JP2003109155A - 防犯監視システム - Google Patents

防犯監視システム

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JP2003109155A
JP2003109155A JP2001392223A JP2001392223A JP2003109155A JP 2003109155 A JP2003109155 A JP 2003109155A JP 2001392223 A JP2001392223 A JP 2001392223A JP 2001392223 A JP2001392223 A JP 2001392223A JP 2003109155 A JP2003109155 A JP 2003109155A
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Hiroyuki Fujii
裕之 藤井
Tomoharu Nakahara
智治 中原
Tsuyoshi Yamane
剛志 山根
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Abstract

(57)【要約】 【課題】監視区域の監視に要する労力を低減しつつ広い
範囲を監視できるとともに犯罪発生時には被疑者に関す
る情報を速やかに取得することが可能であって警察の初
動捜査にも充分に貢献する。 【解決手段】防犯監視システムは、人により操作されて
発報を行う発報装置1と、監視区域を時系列で撮像する
撮像装置2と、発報装置1からの発報を受けた場合に監
視区域の撮像画像を画像処理することで発報装置1を操
作した人及びその人が被害者となった犯罪の被疑者を特
定する画像処理装置10とを有する。発報装置1から発
報されると時系列画像群を画像処理装置10で画像処理
することによって被害者HA並びに被疑者HBが特定で
き、監視区域の監視に要する労力を低減しつつ広い範囲
を監視できる。また、犯罪発生時には被疑者HBに関す
る情報を速やかに取得することが可能であって警察の初
動捜査にも充分に貢献し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、街路などの公共の
場所に設置され、犯罪の被害者と被疑者を特定して犯罪
の解決に寄与するとともに犯罪の発生を防止する防犯監
視システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、街路などの公共の場所における防
犯対策として、監視区域を撮像する監視カメラを設置
し、監視カメラで撮像した画像を通信回線を介して遠隔
地に設置された監視センタ等にて監視員が目視で監視す
るか、あるいは監視員による目視の代わりにビデオテー
プなどの記録媒体に撮像画像を記録することが行われて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
ものでは監視員が監視カメラの撮像画像を常時監視して
いなければならず、監視区域の数も少なく、人件費など
のコストも非常に高くついてしまう。そのため、公共の
場所でも特に犯罪発生率の高い場所等に監視区域が限定
されがちである。しかし、ひったくりのような犯罪は街
路などのごく普通の場所で発生することが多く、特にひ
ったくりなどの不意をつかれる犯罪は被害者が犯人の特
徴を捉えることは難しい。また、街路などの広域な場所
に監視カメラを設置し、監視カメラで撮像される全ての
画像を監視員が監視することは困難である。しかも、後
者のもののように犯罪発生後に監視員が記録媒体に記録
された撮像画像から犯人(被疑者)を確認する場合、警
察による初動捜査の遅れにつながり、被疑者の逮捕が遅
延若しくは困難になる虞がある。
【0004】本発明は上記事情に鑑みて為されたもので
あり、その目的とするところは、監視区域の監視に要す
る労力を低減しつつ広い範囲を監視できるとともに犯罪
発生時には被疑者に関する情報を速やかに取得すること
が可能であって警察の初動捜査にも充分に貢献し得る防
犯監視システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、不特定多数の人が往来する監視
区域に設置され、人により操作されて発報を行う発報装
置と、監視区域を時系列で撮像する撮像装置と、発報装
置からの発報を受けた場合に監視区域の撮像画像を画像
処理することで発報装置を操作した人及びその人が被害
者となった犯罪の被疑者を特定する画像処理装置とを有
する防犯監視システムであって、画像処理装置は、撮像
装置で撮像された画像を記憶する画像記憶手段と、画像
記憶手段に記憶された発報入力時点前後の時系列画像群
を画像処理することで監視区域内を移動する移動物体を
検出する移動物体検出手段と、移動物体検出手段で検出
された移動物体の中から発報装置を操作した人を発報者
として特定する発報者特定手段と、発報入力時点以前の
時系列画像群を画像処理することで移動物体検出手段に
て検出された移動物体の中から発報者特定手段で特定さ
れた発報者に接近する移動物体を被疑者の候補となる注
目物体として検出する注目物体検出手段とを備えたこと
を特徴とし、犯罪の被害者によって発報装置が操作され
て発報されると時系列画像群を画像処理することによっ
て被害者並びに被疑者が特定できるから、監視区域の監
視に要する労力を低減しつつ広い範囲を監視できるとと
もに犯罪発生時には被疑者に関する情報を速やかに取得
することが可能であって警察の初動捜査にも充分に貢献
し得る。
【0006】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、発報入力時点前後の時系列画像群を画像処理するこ
とで注目物体を追跡する追跡手段を画像処理装置に備え
ることを特徴とし、特定した注目物体を追跡することで
被疑者と推測される人物又は物体の逃走経路を知ること
ができる。
【0007】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、追跡手段で追跡する注目物体が監視区域外に出た場
合に当該監視区域に隣接する監視区域を監視対象とする
他の防犯監視システムの画像処理装置に対して注目物体
の追跡に必要な情報を伝達する情報伝達手段を画像処理
装置に備え、他の防犯監視システムの画像処理装置にお
ける追跡手段は情報伝達手段に伝達された情報に基づい
て注目物体を追跡することを特徴とし、複数の防犯監視
システムで連携して注目物体を追跡するため、個々の防
犯監視システムの監視区域よりも広い範囲にわたって追
跡することができる。
【0008】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、追跡手段で追跡する注目物体が監視区域外に出た場
合に追跡結果に基づいて注目物体の監視区域外での移動
方向や移動速度を推定する推定手段を画像処理装置に備
え、情報伝達手段は推定手段による推定結果を他の防犯
監視システムの画像処理装置に伝達することを特徴と
し、複数の防犯監視システムの監視区域同士に隔たりが
ある場合においても、推定手段による推定結果を伝達し
合うことで各防犯監視システムで連携して注目物体を追
跡することができ、防犯監視システムの設置間隔を広く
して費用を抑えることができ、また、監視区域内に撮像
装置の視野を遮る障害物が存在する場合にも障害物の影
響を回避することができる。
【0009】請求項5の発明は、請求項2の発明におい
て、注目物体検出手段は発報者に接近する移動物体が複
数存在する場合に各移動物体を注目物体として検出し、
追跡手段は注目物体検出手段で検出された複数の注目物
体をそれぞれ追跡することを特徴とし、複数の注目物体
の中から被疑者が特定できない状況においても全ての注
目物体を追跡することで真の被疑者を追跡することがで
きる。また、被疑者が複数である場合も全ての被疑者を
追跡することができる。
【0010】請求項6の発明は、請求項1の発明におい
て、移動物体検出手段で検出した移動物体が監視区域外
に出た場合に当該監視区域に隣接する監視区域を監視対
象とする他の防犯監視システムの画像処理装置に対して
移動物体の追跡に必要な情報を伝達する情報伝達手段を
画像処理装置に備え、他の防犯監視システムの画像処理
装置においては、移動物体検出手段が少なくとも情報伝
達時点以前の時系列画像群を画像処理することで監視区
域内を移動する移動物体を検出し、発報者特定手段が情
報伝達手段に伝達された情報に基づいて発報者を特定
し、注目物体検出手段が情報伝達時点以前の時系列画像
群を画像処理することで特定された発報者に接近する移
動物体を注目物体として検出することを特徴とし、発報
者が被害にあった場所が発報を受けた防犯監視システム
の監視区域外である場合でも複数の防犯監視システム間
で情報を伝達することにより、発報者が被害にあった場
所を監視区域に含む防犯システムにて被疑者の候補とな
る注目物体を特定することができる。しかも、複数の防
犯監視システム同士で発報装置を共用することが可能と
なってコストダウンが図れる。
【0011】請求項7の発明は、請求項1の発明におい
て、発報者特定手段は、発報入力時点における画像に複
数の移動物体が含まれる場合に発報装置との距離が最も
近い移動物体を発報者と特定することを特徴とし、複数
の移動物体の中から最も発報者である蓋然性の高い移動
物体を発報者に特定することができる。
【0012】請求項8の発明は、請求項1〜7の何れか
の発明において、移動物体検出手段は、時系列画像と基
準となる背景画像との差分画像から移動物体を検出し、
追跡手段並びに発報者特定手段は、特定の時系列画像群
における全ての移動物体について位置、移動速度、移動
方向又は形状特徴値の相関値を算出し、当該相関値が閾
値以上且つ最大となる移動物体を注目物体又は発報者と
することを特徴とし、発報者と被疑者以外の物体が監視
区域に存在する場合でも発報者並びに被疑者の候補とす
る注目物体を精度良く特定並びに追跡することができ
る。
【0013】請求項9の発明は、請求項1〜8の何れか
の発明において、発報装置からの発報を受けた場合に犯
罪発生を周囲に報知する報知手段を備えたことを特徴と
し、犯罪発生並びに発生場所を迅速に報知して救助を求
めることができる。
【0014】請求項10の発明は、請求項1〜9の何れ
かの発明において、発報装置からの発報を受けた場合に
関係機関に設置される中央監視装置に犯罪発生を通報す
る通報手段を備えたことを特徴とし、警察や消防署ある
いは警備会社等の関係機関に設置される中央監視装置に
犯罪発生を通報して迅速な対応を要求することができ
る。
【0015】請求項11の発明は、請求項10の発明に
おいて、監視区域の画像を撮像する撮像手段と、中央監
視装置からの指令に基づいて撮像手段を制御して監視区
域の撮像画像を取得し、取得した撮像画像を中央監視装
置に伝送する伝送制御手段とを備えたことを特徴とし、
伝送されてくる撮像画像によって遠隔地に設置されてい
る中央監視装置にて監視区域を監視することができる。
【0016】請求項12の発明は、請求項1の発明にお
いて、少なくとも視野が可変である撮像手段と、追跡手
段による追跡結果に基づいて注目物体が視野内に含まれ
るように撮像手段を制御する制御手段とを備えたことを
特徴とし、追跡中の注目物体の拡大画像等を得ることが
できる。
【0017】請求項13の発明は、請求項2〜5の何れ
かの発明において、追跡手段による追跡結果を関係機関
に設置される中央監視装置に送信する送信手段を備えた
ことを特徴とし、遠隔地に設置されている中央監視装置
にて追跡結果を把握することができる。
【0018】請求項14の発明は、請求項13の発明に
おいて、送信手段は、追跡結果として注目物体が含まれ
る撮像画像を送信することを特徴とし、中央監視装置に
て被疑者と推定される注目物体が含まれた撮像画像を確
認することができる。
【0019】請求項15の発明は、請求項14の発明に
おいて、撮像画像に含まれる注目物体を強調させる強調
手段を備え、強調手段にて注目物体が強調された撮像画
像を送信手段により送信することを特徴とし、中央監視
装置における注目物体の認識が容易となる。
【0020】請求項16の発明は、請求項3又は4又は
6の発明において、画像処理装置が備える複数の手段の
少なくとも一部を他の防犯監視システムの画像処理装置
と共用することを特徴とし、共用化によるコストダウン
が図れるとともに保守も容易になる。
【0021】請求項17の発明は、請求項1〜16の何
れかの発明において、監視区域に設置される外灯、街路
灯又は防犯灯に少なくとも発報装置及び撮像装置を配設
したことを特徴とし、これらの灯は夜間撮像時の照明装
置ともなり、発報装置及び撮像装置が容易に設置できる
とともにほぼ同一の基準並びに条件で複数の防犯監視シ
ステムを構築できる。
【0022】請求項18の発明は、請求項1の発明にお
いて、発報装置は、人が携帯する送信器と、監視区域内
に設置される受信器とを有し、送信器は、人の操作に応
