JP3997778B2 - 無線親機および無線子機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガス、水道、電気等の使用量の検針を行う際の自動検針の無線親機および無線子機に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭やオフィスあるいは工場などのガス、水道、電気等を使用するところにはその使用量を測定するためのメータが設置されている。このメータはガス、水道、電気等の使用量のデータを記録しておき、従来は検針員がそのデータを回収していた。
【0003】
最近になって、メータに記録されたデータを電話等の通信回線を介して隔測検針装置であるセンタに回収する自動検針システムが普及し始めている。この自動検針システムは、たとえば、各需要家に設置されている電話用の回線とメータとを通信線で接続し、電話回線を介してセンタとメータとで通信を行うものである。
【0004】
通信するデータは検針業務に関するもので、例えばメータの検針値をセンタに送信したり、メータで異常があってガス弁を遮断したことをセンタに通報したり、逆にセンタからメータの検針値を要求したり、センタからメータのガス弁を遠隔遮断する内容のデータである。
【0005】
ところで、このような自動検針システムの場合、電話用の回線とメータとを通信線で接続する必要があるため、需要家の屋内外に通信線を引き回し配線する手間と費用が必要であった。特に、電話用の回線とメータとが離れている場合にはこの配線作業はかなりの負担であり、既設の家屋の場合には配線が無理な場合さえあった。
【0006】
そこで、特開平6−85938号公報では、各需要家の電話用の回線に端末網制御装置(以下「T−NCU」という)を介して無線親機を接続するとともにメータに無線子機を接続し、無線親機と無線子機との間で無線で通信を行うようにすることによって屋内外の配線を不要とする自動検針システムについて提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうしたシステムでは、マンションの棟であったり、住宅地の1街区であったりと言った具合に、何件もの工事を同時に行う場合が多く、工事もメータ、無線親機、無線子機、T−NCU等の構成要素に対し、同種の機器を順番に設置していくことが多くなる。したがって、1つのシステムであっても、構成機器を1組として管理することが出来ないため、それぞれのシステムに応じた設置時の起動、登録、確認作業が必要となる。特にセンタで需要家を識別しするためのメータ管理IDや、無線親機と無線子機が通信を行うために相互に必要な無線の呼出しIDは無くては通信が不可能であり、設置後の設定が必要である。
【0008】
無線親機と無線子機の登録作業は、無線子機とメータの接続後、所定の操作、たとえば無線子機と無線親機の起動用スイッチ等を同時に入力することによって無線子機がメータからメータ管理IDを取得し、この取得したメータ管理IDを無線送信により無線親機に送信し、無線親機は無線子機からメータ管理IDを取得すると、次に親機の持っている無線通信に必要な通信情報を無線子機に送信する。これにより、無線親機と無線子機の登録作業が完了し、以降隔測検針装置であるセンタからメータまでの通信が可能となる。
【0009】
ところが、これらの登録作業は無線子機とメータの間の有線通信や、無線親機と無線子機との間の無線通信が正常に行われ、かつ割り当てられた規定のメータ管理IDが正しく設定され、一台の親機に所定内台数の子機が設置された場合に、完了するものであり、何らかの原因で登録作業は失敗すると、隔測検針装置であるセンタからの通信もできない。この原因には無線子機とメータ間の通信線の断線や接触不良や、無線通信での通信周波数帯域における妨害波等物理的な原因のほかに、メータ管理IDが英数字以外等規定外のデータである、また一台の無線親機に登録可能な上限を超える台数の無線子機を登録しようとした場合などが考えられる。しかし、登録作業おける失敗の原因を容易に特定することが作業現場では困難であり、正常に完了するまでかなりの時間がかかってしまうという問題がある。
【0010】
