JP3987752B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性エラストマー組成物に関し、更に詳しくは、制電性を有する熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
制電性を有する樹脂組成物は、産業界において広く普及し、さまざまな用途、とりわけ制電性を要求される用途に利用されている。このような制電性樹脂組成物としては、例えば、種々の樹脂にカーボンブラックなどの導電性フィラーを高充填した組成物があり、経済性に優れることもあって、産業界を中心として広く利用されている。また、界面活性剤や親水性セグメントを構造中に有する帯電防止型制電性樹脂をポリマーアロイ化してなる帯電防止型制電性樹脂組成物も広く普及しており、さまざまな用途に応用されている。
【0003】
近年、制電性の高分子材料は、ICチップの包装関係に普及し、材料のバリエーションも、汎用プラスチックスからエンジニアリングプラスチックスに至るまで多様化してきている。また、精密機器やこれらをとりまく周辺機器の制電対策がますます重要になっている。用いられる制電性充填材も、カーボンブラック以外に、炭素繊維、黒鉛、金属コートフィラー、金属繊維等が、目的及び機能に応じて広く使い分けられている。しかしながら、制電性充填材は、高分子の機械特性を低下させたり、成形性を困難にする、色彩に制約があり、成形機の掃除性が悪い等の問題が内在している。
【0004】
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリアミド樹脂は、優れた耐摩耗性、機械強度を有し、広く応用されており、かつ制電性充填材を含む制電性樹脂も広く普及している。近年、精密機器の普及とともに、より高い制電機能が要求されており、従来の帯電防止水準では充分でなく、各種用途によって様々な制電性が要求されるようになってきている。上記の各樹脂にカーボンブラックに代表される制電性充填材を複合化したものは著しく高い制電性(体積抵抗率105Ω・cm以下)を有し、このような著しく高い制電性が要求される用途には有効である。しかし、余り高くない中程度の制電性(体積抵抗率107 〜 10Ω・cm)を樹脂に付与しようとすると、カーボンブラック等の特性から均一かつ安定な制電性を得ることは困難であった。更には物性の低下、成形性、ブツの発生等の問題が生じることがあった。
【0005】
一方、制電性物質として、いわゆる親水性活性剤を用いたものが提案されている。しかし、末端にヒドロキシル基を有するため、温度・湿度の関与によって、ブリードアウトが生じ易く、表面汚染や、効果の持続性に問題がある。
【0006】
特開2001−278985号公報には、ポリオレフィン(a)のブロックと、体積抵抗率が105〜1011Ω・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有することを特徴とするブロックポリマー(A)と熱可塑性樹脂(B)とから成り、更に任意成分としてアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の塩(C)を含有する帯電防止性樹脂組成物が開示されている。しかし、該帯電防止性樹脂組成物にあっては、成形品の表面抵抗の安定性が十分ではなく、従って、安定した帯電防止性が得られなかった。また、成形性も十分ではなく、硬さの自由度も殆どなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成形品の表面抵抗の安定性に著しく優れると共に、良好な成形性をも有する、制電性を有する熱可塑性エラストマー組成物を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を続けた。その結果、下記所定の熱可塑性エラストマー(a−1)及び/又は(a−2)に非芳香族系ゴム用軟化剤(c)及び/又はパーオキサイド分解型オレフィン系樹脂(d)を所定量で加えて、下記所定のコポリマー(B)及び金属塩(e)に所定量で含めれば、驚くべきことに、得られた樹脂組成物から成る成形品の表面抵抗を著しく安定にすることができ、かつ成形性をも良好にし得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、
(1)(A)(a−1)スチレン系熱可塑性エラストマー及び/又は(a−2)オレフィン系熱可塑性エラストマー 100重量部、及び
(c)非芳香族系ゴム用軟化剤及び/又は(d)パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂 0.1〜980重量部
を含む組成物 50〜97重量部、並びに
(B)オレフィン成分を主体とするブロック(a)と、ポリエーテルセグメント、ポリエーテルエステルセグメント、ポリエーテルアミドセグメント及びポリエーテルエステルアミドセグメントより成る群から選ばれる一つ以上を有する親水性成分を主体とするブロック(b)とを有するコポリマー 50〜3重量部
の合計100重量部を含み、かつ
(e)アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカチオンと、イオン解離可能なアニオンとによって構成される金属塩を成分(B)100重量部に対して0.0001〜10重量部
を含む熱可塑性エラストマー組成物である。
【0010】
好ましい態様として、
(2)(a−1)が、(a’−1)芳香族ビニル化合物から主として作られる少なくとも1つの重合体ブロックAと、共役ジエン化合物から主として作られる少なくとも1つの重合体ブロックBとからなるブロック共重合体、及び/又は、これを水素添加して得られるブロック共重合体である上記(1)記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(3)(a−1)が、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体、及びスチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体(部分水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、SBBS)より成る群から選ばれる一つ又はそれ以上の(水添)ブロック共重合体である上記(1)記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(4)(a−2)が、(a’−2)オレフィン系共重合体ゴムより成る群から選ばれる少なくとも一つのエラストマーである上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(5)(a−2)が、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン−1−ブテン共重合体ゴム、エチレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体ゴム、及びエチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体ゴムより成る群から選ばれる一つ又はそれ以上のオレフィン系共重合体ゴムである上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(6)(c)が20〜300重量部である上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(7)(d)が5〜240重量部である上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(8)(A)が更に、
(g)有機過酸化物 0.01〜6重量部
を含む上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(9)更に、
(h)エステル系架橋助剤 0.1〜80重量部
を含む上記(8)記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(10)(h)が、多官能性アクリレート又は多官能メタクリレートである上記(9)記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(11)(g)が0.01〜3重量部である上記(8)〜(10)のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(12)(h)が0.1〜30重量部である上記(8)〜(11)のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(13)(A)が更に、
(c−2)フェノール系架橋剤を(a−2)+(c)+(d)の合計100重量部に対して0.5〜20重量部
