JP4000298B2 - 画像記録装置及びその記録材料巻付け状態監視方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状記録材料を回転ドラムの周面に巻付けた状態で、所定の回転速度で回転させ、当該回転ドラムの周面に対向配置された記録ヘッドを回転ドラムの軸線方向へ移動させることで画像を記録する画像記録装置、並びに入力されたサイズ通りの寸法のシート状記録材料が巻き付けられているか否かを監視する記録材料巻付け状態監視方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
シート状の記録材料、特に支持体上に感光層が設けられた印刷版を用い、この印刷版を回転ドラムの周面に巻付けた状態で高速で回転させながら(主走査)、この回転ドラムの軸線方向に記録ヘッドを移動させることで(副走査)、前記印刷版の感光層(乳剤面)に直接レーザビーム等で画像を記録する技術が開発されてきている(印刷版露光装置)。このような技術では、印刷版への迅速な画像記録が可能となっている。
【0003】
画像記録に際しては、回転ドラムの回転をサーボモータを用いてその回転を制御し、ロータリーエンコーダからの信号に応じてフィードバックしながら回転ドラムの回転に同期して、画像データを記録ヘッドへ送出することで、精度よく画像記録を行うことができる。
【0004】
また、上記画像記録を精度よく行うためには、印刷版を回転ドラムの周面に隙間なく、かつ緊密に巻付けなければならず、このため、回転ドラムの接線方向から搬送されてくる印刷版の先端を先端チャックで保持固定し、この状態で、回転ドラムを回転させながら徐々に巻付け、最後に後端を後端チャックによって保持固定するようにしている。
【0005】
ここで、後端チャックの位置は、印刷版のサイズ(搬送方向寸法)が異なるため、予め知っておく必要がある。この印刷版のサイズの指定は、前段の画像処理装置からの自動入力や、オペレータによる手動入力等様々である。特に、オペレータの手動入力の場合、実際に装填する印刷版とは異なるサイズを入力することもあり得る。
【0006】
入力したサイズとは異なるサイズの印刷版が装填されると、先端チャックは固定的であるため問題はないが、後端チャックの位置が誤認識されるため、印刷版の後端チャックが適正な位置で保持固定されない場合がある。回転ドラムは、高速処理化、高解像度化に伴い、高速回転しているため、印刷版の後端が確実に保持固定されていない状態での回転では、適正な画像記録ができないのはもちろん、周囲の機器との接触による破損、印刷版の脱落、傷付き等、不具合を生じる。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、認識しているサイズと異なるサイズのシート状記録材料が搬送され、回転ドラムに巻付けられるとき、次工程である露光処理へ移行する前に、誤認識を検出することができる画像記録装置及びその記録材料巻付け状態監視方法を得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、シート状記録材料を回転ドラムの周面に巻付けた状態で、所定の回転速度で回転させ、当該回転ドラムの周面に対向配置された記録ヘッドを回転ドラムの軸線方向へ移動させることで画像を記録する画像記録装置であって、前記回転ドラムの回転角度を検出する回転位置検出センサと、前記回転ドラムに設けられ前記シート状記録材料の先端部を保持固定する先端チャックが、前記シート状記録材料を受け入れる定位置に位置決めされたときの回転角度を記憶する定位置角度記憶手段と、前記回転ドラムが定位置に位置決めされたときの先端チャックからのパス長が予め既知とされ、前記シート状記録材料の回転ドラムへの搬送経路上に設けられた、当該シート状記録材料の後端部を検出する後端検出センサと、前記回転ドラムへの前記シート状記録材料の巻き付け動作中に、前記後端検出センサによってシート状記録材料の後端を検出したときの、前記回転ドラムの回転角度を前記回転位置検出センサから読み取る後端検出角度読取手段と、前記後端検出角度読取手段で読み取った回転角度と、前記回転ドラムの径寸法と、前記パス長とに基づいて、シート状記録材料の長さ寸法を演算する長さ寸法演算手段と、を有している。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、シート状記録材料を回転ドラムに巻付けるとき、まず、回転ドラムに固定的に設けられた先端チャックを定位置であるシート状記録材料の受入位置とする。この状態で、シート状記録材料を回転ドラムの周面に巻付けていくが、このときの回転角度を定位置角度記憶手段に記憶しておく。
【0010】
シート状記録材料が回転ドラムの回転によって徐々に巻付けられていくと、このシート状記録材料の後端部が後端検出センサの位置に到達する。
【0011】
この後端部を後端検出センサで検出した時点の、回転角度を回転位置検出センサから読み取る。これにより、記憶されている前記定位置での角度との差により、先端チャックで保持固定された記憶材料の先端部の回転角度がわかる。
【0012】
長さ寸法演算手段では、この回転角度D(rad)と、回転ドラムの径寸法(例えば半径Rを予め登録しておけばよい)、並びに、前記定位置から後端検出センサまでのパス長L1とに基づいて、実際の記録材料の長さ寸法Lを演算する。演算式は、以下の通りである。
【0013】
D×R=(L−L1)/R・・・(1)
L=D×R+L1・・・・・・・(2)
なお、Dの単位をradからdegにに変換すると、D’(deg)=D(rad)×360/2πとなるため、(2)式は、
L=(D/360)×2πR+L1・・・(3)
となる。
【0014】
この演算結果に基づいて、例えば手動で入力したシート状記録材料のサイズと異なる場合には、回転ドラムが露光処理のために高速回転する前に装置を止める等のトラブルの未然回避が可能となる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、シート状記録材料を回転ドラムの周面に巻付けた状態で、所定の回転速度で回転させ、当該回転ドラムの周面に対向配置された記録ヘッドを回転ドラムの軸線方向へ移動させることで画像を記録する画像記録装置であって、前記回転ドラムに設けられ前記シート状記録材料の先端部を保持固定する先端チャックと、前記先端チャックが定位置に位置決めされたときの、当該先端チャックからのパス長が予め既知とされると共に、前記シート状記録材料の回転ドラムへの搬送経路上に設けられ、当該シート状記録材料の後端部を検出する後端検出センサと、前記回転ドラムへの前記シート状記録材料の巻き付け動作開始と同時にスタートし、前記後端検出センサによってシート状記録材料の後端を検出したときにストップするタイマーと、前記タイマーで計測した時間と、前記回転ドラムの回転線速度と、前記パス長とに基づいて、シート状記録材料の長さ寸法を演算する長さ寸法演算手段と、を有している。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、シート状記録材料を回転ドラムに巻付けるとき、まず、回転ドラムに固定的に設けられた先端チャックを定位置であるシート状記録材料の受入位置とする。この状態で、シート状記録材料を回転ドラムの周面に巻付けていくが、この回転ドラムの回転開始時にタイマーをスタートさせる。
