JP3988448B2 - 窒化物半導体素子の製造方法及び該製造方法により得られたパターン体 - Google Patents

窒化物半導体素子の製造方法及び該製造方法により得られたパターン体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化物半導体素子の製造方法及び該製造方法により得られたパターン体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、紫外線や短波長の光の工業的利用は多方面に渡っている。例えば、紫外線は、半導体集積素子の製造工程において、露光時の解像度の向上を図るために盛んに利用されており、近年の半導体集積素子の超微細化に伴って、製造工程の縮小光学系によるフォトリソ工程において使用される紫外線の光源は、水銀灯(365nm)から、さらに短波長のエキシマーレーザのKrF(248nm)やArF(193nm)へと変化してきている。
【0003】
III−V族化合物半導体は直接遷移型半導体であり、光吸収係数が大きく、バンドギャップを組成により変化させることができるという特徴を有しており、特に、III族−窒化物半導体(以下、単に「窒化物半導体」という場合がある。)は、可視領域から紫外領域まで広くバンドギャップを変えることができるため、紫外線や短波長の光の発光素子や受光素子として利用が進んでいる。これらの半導体素子は、一般に、単数または複数の半導体層をサファイア基板等の表面に結晶成長させることにより得られるが、電流導入あるいは出力電流の引き出し用には、n型やp型の窒化物半導体層を使用する。この場合、例えば前記窒化物半導体層に電極(第一電極)を設ける必要があるが、通常の半導体素子の製造においては、結晶成長が約1000℃の高温で行われることが多いため、前記電極形成には、高温までの耐熱性を有しないマスクを用いることができず、エッチング工程を用いる必要がある。しかし、エッチング工程にはフォトリソグラフィによるパターン形成工程と剥離工程とが必要になるため、製造工程が複雑になり、素子のコストアップ等の原因となるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、本発明の目的は、窒化物半導体素子を前記エッチング工程を用いずに、簡易に、かつ、低コストで製造する製造方法及び該製造方法により得られたパターン体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段は、以下の通りである。すなわち、
<1> 片側のみに電極端子を有する複数の電極が複数の行及び列をなすよう配列され、行ごとに前記電極端子の向きを同一の列方向に揃え一行おきに該電極端子の向きを反転させた電極パターンをパターニングした1枚の基板表面に、少なくともAl、Ga、Inの内の1以上の元素及び窒素を含む複数の半導体層を、マスクを用いて形成することにより複数の行及び列をなして素子が配列されてなるパターン体を作製し、これを前記電極端子同士が対向する行間で2行ごとに、及び、2以上の列ごとに切断することにより、二次元に素子が配列された状態とすることを特徴とする窒化物半導体素子の製造方法である。
【0006】
<2> 1枚の基板表面に、片側のみに電極端子を有する複数の素子が行及び列をなすように配列され、行ごとに前記電極端子の向きを同一の列方向に揃え一行おきに該電極端子の向きを反転して配列されたパターン体であって、複数の電極をパターニングした電極パターンを形成した1枚の基板表面に、少なくともAl、Ga、Inの内の1以上の元素及び窒素を含む複数の半導体層をマスクを用いて形成することにより、前記複数の素子を配列させる窒化物半導体素子の製造方法により作製されたことを特徴とするパターン体である
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の窒化物半導体素子の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」という場合がある。)は、基板表面に、少なくともAl、Ga、Inの内の1以上の元素及び窒素を含む半導体層を、マスクを用いて形成することを特徴とするものである。また、本発明は、前記製造方法により、基板表面に複数の素子が配列されるように作製されたパターン体を、二次元の素子に切断する製造方法に関するものである。さらに、本発明は、複数の電極をパターニングした電極パターンに従い、前記半導体層をマスクを用いて形成することで、1枚の基板表面に複数の素子が配列されてなるパターン体についても提案するものである。
