JP4288474B2 - 検針データを親機に送信する子機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、家庭用水道メーター等の検針手段によって検針されたデータを基地局などに送信するための送信装置に関し、特に、子機及び親機間における通信試験を可能にした検針データを親機に送信する子機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、家庭用の使用水道量の管理は、各家庭に設置された水道メータの近傍に送受信装置を配置し、送受信装置側で取得した水道使用量をセンター装置に対して例えば電話回線網を経由して送信し、センターは送信された水道の使用量データに基づき使用量に対する請求書を発行するなどの業務を行っている。この水道使用量検針送信装置は通常親機と子機とからなり、子機を水道メータに接続して配置し、親機をこれとは別の適宜の場所に設置して両者を無線で交信自在に接続し、水道メータの検針データを子機側から親機側に送信するようになっている。
このような検針データの遠隔管理システムの1例として、例えばマンションの各階のフロアに複数の検針用メータを設置するととに、それらのメータを子機に接続し、検針時親機に各メータに割り当てられたIDコードと共に検針要求を入力して該当するIDコードを備えたメータの検針データを、親機に送信してメータの検針結果を得る無線検針システムが既に知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、他のシステムでは、センターから交換機、制御局を介して無線により接続された基地局と共通の無線通信チャンネルを介して通信する複数の端末網制御装置に同一の電話番号を割り当て、パイロット用端末網制御装置を指定して、そのパイロット用端末装置で基地局からの呼制御信号に応答して基地局との間で通話状態とし、その状態でIDの合致した端末網制御装置だけが検針情報を送信するようにして、一つの電話番号で複数の端末の検針を可能にした無線遠隔検針方式も知られている(特許文献2参照)
【0004】
このように、いわば親機と子機とを無線で通信可能に接続し、検針データを要求に応じて親機さらには基地局或いはセンターに送信するシステムは既に知られている。
図5は従来の検針データ送信装置の1例を概略的に示した図である。
検針データ送信装置1は、例えば家庭用水道水の使用量を検針してそのデータを基地局又はセンター(図示せず)に送信する送信装置であって、図示のように親機10と単数又は複数の子機20とからなっている。
【0005】
親機10は子機20との通信を行うためのアンテナ10Aと、受信信号を必要に応じた処理する受信制御手段及び受信信号を送信するための送信制御手段を備え、かつ例えば、携帯電話回線網等を通じて基地局との通信を行うアンテナ10Bを備えている。
親機と検針データ送信装置を構成する子機20はアンテナ20Aを備えており、かつ水道などのメータに取り付けられ、例えば検針要求を受けた子機20がメータの検針データを読み出し、この検針データが親機10に無線送信され、更に親機10から基地局に通信網を通じて基地局に送信される。
ところで、親機10と子機20との間の通信は、コードレス電話機等で使用されている特定小電力無線を使用しているため、その電波の電界強度は弱く設定されており、従って、その両者の通信は周りの環境の影響をとくに受けやすい。そこで、親機10と子機20を所定の位置に設置した状態で両者間の通信が適正になされるか否かをテストすることが行われている。
そのため、親機10と子機20とからなる検針データ送信装置1を設置する場合、子機20からの検針データが親機に正常に送信されるか、或いはその電界強度が強いか弱いか等の試験を行う。この試験は、子機20に付設した電波試験ボタンを押して試験電波を発信し、これを親機10側で受けて、親機10から子機側20側に電波を発信して、その電解強度の強弱を確かめ、親機10と子機20間の無線通信が正常に行われるか否かのチェックを行う。
【0006】
ところで、前記子機は水道メータ等のメータに接続して配置する関係からパイプシャフト内などの狭い領域に取り付けることが多い。このような状態でテストを行うには、パイプシャフト内に無理矢理人間が入って子機の電波試験ボタンを押すか、又は空いている隙間から棒などを差し込んで電波試験ボタンを押すなどして行うが、パイプシャフトなどに扉がついていると、扉を閉める状態で電波試験ボタンを押すことは物理的にできず、また扉を開けた状態で試験を行ったのでは、使用時の状態が再現できない。