本発明は前記従来の課題を解決するもので、自動検針無線機の設置時における無線親機と無線子機の登録作業における登録不良の原因を容易に識別することができ、設置工事の効率を高めることができる自動検針無線機および自動検針システムを提供できる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題をするために、本発明の自動検針無線子機は、通信回線を介して隔測検針装置と接続される無線親機とで通信を行い、需要家のメータに接続して前記メータと前記隔測検針装置との間を通信可能として前記メータの検針業務)を行い、前記メータと通信を行ってメータ管理IDを取得するメータ送受信部と、前記無線親機と通信を行って前記メータ管理IDの送受信を行う無線送受信部と、前記無線親機と前記メータ管理IDを通信することによって取得した前記親機情報の登録処理を行う制御部と、前記メータから取得した前記メータ管理IDが規定内であるか否か判定するIDデータ判定部を備えて、前記データ判定部は、規定内の場合のみ前記メータ管理IDを前記無線親機へ送信して親機情報の登録処理を行うことを前記制御部に対して許可し、規定外の場合は、前記無線子機を介して登録エラーの発生とエラー発生原因を報知させる構成となっている。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1にかかる無線子機は、通信回線を介して隔測検針装置と接続される無線親機とで通信を行い、需要家のメータに接続して前記メータと前記隔測検針装置との間を通信可能として前記メータの検針業務)を行い、前記メータと通信を行ってメータ管理IDを取得するメータ送受信部と、前記無線親機と通信を行って前記メータ管理IDの送受信を行う無線送受信部と、前記無線親機と前記メータ管理IDを通信することによって取得した前記親機情報の登録処理を行う制御部と、前記メータから取得した前記メータ管理IDが規定内であるか否か判定するIDデータ判定部を備えて、前記データ判定部は、規定内の場合のみ前記メータ管理IDを前記無線親機へ送信して親機情報の登録処理を行うことを前記制御部に対して許可し、規定外の場合は、前記無線子機を介して登録エラーの発生とエラー発生原因を報知させる構成となっている。
【0013】
そして無線親機および無線子機、メータの登録作業において、登録が完了できなかった原因を表示や音等のエラーパターンを識別することによって容易に特定することができるため、ただちに修復作業を行え設置作業の効率を高めることができる。
【0016】
本発明の請求項2にかかるプログラムは、請求項1の手段の全てもしくは一部としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0017】
そして、プログラムであるのでマイクロコンピュータ等を用いて本発明の自動検針の無線親機または無線子機の一部あるいは全てを容易に実現することができる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布やインストール作業が簡単にできる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0019】
(実施例1)
以下本発明の第1の実施例を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は本発明による自動検針無線機を含む自動検針システムのブロック図である。1は隔測検針装置であり回線2およびT−NCU3を介して自動検針無線機4の無線親機5と接続される。自動検針無線機4の無線子機6は前記無線親機5に対向して設けられ需要家のメータ7に接続される。なお、回線2は電話回線でもいいし、携帯電話やPHSなどの無線回線、ADSLやISDNなどのデータ通信回線、インターネットなどでもよい。
【0021】
図2は本発明の第1の実施例の自動検針無線機の構成を示すブロック図である。図1と同一の物には同一の番号を付してある。51、61はそれぞれアンテナであり、52、62は無線の信号を送受信する無線送受信部、53、63は制御部、54は隔測検針装置との間で信号を送受信するための隔測用送受信部、64はメータとの間で信号を送受信するメータ送受信部、55、65は操作部、56、66は記憶部、57、67は表示部、68はメータから取得したメータ管理IDが規定内か判定するIDデータ判定部である。
【0022】
図3は、本発明の第1の実施例の自動検針無線機のうち、無線子機における初期設定モードのフローチャートである。