含む上記(1)〜(12)のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(14)(e)のカチオンが、Li+、Na+、K+、Mg2+及びCa2+より成る群から選ばれ、かつ(e)のアニオンが、Cl-、Br-、F-、I-、NO3 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、B(C6H5)4 -、SCN-、ClO4 -、CF3SO3 -、BF4 -、(CF3SO2)2N-及び(CF3SO2)3C-より成る群から選ばれる上記(1)〜(13)のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(15)(e)のカチオンが、Li+又はNa+であり、かつ(e)のアニオンが、ClO4 -、CF3SO3 -、(CF3SO2)2N-及び(CF3SO2)3C-より成る群から選ばれる上記(1)〜(13)のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(16)(e)が、過塩素酸リチウムLiClO4、過塩素酸ナトリウムNaClO4、過塩素酸マグネシウムMg(ClO4)2、過塩素酸カリウムKClO4、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLi(CF3SO3)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi・N(CF3SO2)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウムK・N(CF3SO2)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa・N(CF3SO2)2、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムLi・C(CF3SO2)3及びトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンナトリウムNa・C(CF3SO2)3より成る群から選ばれる1つ又はそれ以上である上記(1)〜(13)のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(17)(e)が、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLi(CF3SO3)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi・N(CF3SO2)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa・N(CF3SO2)2、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムLi・C(CF3SO2)3、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンナトリウムNa・C(CF3SO2)3より成る群から選ばれる1つ又はそれ以上である上記(1)〜(13)のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(18)(e)が、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi・N(CF3SO2)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa・N(CF3SO2)2、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムLi・C(CF3SO2)3、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンナトリウムNa・C(CF3SO2)3より成る群から選ばれる1つ又はそれ以上である上記(1)〜(13)のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(19)更に、−{O(ZO)n}−基(Zは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、かつnは1〜7の整数を示す)を有し、かつ全ての分子鎖末端がCH3基及び/又はCH2基である有機化合物(f)を、成分(B)100重量部に対して0.1〜10重量部含む上記(1)〜(18)のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(20)(f)が、下記一般式(1)
【化1】
(式中、Xは炭素数1〜9の直鎖又は分岐のアルキレン基、芳香族を含む2価の炭化水素基、又は2価の脂環式炭化水素基を示し、Zは夫々独立して、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、Rは夫々独立して、炭素数1〜9の直鎖又は分岐のアルキル基を示し、nは夫々独立して、1〜7の整数である)
で表される化合物である上記(19)記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(21)(f)/(e)の重量比が1/1〜1,000/1である上記(19)又は(20)記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(22)(B)の親水性成分を主体とするブロック(b)が、ポリエーテルセグメント、ポリエーテルエステルセグメント、ポリエーテルアミドセグメント及びポリエーテルエステルアミドセグメントより成る群から選ばれる一つ以上を有する上記(1)〜(21)のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(23)(B)の親水性成分を主体とするブロック(b)の体積抵抗率が、105〜1011Ω・cmである上記(1)〜(22)のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(24)(B)の表面抵抗率が、106〜1010Ωである上記(1)〜(23)のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(25)(B)のオレフィン成分を主体とするブロック(a)と親水性成分を主体とするブロック(b)とが繰り返し交互に結合した構造である上記(1)〜(24)のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物
を挙げることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物における(A)は、スチレン系熱可塑性エラストマー(a−1)及び/又はオレフィン系熱可塑性エラストマー(a−2)、並びに非芳香族系ゴム用軟化剤(c)及び/又はパーオキサイド分解型オレフィン系樹脂(d)を含む。好ましくは、更に、架橋剤として有機過酸化物(g)あるいはフェノール系架橋剤(i)を含み得る。
【0012】
スチレン系熱可塑性エラストマー(a−1)として、好ましくは芳香族ビニル化合物から主として作られる少なくとも1つの重合体ブロックAと、共役ジエン化合物から主として作られる少なくとも1つの重合体ブロックBとからなるブロック共重合体、及び/又は、これを水素添加して得られるブロック共重合体(a’−1)が使用される。
【0013】
上記のブロック共重合体(a’−1)は、例えば、A‐B、A‐B‐A、B‐A‐B‐A、A‐B‐A‐B‐Aなどの構造を有する芳香族ビニル化合物‐共役ジエン化合物ブロック共重合体あるいは、これを水素添加して得られるものである。このブロック共重合体は全体として、芳香族ビニル化合物を好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは20〜50重量%含む。芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAは、好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上の芳香族ビニル化合物、及び任意的成分たとえば共役ジエン化合物から作られたホモ重合体又は共重合体ブロックである。共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上の共役ジエン化合物、および任意的成分例えば芳香族ビニル化合物から作られたホモ重合体又は共重合体ブロックである。また、これらの芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBにおいて、分子鎖中の共役ジエン化合物又は芳香族ビニル化合物由来の単位の分布がランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加又は減少するもの)、一部ブロック状又はこれらの任意の組合せでなっていてもよい。芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA又は共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBがそれぞれ2個以上ある場合には、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であっても異なる構造であってもよい。
