JP2004140586A - 侵入監視システムとその制御装置と監視用端末装置と侵入監視プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】駐車場等をカメラで撮影しながら監視する業務で、監視員の負担を軽減して効率的に監視業務をする。
【解決手段】監視対象を撮影する監視カメラ1と、監視カメラの撮影した画像を処理する制御装置10と、監視対象とネットワークを通じて接続された監視用の端末装置12と15とを備える。制御装置10は、撮影した動画を端末装置12に送信し、不審者の侵入検知時刻と監視対象とを特定する警報信号を端末装置10に送信する。警報信号の送信時刻を含む所定範囲の時間内に撮影した静止画群は、端末装置15に転送される。
【選択図】 図1
【解決手段】監視対象を撮影する監視カメラ1と、監視カメラの撮影した画像を処理する制御装置10と、監視対象とネットワークを通じて接続された監視用の端末装置12と15とを備える。制御装置10は、撮影した動画を端末装置12に送信し、不審者の侵入検知時刻と監視対象とを特定する警報信号を端末装置10に送信する。警報信号の送信時刻を含む所定範囲の時間内に撮影した静止画群は、端末装置15に転送される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防犯等の目的で、監視カメラを用いて遠隔監視を行なう、侵入監視システムとその制御装置と監視用端末装置と侵入監視プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
駐車場や建物などに不審者が侵入した場合に、これを監視カメラで監視することが行なわれている(特許文献1参照)。監視カメラは駐車場の各部に設置され、監視対象を撮影する。撮影をした画像は監視所の端末装置に映し出される。不審者を発見したときは、例えば、非常ベルやスピーカを用いて警報を発すると同時に警備員が駆けつける。
【特許文献1】
特開2002−183850
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
監視対象が広大な駐車場であって、警備員の数が少数であるほど、監視カメラによる監視システムは威力を発揮する。しかしながら、警備員が常に監視所にいて、端末装置の画面を監視していないと、不審者の侵入に対して速やかな対処ができない。監視対象はビデオカメラ等により自動的に録画されるが、録画された画面中から不審者の写った画面を見つけ出すのは容易ではない。さらに、不信者が移動していると監視員が現場へ駆けつけたときに不審者を見つけるのが容易でない。
本発明は以上の点に着目してなされたもので、監視員の負担を軽減して効率的に監視業務のできる侵入検知システムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の点を解決するため次の構成を採用する。
〈構成1〉
監視対象を撮影する監視カメラと、監視カメラの撮影した画像を処理する制御装置と、この制御装置とネットワークを通じて接続された監視用の端末装置とを備え、上記制御装置には、監視対象を撮影した動画をネットワークを通じて上記端末装置に送信する手段と、監視対象を所定の時間間隔で撮影した静止画群を記憶する手段と、監視対象近傍に配置した侵入センサの出力に基づいて、侵入検知時刻と監視対象とを特定する警報信号を上記端末装置に送信する手段と、送信した警報信号に対する上記端末装置の応答を受信したとき、上記警報信号の送信時刻を含む所定範囲の時間内に撮影した静止画群を、上記ネットワークを通じて上記端末装置に送信する手段を備えたことを特徴とする侵入監視システム。
【0005】
監視対象とは、例えば、駐車場とか、ビルのエントランスといった場所である。監視対象は、建物でも、自動車のような移動体でも、動物でも、なんでもよい。監視カメラの撮影した画像は、制御装置により処理される。処理の内容は任意である。そのまま記憶装置に記憶しても良いし、一定の加工をしても構わない。制御装置と監視用の端末装置とはネットワークを通じて接続されている。監視対象を常時遠隔監視するために、動画撮影画像が監視所のモニタに表示される。しかしながら、動画は情報量が多くてネットワークのトラフィックを増大させるため、1コマあたりのデータ量が制限され、解像度が悪いのが難点である。そこで、別途解像度の高い静止画を撮影しておき、不審者の侵入を検知したときに、ネットワークを通じて該当する部分の静止画を監視所の端末装置に送信する。制御装置は、監視対象を所定の時間間隔で撮影した静止画群を記憶する。静止画の解像度は動画より高できる。撮影のための所定の時間間隔は任意である。監視対象中で移動をする侵入物の移動速度に応じて時間間隔を最適化すればよい。侵入物は人でも動物でも物でもよい。監視対象近傍に配置した侵入センサは、光学式、静電式、機械式等、任意である。監視対象近傍とは、監視対象への侵入物を検知できる範囲である。警報信号は、少なくとも侵入検知時刻と監視対象とを特定する情報を含む。端末装置は、警報信号に対する応答を制御装置に返す。応答の形式は任意である。制御装置は、端末装置に対して、警報信号の送信時刻を含む所定範囲の時間内に撮影した静止画群を送信する。この範囲の静止画像群には、新入物が撮影されているはずだから解析の対象になる。送信すべき静止画群のデータ量は少ないし、リアルタイムでないから送信速度は遅くて良く、トラフイックの増大を招かない。
【0006】
〈構成2〉
監視対象を撮影した動画をネットワークを通じて外部へ送信する手段と、監視対象を所定の時間間隔で撮影した静止画群を記憶する手段と、監視対象近傍に配置した侵入センサの出力に基づいて、侵入検知時刻と監視対象とを特定する警報信号を上記ネットワークを通じて外部へ送信する手段と、上記警報信号の送信時刻を含む所定範囲の時間内に撮影した静止画群を、上記ネットワークを通じて外部へ送信する手段を備えたことを特徴とする侵入監視システムの制御装置。
【0007】
構成1のシステムの制御装置部分の発明である。動画の送信先、警報信号の送信先、静止画群の送信先は、自由に選定してよい。ネットワークの構成も任意である。警報信号を送信したときは、制御装置に記憶しておいた静止画像をネットワークを通じて自動的に送信する。即ち、常時監視には動画を使用し、警報発生時に、現場の画像を解析するときは、解像度の高い静止画を送信する。静止画群を送信するので、侵入物の特定に最適な静止画を選択すればよい。
【0008】
〈構成3〉
構成2に記載の侵入監視システムの制御装置において、送信した警報信号に対する応答を受信したときに、上記警報信号の送信時刻を含む所定範囲の時間内に撮影した静止画群を、上記ネットワークを通じて送信する手段を備えたことを特徴とする侵入監視システムの制御装置。
【0009】
警報信号を受信する側には動画が送信されているから、画質悪くても監視対象をその場で確認できる。例えば、防犯のための監視であれば、人以外の侵入に対する警報信号を受けても応答を返さないでよい。これにより、制御装置は必要な静止画のみを送信し、無駄な送信処理が防止される。
【0010】
〈構成4〉
監視対象を撮影した動画をネットワークを通じて受信して、当該動画を記憶する手段と、侵入検知時刻と監視対象とを特定する警報信号を受信する手段と、この警報信号を受信したとき、当該警報信号受信時を含む所定時間内に上記監視対象を撮影した、静止画群の送信を要求する手段と、受信した静止画群と、上記警報信号をリンクさせて記憶する手段とを含むことを特徴とする侵入監視システムの監視用端末装置。
【0011】
構成1のシステムの監視用端末装置の発明である。警報信号を受信したとき、自動的にあるいは、任意の指示に基づいて、静止画群の送信を要求する。静止画を受信したときは、警報信号とリンクさせて記憶する。リンクさせるというのは、双方の情報を関係付けて取り出せる様にすることをいい、その手段は任意である。静止画と警報信号とをリンクさせるので、警報信号が発生したときに取得した静止画群をただちに取り出して、侵入物の特定作業をすすめることができる。
【0012】
〈構成5〉
構成1に記載の侵入監視システムにおいて、監視対象近傍に配置した認証装置により認証処理が正常終了した場合を除いて、侵入センサの出力に基づいて、警報信号を送信する手段を備えたことを特徴とする侵入監視システム。
【0013】
認証装置は任意の数だけ設けられる。認証装置は制御装置と一体化されていても分離していてもよい。認証方法は任意である。認証処理が正常終了したときは、入場権限のある者の入場と判断する。これにより、不審者の侵入時のみ警報信号が発せられる。
【0014】
〈構成6〉
