JP4000762B2 - 処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理装置に関し、詳しくは、電子線源から放出される電子線を利用して被処理物の処理を行う処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、金属、ガラス、半導体ウエハ、その他の材料よりなる被処理物に対して、例えば被処理物の表面に付着した有機汚染物質を除去する洗浄処理や、被処理物の表面に酸化膜を形成する酸化膜形成処理、またはエッチング処理を行う方法として、例えば電子線処理、紫外線処理、プロセスガスによる特定処理など種々の処理方法が知られている。
【0003】
而して、一つの被処理物に対して複数の処理が必要とされるべき場合も少なくなく、被処理物に対して複数の処理を行う場合には、例えば光源の種類、処理室の雰囲気などの処理条件が異なる複数の処理装置によってそれぞれの処理が個別に行われるため、実施すべき各処理毎に被処理物を移動させる必要があり、単にその移動作業が煩雑になるばかりでなく、移動作業によって被処理物が汚染されたり、処理の効果が減殺されるおそれがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、処理室に配置された被処理物に対し、電子線処理を含む複数の種類の処理を行うことができる処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の処理装置は、被処理物を支持する支持部材が設けられた処理室と、
当該処理室に設けられた、前記支持部材によって支持された被処理物に向かって電子線を放出する電子線源と、
前記処理室に設けられた、電子線を受けて紫外線を放出する発光ガスを供給する発光ガス供給機構と、
前記処理室に設けられた、プロセスガスを供給するプロセスガス供給機構と、
前記処理室を減圧する減圧機構と
を備えてなり、
前記処理室において、以下のA〜Gから選択された処理が行われることを特徴とする。
A:電子線処理
B:紫外線処理
C:特定処理
D:電子線処理と紫外線処理
E:電子線処理と特定処理
F:紫外線処理と特定処理
G:電子線処理と紫外線処理と特定処理
(以上において、「電子線処理」は、減圧機構を作動させて処理室内を一定の減圧状態とし、この状態で電子線源よりの電子線を被処理物に照射して被処理物を処理すること、
「紫外線処理」は、処理室内を一定の圧力の発光ガス雰囲気とし、この状態で電子線源を作動させ、当該電子線源よりの電子線により励起された発光ガスより放出される紫外線によって被処理物を処理すること、並びに、
「特定処理」は、処理室内を一定の圧力のプロセスガス雰囲気とし、この状態で電子線源を作動させ、当該電子線源よりの電子線によりプロセスガスが活性化または分解されて生成する活性種によって被処理物を、洗浄処理、エッチング処理または成膜処理することである。)
【0006】
上記の処理装置においては、発光ガスは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンおよび窒素ガスの中から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
上記の処理装置においては、処理室内の紫外線量および/または電子線量を検出する検出手段が設けられていることが好ましい。
【0011】
【作用】
本発明の処理装置によれば、処理室に供給された発光ガスが電子線を受けて紫外線を放出し、当該紫外線が処理室に配置された被処理物に直接に照射されるので、目的とする紫外線処理を高い効率で実施することができる。
【0012】
処理室に減圧機構が設けられている構成では、処理室を減圧状態にすることにより、電子線源から放出される電子線を十分に飛翔させることができるので、被処理物について電子線処理を高い効率で実施することができる。
また、減圧機構などにより処理室の圧力を調整することにより、電子線量および紫外線量を調整することができるので、同一の処理室において、被処理物を移動させることなしに、紫外線処理と電子線処理とを同時にまたは連続して行うことができる。
【0013】
また、処理室に紫外線量および/または電子線量を検出する検出手段が設けられている構成では、処理室内の紫外線量および/または電子線量を測定することによって、処理室内の圧力および/または電子線源への供給電流を制御することができ、これにより、目的とする処理を確実に行うことができる。
【0014】