【0017】
シート状記録材料が回転ドラムの回転によって徐々に巻付けられていくと、このシート状記録材料の後端部が後端検出センサの位置に到達する。
【0018】
この後端部を後端検出センサで検出した時点でタイマーをストップさせ、計測した時間を読み取る。
【0019】
長さ寸法演算手段では、前記計測した時間tと回転ドラムの線速度vとの積により、先端チャックで保持固定されたときの前記後端検出センサよりも後方のシート状記憶材料の長さL2がわかる。また、前記定位置から後端検出センサまでのパス長L1との和により、実際の記録材料の長さ寸法Lを演算する。演算式は、以下の通りである。
【0020】
L2=v×t・・・(4)
L=L1+L2・・・・・・・(5)
この演算結果に基づいて、例えば手動で入力したシート状記録材料のサイズと異なる場合には、回転ドラムが露光処理のために高速回転する前に装置を止める等のトラブルの未然回避が可能となる。
【0021】
請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記シート状記録材料の先端を前記先端チャックによって保持した状態で回転を開始し、当該先端チャックが通過した後の前記回転ドラムの一旦停止中に、前記回転ドラムに対して離間された位置から接近する方向移動すると共に、前記回転ドラムの回転動作再開中は継続して前記シート状記録材料を前記回転ドラムの周面に押し付けられるスクイズローラをさらに有し、前記タイマーでは、前記一旦停止前後の回転ドラムの回転時間をそれぞれ別々に計測することを特徴としている。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、回転ドラムは、シート状記録材料の先端を先端チャックによって保持した後、回転を開始するが、途中でスクイズローラを動作させる(回転ドラム方向へ接近させる)間、一旦停止する。また、ここまでの回転ドラムの回転線速度v1とスクイズローラを押し付けた後との回転線速度v2とに差を持たせる場合がある(v1<v2)。
【0023】
そこで、前記タイマーでは、一旦停止前後の回転ドラムの回転時間をそれぞれ別々に計測する(v1に対応するタイマーで計測した時間t1と線速度の積、及びv2に対応するタイマーで計測した時間t2と線速度の積の合計により、先端チャックで保持固定されたときの前記後端検出センサよりも後方のシート状記録の長さL2がわか)。
【0024】
すなわち、計算式で示すと、先端チャックで保持固定されたときの前記後端検出センサよりも後方のシート状記憶材料の長さL2は、以下の(6)式で表される。
【0025】
L2=(v1×t1)+(v2×t2)・・・(6)
これにより、スクイズローラの移動行程前後の回転ドラムの回転速度に差があっても、正確な長さLを演算することができる。
【0026】
請求項4に記載の発明は、前記請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の発明において、前記シート状記録材料の長さ寸法を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された寸法と、前記長さ寸法演算手段で演算した寸法とを比較する比較手段と、比較手段による比較結果を報知する報知手段と、をさらに有することを特徴としている。
【0027】
請求項4に記載の発明によれば、入力手段によって入力されたシート状記録材料の長さ寸法と、前記長さ寸法演算手段による演算結果の長さ寸法とを比較手段により比較し、この比較の結果を報知することで、正誤の判断をより迅速に行うことができる。
【0028】
請求項5に記載の発明は、前記請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の発明において、前記シート状記録材料の長さ寸法を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された寸法と、前記長さ寸法演算手段で演算した寸法とを比較する比較手段と、前記比較手段での比較の結果、予め設定された許容範囲内での一致がない場合に、シート状記録材料の巻き付け処理を中断する処理中断手段と、をさらに有することを特徴としている。
【0029】
請求項5に記載の発明によれば、入力手段によって入力されたシート状記録材料の長さ寸法と、前記長さ寸法演算手段による演算結果の長さ寸法とを比較手段により比較し、この比較の結果、予め設定された許容範囲内での一致がない場合に、シート状記録材料の巻き付け処理を中断することで、サイズ誤認識による回転ドラム及びその周辺機器の破損や、記録材料自体の損傷等を確実に防止することができる。
【0030】
請求項6に記載の発明は、シート状記録材料を回転ドラムの周面に巻付けた状態で、所定の回転速度で回転させ、当該回転ドラムの周面に対向配置された記録ヘッドを回転ドラムの軸線方向へ移動させることで画像を記録する画像記録装置に用いられ、入力されたサイズ通りの寸法のシート状記録材料が巻き付けられているか否かを監視する記録材料巻付け状態監視方法であって、前記シート状記録材料の先端が回転ドラムに保持固定される位置から当該シート状記録材料を前記回転ドラムへ送り込むための搬送路上の所定位置までの搬送長を予め記憶しておき、シート状記録材料の先端が回転ドラムに保持固定された時点で回転ドラムへの巻き付けが開始されてから、前記所定位置にシート状記録材料の後端が到達するまでに回転する回転ドラムの回転角度を検出し、この回転角度と、回転ドラムの径寸法と、前記搬送長とから、実際のシート状記録材料の寸法を演算し、前記入力されたサイズの寸法と、演算した寸法とを比較し、比較の結果を報知することを特徴としている。
【0031】
