JP2022148647A - 基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】近接場光を利用して基板の表面をより速く平坦化することができる基板処理方法を提供する。【解決手段】基板Wの表面には、10ナノメートル以下のサイズの凹凸パターンを含む微細パターンが形成されている。電離することにより、凹凸パターンの材料と反応する活性種301を発生する反応性ガス300が基板の表面に供給される。反応性ガスを電離させることができる準安定状態の励起原子である準安定原子201を発生する準安定原子発生ガス200が基板の表面に供給される。基板の表面に紫外光を照射することにより、凹凸パターンの近傍で近接場光160が発生させられる。近接場光によって、凹凸パターンの凸部先端151を含む局所領域において準安定原子発生ガスが励起されて準安定原子201が発生する。この準安定原子201を利用するペニング効果によって、反応性ガスが電離され、反応性ガスの活性種301が凸部先端を含む局所領域に生じる。【選択図】図3A-3C

Description

この発明は、基板を処理する方法に関する。処理対象の基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置および有機EL(Electroluminescence)表示装置等のFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板等が含まれる。
特許文献1は、光学素子構造体の表面に形成された凸部を平坦化する表面平坦化法を開示している。この方法は、光学素子構造体が配置されたチャンバ内に塩素系ガスを導入する一方で、光学素子構造体に光が照射される。照射される光は、塩素系ガスのガス分子の吸収端波長よりも長波長の光である。光学素子構造体の凸部の先端エッジ近傍の局所領域には近接場光が発生する。この近接場光により塩素ガスが解離されて活性種が生成し、その活性種と凸部とが化学反応することにより、凸部がエッチングされる。ガス分子の吸収端波長よりも長波長であるにもかかわらず近接場光による電離が可能である理由は、近接場光の電場強度が、分子サイズの空間内において変位の激しい不均一な分布となっているため、ガス分子を分子振動準位にまで直接的に励起可能であることによる、と説明されている。
特開2009-167030号公報
特許文献1の表面平坦化方法は、照射される光から生じる近接場光によって凸部の先端エッジ付近の局所領域でガス分子を選択的に電離させているので、凸部を高い選択性でエッチングでき、かつ平坦化に伴って近接場光が生じなくなるとエッチングが自動的に停止する。
しかし、ガス分子の電離を専ら近接場光に依存する方法であるため、エッチング速度は必ずしも高くなく、たとえば、サブナノスケールのエッチングに数十分の時間を要する。
そこで、この発明の一実施形態は、近接場光を利用して基板の表面をより速く平坦化することができる基板処理方法を提供する。
この発明の一実施形態は、10ナノメートル以下のサイズの凹凸パターンを含む微細パターンが形成された基板の表面を処理する基板処理方法を提供する。この方法は、電離することにより、前記凹凸パターンを形成する材料と反応する活性種(プラズマ)を発生する反応性ガスを前記基板の表面に供給する工程と、前記反応性ガスを電離させることができる準安定状態の励起原子である準安定原子を発生する準安定原子発生ガスを前記基板の表面に供給する工程と、前記基板の表面に紫外光を照射することにより、前記凹凸パターンの近傍で近接場光を発生させ、前記近接場光によって、前記凹凸パターンの凸部の先端を含む局所領域において前記準安定原子発生ガスを励起させて準安定原子を発生させ、この準安定原子を利用するペニング効果によって前記反応性ガスを電離させて前記活性種を前記局所領域に生じさせる第1電離工程と、を含む。
この方法では、凹凸パターンが形成された基板の表面に紫外光を照射することにより、凹凸パターンの凸部先端付近の局所領域で近接場光が発生する。この近接場光は当該局所領域において準安定原子発生ガスを励起させて準安定原子を生じさせる。この準安定原子が反応性ガスにエネルギーを与えて基底状態に戻るときに、反応性ガスが電離して活性種を生じる。すなわち、近接場光を用いるペニング効果を利用して、反応性ガスの活性種を凸部先端付近の局所領域に生じさせることができる。その活性種が凸部と反応して、当該凸部をエッチングすることにより、基板の表面を平坦化することができる。ペニング効果を利用することによって、エネルギー利用効率が高まるので、それに応じて、活性種の生成速度が速くなり、結果として、エッチング速度を速めることができる。よって、基板の表面をより速く平坦化することができる。
一つの実施形態では、前記基板処理方法は、前記近接場光によって、前記局所領域において前記反応性ガスを電離させて前記活性種を前記局所領域に生じさせる第2電離工程をさらに含む。
この方法では、凸部先端付近の局所領域では、ペニング効果による反応性ガスの電離(第1電離工程)に加えて、近接場光による反応性ガスの直接的励起による電離(第2電離工程)が生じ、それにより、反応性ガスの活性種が生じる。したがって、活性種の生成速度がより高くなるので、より高いエッチング速度を達成できる。
エッチング選択性を高めるためには、基板の表面に照射される紫外光の波長は、反応性ガスのガス分子が励起されて電離する吸収波長帯の上限値(吸収端波長)よりも長波長であることが好ましい。それにより、紫外光による反応性ガスの直接的励起は、近接場光に起因するものに制限されるので、凸部に対する選択性の高いエッチングが可能になり、基板表面の平坦化を速やかに進行させることができる。
