを記録する場合には、映像入力信号DINが記録系の処理部の入力回路211に供給される。入力回路211では、映像入力信号DINから有効画素部分が切り出されて、映像信号DWとしてシリアル−パラレル変換処理回路212に供給される。
【0017】
信号分配手段を構成するシリアル−パラレル変換処理回路212では、シリアルデータである映像信号DWがパラレルデータの映像信号DWPに変換されて、例えば5つのRAIDが用いられる場合には、映像信号DWP-1〜DWP-5に変換されて、それぞれのRAIDに対応して設けられたメモリ213-1〜213-5に分配して書き込まれる。すなわち、連続する5画素分の映像信号が1画素ずつメモリ213-1〜213-5に分配して記憶される。なお、信号分配手段は、シリアル−パラレル変換処理回路212と後述するシリアル−パラレル変換処理回路511で構成される。
【0018】
メモリ213-1〜213-5では、タイムスロット信号TSLに基づき、それぞれのメモリ213-1〜213-5に記憶された1サイクル分の映像信号DWP-1〜DWP-5が所定のタイムスロット期間内で読み出されてバス出力処理回路214-1〜214-5に供給される。
【0019】
バス出力処理回路214-1では、読み出された映像信号DWQ-1に、この映像信号DWQ-1を図1に示すRAID50-1内のHDDに書き込むためのコマンドCMWが付加されて、バス30を介して対応するRAID50-1に供給される。なお、バス出力処理回路214-2〜214-5に於いてもバス出力処理回路214-1と同様に処理されて、バス30を介してRAID50-2〜50-5にコマンドCMWが付加された映像信号DWQ-2〜DWQ-5が供給される。
【0020】
RAID50-1〜50-5は等しい構成とされており、例えばRAID50-1の構成を図3に示す。バス30を介してバス出力処理回路214-1から供給されたコマンドCMWが付加された映像信号DWQ-1はコマンド分離部510に供給される。
【0021】
コマンド分離部510ではコマンドCMWと映像信号DWQ-1が分離されてコマンドCMWはコマンド処理部530に供給されると共に映像信号DWQ-1はシリアル−パラレル変換処理回路511に供給される。なお、コマンド処理部530には、バス30およびコマンド分離部510を介して、記録された映像信号を読み出すためのコマンドCMRも供給される。
【0022】
制御手段であるコマンド処理部530では、コマンドCMW,CMR等が判別されて制御信号CTが生成される。この制御信号CTが後述するシリアル−パラレル変換処理回路511やHDD513-a〜513-e等に供給されて、映像信号の記録処理や再生処理が行われる。
【0023】
シリアル−パラレル変換処理回路511では、映像信号DWQ-1がパラレルの映像信号DXP-a〜DXP-dに変換されて、パリティデータ生成回路512を介して例えば4つの信号記録用のHDD513-a〜513-dに分配して記録される。また、誤り訂正符号生成手段であるパリティデータ生成回路512では、HDD513-a〜513-dに記録する映像信号DXP-a〜DXP-dに対して偶数または奇数パリティデータPTが生成される。この生成されたパイティは、パリティ記録用のHDD513-eに記録される。
【0024】
HDD513-a〜513-dに記録された映像信号を再生する場合には、パス出力処理回路214-1からバス30を介して供給されたコマンドCMRに基づいてコマンド処理部530で制御信号CTが生成される。この制御信号CTがHDD513-a〜513-eに供給されて、HDD513-a〜513-dから所望の映像信号DRP-a〜DRP-dが読み出されると共に、読み出された映像信号DRP-a〜DRP-dに対するパリティデータPTRがHDD513-eから読み出される。この読み出された映像信号DRP-a〜DRP-dおよびパリティデータPTRは、エラー訂正回路521に供給される。
【0025】
また、HDD513-a〜513-eからは、映像信号やパリティデータを読み出すことが出来たか否かを示す検出信号DT-a〜DT-eが出力されて、エラー訂正回路521およびコンシール画素設定回路522に供給される。
