JP3996449B2 - 透析治療用セントラルシステム及びその制御方法 - Google Patents

透析治療用セントラルシステム及びその制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定濃度の透析液を調製する透析液供給装置と、該透析液供給装置から送液された透析液を血液浄化器に供給する複数の透析用監視装置とを備え、これら透析液供給装置と透析用監視装置とが別々の場所に離間して設置された透析治療用セントラルシステム及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、透析治療用セントラルシステムは、病院等医療現場における機械室に透析液供給装置を設置しておき、これとは別の場所である透析室(治療室)に透析用監視装置を設置するとともに、これら透析液供給装置と透析用監視装置とを配管で連結させて構成されている。透析液供給装置は、所定濃度の透析液を調製するものである一方、透析用監視装置は、患者に透析治療を施すための血液浄化器(ダイアライザ)の数に対応して複数設置され、透析液供給装置で調製された透析液を配管を介して導入し、血液回路に接続された血液浄化器に供給する。
【0003】
即ち、機械室に設置された一つの透析液供給装置から透析室に設置された複数の透析用監視装置に分配して透析液を送液し、それぞれにおいてダイアライザに透析液を供給するよう構成されているのである。このように中央で調製された透析液を各透析用監視装置に分配するシステムのことをセントラルシステムといい、これに対し、血液浄化器毎(即ち透析治療患者の各々)に透析液の調製及び供給を行い得るものを個人用の透析装置という。
【0004】
上記の如きセントラルシステムにおいては、透析用監視装置のそれぞれが独立して電力供給されるよう構成されており、例えば各透析用監視装置から延設された電気コードの先端にプラグを有し、AC電源から電力供給するようになっているのが一般的である。これは、透析液供給装置側に大型の配電手段を設け、電気配線によって各透析用監視装置に電力供給する構成のセントラルシステムに比べ、電力供給源の小型化及び電気配線の簡素化等において優れているからである。
【0005】
また、従来の透析用監視装置においては、透析治療時の種々データ(例えば透析液の温度や圧力、血液中の気泡の有無、患者の静脈圧等)が収集されるよう構成されており、かかるデータに基づき透析条件が設定され得るようになっているとともに、所定データを透析液供給装置に送信し得るよう構成されている。具体的には、かかる所定データを電気信号(工程信号)として透析液供給装置に送信するため、当該透析液供給装置と夫々透析用監視装置との間に電気配線が施されているのである。
【0006】
更に、この電気配線は、透析液供給装置及び透析用監視装置が自動運転時に行われる各種工程の動作タイミングを電気信号として当該透析液供給装置から夫々の透析用監視装置に送信するための信号送信手段に電気的に接続されている。かかる各種工程とは、例えば透析治療終了後における洗浄工程(酢酸水による洗浄及び清浄水のみによる洗浄等)、消毒工程(熱湯による消毒及び薬剤による消毒等)や、透析治療開始前における洗浄工程及び液置換工程等が挙げられる。
【0007】
透析液供給装置及び透析用監視装置の自動運転時には、上記工程が予め設定された所定の動作タイミングで順次行われるよう信号送信手段から各透析用監視装置に電気信号が送信されるようになっている。具体的には、信号送信手段には、タイマが内蔵されており、透析治療工程が終了した後所定時間(例えば30分間)洗浄工程を行わせるための電気信号が各透析用監視装置に送られ、その後、消毒工程30分間、洗浄時間30分間と順次所定工程の指示が信号の送信により行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の透析治療用セントラルシステムにおいては、複数の透析用監視装置のそれぞれが独立して電力供給されているので、以下のような問題があった。例えば、医療現場において当日の透析治療が終了し、翌日の透析治療を開始するまでの間における透析治療が行われない時間帯においても、透析用監視装置に電力が供給され続けることとなってしまい、システムの消費電力が増大してしまうという問題があった。