【0012】
図1〜図3は、本発明により製造される窒化物半導体素子(以下、単に「素子」という場合がある。)の構造を例示する拡大断面図である。図1において、20は基板であり、30は半導体層、40は第二電極である。図2においては、基板20と半導体層30との間に第一電極21が設けられている。図3においては、半導体層30が3層から構成されている。第一電極については、基板20が導電性である場合には、図1、3に示す素子のように基板20そのものを第一電極としてもよいし、基板20が絶縁性である場合には、図2に示す素子のようにその表面に第一電極21を設けてもよい。半導体層30は、図3に示すように複数の層からなっていてもよい。図3において、例えば31はn型半導体、32はi型半導体、33はp型半導体である。この場合、積層される順序が逆であってもよい。
以下に、本発明の製造方法を基板20、半導体層30の形成、第二電極40の形成の順に説明する。
【0013】
−基板−
本発明で使用する基板20は、導電性であっても絶縁性であってもよいが、1枚の基板表面に複数の素子が配列されたパターン体を作製するという観点からは、絶縁性であることが好ましい。また、基板20は結晶性であるか非晶性であるかを問わない。導電性の基板20としては、アルミニウム、ステンレススチール、ニッケル、クロム等の金属及びその合金結晶、Si、GaAs、GaP、GaN、SiC、ZnOなどの半導体を挙げることができる。また、絶縁性の基板20としては、高分子フィルム、ガラス、石英、セラミック等を挙げることができる。
【0014】
また、基板20側から光を入射する場合、前記基板20は透光性を有する必要がある。この場合、用いられる透光性を有する基板20としては、ガラス、石英、サファイア、MgO、SiC、ZnO、LiF、CaF2等の透明な無機材料;フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、エポキシ樹脂等の透明な有機樹脂;のフィルムまたは板状体、さらに、オプチカルファイバー、セルフォック光学プレート等が使用できる。
【0015】
上記透光性の基板20は一般に絶縁性であるため、基板20の表面に第一電極21を設ける。第一電極21としては、Al、Ni、Au、Co、Ag等の金属を、蒸着やスパッタリングにより形成したものを用いることができる。またITO、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅等の透明導電性材料を用い、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の方法により形成したもの、あるいはAl、Ni、Au等の金属を蒸着やスパッタリングにより、マスクを用いてパターン形成したものを用いることができる。
【0016】
この場合、本発明は半導体層30もマスクを用いて形成するものであるため、上記マスクを用いて電極パターンを形成した基板を用いることは、エッチング工程が不要となるためコスト低減の観点から好ましいものである。また、前記第一電極21のパターンを、複数の電極をパターニングしたものとし、該電極パターンに従って複数の半導体層を形成することは、複数の素子をパターン体として一度に作製できるため、さらなる低コスト化を図る上で好ましいものである。
【0017】
−半導体層−
半導体層30は、少なくともAl、Ga、Inの内の1以上の元素及び窒素を含む材料からなり、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。このような材料を用い、基板20表面に低温で成膜することによって、基板20に用いられる材料の自由度が高まり、低コストで、形状、サイズに制限がなく、高機能なオプトエレクトロニクスデバイスを作製することができる。
【0018】
