JP3984848B2 - 吐水ヘッドの支持装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗面台又は流し台等で使用され、ホースと共にホルダーに引き出し自在に支持される吐水ヘッドの支持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、洗面台又は流し台等に固定し、吐水ヘッドをホースと共にホルダーから引き出して広い範囲に吐水できるようにした水栓として公知のものに、図4及び図5のものがある。この図4及び図5について説明すると、水栓1は本体2の下部に形成された雄ねじ部5を、洗面台や流し台等のカウンターAに穿設された取付孔Bに挿通し、カウンターAの下部からナット6を雄ねじ部5に螺着することでカウンターAに固定されている。前記雄ねじ部5には給水源と連通する給水管7と、給湯源と連通する給湯管8と、本体2に収容されている混合部3で混合された湯水が供給される供給管9とがそれぞれ接続されている。また、水栓1は、前記混合部3と連繋したレバー4を上下又は左右に回転操作することにより、吐水される湯水の流量又は温度を調節するものである。
【0003】
前記水栓1には本体2から斜め上方に延びるホルダー12が回転自在に装着されており、該ホルダー12の内部には、一方を前記供給管9と接続し、他方を湯水が吐水される吐水ヘッド17と接続したホース10が挿通されている。前記混合部3で混合された湯水はホース10を通過し、吐水ヘッド17の吐水口21から吐水される。また、吐水ヘッド21の先端にはボタン20が設けられており、該ボタン20を操作することで、吐水ヘッド21から吐水される湯水の吐水形態を変更するものである。
【0004】
前記ホルダー12の先端及び吐水ヘッド17の基端には、吐水ヘッド17をホルダー12の先端に着脱自在に支持するための支持装置Dが固定されている。該支持装置Dは第1支持部材31と第2支持部材41とから構成され、ホルダー12先端の開口部13には第1支持部材31が、吐水ヘッド17基端の開口部18には第2支持部材41が固定されている。
【0005】
前記第1支持部材31は、小径部32と大径部34とからなる合成樹脂製の略円筒形で、小径部32の外周面には雄セレーション部33が刻設されている。大径部34の内周には、ホース10の摺動性を良くし、ホルダー12内部に水滴が入らないようにするためのスリーブ35が設けられている。第1支持部材31をホルダー12先端の開口部13に挿入した状態では、小径部32、即ち雄セレーション部33がホルダー12から露出した状態となっている。またこの時、ホルダー12に形成されたねじ孔16と、第1支持部材31の大径部34に形成されたねじ孔36とが同一軸線上になり、ねじ22により第1支持部材31をホルダー12に固定している。
【0006】
前記第2支持部材41は合成樹脂製の略円筒形で、略中央付近には内側に突出した環状の突起47が形成されており、該突起47の一方には、前記第1支持部材31の雄セレーション部33と嵌合する雌セレーション部46が刻設され、他方にはホース10先端に接続された金具11を収容する環状の収容部45が形成されている。該収容部45の外周面には、吐水ヘッド17に形成された雌ねじ部19と螺合する雄ねじ部42が形成されており、雄ねじ部42の端部には環状の溝43が形成され、該溝43にはOリング等のシール部材44が装着されている。
【0007】
前記吐水ヘッド17は、第2支持部材41の雌セレーション部46をホルダー12に固定された第1支持部材31の雄セレーション部33に嵌合させることで、ホルダー12に着脱自在に支持されている。
【0008】
上記のものにおいては、吐水ヘッドをホルダーに支持した状態で、ボタンを操作したり、吐水ヘッドに外力が加わると、吐水ヘッドをホルダーに支持している各支持部材にも外力が伝達するが、合成樹脂製の各支持部材は変形してしまい、吐水ヘッドとホルダーの間に隙間が生じてがたつきが発生したり、通常では図5のように破線の位置にある吐水ヘッドが、実線で示す位置に支持角度が変わってしまう恐れがあった。
【0009】
