JP3988514B2 - 防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システム - Google Patents

防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークを介して、防犯灯ポールに備えた緊急警報機器から、緊急警報の通報先となる防犯監視制御サーバに通報するネットワーク型緊急通報システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、社会の要望に応えるべく、図10に示すように、市街地の防犯灯に監視制御機器や通信機器を設け、ネットワークを介して監視センターに通報するようにした特開2000−251502号公報などの多機能化防犯灯(街灯)ネットワークシステムが知られている。
【0003】
この多機能化防犯灯ネットワークシステムは、防犯灯100に、監視用カメラ111、緊急時用スピーカ112、マイク113、緊急呼出スイッチ114などの監視制御機器110を設けるとともに、通信用送受信機器120を設け、それら複数の防犯灯100、100、…をネットワークNTで接続している。また、ネットワークNTに接続される監視センター200を備えており、防犯灯100に備えられた緊急呼出スイッチ114が押下された場合、監視センター200へ通報されるようになっている。
【0004】
また、多機能化防犯灯ネットワークシステムは、監視用カメラ111を備えるため、監視センター200において、緊急呼出スイッチ114が押下された際に監視カメラにより撮像された画像を取得することも可能となっている。つまり、監視センター200では、緊急呼出スイッチ114が押下された防犯灯100を知ることができるとともに、その際の防犯灯100付近の撮像された画像も取得できる。このように、このシステムは、複数の遠隔地に存在する照明灯や防犯設備を監視センターにて一括に管理できるため、利便性に優れる通報システムとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、監視センター200では、防犯灯100から通報を受信し、監視用カメラ111の撮像画像を受信しても、その通報は緊急を要する通報であるにもかかわらず、その通報がどこで発生し通報されたものであるのかということは、監視センター2に待機する作業者にはわかりづらい場合があった。このため、作業者が、通報に対して迅速に対応しづらい場合があった。
【0006】
本発明は、かかる事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、監視センターにおける利便性をさらに向上させる防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システムの提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システムは、照明灯と、緊急呼出スイッチと、監視カメラおよび通報者を撮像する通報用カメラを有した緊急警報機器とを少なくとも備えた複数の防犯灯ポールと、それら緊急警報機器からの通報を受信すると該当する監視カメラが撮像する映像を表示部に表示する防犯監視制御サーバを備える監視センターとを、ネットワークに接続し構成した防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システムであって、緊急警報機器は、通報時に、防犯灯ポールに付与された識別情報を送信するとともに、防犯監視制御サーバは、当該システム内の防犯灯ポールの識別情報と位置座標情報を対応付けて管理する位置情報データベースと、位置座標情報に対応する地図情報を表示するための地図情報データベースとを備えるとともに、前記緊急警報機器からの通報を受信すると、通報受信時に取得される識別情報に基づき、該当する防犯灯ポールが位置する地図情報を検索し、検索した地図情報と、前記監視カメラの映像と、通報してきた防犯灯ポールの前記通報用カメラの映像とを表示部に併せて表示することを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明の防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システムは、請求項1の構成において、防犯監視制御サーバは、通報を送信した防犯灯ポールの位置座標を強調表示するようにしている。
【0009】
請求項3に係る発明の防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システムは、請求項1の構成において、防犯監視制御サーバは、通報を送信した防犯灯ポールの識別情報、及び通報日時を表示するようにしている。