【0014】
上記重合体ブロックBの水素添加率は任意であり、好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上、更に好ましくは60%以上である。用途によって水素添加したブロック共重合体を使用する場合には、好ましくは上記水添物を用途に合わせて適宜使用することができる。
【0015】
ブロック共重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α‐メチルスチレン、ビニルトルエン、p‐第3ブチルスチレンなどのうちから1種又は2種以上を選択でき、なかでもスチレンが好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種又は2種以上が選ばれ、なかでもブタジエン、イソプレン及びこれらの組合せが好ましい。
【0016】
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBにおいて、そのミクロ構造を任意に選ぶことができ、例えばポリブタジエンブロックにおいては、1,2−ミクロ構造が好ましくは20〜50重量%、特に好ましくは25〜45重量%である。該1,2−ミクロ結合を選択的に水素添加したものであってもよい。ポリイソプレンブロックにおいてはイソプレンの好ましくは70〜100重量%が1,4‐ミクロ構造を有し、かつイソプレンに由来する脂肪族二重結合の好ましくは少なくとも90%が水素添加されたものが好ましい。
【0017】
ブロック共重合体の数平均分子量は、好ましくは5,000〜1,500,000、より好ましくは、10,000〜550,000、更に好ましくは100,000〜400,000の範囲であり、分子量分布は10以下である。
【0018】
ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組合せのいずれであってもよい。
【0019】
これらのブロック共重合体の製造方法としては数多くの方法が提案されているが、代表的な方法としては、例えば特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒又はチーグラー型触媒を用い、不活性媒体中でブロック重合させて得ることができる。水素添加する方法も公知である。
【0020】
上記(水添)ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体(部分水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、SBBS)等を挙げることができる。
【0021】
オレフィン系熱可塑性エラストマー(a−2)として、好ましくはオレフィン系共重合体ゴムより成る群から選ばれる少なくとも一つのエラストマー(a’−2)が使用される。
【0022】
上記のオレフィン系共重合体ゴム(a’−2)は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等のα−オレフィンが共重合してなるエラストマーあるいはこれらと非共役ジエンとが共重合してなるオレフィン系共重合体ゴムが挙げられる。また、シングルサイト触媒を用いて合成した物であっても良い。
【0023】
非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等を挙げることができる。
【0024】
このようなオレフィン系共重合体ゴムとしては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン−1−ブテン共重合体ゴム、エチレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体ゴム等が挙げられる。
【0025】
本発明の(A)には、下記の非芳香族系ゴム用軟化剤(c)及び/又はパーオキサイド分解型オレフィン系樹脂(d)が配合される。これにより、成形品の表面抵抗を著しく安定にすることができるばかりでなく、樹脂組成物の成形性を向上することができ、加えて硬さの自由度を増すことができる。好ましくは、架橋剤として有機過酸化物(g)あるいはフェノール系架橋剤(i)を更に加えることができる。これにより、耐熱性、硬さ及びゴム弾性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。
【0026】
非芳香族系ゴム用軟化剤(c)としては、非芳香族系の鉱物油又は液状若しくは低分子量の合成軟化剤が挙げられる。一般にゴム用鉱物油軟化剤は、芳香族環、ナフテン環及びパラフィン鎖が組合った混合物であって、一般に、パラフィン鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占めるものをパラフィン系、ナフテン環炭素数が30〜40%を占めるものをナフテン系、芳香族炭素数が30%以上を占めるものを芳香族系と呼び区別されている。本発明の成分(c)として用いられるゴム用鉱物油軟化剤は、上記のパラフィン系及びナフテン系が好ましい。芳香族系の軟化剤は、成分(a−1)及び(a−2)との関係で分散性が悪く好ましくない。成分(c)として、パラフィン系の鉱物油軟化剤が特に好ましく、パラフィン系のなかでも芳香族環成分の少ないものが特に適している。
【0027】
該非芳香族系ゴム用軟化剤は、37.8℃における動的粘度が好ましくは20〜500cSt、流動点が好ましくは−10〜−15℃、引火点(COC)が好ましくは170〜300℃を示す。
【0028】
成分(c)の配合量は、成分(a−1)及び/又は(a−2)100重量部に対して、上限が980重量部、好ましくは500重量部、より好ましくは300重量部であり、下限を設けるならば好ましくは0.1重量部、より好ましくは10重量部、特に好ましくは20重量部である。上記上限を超えると、軟化剤のブリードアウトを生じ易く、最終製品に粘着性を与えるおそれがあり、機械的性質も低下する。上記下限未満では、実用的には差支えないが、製造時に混練機の負荷が大きくなり、剪断発熱による分子切断が生じる。また、得られる組成物の柔軟性が損なわれる。
【0029】
パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂(d)は、得られる組成物を熱可塑性とし、あるいはゴム分散を良好にすること、及び組成物全体の流動性を向上し、かつ成形品の外観を良好にすると共に、表面積の大きな成形品に於いては表面抵抗率の安定化に寄与する。また、硬度及び収縮率の調整に効果を有するものである。該成分は、有機パーオキシドの存在下に加熱処理することによって熱分解して分子量を減じ、溶融時の流動性が増大するオレフィン系の重合体又は共重合体であり、例えば、アイソタクチックポリプロピレンやプロピレンと他のα‐オレフィン例えばエチレン、1‐ブテン、1‐ヘキセン、4‐メチル‐1‐ペンテン等との共重合体を挙げることができる。
【0030】
該パーオキシド分解型オレフィン系樹脂は、ホモ部分のDSC測定による結晶化度が好ましくは、Tmが150℃〜167℃、△Hmが25mJ/mg〜83mJ/mgの範囲のものである。結晶化度はDSC測定のTm、△Hmから推定することができる。上記の範囲外では、得られる樹脂組成物の100℃以上におけるゴム弾性が改良されない。
【0031】
該パーオキシド分解型オレフィン系樹脂のMFR(ASTM D‐1238、L条件、230℃)は、好ましくは0.1〜200g/10分、更に好ましくは0.5〜100g/10分である。上記下限値未満では、得られる樹脂組成物の成形性が低下し、上記上限値を超えては、得られる樹脂組成物のゴム弾性が悪化する。
【0032】
成分(d)の配合量は、成分(a−1)及び/又は(a−2)100重量部に対して、上限値が980重量部、好ましくは240重量部であり、下限値を設けるならば好ましくは0.1重量部、より好ましくは5重量部である。上限値を超えると、得られる樹脂組成物の硬度が高くなり過ぎ柔軟性が失われてゴム的感触の製品が得られない。また、下限値未満では、本発明の効果が得られない。
【0033】
有機過酸化物(g)は、ラジカルを発生せしめ、そのラジカルを連鎖的に反応させて、成分(a−1)及び/又は(a−2)を架橋せしめる働きを有する。また同時に、成分(d)を分解して溶融混練時の組成物の流動性を増大させてゴム成分の分散を良好にせしめる効果を有する。