じて無線媒体により緊急信号を送信する緊急信号送信手
段を具備し、受信器は、緊急信号を受信する緊急信号受
信手段と、緊急信号受信手段にて緊急信号を受信した場
合に発報を行う発報手段とを具備し、画像処理装置は、
緊急信号の送信位置を特定する緊急信号送信位置特定手
段を具備し、発報者特定手段は、移動物体検出手段で検
出された移動物体の中から緊急信号送信位置特定手段に
て特定された送信位置に対応する位置に存在する移動物
体を発報者として特定することを特徴とし、被害者の被
害状況によっては被害者自身が発報装置を操作すること
が困難な場合が少なくないが、人(被害者)が携帯する
送信器を操作して発報を行うことができるために被害を
受けたその場で即座に発報を行うことが可能となる。
【0023】請求項19の発明は、請求項18の発明に
おいて、緊急信号送信手段は、光を媒体として緊急信号
を送信し、緊急信号受信手段は、監視区域を撮像するこ
とで緊急信号を受信し、緊急信号送信位置特定手段は、
緊急信号受信手段が発報入力時点前後に撮像した時系列
画像群を画像処理することで送信位置を特定することを
特徴とし、送信位置が簡単且つ迅速に特定できる。
【0024】請求項20の発明は、請求項19の発明に
おいて、緊急信号送信手段は、可視光を発する光源を点
滅させることで緊急信号を送信し、緊急信号送信位置特
定手段は、時系列画像群の中から可視光の輝度が繰り返
して変化する位置を検出するとともに当該位置を送信位
置として特定することを特徴とし、可視光を利用するこ
とで送信器及び受信器の設計のコストを抑えることがで
きる。
【0025】請求項21の発明は、請求項19の発明に
おいて、緊急信号送信手段は、赤外光を発する光源を点
滅させることで緊急信号を送信し、緊急信号送信位置特
定手段は、時系列画像群の中から赤外光の輝度が繰り返
して変化する位置を検出するとともに当該位置を送信位
置として特定することを特徴とし、赤外光を利用するこ
とで緊急信号の送信が犯人(被疑者)に悟られ難くな
り、犯人を刺激することがない。
【0026】請求項22の発明は、請求項19の発明に
おいて、緊急信号送信手段は、所定のパターン周期にて
光を点滅させることで緊急信号を送信し、緊急信号送信
位置特定手段は、時系列画像群の中から輝度が当該パタ
ーン周期に従って変化する位置を検出するとともに当該
位置を送信位置として特定することを特徴とし、外乱に
よる影響を受け難くなり、緊急信号の受信精度が向上す
る。
【0027】請求項23の発明は、請求項18の発明に
おいて、送信器は、超音波を媒体として緊急信号を送信
する緊急信号送信手段を具備し、受信器は、超音波の緊
急信号を受信する複数の緊急信号受信手段を具備し、さ
らに送信器又は受信器の一方に、前記緊急信号送信手段
と複数の緊急信号受信手段との間で緊急信号送受信の同
期を取るための同期信号を送信する同期信号送信手段を
具備し、他方に、同期信号を受信する同期信号受信手段
を具備し、緊急信号送信位置特定手段は、同期手段によ
り同期が取れた後に複数の緊急信号受信手段にて受信す
る緊急信号の遅延時間に基づいて各緊急信号受信手段か
ら送信位置までの距離を求めて送信位置を特定すること
を特徴とし、光による緊急信号の送受信が困難な状況に
おいても緊急信号を確実に送受信できる。
【0028】請求項24の発明は、請求項18の発明に
おいて、送信器は、超音波を媒体として緊急信号を送信
する緊急信号送信手段と、同期信号を受信する同期信号
受信手段とを具備し、受信器は、超音波の緊急信号を受
信する緊急信号受信手段と、当該緊急信号受信手段、並
びに監視区域同士が隣接する他の防犯監視システムの受
信器が具備する他の緊急信号受信手段と緊急信号送信手
段との間で緊急信号送受信の同期を取るための同期信号
を送信する同期信号送信手段とを具備し、緊急信号送信
位置特定手段は、同期手段により同期が取れた後に各防
犯監視システムにおける緊急信号受信手段にて受信する
緊急信号の遅延時間に基づいて各緊急信号受信手段から
送信位置までの距離を求めて送信位置を特定することを
特徴とし、光による緊急信号の送受信が困難な状況にお
いても緊急信号を確実に送受信できるとともに、1つの
防犯監視システムにおける受信器に複数の緊急信号受信
手段を設ける必要が無く、システムの導入コストが低減
できる。
【0029】請求項25の発明は、請求項18の発明に
おいて、送信器は、緊急信号とともに固有の識別番号を
送信する緊急信号送信手段を具備し、受信器は、緊急信
号並びに識別番号を受信する緊急信号受信手段と、個々
の識別番号と各識別番号が割り当てられた個々の送信器
を使用する使用者との対応関係が登録されたデータベー
スと、当該データベースを管理し緊急信号受信手段で受
信した識別番号に対応する使用者の情報をデータベース
から取得する使用者情報取得手段と、使用者情報取得手
段にて取得した使用者情報を付加して発報を行う発報手
段とを備えたことを特徴とし、発報があった場合に直ち
に被害者の情報が使用者情報として得られ、警察の初動
捜査に有益な情報が提供できるとともに、いたずら等に
よる誤発報を防ぐことができる。
【0030】請求項26の発明は、請求項1〜25の何
れかの発明において、発報装置による発報が行われた場
合に発報完了を報知する発報完了報知手段を備えたこと
を特徴とし、発報を行った被害者に発報が確実に行われ
たことを知らしめることができ、さらに周囲に犯罪の発
生を知らせることができる。
【0031】請求項27の発明は、請求項26の発明に
おいて、発報完了報知手段は、受信器に具備されて発報
手段による発報が完了すると発報完了を報知する発報完
了信号を送信する発報完了信号送信手段と、送信器に具
備されて発報完了信号を受信する発報完了信号受信手段
と、送信器に具備されて発報完了信号受信手段にて発報
完了信号が受信されたことを表示や音、振動などにより
通知する通知手段とを有することを特徴とし、発報を行
った被害者のみに発報完了を知らせることができて犯人
を刺激することがない。
【0032】
【発明の実施の形態】(実施形態1)本実施形態の防犯
監視システムの概略構成を図1に示す。この防犯監視シ
ステムは、街路等の不特定多数の人が往来する監視区域
に設置され、人により操作されて発報を行う発報装置1
と、監視区域を時系列で撮像する撮像装置2と、発報装
置1からの発報を受けた場合に監視区域の撮像画像を画
像処理することで発報装置1を操作した人及びその人が
被害者となった犯罪の被疑者を特定する画像処理装置1
0とを有する。
【0033】発報装置1は、人によって操作可能な位置
に設けられた押釦スイッチ(図示せず)と、押釦スイッ
チが押操作されたときに発報信号を出力する出力回路
(図示せず)とを備え、監視区域内の建物の壁面などに
設置されるものである。また、撮像装置2はCCDのよ
うな固体撮像素子を用いたテレビカメラからなり、所定
の時間間隔で撮像した画像(時系列画像)を出力するも
のであって、監視区域全体が視野内に収まるように設置
される。但し、撮像装置2として夜間でも照明無しで撮
像可能な赤外線カメラを用いても良いし、視野を広げる
ために魚眼レンズのような広角レンズを使用しても良
い。なお、図2に示すように防犯灯や街路灯あるいは外
灯のように監視区域に設置された屋外照明設備100に
発報装置1並びに撮像装置2を配設すれば、屋外照明設
備100が夜間撮像時の照明装置ともなり、設置が容易
であるとともにほぼ同一の基準並びに条件で複数の防犯
監視システムを構築できるという利点がある。
【0034】画像処理装置10は、撮像装置2で撮像さ
れた画像(時系列画像)を記憶する画像記憶手段11
と、画像記憶手段11に記憶された発報入力時点前後の
時系列画像群を画像処理することで監視区域内を移動す
る移動物体を検出する移動物体検出手段12と、移動物
体検出手段12で検出された移動物体の中から発報装置
1を操作した人を発報者として特定する発報者特定手段
13と、発報入力時点以前の時系列画像群を画像処理す
ることで移動物体検出手段12にて検出された移動物体
の中から発報者特定手段13で特定された発報者に接近
する移動物体を被疑者の候補となる注目物体として検出
する注目物体検出手段14とを備え、発報装置1並びに
撮像装置2と各々信号線によって接続されて発報装置1
並びに撮像装置2の近傍に設置される。すなわち、発報
装置1から出力される発報信号、並びに撮像装置2で撮
像された画像がそれぞれ信号線を通して画像処理装置1
0に伝送される。但し、信号線の代わりに電波等の無線
媒体を使って発報信号及び画像を伝送することも可能で
あり、この場合には画像処理装置10を発報装置1並び
に撮像装置2から離れた場所に設置することができる。
【0035】画像記憶手段11は、図3に示すように、
例えば30分〜60分といった比較的に長い時間に渡る
多数の画像It-n(n=0,1,2,…)を時系列で保
存可能な容量を有し、且つ必要に応じて任意の画像It
を取り出し得るメモリやハードディスク装置などからな
る。また、移動体検出手段12、発報者特定手段13並
びに注目物体検出手段14は、例えば汎用のコンピュー
タ装置に画像処理を含む専用の処理プログラムを実行さ
せることで実現される。而して、画像処理装置10は、
平常時には撮像装置2で撮像されて信号線を通して伝送
されてくる画像Itを画像記憶手段11に保存する処理
を繰り返している。
【0036】次に監視区域内で犯罪(例えばひったく
り)が発生した場合の防犯監視システムの動作を図4の
フローチャートを参照して説明する。ここで、図1に示
すように犯罪発生時点で監視区域内には被害者(発報
者)HAと犯人(被疑者)HB以外の人物が存在しない
状況を仮定する。なお、監視区域内には街路樹Tのよう
な静止物体が存在する場合もある。
【0037】まず、撮像装置2で撮像された画像が画像
処理装置10に取り込まれ(ステップ1)、画像記憶手
段11に保存される(ステップ2)。なお、上述したよ
うに発報が行われていない時点では上記ステップ1,ス
テップ2の処理が繰り返されている。そして、犯罪の被
害者HAが発報装置1の押釦スイッチを押操作すると発
報信号が出力され、この発報信号が信号線を通して画像
処理装置10に伝送される(ステップ3)。ここで、画
像記憶手段11内では時刻tに撮像された画像をIt、
時刻tよりも1つ前の時刻t−1に撮像された画像をI
t-1というように時系列画像群にラベルが付与されてい
る。そして、以下説明を簡単にするために発報信号を受
けた時刻tをt=t0とし、この時刻t=t0に撮像さ
れた画像をIt0、時刻t0よりも過去の時刻t=t0−
nに撮像された画像をIt-n(n=1,2,…)、時刻
t=t0よりも後の時刻t=t0+mに撮像された画像
をIt+m(m=1,2,…)と表記する。
【0038】発報信号を受けた画像処理装置10では、
図5に示すように移動物体検出手段12が画像記憶手段
11に保存されている画像Itのうちから時刻t=t0
の画像It0を取り出し、予め撮像しておいた監視区域の
背景画像Ibと画像It0との差分画像Ir0を作成するこ
とで移動物体K1,K2,…を検出する(ステップ
4)。続いて、移動物体検出手段12によって検出され
た移動物体K1,K2,…のうちから発報者特定手段1
3にて発報者を特定する。すなわち、発報が行われた時
点で発報装置1に最も近い位置にある移動物体が発報者
であると考えられるので、発報者特定手段13では、図
6に示すように上記差分画像Ir0において発報装置1の
周囲に設定した発報者検出範囲Mに存在する移動物体K
1,K2のうちで発報装置1からの距離が最も近い移動
物体K1を発報者HAとして特定する(ステップ5)。
【0039】次に、発報者特定手段13で特定された発
報者HAに接近する移動物体を注目物体検出手段14に
て検出する(ステップ6)。例えば、時刻t=t0の画
像It0(あるいは上記差分画像Ir0)において、図7に
示すように発報者HAとして特定した移動物体K1を中
心とする小円の注目物体検出範囲Nを設定し、この注目
物体検出範囲N内に移動物体が存在するか否かを判定し
(ステップ6)、注目物体検出範囲N内に存在する移動
物体K3を被疑者HBの候補である注目物体と特定する
(ステップ7)。ここで、発報時点の画像It0において
注目物体検出範囲N内に存在する移動物体が存在しない
場合、移動物体検出手段12が画像記憶手段11に保存
されている画像Itのうちから時刻t=t0よりも1つ
前の時刻t=t0−1の画像It0-1を取り出し(ステッ
プ8)、背景画像Ibとの差分画像Ir1を作成すること
で移動物体K1,…を検出する(ステップ9)。そし
て、発報者特定手段13が移動物体K1,…のうちから
発報者と特定するのであるが、このときには最初に発報
者として特定した移動物体K1との全体的な類似度を相
関演算するパターンマッチング、あるいは移動物体の髪
型、帽子、衣服、体形、顔かたち、眼鏡などの構成部分
の形状や色などの特徴を特徴量として抽出した特徴量抽
出値の照合又はこれら複数の特徴量を組み合わせた類似
度などによって画像It0-1(あるいは差分画像Ir1)に