構成1に記載の侵入監視システムにおいて、それぞれ異なる複数の場所に侵入センサと警報機器を配置し、侵入検知信号を出力した侵入センサ近傍の警報機器のみを動作させることを特徴とする侵入監視システム。
【0015】
警報機器とは、侵入者に対して音や光で警報を発する機能を持つ装置のことである。例えば、警察車両に搭載されているような回転灯やフラッシュライト等がある。侵入センサと警報機器の組が複数の場所に配置されている。侵入検知信号を出力した侵入センサ近傍の警報機器のみを動作させる。侵入者を追いかけるように侵入者の行く先々で警報を発するようにすれば、侵入者に対して高い威嚇効果が期待できる。さらに、警報機器は、侵入者の行く先々で回転灯等を作動させるから、侵入者のいる場所を駆けつけた警備員に視覚的に知らせる機能も持つ。
【0016】
〈構成7〉
監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知して侵入検知信号を出力する装置と、侵入検知信号により作動する警報機器とが、組になって一体化されたユニットが、上記監視対象範囲に複数配置されており、全てのユニットは、監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知したとき、いずれも、共通の監視先に警報信号を送信する手段を備え、かつ、上記各ユニットは、それぞれ監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知したとき、他のユニットとは独立に上記警報機器を作動させることを特徴とする侵入監視システム。
【0017】
構成6と同様の効果を得るもので、監視対象となる駐車場等に複数配置されるユニットの発明である。侵入検知信号を出力する装置と警報機器とが一組になったユニットが複数配置されている。ユニットは柱や箱やパネル等に収納されて物理的に一体化されているものをいう。共通の監視先とユニットとはネットワーク等で接続される。移動体とは不審者や不審物等であって、監視対象範囲を移動するもののことである。各ユニットは他のユニットとは独立に前記警報機器を作動させるので、ちょうど、移動体の行く先々で警報機器が作動する。
【0018】
〈構成8〉
構成1に記載の侵入監視システムにおいて、それぞれ異なる複数の場所に侵入センサと照明装置を配置し、侵入検知信号を出力した侵入センサ近傍の照明装置のみ、光量を増大させることを特徴とする侵入監視システム。
【0019】
光量を増大させるには、単体のランプの電源を操作して光量を増大させたり、予備のランプを追加点灯させるとよい。単に音や点滅光だけでなく、侵入者を照明で追跡して、高い威嚇効果を発揮する。また、非常時のみ光量を増大させて、カメラによる撮影画像を鮮明にし、常時は光量を少なくして電力消費を抑えることができる。
【0020】
〈構成9〉
監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知して侵入検知信号を出力する装置と、上記監視対象範囲を撮影するカメラと、侵入検知信号により上記カメラの撮影範囲の光量を増大させる照明とを備えたことを特徴とする侵入監視システム。
【0021】
監視対象となる駐車場等に配置されるユニットの発明である。非常時のみ光量を増大させて、カメラによる撮影画像を鮮明にし、常時は光量を少なくして電力消費を抑えることができる。このユニットは単体でも使用できる。
【0022】
〈構成10〉
監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知して侵入検知信号を出力する装置と、上記監視対象範囲を撮影するカメラと、侵入検知信号により上記カメラの光量を増大させる照明とが、組になって一体化されたユニットが、上記監視対象範囲に複数配置されており、全てのユニットは、監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知したとき、いずれも、共通の監視先に警報信号を送信する手段を備え、かつ、上記各ユニットは、それぞれ監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知したとき、他のユニットとは独立に上記照明の綱領を増大させることを特徴とする侵入監視システム。
【0023】
構成8のシステムの、監視対象となる駐車場等に複数配置されるユニットの発明である。侵入者を照明で追跡して威嚇効果を発揮する機能を持つ。
【0024】
〈構成11〉
構成1に記載の侵入監視システムにおいて、複数の侵入センサのうちのいずれかが侵入検知信号を出力したとき全ての警報機器を動作させて、全ての監視カメラで撮影した静止画群を、上記ネットワークを通じて上記端末装置に送信する手段を備えたことを特徴とする侵入監視システム。
【0025】
侵入センサや警報機器が備えられた駐車場等の監視対象で一斉に警報機器を動作させ、威嚇効果を高めるとともに、全てのカメラで撮影した画像を送信して、不審者の確認作業を容易にする。
【0026】
〈構成12〉
構成1に記載の侵入監視システムにおいて、複数の侵入センサのうちのいずれかから侵入検知信号を受信したとき、該当するカメラの撮影した静止画群をウェブサーバにアップロードする手段と、予め指定されたアドレスに、上記静止画群を閲覧できるアドレスを含む所定の警報通知を発信する手段とを備えたことを特徴とする侵入監視システム。
【0027】
警報通知は、電子メール等で、例えば、巡回中の監視員宛に送信される。また、同時にカメラの撮影した静止画群がウェブサーバにアップロードされる。監視員は電子メールに含まれるアドレス[URL(Uniform Resource Locator)]にアクセスして、監視カメラで撮影された画像を見る。これにより、監視員は、常に監視所で監視用のディスプレイをみていないでも、監視活動ができる。なお、該当するカメラ以外のカメラの撮影したものもアップロードして構わない。
【0028】
〈構成13〉
監視対象を撮影した動画をネットワークを通じて外部へ送信する処理と、監視対象を所定の時間間隔で撮影した静止画群を記憶する処理と、監視対象近傍に配置した侵入センサの出力に基づいて、侵入検知時刻と監視対象とを特定する警報信号を上記ネットワークを通じて外部へ送信する処理と、上記警報信号の送信時刻を含む所定範囲の時間内に撮影した静止画群を、上記ネットワークを通じて外部へ送信する処理とを、コンピュータに実行させることを特徴とする侵入監視プログラム。
【0029】
構成1のシステムの制御装置上で動作するコンピュータプログラムの発明である。
【0030】
〈構成14〉
監視対象を撮影した動画をネットワークを通じて受信して、当該動画を記憶する処理と、侵入検知時刻と監視対象とを特定する警報信号を受信する処理と、この警報信号を受信したとき、当該警報信号受信時を含む所定時間内に上記監視対象を撮影した、静止画群の送信を要求する処理と、受信した静止画群と、上記警報信号をリンクさせて記憶する処理とを、コンピュータ実行させることを特徴とする侵入監視プログラム。
【0031】
構成1のシステムの監視用端末装置上で動作するコンピュータプログラムの発明である。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて説明する。
図1は、本発明の侵入監視システム具体例を示すブロック図である。
図のシステムでは、監視対象を複数の監視カメラ1で撮影する。各監視カメラ1は、例えば、駐車場の各部に分散配置されており、駐車場の主要部を監視できるようになっている。制御装置10は、駐車場のゲート等に1台設置されている。制御装置10は、ネットワークを介して監視員等の常駐する監視用の端末装置12や15に接続されている。制御装置10は、スイッチ回路5、ハードディスク6、インターフェイス8、インターフェイス7、ハブ9を備える。端末装置12は記憶装置13を備える。端末装置15は、記憶装置20、警報受信機23、メール送信機24を備える。
【0033】
監視カメラ1は、制御装置10のスイッチ回路5に接続されている。スイッチ回路5は、複数の監視カメラ1の信号を順に選択してハードディスク6に接続するスイッチングハブ等からなる。各監視カメラ1の出力信号は、順番に選択されて、ハードディスク6に記録される。このハードディスク6は、インターフェイス7を介してハブ(ネットワーク接続装置)9に接続されている。また、スイッチ回路5は、FTP(ファイル転送プロトコロル)インターフェイス8を介してハブ9に接続されている。ハブ9は、光ファイバケーブルなどの通信回線とハブ11を介して監視用の端末装置12と15に接続されている。FTPインターフェイス8は、別の通信回線を介して監視用の端末装置15に直接接続されている。