【0009】
即ち、自動運転においては、当日の透析治療が終了した後、翌日の透析治療が開始されるまでの間、各透析用監視装置に電力が供給されていないと、当該翌日の透析治療の開始時に工程信号を受信することができないので、電力供給は継続して行われる必要がある。しかして、この間の電力供給は、専ら工程信号の受け待ちのためのみに行われており、消費電力がその分増大してしまうのである。
【0010】
また、電力供給された状態の各透析用監視装置には、電源回路の他、内蔵された各機器の制御を行うCPU等に電流が流れる状態となってしまうので、これら構成要素の消耗が激しく、寿命が短くなってしまうという虞もあった。更に、透析治療が行われていない時間にも電力供給されることにより、CPU等を冷却するためのファンを駆動させておかなければならず、その駆動による騒音等の問題が生じてしまうという不具合もあった。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、自動運転が行われる透析液供給装置及び透析用監視装置において、消費電力を低減することができるとともに、透析治療の合間にも電力供給され続けることによる種々不具合を解消することができる透析治療用セントラルシステム及びその制御方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、所定濃度の透析液を調製し、該透析液を送液する透析液供給装置と、該透析液供給装置から離間した位置に、患者に透析治療を施すための血液浄化器の数に対応して複数設置され、前記透析液供給装置から送られた透析液を夫々血液浄化器に供給するとともに、透析治療時の種々データを収集する複数の透析用監視装置と、前記透析液供給装置に配設され、当該透析液供給装置及び前記透析用監視装置が、透析治療が終了し次の透析治療が開始するまでの間の自動運転時に行われる洗浄工程、消毒工程、液置換工程、待機状態であるプリセット状態から成る各種工程の動作タイミングを指示すべく当該透析用監視装置に工程信号を送信する信号送信手段とを備えた透析治療用セントラルシステムにおいて、前記複数の透析用監視装置のそれぞれが独立して電力供給されるとともに、前記信号送信手段から送られる工程信号により透析治療の合間における前記プリセット状態時の当該透析用監視装置に対する電力供給を停止させつつ前記プリセット状態終了直前において送られる工程信号にて当該透析用監視装置に対する電力供給の復帰を行い得るパワーユニットを具備したことを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の透析治療用セントラルシステムにおいて、前記透析用監視装置で収集したデータに基づき、透析治療が継続中であると認識された場合に、前記信号送信手段から送信された電力供給を停止すべき工程信号を無視し得ることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、所定濃度の透析液を調製し、該透析液を送液する透析液供給装置と、該透析液供給装置から離間した位置に、患者に透析治療を施すための血液浄化器の数に対応して複数設置され、前記透析液供給装置から送られた透析液を夫々血液浄化器に供給するとともに、透析治療時の種々データを収集する複数の透析用監視装置とを具備した透析治療用セントラルシステムの制御方法であって、前記透析液供給装置及び透析用監視装置が、透析治療が終了し次の透析治療が開始するまでの間の自動運転時に行われる洗浄工程、消毒工程、液置換工程、待機状態であるプリセット状態から成る各種工程の動作タイミングを工程信号によって指示するとともに、各々独立して電力供給されている前記透析用監視装置に対し、前記工程信号により透析治療の合間における前記プリセット状態時の当該透析用監視装置に対する電力供給を停止させつつ前記プリセット状態終了直前において送られる工程信号にて当該透析用監視装置に対する電力供給の復帰をパワーユニットにて行わせることを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の透析治療用セントラルシステムの制御方法において、前記透析用監視装置で収集したデータに基づき、透析治療が継続中であると認識された場合に、電力供給を停止すべき工程信号を無視することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る透析治療用セントラルシステムは、図1に示すように、病院等医療現場における機械室に設置された透析液供給装置1と、透析室に設置された複数の透析用監視装置2と、透析液供給装置とそれぞれの透析用監視装置2とを連結した配管3と、透析液供給装置1内に配設された信号送信手段4と、透析室に設置され、信号送信手段4と配線5によって電気的に接続されるとともに各透析用監視装置2とも電気的に接続された分岐箱6とから主に構成されている。