請求項6に記載の発明によれば、シート状記録材料を回転ドラムに巻付けるとき、まず、回転ドラムに固定的に設けられた先端チャックを定位置であるシート状記録材料の受入位置とする。この状態で、シート状記録材料を回転ドラムの周面に巻付けていくが、このときの回転角度を記憶しておく。
【0032】
シート状記録材料が回転ドラムの回転によって徐々に巻付けられていき、シート状記録材料の後端部が所定位置に到達したときの回転ドラムの回転角度を検出し、この回転角度と、回転ドラムの径寸法(例えば半径Rを予め登録しておけばよい)、並びに、前記搬送長とに基づいて、実際の記録材料の長さ寸法を演算する。
【0033】
次に、入力されたシート状記録材料の長さ寸法と、前記演算された長さ寸法とを比較し、この比較の結果を報知することで、例えば手動で入力したシート状記録材料のサイズと異なる場合には、回転ドラムが露光処理のために高速回転する前に装置を止める等のトラブルの未然回避が可能となる。
【0034】
請求項7に記載の発明は、シート状記録材料を回転ドラムの周面に巻付けた状態で、所定の回転速度で回転させ、当該回転ドラムの周面に対向配置された記録ヘッドを回転ドラムの軸線方向へ移動させることで画像を記録する画像記録装置に用いられ、入力されたサイズ通りの寸法のシート状記録材料が巻き付けられているか否かを監視する記録材料巻付け状態監視方法であって、前記シート状記録材料の先端が回転ドラムに保持固定される位置から当該シート状記録材料を前記回転ドラムへ送り込むための搬送路上の所定位置までの搬送長を予め記憶しておき、シート状記録材料の先端が回転ドラムに保持固定され、かつ回転ドラムが回転を開始した時点から計時を開始し、前記所定位置にシート状記録材料の後端が到達した時点で計時を終了することで、前記回転ドラムへのシート状記録材料の巻き付け時間を計測し、この計測時間と、回転ドラムの回転線速度と、前記搬送長とから、実際のシート状記録材料の寸法を演算し、前記入力されたサイズの寸法と、演算した寸法とを比較し、比較の結果を報知することを特徴としている。
【0035】
請求項7に記載の発明によれば、シート状記録材料を回転ドラムに巻付けるとき、まず、回転ドラムに固定的に設けられた先端チャックを定位置であるシート状記録材料の受入位置とする。この状態で、シート状記録材料を回転ドラムの周面に巻付けていくが、このときの回転ドラムの回転開始をトリガとして計時を開始する。
【0036】
シート状記録材料が回転ドラムの回転によって徐々に巻付けられていき、シート状記録材料の後端部が所定位置に到達したとき計時を終了し、この計測時間と、回転ドラムの回転線速度、並びに、前記搬送長とに基づいて、実際の記録材料の長さ寸法を演算する。
【0037】
次に、入力されたシート状記録材料の長さ寸法と、前記演算された長さ寸法とを比較し、この比較の結果を報知することで、例えば手動で入力したシート状記録材料のサイズと異なる場合には、回転ドラムが露光処理のために高速回転する前に装置を止める等のトラブルの未然回避が可能となる。
【0038】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の発明において、前記比較の結果、許容範囲内での一致がない場合に、シート状記録材料を逆送して、回転ドラムから離脱させることを特徴としている。
【0039】
請求項8に記載の発明によれば、前記比較の結果、予め設定された許容範囲内での一致がない場合に、積極的にシート状記録材料の巻き付け処理を中断することで、サイズ誤認識による回転ドラム及びその周辺機器の破損や、記録材料自体の損傷等を確実に防止することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1には、第1の実施の形態に係る印刷版自動露光装置の露光部14が示されている。
【0041】
露光部14は、印刷版12を周面に巻付けて保持する回転ドラム16を主要部として構成されており、印刷版12は、搬送ガイドユニット18に案内されて、この回転ドラム16の接線方向から送り込まれるようになっている。
【0042】
回転ドラム16の図1の上部には、パンチャー24が配設されている。
【0043】
搬送ガイドユニット18は、給版ガイド20と排版ガイド22とで構成されている。
【0044】
搬送ガイドユニット18の給版ガイド20と排版ガイド22とは、互いの相対位置関係が横V字型とされ、図1の右端部側の中心として、所定角度回動する構造となっている。この回動によって、給版ガイド20及び排版ガイド22を選択的に前記回転ドラム16又はパンチャー24に対応させることができる。
【0045】
印刷版12は、まず、給版ガイド20に案内されてパンチャー24へ送り込まれ、この印刷版12の先端に位置決め用の切欠きを形成する。
【0046】
印刷版12は、パンチャー24による処理後、一旦給版ガイド20に戻されることで、回転ドラム16に対応する位置に移動される。
【0047】
回転ドラム16は、図示しない駆動手段によって、印刷版12の装着露光方向(図1の矢印A方向)及び装着露光方向と反対方向となる印刷版12の取外し方向(図1の矢印B方向)へ回転される。
【0048】
図1に示されるように、露光部14に設けられている回転ドラム16には、外周面の所定の位置に、先端チャック26が取付けられている。露光部14では、この回転ドラム16に印刷版12を装着するときに、先ず、先端チャック26が、搬送ガイドユニット18の給版ガイド20によって送り込まれる印刷版12の先端に対向する位置(印刷版装着位置)で回転ドラム16を停止させる。
【0049】
露光部22には、印刷版装着位置で先端チャック26に対向して装着ユニット28が設けられている。先端チャック26は、この装着ユニット28の伸縮ロッド28Aが伸長して一端側が押圧されることにより、回転ドラム16の周面との間に印刷版12の挿入が可能となる。
【0050】
露光部14では、印刷版12の先端が先端チャック26と回転ドラム16の間に挿入された状態で、装着ユニット18の伸縮ロッド28Aを引き戻して先端チャック26への押圧を解除することにより、印刷版12の先端を先端チャック26と回転ドラム16の周面との間で挟持して保持する。
【0051】
このときに、印刷版12は、先端が回転ドラム16に設けられた位置決めピン(図示省略)に突き当てられて位置決めされる。
【0052】
露光部14では、回転ドラム16に印刷版12の先端が固定されると、回転ドラム16を装着露光方向へ回転する。これにより、搬送ガイドユニット18の給版ガイド20から送り込まれる印刷版12は、回転ドラム16の周面に巻き付けられる。
【0053】