そのためテストは扉を閉めた状態で行わなければならないが、扉の付いた狭いパイプシャフトの場合にはテストができない。
また、取り付けた場所へのアクセスができないなどの理由で、そのままでは電波試験ボタンを押下することができない場合などにおいても同様に、テストが実行できないという問題が生じる。
【0007】
【特許文献1】
特開平 8−249584号公報
【特許文献2】
特開平11−353573号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、前記子機をパイプシャフトなどに配置する場合でも、その配置環境の制約を受けずに親機と子機間の通信試験を実環境で行えるようにすると共に、試験結果の表示を子機の設置場所の制約を受けずに確認できるようにし、それによって、親機と子機間の通信テストを容易かつ確実に行えるようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明は、検針データを親機に送信する子機であって、他の子機からの試験用電波発信信号を受信する手段、該試験用電波発信信号を受信して試験用電波を親機に発信する手段、親機から受信した受信電波の強度を検知する手段、検知した受信電波の強度を表す信号を他の子機に送信する手段、他の子機に試験用電波発信信号を送信する手段、該他の子機からの親機から受信した受信電波の強度を表す信号を受信し、該受信電波の強度を表示する手段、を備えたことを特徴とする検針データを親機に送信する子機である
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の1実施形態を添付図面に従って説明する。
図1は本発明の実施形態に係る検針データ送信装置1であって、図2に示した従来のものと同様に、例えば家庭用水道水の使用量を検針することにより抽出されたデータを、無線基地局を介してセンター(図示せず)に送信する送信装置であって、親機10と子機20とからなっている。
【0011】
ただ、本実施形態では、電波試験ボタンを押してから実際に試験電波の発信を遅延させるための遅延タイマー手段20Bを備えている点で前記従来のものと相違している。つまり、本実施形態では、子機20を例えばパイプシャフト内に設置し、その状態で電波試験ボタンを押しても実際には所定の時間経過後に試験電波が発信するようにし、そのタイムラグを利用して、その間にパイプシャフトの扉を閉じるなどの動作の時間を与えることができるようにしている。
【0012】
親機10は子機20からの試験電波を受信すると、親機10側から返信し、子機20は親機10からの返信電波を受信するとその電界強度を従来と同様にLEDもしくはブザーなどの表示手段を用いて表示する。この表示は従来同様所定時間例えば1分間継続するように設定されており、これによって、オペレータは子機20の電波試験ボタンを押下した後、所定時間後に再びパイプシャフトのドアを開けて子機20の表示手段を見ることで、親機10及び子機20間の通信用電波の電界強度をチェックすることができる。
【0013】
前記遅延タイマー20Bは、例えば、検針データ送信装置に搭載したソフトウェアを変更してセルフタイマー機能を追加する等により容易に実現することができ、その遅延時間も自由に設定可能である。
これにより、電波試験ボタンを押したときに、セルフタイマーを始動し、一定の時間例えば10秒後に試験電波を発信し、親機10との電波試験を開始するから、一旦子機20を例えばパイプシャフト中に設置して電波試験ボタンを押し、遅延タイマーで設定した所定時間内に扉を閉めることで、子機20は使用状態と同様の状態で電波を発信する。親機10は子機20からの信号を受信すると返信信号を発信する。子機20はこの信号を受信するとその受信信号の電解強度に応じた表示を行う。
【0014】
電波試験は実際には数回行い、結果については最小値、最大値、平均値などを例えばLEDもしくはブザーなどの表示手段により確認することができる。
【0015】
次に、この電波試験のための手順について図3のフロー図を参考にしながら説明する。
まず、本実施例では、子機20の試験ボタンを押す(S101)。
次に、一定時間(仮に10秒間)のうちに子機をパイプシャフトに入れドアを閉める(S102)、この間子機20のLEDが100mS毎にON、OFFを繰り返しながら10秒間点滅する。