本発明の製造方法で使用する窒化物半導体は、非単結晶状であっても、単結晶状であってもよい。非単結晶状である場合には、非晶質相からなるものであってもよいし、微結晶相からなるものであってもよい。また、微結晶相と非晶質相との混合状態からなるものであってもよい。なお、微結晶の大きさは5nmから5μmであり、X線回折や電子線回折、及び断面の電子顕微鏡写真を用いた形状測定などによって測定することができる。結晶系は、立方晶系あるいは六方晶系のいずれか一つであっても、複数の結晶系が混合された状態であってもよい。また、結晶は柱状成長したものでもよいし、X線回折スペクトルで単一ピークを示す、結晶面方位が高度に配向したものであってもよく、また単結晶であってもよい。
【0019】
半導体層30の原料としては、Al、Ga及びInの内から選ばれる1以上の元素を含む有機金属化合物を用いることができる。
前記有機金属化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ターシャリーブチルアルミニウム、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、ターシャリーブチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウム、ターシャリーブチルインジウムなどの液体や固体を気化して、単独にあるいはキャリアガスでバブリングすることによって混合状態で使用することができる。キャリアガスとしては、水素;N2;メタン、エタンなどの炭化水素;CF4、C26などのハロゲン化炭素;などを用いることができる。
【0020】
窒素原料としては、N2、NH3、NF3、N24、メチルヒドラジンなどの気体または液体を、気化あるいはキャリアガスでバブリングすることによって使用することができる。
【0021】
半導体層30の組成において、III族元素の量の総和mと、窒素の量nとの関係が、0.5/1.0≦m/n≦1.0/0.5を満たすことが好ましく、この範囲を外れると、III族元素とV族元素(N)との結合において四面体型結合を取る部分が少なく、欠陥が多くなり、良好な半導体層として機能しなくなる場合がある。
【0022】
半導体層30の光学ギャップは、III族元素の混合比によって任意に変えることができる。GaN:Hを基準にすると、例えば、3.2〜3.5eVより大きくする場合には、Alを加えることによって、200nm〜330nmの波長領域を、吸収可能な(波長領域に感度を持つ)バンドギャップ(例えば6.5eV)程度まで大きくすることができる。また、Inを加えることでも、それぞれに透明のまま、波長域を吸収可能なバンドギャップに変化させことができる。例えば、Inを加えることによって、バンドギャップを3.2eV以下に変化させることができる。
【0023】
ここで、光学ギャップは波長(eV)に対する吸収係数(αe)の2乗のプロットより、低エネルギーの直線部分を外挿した点から求める。あるいは、吸収係数が10000cm-1の波長(eV)としてもよい。吸収係数は、バックグランドを除外した吸光度を用い、膜厚依存性を測定して求められる。
【0024】
また、半導体層30はp、n制御のために、元素を膜中にドープすることができる。
ドープし得るn型用の元素としてはIa族のLi;Ib族のCu、Ag、Au;IIa族のMg;IIb族のZn;IVa族のSi、Ge、Sn、Pb;VIa族のS、Se、Te;を用いることができる。
【0025】
ドープし得るp型用の元素としては、Ia族のLi、Na、K;Ib族のCu、Ag、Au;IIa族のBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra;IIb族のZn、Cd、Hg;IVa族のC、Si、Ge、Sn、Pb;VIa族のS、Se、Te;VIb族のCr、Mo、W;VIIIa族のFe、Co、Ni;などを用いることができる。
【0026】
半導体層30中の水素は、ドーパントに結合し不活性化しないように、欠陥準位をパッシベーションするための水素が、ドーパントよりもIII族元素および窒素元素に選択的に結合する必要があり、この点から、特に、n型用の元素としては、特に、C、Si、Ge、Snが好ましく、p型用の元素としては、特に、Be、Mg、Ca、Zn、Srが好ましい。
【0027】
ドーピングの際には、n型用としては、SiH4、Si26、GeH4、GeF4、SnH4を、p型用としては、BeH2、BeCl2、BeCl4、シクロペンタジエニルマグネシウム、ジメチルカルシウム、ジメチルストロンチウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛などを、ガス状態で使用できる。また、これらの元素を半導体層30にドーピングするには、熱拡散法、イオン注入法等の公知の方法を採用することができる。