回転ドラム16の周面近傍には、印刷版装着位置よりも装着露光方向の下流側にスクイズローラ30が配置されている。このスクイズローラ30は、回転ドラム16に向けて移動することにより回転ドラム16に巻き付けられる印刷版12を回転ドラム16へ向けて押圧し、印刷版12を回転ドラム16の周面に密着させる。
【0054】
また、露光部14には、スクイズローラ30よりも回転ドラム16の装着露光方向上流側近傍に後端チャック着脱ユニット32が配置されている。後端チャック着脱ユニット32には、回転ドラム16へ向けて突出されたシャフト34の先端に後端チャック36が装着されている。
【0055】
露光部14では、回転ドラム16に巻き付けた印刷版12の後端が、後端チャック着脱ユニット32に対向すると、シャフト34を突出させて、後端チャック36を回転ドラム16の所定の位置に装着する。これにより、後端チャック36が、回転ドラム16との間で印刷版12の後端を挟持して保持する。
【0056】
露光部14では、印刷版12の先端及び後端を回転ドラム16に保持させるとスクイズローラ30を離間させる。この後、露光部14では、回転ドラム16を所定の回転速度で高速回転させながら(主走査)、この回転ドラム16の回転に同期させて、記録ヘッド部37から画像データに基づいて変調した光ビームを照射する。
【0057】
露光部14では、印刷版12への走査露光が終了すると、印刷版12の後端を保持している後端チャック36が後端チャック着脱ユニット32に対向する位置で回転ドラム16を一時停止させ、回転ドラム16から後端チャック36を取り外す。これにより、印刷版12の後端が開放される。
【0058】
その後、回転ドラム16を印刷版12の取出し方向へ回転させることで、印刷版12は後端側から回転ドラム16の接線方向に沿って、搬送ガイドユニット18の排版ガイド22へ排出され、その後、次工程の現像装置へ搬送される。
【0059】
図2には、回転ドラム16の回転と、記録ヘッド部37の移動、並びに画像信号に基づく記録ヘッド部37による画像記録のための制御系が示されている。
【0060】
回転ドラム16は、サーボボータ200の駆動力で回転する。サーボモータ200は、コントローラ202の駆動系制御部205からの駆動信号に基づいて、回転速度が制御される。
【0061】
また、記録ヘッド部37は、シャフト204をパルスモータ206により軸回転させることで、回転ドラム16の軸線方向へ移動する。このモータ206は、コントローラ202の駆動系制御部205からの駆動信号に基づいて、その駆動速度が制御される。
【0062】
回転ドラム16の軸線方向一端部の軸部には、ロータリエンコーダ208が同軸敵に取り付けられている。
【0063】
ロータリエンコーダ208からは、回転ドラム16の回転速度に応じたパルス信号が、コントローラ202における画像処理系制御部210へ送出されるようになっている。
【0064】
画像処理系制御部210では、画像クロックを生成する際に、回転ドラム16の回転に基づいて、所定回転(例えば、1回転)毎に主走査開始時期等が加味された画像クロックが生成され、同時に主走査が必要なライン数分の画像データを光源ユニット222へ送出する。
【0065】
光源ユニット222には、複数の光源(LD等)が配設されており、各光源からの光を光ファイバ224を介して記録ヘッド部37へ案内している。
【0066】
光源ユニット222では、入力される画像信号に基づいて変調された光ビームを出力し、これが光ファイバ224を介して記録ヘッド部37へと至り、印刷版12へ照射され、回転ドラム16の回転(主走査)と、記録ヘッド部37の移動(副走査)によって、印刷版12に画像を記録する。
【0067】
ここで、第1の実施の形態では、給版ガイド20から回転ドラム16に送り込まれる印刷版12のサイズが、装置内(コントローラ202)で認識しているサイズと一致しているか否かの判断を行っている。この判別のため、給版ガイド20における回転ドラム16側端部近傍には、後端検出センサとしてフォトインタラプタ250が配設されている。
【0068】
このフォトインタラプタ250は、給版ガイド20に案内されて回転ドラム16の接線方向へと搬送される印刷版12の後端を検出する機能を有している。また、このフォトインタラプタ250の位置は、回転ドラム16が印刷版12を受入準備のために位置決めされたときの先端チャック26の位置からの距離が一定であり、この間の印刷版12の搬送長L1が、コントローラ202のL1値メモリ252に予め記憶されている。
【0069】
この後端検出信号は、コントローラ202に設けられた後端カウント値読出部254に接続され、カウント値を読み出すトリガとして適用されるようになっている。すなわち、コントローラ202には、前記エンコーダ208からの信号に応じて、増減カウントされるパルスカウンタ256を備えており、前記トリガとなる後端検出信号が後端カウント値読出部254に入力されると、この後端カウント値読出部254では、パルスカウンタ256から現在のパルスカウント値(後端カウント値LR)を読み出している。
【0070】
一方、パルスカウンタ256は、先端カウント値読出部258に接続されている。この先端カウント値読出部258では、駆動系制御部205からの先端受入準備完了信号をトリガとして前記パルスカウンタ256からそのときのパルスカウント値(先端カウント値LF)読み出す。なお、通常、先端受入準備完了時は常に回転ドラム16は同一の位置であるため、この読み出す先端カウント値LFは常に同じ値となる。従って、固定値として予め記憶しておいてもよい。
【0071】
上記先端カウント値読出部258及び後端カウント値読出部254で読み出したパルスカウント値(先端カウント値LF、後端カウント値LR)は、それぞれ回転角度演算部260に入力されるようになっている。この回転角度演算部260では、2つのパルスカウント値の差を演算するようになっており、また単位パルス当りの角度が予め記憶されているため、回転ドラム16が先端チャック26で印刷版12の先端を保持固定してから、フォトインタラプタ250で印刷版12の後端を検出するまでに回転した角度(Drad)を演算することができる。
【0072】
回転角度演算部260は版長演算部262に接続されている。また、この版長演算部262には、前記L1値メモリ252及び予め回転ドラム16の半径Rが記憶されたR値メモリ264も接続されており、版長Lを以下の式(7)によって演算する。
【0073】
L=D×R+L1・・・・・・・(7)
ここで、
L:実際の印刷版12の版長(巻付方向長)
L1:先端チャック26の受入位置からフォトインタラプタ250までの搬送長D:L1を残したときの回転ドラムの巻付け回転角度(rad)