一つの実施形態では、前記基板処理方法は、前記紫外光によって前記準安定原子発生ガスを励起させて準安定原子を発生させ、この準安定原子を利用するペニング効果によって前記反応性ガスを電離させて前記活性種を生じさせる第3電離工程をさらに含む。
基板の表面に照射される紫外光の波長が、準安定原子発生ガスが準安定原子に励起される吸収波長帯の上限値(吸収端波長)以下である場合には、近接場光のみならず、近接場光の発生領域外で伝搬する伝搬光によっても準安定原子発生ガスが励起される。したがって、この伝搬光(紫外光)を起因とするペニング効果によって、反応性ガスが電離して活性種を生じる(第3電離工程)。このようにして生じる活性種も、エッチングの加速に寄与する。この第3電離工程によって生じる活性種は、凸部エッチングの選択性には寄与しないが、エッチング速度の向上に寄与するので、プロセス全体として見た場合に、好ましい結果をもたらす。
基板の表面に照射される紫外光の波長が準安定原子発生ガスの吸収端波長よりも長い場合には、第3電離工程は、実質的に生じない。したがって、この場合には、凸部エッチングの選択性が高くなる。
したがって、紫外光の波長は、求められるエッチング速度、および求められる凸部エッチング選択性に基づいて、適切に選択することが好ましい。複数の波長帯域の紫外光が同時に照射されてもよく、各波長帯域の紫外光の照射強度を調整して、第1電離工程、第2電離工程および第3電離工程の寄与を調整してもよい。
一つの実施形態では、前記基板処理方法は、プロセス条件を調整することによって、前記第1電離工程、前記第2電離工程および前記第3電離工程により発生する前記活性種による前記凹凸パターンとの反応への寄与割合を制御する工程をさらに含む。
この方法により、近接場光を起因とするペニング効果を利用した選択性の高いエッチング、近接場光による反応性ガスの直接励起による選択性の高いエッチング、および伝搬光を起因とするペニング効果を利用したエッチングの寄与割合を制御できる。それにより、エッチング速度、凸部エッチング選択性などの目標を満足するように、プロセス条件を設定でき、近接場光を利用する平坦化プロセスを高速化できる。
一つの実施形態では、前記プロセス条件が、前記反応性ガスの種類、前記反応性ガスの供給流量、前記反応性ガスの分圧、前記準安定原子発生ガスの種類、前記準安定原子発生ガスの供給流量、前記準安定原子発生ガスの分圧、前記反応性ガスと前記準安定原子発生ガスとの供給流量比(混合比)、前記紫外光のエネルギー密度、前記紫外光の波長、および前記基板の温度のうちの一つ以上を含む。
一つの実施形態では、前記プロセス条件を調整することによって、エッチング速度が制御される。
一つの実施形態では、前記プロセス条件が、前記紫外光の波長を含み、少なくとも前記紫外光の波長を調整することによって、前記凸部のエッチングに関する選択性が制御される。
一つの実施形態では、前記活性種を前記凹凸パターンと反応させながら、前記プロセス条件を可変させる。
すなわち、この方法では、プロセス条件が処理の経過とともに変化させられる。たとえば、処理の初期、中期および後期でそれぞれ適切なプロセス条件を設定することができ、それによって、エッチング速度およびエッチング選択性などの要求を満足することができる。
一つの実施形態では、前記反応性ガスが、塩素系ガス、およびフッ素系ガスからなる群から選択した一種以上を含む。塩素系ガスの具体例は、塩素、三塩化ホウ素、四塩化炭素を含む。フッ素系ガスの具体例は、四フッ化炭素、六フッ化硫黄、三フッ化窒素を含む。
一つの実施形態では、前記準安定原子発生ガスが、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、およびキセノンからなる群から選択した一種以上の希ガスを含む。
一つの実施形態では、前記凹凸パターンを構成する材料が、アルミニウム、シリコン、窒化シリコン、酸化シリコン、樹脂材料、および銅からなる群から選択した一種以上を含む。
一つの実施形態では、前記凹凸パターンの高低差が、1ナノメートル以下である。
一つの実施形態では、前記基板が、デバイスが形成されたデバイス面と、デバイスが形成されていない非デバイス面とを含み、前記活性種による処理対象の前記基板の表面が、前記デバイス面または前記非デバイス面である。
一つの実施形態では、前記基板処理方法は、前記活性種による処理対象の前記基板の表面とは反対側の裏面に対して薬液を供給する工程と、前記基板の裏面に前記薬液をイオン化する光(たとえば紫外光)を照射する工程と、をさらに含む。
この方法により、基板の裏面に薬液を供給し、その薬液を光照射によって活性化(イオン化)させて、基板の裏面を処理できる。この処理は、反応性ガスを用いる基板表面の処理と並行して行うことができる。
薬液の具体例としては、塩酸を挙げることができる。
一つの実施形態では、前記基板処理方法は、前記薬液の種類および前記薬液の濃度のうちの少なくとも一つを調整して、前記基板の裏面の処理速度を制御する工程をさらに含む。
一つの実施形態では、前記基板処理方法は、前記基板を加熱する工程をさらに含む。