【0010】
請求項4に係る発明の防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システムは、請求項1の構成において、表示部に表示する監視カメラの映像は、複数の防犯灯ポールについての監視カメラ映像を含んでいる
【0012】
請求項5に係る発明の防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システムは、請求項1の構成において、防犯監視制御サーバは、ポインティングデバイス等の入力手段を備え、入力手段により前記表示されたカメラ映像の1つが選択されると、選択された映像を拡大表示するようにしている。
【0013】
請求項6に係る発明の防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システムは、請求項1の構成において、防犯監視制御サーバは、通報にかかる情報を格納する履歴情報データベースを備え、少なくとも通報を送信した防犯灯ポールの、識別情報、通報日時、及び監視カメラの映像情報を保持するようにしている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、防犯灯ポールを用いたネットワーク型通報システムのシステム構成図を示しており、道路の路肩などに設置される複数の防犯灯ポール1、1、…に備える緊急警報機器10と、警察や監視センター2などに設置される防犯監視制御サーバ20とを、インターネットなどのネットワークNTを介して接続している。各緊急警報機器10、10、…と防犯監視制御サーバ20は、個々の機器を識別するための識別情報、及び通信に用いるIPアドレスを有しており、TCP/IPに基づく双方向の通信が可能となっている。つまり、ネットワークNTでは、防犯灯ポール1から送信される監視データや監視センターから送信される制御データが送受信される。なお、ネットワークNTは、ツイストペアケーブル、ADSL、光ファイバーケーブルなどの有線ネットワークや無線通信などネットワークにて構成される。
【0016】
図2は、防犯灯ポール1の略外観図を示している。防犯灯ポール1は、屋外に設置される街灯を多機能化したものであり、その先端には、照明灯11や監視カメラ2などが配設されるとともに、支柱には、通報のための緊急呼出スイッチ15や通報用マイク16などの緊急警報機器10が配設される。
【0017】
図3は、防犯灯ポール1のブロック図を示している。緊急警報機器10は、監視センターに通報を行うためのものであり、防犯灯ポールの先端に設置される照明灯11、監視用カメラ12、赤色灯13、緊急時用スピーカ14、及び、支柱の適切な位置に設置される緊急呼出スイッチ15、通報用マイク16、通報用スピーカ17、通報用カメラ18などの周辺機器を備える。また、緊急警報機器10は、機器本体内に、送受信部31、画像処理部32、音声処理部33、画像記憶部34、制御部35などを備える。
【0018】
照明灯11は、街灯として防犯灯ポール1の先端に配設される照明器具であり、タイマや照度センサなどにより制御される。また、後述する警報作動時には、防犯灯ポール1の周辺のライトアップを行う。
【0019】
監視用カメラ12は、防犯灯ポール1の周辺の状況を常時撮像するための可動式カメラであり、後述するように、防犯監視制御サーバ20において、パン・チルトといった撮像方向やズームといった焦点距離を制御することが可能となっている。また、撮像された画像は、画像処理部32で圧縮した画像ファイルが生成され、画像記憶部34に蓄積保存される。この画像記憶部34は、例えば1秒ごとに1コマ撮像した画像を600コマ分保存し、必要のなくなった画像については上書きを許可するようなFIFO式のバッファやリングバッファ等で構成される。
【0020】
赤色灯13及び緊急時用スピーカ14は、後述する警報作動時に、内部に備える回転式反射板を回転させ点灯したり、所定の警告音を大音量にて鳴動したりするものである。
【0021】
緊急呼出スイッチ15は、警報作動のトリガーとなるものであり、防犯灯ポール1の支柱の、適切な位置に設置される。ここで、適切な位置とは、例えば、通報者が緊急呼出スイッチ15を押下しやすい位置などを指す。この緊急呼出スイッチ15は、前述の防犯灯ポール1における所定動作のトリガーとなるとともに、防犯監視制御サーバ20への通報動作のトリガーになっている。なお、通報時の動作については、後に詳細に説明する。
【0022】
通報用マイク16、通報用スピーカ17は、通報者が監視センター2の作業者と通話するためのものである。ここでは、通報時に、緊急呼出スイッチ15が押下されると、監視センター2における防犯監視制御サーバ20との間の通話路が確立される。そして、通報マイク15からの音声入力は、スピーカーアンプを介し、音声処理部33にて音声圧縮されるとともに、監視センター2に伝送される。一方で、監視センター2からの音声入力は、音声処理部33にて伸張されるとともに、スピーカーアンプを介して通報用スピーカ16に出力される。なお、ここでの音声通話は、VoIP技術を用いている。