R:回転ドラムの半径
である。
【0074】
前記コントローラ202には、ユーザインタフェースとしての操作・表示部266が接続されており、これから処理する印刷版12のサイズL’が入力可能となっている。この操作・表示部266において入力されたサイズL’は、入力版サイズ格納部268に格納されている。
【0075】
この入力版サイズ格納部268と、前記版長演算部262は、それおぞれ比較部270に接続されており、比較部270には、実際の版サイズにおける版長Lと、入力された版サイズにおける版長L’とが入力されるようになっている。
【0076】
比較部270では、上記実際の版サイズにおける版長Lと、入力された版サイズにおける版長L’とを比較し、この差ΔL(の絶対値)が所定の値LS以内か否かを判別する(以下の(8)式参照)。
【0077】
(|L−L’|=ΔL:LS)・・・(8)
なお、「:」は左右の項を比較する意味であり、ここでは、ΔL<LSであるか、ΔL≧LSであるかを判別する。
【0078】
比較部270での比較の結果は、駆動系制御部205及び、前記操作・表示部266に出力されるようになっている。
【0079】
第1の実施の形態では、ΔL<LSの場合には、印刷版12が入力されたサイズと実際のサイズと一致していると判断し、このときは特に何ら特別な処理は実行せず、通常の処理を継続する。
【0080】
一方、ΔL≧LSの場合には、駆動系制御部205へ途中まで回転ドラム16に巻き付けている印刷版12を巻き戻すように指示すると共に、操作・表示部206に「入力されたサイズによって設定されている後端チャック位置が誤っている」旨のメッセージを表示する。
【0081】
これにより、後端チャック36が確実に印刷版12の後端を保持固定しない場合等においては、回転ドラム16への印刷版12の巻付け動作を中断させることが可能となる。
【0082】
以下に第1の実施の形態の作用を説明する。
【0083】
給版ガイド20上の印刷版12は、回転ドラム16へ送り込まれ、先端チャック26によって印刷版12の先端部が保持され、この状態で回転ドラム12が回転することで回転ドラム16の周面に緊密に巻き付けられ、その後、後端チャック36によって印刷版12の後端が保持されることで、露光のための準備が完了する。
【0084】
この状態で、画像データを読み込み、記録ヘッド部37からの光ビームによって露光処理が開始される。露光処理は、回転ドラム16を高速で回転させながら(主走査)、記録ヘッド部37を回転ドラム16の軸線方向へ移動する、所謂走査露光である。
【0085】
露光処理が終了すると、搬送ガイドユニット18を切り換え(排版ガイド22を回転ドラム16へ対応させ)、次いで、回転ドラム16に巻きつけた印刷版12を接線方向から排出していく。このとき、印刷版12は、排版ガイド22に送られる。
【0086】
印刷版12が排版ガイド22に送られると、搬送ガイドユニット18を切り換え、排版ガイド22を排出口へ対応させ、印刷版12を排出させる。この排出方向には、現像部が設けられており、印刷版12は続けて現像処理される。
【0087】
上記印刷版12の給版ガイド20から回転ドラム16への搬送、巻付けから露光処理、並びに排出までの一連の動作は、自動的に実行されることになるが、印刷版12のサイズによって後端チャック36の位置が異なるため、印刷版12のサイズの入力が重要となる。画像データを送出する装置等から自動的に印刷版12のサイズを取り込んだ場合には、ほとんど間違いはないが、オペレータが手動で印刷版12のサイズを入力する場合があり、このときは手動であるがゆえ、比較的高い確率で入力ミスが存在し得る。
【0088】
このような入力ミス等で、装置が認識する印刷版12のサイズ(版長)が異なると、後端チャック36の位置が適正位置とならず、後端チャック36による印刷版12の保持固定が不完全のまま回転ドラム16が高速に回転することになる。このため、画像記録が適正に行われないのはもちろん、印刷版12のばたつきにより、回転ドラム16及びその周辺機器(記録ヘッド部37等)を損傷させたり、印刷版12自体が損傷したり脱落するといった不具合を生じる。そこで、第1の実施の形態では、印刷版12の回転ドラム16への巻付けが完全に終了する前、すなわち露光処理が始まる前までに、装置(コントローラ202)が認識している版サイズ(版長)と実際に巻付けがなされている印刷版12の版サイズ(版長)とが一致しているか否かを判断するようにしている。以下、図4に示すフローチャートに従い、版長判別ルーチンを説明する。
【0089】
ステップ300では、操作・表示部266によって印刷版12の版サイズL’が入力されたか否かが判断され、肯定判定されるとステップ302へ移行して回転ドラム16を印刷版12の受入位置へ位置決めする。
【0090】
次いでステップ304では、この位置決めが完了したか否かが判断され、肯定判定されるとステップ306へ移行して、駆動系制御部205から先端カウント値読出部258へ回転ドラム16の先端受入準備完了信号を出力する。
【0091】
次いでステップ308では、この先端受入準備完了信号とトリガとして、パルスカウンタから先端カウント値LFを読み出す。
【0092】
次のステップ310では、印刷版12の搬送を開始し、印刷版12の先端が先端チャック26が位置決めされた位置にくると(図3(A)参照)、先端チャック26によって印刷版12の先端を保持固定し(ステップ312)、回転ドラム16を回転させて、巻付け動作を開始する(ステップ314)。
【0093】
次のステップ316では、フォトインタラプタ250によって印刷版12の後端を検出したか否かが判断され、肯定判定されると(図3(B)参照)、ステップ318へ移行してこのフォトインタラプタ250から後端カウント値読出部254へ後端検出信号を出力する。ステップ320では、この後端検出信号がトリガとなって、後端カウント値読出部254では、後端カウント値LRを読出し、ステップ322へ移行する。
【0094】
ステップ322では、上記先端カウント値LFと後端カウント値LRとから回転ドラム16の回転角度D(rad)を演算し、次いでステップ324へ移行して、予めL1メモリ252に記憶された位置きめされた先端チャック26からフォトインタラプタ250までの搬送長L1を読み出すと共に、予めR値メモリ264に記憶されている回転ドラム16の半径Rを読出し、ステップ326へ移行する。
【0095】
ステップ326では、回転角度D、搬送長L1、回転ドラム16の半径Rとから実際の印刷版12の版長(実版長)Lを演算する。
【0096】