【0026】
エラー訂正回路521では、検出信号FA-a〜FA-eに基づき、いずれか1つのHDDで映像信号の読み出しができない場合には、HDD513-eから読み出されたパリティデータPTRを使用して、読み出すことができなかった映像信号の訂正が行われ、HDD513-a〜513-dから読み出された映像信号とエラー訂正処理によって訂正された映像信号がコンシール画素設定回路522に供給される。また、複数台のHDDで映像信号の読み出しができない場合には、パリティデータPTRを用いても映像信号の訂正ができないことから、エラー訂正処理が行われることなく、HDD513-a〜513-dから読み出された映像信号がコンシール画素設定回路522に供給される。さらに、HDD513-a〜513-dから映像信号を読み出すことが出来たにもかかわらずパリティが正しくないと判別されたときには、パリティエラー検出信号PEが誤り検出手段であるエラー訂正回路521からコンシール画素設定回路522に供給される。
【0027】
第1および第3の信号生成手段であるコンシール画素設定回路522では、検出信号FA-a〜FA-eに基づき複数台のHDDで映像信号の読み出しが出来ないことが検出されたときに、所定のレベルの信号が読み出された映像信号として用いられる。ここで、所定のレベルの信号として例えばディジタルビデオテープレコーダ規格である「D-1」や「D-2」で禁止されている「00h」(hは16進数であることを示す)を用いるものとすれば、映像信号であるか映像信号の読み出しが出来ないことを示す信号であるかを容易に区別することができる。
【0028】
また、コンシール画素設定回路522では、パリティエラー検出信号PEが供給されたときには、いずれの映像信号が誤っているか判別することができないことから、HDD513-a〜513-dから読み出された映像信号に変えて所定のレベルの信号が読み出された映像信号として用いられる。このコンシール画素設定回路522で処理して得られた映像信号DRC-a〜DRC-dは、パラレル−シリアル変換処理回路523に供給される。
【0029】
信号復元手段を構成するパラレル−シリアル変換回路523では、映像信号DRC-a〜DRC-dがシリアルの映像信号DRS-1に変換されると共に、この映像信号DRS-1に同期信号が付加されて所定のタイムスロットのタイミングでバス31を介して例えば入出力処理部10-1に供給される。この信号復元手段は、パラレル−シリアル変換回路523と後述するパラレル−シリアル変換回路234で構成される。
【0030】
なお、RAID50-2〜50-5でもRAID50-1と同様な処理が行われて、映像信号DWQ-2〜DWQ-5の記録が行われると共に、記録された映像信号の読み出しが行われたときには、映像信号DRS-2〜DRS-5に同期信号が付加されて入出力処理部10-1に供給される。
【0031】
入出力処理部10-1では、図2Bに示すようにバス31を介してRAID50-1から供給された映像信号DRS-1がバス入力処理回路231-1に供給される。同様に、RAID50-2〜50-5から供給された映像信号DRS-2〜DRS-5もそれぞれバス入力処理回路231-2〜231-5に供給される。
【0032】
バス入力処理回路231-1では、バス31の同期信号を検出し、検出された同期信号に従って供給された映像信号DRS-1が機能停止検出回路232を介してメモり233-1に書き込まれる。また、バス入力処理回路231-1では、同期信号を検出することにより、映像信号DRS-1が供給されたか否かを示す同期検出信号SD-1が生成されて機能停止検出回路232に供給される。なお、バス入力処理回路231-2〜231-5もバス入力処理回路231-1と同様な処理が行われる。
【0033】
第2の信号生成手段である機能停止検出回路232では、供給された同期検出信号SD-1〜SD-5に基づきRAID50-1〜50-5からバス31を介して映像信号が供給されているか否かが判別されて、映像信号が供給されていないときには、上述の所定のレベルの信号が読み出された映像信号としてメモリに書き込まれる。
【0034】