【0028】
半導体層30は、少なくともAl、Ga、Inの内の1以上の元素と窒素と水素とを含むn型あるいはp型の半導体から構成されてもよい。さらに高濃度のドーピングを行った膜p+あるいはn+層を挿入してもよいし、低濃度のドーピングを行った膜p-あるいはn-層を挿入してもよい。
【0029】
また、半導体層30は、単層構造であるだけでなく、順次積層した多層構造であってもよい。この場合、半導体層30は、透明性や障壁の形成のために、各層は、それぞれ異なるAlxGayInz(x=0〜1.0、y=0〜1.0、z=0〜1.0)で表されるAl、Ga、InとNとの組成であってもよい。
【0030】
以下、図を参照して、半導体層30の形成方法を説明するが、これに限定されるものではない。
図4は、半導体層30を形成する層形成装置の概略構成図である。なお、この層形成装置は、プラズマを活性化手段とするものである。図4において、1は真空に排気しうる容器、2は排気口、3は基板ホルダー、4は基板加熱用のヒーター、5及び6は容器1に接続された石英管であり、それぞれガス導入管9、10に連通している。また、石英管5にはガス導入管11に接続され、石英管6にはガス導入管12が接続されている。
【0031】
この装置においては、窒素元素源として、例えばN2 を用い、ガス導入管9から石英管5に導入する。マグネトロンを用いたマイクロ波発振器(図示せず)に接続されたマイクロ導波管8に、2.45GHzのマイクロ波が供給され、石英管5内に放電を発生させる。別のガス導入口10から、例えばH2 を石英管6に導入する。高周波発振器(図示せず)から高周波コイル7に13.56MHzの高周波を供給し、石英管6内に放電を発生させる。放電空間の下流側より、トリメチルガリウムをガス導入管12より導入することによって、基板20の表面に窒化ガリウム半導体を形成(成膜)することができる。
【0032】
なお、前記ガス導入管12から導入されるトリメチルガリウムの代わりに、インジウム、アルミニウムを含む有機金属化合物を用いることもできるし、またそれらを混合して用いることもできる。また、これらの有機金属化合物は、ガス導入管11から別々に導入してもよい。
【0033】
基板20の温度としては、100℃〜600℃が好ましい。基板20の温度が高い場合、及び/または、III族原料ガスの流量が少ない場合には、微結晶の半導体層30が形成されやすい。また、基板20の温度が300℃より低い場合には、III族原料ガスの流量が少ない場合に微結晶の半導体層30が形成されやすく、基板20の温度が300℃より高い場合には、前記低温条件の場合より、III族原料ガスの流量が多い場合でも微結晶の半導体層30が形成されやすい。さらに、例えばH2放電を行った場合には、行なわない場合よりも半導体層30の微結晶化を進めることができる。
【0034】
また、C、Si、Ge、Snから選ばれた少なくとも1以上の元素を含むガス、あるいはBe、Mg、Ca、Zn、Srから選ばれた少なくとも1以上の元素を含むガスを、放電空間の下流側(ガス導入管11またはガス導入管12)から導入することによって、n型、p型などの任意の伝導型の非晶質あるいは微結晶の窒化物半導体を得ることができる。C元素を導入する場合には、条件によっては有機金属化合物の炭素を使用してもよい。
【0035】
上述のような装置において、放電エネルギーにより形成される活性窒素あるいは活性水素を独立に制御してもよいし、NH3のような窒素原子と水素原子とを同時に含むガスを用いてもよい。さらにH2を加えてもよい。また、有機金属化合物から活性水素が遊離生成する条件を用いることもできる。このようにすることによって、基板20の表面には活性化されたIII族原子、窒素原子が制御された状態で存在し、かつ、水素原子がメチル基やエチル基をメタンやエタン等の不活性分子にするために、低温にもかかわらず、炭素がほとんど入らないか、入っても極低量の、膜欠陥が抑えられた非晶質あるいは微結晶の膜が生成できる。
【0036】
上述の装置において、活性化手段としては、高周波発振器、マイクロ波発振器、エレクトロサイクロトロン共鳴方式やヘリコンプラズマ方式が挙げられ、これらを1つ用いてもよいし、2つ以上用いてもよい。また、2つともマイクロ波発振器であってもよいし、2つとも高周波発振器であってもよい。なお、高周波放電の場合は、誘導型でも容量型でもよい。さらに、2つともエレクトロンサイクロトロン共鳴方式やヘリコンプラズマ方式を用いてもよい。