【0034】
該成分としては、例えば、ジクミルパーオキシド、ジ‐tert‐ブチルパーオキシド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルパーオキシ)ヘキシン‐3、1,3‐ビス(tert‐ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1‐ビス(tert‐ブチルパーオキシ)‐3、3,5‐トリメチルシクロヘキサン、n‐ブチル‐4,4‐ビス(tert‐ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキシド、p‐クロロベンゾイルパーオキシド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキシド、tert‐ブチルパーオキシベンゾエート、tert‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、tert‐ブチルクミルパーオキシド等を挙げることができる。これらのうちで、臭気性、着色性、スコーチ安全性の観点から、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルパーオキシ)ヘキシン‐3が特に好ましい。
【0035】
成分(g)の配合量は、添加する場合は、成分(a−1)及び/又は(a−2)100重量部に対して、上限が好ましくは6重量部、より好ましくは3重量部であり、下限が好ましくは0.01重量部である。上記上限を超えては、成形性が悪くなる。
【0036】
エステル系架橋助剤(h)は、多官能性の不飽和結合を持つ化合物であり、本発明のエラストマー組成物の上記有機過酸化物(g)による架橋処理に際して配合することができ、これにより均一、かつ効率的な架橋反応を行うことができる。また、多量に配合することにより、非芳香族系ゴム用軟化剤、特に、低分子量パラフィン系オイル等を適度に架橋し、エラストマー組成物からのブリードアウトを抑制することができる。
【0037】
成分(h)としては、例えば、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールの繰り返し数が9〜14のポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレートのような多官能性メタクリレート化合物、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレートのような多官能性アクリレート化合物、ビニルブチラート又はビニルステアレートのような多官能性ビニル化合物を挙げることができる。これらは単独あるいは2種類以上を組み合わせても良い。これらの架橋助剤のうち、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレートが特に好ましい。
【0038】
成分(h)の配合量は、添加する場合は、成分(a−1)及び/又は(a−2)100重量部に対して、上限値は好ましくは80重量部、より好ましくは30重量部であり、下限値を設けるならば、好ましくは0.1重量部である。上限値を超えると、得られる樹脂組成物の硬度が高くなり過ぎ柔軟性が失われてゴム的感触の製品が得られない。
【0039】
フェノール系架橋剤(i)は、アルカリ媒体中での、ハロゲンで置換されたフェノール、C1〜C10アルキルで置換されたフェノールもしくは非置換のフェノールと、アルデヒド、好ましくはホルムアルデヒドとの縮合により、又は二官能性フェノールジアルコール類の縮合により、その基本的成分が製造されるフェノール系硬化樹脂である。p位がC5−C10アルキル基で置換されたジメチロールフェノール類からのフェノール系硬化樹脂が好ましい。アルキルで置換されたフェノール硬化樹脂のハロゲン化により製造される、ハロゲン化アルキルで置換されたフェノール硬化樹脂も適している。メチロールフェノール系樹脂、ハロゲン供与物質及び金属化合物を含むフェノール系硬化剤系は、特に好ましく、それらの詳細は、Gillerによる米国特許第3,287,440号及びGerstinらによる米国特許第3,709,840号に記載されている。非ハロゲン化フェノール硬化樹脂は、ハロゲン供与物質と組み合わせて、好ましくはハロゲン化水素掃去剤とともに用いられる。通常、ハロゲン化、好ましくは臭素化された、2〜10重量%の臭素を含有するフェノール系樹脂は、ハロゲン供与物質を必要としないが、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、珪酸マグネシウム、二酸化珪素のような金属酸化物のようなハロゲン化水素掃去剤と組み合わせて用いられ、その掃去剤の存在は、フェノール系樹脂の架橋機能を促進するが、フェノール系樹脂を用いて容易に硬化しないゴムでは、ハロゲン供与物質と酸化亜鉛との組み合わせた使用が好ましい。ハロゲン化フェノール樹脂の製造及び、硬化系における酸化亜鉛の組み合わせての使用は、米国特許第2,972,600号及び3,093,613号に記載されており、それらの開示を前述のGiller及びGerstinらの特許の開示と共に援用するのが好ましい。好ましいハロゲン供与物質の例は、塩化第一錫、塩化第二鉄又は、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン及びポリクロロブタジエン(ネオプレンゴム)のようなハロゲン供与ポリマーである。本発明においては、フェノール系硬化樹脂の(架橋)活性剤を使用することが出来る。フェノール系硬化樹脂の(架橋)活性剤と総称されるものとしては、フェノール系硬化樹脂の架橋効率を著しく増大させるいずれかの物質を意味し、単独で又は組み合わせて用いられる金属酸化物及びハロゲン供与物質を含む。フェノール系硬化剤系のさらなる詳細は、W.Hoffmanによる“Vulcanization and Vulcanizing Agents”(Parmerton Pubishing Company)に記載されている。好ましいフェノール系硬化樹脂及び臭素化フェノール系硬化樹脂は、例えば、Schenectady Chemicals,Inc.から商品名SP−1045、CRJ−352、SP−1055及びSP−1056で市販されている。さらに同様の機能を有するフェノール系硬化樹脂は、他の供給先からも入手できる。
【0040】
成分(i)の配合量は、成分(a−2)+(c)+(d)の合計100重量部に対して、0.5〜20重量部、好ましくは0.5〜14重量部である。配合量が20重量部を超えると、成形加工性が悪化する。また、架橋活性剤を用いる場合は、成分(a−2)+(c)+(d)の合計100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、より好ましくは、0.05〜5重量部である。
【0041】
本発明において使用するコポリマー(B)は、オレフィン成分を主体とするブロック(a)と親水性成分を主体とするブロック(b)とを有するブロックコポリマー及び/又はグラフトコポリマーである。該コポリマー(B)は、ブロック(a)とブロック(b)とが、好ましくはエステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合及びイミド結合より成る群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して結合した構造を有する。該コポリマー(B)は公知であり、例えば、特開2001−278985号公報に記載されているものを使用することができる。市販品として、例えば、ペレスタット300(商標、三洋化成工業株式会社製)が使用できる。
【0042】
コポリマー(B)を構成するオレフィン成分を主体とするブロック(a)としては好ましくは、カルボニル基(好ましくは、カルボキシル基、以下同じ。)をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1)、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2)、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a3)、カルボニル基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a4)、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a5)、アミノ基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a6)、又はカルボニル基をポリマーの主鎖から分岐するかたちで導入したポリオレフィン(a7)等を使用し得る。これらのうち、変性のし易さから、カルボニル基を有するポリオレフィン(a1)及び(a4)がより好ましい。
