JP4000544B2 - 感光性版用フォトレジストカバーフイルム - Google Patents

感光性版用フォトレジストカバーフイルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な感光性版用フォトレジストカバーフイルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、柔軟で、平坦性と取扱性に優れ、フォトレジストとの適度な粘着性と剥離性を有した感光性版用フォトレジストカバーフイルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、感光性版用フォトレジストカバーフイルムとして、ポリエチレンやポリプロピレンフイルム(特開平1−179154号公報)が用いられている。
【0003】
ポリプロピレンフイルムの離型性の改良を目的として、ポリメチルペンテン及び他のオレフィンとの共重合樹脂を積層したフイルムが知られている(特公昭57−44465号、特公平03−71975号公報など)。
【0004】
カバーフイルムとしては、厚みムラが小さくて平面性が良く、柔軟で、フォトレジストからの剥離性の良いことが必要である。さらにドライフイルムフォトレジスト(以下DFRと省略する)は、基材のポリエステルフイルムにフォトレジストを塗布し、カバーフイルムを貼ってロール状に長巻するが、最近特にプリント配線板の回路の細線化(ファインパターン化)の要望が強く、このような用途にはフイルム中の異物(ゲルやフィッシュアイ)や無機微粒子の突起の少ないことは勿論のこと、フイルム表面の平坦性が特に必要な要求項目である。また最近DFRの長尺化の要求があることから、カバーフイルムとしては、平坦でかつ薄膜化の要求がある。
【0005】
しかしながら、前記従来のポリエチレンフイルムは、厚みムラが大きくて平坦性が悪く、またゲル状の異物突起が多いという欠点を有しており、さらにDFRカバーフイルムとして必要な、平坦で薄いフイルムを作ることは非常に困難である。
【0006】
他方、ポリプロピレンフイルムは、平坦で薄いフイルムを作ることは容易であるが、腰が強すぎてフォトレジストからの剥離性が悪く、剥離する際にフォトレジストにさざ波状の傷がつきやすいという欠点がある。また薄くて平坦性の良いフイルムはフイルム面同志の滑り性が悪く、取扱性に劣ると言う問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はフォトレジスト面に接する面の平面性が良く、フォトレジストとの適度な粘着性と剥離性に優れ、異物突起(ゲル、フィッシュアイ、無機物突起)が少なく、取扱性の良好な感光性版用フォトレジストカバーフイルムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが鋭意検討した結果、本発明の課題は下記の構成を有する本発明によって工業的に有利に達成された。
【0009】
[1]フイルムの片面(A面)の平均表面粗さRaが80nm以下、逆面(B面)の平均表面粗さRaが100nm以上の無延伸ポリプロピレン系複合フイルムから成り、該フイルムの表面濡れ張力が34mN/m以下であることを特徴とする感光性版用フォトレジストカバーフイルム。
【0010】
[2]フイルムA面の10点平均粗さ(Rz)が500nm未満、フイルムB面の10点平均粗さ(Rz)が350nm〜2000nmの範囲にあり、かつB面の200nm以上の粗さ密度PC1が5個/mm以上からなることを特徴とする上記[1]に記載の感光性版用フォトレジストカバーフイルム。
【0011】
[3]無延伸ポリプロピレン系複合フイルムのA面を有する層が、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種以上の樹脂からなることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の感光性版用フォトレジストカバーフイルム。
【0012】