メモリ233-1に書き込まれた映像信号は、順次読み出されて映像信号DRM-1としてパラレル−シリアル変換処理回路234に供給される。同様にメモリ233-2〜233-5に書き込まれた映像信号も順次読み出されて映像信号DRM-2〜DRM-5としてパラレル−シリアル変換処理回路234に供給される。
【0035】
パラレル−シリアル変換処理回路234では、映像信号DRM-1〜DRM5をパラレルの信号とし、このパラレルの信号がシリアルの映像信号DMSに変換される。この映像信号DMSは、コンシール処理回路235に供給される。
【0036】
信号補間手段であるコンシール処理回路235では、映像信号DMSの信号レベルを判別して所定のレベルであるとき、すなわちHDDから映像信号を読み出すことが出来ないとき、あるいはRAIDから映像信号が得られないときには、この画素の映像信号が近接する画素の映像信号を用いて補間される。このコンシール処理回路235で補間処理が行われることにより映像信号DMSが修整される。この修整された映像信号DMSは映像信号DCRとして出力回路236に供給されて、出力回路236によって所定のフォーマットとされて映像出力信号DOUTとして出力される。
【0037】
なお、図1の入出力処理部10-2,10-3も入出力処理部10-1と同様に構成されており、入出力処理部10-1〜10-3では異なるタイムスロットでバス30,31を介して1サイクル分の映像信号が1タイムスロットの期間中にRAID50-1〜50-5に書き込まれると共に、1タイムスロットの期間中に読み出された映像信号に基づいて1サイクル分の映像出力信号が生成されて出力される。
【0038】
次に、図4〜図6を用いて動作について説明する。図4は、映像信号の記録処理を示しており、図4aは映像信号記録再生装置に供給されたディジタルの映像入力信号DINを示している。
【0039】
この映像入力信号DINが入出力処理部の入力回路211に供給されると、入力回路211では、映像入力信号DINから有効画素領域の映像信号が抽出されて図4bに示すように映像信号DWとされる。なお、図において例えば「D1」は有効画素領域の最初の画素の映像信号の信号レベル、「D2」は2番目の信号レベルを示しており、「D3」・・・も同様に映像信号の信号レベルを示している。また後述する図5および図6においても同様である。
【0040】
この映像信号DWがシリアル−パラレル変換処理回路212で図4Cに示すように映像信号DWP-1〜DWP-5が生成される。この映像信号がメモリに書き込まれると共に、所定のタイムスロットの期間中に読み出されてRAID50-1〜50-5に供給される。このとき、映像信号はRAID50-1〜50-5のシリアル−パラレル変換回路511でパラレルの映像信号に変換されて、図4Dに示すようにRAID50-1〜50-5のそれぞれのHDD513-a〜513-dに記憶される。
【0041】
また、HDD513-a〜513-dに記憶される映像信号に対応するパリティデータPTがHDD513-eに記憶される。このように2度のシリアルパラレル変換が行われるため1つのHDDには非連続の画素の映像信号が記録されると共に、RAID内でも非連続の画素の映像信号が記憶される。
【0042】
このようにして記録された映像信号を再生する際に、例えば図5Aに示すようにRAID50-1〜50-3,50-5では、HDDから映像信号DRP-a〜DRP-dおよびパリティデータPTRを読み出すことができると共に、RAID50-4では映像信号を読み出すことができない場合、機能停止検出回路232によって同期検出信号SD-4に基づきRAID50-4で映像信号を読み出すことができないことが判別されて、所定のレベル「00h」の信号が読み出された映像信号としてメモリ233-4に書き込まれる。このため、図5Bに示すようにメモリ233-1〜233-3,233-5から読み出される映像信号DRM-1〜DRM-3,DRM-5は、正しいデータ値を示すものとされ、メモリ233-4から出力された映像信号DRM-4の信号レベルは「00h」とされる。
【0043】