【0017】
透析液供給装置1は、所定濃度の透析液を調製し、該透析液を透析用監視装置2に送液するためのもので、図2に示すように、給水源7から配管3まで延設された主ラインL1に加温器11、ミキシングチャンバ12、13、脱気ユニット14、貯槽15、送液ポンプ18がそれぞれ接続されているとともに、枝ラインL2、L3及びL4を介して消毒液用タンク10、B原液用タンク8及びA原液用タンク9がそれぞれ接続されて構成されている。尚、枝ラインL2、L3及びL4には、それぞれ薬注ポンプP、B原液注入ポンプ16及びA原液注入ポンプ17が接続されるとともに、逆止弁C1〜C3及び電磁バルブV1〜V3が接続されている。尚、透析液供給装置1で調製されるべき透析液の所定濃度とは、患者の治療に最も有効な濃度をいい、予め設定されている。
【0018】
透析治療時においては、電磁バルブV1を閉じるとともに電磁バルブV2及びV3を開放しておき、その状態で給水源7から清浄水(RO水)を主ラインL1に供給するとともに、B原液注入ポンプ16及びA原液注入ポンプ17を駆動させる。これにより、加温器11で加温された清浄水は、ミキシングチャンバ12にてB原液が混入された後、ミキシングチャンバ13にてA原液が混入されて透析液が調製される。
【0019】
その後、透析液は、混入された空気が脱気ユニット14にて取り除かれ、貯槽15に至る。かかる貯槽15では所定量の透析液が貯留され、送液ポンプ18により配管3に透析液を送液する。配管3に送液された所定濃度の透析液は、透析室の各透析用監視装置2に供給されることとなる。
【0020】
更に、透析液供給装置1には、当該透析液供給装置1及び透析用監視装置2が自動運転時に行われる各種工程の動作タイミングを指示すべく透析用監視装置2の制御回路25(図3及び図4参照。詳細は後述する。)に工程信号を送信する信号送信手段4が配設されている。ここで、自動運転は、図5に示すように、透析治療(例えば当日の治療)が終了し、次の透析治療(例えば翌日の治療)が開始されるまでの間に行われ、洗浄工程、消毒工程、液置換工程などがある。
【0021】
信号送信手段4からの工程信号は、配線5を介して分岐箱6に至り、そこから各透析用監視装置2へ同時に送信されるよう構成されている。上記の如く、信号送信手段4は、上記工程の動作タイミングを指示するため透析用監視装置2に所定の工程信号を送信するものであるが、これに加えて本実施形態における信号送信手段4は、透析用監視装置2のプリセット(待機状態)において当該透析用監視装置2の電力供給を停止又は復帰させるべき指示を与える工程信号も送信するよう構成されている。
【0022】
然るに、プリセットの間は、透析用監視装置2への電力供給が停止され、次の透析治療が始まる直前のタイミングで電力供給が復帰されるのである。従って、かかるプリセットの間の電力供給は行われず、その分、消費電力を低減することができる。また、従来の如きプリセットの間においても電力供給が行われるものに比べ、透析用監視装置2が発生する騒音等が回避でき、透析室の環境を改善することができる。
【0023】
透析用監視装置2は、透析液供給装置1から離間した位置(即ち、機械室から離間した位置の透析室)に、患者に透析治療を施すためのダイアライザ(血液浄化器)の数に対応して複数設置されたもので、透析液供給装置1から送られた透析液を夫々血液回路に接続されたダイアライザに供給するとともに、透析治療時の種々データを収集するものである。
【0024】