【0023】
通報用カメラ18は、通報者と監視センター2の作業者の通話を補助するものである。通報時においては、通報用カメラ18からの映像は、画像処理部32にて画像圧縮されるとともに、監視センター2に伝送される。また、監視用カメラ12と同様に、その映像は、画像記憶部34に蓄積保存される。
【0024】
また、防犯灯ポール1は、近接する複数の防犯灯ポールごとにグループ化され、グループごとに、HUBやルーターなどの通信機器を備える。これらグループの情報は、防犯監視制御サーバ20において防犯灯ポール1の識別情報と併せて管理されるとともに、グループごとにサブネットマスクを設定することも可能であり、例えば、一斉同報通信により同一グループ内の防犯灯ポール1、1、…の赤色灯13を点灯させるなどの一斉制御を行うことが可能となっている。このグループの設定は、防犯監視制御サーバ20において設定することが可能となっている。なお、前述の画像処理部32や画像記憶部34は、各防犯灯ポール1に備えるものでなく、グループごとに備えるよう構成してもよい。
【0025】
監視センター2は、ネットワーク型緊急通報システムを管理するものであり、ネットワークNTに接続される。監視センター2は、緊急通報システムを管理する防犯監視制御サーバ20を備えるとともに、ディスプレイ装置等により構成されるシステム内の状態を表示する表示部40、ポインティングデバイスやキーボートにより構成される入力部50、通話時の音声の入出力のためのスピーカ60及びマイク61などの周辺機器を備えている。
【0026】
図4は、防犯監視制御サーバ20のブロック図を示している。防犯監視制御サーバ20は、主制御部21、送受信部22、画像保存部23、画像処理部24、音声処理部25、位置情報データベースDB1、地図情報データベースDB2、履歴情報データベースDB3などを有する。
【0027】
主制御部21は、CPUやメモリなどのハードウェアや、OSやアプリケーションプログラムなどのソフトウェアから構成されるものであり、防犯監視制御サーバ20の動作を制御するものである。ここでのアプリケーションプログラムとは、例えば、緊急通報イベント処理を行うアプリケーションや、監視カメラ画像返信イベント処理を行うアプリケーションなどが含まれる。また、主制御部21は、データベース操作するためのアプリケーションを含んでおり、後述するデータベースとの間で、データの検索、登録、削除などの操作を行う。例えば、データベースの操作にかかる要求があった場合には、その要求に応じて主制御部21にて動作するアプリケーションにより該当するデータベースを操作するようになっている。
【0028】
主制御部21にかかる一般的な動作を説明すると、送受信部22において、防犯灯ポール1、1、…から送信される監視データを受信すると、その監視データの内容は、主制御部21に受け渡される。主制御部21は、その内容を解析することにより、例えば、その内容が緊急通報イベントや監視カメラ画像返信イベントであるといった、どのイベント種別を判断し、そのイベントに応じた処理を行う。例えば、緊急通報イベントの場合、通報が送信された防犯灯ポール1への通話要求となる制御データを作成したり、所定のデータベースに対して操作要求を出したりというような処理が行われる。
【0029】
画像保存部23は、防犯灯ポール1において撮像され防犯監視制御サーバ20に送信される画像を保存するためのものであり、例えば、ハードディスク装置やDVDレコーダー等の記憶装置により構成される。ここで保存される画像は、例えば、通報番号などをファイル名としたMPEG形式のファイルとして保存される。これにより、通報が送信された防犯灯ポール1の監視用12カメラの映像は、防犯監視制御サーバ20の画像保存部23にて管理されることになる。
【0030】
位置情報データベースDB1は、防犯灯ポール1に関するデータベースであり、防犯灯ポールの識別情報、設置場所、グループ、位置座標情報などが格納されている。この位置情報データベースでは、識別情報を主キーとして、位置座標情報をはじめとする各種情報を取得することが可能となっている。
【0031】
地図情報データベースDB2は、表示部40に表示するための地図に関するデータベースであり、位置座標情報と、位置座標情報に対応する地図のファイル名などが格納されている。この地図情報データベースDB2は、位置座標情報を主キーとして、対応する地図を取得することが可能となっている。
【0032】