[4]無延伸ポリプロピレン系複合フイルムのB面を有する層が、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレンまたはエチレンープロピレンブロック共重合体樹脂の混合物からなることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性版用フォトレジストカバーフイルム。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の無延伸ポリプロピレン系複合フイルムのA面に使用される樹脂は、ポリプロピレン系を主体とした樹脂である。特に好ましくはエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体から選ばれた少なくとも1種以上の樹脂である。これらの共重合体にフイルム特性を悪化させない程度にポリエチレン、ポリブテンなどのポリオレフィン樹脂をさらに混合させてもよい。なお、該ポリプロピレン系フイルムには、酸化防止剤、熱安定剤、結晶核剤を剥離性及び光学特性を悪化させない範囲で含有させてもよいが、有機滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤や無機微粒子は表面突起及びレジストの感光性を疎外するので好ましくない。
【0014】
また本発明の無延伸ポリプロピレン系複合フイルムのA面の平均表面粗さRaは80nm以下、好ましくは60nm以下であることが必要である。平均表面粗さRaが80nmを越えるとレジスト面の平面性(平坦性)が悪化し、レジストとカバーフイルム間のエアー噛み込みが多くなり、最終製品でファインパターンの画像が得られない。またA面の10点平均粗さ(Rz)が500nm未満であると、ファインパターンが得られるので特に好ましい。なお平均表面粗さRaと10点平均粗さ(Rz)の下限は特に限定されないが、おおよそRaで30nm程度、Rzで100nm程度である。
【0015】
本発明における無延伸ポリプロピレン系複合フイルムの表面濡れ張力はA面、B面共に34mN/m以下好ましくは33mN/m以下であることが必要である。34mN/mを越えると、フォトレジストとの密着力が強くなって剥離性が悪化し、フォトレジストにさざ波状の傷をつける。なお表面濡れ張力の下限は特に限定されないが、樹脂の性質上30mN/m程度が限界である。
【0016】
本発明の感光性版用フォトレジストカバーフイルムは、ポリプロピレン系フイルム(A層)の少なくとも片面に粗面層(B層)を積層してなる無延伸の複合フイルムである。本発明の複合フイルムはA面、B面の表面特性と濡れ張力が特許請求項1の範囲内にあれば、2層積層フイルムに限定されず、A、B層の間に他の層を有する3層以上の複合フイルムであっても良い。
【0017】
本発明の無延伸ポリプロピレン系複合フイルムのB面の平均表面粗さRaは100nm以上好ましくは120nm以上である必要がある。また10点平均粗さ(Rz)が350nm〜2000nmの範囲にあり、かつ200nm以上の粗さPC1が5個/mm以上であることが最も好ましい。平均表面粗さRaが100nm未満ではフイルムA面との摩擦係数が高くなり、フイルムをロール状に巻取った製品にシワが入ったり、ブロッキングして表面が変形したり巻出しでフイルムが破れたりして、取扱性に劣ったものとなってしまう。また10点平均粗さ(Rz)が2000nmを越えると、巻取った製品でA面の平面性が阻害される恐れがある。
【0018】
本発明の無延伸ポリプロピレン系複合フイルムのB面に使用される樹脂組成は、ポリプロピレン系樹脂を主体とし、これに非相溶の樹脂を混合することにより得られるが、特に好ましいのはポリプロピレン系樹脂とポリエチレンまたはエチレン−プロピレンブロック共重合体の混合物である。混合するポリエチレンは低密度、高密度いずれでも可能であるが、ポリプロピレン系樹脂と粘度差の大きい樹脂が、適切なRz、PC1を得る点で好ましい。例えばMFR比(ポリプロピレン系樹脂のMFR/ポリエチレン系樹脂MFR)で5〜15が好ましい。混合量はポリエチレンで2〜15%、エチレン−プロピレンブロック共重合体で5〜25%であることが、Ra100nm以上、Rzで350〜2000nm、PC1が5個/mm以上となるために好ましい。
【0019】
本発明の感光性版用フォトレジストカバーフイルムは実質無延伸の複合フイルムであり、複屈折は0.008以下であることが好ましい。0.008を越えると腰が強くなり過ぎて、フォトレジストからの剥離性が悪く、フォトレジストから剥離する際にフォトレジストにさざ波状の傷がつきやすくなるので好ましくない。
【0020】
