JP3987219B2 - 透過型スクリーン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばプロジェクターと共に使用される透過型スクリーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
図1に図示したように、例えばプロジェクターの透過型スクリーンは、一般にフレネルレンズスクリーン22とレンチキュラーレンズスクリーン23と前面板24とが積層された構成である。符号21はブラックストライプ、25は止着テープである。
【0003】
フレネルレンズスクリーン22はプロジェクターからの光を観察者側に屈折させる機能を持ち、樹脂板の片側に同心円状の多数のV字型溝より成るレンズ面を有している。
【0004】
これまでフレネルレンズスクリーンは厚さ1.0〜2.0mm程度のものが主流であるが、最近、光学的特性の向上という要請から、可及的に薄いフレネルレンズスクリーンが要望されており(フレネルレンズスクリーンが厚いと多重像が発生するという欠点が生じる)、業界においては約0.1〜0.5mm程度のフィルム状のフレネルレンズスクリーンが提案されるに至っている。
【0005】
この厚さ約0.1〜0.5mm程度のフィルム状のフレネルレンズスクリーンを採用すると、前記多重像の発生が阻止でき、光学的特性が良好な透過型スクリーンが得られるが、しかし、このように薄いフィルム状のフレネルレンズスクリーンを弛みなく所定の張力を保持した状態でプロジェクターに付設することは非常に厄介であって、プロジェクターの量産性が低下する。また、フィルム状のフレネルレンズスクリーンは、湿度等の影響により、常時所定の張力で張設された状態を保持することは難しく、例えば、メーカーが所定の張力で張設しても、出荷時若しくは流通過程において弛んでしまいスクリーンのフラット性が損なわれ、鮮明な画像が現出しない。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決した透過型スクリーンを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
フレネルレンズスクリーン1とレンチキュラーレンズスクリーン2と前面板3とが積層された構成の透過型スクリーンであって、フレネルレンズスクリーン1として厚さ約0.1〜0.5mmのフィルム状のフレネルレンズスクリーン1が採用され、このフレネルレンズスクリーン1はスクリーンの有効画面外において前面板3に付設されており、前面板3とフレネルレンズスクリーン1とに所定の熱膨張係数の部材を採用することでフレネルレンズスクリーン1が前面板3に付設された状態において両部材の熱膨張係数の差により該フレネルレンズスクリーン1が波打つことなく所定の張力で張設されるように構成されていることを特徴とする透過型スクリーンに係るものである。
【0009】
【発明の作用及び効果】
本発明に係る透過性スクリーンは、フレネルレンズスクリーンが厚さ約0.1〜0.5mmであって、フィルム状である為、多重像が生じたりせず、光学的特性が良好となる。
【0010】
また、このフィルム状のフレネルレンズスクリーンは自立性がないが、自立性のある前面板に付設するから、作業性は良好となる。
【0011】
そして、フレネルレンズスクリーンは前面板との熱膨張係数の差により常時所定の張力で前面板に付設されているから、フィルム状のフレネルレンズスクリーンのフラット性は保持されることになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図2は本発明の一実施例であり、以下に説明する。
【0013】
図面は、フレネルレンズスクリーン1(収光の為),レンチキュラーレンズスクリーン2(光の拡散及び指向性確保の為),前面板3(レンチキュラーレンズスクリーン2の保護の為)を積層したものである。符号4はブラックストライプである。
【0014】
具体的には、約2mm厚の前面板3の周囲に繞設された突出部3a内側に約1mm厚のレンチキュラーレンズ2を配設し、更に、約0.3mm厚のフィルム状のフレネルレンズ1を前記突出部3a位置において超音波溶接若しくは高周波溶接により付設したものである。尚、当該溶接は突出部3a位置の全てにおいて溶接してもまた部分的に溶接しても良い。
【0015】
上記実施例の構成の詳細は次の通りである。
【0016】
実施例1
・前面板 PC 熱膨張係数7×10-5
・フレネルレンズスクリーン PET 熱膨張係数2×10-5
・0°C程度で両者を溶接
従って、常温ではフレネルレンズスクリーン1には所定の張力が作用していることになり、よって、フレネルレンズスクリーン1は波打つことなく良好に張設されることになる。
【0017】
実施例2
・前面板 PET 熱膨張係数2×10-5
・フレネルレンズスクリーン PC若しくはPMMA熱膨張係数7×10-5
・50°C程度で両者を溶接
従って、フレネルレンズスクリーン1の方が熱膨張係数が大きい為、該フレネルレンズスクリーン1には常温で(例えば室温が40°C程度になっても)所定の張力が作用していることになり、よって、フレネルレンズスクリーン1は波打つことなく良好に張設されることになる。
【0018】
以上から、結局、前面板3とフレネルレンズスクリーン1との熱膨張係数の差(両者の溶着の際の温度も考慮)を所定に設定することで、フレネルレンズスクリーン1に所定の張力が使用時に作用するように構成すれば良い。
【0019】
尚、前面板3はある程度の厚さが必要である。前面板3が薄過ぎて自立性がないとフレネルレンズスクリーン1の付設作業が厄介となり、また、前面板3が薄過ぎてフレネルレンズスクリーン1の厚さに近くなると、フレネルレンズスクリーン1に張力が作用した際、前面板3が反ってしまうからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例の説明断面図である。
【図2】本実施例の説明断面図である。
【符号の説明】
1 フレネルレンズスクリーン
2 レンチキュラーレンズスクリーン
3 前面板

Claims (1)

  1. フレネルレンズスクリーンとレンチキュラーレンズスクリーンと前面板とが積層された構成の透過型スクリーンであって、フレネルレンズスクリーンとして厚さ約0.1〜0.5mmのフィルム状のフレネルレンズスクリーンが採用され、このフレネルレンズスクリーンはスクリーンの有効画面外において前面板に付設されており、前面板とフレネルレンズスクリーンとに所定の熱膨張係数の部材を採用することでフレネルレンズスクリーンが前面板に付設された状態において両部材の熱膨張係数の差により該フレネルレンズスクリーンが波打つことなく所定の張力で張設されるように構成されていることを特徴とする透過型スクリーン。
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