【0034】
監視用の端末装置12は、監視画像をリアルタイムで受信して保存する。監視用の端末装置12に接続された記憶装置13には、監視カメラ1で撮影された動画14が記憶される。また、端末装置15の記憶装置20には、制御装置10から警報信号が受信された時に、警報履歴21と静止画22とが記憶される。警報履歴21とは警報が発せられた時刻や場所等を含む情報を継続的に蓄積したものである。静止画22とは、1枚ずつ別々に撮影された画像データで、後で説明するように、インターネットに接続されたウェブサーバにアップロードして閲覧できるような形式のデータである。なお、図の記憶装置20に記憶された警報履歴21はウェブページ化されており、静止画22とリンクしてして、ネットワークを通じて閲覧できる形式になっている。制御装置10から電波で送信された警報信号は、警報受信機23により受信される。図の例では、警報信号が監視用の端末装置15に受信された時、監視者の携帯電話などにメールを送信するメール送信機24が設けられている。
【0035】
図2は、侵入センサと警報機器の具体的なブロック図である。
侵入センサと警報機器はいずれも、後で図3を用いて説明するように電柱や箱等に一体化されて組み込まれている。図に示すように、例えば、駐車場に車両30が侵入すると、侵入センサ31がこれを検出する。侵入センサ31は、電気的にあるいは光学的にあるいは音響的に車両30の侵入を検出する既知のセンサである。識別装置32は、識別信号受信器34が受信した、例えば、IDカードなどの送信する識別信号を受け入れて、予め登録された内容の識別信号かどうかを判定する機能を持つ。既登録の識別信号を受信したときは、正常に認証処理が終了する。正常に認証処理が終了した場合には、侵入センサ31が車両30を検出しても、警報信号が発せられることはない。一方、例えば、会社の社員以外の者が車両30を操作して駐車場に侵入してきた場合には、承認処理が正常に終了しない。この場合に識別装置32は、侵入センサ31の出力信号を警報送信機33に転送する。警報送信機33は、警報信号を監視用の端末装置側に送信する。これが図1に示す警報受信機23に受信される。
【0036】
図2(b)は、侵入センサ等を含む警報機器の配線図である。
この警報機器は、例えば、車両30の侵入を検知するべき任意の場所に取り付けられる。駐車場の場合には、駐車場の各所に据え付けられる。この装置は、電源40によって駆動される。タイマ41は、侵入センサが動作する時間を設定するためのものである。例えば、24時間監視の場合には、タイマ41は、常にスイッチ51、52、53、54をオンにしている。また、例えば、夜間だけ監視をする場合には、スイッチ51から54を夜間だけオンする。DS43は昼光センサである。例えば昼間は駐車場に監視員が常駐しているなら、昼間は監視動作をしないでよい。だから、昼は回路をオフにしている。CS44は、人の侵入を感知するセンサである。人が近づいた場合に、これを検出する。R42はリレーである。即ち、夜間であって、侵入センサに人が近づいたときにリレーR42がオンする。
【0037】
リレーR42がオンになると、スイッチ52から54がオンになり、スピーカ45、パトライト46、及びフラッシュライト47が同時に動作する。スピーカ45は、警報音を発生させる。パトライト46は、回転灯を点灯させる。フラッシュライト47は、撮影用の光を侵入者にあてる役割を持つ。なお、照明を明るくして鮮明な写真を撮影したいときは、このフラッシュライトに代えて写真撮影用のランプを点灯するとよい。警報送信機48は、リレー42が動作した時にその信号を検出し、警報信号を生成して、電波で送信する機能を持つ。図2(a)に示す例では、この警報送受信機の動作を識別装置32で制御する。なお、認証処理が不要な場合には図の(a)に示す構成は採用せず、(b)に示す装置のみが使用されるとよい。
【0038】
図3は、電柱に取り付けられた警報機器の具体例を示す斜視図である。
図に示すように電柱60の最上部には、タイマ61が取り付けられている。タイマ60は警報機器の動作時間を決める。パトライト62とスピーカ63とは同一のケース内に組み立てられ、タイマ61の直下に固定されている。また、監視カメラ64は、ちょうど車両やその運転手が撮影できるような高さに取り付けられる。侵入センサ65は、車両を検知しやすい位置に取り付けられる。これらに対して、図示しない電源から駆動電力が供給され、各電柱でそれぞれ独自に侵入者を検出し、警報信号を送信するよう動作する。
【0039】
図1に戻って、上記のような多数の監視対象の近くに配置された監視カメラ1は、それぞれ監視対象を撮影した動画像をハードディスク6に一時記憶させる。その動画は、自動的に継続的にハブ9と11を介して端末装置12に送信され、ディスプレイに表示される。またその内容が記憶装置13に記憶される。即ち、このような状態で監視対象は、端末装置12のある監視所で遠隔監視される。
【0040】
一方、図2を用いて説明したような侵入センサによって不審者の侵入を検知した場合には、識別装置32が認証処理の正常終了を検知できないため、警報信号が警報送信機33により送信される。この警報信号は、図1に示した警報受信機23により受信される。端末装置15は、警報信号を受信すると、その内容を警報履歴21に追加記録すると共に、FTPインターフェイス8に対して、静止画を転送するよう要求する。監視カメラ1は、所定のタイミングで常に一定以上の解像度の静止画を撮影し、ハードディスク6に記憶している。警報信号が端末装置15に受信されると、その警報信号が受信されたタイミングの前後の、例えば、数分間に撮影した何枚かの静止画を端末装置15に転送する。FTPインターフェイス8は、ハードディスク6から該当する静止画を読み込み、ハブ9と11を介して端末装置15に自動的に転送する。静止画は、記憶装置20に記憶される。
【0041】
この静止画には、後で説明するように警報信号受信の際に取得した警報履歴情報、即ち、監視対象の場所と撮影時間などの情報がリンクされる。こうして、ある警報信号を受信した場合には、その警報履歴データと静止画データとがリンクされて記憶装置20にウェブページ形式で記憶される。管理者は、このウェブページを閲覧しながら不審な侵入者の判定や被害確認などの作業を行うことができる。また、警報受信機23が警報を受信した時、メール送信機24は、警報を受信した旨のメールを生成し、監視担当者の携帯電話に電子メールを送信する。通常、監視責任者は、端末装置12を常に監視している。しかしながら、例えば、駐車場の見回りをしたり、あるいはその他、他の場所の見回りなどによって端末装置12を離れることがある。この場合には、メール送信機24から受信したメールに基づいて静止画22を携帯電話で閲覧し、駐車場に急行するといった処置を取ることができる。端末装置15をウェブサーバとして機能させ、携帯電話を用いて閲覧可能にすることで、任意の場所で撮影画像などの確認ができる。また、画像をウェブページ全体でなく一部ずつ閲覧することで、携帯電話のメモリ容量不足を補える。
【0042】
図4は、メールの内容とウェブページの具体例を示す説明図である。
図に示すメール文70には、件名とその内容が示されている。このメールは、南駐車場の監視カメラによって不審者を検出した旨を示すメッセージで、不審者侵入検出時間や、静止画を記憶させた記憶装置のURLなどを含んでいる。ここで、そのURLの部分をクリックすると、図に示すようなウェブページ75が表示される。ここには、サムネイル76と具体的な静止画77とが表示されている。サムネイル76には、警報信号送信時に取得した全ての静止画の縮小画面が表示されている。そのいずれかをクリックすると、画面77が表示される。サムネイル76と静止画77とは、同時に表示されなくてもよい。即ち、別々の画面に順に表示されて構わない。
【0043】
ウェブページ75の画面は、ボタン78によってページの切り替えが可能である。このような静止画群を、警報信号受信時に端末装置15で取得することによって、鮮明な静止画を用いた不審者の確認や特定が可能になる。さらに、鮮明な画像をウェブページにしてネットワークを通じて提供できる。静止画77を画面70に示したような情報、即ち、警報履歴21とリンクさせて記憶装置20に記憶させておくことによって、常に両者を一体に取り出して、警報信号ごとに不審者の確認を行うことができる。
【0044】