上記の処理装置を用いることにより、被処理物について、電子線処理、紫外線処理およびプロセスガスによる特定処理を各々個別にあるいは同時に、しかも高い効率で実施することができる。
また、被処理物に対して複数の種類の処理を行う場合には、被処理物を移動させることなしに、それぞれの処理を同時にまたは連続して行うことができるので、処理時間を短縮することができる上、有利な処理結果を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の処理装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
この処理装置10は、気密に構成された処理室12を有し、この処理室12の下部には、その上面において処理されるべき被処理物15を支持する支持部材である試料台11が設けられていると共に、その上部には、被処理物15と対向するよう、例えば電子線出射窓24を有する電子ビーム管20よりなる電子線源が設けられている。
【0016】
処理室12の一方の側壁121には、発光ガス供給口161が形成されており、この発光ガス供給口161には、電子線を受けると紫外線を放出する発光ガスを、電子ビーム管20の下方の空間(以下、「反応空間」ともいう。)に供給するための発光ガス供給機構が設けられている。
この発光ガス供給機構は、発光ガス供給口161に接続された発光ガス供給路162と、この発光ガス供給路162に接続された、処理室12の外部における発光ガス供給源(図示せず)と、発光ガス供給路162に設けられた、発光ガスの供給量を調整する流量調整機構163とにより構成されている。
【0017】
発光ガスは、電子線を受けて紫外線を放出するものであれば制限されるものではなく、例えばヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンまたは窒素ガスの中から選ばれた少なくとも一種を用いることができ、ヘリウムガスまたはネオンガスを用いた場合には、波長100nm以下の紫外線が得られる。
【0018】
また、処理室12の他方の側壁122には、プロセスガス供給口171が形成されており、このプロセスガス供給口171には、反応空間にプロセスガスを供給するためのプロセスガス供給機構が設けられている。
このプロセスガス供給機構は、プロセスガス供給口171に接続されたプロセスガス供給路172と、このプロセスガス供給路172に接続された、処理室12の外部におけるプロセスガス供給源(図示せず)と、プロセスガス供給路172に設けられた、プロセスガスの供給量を調整する流量調整機構173とにより構成されている。
ここに、「プロセスガス」とは、電子線を受けて活性化または分解されて活性種を生成するものであり、この活性種により、被処理物15が例えば洗浄処理、エッチング処理、成膜処理などの特定処理を受けるガスをいう。
【0019】
プロセスガスは、目的とする特定処理の種類によって選択され、例えば洗浄用ガス、エッチング用ガス、または成膜用ガスから選ばれた1種を用いることができる。
洗浄用ガスの具体例としては、例えば酸素ガス、水素ガスなどが挙げられる。エッチング用ガスの具体例としては、例えば塩素、フッ素、臭素およびこれらの化合物を含むハロゲンガス、CF4 、CHF3 、CCl4 、CHCl3 などが挙げられる。
成膜用ガスの具体例としては、ジクロロシランおよびアンモニアガス、SiH4 、SiH2 C12、SiC14などが挙げられる。
【0020】
更に、この処理装置10においては、処理室12の一方の側壁121における、被処理物15が支持される高さ位置より下方の位置に、排気口181が形成されており、この排気口181には減圧機構が設けられている。
この減圧機構は、排気口181に接続された排気路182と、この排気路182に接続された、処理室12の外部における減圧手段(図示せず)と、排気路182に設けられた減圧調整機構183とにより構成されている。
【0021】
この処理装置10における処理室12の上部には、電子線量を検出する電子線量検知手段191および紫外線量を検出する紫外線量検知手段192が設けられており、これらの検知手段191、192からの電子線量および紫外線量のデータ信号が制御手段30に供給される。
このような検知手段191、192としては、例えばシリコンフォトダイオードからなるシンチレータなどを用いることができ、これらのシンチレータによって、電子線量および紫外線量を個別に検出することができる。
【0022】