【0037】
異なる活性化手段(励起手段)を用いる場合には、同じ圧力で同時に放電が生起できるようにする必要があり、放電内と容器1内の層形成部(成膜部)との間に圧力差を設けてもよい。また同一圧力で行う場合、異なる活性化手段(励起手段)、例えば、マイクロ波発振器と高周波発振器とを用いると、励起種の励起エネルギーを大きく変えることができ、膜質制御に有効である。
半導体層30は反応性蒸着法やイオンプレーイング、リアクティブスパッターなど、少なくとも水素が活性化された雰囲気で成膜を行うことも可能である。
【0038】
−第二電極−
半導体層30の表面に設ける第二電極40としては、Al、Ag、Cu、Pt、Ti、Ni、Au、Co等の金属を、蒸着やスパッタリングにより、マスクを用いてパターン形成したものが用いられる。また、ITO、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅等の透明導電性材料を用い、同様に蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の方法によりパターン形成したものも用いることができる。
なお、上記第二電極40の厚さは、5〜5000nmであることが好ましい。
【0039】
−半導体素子の作製−
図5〜図8に、本発明に用いられるマスクの一例を示す。図5は、第一電極形成用マスク50であり、図6は、半導体層形成用マスク60であり、図7は、第二電極形成用マスク70である。また、図8は、これらマスクを用いることで作製される複数の素子が配列されたパターン体である。
【0040】
図5においては、51は第一電極21及びその端子を形成するための孔であり、52は第二電極40の端子を形成するための孔である。このような孔が複数設けられた第一電極形成用マスク50を、基板20の片面に密着させ、当該面に対し前記スパッタリング等を行い、基板20の表面に複数の第一電極21及びその端子並びに第二電極40の端子を形成させる。次に、当該第一電極21等が形成された面に、半導体層30を形成するための孔61が設けられた半導体層形成用マスク60を密着させ、当該面に対し前記半導体層の形成方法により、複数の第一電極表面に半導体層30を形成させる。このとき、形成された半導体層30は、複数の第一電極21の表面に跨ることとなる。さらに、当該半導体層30が形成された面に、第二電極40を形成するための孔が複数設けられた第二電極40形成用マスク70を密着させ、当該面に対し前記蒸着等を行い、半導体層30の表面に複数の第二電極40を形成させる。このとき、第一電極と第二電極は、1つ1つが重なり合うこととなる。図8は、このようにして基板20の表面に第一電極21、半導体層30及び第二電極40が形成され、8×9個の素子が作製され配列されたパターン体である。図8に示されるように、第二電極40は第二電極の端子83と接続されている。なお、82は第一電極の端子である。
【0041】
本発明で使用するマスクの材料としては、Al、Cu、Cr、Ni、Co、Fe、ステンレススチール、インコネル、真鍮などの金属や、ガラス、石英、セラミックスなどの無機材料、高分子フイルム、樹脂、紙などの有機材料を使用することができる。
前記マスクは打ち抜き加工、切削機械加工、レーザ加工、電鋳加工などにより作製することができる。
【0042】
前記のように、本発明においては、半導体層30を基板20の表面に、例えば図6に示すようなマスクを用いて形成する。
この場合、簡単には、前記金属等により形成された第一電極表面に、単層の半導体層30を形成することによってショットキー型の素子とすることもできるし、前記半導体層30を、材料の組成を変えて繰り返すことにより積層形成し、pnダイオード構成の素子やpin構成の素子などとし、さらに高効率化することもできる。
【0043】
以上のように、本発明では、結晶成長が前記のように300〜500℃程度の低温で行われるため、上記のように半導体層30を積層して形成する場合にも、すべてマスクを用いて層形成することができる。このため、第一電極21の形成等のためのエッチング工程が不要であり、工程が簡易化できるだけでなく、素子製造全体の低コスト化も図ることができるものである。
【0044】