履歴情報データベースDB3は、通報にかかる情報を格納するためのものであり、履歴を管理するためのインデックスとなる通報番号、通報してきた防犯灯ポールの識別情報、通報日時、監視用カメラ12の映像情報、通報種別、処理結果種別などが表示される。
【0033】
図5に、通報種別および処理結果種別の内容を示す。図5(A)は通報種別の内容を示している。通報種別は、監視用カメラ12の画像を画像保存部23に保存する際に設定登録するものであり、強盗、略取誘拐、ひったくり等の項目から構成される。また、図5(B)は処理結果種別の内容を示している。処理結果種別は、監視用カメラ12の画像を画像保存部23に保存した後に設定登録するものであり、検挙―被害なし、未検挙―被害ありなどの項目から構成される。これら通報種別及び処理結果種別は、作業者がGUIにより設定登録することが可能となっており、登録した内容は履歴情報データベースDB3に登録される。
【0034】
図6は、監視センター2の表示部40における画面構成例である。左画面は、防犯灯ポールの位置を示す地図が表示される。この左画面は、地図表示エリア41、警報発生通知エリア42、警報詳細表示エリア43、防犯灯選択エリア44、システム操作メニューエリア45などから構成される。
【0035】
地図表示エリア41は、通報が送信された場所の地図を表示する領域であり、防犯灯ポールからの通報を防犯監視制御サーバ20が受信すると、通報を送信した防犯灯ポール1を、地図表示エリア41のほぼ中央に位置するようにした地図を表示する。この際、通常時においては、地図上の防犯灯ポール1、1、…の位置を青色のマークにて表示するが、通報時においては、通報を送信した防犯灯ポール1の位置を赤色のマークにて表示するとともに、拡大点滅表示するなどして強調表示するようになっている。
【0036】
警報発生通知エリア42は、警報有無を表示するための領域であり、例えば、赤色灯を示すアイコンを用いて警報表示を行うとともに、スピーカ60にて警報音を出力する。
【0037】
警報内容表示エリア43は、警報の内容を表示するための領域であり、通報を送信した防犯灯ポール1の識別情報と通報日時を表示する。また、警報内容表示エリア43は、警報解除ボタンを備えており、警報を解除する場合には、そのボタン操作により警報表示されている防犯灯ポール1に制御コマンドが送信されるため、その防犯灯ポール1の警報動作を解除することができる。
【0038】
防犯灯選択エリア44は、表示する防犯灯ポールの地図を切り替えるための領域であり、防犯灯ポールの識別情報に対応する複数の表示選択ボタン44、44、…を備える。この表示選択ボタンは、ラジオボタンの如く常時1つが選択されるようになっており、その選択される表示選択ボタンが変更されると、地図表示エリア41に表示される地図が切り替わる。また、この地図表示エリア41に表示される地図が切り替わるのと同期して、後述する右画面のアクティブとなる画面が切り替わるようになっている。
【0039】
システム操作メニューエリア45は、表示部40における表示を終了したり、防犯灯ポール1からの映像の伝送を中断したりするなどといったシステム全体にかかわる操作の操作メニューを用意している。
【0040】
右画面は、防犯灯ポールで撮像される監視用カメラ12の映像を表示する。また、通報時においては、通報を送信した防犯灯ポール1で撮像される映像46aだけでなく、その防犯灯ポール1の周辺の、同一グループ内の他の防犯灯ポール1、1…で撮像される監視用カメラ12の映像46b、46cも表示する。また、通報用カメラ18の映像47も併せて表示するようになっている。ここでは、これらの監視用カメラ12および通報用カメラ18から伝送される映像は、画面を分割した複数の小画面に表示される。
【0041】
また、分割された小画面の周辺には、カメラ制御エリア48を備える。このカメラ制御エリアは、該当する監視用カメラ12または通報用カメラ18のカメラ制御を行うためのものであり、パン・チルト・ズームを操作するためのGUIにて構成される。ここでは、例えば、下部のスクロールバーがパン、左部がチルト、上部がズームの操作をするようになっている。
【0042】
そして、この小画面のうち1つは、個別カメラ制御が可能なアクティブ画面として選択できるようになっているため、このアクティブ画面に該当するカメラの操作が可能になっている。なお、通報時には、通報を送信してきた防犯灯ポール1がアクティブ画面として選択される。
【0043】
次に、ネットワーク型緊急通報システムの通報時の動作について説明する。
【0044】
図7は、防犯灯ポール1に備える緊急呼出スイッチ15が押下された場合の、監視センター2の表示部40に地図を表示するまでのシーケンスを示している。
【0045】