次のステップ328では、入力版サイズ格納部268に格納されている入力された版長L’を読出し、次いでステップ330で実版長Lと、入力版長L’との差ΔLを予め設定された許容差LS、と比較する。
【0097】
この比較の結果、ΔL<LSと判定された場合には、印刷版12が入力されたサイズと実際のサイズと一致していると判断し、このときは特に何ら特別な処理は実行せず、通常の処理を継続する(図3(C)参照)。
【0098】
一方、ΔL≧LSと判定された場合には、ステップ332へ移行して、駆動系制御部205へ途中まで回転ドラム16に巻き付けている印刷版12を巻き戻すように指示すると共に、次いでステップ334へ移行して、操作・表示部266に「入力されたサイズによって設定されている後端チャック位置が誤っている」旨のメッセージ(エラー報知)を表示する。
【0099】
以上説明したように第1の実施の形態によれば、印刷版12を回転ドラム16に巻付けるとき、印刷版12の後端がフォトインタラプタ250で検出されると、それまでの巻付け動作による回転ドラム16の回転角度Dを検出し、この回転角度と、回転ドラム16の半径R、並びに位置決めされた先端チャック26からフォトインタラプタ250までの搬送長L1とに基づいて、実際の版長Lを演算する。この実際の版長Lと、入力された版長L’との差ΔLを予め設定された許容値LSを越えた場合には、印刷版12を逆送して、回転ドラム16から離脱させるようにした。これにより、サイズ誤認識による回転ドラム16及びその周辺機器の破損や、印刷版12自体の脱落、損傷等を確実に防止することができる。(第2の実施の形態)
以下に本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、上記第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付して、その構成の説明を省略する。
【0100】
第2の実施の形態の特徴は、印刷版12の長さを時間計測によって演算することにある。
【0101】
図5には、第2の実施の形態における、回転ドラム16の回転と、記録ヘッド部37の移動、並びに画像信号に基づく記録ヘッド部37による画像記録のための制御系が示されている。
【0102】
ここで、第2の実施の形態では、給版ガイド20から回転ドラム16に送り込まれる印刷版12のサイズが、装置内(コントローラ202)で認識しているサイズと一致しているか否かの判断のため、給版ガイド20における回転ドラム16側端部近傍には、後端検出センサとしてフォトインタラプタ250が配設されている。
【0103】
このフォトインタラプタ250は、給版ガイド20に案内されて回転ドラム16の接線方向へと搬送される印刷版12の後端を検出する機能を有している。また、このフォトインタラプタ250の位置は、回転ドラム16が印刷版12を受入準備のために位置決めされたときの先端チャック26の位置からの距離が一定であり、この間の印刷版12の搬送長L1が、コントローラ202のL1値メモリ252に予め記憶されている。
【0104】
この後端検出信号は、コントローラ202に設けられたタイマー動作制御部350に接続され、タイマー352をスタートさせるトリガとして適用されるようになっている。すなわち、コントローラ202には、前記エンコーダ208からの信号に応じて、回転ドラム16が回転していることを認識する回転状態認識部354を備えており、前記トリガとなる後端検出信号がタイマー動作制御部350に入力され、かつ回転ドラム16の回転が開始されると、このタイマー動作制御部350では、タイマー352による計時を開始する信号を出力する。
【0105】
ここで、回転ドラム16の回転は、図6(A)に示すように、印刷版12が先端チャック26に保持された状態で開始され、この最初に回転を開始してからスクイズローラ30を回転ドラム16へ接近させるために一旦停止するまで(図6(B)参照)の回転線速度v1が予め定められている。また、スクイズローラ30が印刷版12を回転ドラム16の周面に押し付ける位置に移動した後、回転ドラム16が再開したときの回転線速度v2も予め定められており,この回転線速度v1、v2は回転線速度v1、v2メモリ356に記憶されている。
【0106】
一方、タイマー動作制御部350では、前記一旦停止時において、タイマー352を一旦ストップさせ、これまでの計測時間t1を読み出し、計測時間t1メモリ358に記憶する。また、回転ドラム16の回転再開時をトリガとして再度タイマー352をリセット・スタートさせ、フォトインタラプタ250によって印刷版12の後端部を検出した時点(図6(C)参照)でストップさせることで、この間の計測時間t2を読み出し、計測時間t2メモリ360に記憶する。
【0107】
前記回転線速度v1、v2メモリ356、計測時間t1メモリ358、計測時間t2メモリ360、並びにL1値メモリ252は、それぞれ版長演算部262に接続されている。この版長演算部262では、回転ドラム16の初期動作(先端チャック26によって保持から一旦停止までの動作)の時間(計測時間t1)とこのときの回転ドラム16の回転線速度v1とから、当該初期動作での送り長LHを演算すると共に、定常動作(スクイズローラ30が印刷版12を押し付けた後の回転ドラム16の回転再開から後端検出までの動作)の時間(計測時間t2)とこのときの回転ドラム16の回転線速度v2とから、当該定常動作での送り長LTを演算する(9)、(10)式参照)。
【0108】
LH=t1×v1・・・・・・・(9)
LT=t2×v2・・・・・・・(10)
その後、版長L演算部262では、L1を読み出し、このL1値と、前記初期動作の送り長LH、定常動作での送り長LTを加算することで、印刷版12の全長Lを求める(11式参照)。
【0109】
L=LH+LT+L1・・・・・・(11)
前記コントローラ202には、ユーザインタフェースとしての操作・表示部266が接続されており、これから処理する印刷版12のサイズL’が入力可能となっている。この操作・表示部266において入力されたサイズL’は、入力版サイズ格納部268に格納されている。
【0110】
この入力版サイズ格納部268と、前記版長演算部262は、それおぞれ比較部270に接続されており、比較部270には、実際の版サイズにおける版長Lと、入力された版サイズにおける版長L’とが入力されるようになっている。
【0111】
比較部270では、上記実際の版サイズにおける版長Lと、入力された版サイズにおける版長L’とを比較し、この差ΔL(の絶対値)が所定の値LS以内か否かを判別する(以下の(12)式参照)。
【0112】
(|L−L’|=ΔL:LS)・・・(12)