おける複数の移動物体K1,…の中から発報者HAを特
定する(ステップ10)。さらに、図7に示すように画
像It0-1(あるいは差分画像Ir1)における注目物体検
出範囲N内に移動物体が存在するか否かを判定し(ステ
ップ6)、注目物体検出範囲N内に移動物体が存在すれ
ばその移動物体を注目物体と特定し(ステップ7)、画
像It0-1において注目物体検出範囲N内に存在する移動
物体が存在しない場合、上記ステップ6〜ステップ10
の処理を繰り返して過去の画像It0-k(k=1,2,
…)に遡って注目物体の特定処理を継続する(図8参
照)。なお、本実施形態ではステップ6〜ステップ10
の処理を繰り返しす際に連続した時刻の画像It0,It0
-1,It0-2,…を順次取り出しているが、1つ飛ばしや
2つ飛ばしで画像Itの間引きを行っても注目物体の特
定は可能である。
【0040】而して、本実施形態の防犯監視システムで
は、犯罪の被害者によって発報装置1が操作されて発報
されると時系列画像群を画像処理装置10で画像処理す
ることによって被害者HA並びに被疑者HBが特定で
き、監視区域の監視に要する労力を低減しつつ広い範囲
を監視できる。また、犯罪発生時には被疑者HBに関す
る情報を速やかに取得することが可能であって警察の初
動捜査にも充分に貢献し得るものである。特に、ひった
くりなどのように通報時に被害者すら確認できなかった
被疑者を即座に特定して追跡を行うために従来被疑者の
検挙が難しかった犯罪の解決に大きな効果をもたらし、
さらに、本システムによる犯罪の検挙率が上昇すること
でシステムの設置自体が犯罪発生の未然防止につながる
ことも期待できる。
【0041】(実施形態2)図9は本実施形態における
画像処理装置10のブロック図を示しており、実施形態
1における画像処理装置10に注目物体を追跡する注目
物体追跡手段15を追加した点に特徴があり、これ以外
の画像処理装置10の構成並びに発報装置1及び撮像装
置2については実施形態1と共通である。よって、共通
する構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を
省略する。
【0042】注目物体追跡手段15は、時系列画像群を
画像処理することによって注目物体検出手段14で検出
された注目物体を過去から現在の時間の流れに沿って追
跡するものであって、注目物体の逃走経路を知るための
重要な情報が得られるものである。なお、このような注
目物体追跡手段15は、他の手段と同様に汎用のコンピ
ュータ装置に専用の処理プログラムを実行させることで
実現可能である。
【0043】次に、図10のフローチャートを参照して
注目物体の追跡動作を説明する。但し、注目物体を特定
するまでの処理は実施形態1と同一であるから説明を省
略する。
【0044】注目物体特定手段14によって注目物体が
特定されると(ステップ1)、注目物体が特定された画
像It’(時刻t=t’の画像)における移動物体を移
動物体検出手段12にて検出する(ステップ2)。そし
て、注目物体追跡手段15が全体的な類似度を相関演算
するパターンマッチング、あるいは移動物体の髪型、帽
子、衣服、体形、顔かたち、眼鏡などの構成部分の形状
や色などの特徴を特徴量として抽出した特徴量抽出値の
照合又はこれら複数の特徴量を組み合わせた類似度演算
等の画像処理技術を利用して移動物体検出手段12で検
出された移動物体のうちから注目物体を特定する(ステ
ップ3)。注目物体追跡手段15による注目物体の特定
(追跡)が現在の画像Itまで行われたか否かが判定さ
れ(ステップ4)、行われていなければ、移動物体検出
手段12が画像記憶手段11に保存されている画像It
のうちから時刻t=t’よりも1つ後の時刻t=t’+
1の画像It'+1を取り出し(ステップ5)、この画像I
t'+1における移動物体を検出する(ステップ6)。続い
て、注目物体追跡手段15が移動物体検出手段12で検
出された移動物体のうちから注目物体を特定する(ステ
ップ7)。さらに、図11に示すように注目物体追跡手
段15による注目物体の特定(追跡)が現在の画像It
まで行われたか否かが判定され(ステップ4)、現在の
画像Itにおける注目物体の特定が行われとた判定され
るまでの間、上記ステップ4〜ステップ7の動作が繰り
返される(図11参照)。また、注目物体追跡手段15
による注目物体の特定(追跡)が現在の画像It'+kまで
行われると、撮像装置2で撮像される実時間での画像
(次の時刻t=t'+k+1での画像It'+k+1)に対して注目
物体追跡手段15が注目物体の追跡を継続する(ステッ
プ8)。
【0045】このように注目物体追跡手段15にて過去
の画像から現在の画像に遡って注目物体を追跡すること
により、被疑者の逃走経路を知ることができて警察の捜
査に有益な情報を提供することができる。なお、本実施
形態ではステップ4〜ステップ7の処理を繰り返しす際
に連続した時刻の画像It',It'+1,It'+2,…を順次
取り出しているが、1つ飛ばしや2つ飛ばしで画像It'
の間引きを行っても注目物体の追跡は可能である。
【0046】ところで、発報者HAに接近する移動物体
が1つであるとは限らず、例えば複数犯の犯行である場
合や被害者が複数である場合には注目物体も複数検出さ
れることになる。すなわち、図12のフローチャート並
びに図13を参照して説明すると、注目物体検出手段1
4は注目物体を特定(ステップ7)したのちに特定した
注目物体の数が予め設定されている閾値を越えるか、あ
るいは注目物体を特定した時刻(注目物体を特定した画
像の撮像された時刻)が閾値を越えるかを判断し(ステ
ップ11)、何れの閾値も越えていなければステップ8
の処理に戻って1つ前の時刻の画像について注目物体の
検出処理を続行する。また、特定された注目物体につい
ては上記追跡処理を行う(ステップ12)。そして、少
なくとも何れか一方の閾値を越える場合には、全ての注
目物体の検出が完了したものとして注目物体検出手段1
4の処理を終了する(ステップ13)。なお、図12に
示したフローチャートにおけるステップ1〜ステップ7
の処理は実施形態1と共通である。
【0047】而して、本実施形態においては、複数の注
目物体が検出される状況においても全ての注目物体を追
跡することで真の被疑者を追跡することができ、また、
被疑者が複数ある場合も全ての被疑者を追跡することが
できる。
【0048】(実施形態3)本実施形態は、図14に示
すように複数(例えば2つ)の防犯監視システムA,B
の間で注目物体の追跡に必要な情報を伝達するために各
システムA,Bが備える画像処理装置10A,10Bに
通信手段16,16を設けた点に特徴がある。但し、発
報装置1並びに撮像装置2は実施形態1と共通であるか
ら図示は省略し、さらに各画像処理装置10A,10B
の構成についても実施形態1,2と共通する構成要素に
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】通信手段16は従来周知の構成を有するも
のであって、専用回線や公衆電話回線等の有線あるいは
無線の通信回線90を使って通信を行う。なお、通信回
線90の接続は直列型又はスター型、あるいはその他の
接続方式でも良い。
【0050】ここで、本実施形態における2つの防犯監
視システムA,Bの監視区域SA,SBが図15に示す
ように隣接している場合を想定して画像処理装置10
A,10Bの動作を説明する。
【0051】例えば、一方の防犯監視システム10Aの
監視区域SA内で発報が有り、画像処理装置10Aによ
って注目物体KXの特定及び追跡が行われているとき
に、図15に示すように注目物体KXが監視区域SAを
出て隣の監視区域SBに進入した場合、画像処理装置1
0Aの注目物体追跡手段15が注目物体KXの追跡に必
要な情報(以下、「追跡情報」と呼ぶ)を通信手段16
を介して隣の監視区域SBを監視する画像処理装置10
Bに送信する。なお上記追跡情報としては、注目物体K
Xが監視区域SAを出たときの位置、移動速度並びに注
目物体KXの形状を表す特徴などが含まれる。
【0052】一方、通信手段16を介して画像処理装置
10Aから上記追跡情報を受け取った画像処理装置10
Bでは、受け取った追跡情報に基づいて注目物体検出手
段14が相関などを用いた従来周知のマッチング処理に
よって監視区域SB内の注目物体KXを検出し、さらに
検出された注目物体KXを注目物体追跡手段15にて追
跡するのである(図16参照)。
【0053】而して、本実施形態によれば、複数の防犯
監視システムA,Bで連携して注目物体KXを追跡する
ことができるから、個々の防犯監視システムA,Bの監
視区域SA,SBよりも広い範囲にわたって追跡するこ
とができる。なお、本実施形態では2つの防犯監視シス
テムA,B間で注目物体を追跡する場合を例示したが、
3つ以上の防犯監視システム間においても追跡情報を授
受して注目物体の追跡が行えることは明らかである。
【0054】ところで、複数の防犯監視システムA,B
の監視区域SA,SBが接しておらず、図17に示すよ
うに間隔が空いている場合も考えられる。このような場
合には注目物体KXが監視区域SAの外に出る直前の注
目物体KXの位置、移動速度並びに移動方向から監視区
域SAの外における注目物体KXの動き(移動速度や移
動方向)並びにその動きから予測される監視区域SBへ
の到達時刻などを画像処理装置10Aの注目物体追跡手
段15にて推定し、その推定結果を追跡情報として通信
手段16を介して隣の監視区域SBを監視する画像処理
装置10Bに送信すればよい。そして、通信手段16を
介して上記追跡情報を受け取った画像処理装置10Bで
は、受け取った追跡情報に基づいて注目物体検出手段1
4が注目物体KXの位置、移動方向並びに形状を表す特
徴などを推定し、これらを用いて監視区域SBにおける
注目物体KXを追跡するのである(図18参照)。な
お、監視区域SA外における注目物体KXの動きを推測
する方法としては、注目物体KXの移動の軌跡を直線又
は2次曲線などに切り分けて推定するという従来周知の
方法を用いればよい。
【0055】このようにすれば、複数の防犯監視システ
ムA,Bの監視区域SA,SB同士に隔たりがある場合
においても、監視区域SA外における注目物体KXの推
定結果を伝達し合うことで各防犯監視システムA,Bで
連携して注目物体KXを追跡することができ、防犯監視
システムA,Bの設置間隔を広くして費用を抑えること
ができる。また、監視区域SA,Sb内に撮像装置2の
視野を遮る障害物が存在する場合にも障害物の影響を回
避することができる。
【0056】(実施形態4)ところで、犯罪が発生した
監視区域と発報装置1からの発報が行われた監視区域と
が異なる状況においては、発報が行われた監視区域を監
視する画像処理装置だけでは発報者に接近する移動物体
を検出することができない。そこで、本実施形態では、
図19に示すように複数(例えば2つ)の防犯監視シス
テムA,Bの間で注目物体の特定に必要な情報を通信手
段16により伝達するようにしている。本実施形態の構
成は実施形態3と共通であるから共通する構成要素には
同一の符号を付して説明を省略する。
【0057】ここで、本実施形態における2つの防犯監
視システムA,Bの監視区域SA,SBが図20に示す
ように隣接している場合を想定して画像処理装置10
A,10Bの動作を説明する。
【0058】例えば、一方の防犯監視システム10Aの
監視区域SA内で発報が有り、画像処理装置10Aによ
って移動物体K1が発報者HAとして特定され、さらに
発報者HAとして特定された移動物体K1に接近する他
の移動物体を移動物体検出手段12で検出する過程にお
いて画像処理装置10Aの画像記憶手段11に保存され
ている画像It0-kに移動物体K1が含まれなくなったと
き、画像処理装置10Aの発報者特定手段13が発報者
HAとして特定した移動物体K1に関する情報(以下、
「発報者情報」と呼ぶ)を通信手段16を介して隣の監
視区域SBを監視する画像処理装置10Bに送信する。
なお上記発報者情報としては、移動物体K1の監視区域
SAに入ってきたときの位置、移動速度並びに移動物体
K1の形状を表す特徴などが含まれる。
【0059】一方、通信手段16を介して画像処理装置
10Aから上記発報者情報を受け取った画像処理装置1
0Bでは、受け取った発報者情報に基づいて発報者特定
手段13が相関などを用いた従来周知のマッチング処理
によって監視区域SB内の移動物体K1を検出し、さら
に検出された移動物体K1に接近する他の移動物体を注
目物体検出手段14にて検出するのである(図21参
照)。
【0060】而して本実施形態によれば、発報者HAが
被害にあった場所が発報を受けた防犯監視システムAの
監視区域SAの外である場合でも複数の防犯監視システ
ムA,B間で発報者情報を伝達することにより、発報者
HAが被害にあった場所を監視区域SBに含む防犯シス
テムBにて被疑者の候補となる注目物体KXを特定する
ことができる。この場合、複数の防犯監視システムA,
B同士で発報装置1を共用することが可能となるからコ