基板を加熱することによって、エッチング処理をさらに高速化できるので、基板の平坦化を加速できる。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理方法を実施するための基板処理装置の構成を説明するための系統図である。 図2は、前述の基板処理装置による処理の一例を示すフローチャートである。 図3A、図3Bおよび図3Cは、基板処理の原理を説明するための原理説明図であり、基板の表面(上面)での反応過程(第1電離工程)が示されている。 図4は、基板表面での別の反応過程(第2電離工程)を説明するための図である。 図5は、基板表面でのさらに別の反応過程(第3電離工程)を説明するための図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理方法を実施するための装置の構成を説明するための系統図である。基板処理装置1は、この実施形態では、基板Wを一枚ずつ処理する枚葉型の装置である。基板処理装置1は、処理チャンバ2と、基板Wを保持する基板ホルダ3と、基板ホルダ3に保持された基板Wの表面Wa(上面)に向けて紫外光を照射する表面紫外光源4と、基板ホルダ3に保持された基板Wの表面Waに処理ガスを供給する処理ガス供給ユニット5とを含む。処理対象の基板Wは、たとえば、半導体ウエハである。基板Wの表面Waには、10ナノメートル以下のサイズの凹凸パターンを含む微細パターンが形成されている。基板処理装置1による処理の一つの目的は、基板Wの表面Waの凹凸を構成する凸部を選択的にエッチングして、基板Wの表面Waを精密に平坦化することである。
処理チャンバ2は、基板Wが処理される空間を提供し、基板Wが処理を受ける間、基板Wの周囲の雰囲気の制御を可能にする。処理チャンバ2には、排気配管21が接続されている。排気配管21は、真空装置22に接続されている。排気配管21には、その流路を開閉する排気バルブ23が介装されている。
基板ホルダ3は、処理対象の基板Wを所定位置に保持する。この実施形態では、基板ホルダ3は、基板Wを水平姿勢で保持するように構成されている。より具体的には、この実施形態では、基板ホルダ3は、スピンチャック31を含む。スピンチャック31は、基板Wを水平姿勢で保持し、その中央を通る鉛直な回転軸線30まわりに回転することができる装置である。スピンチャック31は、スピンベース32と、スピンベース32に結合された回転軸33と、回転軸33を回転させるスピンモータ34と、スピンベース32の周縁部に設けられた複数の保持爪35とを含む。複数の保持爪35によって基板Wが握持され、その状態でスピンベース32が回転されることにより、回転軸線30まわりに基板Wが回転する。
回転軸33は、この実施形態では、中空軸である。基板Wの裏面Wb(下面)中央に処理液を供給する処理液ノズル8が回転軸33を挿通するように設けられている。処理液ノズル8には、処理液供給管9が結合されている。処理液供給管9には、薬液と、脱イオン水(DIW)とが供給される。より具体的には、処理液供給管9には、薬液供給管81と、脱イオン水供給管91とが結合されている。この実施形態では、複数種類の薬液をそれぞれ供給する複数の薬液供給管81が設けられ、それらが処理液供給管9に結合されている。複数の薬液供給管81は、複数の薬液供給源にそれぞれ接続されている。複数の薬液供給源は、異なる種類の薬液を供給する。供給される薬液の種類の例は、たとえば、塩酸などである。各薬液供給管81には、その流路を開閉する薬液バルブ82(オン/オフバルブ)と、その流路断面積を変化させて薬液流量を可変調整する薬液流量調整バルブ83と、薬液の流量を計測する薬液流量計84とが介装されている。脱イオン水供給管91には、その流路を開閉する脱イオン水バルブ92(オン/オフバルブ)と、その流路断面積を変化させて脱イオン水の流量を可変調整する脱イオン水流量調整バルブ93と、脱イオン水の流量を計測する脱イオン水流量計94とが介装されている。流量調整バルブ83,93は、たとえばモータ駆動型のニードルバルブであってもよい。
スピンベース32を側方から取り囲むように、処理カップ6が設けられている。処理カップ6は、スピンチャック31によって基板Wを回転しながら、基板Wに処理液が供給されるときに、基板Wから遠心力によって外方に排出される処理液を受け止めて、排液配管7に導く。
スピンベース32には、スピンチャック31に保持された基板Wの裏面Wbに向けて紫外光を照射する裏面紫外光源24と、スピンチャック31に保持された基板Wを加熱するヒータ25とが内蔵されている。スピンベース32は、たとえば、紫外線および赤外線を透過させることができる材料(たとえば石英)で構成されている。裏面紫外光源24は、たとえば、紫外線を発生する発光ダイオードを含んでいてもよい。ヒータ25は、赤外線を発生する赤外線ランプであってもよい。
スピンチャック31の上方には、遮断板10が設けられている。遮断板10は、上方からスピンベース32に対向する対向面11を有している。この対向面11は、スピンチャック31に基板Wが保持されているときに、基板Wの表面Waに上方から対向する。遮断板10は、支持軸12によって、スピンチャック31の上方で支持されている。支持軸12に遮断板昇降機構15および/または遮断板回転機構16が結合されていてもよい。遮断板昇降機構15は、支持軸12を介して遮断板10を上下動させ、それによって、遮断板10を基板Wの表面Waに接近させた処理位置に配置したり、処理位置から上方に退避した退避位置に配置したりする。遮断板10を処理位置に配置することにより、基板Wの表面Waと対向面11との間に制限された処理空間18(狭空間)を形成することができる。それにより、基板Wの表面Wa付近の雰囲気を精度よく制御することができる。遮断板回転機構16は、支持軸12を介して遮断板10を回転させる。たとえば、スピンチャック31によって基板Wを回転させて処理するときに、遮断板10を基板Wと同じ方向にほぼ同じ速度で回転(同期回転)させることにより、基板Wの表面Waと対向面11との間の気流を安定化することができる。