また、本発明は、前記のように基板20の表面に複数の第一電極が形成されている場合には、複数の素子を、パターン体として一度に作製することができるものである。
【0045】
上記各素子の大きさは、0.1×0.1mm〜100×100mmであることが好ましく、また、前記パターン体の大きさは、3×3mm〜1000×1000mmであることが好ましい。
【0046】
このパターン体における複数の素子は、1個1個が、電極間から電流をとりだすことができる構造となっており、前記パターン体はそのような素子の集合体であるため、この集合体を二次元に切り離すだけで素子として使用することができるという特徴を有する。
【0047】
ここで、二次元の素子とは、前記複数の素子が、複数の行及び列として面状に配列された状態となっているものをいう
【0048】
素子の切断、即ち個片化は、例えば、ダイシングソー、ワイヤーソー、レーザ等の個片化手段により行うことができる。また、個片化の際には、切断面に水を流しながら行うことが、個片化の際に生じる粉塵などを洗い流せる等の理由から好適である。このような観点から、個片化として最も好ましいのは、通常水を流しながらダイシングソーを用いて切断を行う方法である。
【0049】
この切り離した素子の各端子には、直接他の測定端子や配線を接続してもよいし、配線を通して測定端子と接続してもよい。また、この素子をモールドやケースに入れてもよいし、そのまま使用してもよい。さらに、必要に応じて、素子の表面に保護層を設けてもよい。
【0050】
以上の本発明の製造方法及びそれを用いたパターン体は、受光素子、太陽電池、トランジスタ、発光素子などの製造に好適に用いることができるものである。
【0051】
【実施例】
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。但し、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
洗浄した30mm×30mmのコーニング#7059ガラス(コーニング社製)表面に、図5に示す3.0mm×3.5mm(端子が設けられる辺が短辺)の素子を形成できる、Ni電鋳法によって形成した厚さ0.3mmのパターンマスクを重ね、スパッター法により厚みが2000ÅのITO電極(第一電極)を形成した。その表面に、図6に示す形状にGaNが成膜できるような、厚さ0.8mmのステンレススチール製のマスクを密着させた。このマスクを密着させたガラスを、図4に示す層形成装置の基板ホルダー3に載せ、排気口2を介して容器1内を真空排気後、ヒーター4により基板を400℃に加熱した。N2ガスをガス導入管9より直径25mmの石英管5内に2000sccm導入し、マイクロ波導波管8を介して、2.45GHzのマイクロ波を出力250Wにセットしチューナでマッチングを取り放電を行った。この時の反射波は0Wであった。H2ガスは、ガス導入管10より直径30mmの石英管6内に1000sccm導入した。13.56MHzの高周波電力の出力を100Wにセットしたところ、反射波は0Wであった。この状態で、ガス導入管12より0℃で保持されたトリメチルガリウム(TMGa)の蒸気を、水素をキヤリアガスとして用いバブリングしながら、マスフローコントローラーを通して0.3sccm導入した。さらに、水素をキヤリアガスとしたシクロペンタジエニルマグネシウムを1sccm導入した。この時、バラトロン真空計で測定した反応圧力は66.7Paであった。成膜を60分間行い、0.2μmのi型のGaN:H膜を作製した。
【0052】
上記GaN:H膜表面に、図7に示すレーザ加工により作製された厚さ0.5mmのステンレススチール製のマスクを重ね、厚み200nmのAu電極(第二電極)を蒸着法で形成し、図8に示す8×9個の素子が配列されたパターン体を作製した。作製された複数の素子のいくつかについて、素子の端子に電流計のプロ−ブを接触させ、紫外線光源(LAX100:朝日分光社製)を用いて、波長340nm、照度1.5mW/cm2の紫外線を照射し光電流を測定したところ、いずれの素子も1.5μAを示し、問題なく同一の素子群が作製されていることを確認した。
【0053】