通報者が、防犯灯ポール1に備える緊急呼出スイッチ15を押下すると(S1)、防犯灯ポールの制御部35は、監視センター2に通報するための、自己の識別情報を含む監視データを作成し、送受信部31を介して(S2)、監視センター2へ送信する(S3)。
【0046】
監視センター2の送受信部22では、送信された監視データが受信される(S4)。主制御部21は、この監視データを解析し、解析した内容から通報してきた防犯灯ポールの識別情報を取得するとともに、その情報に基づく位置情報を、位置情報データベースに問い合わせる(S5)。位置情報データベースは、識別情報をキーに検索し、位置座標情報を含む検索結果を主制御部21に返答する。返答を受けた主制御部21は、検索結果の位置座標情報に基づく地図情報を、地図情報データベースに問い合わせる(S6)。地図情報データベースは、問い合わせのあった地図を検索し返答する。そして、主制御部21は、返答された地図ファイルを表示部40に表示する(S7)。このようにして、監視センター2において、通報が送信された防犯灯ポール1をほぼ中央に表示する地図が表示される。
【0047】
図8は、防犯灯ポール1に備える緊急呼出スイッチ15が押下された場合の、監視センター2の通話部と防犯灯ポールの通話部との通話にかかるシーケンスを示している。なお、通話部とは、音声処理部33と、通話用マイク16、通話用スピーカ17、または、マイク60、スピーカ61などを指す。
【0048】
通報者が、防犯灯ポール1に備える緊急呼出スイッチ15を押下すると(S1)、防犯灯ポールの制御部35は、監視センター2に通報するための、自己の識別情報を含む監視データを作成し、送受信部31を介して(S2)、監視センター2へ送信する(S3)。監視センター2の送受信部22では、送信された監視データが受信される(S4)。主制御部21は、この監視データを解析し、解析した内容から通報してきた防犯灯ポールの識別情報を取得する。
【0049】
ここで、主制御部21は、前述のような表示部40に地図を表示するための処理を行うとともに、監視データに基づき、通話路を確立するための制御データを作成し、通報を送信した防犯灯ポール1に送信する(S8)。また、一方で、通話部に対し通話をするための処理を命令する(S9)。
【0050】
この制御データを受信した防犯灯ポール1の制御部35は、通話部となる音声処理部33に対して通話路を確立するための処理を命令する(S10)。ここで、通話路が確立すると、音声の伝送にかかる帯域制御などの処理を行った後、監視センター2に音声の伝送を行う(S11)。このようにして、通報を送信した防犯灯ポール1と、監視センター2との間の通話が可能となる。
【0051】
図9は、防犯灯ポール1に備える緊急呼出スイッチ15が押下された場合の、監視センター2の表示部40に防犯灯ポールの監視用カメラ12の映像を表示するまでのシーケンスを示している。
【0052】
通報者が、防犯灯ポール1に備える緊急呼出スイッチ15を押下すると(S1)、防犯灯ポールの制御部35は、監視センター2に通報するための、自己の識別情報を含む監視データを作成し、送受信部31を介して(S2)、監視センター2へ送信する(S3)。監視センター2の送受信部22では、送信された監視データが受信される(S4)。主制御部21は、この監視データを解析し、解析した内容から通報してきた防犯灯ポールの識別情報を取得する。
【0053】
ここで、主制御部21は、前述のような表示部40に地図を表示するための処理や通話のための処理を行うとともに、監視データに基づき、監視カメラ12の映像を伝送を要求する制御データを作成し、通報を送信した防犯灯ポール1に送信する(S12)。要求を受けた防犯灯ポール1の制御部35は、監視カメラ12において撮像される映像を画像記憶部34に記憶するとともに(S13)、画像処理部32にて撮像した映像を圧縮し、映像の伝送にかかる帯域制御などの処理を行った後、監視センター2に映像を伝送する(S14)。
【0054】
監視センター2の主制御部21は、伝送されてきた映像を、画像保存部23に保存するとともに(S15)、表示部40に映像を表示する。このようにして、通報を送信した防犯灯ポール1の監視用カメラ12の映像を、監視センター2の表示部40に表示することが可能となる。
【0055】
このように、緊急警報機器10は、通報時に、防犯灯ポール1に付与された識別情報を送信するとともに、防犯監視制御サーバ20は、当該システム内の防犯灯ポール1の識別情報と位置座標情報を対応付けて管理する位置情報データベースDB1と、位置座標情報に対応する地図情報を表示するための地図情報データベースDB2とを備えるとともに、緊急警報機器10からの通報を受信すると、識別情報に基づき、該当する防犯灯ポールが位置する地図情報を検索し、表示部40において監視カメラ12の映像と併せて表示するので、表示部40において、通報のあった防犯灯ポール1の位置を地図情報を表示するとともにその監視用カメラ12の映像を併せて表示するため、監視センターにおける利便性をさらに向上させることができる。