遮断板10は、この実施形態では、紫外光を透過させることができるように構成されている。より具体的には、遮断板10は、紫外光を透過させることができる材料(たとえば石英)で構成されている。スピンベース32に対して、遮断板10の背後、すなわち遮断板10の上方に、表面紫外光源4が配置されている。表面紫外光源4は、紫外線を発生する発光素子(発光ダイオード等)を備えていてもよい。表面紫外光源4は、中心波長の異なる(すなわち、波長帯域の異なる)紫外光をそれぞれ発生する複数種類の発光素子を備えていてもよい。表面紫外光源4は、スピンベース32に保持された基板Wの表面Waに向けて紫外光を照射するように配置されている。表面紫外光源4は、スピンベース32に保持された基板Wとの間隔が調整できるように、昇降可能に配置されていてもよい。たとえば、表面紫外光源4は、遮断板昇降機構15によって、遮断板10とともに昇降されるように構成されていてもよい。この場合、遮断板昇降機構15は、紫外光源昇降機構の一例である。むろん、紫外線を昇降するための機構が、遮断板昇降機構15とは別に設けられていてもよい。
遮断板10およびそれを支持する支持軸12には、中央に開口13および通路14がそれぞれ形成されており、これらを挿通するように処理ガス供給管50が配置されている。処理ガス供給管50には、準安定原子発生ガスの一例である希ガスを供給する希ガス供給路51が結合されている。また、処理ガス供給管50には、反応性ガスを供給する反応性ガス供給路61が結合されている。さらに、処理ガス供給路には、窒素ガス等の不活性ガスを供給する不活性ガス供給路71が結合されている。
この実施形態では、複数種類の希ガスをそれぞれ供給する複数の希ガス供給路51が設けられている。複数種類の希ガス(準安定原子発生ガス)の例は、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、およびキセノンから選択した2種以上である。各希ガス供給路51には、その流路を開閉する希ガスバルブ52(オン/オフバルブ)、その流路断面積を変化させて流量を調整するための希ガス流量調整バルブ53、希ガスの流量を計測するための希ガス流量計54が介装されている。希ガス流量調整バルブ53は、たとえばモータ駆動型のニードルバルブであってもよい。
また、この実施形態では、複数種類の反応性ガスをそれぞれ供給する複数の反応性ガス供給路61が設けられている。複数種類の反応性ガスの例は、塩素系ガス、フッ素系ガスから選択した2種以上である。塩素系ガスの具体例は、塩素、三塩化ホウ素、四塩化炭素を含む。フッ素系ガスの具体例は、四フッ化炭素、六フッ化硫黄、三フッ化窒素を含む。各反応性ガス供給路61には、その流路を開閉する反応性ガスバルブ62(オン/オフバルブ)、その流路断面積を変化させて流量を調整するための反応性ガス流量調整バルブ63、反応性ガスの流量を計測するためその反応性ガス流量計64が介装されている。反応性ガス流量調整バルブ63は、たとえばモータ駆動型のニードルバルブであってもよい。
不活性ガス供給路71には、その流路を開閉する不活性ガスバルブ72(オン/オフバルブ)、その流路断面積を変化させて流量を調整するための不活性ガス流量調整バルブ73、不活性ガスの流量を計測するための不活性ガス流量計74が介装されている。不活性ガス流量調整バルブ73は、たとえばモータ駆動型のニードルバルブであってもよい。
基板処理装置1は、さらに、装置の各部を制御するためのコントローラ100を有している。コントローラ100は、典型的には、プロセッサ(演算装置)と、プロセッサが実行するプログラムを格納した記憶装置とを含む。コントローラ100は、表面紫外光源4を駆動する表面紫外光源ドライバ101、裏面紫外光源24を駆動する裏面紫外光源ドライバ102、ヒータ25を駆動するヒータドライバ103などを制御するように構成され、かつプログラムされている。また、コントローラ100は、スピンモータ34、遮断板昇降機構15および遮断板回転機構16を制御するように構成され、かつプログラムされている。さらに、コントローラ100は、排気バルブ23、薬液バルブ82、脱イオン水バルブ92、希ガスバルブ52、反応性ガスバルブ62および不活性ガスバルブ72の開閉を制御するように構成され、かつプログラムされている。また、コントローラ100は、薬液流量調整バルブ83、脱イオン水流量調整バルブ93、希ガス流量調整バルブ53、反応性ガス流量調整バルブ63および不活性ガス流量調整バルブ73の開度を制御するように構成され、かつプログラムされている。
図2は、前述の基板処理装置1による処理の一例を示すフローチャートである。ロボットハンド(図示せず)によって、処理チャンバ2に基板Wが搬入され、スピンチャック31に渡される(ステップS1)。このとき、遮断板10および表面紫外光源4は、搬入される基板Wおよびロボットハンドと干渉しないように、スピンベース32から上方に離れた退避位置に配置されている。ロボットハンドが処理チャンバ2から退避すると、コントローラ100は、排気バルブ23を開いて、処理チャンバ2の真空排気を行う(ステップS2)。また、コントローラ100は、遮断板昇降機構15を制御して、遮断板10および表面紫外光源4をスピンベース32に保持された基板Wの表面Waに向けて下降させ、遮断板10の対向面11が基板Wの表面Waに所定の間隔を空けて近接した処理位置に配置する(ステップS3)。そして、コントローラ100は、スピンモータ34を制御して、基板Wの回転を開始し、所定の処理速度で基板Wを回転させる(ステップS4)。このとき、コントローラ100は、遮断板回転機構16を制御して、遮断板10を同期回転させることが好ましい(ステップS5)。