【0023】
この初期設定モードは無線親機5、無線子機6とも所定の操作(例えば、起動用スイッチをオンしたとき)を行った時に実行される(S1)。そして、無線子機6は所定の操作を受付けると、表示部67にて表示を行うとともにメータ送受信部64を介してメータ7にメータ起動電文を送信し(S2)、メータ7が応答したメータ管理IDを取得する(S3)。IDデータ判定部68は取得したメータ管理IDが所定の規定内のデータであるかを判定し(S4)、規定外の場合、IDデータ規定外の登録エラーとし初期設定モードを終了し、表示部67にエラー表示する(S5)。
【0024】
IDデータの規定判定の内容としては、英数字以外の文字が含まれていないか等が一般的であるが、その他初期値の場合はメータIDが未設定であるから無効等、さらにはメータメーカーやガス会社、LP業者の独自の基準を反映する等も可能である。
【0025】
IDデータ規定内であれば、メータIDを取得し(S6)無線子機の呼出しIDとともに無線送受信部62よりアンテナ61を介して無線親機5に無線で送信する(S7)。
【0026】
無線親機5は所定の操作(例えば、起動用スイッチをオンしたとき)を受付けると、表示部57にて表示を行うとともに無線子機6からの受信を待ち、アンテナ51および無線送受信部52を介して無線子機6からの受信があると、受信電文に含まれる無線子機の呼出しIDと、メータ管理IDを通信相手として、組で記憶部56に記憶する。登録が成功すれば、アンテナ51および無線送受信部52を介して無線子機6に対し、登録完了と無線親機の呼出しIDを応答し(S8)、結果を表示部57に表示する(S9)。無線子機6はアンテナ61および無線送受信部62を介してその応答を確認し、無線親機5の呼出しIDを記憶部66に記憶し、登録完了を表示部67に表示する。
【0027】
以上のように、本実施例においては、無線子機6が所定の操作を受付け、メータ送受信部64を介してメータ7にメータ起動電文を送信し、メータ7から取得したメータ管理IDが規定外のデータであった場合、表示部67から所定のエラー表示を行い、メータ管理IDのデータ設定が不備であることを設置作業者に知らしめることができる。
【0028】
また、表示部57、67に関しては、通常は使用しないものであることからLED等の安価な表示素子を1個または複数個使用することにより、こうした作業の成功、失敗等の結果を点滅パターンで表示させことができる。例えば、LED1個の場合には、LEDの点滅周期および点滅回数の組み合わせで各種のエラーパターンを表示することができ、LEDが複数個の場合には、LEDの点灯位置の組み合わせ等により各種のエラーパターンを表示することができる。
【0029】
また、表示部の代わりに、T−NCU3に接続し、メータ管理IDを設定する装置である設定器に登録エラー発生を表示する電文を送信し、設定器の表示部に登録エラー発生と原因を表示させることもできる。
【0030】
あるいは、表示だけでなく音などを使って報知してもよいし、通信回線を用いてセンタに通報することも考えられる。
【0031】
(実施例2)
本発明の第2の実施例について図面を用いて説明する。図4は自動検針無線機の構成を示すブロック図である。図1と同一の物には同一の番号を付してある。51、61はそれぞれアンテナであり、52、62は無線の信号を送受信する無線送受信部、53、63は制御部、54は隔測検針装置との間で信号を送受信するための隔測用送受信部、64はメータとの間で信号を送受信するメータ送受信部、55、65は操作部、56、66は記憶部、57、67は表示部、58は親機が登録可能な子機数の上限を超えていないか判定する登録子機数判定部である。
【0032】
図5は、本発明の第2の実施例の自動検針無線機のうち、無線親機における初期設定モードのフローチャートである。
【0033】
この初期設定モードは無線親機5、無線子機6とも所定の操作(例えば、起動用スイッチをオンしたとき)を行った時に実行される(S11)。
【0034】
そして、無線親機5は所定の操作を受付けると、表示部57にて表示を行うとともに無線子機6からの受信を待ち、アンテナ51および無線送受信部52を介して無線子機6からメータ管理ID等データを受信する(S12)。そして登録子機数判定部58は登録子機数が上限値を超えていないか判定し(S13)、超えている場合は登録不可能のため、無線子機6に対し、登録失敗とその原因を応答し(S15)、表示部57にてエラー表示を行う(S14)。