電子線源を構成する電子ビーム管20は、例えば前方側(図において下方)の開口を塞ぐ蓋部材22が設けられた真空容器21と、この真空容器21の内部に設けられた電子ビーム発生器25とから構成されており、真空容器21における蓋部材22に形成された、電子ビーム発生器25よりの電子ビームが通過する電子ビーム出射窓24が処理室12の反応空間に臨んだ状態で配置されている。
【0023】
以上の構成の電子ビーム発生器25を備えた電子ビーム管20においては、電流が供給されることにより熱電子が発生し、この熱電子が電界形成電極(図示せず)の作用により、前方に向かって引き出されることにより電子ビームとして放出され、これが真空容器21の電子ビーム出射窓24から出射される。
【0024】
上記のような処理装置により、被処理物15について、以下のように複数の処理が行われる。
(1)電子線処理
減圧機構を作動させて処理室12内を一定の減圧状態とし、この状態で電子ビーム管20を作動させると、電子ビーム管20よりの電子線が飛翔して被処理物15に直接的に照射されるので、これにより、被処理物15について電子線処理が行われる。そして、処理室12内が減圧状態とされることにより、電子ビーム管20よりの電子線が十分な強度で被処理物15に照射されるので、高い処理効率が得られる。
【0025】
例えば、電子ビーム管20の出射窓24と被処理物15との離間距離を60mm、処理室12内の圧力を13.3Pa、電子ビーム管20の加速電圧を50kVとした条件において、被処理物15に対する単位時間当たりの電子線照射量を10μC/(cm2 ・sec)とすることができ、例えば直径150mmの円板状のシリコンウエハ上に塗布された厚み10μmのレジスト膜について、40secの処理時間で目的とする電子線処理を行うことができる。
【0026】
(2)紫外線処理
発光ガス供給機構により発光ガスを供給すると共に、流量調整機構163により処理室12を一定の圧力の発光ガス雰囲気とし、この状態で電子ビーム管20を作動させると、反応空間において、電子ビーム管20よりの電子線を受けた発光ガスが励起して紫外線を放出するので、この紫外線によって被処理物15について紫外線処理が行われる。
【0027】
例えば、電子ビーム管20の出射窓24と被処理物15との離間距離を60mm、発光ガスをキセノンガス、処理室12の圧力を46.6kPa、電子ビーム管20の加速電圧を50kVとした条件において、被処理物15に対する単位時間当たりの紫外線量を0.5mW/(cm2 ・sec)とすることができ、例えば直径150mmである円板状のシリコンウエハ上の厚み1μmの紫外線レジスト膜について、紫外線処理を行うことができる。
【0028】
(3)特定処理
プロセスガス供給機構によりプロセスガスを供給すると共に、流量調整機構173により処理室12内を一定の圧力のプロセスガス雰囲気とし、この状態で電子ビーム管20を作動させると、電子ビーム管20よりの電子線を受けたプロセスガスが活性化または分解されて活性種を生成するので、この生成種によって被処理物15について特定処理が行われる。
【0029】
具体的には、例えばプロセスガスとして、フッ素、臭素、または塩素などのハロゲン化合物を含むエッチング用ガスを用いた場合には、電子ビーム管20よりの電子線を受けてハロゲン化合物がハロゲンのイオンまたはハロゲン化合物のイオンを発生するので、これらの活性種により、例えばシリコンウエハのエッチング処理が行われる。
例えば、電子ビーム管20の出射窓24と被処理物15との離間距離を60mm、処理室12内の圧力を27Pa、電子ビーム管20の加速電圧を50kVとした条件において、例えば直径150mmである円板状のシリコンウエハ上の厚み0.1μmのSi膜について、エッチング処理を行うことができる。
【0030】
また、例えばプロセスガスとして成膜用ガスを用いた場合には、電子ビーム管20よりの電子線を受けて成膜用ガスが電離して活性種を生成するので、これにより、被処理物15について成膜処理が行われる。
例えば、電子ビーム管20の出射窓24と被処理物15との離間距離を60mm、プロセスガスをジクロロシランおよびアンモニアガス、処理室12内の圧力を66Pa、電子ビーム管の加速電圧を50kVとした条件において、1400secの処理時間で、例えばシリコンウエハの表面に厚み0.2μmの窒化シリコン(Si3 N4 )よりなる膜を形成することができる。
【0031】
(4)紫外線処理および特定処理を同時に行う並行処理
発光ガス供給機構により発光ガスを供給すると共に、プロセスガス供給機構によりプロセスガスを供給して、処理室12を一定の圧力のガス雰囲気とし、この状態で電子ビーム管20を作動させると、電子ビーム管20よりの電子線の一部を受けた発光ガスが励起して紫外線を放出すると共に、電子線の他の一部を受けたプロセスガスが活性化または分解されて活性種を生成するので、被処理物15について、紫外線による紫外線処理と活性種による特定処理とを同時に行う並行処理が行われる。