真空排気が完了すると、コントローラ100は、希ガスバルブ52および反応性ガスバルブ62を開いて、処理チャンバ2内に希ガスおよび反応性ガスを導入する(ステップS6)。このとき、コントローラ100は、希ガス流量調整バルブ53および反応性ガス流量調整バルブ63を制御することにより、希ガスの供給流量および反応性ガスの供給流量を調整する(ステップS7)。複数種類の反応性ガスが供給されるときには、それぞれの反応性ガスについて供給流量が調整される。これらの流量の調整によって、処理チャンバ2内での希ガスおよび反応性ガスの混合比が制御されることになる(ステップS8)。さらに複数種類の反応性ガスが供給されるときには、それらの混合比も制御されることになる。コントローラ100は、処理チャンバ2内の圧力が所定の圧力となるように、希ガスおよび反応性ガスの供給および排気バルブ23の開閉を制御する。こうして、処理チャンバ2内の処理雰囲気が整えられる(ステップS9)。
次に、コントローラ100は、表面紫外光源ドライバ101を制御して、表面紫外光源4を発光させる(ステップS10)。それにより、紫外光が、基板Wの表面Waに向けて照射される。この紫外光の作用により、基板Wの表面Wa付近に反応性ガスの活性種(ラジカル)が生成され、その活性種の作用によって、基板Wの表面Waを平坦化するためのエッチングが行われる。コントローラ100は、表面紫外光源4に供給する電力を制御することにより、発光強度を制御し、それによって、基板表面Waへの紫外光の照射強度を調整することができる(ステップS11)。また、表面紫外光源4が、中心波長の異なる紫外光を発生する複数種類の発光素子を備えている場合には、発光させるべき発光素子を切り換えることによって、基板Wの表面Waに照射される紫外光の波長域を変化させることができる(ステップS12)。また、複数種類の発光素子を同時発光させることもでき、その場合に、複数種類の発光素子の発光強度(すなわち、異なる波長帯域の紫外光の強度)を個別に制御することもできる。
一方、コントローラ100は、薬液バルブ82を開いて、スピンチャック31に保持された基板Wの裏面Wb(下面)に処理液ノズル8から薬液を供給させる(ステップS13)。また、コントローラ100は、薬液流量調整バルブ83を制御して、薬液の供給流量を調節する(ステップS14)。複数種類の薬液に対応した薬液バルブ82を同時に開いて、複数種類の薬液が混合されて同時に供給されてもよい。この場合には、複数種類の薬液にそれぞれ対応する複数の薬液流量調整バルブ83が制御されることによって、薬液の混合比が制御される(ステップS15)。また、コントローラ100は、複数種類の薬液を順次に開閉して、複数種類の薬液を順次に供給してもよい。さらに、コントローラ100は、薬液を供給するときに、脱イオン水バルブ92を同時に開いて、脱イオン水によって薬液を希釈して、薬液の濃度を制御してもよい(ステップS16)。この場合、コントローラ100は、薬液流量調整バルブ83および脱イオン水流量調整バルブ93を制御することによって、薬液と脱イオン水との混合比を制御し、薬液の濃度を制御することができる。
また、コントローラ100は、裏面紫外光源ドライバ102を制御して、裏面紫外光源24から紫外光を発生させ、それにより、基板Wの裏面Wbに紫外光を照射する(ステップS17)。この紫外光は、薬液をイオン化させて活性化する。その活性化(イオン化)された薬液によって、基板Wの裏面Wbを処理することができる。この処理は、主として、基板Wの裏面Wbの洗浄を目的とした処理であってもよい。
さらに、コントローラ100は、ヒータドライバ103を制御してヒータ25を駆動し、それによって、基板Wを加熱してもよい(ステップS18)。コントローラ100は、ヒータ25に供給される電力を制御することによって、基板温度を制御することができる。
基板Wの裏面Wbへの所定時間だけ薬液を供給した後に、コントローラ100は、薬液バルブ82を閉じる。また、コントローラ100は、裏面紫外光源ドライバ102を制御して、基板Wの裏面Wbへの紫外光の照射を停止する。そして、脱イオン水バルブ92を開いて、処理液ノズル8から基板Wの裏面Wbに向けて、リンス液としての脱イオン水を供給する。これにより、基板Wの裏面Wbの薬液が脱イオン水によって洗い流される(ステップS19)。
基板Wの表面Waの処理が終了すると、コントローラ100は、表面紫外光源ドライバ101を制御して、基板Wの表面Waへの紫外線の照射を停止する(ステップS20)。また、コントローラ100は、ヒータドライバ103を制御して、基板Wの加熱を停止してもよい。さらに、コントローラ100は、希ガスバルブ52および反応性ガスバルブ62を閉じ、希ガスおよび反応性ガスの供給を停止する。代わって、コントローラ100は、不活性ガスバルブ72を開き、処理チャンバ2内の雰囲気を不活性ガスに置換し、かつ排気バルブ23を併せて制御して、処理チャンバ2内の気圧を大気圧に戻す(ステップS21)。
基板Wの表面Waおよび裏面Wbの両方の処理が終了すると、コントローラ100は脱イオン水バルブ92を閉じて、基板Wの裏面Wbへの脱イオン水の供給を停止する(ステップS22)。そして、コントローラ100は、スピンモータ34を制御して、スピンチャック31の回転、すなわち、基板Wの回転を乾燥回転速度まで加速する。これにより、基板W上の液成分を遠心力によって振り切る乾燥処理(スピンドライ)が実行される(ステップS23)。併せて、コントローラ100は、遮断板回転機構16を制御して、遮断板10の回転速度を乾燥回転速度まで加速して、遮断板10を同期回転させることが好ましい。所定の乾燥処理時間の後、コントローラ100は、スピンチャック31および遮断板10の回転を停止させる(ステップS24)。
その後、コントローラ100は、遮断板昇降機構15を制御して、遮断板10および表面紫外光源4を退避位置まで上昇させる(ステップS25)。そして、ロボットハンドによって、処理済みの基板Wがスピンチャック31から受け取られ、処理チャンバ2外へと搬出される(ステップS26)。