これらの映像信号DRM-1〜DRM-5がパラレル−シリアル変換処理回路234に供給されると、パラレル−シリアル変換処理回路234で図5Cに示すシリアルの映像信号DMSが生成される。この映像信号DMSがコンシール処理回路235に供給されて、信号レベルが所定のレベル「00h」であることが検出されたときには、この画素の映像信号が例えばこの画素と隣接する前後の画素の映像信号を用いて補間されて修整が行われる。例えば、映像信号DMSが修整された映像信号DCRは、図5Dに示すように、4画素目の映像信号が得られず所定のレベル「00h」が設定されているときに3画素めのレベル「D3」と5画素目のレベル「D5」を用いて補間が行われ、4画素目はレベルは「D4’」とされる。
【0044】
このように、1つのRAIDの映像信号を読み出すことができない場合であっても、他のRAIDの映像信号を用いて読み出すことができない映像信号を補間することができるので、出力回路236によって映像信号DCRを所定のフォーマットの映像出力信号DOUTとすることにより、この映像出力信号DOUTに基づく良好な再生画像を継続して得ることができる。
【0045】
次に、1つのRAIDの複数のHDDから映像信号が読み出せない場合を図6を用いて説明する。図6Aに示すようにRAID50-2の2つのHDD513-b,513-cから映像信号DRP-b,DRP-cを読み出すことができない場合、コンシール画素設定回路522では検出信号FA-b,FA-cに基づきHDD513-b,513-cで映像信号を読み出すことができないことが判別されて、所定のレベル「00h」の信号が読み出された映像信号とされる。このため、図6Bに示すようにメモリ233-1,233-2,233-4,233-5から読み出される映像信号DRM-1,DRM-2,DRM-4,DRM-5は、正しいデータ値を示すものとされ、メモリ233-3から出力された映像信号DRM-3には、所定のレベル「00h」の信号が含まれるものとされる。
【0046】
これらの映像信号DRM-1〜DRM-5がパラレル−シリアル変換処理回路234で供給されと、パラレル−シリアル変換処理回路234で図6Cに示す映像信号DMSが生成される。この映像信号DMSがコンシール処理回路235に供給されると、信号レベルが所定のレベル「00h」であることが検出されたときには、この画素の映像信号が、例えばこの画素と隣接する前後の画素の映像信号を用いて補間されて映像信号DMSの修整が行われる。ここで、HDD513-b,513-cで映像信号を読み出すことができないことから、映像信号DMSが修整された映像信号DCRは、図6Dに示すように、8画素目の映像信号が得られず所定のレベル「00h」が設定されて7画素目のレベル「D7」と9画素目のレベル「D9」を用いて補間が行われ、8画素目はレベル「D8’」とされる。また、13画素目の映像信号が得られず所定のレベル「00h」が設定されて12画素目のレベル「D12」と14画素目のレベル「D14」(図示せず)を用いて補間が行われ、13画素目はレベル「D13’」とされる。
【0047】
このように、1つのRAIDの複数のHDDから映像信号を読み出すことができない場合であっても、他のRAIDの映像信号を用いて読み出すことができない映像信号を補間することができるので、出力回路236によって映像信号DCRを所定のフォーマットの映像出力信号DOUTとすることにより、この映像出力信号DOUTに基づく良好な再生画像を継続して得ることができる。
【0048】
次に、RAIDを構成する複数のHDD513-a〜513-eからの検出信号FA-a〜FA-eに基づいて、HDD513-a〜513-eから映像信号を読み出すことが出来たことが確認されたにも拘わらず、パリティが正しくないと判別されたときは、いずれの映像信号が正しくないかあるいはパリティが正しくないのか判別することができない。このため、パリティエラー検出信号PEがコンシール画素設定回路522に供給されて、このRAIDから読み出された映像信号は全て所定のレベル「00h」の信号に変更されるとと共に、コンシール処理回路235によって所定のレベル「00h」の信号が補間処理されて良好な再生画像を得ることができる。
【0049】