かかる透析室に設置された複数の透析用監視装置2の各々は、図3に示すように、配管3に接続された導入ラインL5と、図示しない廃液手段に接続された排出ラインL6とを有し、これらラインに跨って複式ポンプ21が配設されて構成されている。また、導入ラインL5及び排出ラインL6のそれぞれの先端は、血液回路24に接続されたダイアライザ23における透析液導入ポート23a、透析液排出ポート23bに接続されている。
【0025】
複式ポンプ21のポンプ室は、図示しない単一のプランジャにより、導入ラインL5に接続された送液側ポンプ室21aと排出ラインL6に接続された排出側ポンプ室21bとに画成されており、当該プランジャが往復動することにより、送液側ポンプ室21aに送られた透析液をダイアライザ23に供給するとともに、ダイアライザ23内の透析液を排出側ポンプ室21bに吸入するよう構成されている。
【0026】
更に、導入ラインL5には、加温器19が接続されており、ダイアライザ23に供給される透析液を再度加温(透析液供給装置1における加温器11である程度は加温されている)し得るようになっている。また、排出ラインL6には、複式ポンプ21をバイパスしたバイパスラインL7が形成されており、該バイパスラインL7に除水のための除水ポンプ22が接続されている。尚、同図中符号20は、導入ラインL5に接続された脱気手段を示している。
【0027】
また更に、上記透析用監視装置2には、ダイアライザ23に供給する前の透析液の濃度を検出する濃度センサ、ダイアライザ23から排出された透析液中に血液が混入しているか否かを検出するための漏血検出器が配設されており、当該透析液監視装置2内の種々データを収集し得るよう構成されており、加えて、血液回路24に配設された静脈圧検出器(いずれも不図示)等からの透析治療時の種々データを収集し得るよう構成されている。
【0028】
また、透析用監視装置2の筐体には、図示しないバイパスコネクタの載置台が形成されており、透析治療が行われていないときは当該バイパスコネクタを一時的に載置可能とされている。バイパスコネクタは、透析治療が行われていないときにダイアライザ23の代わりに血液浄化器接続用カプラC(図3参照)と接続されるもので、かかる載置台には、血液浄化器接続用カプラCを接続した状態のバイパスコネクタが載置されているか否かを検出するセンサが配設されており、該センサによる検出信号は、配線5を介して透析液供給装置1側に送信され得るよう構成されている。
【0029】
ここで、透析室に配置された複数の透析用監視装置2のそれぞれは、各々が独立して電力供給されるよう構成されており、AC電源27からパワーユニット26を介して各構成要素(電力を必要とするもの)に電力供給される。このパワーユニット26は、図4に示すような回路(実際の回路をリレー回路に置き換えた等価回路)で構成されている。
【0030】
同図において、パワーユニット26は、制御回路25と電気的に接続されており、該制御回路25が透析液供給装置1から送られる工程信号により、パワーユニット26を介する電力供給を停止又は復帰させ得るよう構成されている。即ち、信号送信手段4からの復帰信号(電力供給の開始信号)S1が制御回路25に入力すると、リレーK6が動作してスイッチK6が閉じるので、バッテリBTからの電流によってリレーK3が動作する。これによりスイッチK3が閉じて動作が保持されることとなる。
【0031】
同時に、リレーK2も動作するので、スイッチK2が閉じ、AC電源27によって電源リレーK1が動作する。これにより、2つのスイッチK1−1及びK1−2が閉じてAC電源27からの電流が流れ、AC/DC28のDC24V出力によって更にリレーK2及びK3の動作が保持される。このときリレーK5が動作するので、バッテリBTからのリレーK2及びK3への電流は流れなくなっている。
【0032】
一方、信号送信手段4からの停止信号(電力供給の停止信号)S2が制御回路25に入力すると、リレーK7が動作し、スイッチK7が閉じるので、リレーK4が動作してスイッチK4−1及びK4−2が開くこととなり、リレーK2及びK3の自己保持が解除される。リレーK2の動作が停止するとスイッチK2が開くので、AC電源27からの電力供給が停止されることとなる。
【0033】
次に、上記透析治療用セントラルシステムの作用(制御方法)について図5に基づいて説明する。