【0043】
(a1)としては、両末端が変性可能なポリオレフィンを主成分(含有量50重量%以上、好ましくは75重量%以上)とするポリオレフィン(a0)の両末端にカルボニル基を導入したものが用いられる。(a2)としては、(a0)の両末端に水酸基を導入したものが用いられる。(a0)としては、炭素数2〜30のオレフィンの1種又は2種以上の混合物(好ましくは炭素数2〜12のオレフィン、特に好ましくはプロピレン及び/又はエチレン)の重合によって得られるポリオレフィン、及び高分子量のポリオレフィン(好ましくは炭素数2〜30のオレフィン、より好ましくは炭素数2〜12のオレフィンの重合によって得られるポリオレフィン、特に好ましくはポリプロピレン及び/又はポリエチレン)の熱減成法によって得られる低分子量ポリオレフィンが挙げられる。(a3)としては、(a0)の両末端にアミノ基を導入したものが用いられる。(a4)としては、片末端が変性可能なポリオレフィンを主成分(含有量50重量%以上、好ましくは75重量%以上)とするポリオレフィン(a00)の片末端にカルボニル基を導入したものが用いられる。(a5)としては、(a00)の片末端に水酸基を導入したものが用いられる。(a6)としては、(a00)の片末端にアミノ基を導入したものが用いられる。(a7)としては、(a00)の主鎖から分岐した形でカルボニル基を導入したものが用いられる。
【0044】
親水性成分を主体とするブロック(b)としては、ポリエーテル含有親水性ポリマー、好ましくは、ポリエーテルセグメントを有するもの、ポリエーテルエステルセグメントを有するもの、ポリエーテルアミドセグメントを有するもの、ポリエーテルエステルアミドセグメントを有するものが使用できる。
【0045】
ブロック(b)の体積抵抗率(後述のASTM D257に準じて測定される値)は、好ましくは1×105〜1×1011Ω・cm、より好ましくは1×106〜1×109Ω・cmである。体積抵抗率が上記上限を超えると帯電防止性が低下する。コポリマー(B)の表面抵抗率(後述のASTM D257に準じて測定される値)は、好ましくは1×106〜1×1010Ω/sq.、より好ましくは1×107〜1×109Ω/sq.である。表面抵抗率が上記上限を超えると帯電防止性が低下する。
【0046】
(A)及び(B)の配合量は、(A)及び(B)の合計100重量部のうち、(A)50〜97重量部及び(B)50〜3重量部、好ましくは(A)60〜97重量部及び(B)3〜40重量部、より好ましくは(A)70〜95重量部及び(B)5〜30重量部である。(B)が上記下限未満で(A)が上記上限を超えては、添加効果が見られず、(B)が上記上限を超え(A)が上記下限未満では熱可塑性エラストマーの柔軟性が得られない。
【0047】
本発明に用いられる成分(e)金属塩は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカチオン、及びイオン解離可能なアニオンとによって構成される化合物である。
【0048】
アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカチオンとしては、例えば、Li+、Na+、K+、Mg2+、Ca2+等が挙げられる。好ましくはイオン半径の小さいLi+,Na+,K+であり、特に好ましくはリチウムイオン(Li+)である。
【0049】
イオン解離可能なアニオンとしては、例えば、Cl-、Br-、F-、I-、NO3 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、B(C6H5)4 -、SCN-、ClO4 -、CF3SO3 -、BF4 -、(CF3SO2)2N-、(CF3SO2)3C-等が挙げられる。好ましくはClO4 -、CF3SO3 -、(CF3SO2)2N-、(CF3SO2)3C-であり、特に好ましくはClO4 -、CF3SO3 -、(CF3SO2)2N-、(CF3SO2)3C-である。
【0050】
上記カチオン及びアニオンによって構成される金属塩類は数多く存在する。例えば、過塩素酸リチウムLiClO4、過塩素酸ナトリウムNaClO4、過塩素酸マグネシウムMg(ClO4)2、過塩素酸カリウムKClO4、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLi(CF3SO3)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi・N(CF3SO2)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウムK・N(CF3SO2)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa・N(CF3SO2)2、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムLi・C(CF3SO2)3、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンナトリウムNa・C(CF3SO2)3が挙げられる。好ましくは、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLi(CF3SO3)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi・N(CF3SO2)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa・N(CF3SO2)2、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムLi・C(CF3SO2)3、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンナトリウムNa・C(CF3SO2)3が使用され、より好ましくは、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi・N(CF3SO2)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa・N(CF3SO2)2、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムLi・C(CF3SO2)3、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンナトリウムNa・C(CF3SO2)3が使用される。これを少量添加するだけで抵抗率が低くなるので、上記導電効果が一層発揮されることになる。
【0051】
成分(e)の配合量は、(B)100重量部に対して、上限値が10重量部、好ましくは8重量部、より好ましくは3重量部である。下限値は0.0001重量部、好ましくは0.0003重量部、より好ましくは0.01重量部である。上記下限未満では、充分な導電性を得ることが難しく、一方、上記上限を超えては、結晶化の進行や材料劣化等を招き制電効果が低下する。
【0052】
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、更に、下記の成分(f)金属塩(e)を溶解する有機化合物を含めることができる。
【0053】
成分(f)は、本発明の組成物において、成分(e)金属塩の成分(B)への溶解性及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属カチオンの解離安定性を高めるものである。
【0054】
好ましくは、成分(f)は、−{O(ZO)n}−基(Zは炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜7の整数を示す)を有し、かつ全ての分子鎖末端がCH3基及び/又はCH2基である有機化合物である。上記分子鎖末端のCH2基とは、二重結合をしている炭素原子を有するものである。
【0055】
成分(f)は、例えば、炭素数1〜9の直鎖又は分岐脂肪族アルコール1モルに、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを1〜7モル付加して得られるアルコールと、二塩基酸とを原料として、一般的なエステル化合物の製造方法によって製造することができる。
【0056】
ここで、上記アルコールの例としては、プロパノール1モルにエチレンオキシド1〜7モル、プロピレンオキシド1〜4モル、又はブチレンオキシド1〜3モル、ブタノールにエチレンオキシド1〜6モル又はプロピレンオキシド1〜3モル、ヘキサノールにエチレンオキシド1〜2モル、ペンタノールにエチレンオキシド1〜5モル、プロピレンオキシド1〜3モル、又はブチレンオキシド1〜2モル、オクタノールにエチレンオキシド1〜5モル、プロピレンオキシド1〜3モル、又はブチレンオキシド1〜3モル、ノナノールにエチレンオキシド1〜4モル、プロピレンオキシド1〜2モル、又はブチレンオキシド1〜2モルを、それぞれ、付加させたヒドロキシル化合物が挙げられる。