さらに、RAIDを構成する複数のHDDで故障が生じたために新たなHDDに交換する場合、予め所定のレベル「00h」の信号を全領域に記録すれば、交換されたHDDから読み出された所定のレベル「00h」の信号が自動的に補間される。このため、HDDを交換しても映像信号の再記録等を行うことなく良好な再生画像を得ることができる。
【0050】
このように、上述の実施の形態によれば、複数のRAIDのいずれかのRAIDで記録された映像信号を読み出すことが出来ない場合や、1つのRAIDの複数のHDDで記録された映像信号を読み出すことが出来ない場合等が生じても、良好な再生画像を得ることができるので、例えば番組の編集や送出を継続して行うことができる。
【0051】
また、上述の実施の形態でのRAIDやHDDの数あるいは所定のレベル「00h」は例示的なものであり限定的なものではない。また、補間に用いられる映像信号は、隣接する前後の画素の映像信号に限られるものではない。さらに、上述の実施の形態では、RAIDに映像信号を記録するものとしたが、光ディスク等のディスク状記録媒体を複数用いて構成されたディスク装置を用いて映像信号を記録しても良いことは勿論である。
【0052】
【発明の効果】
この発明によれば、複数のディスク状記録媒体を用いて構成されたディスク装置を用いてベースバンドのディジタルの映像信号を記録し、この複数のディスク状記録媒体から記録された映像信号を読み出す際に、映像信号を読み出すことが出来ない画素が判別されたときには、読み出された近接する画素の映像信号を用いて読み出すことが出来ない画素の映像信号が補間されるので、継続して良好な再生画像を得ることができる。
【0053】
また、ベースバンドのディジタルの映像信号が複数のディスク状記録媒体に振り分けて記録されるので、ディスク装置の複数のディスク状記録媒体から記録された映像信号を読み出すことが出来ない場合、あるいはディスク装置を複数設けて複数のディスク装置のいずれかのディスク装置から映像信号を読み出すことが出来ない場合であっても、読み出すことが出来ない画素の映像信号が補間されるので、継続して良好な再生画像を得ることができる。
【0054】
また、ディスク装置の複数のディスク状記録媒体から映像信号を読み出すことが出来ない場合や複数のディスク装置のいずれかのディスク装置から映像信号を読み出すことが出来ない場合には、所定のレベルの信号が読み出された映像信号とされるので、映像信号の信号レベルが所定のレベルであるか否かを判別することにより映像信号を読み出すことが出来ない画素を容易に判別して補間することができる。
【0055】
さらに、複数のディスク状記録媒体に映像信号と誤り訂正符号を記録するものとした場合、複数のディスク状記録媒体から映像信号を読み出すことができたときに上記誤り訂正符号に基づいて誤りが検出された場合には、この読み出された映像信号が近接する画素の映像信号を用いて補間されるので、良好な再生画像を確実に得ることができる。
【0056】
また、新たなディスク状記録媒体を用いる際には、予め所定のレベルの映像信号を記録することにより、この新たなディスク状記録媒体の映像信号が近接する画素の映像信号を用いて補間されるので、映像信号の再記録等の処理を行うことなく良好な再生画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る映像信号記録再生装置の構成を示す図である。
【図2】入出力処理部の構成を示す図である。
【図3】RAIDの構成を示す図である。
【図4】映像入力信号の記録動作を説明するための図である。
【図5】1つのRAIDから映像信号を読み出せない場合の再生操作を説明するための図である。
【図6】1つのRAIDの複数のHDDから映像信号を読み出せない場合の再生操作を説明するための図である。
【符号の説明】
10-1,10-2,10-3・・・入出力処理部、20・・・タイムスロット発生回路、30,31・・・バス、50-1〜50-5・・・RAID、211・・・入力回路、212,511・・・シリアル−パラレル変換処理回路、213-1〜213-5,233-1〜233-5・・・メモリ、232・・・機能停止検出回路、234,523・・・パラレル−シリアル変換処理回路、235・・・コンシール処理回路、236・・・出力回路、512・・・パリティデータ生成回路、513-a〜513-e・・・ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、521・・・エラー訂正回路、522・・・コンシール画素設定回路