静止画は、侵入を検出した侵入センサの近くにある監視カメラで撮影した1群の画像データである。撮影時間間隔は、侵入者を撮影できるようなタイミングで、例えば、1秒とか、数秒に1回といった間隔でよい。動画よりも充分に鮮明な解像度の高い画像を撮影するとよい。通常は、撮影した静止画を制御装置10のハードディスク6に記憶させるので、制御装置10と端末装置12や15との間の通信回線のトラフィックを増大させない。また、駐車場に多数の電柱が設けられ、これら全てに監視カメラが取り付けられているような場合に、いずれかの侵入センサが侵入検知信号を出力した時、全ての監視カメラによって静止画を撮影し、これを端末装置15に送信するようにしても構わない。図1に示したハードディスク6に一時的に静止画を記憶させておけばよいから、送信タイミングは若干ずれても構わない。一斉に撮影した画像を順番に送信すればよい。これによって警報信号が送信された時、駐車場全体の状況がどのようになっているかを静止画を用いて詳細に確認することができる。また、こうしたことによって、動画をサーチするよりもコマ数が少ないから、充分に迅速に侵入者の確認作業などを行うことができるようになる。
【0045】
図5は、本発明のシステムの具体的な動作を示すフローチャートである。
まず、平常時の説明をする。ステップS1で、制御装置10は、タイマ(図2)41からスタート信号を受信する。これで、図1に示した監視カメラ1が動作を開始する(ステップS2)。そして、カメラが撮影した動画を監視用の端末装置12に送信する(ステップS3)。端末装置12は、撮影した動画を記憶装置に記憶する(ステップS4)。一方、制御装置10のハードディスク6には、これと平行して、比較的長い時間間隔で監視対象を撮影した静止画を記憶しておく。
【0046】
次に、侵入検知時の処理を説明する。図2に示した侵入センサ31が車両30の侵入を検知すると(ステップS10)、正常な社員の車両かどうか認証処理が行われる(ステップS11)。ここで、認証処理が正常に終了すると通常の監視状態に戻る。一方、認証処理が正常に終了しない場合には、ステップS12からステップS13に進み、表示灯を点灯させたり、パトライトを回転させる。表示灯は例えば、さらにステップS14でスピーカ45を駆動し、音声により警告を行う。スピーカから警報を流したり、警告アナウンスを流すようにするとよい。次に、ステップS15で警報送信機33が動作し、監視用の端末装置15に通知をする。警報受信機23がその信号を受信すると、端末装置15が自動的に制御装置10に対して静止画の転送要求を行う。静止画の転送要求があると、FTPインターフェイス8から静止画が送信される(ステップS16、17)。なお、例えば、管理者が端末装置12を監視中に警報が発せられ、特に問題がないと判断した場合には、静止画の送信要求をしないという制御も可能である。
【0047】
図6は、端末装置側の動作を示すフローチャートである。
まず不審者を検知した旨の警報信号を受信すると(ステップS21)、端末装置15は、制御装置10に静止画像を要求する(ステップS22)。静止画像を受信すると(ステップS23)、記憶装置20に静止画を保存する(ステップS24)。そして、警報履歴21の内容を更新する(ステップS25)。同時にステップS26において静止画22と警報履歴の内容とをリンクする処理を実行する。ステップS27では、警報メールを生成し、メール送信機24を用いて警報メールを送信する(ステップS28)。その後、警報メールを受信した管理者が端末装置12を操作したり、あるいは自分の携帯電話を操作して、記憶装置13に記憶した動画14や記憶装置20に記憶した静止画22を使用して不審者の確認処理を実行する(ステップS29)。不審者の確認処理が終了すると、警報用のブザーを停止させる(ステップS30、31)。
【0048】
ステップS41以降は、端末装置15を使用した静止画探索作業のフローチャートである。まず、被害届があったかどうかを判断する(ステップS41)。被害届がない場合には、なにも処理しない。被害届があった場合には、ステップS42において、警報履歴21を検索し、該当する時間の静止画を取り出す(ステップS42)。そして、ステップS43において、警報履歴とリンクさせた静止画をディスプレイに表示させる。次に、既に図4を用いて説明したような要領で、静止画を一つ一つ確認し、不審者の特定作業を行う。実際に解像度の良い静止画と、サムネイルとを併用すれば、不審者の確認処理が極めて容易になり、迅速な作業ができる。ここで、不審者が特定できた場合には、別の警報履歴があるかどうかを判断し(ステップS45)、別の警報履歴があれば、再びステップS31に戻る。
【0049】
以上のような処理によれば、警備担当者は、携帯電話を利用していつでも不審者の侵入に関する通報を受け、端末装置に記憶された静止画を取り出して、確認ができる。しかも、通報時刻と監視対象とを特定した情報と静止画とがリンクされており、確認対象とする静止画群の数が限定されているため、非常にその確認処理が短時間でできるようになる。
【0050】
また、携帯電話に対するメールを利用することにより、特定の警備担当者以外に様々な関係者に不審者の侵入を通知し、全ての関係者によって様々な場所の監視作業が可能になる。また、図2や図3に示したような構成を採用することにより、非常に安価な監視システムが実現する。なお、図5や図6に示した処理は、制御装置や監視用の端末装置のコンピュータが実行するコンピュータプログラムであるが、その処理ステップは目的に応じて自由に追加変更し、あいは処理を分割して構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の侵入監視システム具体例を示すブロック図である。
【図2】侵入センサと警報機器の具体的なブロック図である。
【図3】電柱に取り付けられた警報機器の具体例を示す斜視図である。
【図4】メールの内容とウェブページの具体例を示す説明図である。
【図5】本発明のシステムの具体的な動作を示すフローチャートである。
【図6】端末装置側の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 監視カメラ、5 スイッチボックス、6 ハードディスク、7、8 インターフェイス、9、11 ハブ、12、15 端末装置、13、20 記憶装置、14 動画、21 警報履歴、22 静止画、23 警報受信機、24 メール送信機
【発明の属する技術分野】
本発明は、防犯等の目的で、監視カメラを用いて遠隔監視を行なう、侵入監視システムとその制御装置と監視用端末装置と侵入監視プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
駐車場や建物などに不審者が侵入した場合に、これを監視カメラで監視することが行なわれている(特許文献1参照)。監視カメラは駐車場の各部に設置され、監視対象を撮影する。撮影をした画像は監視所の端末装置に映し出される。不審者を発見したときは、例えば、非常ベルやスピーカを用いて警報を発すると同時に警備員が駆けつける。
【特許文献1】
特開2002−183850
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
監視対象が広大な駐車場であって、警備員の数が少数であるほど、監視カメラによる監視システムは威力を発揮する。しかしながら、警備員が常に監視所にいて、端末装置の画面を監視していないと、不審者の侵入に対して速やかな対処ができない。監視対象はビデオカメラ等により自動的に録画されるが、録画された画面中から不審者の写った画面を見つけ出すのは容易ではない。さらに、不信者が移動していると監視員が現場へ駆けつけたときに不審者を見つけるのが容易でない。
本発明は以上の点に着目してなされたもので、監視員の負担を軽減して効率的に監視業務のできる侵入検知システムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の点を解決するため次の構成を採用する。
〈構成1〉
監視対象を撮影する監視カメラと、監視カメラの撮影した画像を処理する制御装置と、この制御装置とネットワークを通じて接続された監視用の端末装置とを備え、上記制御装置には、監視対象を撮影した動画をネットワークを通じて上記端末装置に送信する手段と、監視対象を所定の時間間隔で撮影した静止画群を記憶する手段と、監視対象近傍に配置した侵入センサの出力に基づいて、侵入検知時刻と監視対象とを特定する警報信号を上記端末装置に送信する手段と、送信した警報信号に対する上記端末装置の応答を受信したとき、上記警報信号の送信時刻を含む所定範囲の時間内に撮影した静止画群を、上記ネットワークを通じて上記端末装置に送信する手段を備えたことを特徴とする侵入監視システム。
【0005】