ストダウンが図れるという利点もある。
【0061】(実施形態5)ところで、発報時点から犯
罪が発生した時点までの間で監視区域内に発報者及び被
疑者以外の移動物体が存在する場合も考えられる。本実
施形態は、このような場合においても被疑者を特定する
ための発報者の追跡や、被疑者と特定された注目物体の
追跡を精度良く行うための処理を提供するものである。
但し、本実施形態の構成は実施形態2と共通であるから
図示並びに説明は省略する。
【0062】図22のフローチャートを参照して本実施
形態の画像処理装置10の処理動作を説明する。まず、
移動物体検出手段12にて時刻t=tの画像It及び時
刻t=t−1の画像It-1と背景画像Ibとの差分画像
を作成することで全ての移動物体を検出する(ステップ
1)。続いて、移動物体検出手段12は時刻t=tの画
像Itと背景画像Ibとの差分画像から何れか1つの移
動物体を選択し(ステップ2)、選択した移動物体の位
置、移動速度、移動方向又は形状を表す特徴と、時刻t
=t−1の画像It-1から検出された全ての移動物体の
位置、移動速度、移動方向又は形状を表す特徴とを比較
して両者の相関値を計算する(ステップ3)。さらに、
求めた相関値が閾値以上となる移動物体が存在するか否
かを判定し(ステップ4)、閾値以上の移動物体のなか
から相関値が最大の移動物体を時刻t=tの画像Itに
おいて検出された移動物体と対応付け(ステップ5)、
相関値が閾値以上となる移動物体が時刻t=tの画像I
tの他の移動物体の中に存在しなければ、選択した上記
移動物体が時刻t=t−1の時点では監視区域外にいる
と判断する(ステップ6)。なお、移動物体が監視区域
外にいるか否かの判断を行う場合に当該移動物体の位置
データを利用しても良い。
【0063】そして、移動物体検出手段12は時刻t=
tの画像Itにおいて検出された全ての移動物体に対し
て上記ステップ2〜ステップ7の処理を繰り返し、全て
の移動物体について処理が終了すれば追跡のための対応
付けが完了する(ステップ8)。このような対応付けを
行うことにより、注目物体検出手段14による注目物体
15の検出処理、あるいは注目物体追跡手段16による
注目物体の追跡処理において無関係の移動物体を検出又
は追跡することが可能となって、被疑者を特定するため
の発報者の追跡や、被疑者と特定された注目物体の追跡
を精度良く行うことができる。但し、注目物体の追跡処
理においては、上述の説明における時刻t=t−1を時
刻t=t+1と置き換えれば同じように説明できる。ま
た、上記処理においては、例えば時刻t=tの画像It
と時刻t=t−2の画像It−2を使うといったように
画像を間引いても構わない。
【0064】(実施形態6)本実施形態は、図23に示
すように発報装置1からの発報を受けた場合に犯罪の発
生を周囲に報知する報知装置20と、発報装置1からの
発報を受けた場合に関係機関に設置される中央監視装置
80に犯罪の発生を通報する通報手段30と、中央監視
装置80からの指令に基づいて撮像装置2を制御して監
視区域の画像を取得するとともに取得した監視区域の画
像を中央監視装置80に伝送する伝送制御手段40とを
備えた点に特徴がある。なお、画像処理装置10を含む
基本的な構成は実施形態1と共通であるから共通する構
成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略す
る。
【0065】報知装置20は、例えば発報装置1からの
発報信号を受信するとサイレンやベルなどの警報音、あ
るいは非常用ランプの点灯などによる警報表示を行うも
のであって、警報音や警報表示の届く範囲を可能な限り
広くするために比較的高所に設置される。
【0066】中央監視装置80は、警察や消防署あるい
は警備会社等の関係機関に設置され、各防犯監視システ
ムが具備する通報手段30と通信回線により接続されて
いる。通報手段30は例えば発報装置1に付設あるいは
内蔵されており、通信回線を通して中央監視装置80に
犯罪発生を通報したり、中央監視装置80を操作するオ
ペレータと通話し得る電話機能を備えている。但し、通
報手段30は発報装置1とは別に設置されるものであっ
ても良い。また、通信回線は専用回線や公衆電話回線等
の有線あるいは無線の何れでも構わない。なお、このよ
うな中央監視装置80並びに通報手段30は従来周知の
技術を用いて容易に実現可能であるから、詳細な構成に
ついては図示並びに説明を省略する。
【0067】伝送制御手段40は、同じく通信回線によ
り中央監視装置80と接続されており、通信回線を介し
て中央監視装置80から伝送される指令に基づいて撮像
装置2のレンズの焦点距離を遠隔制御し、所望の視野で
撮像された画像を撮像装置2から取り込むとともに、取
り込んだ画像を通信回線を介して中央監視装置80に伝
送するものである。但し、本実施形態では伝送制御手段
40により撮像装置2を制御して監視区域の画像を取得
しているが、別途設けたテレビカメラやスチルカメラか
ら監視区域の画像を取得する構成としても良い。
【0068】而して、本実施形態によれば、報知装置2
0によって犯罪発生並びにその発生場所を迅速に報知し
て救助を求めることができ、また、通報手段30から関
係機関の中央監視装置80に犯罪発生を通報して迅速な
対応を要求することができ、さらに、伝送制御手段40
から伝送される撮像画像によって遠隔地に設置される中
央監視装置80にて監視区域を監視することができる。
【0069】(実施形態7)本実施形態は、図24に示
すように注目物体追跡手段15による追跡結果に基づい
て注目物体が視野内に含まれるように撮像装置2を制御
する制御手段17と、上記追跡結果を中央監視装置80
に送信する送信手段18とを画像処理装置10に備えた
点に特徴がある。なお、画像処理装置10を含む基本的
な構成は実施形態1と共通であるから共通する構成要素
には同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】撮像装置2には遠隔制御によって焦点距離
を可変とするレンズ機構や視野の方向を変えるための姿
勢制御機構が設けられており、制御手段17により上記
レンズ機構並びに姿勢制御機構が制御される。制御手段
17は注目物体追跡手段15に追跡結果に基づいて追跡
中の注目物体が視野内に収まるようにレンズ機構並びに
姿勢制御機構を制御することにより、例えば注目物体の
拡大画像を撮像して被疑者の逮捕に有益な情報を取得す
ることができる。なお、本実施形態では制御手段17に
より撮像装置2を制御して注目物体の拡大画像等を取得
しているが、別途設けたテレビカメラやスチルカメラで
注目物体を撮像する構成としても良い。
【0071】送信手段18は中央監視装置80と通信回
線によって接続されており、注目物体追跡手段15によ
る追跡結果(例えば注目物体が移動する方向や移動速
度、現在位置等)を通信回線を介して中央監視装置80
に送信するものである。而して、中央監視装置80にお
いては送信手段18より送信される情報から各防犯監視
システムによる注目物体(犯罪の被疑者)の追跡結果を
把握することができる。
【0072】(実施形態8)本実施形態は、図25に示
すように注目物体検出手段14で検出された注目物体の
含まれる画像を画像記憶手段11から読み出して中央監
視装置80に送信する送信手段18と、上記画像に含ま
れる注目物体を強調する強調手段19とを画像処理装置
10に備えた点に特徴がある。なお、画像処理装置10
を含む基本的な構成は実施形態1と共通であるから共通
する構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】送信手段18は中央監視装置80と通信回
線によって接続されており、注目物体検出手段14で検
出された注目物体の含まれる画像を画像記憶手段11か
ら読み出し、通信回線を介して中央監視装置80に送信
するものである。而して、中央監視装置80においては
送信手段18より送信される画像、つまり被疑者と推定
される注目物体が含まれた画像を確認することができ
る。
【0074】また、強調手段19では画像記憶手段11
から読み出した上記画像に対して注目物体のみを切り出
した画像を生成したり、あるいは注目物体のみに輪郭付
けした画像を切り出すなどの画像処理を行うことで注目
物体を強調させるものであり、注目物体が強調された画
像が送信手段18から通信回線を介して中央監視装置8
0に送信される。而して、中央監視装置80には注目物
体が強調された画像を受け取るため、受け取った画像に
おける注目物体の認識が容易になるという利点がある。
なお、強調手段19において注目物体の位置と注目物体
を切り出した画像を地図画像と合成すれば、注目物体の
みをより明瞭にすることができる。
【0075】(実施形態9)本実施形態は、図26に示
すように互いに異なる監視区域に設置された防犯監視シ
ステムA,Bの撮像装置2A,2Bと画像処理装置10
を通信回線により接続し、2つの防犯監視システムA,
Bで画像処理装置10を共用した点に特徴がある。な
お、画像処理装置10を含む基本的な構成は実施形態1
と共通であるから共通する構成要素には同一の符号を付
して説明を省略する。
【0076】本実施形態における画像処理装置10は、
通信回線を介して各撮像装置2A,2Bで撮像された監
視区域の画像を取り込むととともに、隣接した2つの監
視区域を撮像した上記各画像を1つの画像に合成する隣
接画像合成手段21を備えている。なお、隣接画像合成
手段21により合成された画像は画像記憶手段11に保
存され、移動物体検出手段12、発報者特定手段13、
注目物体検出手段14並びに注目物体追跡手段15の処
理対象である時系列画像となる。
【0077】而して本実施形態の構成では、隣接画像合
成手段21により2つの監視区域の画像を1つの画像に
合成して発報者や注目物体の検出及び追跡を行うため、
2つの防犯監視システムA,Bで1つの画像処理装置1
0を共用することができ、共用化によるコストダウンが
図れるとともに保守も容易になるという利点がある。な
お、共用される画像処理装置10は中央監視装置80と
ともに関係機関に設置しても良い。
【0078】(実施形態10)本実施形態の防犯監視シ
ステムの概略構成を図27に示す。但し、本実施形態の
基本構成は実施形態1と共通であるから、共通する構成
要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】実施形態1においては、押釦スイッチを備
えた発報装置1が監視区域内の建物の壁面などに設置さ
れているため、被害者が犯罪発生後に発報装置1を探さ
なければならず、発報が遅れてしまう虞がある。特に、
犯罪発生直後の被害者は気が動転しており、発報装置1
を即座に探し出すことが難しい場合も想定される。ま
た、被害者が負傷していて発報装置1の設置場所まで移
動できない状況も考えられるが、このような状況では特
に迅速な発報を行って救援を求めることが重要である。
【0080】そこで本実施形態は、上述のような不具合
を解消するために、発報装置1を人が携帯する送信器3
と、監視区域内に設置される受信器4とで構成し、人の
操作に応じて無線媒体により緊急信号を送信する緊急信
号送信手段を送信器3に具備し、緊急信号を受信する緊
急信号受信手段4aと、緊急信号受信手段4aにて緊急
信号を受信した場合に発報を行う発報手段4bとを受信
器4に具備するとともに、画像処理装置10に緊急信号
の送信位置を特定する緊急信号送信位置特定手段22を
設け、発報者特定手段13が移動物体検出手段12で検
出された移動物体の中から緊急信号送信位置特定手段2
2にて特定された送信位置に対応する位置に存在する移
動物体を発報者として特定するようにしたものである。
【0081】送信器3は、図28に示すように押釦スイ
ッチを有し押釦スイッチが操作された場合に操作信号を
出力する操作部3aと、操作部3aから操作信号が入力
されると緊急信号を送信するための制御信号を出力する
制御部3bと、可視光を発する発光ダイオード等の光源
を有した発光部3cと、制御信号が入力されると駆動信
号を出力して発光部3cを駆動する駆動部3dと、電池
を電源として各部の動作電源を作成する電源部3eとを
備え、被害者HAが操作部3aを操作したときに発光部
3cから光信号(緊急信号)を送信するものである。
【0082】受信器4の緊急信号受信手段4aは、CC
Dのような固体撮像素子を用いたテレビカメラからな
り、監視区域全体を画角内に収めるようにして常時撮像
を行っている。なお、緊急信号受信手段4aを撮像装置
2で兼用することも可能である。発報手段4bは、緊急
信号受信手段4aで撮像した画像を時系列で記憶するメ
モリを有し、メモリに記憶した時系列の画像間(フレー
ム間)の差分を演算して差分画像を求め、差分画像にお
ける最も輝度の高い部分のレベルが所定の閾値を越えた
場合に緊急信号が送信されたと判断して発報信号を画像
処理装置10に出力する。
【0083】一方、画像処理装置10の緊急信号送信位
置特定手段22は、発報信号を受け取ると、緊急信号受