【0032】
具体的には、例えば発光ガスとしてアルゴンガスを用い、プロセスガスとして酸素ガスを用いた場合には、アルゴンガスが電子線により励起して紫外線を放出するので、この紫外線の一部によって紫外線処理が行われると共に、紫外線の他の一部が酸素ガスの一部と反応してオゾンを生成するので、このオゾンにより洗浄処理(特定処理)が行われる。一方、酸素ガスの他の一部は、電子線を受けてオゾンを生成するので、このオゾンによっても被処理物15について洗浄処理(特定処理)が行われる。
例えば、電子ビーム管20の出射窓24と被処理物15との離間距離を60mm、アルゴンガスの圧力を53.2kPa、酸素ガスの圧力を133Pa、電子ビーム管の加速電圧を50kVとした条件において、例えば直径150mmである円板状のシリコンウエハ上の有機汚染物質について、50secの処理時間で紫外線処理と洗浄処理(特定処理)とを同時に行う並行処理を行うことができる。
【0033】
(5)紫外線処理または特定処理と、電子線処理とを同時に行う同時処理
発光ガス供給機構により発光ガスを供給し、必要に応じて減圧機構を作動させて処理室12内の発光ガスの圧力を調整し、処理室12内を一定の圧力の発光ガス雰囲気とした状態で電子ビーム管20を作動させることにより、電子ビーム管20よりの電子線の一部が被処理物15に照射される条件を実現することができる。
【0034】
すなわち、図2に示すように、処理室12内のキセノンガス(発光ガス)が低圧状態、例えば0.53kPa以下では、電子線のみが照射され、紫外線の照射量は実質上零であるが、電子ビーム管20を作動させたままの状態で、処理室12内のキセノンガス(発光ガス)の圧力を低圧状態から次第に高くして行くと、被処理物15に対する電子線量は、曲線Aで示すように、0.53kPaを超えると次第に減少していき、10kPa付近に達すると急激に減少し、そして46kPaで実質上零となるのに対し、被処理物15に対する紫外線量は、曲線Bで示すように、0.53kPaを超えると大きく増加して行く。これは、キセノンガスによって電子線が吸収されて紫外線が放出されるからである。そして、処理室12内のキセノンガスの圧力が46kPaを超えると、紫外線のみが照射される。ここに、紫外線量および電子線量は、それぞれピーク値に対する相対値で示されている。
【0035】
また、図3は、発光ガスとしてアルゴンガスを用いた場合における図2と同様の曲線図であり、この場合には、処理室12内のアルゴンガスの圧力が例えば1〜80kPaにおいて、電子線および紫外線の両方が得られる圧力状態となる。
【0036】
以上のように、処理室12内の発光ガスの圧力を調整することにより、電子線および紫外線のいずれか一方が得られる圧力状態、または電子線および紫外線の両方が得られる圧力状態を実現することができる。従って、処理室12内を電子線および紫外線の両方が得られる圧力状態を形成することによって、被処理物15について、電子線による電子線処理と紫外線による紫外線処理とを同時に行うことができ、同時処理が行われる。
【0037】
例えば、電子ビーム管20の出射窓24と被処理物15との離間距離を60mm、発光ガスをキセノンガス、処理室12内の圧力を13.3kPa、電子ビーム管20の加速電圧を50kVとした条件において、被処理物15に対する単位時間当たりの電子線照射量を5μC/(cm2 ・sec)、単位時間当たりの紫外線照射量を5μW/(cm2 ・sec)とすることができ、例えば直径150mmである円板状のシリコンウエハ上の厚み10μmのレジスト膜について、1600secの処理時間で紫外線処理と電子線処理とが同時に行われる同時処理を行うことができる。
【0038】
このような処理方法によれば、同一の処理室12で、紫外線処理によって被処理物15の表層部分を処理することができると共に、電子線は、被処理物15の内部に侵入するので、大きな処理深さで被処理物15を処理することができ、従って、所定の処理を高い処理効率で行うことができる。
【0039】
また、処理室12内の紫外線量および電子線量を検知手段19により測定することにより、例えば電子線の強さ、ガスの圧力を調整して処理室12内の紫外線量および電子線量を正確に制御することができ、従って、紫外線処理および電子線処理の程度を調整することができる。
【0040】