この素子群が配列されたパターン体を、パターニング(各素子構成)に従ってダイシングソーによる切断を行って1つ1つ切り離し、3.0mm×3.5mmの大きさの素子を72個得た。この窒化物半導体素子は、受光部が一つのセンサーである。得られた素子は、いずれも感度低下や半導体層の基板からの剥れ等を生じることなく個片化されていた。ダイシングソーによる切断においては、10MΩ以上とした純水を、イオナイザーを通して0.2MΩとした水を用いた。切断中に水を浴びた時間は10分間程度である。
【0054】
参考例1
実施例1で作製したパターン体を用いて、実施例1と同様の手法によりパターン体を切断し、1×5個の素子が配列された一次元センサーを作製した。得られた素子は、感度低下や半導体層の基板からの剥れ等を生じることなく個片化されていた。
【0055】
(実施例
実施例1で作製したパターン体を用いて、実施例1と同様の手法によりパターン体を切断し、2×2個の素子が配列された二次元センサーを作製した。得られた素子は、感度低下や半導体層の基板からの剥れ等を生じることなく個片化されていた。
【0056】
これらの結果から、本発明の製造方法によれば、窒化物半導体素子及びその素子の集合体であるパターン体を、マスクを用いて半導体層を形成することにより、エッチング工程を必要とせずに得られることがわかった。
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、エッチング工程を用いずに、成膜時のマスク使用によるパターン形成と切断のみで素子を作製できるため安価なセンサーを提供することができる。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明により作製される窒化物半導体素子の一例を示す概略構成図である。
【図2】 本発明により作製される窒化物半導体素子の他の一例を示す概略構成図である。
【図3】 本発明により作製される窒化物半導体素子の他の一例を示す概略構成図である。
【図4】 本発明の窒化物半導体素子を製造するための、半導体層形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図5】 本発明に用いられる第一電極(電極)形成用マスクの一例を示す概略構成図である。
【図6】 本発明に用いられる半導体層形成用マスクの一例を示す概略構成図である。
【図7】 本発明に用いられる第二電極形成用マスクの一例を示す概略構成図である。
【図8】 本発明のパターン体の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 容器
2 排気口
3 基板ホルダー
4 基板加熱用ヒーター
5 石英管
7 高周波コイル
8 マイクロ導波管
9〜12 ガス導入管
20 基板
21 第一電極
30 半導体層
31 n型半導体層
32 i型半導体層
33 p型半導体層
40、81 第二電極
50 第一電極形成用マスク
51 第一電極及びその端子を形成するための孔
52 第二電極端子を形成するための孔
60 半導体層形成用マスク
61 半導体層を形成するための孔
70 第二電極形成用マスク
71 第二電極を形成するための孔
80 パターン体
82 第一電極端子
83 第二電極端子

Claims (2)

  1. 片側のみに電極端子を有する複数の電極が複数の行及び列をなすよう配列され、行ごとに前記電極端子の向きを同一の列方向に揃え一行おきに該電極端子の向きを反転させた電極パターンをパターニングした1枚の基板表面に、少なくともAl、Ga、Inの内の1以上の元素及び窒素を含む複数の半導体層を、マスクを用いて形成することにより複数の行及び列をなして素子が配列されてなるパターン体を作製し、これを前記電極端子同士が対向する行間で2行ごとに、及び、2以上の列ごとに切断することにより、二次元に素子が配列された状態とすることを特徴とする窒化物半導体素子の製造方法。
  2. 1枚の基板表面に、片側のみに電極端子を有する複数の素子が行及び列をなすように配列され、行ごとに前記電極端子の向きを同一の列方向に揃え一行おきに該電極端子の向きを反転して配列されたパターン体であって、複数の電極をパターニングした電極パターンを形成した1枚の基板表面に、少なくともAl、Ga、Inの内の1以上の元素及び窒素を含む複数の半導体層をマスクを用いて形成することにより、前記複数の素子を配列させる窒化物半導体素子の製造方法により作製されたことを特徴とするパターン体
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