信手段4aが発報入力時点前後に撮像した時系列画像群
を画像処理することで送信位置を特定する。例えば、緊
急信号送信位置特定手段22は発報手段4bが緊急信号
の送信判断の根拠とした差分画像を発報手段4bより取
得し、その差分画像における最もレベル(明るさのレベ
ル)の高い部分の位置を検出して当該位置を送信位置に
特定するのである。例えば、図29(a)は緊急信号の
送信直前の画像、同図(b)は緊急信号の送信時の画
像、同図(c)はこれら2つの画像の差分画像をそれぞ
れ示しており、緊急信号を送信している送信器3の位置
(図29における黒丸部分)のレベルが最も高いことか
ら、この位置が送信位置Xと特定できる。そして、画像
処理装置10の発報者特定手段13にて、移動物体検出
手段12によって検出された移動物体K1,K2のうち
で緊急信号送信位置特定手段22で特定された送信位置
Xの近傍(円形の領域Yで示された範囲)で最も近い位
置に存在する移動物体K1が発報者HAとして特定され
る(図29(d)参照)。
【0084】本実施形態は上述のように構成したもので
あるから、人(被害者)が携帯する送信器3を操作して
発報を行うことができるために被害を受けたその場で即
座に発報を行うことが可能になる。
【0085】なお、本実施形態では、緊急信号送信用の
光信号に可視光を利用することで送信器3及び受信器4
の設計のコストを抑えることができるという利点があ
る。但し、上記光信号は可視光に限定されるものではな
く、例えば近赤外光を用いても良い。この場合、送信器
3の光源部3aには近赤外光を発する光源(発光ダイオ
ードなど)を設け、受信器4の緊急信号受信手段4aに
は近赤外光に高い感度を有する赤外線用テレビカメラを
用いる。なお、撮像装置2により特定波長の近赤外光を
撮像可能として兼用しても構わない。而して、緊急信号
送信用の光信号に赤外光を利用すれば、緊急信号の送信
が近辺に居る犯人(被疑者)に悟られ難くなり、犯人を
刺激することなく緊急信号が送信できるという利点があ
る。
【0086】また、本実施形態では光源部3aを連続点
灯させることで緊急信号を送信しているが、光源部3a
を点滅させることで緊急信号を送信し、緊急信号送信位
置特定手段22にて時系列画像群の中から可視光の輝度
が繰り返して変化する位置を検出して当該位置を送信位
置として特定することも可能である。例えば、図30
(a)に示すように光源部3aを断続的に駆動して一定
時間の点灯と消灯を交互に繰り返すことで緊急信号を送
信すれば、受信器4の緊急信号受信手段4aによる撮像
画像においては、同図(b)に示すように、点滅箇所の
画素について輝度値の高い時系列画像群と輝度値の低い
時系列画像群とが交互に現れる。このとき、点滅の周期
は、予め撮像画像のフレーム周期(撮像周期)Tfの約
8倍の周期Txと設定しているため、この半分に相当す
る4フレーム前の画像との差分画像を求め、求めた差分
値を正の値のみデジタル化すれば、同図(c)に示すよ
うになる。このデジタル信号を解析することで点滅状態
の検知、すなわち緊急信号の受信が可能となり、点滅箇
所の位置を特定することができる。なお、図30に示す
ように、光源部3aの点滅周期Txを撮像画像のフレー
ム周期Tfよりも数倍以上に充分長くすることで確実な
検出が可能である。
【0087】ところで、緊急信号を光信号とした場合、
監視区域内又はその近傍に設置された信号機や広告灯な
どの光の点滅、あるいは自然光の反射や揺らぎによる光
の点滅が生じているとこれらの光の点滅が受信器4にて
緊急信号と誤認識される虞がある。そこで、送信器3に
おいて光源部3aを信号機や広告灯等の点滅のパターン
周期と異なる所定のパターン周期で駆動して光を点滅さ
せることで緊急信号を送信し、受信器4では上記所定の
パターン周期を持ったデジタル信号のみを検出するよう
にすれば、上述のような光源部3aからの光以外の光の
点滅を誤検出することがなく、正しい緊急信号のみを検
出することができる。
【0088】(実施形態11)本実施形態の防犯監視シ
ステムの一部省略した概略構成を図31に示す。但し、
本実施形態の基本構成は実施形態1並びに実施形態10
と共通であるから、共通する構成要素には同一の符号を
付して説明を省略する。
【0089】本実施形態と実施形態10との基本的な相
違点は、本実施形態が発報装置1における緊急信号送信
用の無線媒体に光ではなく超音波を用いる点にある。本
実施形態の発報装置1は、携帯可能であって超音波によ
り緊急信号を送信する送信器5と、送信器5から送信さ
れる超音波の緊急信号を受信する受信器6とで構成され
る。
【0090】送信器5は、図32に示すように押釦スイ
ッチを有し押釦スイッチが操作された場合に操作信号を
出力する操作部5aと、操作部5aから操作信号が入力
されると緊急信号を送信するための制御信号を出力する
制御部5bと、超音波振動子を有する送信部5cと、制
御信号が入力されると駆動信号を出力して送信部5cを
駆動する駆動部5dと、後述する同期信号を受信するた
めの受信素子を有する受信部5eと、受信部5eの出力
を信号処理して同期信号を取り出す受信回路部5fと、
電池を電源として各部の動作電源を作成する電源部5g
とを備え、送信部5cの超音波振動子を駆動して超音波
信号(緊急信号)を送信するものである。
【0091】受信器6は、超音波信号を受信するための
超音波検出器を有し、送信器5から送信される超音波の
緊急信号を受信する複数(本実施形態では3つ)の緊急
信号受信手段6A1,6A2,6A3と、緊急信号を受信
した場合に画像処理装置10に発報信号を出力する発報
手段6Bと、送信器5に対して同期信号を送信する同期
信号送信手段6Cとを備える。3つの緊急信号受信手段
6A1〜6A3は、有線又は無線の伝送路Lsで互いに接
続され、この伝送路Lsを通して後述する種々のデータ
の授受を行っている。また、同期信号送信手段6Cは、
3つのうちの1つの緊急信号受信手段6A1からの指令
に基づいて電波や光あるいは超音波などの無線媒体によ
り同期信号を送信するものである。
【0092】次に、本実施形態における発報装置1の動
作を説明する。
【0093】通常は緊急信号受信手段6A1のみが緊急
信号を受信可能な状態になっており、他の2つの緊急信
号受信手段6A2,6A3は受信不可能な状態となってい
る。このような状況で人(被害者)HAが操作部5aを
操作して送信器5から緊急信号が送信されると、受信可
能状態である緊急信号受信手段6A1のみで緊急信号が
受信され、他の2つの緊急信号受信手段6A2,6A3
は緊急信号が受信されない。
【0094】緊急信号を受信した緊急信号受信手段6A
1は、同期信号送信手段を制御して同期信号を送信させ
るとともに、伝送路Lsを通して他の2つの緊急信号受
信手段6A2,6A3に対して緊急信号の受信を許可する
コマンドデータを送信する。緊急信号受信手段6A2
6A3は、伝送路Lsを通して上記コマンドデータを受
信すると緊急信号を受信可能な状態に移行する。
【0095】一方、送信器5では、受信部5e並びに受
信回路部5fを介して同期信号を受け取った制御部5b
が駆動部5dに制御信号を出力して送信部5cから再度
緊急信号を送信させる。このとき、1回目の緊急信号の
送信時とは違って2つの緊急信号受信手段6A2,6A3
も受信可能状態となっているから、上記2回目の緊急信
号は3つ全ての緊急信号受信手段6A1〜6A3で受信さ
れる。そして、緊急信号を受信した3つの緊急信号受信
手段6A1〜6A3は伝送路Lsを通して受信許可のコマ
ンドデータを送信又は受信した時点から2回目の緊急信
号を受信した時点までの経過時間(遅延時間)を算出す
るとともに、2つの緊急信号受信手段6A2,6A3が算
出した遅延時間のデータを伝送路Lsを通して緊急信号
受信手段6A1に送信する。
【0096】緊急信号受信手段6A1は、2回目の緊急
信号を受信すると発報手段6Bに発報信号を出力させる
とともに、他の2つの緊急信号受信手段6A2,6A3
ら受け取った遅延時間並びに自己の遅延時間のデータを
発報手段6Bを介して画像処理装置10の緊急信号送信
位置特定手段22に伝送する。
【0097】緊急信号送信位置特定手段22では、緊急
信号受信手段6A1から受け取った3つの遅延時間のデ
ータと緊急信号の無線媒体である超音波の速度(音速)
とに基づいて、各緊急信号受信手段6A1〜6A3と送信
器5との距離を求める。ここで、同期信号の無線媒体に
超音波よりも充分に高速な電波や光を用いている場合に
は、同期信号の送受信に要する時間を無視することがで
き、上記遅延時間と音速との積がそのまま各緊急信号受
信手段6A1〜6A3と送信器5との距離を示すことにな
る。また、同期信号を緊急信号と同じく超音波で送信す
る場合には、同期信号の送受信に要する時間を無視する
ことができず、上記緊急信号受信手段6A1の遅延時間
と音速との積のおよそ半分が緊急信号受信手段6A1
送信器5との距離を示すことになる。また、他の緊急信
号受信手段6A2,6A3の各遅延時間より緊急信号受信
手段6A1の遅延時間のおよそ半分を引いた時間と音速
との積が各緊急信号受信手段6A2,6A3と送信器5と
の距離をそれぞれ示すことになる。なお、送受信回路で
遅延する時間などの誤差となる時間を除いて上記演算を
行うことはいうまでもない。そして、各緊急信号受信手
段6A1〜6A3と送信器5との距離が求まれば、三角測
量の原理を用いて各緊急信号受信手段6A1〜6A3から
みた送信器5の相対的な位置(送信位置)が求められ
る。そして、このようにして求めた送信位置を発報者特
定手段13に与えれば、予め求めておいた撮像装置2と
各緊急信号受信手段6A1〜6A3との位置関係と送信位
置とに基づいて発報者HAの特定が可能である。なお、
本実施形態では対象の空間での送信位置を特定するため
に緊急信号受信手段6A1〜6A3を3つとしたが4つ以
上としてもよく、緊急信号受信手段6A1,…の数が多
いほど送信位置の検出精度が高くなる。また、送信位置
が受信手段の位置より前方の地上面に限定される場合
は、緊急号受信手段を2つとしても良く、この場合、2
つでも送信位置の特定が可能である。
【0098】ところで、上述のように本実施形態におい
ては、1つの緊急信号受信手段6A 1を常時超音波信号
が受信可能な状態とし、送信器3から送信された最初の
緊急信号(超音波信号)を上記緊急信号受信手段6A1
で受信したときに、同期信号を送信器5に送信するとと
もに他の2つの緊急信号受信手段6A2,6A3に超音波
信号(緊急信号)の受信許可を与え、同期信号を受信し
た送信器5から距離を算出するための2回目の緊急信号
を送信させている。これに対して、全ての緊急信号受信
手段6A1〜6A3を超音波信号の受信不可状態とし、1
回目の緊急信号が送信される前に電波あるいは光のよう
な超音波よりも高速な無線媒体により送信器5から送信
されるトリガ信号を受信したときに、このトリガ信号を
受信した何れかの緊急信号受信手段6A1,…が超音波
信号の受信可能状態に切り換わると同時に他の緊急信号
受信手段6A2,…に受信許可のコマンドデータを伝送
し、さらに送信器5に対して同期信号を送信するように
してもよい。そして、同期信号を受信した送信器5から
緊急信号を送信すれば、この緊急信号が全ての緊急信号
受信手段6A1〜6A3にて受信されるので、既に説明し
た手順で各緊急信号受信手段6A1〜6A3から送信器5
までの距離が算出できる。なお、トリガ信号が送信器5
から緊急信号受信手段6A1,…に到達するまでの時間
は超音波信号による緊急信号に比較して充分に短いこと
から、緊急信号受信手段6A1,…から送信される同期
信号を待たずに、トリガ信号と同時又は所定時間だけ遅
らせて送信器5から緊急信号(超音波信号)を送信する
ようにしても良い。
【0099】また、他の構成として、超音波よりも高速
な電波や光などの無線媒体により同期信号を送信する同
期信号送信手段を送信器5に具備し、各緊急信号受信手
段6A1〜6A3に同期信号受信手段を具備し、送信器5
が同期信号送信手段より同期信号を送信すると同時に、
超音波による緊急信号を送信し、全ての緊急信号受信手
段6A1〜6A3において、前記同期信号を受信した時点
から超音波の緊急信号を受信するまでの遅延時間を測定
し、この遅延時間に基づいて各緊急信号受信手段6A1
〜6A3と送信器5との距離を算出する構成としてもよ
い。
【0100】なお、上記同期信号として、特定が容易な
ように予め規定したパルス周期又は変調モードの信号を
用いると誤認識を防いで確実に受信することができ、上
記遅延時間測定のタイミング同期を高い精度で行うこと
が可能である。また、同期信号に送信器5の固有番号な
どの識別情報を付加してもよい。あるいは、同期信号に
超音波信号の発信モードや強度などのデータを付加して
送信し、瞬時に超音波信号の送受信モードを自動的に切
り換え、状況に応じて最適な送受信を行えるようにして
もよい。
【0101】(実施形態12)本実施形態の防犯監視シ
ステムの一部省略した概略構成を図33に示す。但し、
本実施形態の基本構成は実施形態11と共通であるか