Claims (4)
- 隣接する画素が異なったノンリニアアクセス記録媒体に記録され、当該ノンリニアアクセス記録媒体から映像信号を再生する映像信号再生装置において、
前記複数のノンリニアアクセス記録媒体とエラー訂正回路とコンシール画素設定回路とを備えるRAIDを複数設け、
前記各RAIDで映像信号の再生が行われているか否かを検出するRAID機能停止検出回路と再生された映像信号の処理を行うコンシール処理回路とを備える出力処理部を複数設け、
前記各RAIDのエラー訂正回路は、単一の前記ノンリニアアクセス記録媒体から、映像信号の読み出しができないエラー画素が再生時に検出されると、当該エラー画素に対し、前記隣接する画素が異なったノンリニアアクセス記録媒体に記録されたときに該ノンリニアアクセス記録媒体に記録されたパリティーデータを用いて、前記エラー画素を修正し、
前記各RAIDのコンシール画素設定回路は、再生時にエラー画素が複数の前記ノンリニアアクセス記録媒体から検出され、パリティーデータによる修正ができないとき、該複数のエラー画素を、第1の所定の信号で代用し、
前記各出力処理部のRAID機能停止検出回路は、 前記RAIDのひとつが機能停止のときに、該機能していないRAIDからの映像信号として第2の所定の信号を用いるものとし、
前記各出力処理部のコンシール処理回路は、前記第1及び第2の所定の信号を検出し、前記第1及び第2の所定の信号で代用された画素を、該画素と隣接する画素を用いて補間することにより、前記第1の所定の信号で代用したエラー画素と前記第2の所定の信号で代用したエラー画素を修正する
ことを特徴とする映像信号再生装置。 - 前記RAIDのノンリニアアクセス記録媒体の少なくともひとつには、前記隣接する画素が異なったノンリニアアクセス記録媒体に記録されるように処理された映像信号に対して、パリティーデータ生成回路によって生成したパリティーデータが記録されている
ことを特徴とする請求項1に記載の映像信号再生装置。 - 前記出力処理部は、タイムスロット発生回路により割り当てられた各タイムスロットで動作する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像信号再生装置。 - 隣接する画素が異なったノンリニアアクセス記録媒体に記録され、当該ノンリニアアクセス記録媒体から映像信号を再生する映像信号再生方法において、
前記複数のノンリニアアクセス記録媒体を備える複数のRAIDで映像信号を再生する際に、単一の前記ノンリニアアクセス記録媒体から、映像信号の読み出しができないエラー画素が再生時に検出されるとき、当該エラー画素に対し、前記隣接する画素が異なったノンリニアアクセス記録媒体に記録されたときに該ノンリニアアクセス記録媒体に記録されているパリティーデータを用いて、前記エラー画素を修正する工程と、
前記複数のノンリニアアクセス記録媒体を備える複数のRAIDで映像信号を再生する際に、エラー画素が複数の前記ノンリニアアクセス記録媒体から検出され、パリティデータによる修正ができないとき、該複数のエラー画素を、第1の所定の信号で代用する工程と、
前記複数のノンリニアアクセス記録媒体を備える複数のRAIDで映像信号を再生する際に、前記RAIDのひとつが機能停止のときに、該機能していないRAIDからの映像信号として第2の所定の信号を用いる工程と、
前記複数のRAIDで再生された映像信号から、前記第1及び第2の所定の信号を検出し、前記第1及び第2の所定の信号で代用された画素を、該画素と隣接する画素を用いて補間することにより、前記第1の所定の信号で代用したエラー画素と前記第2の所定の信号で代用したエラー画素を修正する工程とを有する
ことを特徴とする映像信号再生方法。
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