監視対象とは、例えば、駐車場とか、ビルのエントランスといった場所である。監視対象は、建物でも、自動車のような移動体でも、動物でも、なんでもよい。監視カメラの撮影した画像は、制御装置により処理される。処理の内容は任意である。そのまま記憶装置に記憶しても良いし、一定の加工をしても構わない。制御装置と監視用の端末装置とはネットワークを通じて接続されている。監視対象を常時遠隔監視するために、動画撮影画像が監視所のモニタに表示される。しかしながら、動画は情報量が多くてネットワークのトラフィックを増大させるため、1コマあたりのデータ量が制限され、解像度が悪いのが難点である。そこで、別途解像度の高い静止画を撮影しておき、不審者の侵入を検知したときに、ネットワークを通じて該当する部分の静止画を監視所の端末装置に送信する。制御装置は、監視対象を所定の時間間隔で撮影した静止画群を記憶する。静止画の解像度は動画より高できる。撮影のための所定の時間間隔は任意である。監視対象中で移動をする侵入物の移動速度に応じて時間間隔を最適化すればよい。侵入物は人でも動物でも物でもよい。監視対象近傍に配置した侵入センサは、光学式、静電式、機械式等、任意である。監視対象近傍とは、監視対象への侵入物を検知できる範囲である。警報信号は、少なくとも侵入検知時刻と監視対象とを特定する情報を含む。端末装置は、警報信号に対する応答を制御装置に返す。応答の形式は任意である。制御装置は、端末装置に対して、警報信号の送信時刻を含む所定範囲の時間内に撮影した静止画群を送信する。この範囲の静止画像群には、新入物が撮影されているはずだから解析の対象になる。送信すべき静止画群のデータ量は少ないし、リアルタイムでないから送信速度は遅くて良く、トラフイックの増大を招かない。
【0006】
〈構成2〉
監視対象を撮影した動画をネットワークを通じて外部へ送信する手段と、監視対象を所定の時間間隔で撮影した静止画群を記憶する手段と、監視対象近傍に配置した侵入センサの出力に基づいて、侵入検知時刻と監視対象とを特定する警報信号を上記ネットワークを通じて外部へ送信する手段と、上記警報信号の送信時刻を含む所定範囲の時間内に撮影した静止画群を、上記ネットワークを通じて外部へ送信する手段を備えたことを特徴とする侵入監視システムの制御装置。
【0007】
構成1のシステムの制御装置部分の発明である。動画の送信先、警報信号の送信先、静止画群の送信先は、自由に選定してよい。ネットワークの構成も任意である。警報信号を送信したときは、制御装置に記憶しておいた静止画像をネットワークを通じて自動的に送信する。即ち、常時監視には動画を使用し、警報発生時に、現場の画像を解析するときは、解像度の高い静止画を送信する。静止画群を送信するので、侵入物の特定に最適な静止画を選択すればよい。
【0008】
〈構成3〉
構成2に記載の侵入監視システムの制御装置において、送信した警報信号に対する応答を受信したときに、上記警報信号の送信時刻を含む所定範囲の時間内に撮影した静止画群を、上記ネットワークを通じて送信する手段を備えたことを特徴とする侵入監視システムの制御装置。
【0009】
警報信号を受信する側には動画が送信されているから、画質悪くても監視対象をその場で確認できる。例えば、防犯のための監視であれば、人以外の侵入に対する警報信号を受けても応答を返さないでよい。これにより、制御装置は必要な静止画のみを送信し、無駄な送信処理が防止される。
【0010】
〈構成4〉
監視対象を撮影した動画をネットワークを通じて受信して、当該動画を記憶する手段と、侵入検知時刻と監視対象とを特定する警報信号を受信する手段と、この警報信号を受信したとき、当該警報信号受信時を含む所定時間内に上記監視対象を撮影した、静止画群の送信を要求する手段と、受信した静止画群と、上記警報信号をリンクさせて記憶する手段とを含むことを特徴とする侵入監視システムの監視用端末装置。
【0011】
構成1のシステムの監視用端末装置の発明である。警報信号を受信したとき、自動的にあるいは、任意の指示に基づいて、静止画群の送信を要求する。静止画を受信したときは、警報信号とリンクさせて記憶する。リンクさせるというのは、双方の情報を関係付けて取り出せる様にすることをいい、その手段は任意である。静止画と警報信号とをリンクさせるので、警報信号が発生したときに取得した静止画群をただちに取り出して、侵入物の特定作業をすすめることができる。
【0012】
〈構成5〉
構成1に記載の侵入監視システムにおいて、監視対象近傍に配置した認証装置により認証処理が正常終了した場合を除いて、侵入センサの出力に基づいて、警報信号を送信する手段を備えたことを特徴とする侵入監視システム。
【0013】
認証装置は任意の数だけ設けられる。認証装置は制御装置と一体化されていても分離していてもよい。認証方法は任意である。認証処理が正常終了したときは、入場権限のある者の入場と判断する。これにより、不審者の侵入時のみ警報信号が発せられる。
【0014】
〈構成6〉
構成1に記載の侵入監視システムにおいて、それぞれ異なる複数の場所に侵入センサと警報機器を配置し、侵入検知信号を出力した侵入センサ近傍の警報機器のみを動作させることを特徴とする侵入監視システム。
【0015】
警報機器とは、侵入者に対して音や光で警報を発する機能を持つ装置のことである。例えば、警察車両に搭載されているような回転灯やフラッシュライト等がある。侵入センサと警報機器の組が複数の場所に配置されている。侵入検知信号を出力した侵入センサ近傍の警報機器のみを動作させる。侵入者を追いかけるように侵入者の行く先々で警報を発するようにすれば、侵入者に対して高い威嚇効果が期待できる。さらに、警報機器は、侵入者の行く先々で回転灯等を作動させるから、侵入者のいる場所を駆けつけた警備員に視覚的に知らせる機能も持つ。
【0016】
〈構成7〉
監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知して侵入検知信号を出力する装置と、侵入検知信号により作動する警報機器とが、組になって一体化されたユニットが、上記監視対象範囲に複数配置されており、全てのユニットは、監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知したとき、いずれも、共通の監視先に警報信号を送信する手段を備え、かつ、上記各ユニットは、それぞれ監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知したとき、他のユニットとは独立に上記警報機器を作動させることを特徴とする侵入監視システム。
【0017】
構成6と同様の効果を得るもので、監視対象となる駐車場等に複数配置されるユニットの発明である。侵入検知信号を出力する装置と警報機器とが一組になったユニットが複数配置されている。ユニットは柱や箱やパネル等に収納されて物理的に一体化されているものをいう。共通の監視先とユニットとはネットワーク等で接続される。移動体とは不審者や不審物等であって、監視対象範囲を移動するもののことである。各ユニットは他のユニットとは独立に前記警報機器を作動させるので、ちょうど、移動体の行く先々で警報機器が作動する。
【0018】
〈構成8〉
構成1に記載の侵入監視システムにおいて、それぞれ異なる複数の場所に侵入センサと照明装置を配置し、侵入検知信号を出力した侵入センサ近傍の照明装置のみ、光量を増大させることを特徴とする侵入監視システム。
【0019】
光量を増大させるには、単体のランプの電源を操作して光量を増大させたり、予備のランプを追加点灯させるとよい。単に音や点滅光だけでなく、侵入者を照明で追跡して、高い威嚇効果を発揮する。また、非常時のみ光量を増大させて、カメラによる撮影画像を鮮明にし、常時は光量を少なくして電力消費を抑えることができる。
【0020】
〈構成9〉
監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知して侵入検知信号を出力する装置と、上記監視対象範囲を撮影するカメラと、侵入検知信号により上記カメラの撮影範囲の光量を増大させる照明とを備えたことを特徴とする侵入監視システム。
【0021】
監視対象となる駐車場等に配置されるユニットの発明である。非常時のみ光量を増大させて、カメラによる撮影画像を鮮明にし、常時は光量を少なくして電力消費を抑えることができる。このユニットは単体でも使用できる。
【0022】
〈構成10〉
監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知して侵入検知信号を出力する装置と、上記監視対象範囲を撮影するカメラと、侵入検知信号により上記カメラの光量を増大させる照明とが、組になって一体化されたユニットが、上記監視対象範囲に複数配置されており、全てのユニットは、監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知したとき、いずれも、共通の監視先に警報信号を送信する手段を備え、かつ、上記各ユニットは、それぞれ監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知したとき、他のユニットとは独立に上記照明の綱領を増大させることを特徴とする侵入監視システム。