透析治療が終了すると、自動運転を開始すべく信号送信手段4から洗浄を開始するための工程信号S3が送信される。これを受信した透析用監視装置2では、工程信号S3に従い洗浄が行われる。かかる洗浄においては、図2において、電磁バルブV1〜V3が閉じられるとともに、給水手段7からの清浄水の供給を行うことにより行われる。即ち、清浄水を透析液供給装置1及び透析用監視装置2内の各ラインに流すことにより、当該ラインを洗浄するのである。
【0034】
そして、所定時間経過の後、消毒を開始するための工程信号S4が信号送信手段4から送信される。これを受信した透析用監視装置2では、工程信号S4に従い消毒が行われる。かかる消毒は、図2において、電磁バルブV2及びV3が閉じられた状態を維持しつつ電磁バルブV1を開け、薬注ポンプPを駆動させることにより行われる。これにより、消毒液用タンク10から主ラインL1に消毒液が供給されて各ラインに流れ、薬剤による消毒を行うことができるのである。尚、かかる薬剤による消毒に代えて、熱湯による消毒とすることもできる。
【0035】
更に所定時間経過の後、消毒による薬剤を洗い流すべく、上記と同様の洗浄を開始するための工程信号S5が信号送信手段4から送信される。その後、洗浄のための所定時間が経過すると、次の透析治療を待機する状態(即ちプリセット状態)となるのであるが、かかる指示も信号送信手段4から送信される工程信号S2により行われる。この工程信号S2を制御回路25(図4参照)が受信すると、既述の如くAC電源27からの透析用監視装置2に対する電力供給が停止される。
【0036】
かかるプリセット終了直前において、信号送信手段4から工程信号S1が送信され、かかる信号S1を制御回路25が受信すると、既述の如くAC電源27からの透析用監視装置2に対する電力供給が復帰される。その後、透析治療を始めるまでに、洗浄を行うべき工程信号S6、及び液置換を行うべき工程信号S7が信号送信手段4から送信され、それら信号に従って各工程が行われる。液置換が終了すると、自動運転を終了するための工程信号S8が透析用監視装置2に送信され、次の透析治療が行われることとなる。
【0037】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば透析用監視装置2で収集したデータに基づき、透析治療が継続中であると認識された場合に、信号送信手段4から送信された電力供給を停止すべき工程信号S2を無視し得るよう構成してもよい。即ち、信号送信手段4の誤作動等により、透析治療が継続中であるにもかかわらず、電力供給を停止すべき工程信号S2が送信された場合、かかる工程信号S2を透析用監視装置2側で無効とするのである。
【0038】
具体的には、透析用監視装置2に配設され、バイパスコネクタの載置台(不図示)に、血液浄化器接続用カプラを接続した状態のバイパスコネクタ(不図示)が載置されているか否かを検出するセンサの検出値を透析液供給装置1に配線5を介して送信することにより、バイパスコネクタを検出していれば透析治療は行われていないと認識できるので、電力供給を停止すべき工程信号S2を有効とし、バイパスコネクタを検出していなければ透析治療は未だ行われていると認識できるので、当該工程信号S2を無効として無視するよう構成することができる。
【0039】
このように透析治療中であることを認識している場合の工程信号S2を無視して、当該工程信号S2に基づく電力供給の停止を行わないように制御することにより、透析治療における安全性を向上させることができる。勿論、透析治療が終了しているか否かの認識方法は、上記の如き方法に限定されず、透析用監視装置2が収集する他のデータに基づいて行うようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】
請求項1及び請求項3の発明によれば、送信される工程信号により、それぞれが独立して電力供給される複数の透析用監視装置における当該電力供給を停止又は復帰させるので、自動運転が行われる透析液供給装置及び透析用監視装置において、透析治療の合間における電力供給を停止させることができ、消費電力を低減することができるとともに、透析治療の合間にも電力供給され続けることによる種々不具合を解消することができる。
【0041】