【0056】
また、防犯監視制御サーバ20は、通報を送信した防犯灯ポールの位置座標を強調表示するので、通報があった防犯灯ポールの位置座標が強調表示されることにより、作業者が通報位置を迅速に把握することを補助することができる。そして、通報を送信した防犯灯ポールの識別情報、及び通報日時も表示するので、通報があった防犯灯ポールの識別情報や通報日時が画面上に表示されるため、作業者が通報位置を正確に把握することを補助することができる。
【0057】
また、防犯監視制御サーバは、ポインティングデバイス等の入力手段を備え、表示部は複数の監視カメラの映像を分割表示するとともに、入力手段により該分割表示さえた画面の1つが選択されると、選択された画面の映像を拡大表示するので、作業者が注目したい画面を選択できるため利便性に優れる。そして、防犯監視制御サーバは、通報にかかる情報を格納する履歴情報データベースを備え、少なくとも通報を送信した防犯灯ポールの、識別情報、通報日時、及び監視カメラの映像情報を保持するので、通報にかかる情報である通報履歴を利用することが可能となる。
【0058】
以上、実施の形態を説明したが、これらには種々の変形が可能である。例えば、防犯灯ポールの地図情報と防犯灯ポールにおける監視用カメラの映像を、別々のディスプレイ装置にて表示するよう構成してもよい。この場合、それぞれの表示領域を広く設定することが可能となるため、作業者が画面の情報を理解しやすい。また、監視用カメラに全方位カメラを用いても良い。この場合、カメラの撮像領域における死角領域が縮小されるため、カメラ操作を容易にすることが可能となる。また、防犯灯ポールが送信する識別情報にGPS情報を含むようにしても良い。この場合、防犯監視制御サーバにおける処理が低減にされる。
【0059】
【発明の効果】
請求項1に係る発明の防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システムは、照明灯と、緊急呼出スイッチと、監視カメラを含む緊急警報機器とを少なくとも備えた複数の防犯灯ポールと、それら緊急警報機器からの通報を受信すると該当する監視カメラが撮像する映像を表示部に表示する防犯監視制御サーバを備える監視センターとを、ネットワークに接続し構成した防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システムであって、緊急警報機器は、通報時に、防犯灯ポールに付与された識別情報を送信するとともに、防犯監視制御サーバは、当該システム内の防犯灯ポールの識別情報と位置座標情報を対応付けて管理する位置情報データベースと、位置座標情報に対応する地図情報を表示するための地図情報データベースとを備えるとともに、前記緊急警報機器からの通報を受信すると、通報受信時に取得される識別情報に基づき、該当する防犯灯ポールが位置する地図情報を検索し、表示部において前記監視カメラの映像と併せて表示するので、表示部において通報のあった防犯灯ポールの位置を地図情報とともに表示するため、監視センターにおける利便性をさらに向上させることができる。また、緊急警報機器は通報用カメラを備えているので、通報者の映像を防犯監視制御サーバに送信でき、そのため通報時の利便性に優れている。
【0060】
請求項2に係る発明の防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システムは、請求項1の構成において、防犯監視制御サーバは、通報を送信した防犯灯ポールの位置座標を強調表示するので、通報があった防犯灯ポールの位置座標が強調表示されることにより、作業者が通報位置を迅速に把握することを補助することができる。
【0061】
請求項3に係る発明の防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システムは、請求項1の構成において、防犯監視制御サーバは、通報を送信した防犯灯ポールの識別情報、及び通報日時を表示するので、通報があった防犯灯ポールの識別情報や通報日時が画面上に表示されるため、作業者が通報位置を正確に把握することを補助することができる。
【0063】
請求項4に係る発明の防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システムは、請求項1の構成において、防犯監視制御サーバは、表示部において、1または複数の監視カメラの映像と、通報用カメラの映像を併せて表示するので、作業者が注目したい画面を選択できるため利便性に優れる。
【0064】