【0057】
なお、これらの化合物の中で、ブタノール1モルにエチレンオキシド2モルを付加させた2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、ブタノール1モルにエチレンオキシド1モルを付加させた2−ブトキシエタノールが、加工性とのバランスに良い。
【0058】
また、上記二塩基酸としては、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、コハク酸などのカルボン酸、及びこれらのカルボン酸無水物などが挙げられる。
【0059】
上記原料を使用して製造される成分(f)として、好ましくは、末端にヒドロキシル基を有さないアルキル基である化合物である。
【0060】
更に好ましくは、成分(f)は、下記一般式(1)で表される化合物であり、
【化2】
式中、Xは炭素数1〜9の、直鎖又は分岐のアルキレン基、芳香族を含む2価の炭化水素基、又は2価の脂環式炭化水素基を示し、Zは夫々独立して、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、Rは夫々独立して、炭素数1〜9の、直鎖又は分岐のアルキル基を示し、nは夫々独立して、1〜7の整数である。
【0061】
特に好ましくは、下記化学式(2)に示されるアジピン酸ジブトキシエトキシエチル(ビス〔2−(2ブトキシエトキシ)エチル〕アジペート)、又は下記化学式(3)に示されるビス(2−ブトキシエチル)フタレートである。
【0062】
【化3】
【0063】
【化4】
【0064】
成分(f)の配合量は、(B)100重量部に対して、上限値が好ましくは10重量部、より好ましくは8重量部である。下限値を設けるならば、好ましくは0.1重量部、より好ましくは0.3重量部である。上記上限を超えては、得られる組成物の粘度が著しく低下し、ドローダウンなどの成形加工性が低下し、成形品の寸法安定性が悪くなるほか、物理的特性の低下を招く。また、取り扱いを容易にする為には、室温で液状の有機化合物が好ましい。
【0065】
本発明の組成物において、上記成分(f)を添加する場合、成分(f)及び成分(e)の配合量は、(f)/(e)の重量比で、上限が、好ましくは1,000/1、より好ましくは100/1であり、下限が、好ましくは1/1である。成分(f)及び成分(e)の配合量の重量比を上記範囲にすることにより、ブリードのない安定した導電性を得ることができる。また、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLi(CF3SO3)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi・N(CF3SO2)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa・N(CF3SO2)2、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムLi・C(CF3SO2)3、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンナトリウムNa・C(CF3SO2)3が使用され、より好ましくは、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi・N(CF3SO2)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa・N(CF3SO2)2、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムLi・C(CF3SO2)3、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンナトリウムNa・C(CF3SO2)3の限定された金属塩との組み合わせで投影面積の大きな成形品に於いては、極めて安定した導電性を得ることが出来る。
【0066】
本発明の組成物には、本発明の目的を損なわないかぎり、安定剤、着色剤、可塑剤、分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、補強剤、滑剤、発泡剤、耐候(光)剤、金属粉などの添加剤を配合することができる。
【0067】
本発明の組成物の製造には一般に用いられる混合機、混練機、定量フィーダー等を用いることが出来るが、以下の例により限定されるものではない。
【0068】
ペレット状コンパウンドの加工において用いられる混合機としては、予備分散、分配、拡散混合を目的とするブレンダーが予備混合機として用いられる。ブレンダーの代表例としては、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー(スーパーミキサー)、タンブラーミキサー、タンブルミキサー、エアーブレンダーなどが挙げられる。これらの予備混合機は、充填される副資材の形態や拡散レベルに応じて選定される。これらの予備混合機は、配合物をペレット状にする予備混合機として使用されるだけでなく、ドライブレンドして直接成形可能な組成物として供給することも可能である。
【0069】
本発明の組成物は、通常の熱可塑性樹脂の混合、混練に用いられる通常の装置、設備を用いて問題なく製造できる。押出機としては、ベント付きの単軸、二軸異方向、二軸同方向押出機が望ましい。また、押出機に代えて、スーパーミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー、タンブラー、コニーダーなどの混練機を用いても良い。
【0070】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、例えば、下記の方法により製造することができる。
【0071】
(g)有機過酸化物、用途によって加えられる(h)エステル系架橋助剤を使用しない場合、即ち、組成物を架橋しない場合には、予め全ての成分を、例えば、タンブラーミキサー内で配合、混合、予備ブレンドして、次いで、該混合物を、例えば、二軸同方向押出機により、好ましくは150〜220℃の温度で溶融混練し、ダイスから出た紐状の溶融組成物を水槽にて冷却し、次いでカッターで切断してペレット化して組成物を作製することができる。
【0072】
(g)有機過酸化物、用途によって加えられる(h)エステル系架橋助剤を使用する場合、即ち、組成物を架橋する場合には、架橋反応を(e)金属塩の存在下で行わないことが好ましい。例えば、予め成分(B)コポリマー、(e)及び所望により(f)有機化合物以外の成分をタンブラーミキサー内で配合、混合、予備ブレンドし、次いで、該混合物を、例えば、二軸同方向押出機により、好ましくは150〜220℃で溶融混練して架橋して、ダイスから出た紐状の溶融組成物を水槽にて冷却し、次いでカッターで切断してペレット化する。得られたペレットを、残りの成分、即ち、成分(e)、所望により(f)と、例えば、タンブラーミキサー内で配合、混合、予備ブレンドして、次いで、該混合物を、例えば、二軸同方向押出機により、好ましくは150〜220℃の温度で溶融混練し、ダイスから出た紐状の溶融組成物を水槽にて冷却し、次いでカッターで切断してペレット化して組成物を作製することができる。
【0073】
また、上記いずれの場合においても、(e)金属塩及び所望により(f)有機化合物をマスターバッチとして使用することができる。予め成分(B)、(e)及び(f)の全量を、例えば、タンブラーミキサー内で配合、混合、予備ブレンドして、次いで、該混合物を、例えば、二軸同方向押出機により、好ましくは190℃の温度で溶融混練し、ダイスから出た紐状の溶融組成物を水槽にて冷却し、次いでカッターで切断してペレット化してマスターバッチとすることができる。
【0074】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、その優れた特性、即ち、中程度の均一かつ安定した導電性を生かし、種々の用途に使用することができる。上記のようにカーボンブラック含有樹脂は、中程度の均一かつ安定した導電性が得られないと言う欠点を有している。従来、該欠点を認めつつも、代替品がないことからカーボンブラック含有樹脂が使用されて来た中程度の導電性を必要とする、下記の様々な用途に好適に、本発明の熱可塑性樹脂組成物が使用され得る。例えば、特に、LCD関連分野、LSI関連分野、IC関連分野、OA機器、AV機器、家電機器等の導電性あるいは帯電防止性が要求される分野、特に電子写真技術を用いたプリンター、複写機等の帯電・現像・転写ロール等に極めて好適に使用することができる。導電ロールは、電子写真、静電記録によるプリンター等の用途に好適である。近年、電子写真技術の進歩に伴い、乾式電子写真装置の転写材、トナーに対する接触帯電部材などとして半導電性弾性ロールが注目されており、現像ロール、転写ロール等に用いられている。家電機器カバー、OA機器カバー、FDケースカバー、帯電防止カバー、静電防止薄板、静電防止袋、ICカバーテープ、静電防止衣服、無菌服にも有用である。