【0023】
構成8のシステムの、監視対象となる駐車場等に複数配置されるユニットの発明である。侵入者を照明で追跡して威嚇効果を発揮する機能を持つ。
【0024】
〈構成11〉
構成1に記載の侵入監視システムにおいて、複数の侵入センサのうちのいずれかが侵入検知信号を出力したとき全ての警報機器を動作させて、全ての監視カメラで撮影した静止画群を、上記ネットワークを通じて上記端末装置に送信する手段を備えたことを特徴とする侵入監視システム。
【0025】
侵入センサや警報機器が備えられた駐車場等の監視対象で一斉に警報機器を動作させ、威嚇効果を高めるとともに、全てのカメラで撮影した画像を送信して、不審者の確認作業を容易にする。
【0026】
〈構成12〉
構成1に記載の侵入監視システムにおいて、複数の侵入センサのうちのいずれかから侵入検知信号を受信したとき、該当するカメラの撮影した静止画群をウェブサーバにアップロードする手段と、予め指定されたアドレスに、上記静止画群を閲覧できるアドレスを含む所定の警報通知を発信する手段とを備えたことを特徴とする侵入監視システム。
【0027】
警報通知は、電子メール等で、例えば、巡回中の監視員宛に送信される。また、同時にカメラの撮影した静止画群がウェブサーバにアップロードされる。監視員は電子メールに含まれるアドレス[URL(Uniform Resource Locator)]にアクセスして、監視カメラで撮影された画像を見る。これにより、監視員は、常に監視所で監視用のディスプレイをみていないでも、監視活動ができる。なお、該当するカメラ以外のカメラの撮影したものもアップロードして構わない。
【0028】
〈構成13〉
監視対象を撮影した動画をネットワークを通じて外部へ送信する処理と、監視対象を所定の時間間隔で撮影した静止画群を記憶する処理と、監視対象近傍に配置した侵入センサの出力に基づいて、侵入検知時刻と監視対象とを特定する警報信号を上記ネットワークを通じて外部へ送信する処理と、上記警報信号の送信時刻を含む所定範囲の時間内に撮影した静止画群を、上記ネットワークを通じて外部へ送信する処理とを、コンピュータに実行させることを特徴とする侵入監視プログラム。
【0029】
構成1のシステムの制御装置上で動作するコンピュータプログラムの発明である。
【0030】
〈構成14〉
監視対象を撮影した動画をネットワークを通じて受信して、当該動画を記憶する処理と、侵入検知時刻と監視対象とを特定する警報信号を受信する処理と、この警報信号を受信したとき、当該警報信号受信時を含む所定時間内に上記監視対象を撮影した、静止画群の送信を要求する処理と、受信した静止画群と、上記警報信号をリンクさせて記憶する処理とを、コンピュータ実行させることを特徴とする侵入監視プログラム。
【0031】
構成1のシステムの監視用端末装置上で動作するコンピュータプログラムの発明である。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて説明する。
図1は、本発明の侵入監視システム具体例を示すブロック図である。
図のシステムでは、監視対象を複数の監視カメラ1で撮影する。各監視カメラ1は、例えば、駐車場の各部に分散配置されており、駐車場の主要部を監視できるようになっている。制御装置10は、駐車場のゲート等に1台設置されている。制御装置10は、ネットワークを介して監視員等の常駐する監視用の端末装置12や15に接続されている。制御装置10は、スイッチ回路5、ハードディスク6、インターフェイス8、インターフェイス7、ハブ9を備える。端末装置12は記憶装置13を備える。端末装置15は、記憶装置20、警報受信機23、メール送信機24を備える。
【0033】
監視カメラ1は、制御装置10のスイッチ回路5に接続されている。スイッチ回路5は、複数の監視カメラ1の信号を順に選択してハードディスク6に接続するスイッチングハブ等からなる。各監視カメラ1の出力信号は、順番に選択されて、ハードディスク6に記録される。このハードディスク6は、インターフェイス7を介してハブ(ネットワーク接続装置)9に接続されている。また、スイッチ回路5は、FTP(ファイル転送プロトコロル)インターフェイス8を介してハブ9に接続されている。ハブ9は、光ファイバケーブルなどの通信回線とハブ11を介して監視用の端末装置12と15に接続されている。FTPインターフェイス8は、別の通信回線を介して監視用の端末装置15に直接接続されている。
【0034】
監視用の端末装置12は、監視画像をリアルタイムで受信して保存する。監視用の端末装置12に接続された記憶装置13には、監視カメラ1で撮影された動画14が記憶される。また、端末装置15の記憶装置20には、制御装置10から警報信号が受信された時に、警報履歴21と静止画22とが記憶される。警報履歴21とは警報が発せられた時刻や場所等を含む情報を継続的に蓄積したものである。静止画22とは、1枚ずつ別々に撮影された画像データで、後で説明するように、インターネットに接続されたウェブサーバにアップロードして閲覧できるような形式のデータである。なお、図の記憶装置20に記憶された警報履歴21はウェブページ化されており、静止画22とリンクしてして、ネットワークを通じて閲覧できる形式になっている。制御装置10から電波で送信された警報信号は、警報受信機23により受信される。図の例では、警報信号が監視用の端末装置15に受信された時、監視者の携帯電話などにメールを送信するメール送信機24が設けられている。
【0035】
図2は、侵入センサと警報機器の具体的なブロック図である。
侵入センサと警報機器はいずれも、後で図3を用いて説明するように電柱や箱等に一体化されて組み込まれている。図に示すように、例えば、駐車場に車両30が侵入すると、侵入センサ31がこれを検出する。侵入センサ31は、電気的にあるいは光学的にあるいは音響的に車両30の侵入を検出する既知のセンサである。識別装置32は、識別信号受信器34が受信した、例えば、IDカードなどの送信する識別信号を受け入れて、予め登録された内容の識別信号かどうかを判定する機能を持つ。既登録の識別信号を受信したときは、正常に認証処理が終了する。正常に認証処理が終了した場合には、侵入センサ31が車両30を検出しても、警報信号が発せられることはない。一方、例えば、会社の社員以外の者が車両30を操作して駐車場に侵入してきた場合には、承認処理が正常に終了しない。この場合に識別装置32は、侵入センサ31の出力信号を警報送信機33に転送する。警報送信機33は、警報信号を監視用の端末装置側に送信する。これが図1に示す警報受信機23に受信される。
【0036】
図2(b)は、侵入センサ等を含む警報機器の配線図である。
この警報機器は、例えば、車両30の侵入を検知するべき任意の場所に取り付けられる。駐車場の場合には、駐車場の各所に据え付けられる。この装置は、電源40によって駆動される。タイマ41は、侵入センサが動作する時間を設定するためのものである。例えば、24時間監視の場合には、タイマ41は、常にスイッチ51、52、53、54をオンにしている。また、例えば、夜間だけ監視をする場合には、スイッチ51から54を夜間だけオンする。DS43は昼光センサである。例えば昼間は駐車場に監視員が常駐しているなら、昼間は監視動作をしないでよい。だから、昼は回路をオフにしている。CS44は、人の侵入を感知するセンサである。人が近づいた場合に、これを検出する。R42はリレーである。即ち、夜間であって、侵入センサに人が近づいたときにリレーR42がオンする。
【0037】
リレーR42がオンになると、スイッチ52から54がオンになり、スピーカ45、パトライト46、及びフラッシュライト47が同時に動作する。スピーカ45は、警報音を発生させる。パトライト46は、回転灯を点灯させる。フラッシュライト47は、撮影用の光を侵入者にあてる役割を持つ。なお、照明を明るくして鮮明な写真を撮影したいときは、このフラッシュライトに代えて写真撮影用のランプを点灯するとよい。警報送信機48は、リレー42が動作した時にその信号を検出し、警報信号を生成して、電波で送信する機能を持つ。図2(a)に示す例では、この警報送受信機の動作を識別装置32で制御する。なお、認証処理が不要な場合には図の(a)に示す構成は採用せず、(b)に示す装置のみが使用されるとよい。