請求項2及び請求項4の発明によれば、透析用監視装置で収集したデータに基づき、透析治療が継続中であると認識された場合に、送信された電力供給を停止すべき工程信号を無視し得るので、透析治療における安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透析治療用セントラルシステムの概略を示す模式図
【図2】本発明の透析治療用セントラルシステムにおける透析液供給装置の概略を示す模式図
【図3】本発明の透析治療用セントラルシステムにおける透析用監視装置の概略を示す模式図
【図4】本発明の透析治療用セントラルシステムにおけるパワーユニット及び制御回路をリレー回路に置き換えた等価回路を示す回路図
【図5】本発明の透析治療用セントラルシステムにおける自動運転時に行われる各種工程の動作タイミングを示す工程図
【符号の説明】
1…透析液供給装置
2…透析用監視装置
3…配管
4…信号送信手段
5…配線
6…分岐箱
7…給水手段
8…B原液用タンク
9…A原液用タンク
10…消毒液用タンク
11…加温器
12、13…ミキシングチャンバ
14…脱気ユニット
15…貯槽
16…B原液注入ポンプ
17…A原液注入ポンプ
18…送液ポンプ
19…加温器
20…脱気手段
21…複式ポンプ
22…除水ポンプ
23…ダイアライザ(血液浄化器)
24…血液回路
25…制御回路
26…パワーユニット
27…AC電源
28…AC/DC
29…DC/DC

Claims (4)

  1. 所定濃度の透析液を調製し、該透析液を送液する透析液供給装置と、
    該透析液供給装置から離間した位置に、患者に透析治療を施すための血液浄化器の数に対応して複数設置され、前記透析液供給装置から送られた透析液を夫々血液浄化器に供給するとともに、透析治療時の種々データを収集する複数の透析用監視装置と、
    前記透析液供給装置に配設され、当該透析液供給装置及び前記透析用監視装置が、透析治療が終了し次の透析治療が開始するまでの間の自動運転時に行われる洗浄工程、消毒工程、液置換工程、待機状態であるプリセット状態から成る各種工程の動作タイミングを指示すべく当該透析用監視装置に工程信号を送信する信号送信手段と、
    を備えた透析治療用セントラルシステムにおいて、
    前記複数の透析用監視装置のそれぞれが独立して電力供給されるとともに、前記信号送信手段から送られる工程信号により透析治療の合間における前記プリセット状態時の当該透析用監視装置に対する電力供給を停止させつつ前記プリセット状態終了直前において送られる工程信号にて当該透析用監視装置に対する電力供給の復帰を行い得るパワーユニットを具備したことを特徴とする透析治療用セントラルシステム。
  2. 前記透析用監視装置で収集したデータに基づき、透析治療が継続中であると認識された場合に、前記信号送信手段から送信された電力供給を停止すべき工程信号を無視し得ることを特徴とする請求項1記載の透析治療用セントラルシステム。
  3. 所定濃度の透析液を調製し、該透析液を送液する透析液供給装置と、
    該透析液供給装置から離間した位置に、患者に透析治療を施すための血液浄化器の数に対応して複数設置され、前記透析液供給装置から送られた透析液を夫々血液浄化器に供給するとともに、透析治療時の種々データを収集する複数の透析用監視装置と、
    を具備した透析治療用セントラルシステムの制御方法であって、
    前記透析液供給装置及び透析用監視装置が、透析治療が終了し次の透析治療が開始するまでの間の自動運転時に行われる洗浄工程、消毒工程、液置換工程、待機状態であるプリセット状態から成る各種工程の動作タイミングを工程信号によって指示するとともに、各々独立して電力供給されている前記透析用監視装置に対し、前記工程信号により透析治療の合間における前記プリセット状態時の当該透析用監視装置に対する電力供給を停止させつつ前記プリセット状態終了直前において送られる工程信号にて当該透析用監視装置に対する電力供給の復帰をパワーユニットにて行わせることを特徴とする透析治療用セントラルシステムの制御方法。
  4. 前記透析用監視装置で収集したデータに基づき、透析治療が継続中であると認識された場合に、電力供給を停止すべき工程信号を無視することを特徴とする請求項3記載の透析治療用セントラルシステムの制御方法。
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