【0075】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例中における部及び%は、特に断らない限り、重量基準である。
【0076】
実施例及び比較例に用いた各種成分は、以下のとおりである。
【0077】
(A)
(a−1):スチレン系熱可塑性エラストマー
(a’−1)クラレ株式会社製 セプトン 4077(商標)
種類:スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)
スチレン含有量:30重量%
数平均分子量:260,000、
重量平均分子量:320,000
分子量分布:1.23、水素添加率:90%以上
(a−2):オレフィン系熱可塑性エラストマー
(a’−2)JSR株式会社製 EP57P(商標)
種類:EPDM
エチレン含有量66重量%、ENB含有量4.5重量%
(c):非芳香族系ゴム用軟化剤
出光興産株式会社製 ダイアナプロセスオイル PW−90(商標)
重量平均分子量:539
パラフィン系炭素数:71%
ナフテン系炭素数:29%
(d):パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂
プロピレンホモ重合体(PP) 三井化学株式会社製 CJ700(商標)
結晶化度:Tm 166℃、ΔHm 82mJ/mg
(g):有機過酸化物(架橋剤)
日本油脂株式会社製 パーヘキサ25B(商標)
2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン
(h):エステル系架橋助剤
新中村化学株式会社製 NKエステルIND(商標)
2−メチル−1,8−オクタンジオールジメタクリレート85%と1,9−ノナンジオールジメタクリレート15%との混合物
(i):フェノール系架橋剤
ジメチロール−p−ノニルフェノール
(j):活性剤
塩化スズ
【0078】
<(B):コポリマー>
ペレスタット300(商標)、三洋化成工業株式会社製
【0079】
<(e):金属塩>
(e−1):過塩素酸リチウム
(e−2):ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム 和光純薬工業株式会社製
(e−3):塩化リチウム
【0080】
<(f):金属塩(e)を溶解する有機化合物>
アジピン酸ジブトキシエトキシエチル(下記式(5)で示される化合物) 三光化学工業株式会社製
【化5】
【0081】
実施例及び比較例においては、上記のアジピン酸ジブトキシエトキシエチル(f)に過塩素酸リチウム(e−1)を溶解した[(f)/(e)=4.6]、三光化学工業(株)製、サンコノール0862−18(商標)、および上記のアジピン酸ジブトキシエトキシエチル(f)にビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(e−1a)を溶解した[(f)/(e−1)=4.0]、三光化学工業(株)製、サンコノール0862−20R(商標)を用いた。
【0082】
<その他の成分>
(B−c):ペレスタット6195(商標、ポリエーテルエステルアミド)三洋化成工業株式会社製
【0083】
実施例及び比較例において用いた評価方法は次の通りである。
【0084】
<試験片の調製及び成形性>
サンプルペレットを射出成形機により、試験片を成形した。成形条件は、シリンダー温度=210℃、金型温度=40℃であり、ゲートは、幅40×厚み0.5mmのフィルムゲートを使用した。試験片形状は、厚みがゲート側から3mm、2mm、1mmの3段階である多段プレートであり、外寸は80×40mmである(図1参照)。この際、成形性を評価した。評価基準は下記の通りである。
○:ヒケ無し。
×:2mm厚部分にヒケがある。
該試験片を室温23±2℃、相対湿度50%中で24時間調整後、下記物性の測定に供した。
【0085】
<表面抵抗率、体積抵抗率(制電性)>
上記の多段プレートと同様に射出成形にて成形した幅6cm×長さ6cm×厚み0.3cmの射出成形試験片を用い、三菱化学株式会社製、ハイレスタ(商標)を用いて、温度23℃、湿度50%、印加電圧500Vの条件にて測定を行った。
【0086】
<表面抵抗率安定性>
図2に示した成形品(厚さは1mmである)を、シリンダー温度180〜220℃(金型温度40℃)、6点のピンポイントゲートで成形した。該成形品を成形後、ゲート近く(各ゲートから10mm及び50mm離れた位置)、ウエルド部(ウエルドライン上、5cm間隔)及び成形品平面エッジ付近(平板のエッジ4カ所)で表面抵抗率を測定した。
◎:表面抵抗率がほぼ一定
○:表面抵抗率のバラツキが多少あるが一定と認められる範囲
×:上記測定部分で抵抗率に一桁以上の差がある
【0087】
<表層剥離>
上記の多段プレートと同様に射出成形にて成形した幅4cm×長さ8cm×厚み3mmの射出成形試験片を用いた。該試験片の表面にカッターナイフで碁盤目状(一つの四角形が1mm×1mm)にセロテープ(登録商標)[ニチバン社製24mm巾]を密着させたのち、垂直方向に剥がし、塗膜の剥がれを目視観察する。
○:使用するのに問題がない良好な状態
△:○と比べて悪いが、用途によっては使用可能
×:悪い結果で使用不可能
【0088】
【実施例1〜9及び比較例1〜3】
表1には、実施例及び比較例に使用した(A)における各成分の配合比を示した。表2の配合処方に基き、各熱可塑性エラストマー組成物を調製し評価した。
【0089】
表1に示す各成分をタンブラーミキサー内で配合、混合、予備ドライブレンドし、次いで、該混合物を47mm二軸同方向押出機により190℃で溶融混合し、ダイスから出た紐状の樹脂溶融物を水槽にて冷却処理し、カッターに通してペレット(A−1)〜(A−6)を作製した。次いで、該ペレットを、表2に示す各成分[(B)、(e)、(f)又は(比較成分)]とタンブラーミキサー内で配合、混合、予備ドライブレンドし、次いで、該混合物を47mm二軸同方向押出機により190℃で溶融混合し、ダイスから出た紐状の樹脂溶融物を水槽にて冷却処理し、カッターに通してペレット化して各熱可塑性エラストマー組成物を作製した。結果を表2に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
*1:SEPSのみを使用したものである。
*2:EPDMのみを使用したものである。
カッコ内の数字は、(B)100重量部に対する重量部で示した値である。
【0092】
実施例1及び2は、(A)、(B)及び(e)から成る熱可塑性エラストマー組成物であって、(a−1)としてSEPSを使用したものである。いずれも良好な成形品の表面安定性及び成形性を示した。実施例3及び4は、(A)、(B)及び(e)に更に(f)を加えてなる熱可塑性エラストマー組成物である。同様に良好な成形品の表面安定性及び成形性を示した。特に実施例4の成形品の表面安定性は優れていた。実施例5は、(A)に更に(g)及び(h)を加えて(a−1)SEPSを架橋したものである。良好な成形品の表面安定性及び成形性を示した。実施例6は、実施例4における(A)中の(a−1)SEPSを(a−2)EPDMに代えたものである。実施例4と同様に良好な成形品の表面安定性及び成形性を示した。実施例7は、(A)において、(a−2)EPDMを使用し、かつPP(d)と架橋剤(i)及び活性剤(j)を使用したものであり、軟化剤(c)は使用していない。(c)を使用していないので実施例6と比較してより硬い領域ではあるが、(c)及び(d)の両者を使用して(A)を調製した実施例6とほぼ同様の熱可塑性エラストマー組成物が得られた。実施例8は、(A)において、(a−1)SEPSとPP(d)を使用したものである。実施例9は、(A)において、(a−1)SEPSと軟化剤(c)を使用したものである。いずれも(c)及び(d)の両者を使用して(A)を調製した実施例2と硬さの領域は異なるが、同様の性質を有する熱可塑性エラストマー組成物が得られた。
【0093】
一方、比較例1は、実施例1において(A)として(a−1)SEPSのみを使用したものであり、また、比較例2は、実施例5において(A)として(a−2)EPDMのみを使用したものであり、いずれも(c)及び(d)を配合しなかったものである。これらの比較例は、特開2001−278985号公報記載の発明に相当するものである。いずれも、成形品の表面安定性及び成形性は悪いものであった。比較例3は、実施例3における(B)に代えて(B−c)ポリエーテルエステルアミドを使用したものである。成形品の表面安定性は若干悪化し、成形性が悪く、かつ成形品に表面剥離が認められた。