【0038】
図3は、電柱に取り付けられた警報機器の具体例を示す斜視図である。
図に示すように電柱60の最上部には、タイマ61が取り付けられている。タイマ60は警報機器の動作時間を決める。パトライト62とスピーカ63とは同一のケース内に組み立てられ、タイマ61の直下に固定されている。また、監視カメラ64は、ちょうど車両やその運転手が撮影できるような高さに取り付けられる。侵入センサ65は、車両を検知しやすい位置に取り付けられる。これらに対して、図示しない電源から駆動電力が供給され、各電柱でそれぞれ独自に侵入者を検出し、警報信号を送信するよう動作する。
【0039】
図1に戻って、上記のような多数の監視対象の近くに配置された監視カメラ1は、それぞれ監視対象を撮影した動画像をハードディスク6に一時記憶させる。その動画は、自動的に継続的にハブ9と11を介して端末装置12に送信され、ディスプレイに表示される。またその内容が記憶装置13に記憶される。即ち、このような状態で監視対象は、端末装置12のある監視所で遠隔監視される。
【0040】
一方、図2を用いて説明したような侵入センサによって不審者の侵入を検知した場合には、識別装置32が認証処理の正常終了を検知できないため、警報信号が警報送信機33により送信される。この警報信号は、図1に示した警報受信機23により受信される。端末装置15は、警報信号を受信すると、その内容を警報履歴21に追加記録すると共に、FTPインターフェイス8に対して、静止画を転送するよう要求する。監視カメラ1は、所定のタイミングで常に一定以上の解像度の静止画を撮影し、ハードディスク6に記憶している。警報信号が端末装置15に受信されると、その警報信号が受信されたタイミングの前後の、例えば、数分間に撮影した何枚かの静止画を端末装置15に転送する。FTPインターフェイス8は、ハードディスク6から該当する静止画を読み込み、ハブ9と11を介して端末装置15に自動的に転送する。静止画は、記憶装置20に記憶される。
【0041】
この静止画には、後で説明するように警報信号受信の際に取得した警報履歴情報、即ち、監視対象の場所と撮影時間などの情報がリンクされる。こうして、ある警報信号を受信した場合には、その警報履歴データと静止画データとがリンクされて記憶装置20にウェブページ形式で記憶される。管理者は、このウェブページを閲覧しながら不審な侵入者の判定や被害確認などの作業を行うことができる。また、警報受信機23が警報を受信した時、メール送信機24は、警報を受信した旨のメールを生成し、監視担当者の携帯電話に電子メールを送信する。通常、監視責任者は、端末装置12を常に監視している。しかしながら、例えば、駐車場の見回りをしたり、あるいはその他、他の場所の見回りなどによって端末装置12を離れることがある。この場合には、メール送信機24から受信したメールに基づいて静止画22を携帯電話で閲覧し、駐車場に急行するといった処置を取ることができる。端末装置15をウェブサーバとして機能させ、携帯電話を用いて閲覧可能にすることで、任意の場所で撮影画像などの確認ができる。また、画像をウェブページ全体でなく一部ずつ閲覧することで、携帯電話のメモリ容量不足を補える。
【0042】
図4は、メールの内容とウェブページの具体例を示す説明図である。
図に示すメール文70には、件名とその内容が示されている。このメールは、南駐車場の監視カメラによって不審者を検出した旨を示すメッセージで、不審者侵入検出時間や、静止画を記憶させた記憶装置のURLなどを含んでいる。ここで、そのURLの部分をクリックすると、図に示すようなウェブページ75が表示される。ここには、サムネイル76と具体的な静止画77とが表示されている。サムネイル76には、警報信号送信時に取得した全ての静止画の縮小画面が表示されている。そのいずれかをクリックすると、画面77が表示される。サムネイル76と静止画77とは、同時に表示されなくてもよい。即ち、別々の画面に順に表示されて構わない。
【0043】
ウェブページ75の画面は、ボタン78によってページの切り替えが可能である。このような静止画群を、警報信号受信時に端末装置15で取得することによって、鮮明な静止画を用いた不審者の確認や特定が可能になる。さらに、鮮明な画像をウェブページにしてネットワークを通じて提供できる。静止画77を画面70に示したような情報、即ち、警報履歴21とリンクさせて記憶装置20に記憶させておくことによって、常に両者を一体に取り出して、警報信号ごとに不審者の確認を行うことができる。
【0044】
静止画は、侵入を検出した侵入センサの近くにある監視カメラで撮影した1群の画像データである。撮影時間間隔は、侵入者を撮影できるようなタイミングで、例えば、1秒とか、数秒に1回といった間隔でよい。動画よりも充分に鮮明な解像度の高い画像を撮影するとよい。通常は、撮影した静止画を制御装置10のハードディスク6に記憶させるので、制御装置10と端末装置12や15との間の通信回線のトラフィックを増大させない。また、駐車場に多数の電柱が設けられ、これら全てに監視カメラが取り付けられているような場合に、いずれかの侵入センサが侵入検知信号を出力した時、全ての監視カメラによって静止画を撮影し、これを端末装置15に送信するようにしても構わない。図1に示したハードディスク6に一時的に静止画を記憶させておけばよいから、送信タイミングは若干ずれても構わない。一斉に撮影した画像を順番に送信すればよい。これによって警報信号が送信された時、駐車場全体の状況がどのようになっているかを静止画を用いて詳細に確認することができる。また、こうしたことによって、動画をサーチするよりもコマ数が少ないから、充分に迅速に侵入者の確認作業などを行うことができるようになる。
【0045】
図5は、本発明のシステムの具体的な動作を示すフローチャートである。
まず、平常時の説明をする。ステップS1で、制御装置10は、タイマ(図2)41からスタート信号を受信する。これで、図1に示した監視カメラ1が動作を開始する(ステップS2)。そして、カメラが撮影した動画を監視用の端末装置12に送信する(ステップS3)。端末装置12は、撮影した動画を記憶装置に記憶する(ステップS4)。一方、制御装置10のハードディスク6には、これと平行して、比較的長い時間間隔で監視対象を撮影した静止画を記憶しておく。
【0046】
次に、侵入検知時の処理を説明する。図2に示した侵入センサ31が車両30の侵入を検知すると(ステップS10)、正常な社員の車両かどうか認証処理が行われる(ステップS11)。ここで、認証処理が正常に終了すると通常の監視状態に戻る。一方、認証処理が正常に終了しない場合には、ステップS12からステップS13に進み、表示灯を点灯させたり、パトライトを回転させる。表示灯は例えば、さらにステップS14でスピーカ45を駆動し、音声により警告を行う。スピーカから警報を流したり、警告アナウンスを流すようにするとよい。次に、ステップS15で警報送信機33が動作し、監視用の端末装置15に通知をする。警報受信機23がその信号を受信すると、端末装置15が自動的に制御装置10に対して静止画の転送要求を行う。静止画の転送要求があると、FTPインターフェイス8から静止画が送信される(ステップS16、17)。なお、例えば、管理者が端末装置12を監視中に警報が発せられ、特に問題がないと判断した場合には、静止画の送信要求をしないという制御も可能である。
【0047】
図6は、端末装置側の動作を示すフローチャートである。
まず不審者を検知した旨の警報信号を受信すると(ステップS21)、端末装置15は、制御装置10に静止画像を要求する(ステップS22)。静止画像を受信すると(ステップS23)、記憶装置20に静止画を保存する(ステップS24)。そして、警報履歴21の内容を更新する(ステップS25)。同時にステップS26において静止画22と警報履歴の内容とをリンクする処理を実行する。ステップS27では、警報メールを生成し、メール送信機24を用いて警報メールを送信する(ステップS28)。その後、警報メールを受信した管理者が端末装置12を操作したり、あるいは自分の携帯電話を操作して、記憶装置13に記憶した動画14や記憶装置20に記憶した静止画22を使用して不審者の確認処理を実行する(ステップS29)。不審者の確認処理が終了すると、警報用のブザーを停止させる(ステップS30、31)。
【0048】