【0035】
超えていない場合は、受信電文に含まれる無線子機の呼出しIDと、メータ管理IDを通信相手として、組で記憶部56に登録し(S16)、無線子機6に対し、登録完了と無線親機の呼出しIDを応答し(S17)、登録完了を表示部57に表示する(S18)。
【0036】
無線子機6はアンテナ61および無線送受信部62を介して無線親機5からの応答を受信し、受信電文の内容が登録失敗(登録失敗とその原因)の場合は、登録失敗とその原因を表示部67に表示する。登録完了(登録完了と無線親機の呼出しID)の場合、無線親機5の呼出しIDを記憶部66に記憶し、登録完了を表示部67に表示する。登録失敗の表示はその原因毎に異なるパターンで行うため、表示を確認することで容易に登録失敗の原因がわかる。
【0037】
以上のように、本実施例2においては無線子機6がメータ7からメータ管理IDを取得し、無線子機の呼出しIDとともに無線親機5に無線で送信した後、無線親機5は無線子機6からの受信があると、登録子機数判定部58は登録子機数が上限値を超えていないか判定し、超えている場合は、登録失敗とその原因を応答し、登録失敗とその原因を表示部57に表示する。また無線子機6は無線親機5からの応答を受信し、登録失敗の場合、登録失敗とその原因を表示部67に表示するので、登録子機数がオーバーしていることを設置作業者に知らしめることができる。
【0038】
以上のように、初期登録作業がうまくいかない場合でも、エラー表示によりその原因を見つけることが容易にできるので設置工事の効率を高めることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項の数によれば、自動検針無線機の初期登録時における登録不良の原因を容易に確認することができる。
【0040】
無線親機と無線子機の初期登録がうまくいかない原因はいろいろあり、なかなか特定しにくいものであるが、本発明によれば特別な計測機器がなくても容易に確認できるので、直ちに対応でき、設置工事における、初期登録作業の効率を高める、作業の信頼性が向上できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動検針無線機を含む自動検針システムのブロック図
【図2】本発明の実施例1における自動検針無線機のブロック図
【図3】本発明の実施例1における自動検針無線機のうち無線子機における初期設定モードのフローチャート
【図4】本発明の実施例2における自動検針システムのブロック図
【図5】本発明の実施例2における自動検針無線機のうち無線子機における初期設定モードのフローチャート
【符号の説明】
1 隔測検針装置
2 回線
3 T−NCU
4 自動検針無線機
5 無線親機
6 無線子機
7 メータ
51、61 アンテナ
52、62 無線送受信部
53、63 制御部
54 隔測用送受信部
64 メータ送受信部
55、65 操作部
56、66 記憶部
57、67 表示部
58 登録子機数判定部
68 IDデータ判定部
Claims (2)
- 通信回線を介して隔測検針装置と接続される無線親機とで通信を行い、需要家のメータに接続して前記メータと前記隔測検針装置との間を通信可能として前記メータの検針業務を行う自動検針の無線子機において、前記無線子機は、前記メータと通信を行ってメータ管理IDを取得するメータ送受信部と、前記無線親機と通信を行って前記メータ管理IDの送受信を行う無線送受信部と、前記無線親機と前記メータ管理IDを通信することによって取得した前記親機情報の登録処理を行う制御部と、前記メータから取得した前記メータ管理IDが規定内であるか否か判定するIDデータ判定部を備えて、前記IDデータ判定部は、規定内の場合のみ前記メータ管理IDを前記無線親機へ送信して親機情報の登録処理を行うことを前記制御部に対して許可し、規定外の場合は前記無線子機を介して登録エラーの発生とエラー発生原因を報知させる無線子機。
- 請求項1項記載の無線子機の手段の全てもしくは一部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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