また、発光ガスに代えてプロセスガスを用いた場合にも、同様にして、被処理物15について、特定処理と電子線処理と同時に行う同時処理が行われる。
【0041】
(6)異なる処理の連続処理
上記(1)〜(5)の処理は、被処理物15を移動させることなしに、共通の処理室12で連続して行うことができる。以下に、例えば電子線処理による1次処理を行った後、紫外線処理および特定処理の並行処理による2次処理を連続して行う場合について説明する。
【0042】
減圧手段を作動させて処理室12内を一定の減圧状態とし、この状態で電子ビーム管20を作動させることにより、電子ビーム管20よりの電子線が飛翔して被処理物15に照射され、これにより、被処理物15について電子線処理による1次処理が行われる。
その後、発光ガス供給機構により発光ガスの供給を開始すると共に、プロセスガス供給機構によりプロセスガスの供給を開始して処理室12を一定の圧力のガス雰囲気とし、この状態で電子ビーム管20を作動させると、電子ビーム管20よりの電子線の一部を受けた発光ガスが励起して紫外線を放出すると共に、電子線の他の一部を受けたプロセスガスが活性化または分解されて活性種を生成するので、被処理物15について、紫外線による紫外線処理と活性種による特定処理とを同時に行う並行処理が行われる。
【0043】
具体的には、例えば、発光ガスとしてアルゴンガス、プロセスガスとして酸素ガスを用いた場合には、アルゴンガスより放出される紫外線の一部によって紫外線処理が行われると共に、紫外線の他の一部が酸素ガスの一部と反応してオゾンを生成するので、このオゾンにより洗浄処理(特定処理)が行われる。一方、酸素ガスの他の一部は、電子線を受けてオゾンを生成するので、このオゾンによっても被処理物15について洗浄処理(特定処理)が行われる。
【0044】
例えば、電子ビーム管20の出射窓24と被処理物15との離間距離を60mm、電子ビーム管20の加速電圧を50kVとした状態で、1次処理における処理室12内の圧力を13.3Paとし、2次処理におけるアルゴンガスの圧力を53.2kPa、酸素ガスの圧力を133Paとすることにより、例えば直径150mmである円板状のシリコンウエハ上の厚み10μmの膜について、電子線処理による1次処理と、紫外線処理および洗浄処理(特定処理)の並行処理による2次処理とを連続して行うことができる。
【0045】
このような処理方法によれば、電子線処理による1次処理によって、大きな処理深さで被処理物15の処理を行うことができると共に、同一の処理室12で、オゾン処理および紫外線処理による2次処理を連続して行うことができ、従って、被処理物15を移動させる必要がなく、所定の処理を高い処理効率で行うことができる。
【0046】
被処理物15について連続処理を行う場合においては、処理の種類(組み合わせ)、処理の数、および処理の順序は、特に制限されるものではなく、適宜に選択することができる。
【0047】
以上のように、上記のような処理装置10によれば、電子ビーム管20、発光ガス供給機構、プロセスガス供給機構および減圧機構を備えているので、被処理物15を移動させることなしに同一の処理室12で複数の処理を行うことができる。すなわち、発光ガス供給機構、プロセスガス供給機構および減圧機構により処理室12内の圧力を調整することにより、所望の圧力状態、例えば電子線および紫外線のいずれか一方が得られる圧力状態または電子線および紫外線の両方が得られる圧力状態を得ることができるので、電子線処理、紫外線処理およびプロセスガスによる特定処理を各々個別にあるいは同時に実施することができる。
【0048】
以上、本発明の具体的な実施例について説明したが、本発明は上記の例に限定されるものではなく、各部の具体的構成については種々の変更を加えることが可能である。
(1)被処理物を支持する支持部材は、被処理物に応じて適宜の構成とすることができ、更に、回転機構、加熱機構、または昇降機構などが設けられていてもよい。また、処理室自体を加熱する加熱機構を設けることもできる。
(2)電子線源は、電子線を放出するものであれば、電子ビーム管に限定されるものではない。
(3)紫外線量検知手段および電子線量検知手段が共に設けられている必要はなく、被処理物に対して行われる処理によっては、いずれか一方の検知手段のみが設けられた構成であってもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明の処理装置によれば、処理室に供給された発光ガスが電子線を受けて紫外線を放出し、当該紫外線が処理室に配置された被処理物に直接的に照射されるので、目的とする紫外線処理を高い効率で実施することができる。