なお、「:」は左右の項を比較する意味であり、ここでは、ΔL<LSであるか、ΔL≧LSであるかを判別する。
【0113】
比較部270での比較の結果は、駆動系制御部205及び、前記操作・表示部266に出力されるようになっている。
【0114】
第2の実施の形態では、ΔL<LSの場合には、印刷版12が入力されたサイズと実際のサイズと一致していると判断し、このときは特に何ら特別な処理は実行せず、通常の処理を継続する(図7(A)参照)。
【0115】
一方、ΔL≧LSの場合には、駆動系制御部205へ途中まで回転ドラム16に巻き付けている印刷版12を巻き戻すように指示すると共に、操作・表示部206に「入力されたサイズによって設定されている後端チャック位置が誤っている旨のメッセージを表示する。この場合、図7(B)に示される如く、印刷版12を巻き戻してもよい。。
【0116】
これにより、後端チャック36が確実に印刷版12の後端を保持固定しない場合等においては、回転ドラム16への印刷版12の巻付け動作を中断させることが可能となる。
以下、図8に示すフローチャートに従い、第2の実施の形態における版長判別ルーチンを説明する。
【0117】
ステップ300では、操作・表示部266によって印刷版12の版サイズL’が入力されたか否かが判断され、肯定判定されるとステップ302へ移行して回転ドラム16を印刷版12の受入位置へ位置決めする。
【0118】
次いでステップ304では、この位置決めが完了したか否かが判断され、肯定判定されるとステップ306へ移行して、駆動系制御部205からタイマー動作制御部350へ回転ドラム16の先端受入準備完了信号を出力する。
【0119】
次のステップ310では、印刷版12の搬送を開始し、印刷版12の先端が先端チャック26が位置決めされた位置にくると(図6(A)参照)、先端チャック26によって印刷版12の先端を保持固定し(ステップ312)、回転ドラム16を回転させて、巻付け動作を開始する(ステップ314)。
【0120】
次のステップ400では、タイマー352をスタートさせ、計測時間t1の計測を開始する。
【0121】
回転ドラム16が回転を開始し、先端チャック26がスクイズローラ30を通過すると(図6(B)参照)、回転ドラム16は一旦停止する(ステップ402、404)。
【0122】
この回転ドラム16の一旦停止により、ステップ406では、タイマー352をストップさせ、次いでステップ408で計測時間t1を読み取って計測時間t1メモリ358に記憶する。
【0123】
スクイズローラ30の移動(印刷版12を回転ドラム16の周面に押し付ける位置への移動)が完了すると、回転ドラム16は回転を再開する(ステップ410、412)。この回転再開をトリガとして、ステップ414では、タイマー352をリセット・スタートさせ、計測時間t2の計測を開始する。
【0124】
次のステップ316では、フォトインタラプタ250によって印刷版12の後端を検出したか否かが判断され、肯定判定されると(図6(C)参照)、ステップ318へ移行してこのフォトインタラプタ250からタイマー動作制御部350及び版長L演算部262へ後端検出信号を出力する。
【0125】
ステップ416では、この後端検出信号がトリガとなって、タイマー352をストップさせ、このときの計測時間t2を計測時間t2メモリ360に記憶する(ステップ418)。
【0126】
ステップ420では、上記計測時間t1、t2と、予め記憶している回転ドラム16の初期動作時の回転線速度v1と定常動作時の回転線速度v2とからそれぞれの送り長LH、LTを演算する。
【0127】
ステップ326では、上記送り長LH、LTとL1値とを加算し、実際の印刷版12の版長(実版長)Lを演算する。
【0128】
次のステップ328では、入力版サイズ格納部268に格納されている入力された版長L’を読出し、次いでステップ330で実版長Lと、入力版長L’との差ΔLを予め設定された許容差LS、と比較する。
【0129】
この比較の結果、ΔL<LSと判定された場合には、印刷版12が入力されたサイズと実際のサイズと一致していると判断し、このときは特に何ら特別な処理は実行せず、通常の処理を継続する(図7(A)参照)。
【0130】
一方、ΔL≧LSと判定された場合には、ステップ332へ移行して、駆動系制御部205へ途中まで回転ドラム16に巻き付けている印刷版12を巻き戻すように指示する(図7(B)参照)と共に、次いでステップ334へ移行して、操作・表示部266に「入力されたサイズによって設定されている後端チャック位置が誤っている」旨のメッセージ(エラー報知)を表示する。
【0131】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明では、認識しているサイズと異なるサイズのシート状記録材料が搬送され、回転ドラムに巻付けられるとき、次工程である露光処理へ移行する前に、誤認識を検出することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る印刷版自動露光装置の概略図である。
【図2】第1の実施の形態に係る回転ドラム及び記録ヘッドを駆動するためのコントローラの概略を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係る印刷版の回転ドラムへの送り状態を示す動作図である。
【図4】第1の実施の形態に係る印刷版のサイズ(版長)を判別するための制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】第2の実施の形態に係る回転ドラム及び記録ヘッドを駆動するためのコントローラの概略を示すブロック図である。
【図6】第2の実施の形態に係る印刷版の回転ドラムへの送り状態を示す動作図である。
【図7】第2の実施の形態に係る版長判定結果に基づく印刷版送り状態を示す動作図である。
【図8】第2の実施の形態に係る印刷版のサイズ(版長)を判別するための制御ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
12 印刷版(シート状記録材料)
14 露光部
16 回転ドラム
37 記録ヘッド部
204 シャフト
206 パルスモータ
208 エンコーダ(回転位置検出センサ)
202 コントローラ
205 駆動系制御部(処理中断手段)
210 画像処理系制御部
250 フォトインタラプタ(後端検出センサ)
252 L1値メモリ
254 後端カウント値読出部(後端検出角度読取手段)
256 パルスカウンタ
258 先端カウント値読出部(定位置角度記憶手段)