ら、共通する構成要素には同一の符号を付して説明を省
略する。
【0102】実施形態11では1つの受信器6が複数
(例えば3つ)の緊急信号受信手段6A1,…を備えて
いたが、本実施形態では複数の防犯監視システムA,
B,Cにおける各受信器6がそれぞれただ1つの緊急信
号受信手段6A1,6A2,6A3と同期信号送信手段6
1,6C2,6C3とを備え、各防犯監視システムA,
B,Cの緊急信号受信手段6A1,6A2,6A3同士が
有線又は無線の伝送路Lsで接続されており、この点に
本実施形態の特徴がある。
【0103】次に、本実施形態における発報装置1の動
作を説明する。
【0104】通常は各防犯システムA,B,Cの各緊急
信号受信手段6A1,6A2,6A3が全て緊急信号を受
信可能な状態になっており、人(被害者)HAが操作部
5aを操作して送信器5から緊急信号が送信された場
合、送信器5からの距離が最も近い、例えば防犯監視シ
ステムAの緊急信号受信手段6A1で最初に緊急信号が
受信される。緊急信号を受信した緊急信号受信手段6A
1は、同期信号送信手段6C1を制御して同期信号を送信
させるとともに、伝送路Lsを通して他の防犯監視シス
テムB,Cの緊急信号受信手段6A2,6A3に対して同
期信号の送信を禁止するコマンドデータを送信する。緊
急信号受信手段6A2,6A3は、伝送路Lsを通して上
記コマンドデータを受信すると、緊急信号を受信したと
しても同期信号送信手段6C2,6C3から同期信号の送
信を行わない。
【0105】一方、送信器5では、受信部5e並びに受
信回路部5fを介して同期信号を受け取った制御部5b
が駆動部5dに制御信号を出力して送信部5cから再度
緊急信号を送信させる。そして、この2回目の緊急信号
が各緊急信号受信手段6A1〜6A3で受信されると、緊
急信号を受信した各緊急信号受信手段6A1〜6A3は伝
送路Lsを通して同期信号送信禁止のコマンドデータを
送信又は受信した時点から2回目の緊急信号を受信した
時点までの経過時間(遅延時間)を算出する。さらに、
同期信号を送信しなかった2つの緊急信号受信手段6A
2,6A3が算出した遅延時間のデータが伝送路Lsを通
して緊急信号受信手段6A1に送信される。
【0106】緊急信号受信手段6A1は、2回目の緊急
信号を受信すると発報手段6B1に発報信号を出力させ
るとともに、他の2つの緊急信号受信手段6A2,6A3
から受け取った遅延時間並びに自己の遅延時間のデータ
を発報手段6Bを介して画像処理装置10の緊急信号送
信位置特定手段22に伝送する。
【0107】緊急信号送信位置特定手段22では、実施
形態11と同様に緊急信号受信手段6A1から受け取っ
た3つの遅延時間のデータと緊急信号の無線媒体である
超音波の速度(音速)とに基づいて算出した各緊急信号
受信手段6A1〜6A3と送信器5との距離から送信器5
の送信位置を求める。そして、発報者特定手段13に
て、予め求めておいた撮像装置2と各緊急信号受信手段
6A1〜6A3との位置関係と送信位置とに基づいて発報
者HAを特定する。
【0108】上述のように本実施形態では、実施形態1
1のように1つの防犯監視システムA,B,Cにおける
受信器61〜63に複数の緊急信号受信手段6Aを設ける
必要が無く、実施形態11に比較してシステムの導入コ
ストが低減できるという利点がある。なお、本実施形態
では上述のように連係して動作する防犯監視システムの
数を3つとしたが4つ以上としてもよく、連係させる防
犯監視システム(緊急信号受信手段6A1,…)の数が
多いほど送信位置の検出精度が高くなる。
【0109】(実施形態13)本実施形態の防犯監視シ
ステムの一部省略した概略構成を図34に示す。但し、
本実施形態の基本構成は実施形態10と共通であるか
ら、共通する構成要素には同一の符号を付して説明を省
略する。
【0110】本実施形態における送信器3は、それぞれ
固有の識別番号(機器ID)が割り当てられて内蔵メモ
リ(図示せず)等に記憶しており、緊急信号を送信する
際に自己に割り当てられた上記機器IDを同時に送信す
る。そして、受信器4では緊急信号受信手段4aが受信
した緊急信号と機器IDを分離し、両者を発報手段4b
に出力する。
【0111】発報手段4bでは受け取った機器IDを使
用者情報取得手段7に与える。この使用者情報取得手段
7は、個々の機器IDと各機器IDが割り当てられた個
々の送信器3を使用する使用者との対応関係が登録され
たデータベースDBにアクセスし、緊急信号を送信した
使用者(被害者)HAに関する使用者情報を取得する。
ここで、データベースDBには送信器3を使用者に販売
又は貸し出す際に申告された個人情報(使用者の氏名、
住所、年齢、性別、連絡先の電話番号等)が販売又は貸
し出された送信器3の機器IDと関連付けて登録されて
おり、機器IDからその所有者の個人情報を検索するこ
とができるようになっている。
【0112】使用者情報取得手段7にて取得された使用
者情報は発報手段4bに送られ、発報手段4bから画像
処理装置10に対して発報信号に付加して伝送される。
但し、機器IDに対応する使用者情報がデータベースD
Bに登録されていない場合、その旨のエラー情報が発報
手段4bに送られる。発報手段4bでは当該エラー情報
を受け取った場合には、緊急信号受信手段4aによって
緊急信号が誤検出されたものと判断し、発報信号の出力
を行わないようにすることでいたずら等による誤発報を
防いでいる。
【0113】上述のように本実施形態では、発報を行う
際に送信器3を所持する使用者(被害者)の個人情報を
合わせて送信するようにしたため、発報があった場合に
直ちに被害者の情報が使用者情報として得られ、警察の
初動捜査に有益な情報が提供できるという利点がある。
【0114】(実施形態14)本実施形態の防犯監視シ
ステムの一部省略した概略構成を図35に示す。但し、
本実施形態の基本構成は実施形態10と共通であるか
ら、共通する構成要素には同一の符号を付して説明を省
略する。
【0115】本実施形態は、発報装置1による発報が行
われた場合に発報完了を報知する発報完了報知手段8を
備えた点に特徴がある。発報完了報知手段8は、発報手
段4bから発報信号を受け取ると発報完了の報知動作、
例えばサイレン等を鳴らして音による報知を行ったり、
あるいは回転灯や電光掲示板等を点灯させて光による報
知を行う。また、発報完了報知手段8は必ずしも受信器
4の近くに設置する必要はなく、確実且つ広い範囲に報
知できる場所に設置されることが望ましい。
【0116】本実施形態によれば、発報完了報知手段8
により発報の完了を報知するようにしたので、発報を行
った被害者に発報が確実に行われたことを知らしめるこ
とができ、さらに周囲に犯罪の発生を知らせることがで
きるという利点がある。
【0117】(実施形態15)ところで、防犯監視シス
テムの監視区域は人の往来の少ない場所であることが多
いから、上述のように音や光を利用した発報完了報知を
行うと犯人を刺激してしまい、被害者に危険が及ぶ虞も
ある。したがって、監視区域の状況によっては送信器3
を所持した被害者のみに発報完了を報知する方が望まし
い場合がある。
【0118】そこで本実施形態では、図36及び図37
に示すように発報手段4bによる発報が完了すると発報
完了を報知する発報完了信号を送信する発報完了信号送
信手段4cを受信器4に設け、発報完了信号を受信する
発報完了信号受信部3fと、発報完了信号受信部3fに
て発報完了信号が受信されたことを表示する表示部3g
とを送信器3に設けている。
【0119】受信器4の発報完了信号送信手段4cは、
発報手段4bから発報信号が出力されると電波や光など
の無線媒体を利用して発報完了信号を送信する。送信器
3では発報完了信号受信部3fにて発報完了信号を受信
すると、制御部3bが表示部3gに対して制御信号を出
力する。表示部3gは例えば発光素子を具備しており、
制御部3bから与えられる制御信号に応じて発光素子を
発光させることで発報完了を報知する。
【0120】本実施形態によれば、送信器3に設けられ
た表示部3gで発報完了が報知されるため、発報を行っ
た被害者HAのみに発報完了を知らせることができて犯
人を刺激することがないものである。ここで、表示部3
gは視覚で認識される通知手段であるが、音などの聴覚
で認識される通知手段、あるいは振動などの触覚で認識
される通知手段などを用いてもよい。
【0121】
【発明の効果】請求項1の発明は、不特定多数の人が往
来する監視区域に設置され、人により操作されて発報を
行う発報装置と、発報装置からの発報を受けた場合に監
視区域の撮像画像を画像処理することで発報装置を操作
した人及びその人が被害者となった犯罪の被疑者を特定
する画像処理装置とを有する防犯監視システムであっ
て、画像処理装置は、撮像装置で撮像された画像を記憶
する画像記憶手段と、画像記憶手段に記憶された発報入
力時点前後の時系列画像群を画像処理することで監視区
域内を移動する移動物体を検出する移動物体検出手段
と、移動物体検出手段で検出された移動物体の中から発
報装置を操作した人を発報者として特定する発報者特定
手段と、発報入力時点以前の時系列画像群を画像処理す
ることで移動物体検出手段にて検出された移動物体の中
から発報者特定手段で特定された発報者に接近する移動
物体を被疑者の候補となる注目物体として検出する注目
物体検出手段とを備えたので、犯罪の被害者によって発
報装置が操作されて発報されると時系列画像群を画像処
理することによって被害者並びに被疑者が特定できるか
ら、監視区域の監視に要する労力を低減しつつ広い範囲
を監視できるとともに犯罪発生時には被疑者に関する情
報を速やかに取得することが可能であって警察の初動捜
査にも充分に貢献し得るという効果がある。
【0122】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、発報入力時点前後の時系列画像群を画像処理するこ
とで注目物体を追跡する追跡手段を画像処理装置に備え
るので、特定した注目物体を追跡することで被疑者と推
測される人物又は物体の逃走経路を知ることができると
いう効果がある。
【0123】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、追跡手段で追跡する注目物体が監視区域外に出た場
合に当該監視区域に隣接する監視区域を監視対象とする
他の防犯監視システムの画像処理装置に対して注目物体
の追跡に必要な情報を伝達する情報伝達手段を画像処理
装置に備え、他の防犯監視システムの画像処理装置にお
ける追跡手段は情報伝達手段に伝達された情報に基づい
て注目物体を追跡するので、複数の防犯監視システムで
連携して注目物体を追跡するため、個々の防犯監視シス
テムの監視区域よりも広い範囲にわたって追跡すること
ができるという効果がある。
【0124】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、追跡手段で追跡する注目物体が監視区域外に出た場
合に追跡結果に基づいて注目物体の監視区域外での移動
方向や移動速度を推定する推定手段を画像処理装置に備
え、情報伝達手段は推定手段による推定結果を他の防犯
監視システムの画像処理装置に伝達するので、複数の防
犯監視システムの監視区域同士に隔たりがある場合にお
いても、推定手段による推定結果を伝達し合うことで各
防犯監視システムで連携して注目物体を追跡することが
でき、防犯監視システムの設置間隔を広くして費用を抑
えることができ、また、監視区域内に撮像装置の視野を
遮る障害物が存在する場合にも障害物の影響を回避する
ことができるという効果がある。
【0125】請求項5の発明は、請求項2の発明におい
て、注目物体検出手段は発報者に接近する移動物体が複
数存在する場合に各移動物体を注目物体として検出し、
追跡手段は注目物体検出手段で検出された複数の注目物
体をそれぞれ追跡するので、複数の注目物体の中から被
疑者が特定できない状況においても全ての注目物体を追
跡することで真の被疑者を追跡することができ、また、
被疑者が複数である場合も全ての被疑者を追跡すること
ができるという効果がある。
【0126】請求項6の発明は、請求項1の発明におい
て、移動物体検出手段で検出した移動物体が監視区域外
に出た場合に当該監視区域に隣接する監視区域を監視対
象とする他の防犯監視システムの画像処理装置に対して
移動物体の追跡に必要な情報を伝達する情報伝達手段を
画像処理装置に備え、他の防犯監視システムの画像処理
装置においては、移動物体検出手段が少なくとも情報伝
達時点以前の時系列画像群を画像処理することで監視区
域内を移動する移動物体を検出し、発報者特定手段が情
報伝達手段に伝達された情報に基づいて発報者を特定
し、注目物体検出手段が情報伝達時点以前の時系列画像
群を画像処理することで特定された発報者に接近する移
動物体を注目物体として検出するので、発報者が被害に
あった場所が発報を受けた防犯監視システムの監視区域
外である場合でも複数の防犯監視システム間で情報を伝
達することにより、発報者が被害にあった場所を監視区