子機20はLEDを10秒間点滅後、親機10とテスト通信を実行する、つまり、自動的に親機との電波試験を開始する(S103)。
子機20は親機10からの電波試験結果、つまりその電界強度を例えば1分間表示する(S104)。この場合、LEDの表示を、0.5秒置きに繰り返し表示し、例えば、3個のLEDにより電界強度の強、中、弱をそれぞれ3個、2個、1個のLEDの点滅によって表示する。
オペレータは、パイプシャフトの扉を開けて子機20を例えば水道メータから外し、そのLEDの表示状態から親機10及び子機20間の電界強度つまり試験通信の結果を確認することができる。
【0016】
また、電解強度表示中(例えば1分以内)に試験ボタン再押下すれば、新たな電波試験が可能である。また、電界強度表示終了後(1分経過後)に試験ボタン再押下しても新たな電波試験が可能となることは当然である。
なお、子機20に設けた設定スイッチ(図示せず)を操作することにより、電界強度の最小値、最大値、平均値を表示したり、結果の全てを順に切換表示することも可能である。
【0017】
(第2の実施形態)
図2は本発明の第2の実施形態のパイプシャフト内電波試験のための検針データ送信装置1を示している。
ここでは、検針データ送信装置1は親機10と2台(勿論、2台以上の複数台であってもよい。その場合、子機間通信を行う場合は当該子機に付した識別情報で同定する)のリモコン機能を付した子機20からなっており、第1の子機20と第2の子機22間でも通信が可能となっている。即ち、第1の子機20は第2の子機22からの信号によりその電波試験ボタンを操作できるように構成されている。ここで、第1の子機20は第2の子機22からの信号により電波試験ボタンがONになると試験電波を発信し、かつ、親機10から信号を受信してその電界強度信号を第2の子機22に子機間通信により送信する。
第2の子機22の表示部は受信した試験信号を第1の実施形態と同様に例えばLEDで表示する。
【0018】
このように、子機20はパイプシャフト内の試験結果を遠隔監視でき、かつ電波試験を数回行い、結果については最小値、最大値、平均値などを複数回まとめて確認することができる。また、試験結果を全て順に確認可能である点も第1の実施形態と同様である。
【0019】
次に、第2の実施形態における試験手順を図4のフロー図を参照して説明する。
まず、子機20をパイプシャフトに入れる(S201)。次に、子機22のリモコン機能モードを設定し(S202)、リモートボタンを押下し子機20に試験電波発信信号を送る(S203)。親機10と子機20の間で電波試験を開始する(S204)。その後子機20が試験結果を子機22に送信し(S205)、子機22が試験結果を表示して(S206)、試験を終了する。
【0020】
【発明の効果】
請求項1に対応した効果:パイプシャフト内の子機を手元の子機で遠隔操作して親機との通信試験を行うことができるため、前記子機がアクセスが困難な場所にある場合であっても容易に通信試験を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検針データ送信装置の第1の実施形態を概略的に示した図である。
【図2】本発明の検針データ送信装置の第2の実施形態を概略的に示した図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における電波試験手順を説明するフロー図である。
【図4】本発明の第2の実施形態における電波試験手順を説明するフロー図である。
【図5】従来の検針データ送信装置の1例を概略的に示した図である。
【符号の説明】
1…検針データ送信装置、10…親機、20、22…子機、

Claims (1)

  1. 検針データを親機に送信する子機であって、
    他の子機からの試験用電波発信信号を受信する手段、該試験用電波発信信号を受信して試験用電波を親機に発信する手段、親機から受信した受信電波の強度を検知する手段、検知した受信電波の強度を表す信号を他の子機に送信する手段、他の子機に試験用電波発信信号を送信する手段、該他の子機からの親機から受信した受信電波の強度を表す信号を受信し、該受信電波の強度を表示する手段、
    を備えたことを特徴とする検針データを親機に送信する子機。
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