図3A、図3Bおよび図3Cは、基板処理の原理を説明するための原理説明図であり、基板Wの表面Wa(上面)での反応過程(第1電離工程)が示されている。
図3Aに示すように、基板Wの表面Waには、10ナノメートル以下(たとえば1ナノメートル以下)の高さの凸部150が形成されている。この凸部150を低くして、基板Wの表面Waを平滑化することが処理の一つの目的である。基板Wの表面Wa付近には、希ガスの分子200および反応性ガスの分子300が存在している。ここでは1種類の希ガスの分子200、および1種類の反応性ガスの分子300のみを示すが、複数種類の希ガスの分子が存在していてもよく、また、複数種類の反応性ガスの分子が存在していてもよい。
基板表面Waの凹凸パターンを構成する材料は、たとえば、アルミニウム、シリコン、窒化シリコン、酸化シリコン、樹脂材料、銅のうちの一種以上を含む。また、凹凸パターンの高低差、すなわち、凸部150の高さは、たとえば、10ナノメートル以下(1ナノメートル以下であってもよい)である。半導体ウエハのような基板Wは、一方の主面が、トランジスタ、キャパシタ、抵抗等のデバイスが形成されたデバイス面であり、他方の主面は、そのようなデバイスが形成されていない非デバイス面である。凹凸パターンが形成された処理対象面である表面Waは、デバイス面である場合もあり、また、非デバイス面である場合も或る。
図3Bに示すように、基板Wの表面Waに紫外光が照射されると、凸部150の近傍の局所領域に近接場光160が生じる。局所領域は、具体的には、基板Wの凸部先端151(先端エッジ)から1ナノメートル以内の領域である。この近接場光160によって、希ガスの分子200が励起されて、準安定状態の励起原子である準安定原子201を生成する。この準安定原子201は、凸部150の近傍の局所領域に生成される。
希ガスの準安定原子201は、反応性ガスにエネルギーを供与する。それにより、図3Cに示すように、反応性ガス分子300が励起されて、活性種301(ラジカル)を生成する。すなわち、いわゆるペニング効果によって、反応性ガスの活性種301を生成することができる。この活性種301によって、凸部150がエッチングされる。近接場光160が存在する局所領域で準安定原子201が生成されるので、反応性ガスの活性種301も当該局所領域に生成される。それにより、凸部150が選択的にエッチングされ、基板表面Waの平滑化が進行する。
図4は、基板表面Waでの別の反応過程(第2電離工程)を説明するための図である。凸部150の先端151近傍の局所領域で発生した近接場光160は、反応性ガスにも作用するので、それによって、反応性ガスの分子300が直接的に励起されて電離し、反応性ガスの活性種301(ラジカル)が生成される(第2電離工程)。この過程で発生する活性種301も、近接場光160が存在する局所領域に存在するので、凸部150の選択的エッチングに寄与する。それにより、凸部150の選択的エッチングの速度を向上でき、それに応じて、基板表面Waの平坦化を速やかに進行させることができる。
図5は、基板表面Waでのさらに別の反応過程(第3電離工程)を説明するための図である。紫外光の波長が、希ガスが準安定原子201に励起されるの吸収波長帯の下限波長(吸収端波長)以下の場合には、基板表面Waの凸部先端151の局所領域外において伝搬する紫外光(伝搬光)によって、希ガスが励起されて、希ガスの準安定原子201が生成される。すなわち、近接場光160が存在していない領域において、紫外光(伝搬光)によって、希ガスの準安定原子201が発生する。この準安定原子201は、周辺の反応性ガスの分子300にエネルギーを与えて基底状態に戻る。このとき、反応性ガスが電離して、反応性ガスの活性種301(ラジカル)が生成される。こうして、基板表面Waの凸部150の先端151付近の局所領域の外の領域においても、ペニング効果を利用して、反応性ガスの活性種301を生じさせることができる(第3電離工程)。こうして発生した活性種301が基板Wの表面Waに到達すると、基板Wの表面Waのエッチングに寄与する。この過程で発生する活性種301は、基板表面Waの先端151の近傍の局所領域外にも存在するので、この反応過程は、凸部150のエッチングについての選択性が実質的になく、基板表面Wa全体に作用するエッチング過程となる。したがって、この反応過程は、基板表面Waのエッチング速度の向上に寄与する。
この実施形態では、第1電離工程(図3A~図3C)、第2電離工程(図4)および第3電離工程(図5)の寄与割合を制御するように、プロセス条件が調整される。それにより、近接場光を起因とするペニング効果を利用した選択性の高いエッチング(第1電離工程)、近接場光による反応性ガスの直接励起による選択性の高いエッチング(第2電離工程)、および伝搬光を起因とするペニング効果を利用したエッチング(第3電離工程)の寄与割合を制御できる。それにより、エッチング速度、凸部エッチング選択性などの目標を満足するように、プロセス条件を設定でき、近接場光を利用する平坦化プロセスを高速化できる。
プロセス条件は、具体的には、反応性ガスの種類、反応性ガスの供給流量、反応性ガスの分圧、準安定原子発生ガス(希ガス)の種類、準安定原子発生ガス(希ガス)の供給流量、準安定原子発生ガス(希ガス)の分圧、反応性ガスと準安定原子発生ガス(希ガス)との供給流量比(混合比)、基板表面Waに照射される紫外光のエネルギー密度、その紫外光の波長、および基板Wの温度のうちの一つ以上を含む。
反応性ガスの種類は、複数の反応性ガス供給路61の反応性ガスバルブ62の開閉によって選択できる。図1には、2種類の反応性ガスの供給が可能な構成を示してあるが、もちろん、3種以上の反応性ガスが供給可能な構成としてもよい。反応性ガスの供給流量は、反応性ガス流量調整バルブ63の開度を制御することによって調整できる。