本発明の感光性版用フォトレジストカバーフイルムは、長手方向と幅方向のヤング率の和が1600Mpa以下であることが好ましい。1600Mpaを越えると、腰が強くなり過ぎて、フォトレジストからの剥離が悪化し、フォトレジストにさざ波状の傷をつけるので好ましくない。無延伸フイルムのヤング率を低減する方法は押出フイルムを冷却固化する時の冷却ドラムの温度をできる限り低温化し、結晶化を抑制することにより達成できる。ヤング率の下限は特に限定されないが、カバーフイルムとして加工できる腰の強さが必要で、長手方向と幅方向のヤング率の和が500〜1300Mpaの範囲が好ましい。 また本発明の感光性版用フォトレジストカバーフイルムは、フイルム1枚のトータルヘイズが3〜15%の範囲、好ましくは5〜10%の範囲が好ましい。トータルヘイズが3%未満ではロール状に巻き取った製品にシワが入ったり、ブロッキングして表面が変形したり、巻出しでフイルムが破れたりして、取扱性に劣ったものとなってしまう。逆に15%を越えるとDFRとしてロール状に巻き取り、スリットする時に製品が幅変動を起こしたり、製品が竹の子状(テレスコープ)に滑り好ましくない。
【0021】
また本発明の感光性版用フォトレジストカバーフイルムにおいては、200μm以上のゲル及びフィッシュアイが3個/1m2 以下であることが好ましい。ゲル及びフィッシュアイが3個/1m2 を越えると、フォトレジストと貼り合わす際に大きな空気の噛み込みができ、DFRとしたときに外観上の欠点となり、露光した時に回路欠点を誘発し、ファインパターン化が得られにくい。
【0022】
なおゲル及びフィッシュアイの低減方法としては、原料そのものをクリーン化することはもちろん必要であるが、濾過精度をアップして改善することも重要である。本発明ではフイルターを20〜25μmの濾過精度とし、これを10〜数10枚重ねてフイルム化することが特に好ましい。
【0023】
本発明の感光性版用フォトレジストカバーフイルムの厚みは、特に限定されるものではないが、5〜50μmが好ましく、10〜25μmがDFRの長尺化の要望に対してより好ましい。A面(平坦面)を有する層(A層)及びB面(粗面)を有する層(B層)の積層厚み構成は、特に限定されるものではないが、A層/B層比率=3/1〜10/1が好ましく、剥離性、光学特性、取扱性を考慮すれば5/1〜8/1がより好ましい。
【0024】
次に本発明の感光性版用フォトレジストカバーフイルムの製造方法について述べるが、必ずしもこれに限定されるものでいない。
【0025】
A面を有する層(A層)の原料組成として、MFR4〜9のエチレン−プロピレン−ブテン共重合体を第1押出機に供給する。一方、B層の原料組成として、A層の樹脂(エチレン−プロピレン−ブテン共重合体)にMFR0.5〜1の低密度ポリエチレンを2〜15%混合した樹脂を第2押出機に供給する。次いで押出温度220〜250℃で溶融混合させ、それぞれを濾過したのち、1つの口金内で積層してフイルム状に成形し、該フイルムを20〜40℃に保った金属ドラムに巻き付けて冷却固化せしめ、ロール状に巻き取ることによって本発明のフイルムを得る。
【0026】
次に、本発明のフイルムを、DFRの感光性版用フォトレジストカバーフイルムとして用いる場合には、まずロール状に巻かれた基材を引き出しながら、その表面に塗布装置を用いてフォトレジストを塗布する。そして塗布し乾燥したフォトレジストを覆うように本発明のフイルムをロール圧着して、ロール状に長巻する。その後、感光性版が使用される場合には、カバーフイルムをフォトレジストから剥離しながら基盤にフォトレジストを接着させる。このとき、本発明の感光性版用フォトレジストカバーフイルムは取扱性が良好かつ、フォトレジストからの剥離性が良好で、フォトレジスト表面にさざ波状の傷やフォトレジストと貼り合わす際に大きな空気の噛み込みもなく、最終製品で欠点のないファィンパターンの回路がえられる。
【0027】
本発明において用いた物性の測定方法並びに効果の評価方法は次のとおりである。
(1)表面粗さRa、10点平均粗さRz、粗さ密度PC1
JIS B 0601−1976に記載されているように、触針式表面粗さ計を用いて測定した。なお、カットオフは0.25mm、測定長は4mmとした。
(2)フイルム表面の濡れ張力
JIS K−6768の方法で測定した。
(3)メルトフローレート(MFR)
JIS K−6758のポリエチレン、ポリプロピレン試験方法で測定した。(4)トータルヘイズ
JIS K−6714に準じて測定した。
(5)ヤング率
ASTM D882に準じて測定した値である。
(6)ゲル及びフィッシュアイ
フイルム1m2 あたりの個数で表す。
(7)フイルムの取扱性