【0094】
【発明の効果】
本発明は、成形品の表面抵抗率の安定性に著しく優れると共に、良好な成形性をも有する、制電性を有する熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例で使用した試験片を作成するために使用した金型の概略図である。
【図2】表面抵抗率安定性測定用の試験片の形状を示す斜視図である。
【符号の説明】
1: ゲート
2: ウエルドライン
Claims (18)
- (A)(a−1)スチレン系熱可塑性エラストマー及び/又は(a−2)オレフィン系熱可塑性エラストマー 100重量部、及び
(c)非芳香族系ゴム用軟化剤及び/又は(d)パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂 0.1〜980重量部
を含む組成物 50〜97重量部、並びに
(B)オレフィン成分を主体とするブロック(a)と、ポリエーテルセグメント、ポリエーテルエステルセグメント、ポリエーテルアミドセグメント及びポリエーテルエステルアミドセグメントより成る群から選ばれる一つ以上を有する親水性成分を主体とするブロック(b)とを有するコポリマー 50〜3重量部
の合計100重量部を含み、かつ
(e)アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカチオンと、イオン解離可能なアニオンとによって構成される金属塩を成分(B)100重量部に対して0.0001〜10重量部
を含む熱可塑性エラストマー組成物。 - (a−1)が、(a’−1)芳香族ビニル化合物から主として作られる少なくとも1つの重合体ブロックAと、共役ジエン化合物から主として作られる少なくとも1つの重合体ブロックBとからなるブロック共重合体、及び/又は、これを水素添加して得られるブロック共重合体である請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (a−2)が、(a’−2)オレフィン系共重合体ゴムより成る群から選ばれる少なくとも一つのエラストマーである請求項1又は2記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (A)が更に、
(g)有機過酸化物 0.01〜6重量部
を含む請求項1〜3のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物。 - 更に、
(h)エステル系架橋助剤 0.1〜80重量部
を含む請求項4記載の熱可塑性エラストマー組成物。 - (h)が、多官能性アクリレート又は多官能メタクリレートである請求項5記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (A)が更に、
(c−2)フェノール系架橋剤を(a−2)+(c)+(d)の合計100重量部に対して0.5〜20重量部
含む請求項1〜6のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物。 - (e)のカチオンが、Li+、Na+、K+、Mg2+及びCa2+より成る群から選ばれ、かつ(e)のアニオンが、Cl-、Br-、F-、I-、NO3 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、B(C6H5)4 -、SCN-、ClO4 -、CF3SO3 -、BF4 -、(CF3SO2)2N-及び(CF3SO2)3C-より成る群から選ばれる請求項1〜7のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (e)のカチオンが、Li+又はNa+であり、かつ(e)のアニオンが、ClO4 -、CF3SO3 -、(CF3SO2)2N-及び(CF3SO2)3C-より成る群から選ばれる請求項1〜7のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (e)が、過塩素酸リチウムLiClO4、過塩素酸ナトリウムNaClO4、過塩素酸マグネシウムMg(ClO4)2、過塩素酸カリウムKClO4、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLi(CF3SO3)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi・N(CF3SO2)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウムK・N(CF3SO2)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa・N(CF3SO2)2、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムLi・C(CF3SO2)3及びトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンナトリウムNa・C(CF3SO2)3より成る群から選ばれる1つ又はそれ以上である請求項1〜7のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (e)が、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLi(CF3SO3)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi・N(CF3SO2)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa・N(CF3SO2)2、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムLi・C(CF3SO2)3、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンナトリウムNa・C(CF3SO2)3より成る群から選ばれる1つ又はそれ以上である請求項1〜7のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (e)が、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi・N(CF3SO2)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa・N(CF3SO2)2、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムLi・C(CF3SO2)3、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンナトリウムNa・C(CF3SO2)3より成る群から選ばれる1つ又はそれ以上である請求項1〜7のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 更に、−{O(ZO)n}−基(Zは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、かつnは1〜7の整数を示す)を有し、かつ全ての分子鎖末端がCH3基及び/又はCH2基である有機化合物(f)を、成分(B)100重量部に対して0.1〜10重量部含む請求項1〜12のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (f)/(e)の重量比が1/1〜1,000/1である請求項13記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 動的架橋してなる請求項1〜14のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (B)の親水性成分を主体とするブロック(b)の体積抵抗率が、105〜1011Ω・cmである請求項1〜15のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (B)の表面抵抗率が、106〜1010Ω/sq.である請求項1〜16のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (B)のオレフィン成分を主体とするブロック(a)と親水性成分を主体とするブロック(b)とが繰り返し交互に結合した構造である請求項1〜17のいずれか一つに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
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