準安定原子発生ガス(希ガス)の種類は、複数の希ガス供給路51の希ガスバルブ52の開閉によって選択できる。図1には、2種類の希ガスの供給が可能な構成を示してあるが、もちろん、3種以上の希ガスが供給可能な構成としてもよい。準安定原子発生ガス(希ガス)の供給流量は、希ガス流量調整バルブ53の開度を制御することによって調整できる。
反応性ガスと準安定原子発生ガス(希ガス)との供給流量比(混合比)は、希ガス流量調整バルブ53の開度および反応性ガス流量調整バルブ63の開度を制御することによって調整できる。これらの流量調整バルブ53,63の開度制御および排気バルブ23の制御によって、処理チャンバ2内の圧力を適切な圧力に制御でき、かつ準安定原子発生ガス(希ガス)の分圧および反応性ガスの分圧を制御できる。
基板表面Waに照射される紫外光のエネルギー密度は、表面紫外光源4に供給される電力を制御することによって調整できる。また、表面紫外光源4が、選択的に発光可能な複数の発光素子を備えている場合には、発光させる発光素子の数を制御することによっても、紫外光のエネルギー密度を調整することができる。
基板Wに照射される紫外光の波長は、表面紫外光源4が備える発光素子の発光波長を調整することで調整可能である。また、前述のように、発光波長域の異なる複数種類の発光素子を表面紫外光源4に備え、それらを選択的に発光させる構成とすることもできる。この場合には、発光素子を選択的に発光させることによって、表面紫外光源4の発光波長を制御することができる。とりわけ、第3電離工程(図5)は、照射される紫外光(伝搬光)の波長に大きく依存するので、表面紫外光源4の発光波長を調整することによって、エッチング速度および凸部エッチングの選択性を制御することができる。
たとえば、表面紫外光源4の発光波長を制御することにより、第1電離工程(図3A~図3C)が支配的となり、第2電離工程(図4)および第3電離工程(図5)がほとんど生じない条件とすることができる。これは、近接場光に基づくペニング効果を利用することで、エネルギー利用効率が高く、エッチング速度も速いプロセス条件となり、かつ凸部エッチングの選択性の高い条件となる。
また、表面紫外光源4の発光波長を制御することにより、第1電離工程(図3A~図3C)および第2電離工程(図4)が支配的となり、第3電離工程(図5)がほとんど生じない条件とすることができる。これは、近接場光に基づくペニング効果とともに、近接場光による反応性ガスの直接的励起を利用できることから、エネルギー利用効率が良好で、エッチング速度がさらに速く、かつ凸部エッチングの選択性の高いプロセス条件となる。
さらに、表面紫外光源4の発光波長を制御することにより、第1電離工程(図3A~図3C)、第2電離工程(図4)および第3電離工程(図5)が生じる条件とすることができる。これは、近接場光に基づくペニング効果および近接場光に基づく反応性ガスの直接的励起を利用できるうえに、伝搬光に基づくペニング効果を利用していることから、エネルギー利用効率がさらに高まり、したがって、エッチング速度をさらに加速できるプロセス条件となる。そして、近接場光に基づくペニング効果および近接場光に基づく反応性ガスの直接的励起による活性種の存在により、凸部先端近傍の局所領域において活性種の存在確率が高くなるので、凸部エッチングの選択性も良好なプロセス条件でもある。
反応性ガスの活性種を基板表面Waの凹凸パターンと反応させてエッチングを行っている間に、プロセス条件を変化させてもよい。つまり、プロセス条件を処理の進行とともに変化させてもよい。具体的には、処理の初期、中期および後期で異なるプロセス条件を適用してもよい。それにより、エッチング速度およびエッチング選択性などに対する要求を満足することができる。
基板Wの温度は、ヒータ25への通電を制御することによって調節することができる。基板Wの温度を制御することにより、エッチング速度を制御することができる。
以上、この発明の実施形態について説明してきたが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、基板Wの表面Waを反応性ガスの活性種によってエッチング処理する一方で、基板Wの裏面Wb(下面)に対して、薬液の供給および紫外光の照射による処理を並行して行っているが、基板裏面Wbの処理は省かれてもよい。また、基板裏面Wbの処理は、基板表面Waの処理とは別の工程(たとえば別の処理チャンバ)で実行されてもよい。また、前述の実施形態では、基板Wを回転しながら処理する基板処理装置1の構成例を示したが、基板Wの回転は必須ではない。とくに、基板Wの裏面Wbの液処理を省く場合には、基板Wの回転を省くことができる。また、前述の実施形態では、希ガス(準安定原子発生ガス)、反応性ガスおよび薬液を、それぞれ複数種類供給可能な基板処理装置の構成例を示したが、それらのうちの一つ以上について、一種類のみの供給が可能な構成が採用されてもよい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 :基板処理装置
2 :処理チャンバ
3 :基板ホルダ
4 :表面紫外光源
5 :処理ガス供給ユニット
8 :処理液ノズル
9 :処理液供給管
22 :真空装置
24 :裏面紫外光源
25 :ヒータ
31 :スピンチャック
50 :処理ガス供給管
51 :希ガス供給路
52 :希ガスバルブ
53 :希ガス流量調整バルブ
54 :希ガス流量計
61 :反応性ガス供給路
62 :反応性ガスバルブ
63 :反応性ガス流量調整バルブ
64 :反応性ガス流量計
71 :不活性ガス供給路