フイルム幅1600mmで、ロール状に3000m巻き取った時の外観と巻出しでの状態をみて評価した。
【0028】
○:A/B面の摩擦係数が1.0未満の範囲にあり、ロールにシワの発生が全くなくて、滑り性、外観共に良い。
【0029】
△:A/B面の摩擦係数が1.0以上の範囲にあり、ロールにシワの発生はほとんどないが、若干滑り性に劣る。取り扱い性は問題ないレベル。
【0030】
×:A/B面の摩擦係数が1.0以上であり、ロールにしわの発生がみられ、ブロッキングにより表面変形を起こしたり、巻出でフイルムの破れがみられる。
(8)剥離性
試料を25℃のイエローランプ下でフォトレジストにラミネートし、25mm幅に切断する。その後、テンシロンにて90度剥離し、接着力、剥離音および試料剥離後のフォトレジスト表面状態から判断する。
【0031】
○:剥離がスムーズで剥離音がなく、試料剥離後のフォトレジスト表面にさざ波状の傷がないもの。
【0032】
×:接着力が強くて剥離音があり、試料剥離後のフォトレジスト表面にさざ波の傷がつくもの。
(9)DFRの外観
基材のポリエステルフイルムにフォトレジストを塗布し、カバーフイルムを貼リ合わせてDFRとし、ロール状に500m巻いたときの外観をみて評価した。
【0033】
○:大きな空気のかみ込みがなくて、外観がよい。
【0034】
×:大きな空気のかみ込みが点在して、外観上の欠点がみられる。
(10)DFRのエアーバブル
DFR15cm角を拡大鏡(100倍)で観察しレジストとカバーフイルム間のエアー噛み込み(φ50μm以上)の数で評価した。エアーバブルが少ないほど、レジスト面の平坦性は良好である。20個以下であれば最終製品で欠点のないファィンパターンの回路が得られる。
【0035】
【実施例】
本発明を実施例、比較例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0036】
[実施例1]
無延伸ポリプロピレン系複合フイルムのA面を構成する原料組成(A層)として、エチレン含有量が2.5重量%、ブテン含有量4.5重量%のエチレンープロピレンーブテン共重合体100重量部に、酸化防止剤(チバガイギー製“イルガノックス”1010)を0.125重量部添加したMFR7.0のペレットを第1押出機に供給し230℃で押出した。一方、B面を構成する原料組成(B層)として、A層のエチレンープロピレンーブテン共重合体樹脂に、密度0.90、MFR0.5の低密度ポリエチレンを3%添加混合した樹脂を第2押出機に供給し230℃で押出した。押出機から口金までの間に高精度フイルター(20μmカット)を数段組み合わせて、両押出機からの溶融樹脂を1つの口金内(230℃)で2層に積層して共押出しした。次いで25℃の冷却ドラム上で冷却固化させ複合フイルムを得た。得られたフイルムの厚み構成はA層22μm/B層3μmであった。
【0037】
かくして得られた本発明のフイルムを、DFRの感光性版用フォトレジストカバーフイルムとして評価するため、基材のポリエステルフイルムに塗布して乾燥したフォトレジスト層(エポキシ基を有するモノマー、オリゴマーまたはポリマーとジアゾニウム塩との組み合わせからなるもの)に、20℃のイエローランプ下で常温にてA面がフォトレジスト側になるようロール圧着してロール状に長巻した。
【0038】
フイルム品質特性と感光性版用フォトレジストカバーフイルムとしての評価を行なった結果を、第1表に示した。
【0039】
表から明らかなように本発明のフイルムは、表面の粗さと表面の濡れ張力を特定化したことにより、取扱性に優れ、ゲルやフィッシュアイなどの異物突起が少なく、フォトレジストからの剥離性及びDFRの外観に優れたものであった。また、DFRのエアーバブルの個数も少なく、優れたものであった。
【0040】
[実施例2]
B面を有する層(B層)の原料組成として、A層のエチレンープロピレンーブテン共重合体樹脂に、密度0.90、MFR1.0の低密度ポリエチレンを6%添加混合した樹脂とし、フイルムの厚み構成をA層/B層=20μm/5μmとする以外は実施例1と全く同様にして、フイルム品質特性と感光性版用フォトレジストカバーフイルムとしての評価を行なった。結果を第1表に示した。
【0041】
表から明らかなように本発明のフイルムは、表面の粗さと濡れ張力を特定化したことにより、取扱性に優れ、ゲルやフィッシュアイなどの異物突起が少なく、フォトレジストからの剥離性及びDFRの外観に優れたものであった。また、DFRのエアーバブルの個数も少なく優れたものであった。