域に含む防犯システムにて被疑者の候補となる注目物体
を特定することができ、しかも、複数の防犯監視システ
ム同士で発報装置を共用することが可能となってコスト
ダウンが図れるという効果がある。
【0127】請求項7の発明は、請求項1の発明におい
て、発報者特定手段は、発報入力時点における画像に複
数の移動物体が含まれる場合に発報装置との距離が最も
近い移動物体を発報者と特定するので、複数の移動物体
の中から最も発報者である蓋然性の高い移動物体を発報
者に特定することができるという効果がある。
【0128】請求項8の発明は、請求項1〜7の何れか
の発明において、移動物体検出手段は、時系列画像と基
準となる背景画像との差分画像から移動物体を検出し、
追跡手段並びに発報者特定手段は、特定の時系列画像群
における全ての移動物体について位置、移動速度、移動
方向又は形状特徴値の相関値を算出し、当該相関値が閾
値以上且つ最大となる移動物体を注目物体又は発報者と
するので、発報者と被疑者以外の物体が監視区域に存在
する場合でも発報者並びに被疑者の候補とする注目物体
を精度良く特定並びに追跡することができるという効果
がある。
【0129】請求項9の発明は、請求項1〜8の何れか
の発明において、発報装置からの発報を受けた場合に犯
罪発生を周囲に報知する報知手段を備えたので、犯罪発
生並びに発生場所を迅速に報知して救助を求めることが
できるという効果がある。
【0130】請求項10の発明は、請求項1〜9の何れ
かの発明において、発報装置からの発報を受けた場合に
関係機関に設置される中央監視装置に犯罪発生を通報す
る通報手段を備えたので、警察や消防署あるいは警備会
社等の関係機関に設置される中央監視装置に犯罪発生を
通報して迅速な対応を要求することができるという効果
がある。
【0131】請求項11の発明は、請求項10の発明に
おいて、監視区域の画像を撮像する撮像手段と、中央監
視装置からの指令に基づいて撮像手段を制御して監視区
域の撮像画像を取得し、取得した撮像画像を中央監視装
置に伝送する伝送制御手段とを備えたので、伝送されて
くる撮像画像によって遠隔地に設置されている中央監視
装置にて監視区域を監視することができるという効果が
ある。
【0132】請求項12の発明は、請求項1の発明にお
いて、少なくとも視野が可変である撮像手段と、追跡手
段による追跡結果に基づいて注目物体が視野内に含まれ
るように撮像手段を制御する制御手段とを備えたので、
追跡中の注目物体の拡大画像等を得ることができるとい
う効果がある。
【0133】請求項13の発明は、請求項2〜5の何れ
かの発明において、追跡手段による追跡結果を関係機関
に設置される中央監視装置に送信する送信手段を備えた
ので、遠隔地に設置されている中央監視装置にて追跡結
果を把握することができるという効果がある。
【0134】請求項14の発明は、請求項13の発明に
おいて、送信手段は、追跡結果として注目物体が含まれ
る撮像画像を送信するので、中央監視装置にて被疑者と
推定される注目物体が含まれた撮像画像を確認すること
ができるという効果がある。
【0135】請求項15の発明は、請求項14の発明に
おいて、撮像画像に含まれる注目物体を強調させる強調
手段を備え、強調手段にて注目物体が強調された撮像画
像を送信手段により送信するので、中央監視装置におけ
る注目物体の認識が容易となるという効果がある。
【0136】請求項16の発明は、請求項3又は4又は
6の発明において、画像処理装置が備える複数の手段の
少なくとも一部を他の防犯監視システムの画像処理装置
と共用するので、共用化によるコストダウンが図れると
ともに保守も容易になるという効果がある。
【0137】請求項17の発明は、請求項1〜16の何
れかの発明において、監視区域に設置される外灯、街路
灯又は防犯灯に少なくとも発報装置及び撮像装置を配設
したので、これらの灯は夜間撮像時の照明装置ともな
り、発報装置及び撮像装置が容易に設置できるとともに
ほぼ同一の基準並びに条件で複数の防犯監視システムを
構築できるという効果がある。
【0138】請求項18の発明は、請求項1の発明にお
いて、発報装置は、人が携帯する送信器と、監視区域内
に設置される受信器とを有し、送信器は、人の操作に応
じて無線媒体により緊急信号を送信する緊急信号送信手
段を具備し、受信器は、緊急信号を受信する緊急信号受
信手段と、緊急信号受信手段にて緊急信号を受信した場
合に発報を行う発報手段とを具備し、画像処理装置は、
緊急信号の送信位置を特定する緊急信号送信位置特定手
段を具備し、発報者特定手段は、移動物体検出手段で検
出された移動物体の中から緊急信号送信位置特定手段に
て特定された送信位置に対応する位置に存在する移動物
体を発報者として特定するので、被害者の被害状況によ
っては被害者自身が発報装置を操作することが困難な場
合が少なくないが、人(被害者)が携帯する送信器を操
作して発報を行うことができるために被害を受けたその
場で即座に発報を行うことが可能になるという効果があ
る。
【0139】請求項19の発明は、請求項18の発明に
おいて、緊急信号送信手段は、光を媒体として緊急信号
を送信し、緊急信号受信手段は、監視区域を撮像するこ
とで緊急信号を受信し、緊急信号送信位置特定手段は、
緊急信号受信手段が発報入力時点前後に撮像した時系列
画像群を画像処理することで送信位置を特定するので、
送信位置が簡単且つ迅速に特定できるという効果があ
る。
【0140】請求項20の発明は、請求項19の発明に
おいて、緊急信号送信手段は、可視光を発する光源を点
滅させることで緊急信号を送信し、緊急信号送信位置特
定手段は、時系列画像群の中から可視光の輝度が繰り返
して変化する位置を検出するとともに当該位置を送信位
置として特定するので、可視光を利用することで送信器
及び受信器の設計のコストを抑えることができるという
効果がある。
【0141】請求項21の発明は、請求項19の発明に
おいて、緊急信号送信手段は、赤外光を発する光源を点
滅させることで緊急信号を送信し、緊急信号送信位置特
定手段は、時系列画像群の中から赤外光の輝度が繰り返
して変化する位置を検出するとともに当該位置を送信位
置として特定するので、赤外光を利用することで緊急信
号の送信が犯人(被疑者)に悟られ難くなり、犯人を刺
激することがないという効果がある。
【0142】請求項22の発明は、請求項19の発明に
おいて、緊急信号送信手段は、所定のパターン周期にて
光を点滅させることで緊急信号を送信し、緊急信号送信
位置特定手段は、時系列画像群の中から輝度が当該パタ
ーン周期に従って変化する位置を検出するとともに当該
位置を送信位置として特定するので、外乱による影響を
受け難くなり、緊急信号の受信精度が向上するという効
果がある。
【0143】請求項23の発明は、請求項18の発明に
おいて、送信器は、超音波を媒体として緊急信号を送信
する緊急信号送信手段を具備し、受信器は、超音波の緊
急信号を受信する複数の緊急信号受信手段を具備し、さ
らに送信器又は受信器の一方に、前記緊急信号送信手段
と複数の緊急信号受信手段との間で緊急信号送受信の同
期を取るための同期信号を送信する同期信号送信手段を
具備し、他方に、同期信号を受信する同期信号受信手段
を具備し、緊急信号送信位置特定手段は、同期手段によ
り同期が取れた後に複数の緊急信号受信手段にて受信す
る緊急信号の遅延時間に基づいて各緊急信号受信手段か
ら送信位置までの距離を求めて送信位置を特定するの
で、光による緊急信号の送受信が困難な状況においても
緊急信号を確実に送受信できるという効果がある。
【0144】請求項24の発明は、請求項18の発明に
おいて、送信器は、超音波を媒体として緊急信号を送信
する緊急信号送信手段と、同期信号を受信する同期信号
受信手段とを具備し、受信器は、超音波の緊急信号を受
信する緊急信号受信手段と、当該緊急信号受信手段、並
びに監視区域同士が隣接する他の防犯監視システムの受
信器が具備する他の緊急信号受信手段と緊急信号送信手
段との間で緊急信号送受信の同期を取るための同期信号
を送信する同期信号送信手段とを具備し、緊急信号送信
位置特定手段は、同期手段により同期が取れた後に各防
犯監視システムにおける緊急信号受信手段にて受信する
緊急信号の遅延時間に基づいて各緊急信号受信手段から
送信位置までの距離を求めて送信位置を特定するので、
光による緊急信号の送受信が困難な状況においても緊急
信号を確実に送受信できるとともに、1つの防犯監視シ
ステムにおける受信器に複数の緊急信号受信手段を設け
る必要が無く、システムの導入コストが低減できるとい
う効果がある。
【0145】請求項25の発明は、請求項18の発明に
おいて、送信器は、緊急信号とともに固有の識別番号を
送信する緊急信号送信手段を具備し、受信器は、緊急信
号並びに識別番号を受信する緊急信号受信手段と、個々
の識別番号と各識別番号が割り当てられた個々の送信器
を使用する使用者との対応関係が登録されたデータベー
スと、当該データベースを管理し緊急信号受信手段で受
信した識別番号に対応する使用者の情報をデータベース
から取得する使用者情報取得手段と、使用者情報取得手
段にて取得した使用者情報を付加して発報を行う発報手
段とを備えたので、発報があった場合に直ちに被害者の
情報が使用者情報として得られ、警察の初動捜査に有益
な情報が提供できるとともに、いたずら等による誤発報
を防ぐことができるという効果がある。
【0146】請求項26の発明は、請求項1〜25の何
れかの発明において、発報装置による発報が行われた場
合に発報完了を報知する発報完了報知手段を備えたの
で、発報を行った被害者に発報が確実に行われたことを
知らしめることができ、さらに周囲に犯罪の発生を知ら
せることができるという効果がある。
【0147】請求項27の発明は、請求項26の発明に
おいて、発報完了報知手段は、受信器に具備されて発報
手段による発報が完了すると発報完了を報知する発報完
了信号を送信する発報完了信号送信手段と、送信器に具
備されて発報完了信号を受信する発報完了信号受信手段
と、送信器に具備されて発報完了信号受信手段にて発報
完了信号が受信されたことを表示や音、振動などにより
通知する通知手段とを有するので、発報を行った被害者
のみに発報完了を知らせることができて犯人を刺激する
ことがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す概略構成図である。
【図2】同上における発報装置並びに撮像装置の設置状
況を説明する説明図である。
【図3】同上における時系列画像の説明図である。
【図4】同上の動作説明用のフローチャートである。
【図5】同上における発報者の特定処理を説明する説明
図である。
【図6】同上における発報者の特定処理を説明する説明
図である。
【図7】同上における注目物体の検出処理を説明する説
明図である。
【図8】同上の動作説明図である。
【図9】実施形態2における画像処理装置のブロック図
である。
【図10】同上の動作説明用のフローチャートである。
【図11】同上の動作説明図である。
【図12】同上の動作説明用のフローチャートである。
【図13】同上の動作説明図である。
【図14】実施形態3における画像処理装置のブロック
図である。
【図15】同上の動作説明図である。
【図16】同上の動作説明図である。
【図17】同上の動作説明図である。
【図18】同上の動作説明図である。
【図19】実施形態4における画像処理装置のブロック
図である。
【図20】同上の動作説明図である。
【図21】同上の動作説明図である。
【図22】実施形態5の動作説明用のフローチャートで
ある。
【図23】実施形態6を示す概略構成図である。
【図24】実施形態7を示す概略構成図である。
【図25】実施形態8を示す概略構成図である。
【図26】実施形態9を示す概略構成図である。
【図27】実施形態10を示す概略構成図である。
【図28】同上における送信器を示すブロック図であ
る。
【図29】同上の動作説明図である。
【図30】同上の動作説明図である。
【図31】実施形態11を示す一部省略した概略構成図
である。
【図32】同上における送信器を示すブロック図であ
る。
【図33】実施形態12を示す一部省略した概略構成図
である。
【図34】実施形態13を示す一部省略した概略構成図
である。
【図35】実施形態14を示す一部省略した概略構成図
である。
【図36】実施形態15を示す一部省略した概略構成図
である。
【図37】同上における送信器を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 発報装置 2 撮像装置 10 画像処理装置 11 画像記憶手段 12 移動物体検出手段 13 発報者特定手段 14 注目物体検出手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 7/18 H04N 7/18 D (72)発明者 山根 剛志 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 5C054 AA01 CA04 CA05 CA08 CC02 CH03 EA07 FA09 FC01 FC13 FE07 FE28 GA00 GB02 HA18 5C087 AA02 AA03 AA19 BB03 BB11 BB19 BB20 BB22 BB74 DD05 DD49 EE05 EE12 FF01 FF02 FF04 FF17 FF19 FF20 GG02 GG06 GG10 GG18 GG23 GG30 GG37 GG66 GG67 GG70 GG71 GG83