72 :不活性ガスバルブ
73 :不活性ガス流量調整バルブ
74 :不活性ガス流量計
81 :薬液供給管
82 :薬液バルブ
83 :薬液流量調整バルブ
84 :薬液流量計
91 :脱イオン水供給管
92 :脱イオン水バルブ
93 :脱イオン水流量調整バルブ
94 :脱イオン水流量計
100 :コントローラ
150 :凸部
151 :凸部の先端
160 :近接場光
200 :準安定原子発生ガス(希ガス)の分子
201 :準安定原子
300 :反応性ガスの分子
301 :活性種
W :基板
Wa :表面
Wb :裏面

Claims (16)

  1. 10ナノメートル以下のサイズの凹凸パターンを含む微細パターンが形成された基板の表面を処理する基板処理方法であって、
    電離することにより、前記凹凸パターンを形成する材料と反応する活性種を発生する反応性ガスを前記基板の表面に供給する工程と、
    前記反応性ガスを電離させることができる準安定状態の励起原子である準安定原子を発生する準安定原子発生ガスを前記基板の表面に供給する工程と、
    前記基板の表面に紫外光を照射することにより、前記凹凸パターンの近傍で近接場光を発生させ、前記近接場光によって、前記凹凸パターンの凸部の先端を含む局所領域において前記準安定原子発生ガスを励起させて準安定原子を発生させ、この準安定原子を利用するペニング効果によって前記反応性ガスを電離させて前記活性種を前記局所領域に生じさせる第1電離工程と、
    を含む、基板処理方法。
  2. 前記近接場光によって、前記局所領域において前記反応性ガスを電離させて前記活性種を前記局所領域に生じさせる第2電離工程をさらに含む、請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記紫外光によって前記準安定原子発生ガスを励起させて準安定原子を発生させ、この準安定原子を利用するペニング効果によって前記反応性ガスを電離させて前記活性種を生じさせる第3電離工程をさらに含む、請求項2に記載の基板処理方法。
  4. プロセス条件を調整することによって、前記第1電離工程、前記第2電離工程および前記第3電離工程により発生する前記活性種による前記凹凸パターンとの反応への寄与割合を制御する工程をさらに含む、請求項3に記載の基板処理方法。
  5. 前記プロセス条件が、前記反応性ガスの種類、前記反応性ガスの供給流量、前記反応性ガスの分圧、前記準安定原子発生ガスの種類、前記準安定原子発生ガスの供給流量、前記準安定原子発生ガスの分圧、前記反応性ガスと前記準安定原子発生ガスとの供給流量比、前記紫外光のエネルギー密度、前記紫外光の波長、および前記基板の温度のうちの一つ以上を含む、請求項4に記載の基板処理方法。
  6. 前記プロセス条件を調整することによって、エッチング速度が制御される、請求項4または5に記載の基板処理方法。
  7. 前記プロセス条件が、前記紫外光の波長を含み、少なくとも前記紫外光の波長を調整することによって、前記凸部のエッチングに関する選択性が制御される、請求項4~6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  8. 前記活性種を前記凹凸パターンと反応させながら、前記プロセス条件を可変させる、請求項4~7のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  9. 前記反応性ガスが、塩素系ガス、およびフッ素系ガスからなる群から選択した一種以上を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  10. 前記準安定原子発生ガスが、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、およびキセノンからなる群から選択した一種以上の希ガスを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  11. 前記凹凸パターンを構成する材料が、アルミニウム、シリコン、窒化シリコン、酸化シリコン、樹脂材料、および銅からなる群から選択した一種以上を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  12. 前記凹凸パターンの高低差が、1ナノメートル以下である、請求項1~11のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  13. 前記基板が、デバイスが形成されたデバイス面と、デバイスが形成されていない非デバイス面とを含み、
    前記活性種による処理対象の前記基板の表面が、前記デバイス面または前記非デバイス面である、請求項1~12のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  14. 前記活性種による処理対象の前記基板の表面とは反対側の裏面に対して薬液を供給する工程と、
    前記基板の裏面に前記薬液をイオン化する光を照射する工程と、をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  15. 前記薬液の種類および前記薬液の濃度のうちの少なくとも一つを調整して、前記基板の裏面の処理速度を制御する工程をさらに含む、請求項14に記載の基板処理方法。
  16. 前記基板を加熱する工程をさらに含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の基板処理方法。
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