ステップS41以降は、端末装置15を使用した静止画探索作業のフローチャートである。まず、被害届があったかどうかを判断する(ステップS41)。被害届がない場合には、なにも処理しない。被害届があった場合には、ステップS42において、警報履歴21を検索し、該当する時間の静止画を取り出す(ステップS42)。そして、ステップS43において、警報履歴とリンクさせた静止画をディスプレイに表示させる。次に、既に図4を用いて説明したような要領で、静止画を一つ一つ確認し、不審者の特定作業を行う。実際に解像度の良い静止画と、サムネイルとを併用すれば、不審者の確認処理が極めて容易になり、迅速な作業ができる。ここで、不審者が特定できた場合には、別の警報履歴があるかどうかを判断し(ステップS45)、別の警報履歴があれば、再びステップS31に戻る。
【0049】
以上のような処理によれば、警備担当者は、携帯電話を利用していつでも不審者の侵入に関する通報を受け、端末装置に記憶された静止画を取り出して、確認ができる。しかも、通報時刻と監視対象とを特定した情報と静止画とがリンクされており、確認対象とする静止画群の数が限定されているため、非常にその確認処理が短時間でできるようになる。
【0050】
また、携帯電話に対するメールを利用することにより、特定の警備担当者以外に様々な関係者に不審者の侵入を通知し、全ての関係者によって様々な場所の監視作業が可能になる。また、図2や図3に示したような構成を採用することにより、非常に安価な監視システムが実現する。なお、図5や図6に示した処理は、制御装置や監視用の端末装置のコンピュータが実行するコンピュータプログラムであるが、その処理ステップは目的に応じて自由に追加変更し、あいは処理を分割して構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の侵入監視システム具体例を示すブロック図である。
【図2】侵入センサと警報機器の具体的なブロック図である。
【図3】電柱に取り付けられた警報機器の具体例を示す斜視図である。
【図4】メールの内容とウェブページの具体例を示す説明図である。
【図5】本発明のシステムの具体的な動作を示すフローチャートである。
【図6】端末装置側の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 監視カメラ、5 スイッチボックス、6 ハードディスク、7、8 インターフェイス、9、11 ハブ、12、15 端末装置、13、20 記憶装置、14 動画、21 警報履歴、22 静止画、23 警報受信機、24 メール送信機
Claims (14)
- 監視対象を撮影する監視カメラと、
監視カメラの撮影した画像を処理する制御装置と、
この制御装置とネットワークを通じて接続された監視用の端末装置とを備え、
前記制御装置には、
監視対象を撮影した動画をネットワークを通じて前記端末装置に送信する手段と、監視対象を所定の時間間隔で撮影した静止画群を記憶する手段と、監視対象近傍に配置した侵入センサの出力に基づいて、侵入検知時刻と監視対象とを特定する警報信号を前記端末装置に送信する手段と、送信した警報信号に対する前記端末装置の応答を受信したとき、前記警報信号の送信時刻を含む所定範囲の時間内に撮影した静止画群を、前記ネットワークを通じて前記端末装置に送信する手段を備えたことを特徴とする侵入監視システム。 - 監視対象を撮影した動画をネットワークを通じて外部へ送信する手段と、
監視対象を所定の時間間隔で撮影した静止画群を記憶する手段と、
監視対象近傍に配置した侵入センサの出力に基づいて、侵入検知時刻と監視対象とを特定する警報信号を前記ネットワークを通じて外部へ送信する手段と、
前記警報信号の送信時刻を含む所定範囲の時間内に撮影した静止画群を、前記ネットワークを通じて外部へ送信する手段を備えたことを特徴とする侵入監視システムの制御装置。 - 請求項2に記載の侵入監視システムの制御装置において、
送信した警報信号に対する応答を受信したときに、
前記警報信号の送信時刻を含む所定範囲の時間内に撮影した静止画群を、前記ネットワークを通じて送信する手段を備えたことを特徴とする侵入監視システムの制御装置。 - 監視対象を撮影した動画をネットワークを通じて受信して、当該動画を記憶する手段と、
侵入検知時刻と監視対象とを特定する警報信号を受信する手段と、
この警報信号を受信したとき、当該警報信号受信時を含む所定時間内に前記監視対象を撮影した、静止画群の送信を要求する手段と、
受信した静止画群と、前記警報信号をリンクさせて記憶する手段とを含むことを特徴とする侵入監視システムの監視用端末装置。 - 請求項1に記載の侵入監視システムにおいて、
監視対象近傍に配置した認証装置により認証処理が正常終了した場合を除いて、侵入センサの出力に基づいて、警報信号を送信する手段を備えたことを特徴とする侵入監視システム。 - 請求項1に記載の侵入監視システムにおいて、
それぞれ異なる複数の場所に侵入センサと警報機器を配置し、侵入検知信号を出力した侵入センサ近傍の警報機器のみを動作させることを特徴とする侵入監視システム。 - 監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知して侵入検知信号を出力する装置と、侵入検知信号により作動する警報機器とが、組になって一体化されたユニットが、前記監視対象範囲に複数配置されており、全てのユニットは、監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知したとき、いずれも、共通の監視先に警報信号を送信する手段を備え、かつ、前記各ユニットは、それぞれ監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知したとき、他のユニットとは独立に前記警報機器を作動させることを特徴とする侵入監視システム。
- 請求項1に記載の侵入監視システムにおいて、
それぞれ異なる複数の場所に侵入センサと照明装置を配置し、侵入検知信号を出力した侵入センサ近傍の照明装置のみ、光量を増大させることを特徴とする侵入監視システム。 - 監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知して侵入検知信号を出力する装置と、前記監視対象範囲を撮影するカメラと、侵入検知信号により前記カメラの撮影範囲の光量を増大させる照明とを備えたことを特徴とする侵入監視システム。
- 監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知して侵入検知信号を出力する装置と、前記監視対象範囲を撮影するカメラと、侵入検知信号により前記カメラの光量を増大させる照明とが、組になって一体化されたユニットが、前記監視対象範囲に複数配置されており、全てのユニットは、監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知したとき、いずれも、共通の監視先に警報信号を送信する手段を備え、かつ、前記各ユニットは、それぞれ監視対象範囲に侵入して移動する移動体の侵入を検知したとき、他のユニットとは独立に前記照明の綱領を増大させることを特徴とする侵入監視システム。
- 請求項1に記載の侵入監視システムにおいて、
複数の侵入センサのうちのいずれかが侵入検知信号を出力したとき全ての警報機器を動作させて、全ての監視カメラで撮影した静止画群を、前記ネットワークを通じて前記端末装置に送信する手段を備えたことを特徴とする侵入監視システム。 - 請求項1に記載の侵入監視システムにおいて、
複数の侵入センサのうちのいずれかから侵入検知信号を受信したとき、該当するカメラの撮影した静止画群をウェブサーバにアップロードする手段と、予め指定されたアドレスに、前記静止画群を閲覧できるアドレスを含む所定の警報通知を発信する手段とを備えたことを特徴とする侵入監視システム。 - 監視対象を撮影した動画をネットワークを通じて外部へ送信する処理と、
監視対象を所定の時間間隔で撮影した静止画群を記憶する処理と、
監視対象近傍に配置した侵入センサの出力に基づいて、侵入検知時刻と監視対象とを特定する警報信号を前記ネットワークを通じて外部へ送信する処理と、
前記警報信号の送信時刻を含む所定範囲の時間内に撮影した静止画群を、前記ネットワークを通じて外部へ送信する処理とを、コンピュータに実行させることを特徴とする侵入監視プログラム。 - 監視対象を撮影した動画をネットワークを通じて受信して、当該動画を記憶する処理と、
侵入検知時刻と監視対象とを特定する警報信号を受信する処理と、
この警報信号を受信したとき、当該警報信号受信時を含む所定時間内に前記監視対象を撮影した、静止画群の送信を要求する処理と、
受信した静止画群と、前記警報信号をリンクさせて記憶する処理とを、コンピュータ実行させることを特徴とする侵入監視プログラム。
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