【0050】
処理室に減圧機構が設けられている構成では、処理室を減圧状態にすることにより、電子線源から放出される電子線を十分に飛翔させることができるので、被処理物の電子線処理を高い効率で実施することができる。
また、減圧機構などにより処理室の圧力を調整することにより、電子線量および紫外線量を調整することができるので、同一の処理室において、被処理物を移動させることなしに、紫外線処理と電子線処理とを同時にまたは連続して行うことができる。
【0051】
また、処理室の紫外線量および/または電子線量を検出する検出手段が設けられた構成では、処理室の紫外線量および/または電子線量を測定することによって、処理室の圧力および/または電子線源への供給電流を制御することができ、これにより、目的とする処理を確実に行うことができる。
【0052】
上記の処理装置を用いることにより、被処理物について、電子線処理、紫外線処理およびプロセスガスによる特定処理を各々個別にあるいは同時に、しかも高い効率で実施することができる。
また、被処理物に対して複数の種類の処理を行う場合には、被処理物を移動させることなしに、それぞれの処理を同時にまたは連続して行うことができるので、処理時間を短縮することができる上、有利な処理結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
【図2】発光ガスとしてキセノンガスを用いた場合における、処理室の圧力と、処理室の電子線量および紫外線量の関係を示す特性曲線図である。
【図3】発光ガスとしてアルゴンガスを用いた場合における、処理室の圧力と、処理室の電子線量および紫外線量の関係を示す特性曲線図である。
【符号の説明】
10 処理装置
11 試料台(支持部材)
12 処理室
121、122 側壁
15 被処理物
161 発光ガス供給口
162 発光ガス供給路
163 流量調整機構
171 プロセスガス供給口
172 プロセスガス供給路
173 流量調整機構
181 排気口
182 排気路
183 減圧調整機構
191 電子線量検知手段
192 紫外線量検知手段
20 電子ビーム管
21 真空容器
22 蓋部材
24 電子ビーム出射窓
25 電子ビーム発生器
30 制御手段
Claims (3)
- 被処理物を支持する支持部材が設けられた処理室と、
当該処理室に設けられた、前記支持部材によって支持された被処理物に向かって電子線を放出する電子線源と、
前記処理室に設けられた、電子線を受けて紫外線を放出する発光ガスを供給する発光ガス供給機構と、
前記処理室に設けられた、プロセスガスを供給するプロセスガス供給機構と、
前記処理室を減圧する減圧機構と
を備えてなり、
前記処理室において、以下のA〜Gから選択された処理が行われることを特徴とする処理装置。
A:電子線処理
B:紫外線処理
C:特定処理
D:電子線処理と紫外線処理
E:電子線処理と特定処理
F:紫外線処理と特定処理
G:電子線処理と紫外線処理と特定処理
(以上において、「電子線処理」は、減圧機構を作動させて処理室内を一定の減圧状態とし、この状態で電子線源よりの電子線を被処理物に照射して被処理物を処理すること、
「紫外線処理」は、処理室内を一定の圧力の発光ガス雰囲気とし、この状態で電子線源を作動させ、当該電子線源よりの電子線により励起された発光ガスより放出される紫外線によって被処理物を処理すること、並びに、
「特定処理」は、処理室内を一定の圧力のプロセスガス雰囲気とし、この状態で電子線源を作動させ、当該電子線源よりの電子線によりプロセスガスが活性化または分解されて生成する活性種によって被処理物を、洗浄処理、エッチング処理または成膜処理することである。) - 発光ガスは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンおよび窒素ガスの中から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
- 処理室内の紫外線量および/または電子線量を検出する検出手段が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の処理装置。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000271404A JP4000762B2 (ja) | 2000-09-07 | 2000-09-07 | 処理装置 |
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