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不特定多数の人が往来する監視区域に設
    置され、人により操作されて発報を行う発報装置と、監
    視区域を時系列で撮像する撮像装置と、発報装置からの
    発報を受けた場合に監視区域の撮像画像を画像処理する
    ことで発報装置を操作した人及びその人が被害者となっ
    た犯罪の被疑者を特定する画像処理装置とを有する防犯
    監視システムであって、画像処理装置は、撮像装置で撮
    像された画像を記憶する画像記憶手段と、画像記憶手段
    に記憶された発報入力時点前後の時系列画像群を画像処
    理することで監視区域内を移動する移動物体を検出する
    移動物体検出手段と、移動物体検出手段で検出された移
    動物体の中から発報装置を操作した人を発報者として特
    定する発報者特定手段と、発報入力時点以前の時系列画
    像群を画像処理することで移動物体検出手段にて検出さ
    れた移動物体の中から発報者特定手段で特定された発報
    者に接近する移動物体を被疑者の候補となる注目物体と
    して検出する注目物体検出手段とを備えたことを特徴と
    する防犯監視システム。
  2. 【請求項2】 発報入力時点前後の時系列画像群を画像
    処理することで注目物体を追跡する追跡手段を画像処理
    装置に備えることを特徴とする請求項1記載の防犯監視
    システム。
  3. 【請求項3】 追跡手段で追跡する注目物体が監視区域
    外に出た場合に当該監視区域に隣接する監視区域を監視
    対象とする他の防犯監視システムの画像処理装置に対し
    て注目物体の追跡に必要な情報を伝達する情報伝達手段
    を画像処理装置に備え、他の防犯監視システムの画像処
    理装置における追跡手段は情報伝達手段に伝達された情
    報に基づいて注目物体を追跡することを特徴とする請求
    項2記載の防犯監視システム。
  4. 【請求項4】 追跡手段で追跡する注目物体が監視区域
    外に出た場合に追跡結果に基づいて注目物体の監視区域
    外での移動方向や移動速度を推定する推定手段を画像処
    理装置に備え、情報伝達手段は推定手段による推定結果
    を他の防犯監視システムの画像処理装置に伝達すること
    を特徴とする請求項3記載の防犯監視システム。
  5. 【請求項5】 注目物体検出手段は発報者に接近する移
    動物体が複数存在する場合に各移動物体を注目物体とし
    て検出し、追跡手段は注目物体検出手段で検出された複
    数の注目物体をそれぞれ追跡することを特徴とする請求
    項2記載の防犯監視システム。
  6. 【請求項6】 移動物体検出手段で検出した移動物体が
    監視区域外に出た場合に当該監視区域に隣接する監視区
    域を監視対象とする他の防犯監視システムの画像処理装
    置に対して移動物体の追跡に必要な情報を伝達する情報
    伝達手段を画像処理装置に備え、他の防犯監視システム
    の画像処理装置においては、移動物体検出手段が少なく
    とも情報伝達時点以前の時系列画像群を画像処理するこ
    とで監視区域内を移動する移動物体を検出し、発報者特
    定手段が情報伝達手段に伝達された情報に基づいて発報
    者を特定し、注目物体検出手段が情報伝達時点以前の時
    系列画像群を画像処理することで特定された発報者に接
    近する移動物体を注目物体として検出することを特徴と
    する請求項1記載の防犯監視システム。
  7. 【請求項7】 発報者特定手段は、発報入力時点におけ
    る画像に複数の移動物体が含まれる場合に発報装置との
    距離が最も近い移動物体を発報者と特定することを特徴
    とする請求項1記載の防犯監視システム。
  8. 【請求項8】 移動物体検出手段は、時系列画像と基準
    となる背景画像との差分画像から移動物体を検出し、追
    跡手段並びに発報者特定手段は、特定の時系列画像群に
    おける全ての移動物体について位置、移動速度、移動方
    向又は形状特徴値の相関値を算出し、当該相関値が閾値
    以上且つ最大となる移動物体を注目物体又は発報者とす
    ることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の防犯
    監視システム。
  9. 【請求項9】 発報装置からの発報を受けた場合に犯罪
    発生を周囲に報知する報知手段を備えたことを特徴とす
    る請求項1〜8の何れかに記載の防犯監視システム。
  10. 【請求項10】 発報装置からの発報を受けた場合に関
    係機関に設置される中央監視装置に犯罪発生を通報する
    通報手段を備えたことを特徴とする請求項1〜9の何れ
    かに記載の防犯監視システム。
  11. 【請求項11】 監視区域の画像を撮像する撮像手段
    と、中央監視装置からの指令に基づいて撮像手段を制御
    して監視区域の撮像画像を取得し、取得した撮像画像を
    中央監視装置に伝送する伝送制御手段とを備えたことを
    特徴とする請求項10記載の防犯監視システム。
  12. 【請求項12】 少なくとも視野が可変である撮像手段
    と、追跡手段による追跡結果に基づいて注目物体が視野
    内に含まれるように撮像手段を制御する制御手段とを備
    えたことを特徴とする請求項1記載の防犯監視システ
    ム。
  13. 【請求項13】 追跡手段による追跡結果を関係機関に
    設置される中央監視装置に送信する送信手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の防犯監視
    システム。
  14. 【請求項14】 送信手段は、追跡結果として注目物体
    が含まれる撮像画像を送信することを特徴とする請求項
    13記載の防犯監視システム。
  15. 【請求項15】 撮像画像に含まれる注目物体を強調さ
    せる強調手段を備え、強調手段にて注目物体が強調され
    た撮像画像を送信手段により送信することを特徴とする
    請求項14記載の防犯監視システム。
  16. 【請求項16】 画像処理装置が備える複数の手段の少
    なくとも一部を他の防犯監視システムの画像処理装置と
    共用することを特徴とする請求項3又は4又は6記載の
    防犯監視システム。
  17. 【請求項17】 監視区域に設置される外灯、街路灯又
    は防犯灯に少なくとも発報装置及び撮像装置を配設した
    ことを特徴とする請求項1〜16の何れかに記載の防犯
    監視システム。
  18. 【請求項18】 発報装置は、人が携帯する送信器と、
    監視区域内に設置される受信器とを有し、送信器は、人
    の操作に応じて無線媒体により緊急信号を送信する緊急
    信号送信手段を具備し、受信器は、緊急信号を受信する
    緊急信号受信手段と、緊急信号受信手段にて緊急信号を
    受信した場合に発報を行う発報手段とを具備し、画像処
    理装置は、緊急信号の送信位置を特定する緊急信号送信
    位置特定手段を具備し、発報者特定手段は、移動物体検
    出手段で検出された移動物体の中から緊急信号送信位置
    特定手段にて特定された送信位置に対応する位置に存在
    する移動物体を発報者として特定することを特徴とする
    請求項1記載の防犯監視システム。
  19. 【請求項19】 緊急信号送信手段は、光を媒体として
    緊急信号を送信し、緊急信号受信手段は、監視区域を撮
    像することで緊急信号を受信し、緊急信号送信位置特定
    手段は、緊急信号受信手段が発報入力時点前後に撮像し
    た時系列画像群を画像処理することで送信位置を特定す
    ることを特徴とする請求項18記載の防犯監視システ
    ム。
  20. 【請求項20】 緊急信号送信手段は、可視光を発する
    光源を点滅させることで緊急信号を送信し、緊急信号送
    信位置特定手段は、時系列画像群の中から可視光の輝度
    が繰り返して変化する位置を検出するとともに当該位置
    を送信位置として特定することを特徴とする請求項19
    記載の防犯監視システム。
  21. 【請求項21】 緊急信号送信手段は、赤外光を発する
    光源を点滅させることで緊急信号を送信し、緊急信号送
    信位置特定手段は、時系列画像群の中から赤外光の輝度
    が繰り返して変化する位置を検出するとともに当該位置
    を送信位置として特定することを特徴とする請求項19
    記載の防犯監視システム。
  22. 【請求項22】 緊急信号送信手段は、所定のパターン
    周期にて光を点滅させることで緊急信号を送信し、緊急
    信号送信位置特定手段は、時系列画像群の中から輝度が
    当該パターン周期に従って変化する位置を検出するとと
    もに当該位置を送信位置として特定することを特徴とす
    る請求項19記載の防犯監視システム。
  23. 【請求項23】 送信器は、超音波を媒体として緊急信
    号を送信する緊急信号送信手段を具備し、受信器は、超
    音波の緊急信号を受信する複数の緊急信号受信手段を具
    備し、さらに送信器又は受信器の一方に、前記緊急信号
    送信手段と複数の緊急信号受信手段との間で緊急信号送
    受信の同期を取るための同期信号を送信する同期信号送
    信手段を具備し、他方に、同期信号を受信する同期信号
    受信手段を具備し、緊急信号送信位置特定手段は、同期
    手段により同期が取れた後に複数の緊急信号受信手段に
    て受信する緊急信号の遅延時間に基づいて各緊急信号受
    信手段から送信位置までの距離を求めて送信位置を特定
    することを特徴とする請求項18記載の防犯監視システ
    ム。
  24. 【請求項24】 送信器は、超音波を媒体として緊急信
    号を送信する緊急信号送信手段と、同期信号を受信する
    同期信号受信手段とを具備し、受信器は、超音波の緊急
    信号を受信する緊急信号受信手段と、当該緊急信号受信
    手段、並びに監視区域同士が隣接する他の防犯監視シス
    テムの受信器が具備する他の緊急信号受信手段と緊急信
    号送信手段との間で緊急信号送受信の同期を取るための
    同期信号を送信する同期信号送信手段とを具備し、緊急
    信号送信位置特定手段は、同期手段により同期が取れた
    後に各防犯監視システムにおける緊急信号受信手段にて
    受信する緊急信号の遅延時間に基づいて各緊急信号受信
    手段から送信位置までの距離を求めて送信位置を特定す
    ることを特徴とする請求項18記載の防犯監視システ
    ム。
  25. 【請求項25】 送信器は、緊急信号とともに固有の識
    別番号を送信する緊急信号送信手段を具備し、受信器
    は、緊急信号並びに識別番号を受信する緊急信号受信手
    段と、個々の識別番号と各識別番号が割り当てられた個
    々の送信器を使用する使用者との対応関係が登録された
    データベースと、当該データベースを管理し緊急信号受
    信手段で受信した識別番号に対応する使用者の情報をデ
    ータベースから取得する使用者情報取得手段と、使用者
    情報取得手段にて取得した使用者情報を付加して発報を
    行う発報手段とを備えたことを特徴とする請求項18記
    載の防犯監視システム。
  26. 【請求項26】 発報装置による発報が行われた場合に
    発報完了を報知する発報完了報知手段を備えたことを特
    徴とする請求項1〜25の何れかに記載の防犯監視シス
    テム。
  27. 【請求項27】 発報完了報知手段は、受信器に具備さ
    れて発報手段による発報が完了すると発報完了を報知す
    る発報完了信号を送信する発報完了信号送信手段と、送
    信器に具備されて発報完了信号を受信する発報完了信号
    受信手段と、送信器に具備されて発報完了信号受信手段
    にて発報完了信号が受信されたことを表示や音、振動な
    どにより通知する通知手段とを有することを特徴とする
    請求項26記載の防犯監視システム。
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