260 回転角度演算部
262 版長演算部(長さ寸法演算手段)
264 R値メモリ
266 操作・表示部(報知手段)
268 入力版サイズ格納部
270 比較部(比較手段)
350 タイマー動作制御部
352 タイマー
354 回転状態認識部
356 回転線速度v1、v2メモリ
358 計測時間t1メモリ
360 計測時間t2メモリ
Claims (8)
- シート状記録材料を回転ドラムの周面に巻付けた状態で、所定の回転速度で回転させ、当該回転ドラムの周面に対向配置された記録ヘッドを回転ドラムの軸線方向へ移動させることで画像を記録する画像記録装置であって、
前記回転ドラムの回転角度を検出する回転位置検出センサと、
前記回転ドラムに設けられ前記シート状記録材料の先端部を保持固定する先端チャックが、前記シート状記録材料を受け入れる定位置に位置決めされたときの回転角度を記憶する定位置角度記憶手段と、
前記回転ドラムが定位置に位置決めされたときの先端チャックからのパス長が予め既知とされ、前記シート状記録材料の回転ドラムへの搬送経路上に設けられた、当該シート状記録材料の後端部を検出する後端検出センサと、
前記回転ドラムへの前記シート状記録材料の巻き付け動作中に、前記後端検出センサによってシート状記録材料の後端を検出したときの、前記回転ドラムの回転角度を前記回転位置検出センサから読み取る後端検出角度読取手段と、
前記後端検出角度読取手段で読み取った回転角度と、前記回転ドラムの径寸法と、前記パス長とに基づいて、シート状記録材料の長さ寸法を演算する長さ寸法演算手段と、
を有する画像記録装置。 - シート状記録材料を回転ドラムの周面に巻付けた状態で、所定の回転速度で回転させ、当該回転ドラムの周面に対向配置された記録ヘッドを回転ドラムの軸線方向へ移動させることで画像を記録する画像記録装置であって、
前記回転ドラムに設けられ前記シート状記録材料の先端部を保持固定する先端チャックと、
前記先端チャックが定位置に位置決めされたときの、当該先端チャックからのパス長が予め既知とされると共に、前記シート状記録材料の回転ドラムへの搬送経路上に設けられ、当該シート状記録材料の後端部を検出する後端検出センサと、
前記回転ドラムへの前記シート状記録材料の巻き付け動作開始と同時にスタートし、前記後端検出センサによってシート状記録材料の後端を検出したときにストップするタイマーと、
前記タイマーで計測した時間と、前記回転ドラムの回転線速度と、前記パス長とに基づいて、シート状記録材料の長さ寸法を演算する長さ寸法演算手段と、
を有する画像記録装置。 - 前記シート状記録材料の先端を前記先端チャックによって保持した状態で回転を開始し、当該先端チャックが通過した後の前記回転ドラムの一旦停止中に、前記回転ドラムに対して離間された位置から接近する方向移動すると共に、前記回転ドラムの回転動作再開中は継続して前記シート状記録材料を前記回転ドラムの周面に押し付けられるスクイズローラをさらに有し、
前記タイマーでは、前記一旦停止前後の回転ドラムの回転時間をそれぞれ別々に計測することを特徴とする請求項2記載の画像記録装置。 - 前記シート状記録材料の長さ寸法を入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された寸法と、前記長さ寸法演算手段で演算した寸法とを比較する比較手段と、
比較手段による比較結果を報知する報知手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の画像記録装置。 - 前記シート状記録材料の長さ寸法を入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された寸法と、前記長さ寸法演算手段で演算した寸法とを比較する比較手段と、
前記比較手段での比較の結果、予め設定された許容範囲内での一致がない場合に、シート状記録材料の巻き付け処理を中断する処理中断手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の画像記録装置。 - シート状記録材料を回転ドラムの周面に巻付けた状態で、所定の回転速度で回転させ、当該回転ドラムの周面に対向配置された記録ヘッドを回転ドラムの軸線方向へ移動させることで画像を記録する画像記録装置に用いられ、入力されたサイズ通りの寸法のシート状記録材料が巻き付けられているか否かを監視する記録材料巻付け状態監視方法であって、
前記シート状記録材料の先端が回転ドラムに保持固定される位置から当該シート状記録材料を前記回転ドラムへ送り込むための搬送路上の所定位置までの搬送長を予め記憶しておき、
シート状記録材料の先端が回転ドラムに保持固定された時点で回転ドラムへの巻き付けが開始されてから、前記所定位置にシート状記録材料の後端が到達するまでに回転する回転ドラムの回転角度を検出し、
この回転角度と、回転ドラムの径寸法と、前記搬送長とから、実際のシート状記録材料の寸法を演算し、
前記入力されたサイズの寸法と、演算した寸法とを比較し、
比較の結果を報知することを特徴とする画像記録装置の記録材料巻付け状態監視方法。 - シート状記録材料を回転ドラムの周面に巻付けた状態で、所定の回転速度で回転させ、当該回転ドラムの周面に対向配置された記録ヘッドを回転ドラムの軸線方向へ移動させることで画像を記録する画像記録装置に用いられ、入力されたサイズ通りの寸法のシート状記録材料が巻き付けられているか否かを監視する記録材料巻付け状態監視方法であって、
前記シート状記録材料の先端が回転ドラムに保持固定される位置から当該シート状記録材料を前記回転ドラムへ送り込むための搬送路上の所定位置までの搬送長を予め記憶しておき、
シート状記録材料の先端が回転ドラムに保持固定され、かつ回転ドラムが回転を開始した時点から計時を開始し、前記所定位置にシート状記録材料の後端が到達した時点で計時を終了することで、前記回転ドラムへのシート状記録材料の巻き付け時間を計測し、
この計測時間と、回転ドラムの回転線速度と、前記搬送長とから、実際のシート状記録材料の寸法を演算し、
前記入力されたサイズの寸法と、演算した寸法とを比較し、
比較の結果を報知することを特徴とする画像記録装置の記録材料巻付け状態監視方法。 - 前記比較の結果、許容範囲内での一致がない場合に、シート状記録材料を逆送して、回転ドラムから離脱させることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の画像記録装置の記録材料巻付け状態監視方法。
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