【0042】
[実施例3]
A面を構成する原料組成として、エチレン含有量4.5%のエチレンープロピレン共重合体100重量部に、酸化防止剤(チバガイギー製“イルガノックス”1010)を0.125重量部添加したMFR6.5のペレットとし、フイルムの厚み構成をA層/B層=17μm/3μmとする以外は実施例1と全く同様にしてフイルム品質特性と感光性版用フォトレジストカバーフイルムとしての評価を行なった。結果を第1表に示した。
【0043】
表から明らかなように本発明のフイルムは、表面の粗さと濡れ張力を特定化したことにより、取扱性に優れ、ゲルやフィッシュアイなどの異物突起が少なく、フォトレジストからの剥離性及びDFRの外観に優れたものであった。また、DFRのエアーバブルの個数も少なく優れたものであった。
【0044】
[実施例4]
A面を構成する原料組成として、ブテン含有量6.5%のプロピレンーブテン共重合体100重量部に、酸化防止剤(チバガイギー製“イルガノックス”1010)を0.125重量部添加したMFR7.0の原料を第1押出機に供給し230℃で押出した。一方、B面を構成する原料組成として、エチレン含有量が2.0重量%、ブテン含有量4.0重量%のエチレンープロピレンーブテン共重合体樹脂に、酸化防止剤(チバガイギー製“イルガノックス”1010を0.125重量部添加したMFR7.0の樹脂85重量%と、エチレン含有量が12重量%のエチレンープロピレンブロック共重合体(MFR=1.0)15重量%の混合樹脂を第2押出機に供給し230℃で押出した。押出機から口金までの間に高精度フイルター(20μmカット)を数段組み合わせて、両押出機からの溶融樹脂を1つの口金内(230℃)で2層に積層して共押出しした。次いで30℃の冷却ドラム上で冷却固化させ複合フイルムを得た。得られたフイルムの厚み構成はA層/B層=21μm/4μmであった。
【0045】
かくして得られた本発明のフイルムを、DFRの感光性版用フォトレジストカバーフイルムとして評価するため、基材のポリエステルフイルムに塗布して乾燥したフォトレジスト層(エポキシ基を有するモノマー、オリゴマーまたはポリマーとジアゾニウム塩との組み合わせからなるもの)に、20℃のイエローランプ下で常温にてA面がフォトレジスト側になるようロール圧着してロール状に長巻した。
【0046】
フイルム品質特性と感光性版用フォトレジストカバーフイルムとしての評価を行なった結果を、第1表に示した。
【0047】
表から明らかなように本発明のフイルムは、表面の粗さと濡れ張力を特定化したことにより、取扱性に優れ、ゲルやフィッシュアイなどの異物突起が少なく、フォトレジストからの剥離性及びDFRの外観に優れたものであった。また、DFRのエアーバブルの個数も少なく優れたものであった。
【0048】
[比較例1]
B面を構成する原料組成として、A面(A層)を構成する原料組成、すなわちエチレン含有量が2.5重量%、ブテン含有量4.5重量%のエチレンープロピレンーブテン共重合体100重量部に、酸化防止剤(チバガイギー製“イルガノックス”1010)を0.125重量部添加したMFR7.0のペレットとした以外は実施例1と全く同様にして、感光性版用フォトレジストカバーフイルムとしての評価を行なった結果を第1表に示した。表から明らかなように、B面の表面粗さ特性が本発明の範囲をはずれたフイルムは、摩擦係数が高く、取扱性に劣り、フォトレジストに圧着する際にシワが発生したり、大きな空気の噛み込みができてDFRの外観上の欠点があった。
【0049】
[比較例2]
A面を構成する原料組成として、エチレン含有量が2.5重量%、ブテン含有量4.5重量%のエチレンープロピレンーブテン共重合体100重量部に、酸化防止剤(チバガイギー製“イルガノックス”1010)を0.125重量部添加したMFR7.0のペレットに密度0.90、MFR0.5の低密度ポリエチレンを1.5%添加混合した樹脂を用いた以外は実施例1と全く同様にして、感光性版用フォトレジストカバーフイルムとしての評価を行なった結果を第1表に示した。表から明らかなように、A面の表面粗さ特性が本発明の範囲をはずれたフイルムは、フォトレジストに圧着する際に空気の噛み込みができ、DFRの外観に劣ったものであった。またDFRのエアーバブルの個数も110個と劣ったものであった。
【0050】
[比較例3]