請求項5に係る発明の防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システムは、請求項1の構成において、防犯監視制御サーバは、ポインティングデバイス等の入力手段を備え、入力手段により前記表示されたカメラ映像の1つが選択されると、選択された映像を拡大表示するようにしているので、作業者が注目したい画面を選択し拡大できるため利便性に優れる。
【0065】
請求項6に係る発明の防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システムは、請求項1の構成において、防犯監視制御サーバは、通報にかかる情報を格納する履歴情報データベースを備え、少なくとも通報を送信した防犯灯ポールの、識別情報、通報日時、及び監視カメラの映像情報を保持するので、通報にかかる情報である通報履歴を利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態にかかる防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システムのシステム構成図である。
【図2】同上の防犯灯ポールの略外観図である。
【図3】同上の防犯灯ポールのブロック図である。
【図4】同上の防犯監視制御サーバのブロック図である。
【図5】同上の通報種別を示す説明図(a)、および処理結果種別を示す説明図(b)である。
【図6】同上の表示部における画面構成例である。
【図7】同上の通報時の地図情報表示にかかるシーケンス図である。
【図8】同上の通報時の通話にかかるシーケンス図である。
【図9】同上の通報時の監視カメラ映像の伝送にかかるシーケンス図である。
【図10】従来例のネットワーク型緊急通報システムのシステム構成図である。
【符号の説明】
1 防犯灯ポール
10 緊急警報機器
11 照明灯
12 監視用カメラ
15 緊急呼出スイッチ
2 監視センター
20 防犯監視制御サーバ
40 表示部
NT ネットワーク

Claims (6)

  1. 緊急呼出スイッチと、監視カメラおよび通報者を撮像する通報用カメラを有した緊急警報機器とを少なくとも備えた複数の防犯灯ポールと、それら緊急警報機器からの通報を受信すると該当する監視カメラが撮像する映像を表示部に表示する防犯監視制御サーバを備える監視センターとを、ネットワークに接続し構成した防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システムであって、
    緊急警報機器は、通報時に、防犯灯ポールに付与された識別情報を送信するとともに、
    防犯監視制御サーバは、当該システム内の防犯灯ポールの識別情報と位置座標情報を対応付けて管理する位置情報データベースと、位置座標情報に対応する地図情報を表示するための地図情報データベースとを備えるとともに、前記緊急警報機器からの通報を受信すると、通報受信時に取得される識別情報に基づき、該当する防犯灯ポールが位置する地図情報を検索し、検索した地図情報と、前記監視カメラの映像と、通報してきた防犯灯ポールの前記通報用カメラの映像とを表示部に併せて表示することを特徴とする防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システム。
  2. 前記防犯監視制御サーバは、通報を送信した防犯灯ポールの位置座標を強調表示する請求項1に記載の防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システム。
  3. 前記防犯監視制御サーバは、通報を送信した防犯灯ポールの識別情報、及び通報日時を表示する請求項1に記載の防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システム。
  4. 前記表示部に表示する監視カメラの映像は、複数の防犯灯ポールについての監視カメラ映像を含んでいる請求項1に記載の防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システム。
  5. 前記防犯監視制御サーバは、ポインティングデバイス等の入力手段を備え、入力手段により前記表示されたカメラ映像の1つが選択されると、選択された映像を拡大表示する請求項1に記載の防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システム。
  6. 前記防犯監視制御サーバは、通報にかかる情報を格納する履歴情報データベースを備え、少なくとも通報を送信した防犯灯ポールの、識別情報、通報日時、及び監視カメラの映像情報を保持する請求項1に記載の防犯灯ポールを用いたネットワーク型緊急通報システム。
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