実施例1と同じ原料組成、押出し、冷却条件で複合フイルムを製膜し、フイルムのA面に15W/m2/分の処理強度でコロナ放電処理を実施し、A面の濡れ張力を36mN/mとした以外は実施例1と全く同様にして、感光性版用フォトレジストカバーフイルムとしての評価を行なった結果を第1表に示した。フイルム表面の濡れ張力が本発明の範囲をはずれたフイルムは、フォトレジストからの剥離性に劣り、レジストの表面にさざ波の小さな傷が発生し、DFRの外観の劣ったものであった。
【0051】
[比較例4]
A面(A層)を構成する原料組成として、低密度ポリエチレンを使用し、B面(B層)を構成する原料として、低密度ポリエチレンに実施例4で用いたエチレンープロピレンブロック共重合体を15重量%添加した以外は実施例1と同様にして複合フイルムを得、実施例1と全く同様にして、感光性版用フォトレジストカバーフイルムとしての評価を行なった結果を第1表に示した。フイルムの素材がポリエチレン主体からなるフイルムでは、フイルムの厚みムラが悪く、取扱性に劣ったものであった。またゲルの多いフイルムであり、DFRの外観に劣ったものであった。
【0052】
[比較例5]
A面(A層)を構成する原料組成として、エチレン含有量が3.7重量%のエチレンープロピレン共重合体樹脂を第1押出機に供給した。一方、B面(B層)の原料として、A層のエチレンープロピレン共重合体樹脂に、エチレンープロピレンブロック共重合体を10重量%混合した樹脂を第2押出機に供給した。両押出機からの溶融樹脂を1つの口金内でA層/B層の2層に積層して共押出した。次で40℃の冷却ドラム上で冷却固化させ積層フイルムを得た。得られた積層フイルムを、100℃で予熱して120℃の延伸温度で長手方向に5倍延伸し、引き続き幅方向に135℃で9倍延伸し、次いで幅方向に5%の弛緩を与えつつ、140℃で熱固定をし、縁部を切除した後巻き取った。得られた2軸延伸フイルムの厚みは18/4μmであった。
【0053】
かくして得られた2軸延伸フイルムのA面を、フォトレジスト側になるようにロール圧着した以外は、実施例1と全く同様にしてカバーフイルムの特性と感光性版用フォトレジストカバーフイルムとしての評価を行なった結果を第1表に示した。表から明らかなように2軸延伸フイルムでは、剥離性及びDFRの外観に劣ったものであった。
【0054】
【表1】
Figure 0004000544
【0055】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の感光性版用フォトレジストカバーフイルムは、ポリプロピレン系無延伸フイルムでフイルム表面の表面粗さと濡れ張力を特定の範囲としたことにより、フイルムの取扱性がよく、フォトレジストとの適度な粘着性と剥離性に優れ、フォトレジストとロール圧着時の空気の噛み込み(エアーバブル)が少なく、工程安定性に優れDFRとしたときの外観の良好な感光性版用フォトレジストカバーフイルムを提供することができる。

Claims (4)

  1. フイルムの片面(A面)の平均表面粗さRaが80nm以下、逆面(B面)の平均表面粗さRaが100nm以上の無延伸ポリプロピレン系複合フイルムから成り、該フイルムの表面濡れ張力が34mN/m以下であることを特徴とする感光性版用フォトレジストカバーフイルム。
  2. フイルムA面の10点平均粗さ(Rz)が500nm未満、フイルムB面の10点平均粗さ(Rz)が350nm〜2000nmの範囲にあり、かつB面の200nm以上の粗さ密度PC1が5個/mm以上からなることを特徴とする請求項1に記載の感光性版用フォトレジストカバーフイルム。
  3. 無延伸ポリプロピレン系複合フイルムのA面を有する層が、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種以上の樹脂からなることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性版用フォトレジストカバーフイルム。
  4. 無延伸ポリプロピレン系複合フイルムのB面を有する層が、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレンまたはエチレンープロピレンブロック共重合体樹脂の混合物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光性版用フォトレジストカバーフイルム。
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