そこで、各支持部材を寸法精度の高い金属製とすれば、磨耗,変形がなく、嵌合時のがたつきを防止することができるが、第1支持部材の雄セレーション部は、吐水ヘッドをホルダーから引き出すと外部に露出するので、使用者が誤って雄セレーション部の鋭い歯に触れた場合に、怪我をする恐れがあるという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、吐水ヘッドをホースと共にホルダーに引き出し自在に支持する吐水ヘッドの支持装置において、吐水ヘッドのがたつきの防止と安全性の向上を図ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は請求項1では、ホースが挿通される開口部に、合成樹脂製でセレーション部が刻設された第1支持部材が固定されるホルダーと、前記ホースが接続される開口部に、合成樹脂製でセレーション部が刻設された第2支持部材が固定される吐水ヘッドとからなり、前記セレーション部の一方はホルダー又は吐水ヘッドから露出させ、両セレーション部の嵌合で吐水ヘッドをホルダーに着脱自在に支持する吐水ヘッドの支持装置において、前記ホルダーの第1支持部材に金属製の第1ガイド部材を結合し、前記吐水ヘッドの第2支持部材に金属製の第2ガイド部材を結合し、両セレーション部の嵌合と、両ガイド部材の嵌合により、吐水ヘッドをホルダーに着脱自在に支持するものである。
【0012】
請求項2では、前記ガイド部材の何れか一方に、弾性体を装着したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。本発明は従来例と比較して支持装置を変更したものであるので、従来例に示した構成と同一の構成については同一の符号を用い、詳細な説明を省略する。
【0014】
図1に示すように、本体2に中空状のホルダー12が装着された水栓1は、洗面台又は流し台等のカウンターAに取り付けられ、ホルダー12先端及び吐水ヘッド17基端には、吐水ヘッド17をホルダー12に着脱自在に支持するための支持装置Cが取り付けられている。該支持装置Cは、第1ガイド部材51と第1支持部材61と第2ガイド部材71と第2支持部材81とより構成されており、本実施例では、ホルダー12先端の開口部13には、第1ガイド部材51と第1支持部材61とが、吐水ヘッド17基端の開口部18には、第2ガイド部材71と第2支持部材81とがそれぞれ固定されている。
【0015】
前記第1ガイド部材51は金属製の略円筒形で、図2及び図3に示すように小径部53と大径部55とが鍔部52を挟んで両側に形成され、ホルダー12先端の開口部13に挿入される。この場合、鍔部52はホルダー12先端の開口部13に形成された段部15に、大径部55の端部はホルダー12の内部に突出して形成された凸部14にそれぞれ当接しており、小径部53はホルダー12より突出した状態となる。該小径部53の先端には、一部を切り欠いた凹部54が形成されている。また、大径部55の鍔部52近傍には、第1ガイド部材51をホルダー12先端の開口部13に挿入した状態で、固定用のねじ22が螺着されるねじ孔56が形成されている。大径部55基端の内周には、ホース10の摺動性を良くし、ホース10に付着した水滴がホルダー12内部に入らないようにするためのスリーブ58が設けられている。該スリーブ58と前記ねじ孔56の間には、水滴を外部へ排出するための水抜き孔57が形成されている。
【0016】
前記第1支持部材61は、外径が第1ガイド部材51の内径と略同径で、かつホース10が容易に摺動可能な内径を有する合成樹脂製の略円筒形で、中央付近に前記第1ガイド部材51の小径部53の外径と同径の鍔部62が、外周側に突出して形成されている。該鍔部62の一方の外周面には雄セレーション部65が刻設され、他方には外側に僅かに突出した略線状のリブ64(本実施例では8個)を有する筒部66が形成されている。また、鍔部62には筒部66側に突出した凸部63が形成されており、該凸部63を前記第1ガイド部材51の凹部54に嵌合させることで、第1支持部材61を第1ガイド部材51に挿入する際の方向を常に一定にするものである。また、筒部66には第1支持部材61を第1ガイド部材51に挿入した際に、第1ガイド部材51のねじ孔56と同一軸線上になる位置にねじ孔67が形成されている。
【0017】
前記第2ガイド部材71は、外径が吐水ヘッド17基端の開口部18の内径と略同径で、内径が前記第1ガイド部材51の小径部53の外径と略同径の金属製の円筒形で、一端には第2支持部材81に螺着するための雌ねじ部72が形成されている。また、内周の略中央部には環状の溝73が形成されており、該溝73にはゴム等の弾性体74が装着されている。
【0018】
前記第2支持部材81は第2ガイド部材71よりやや小径の合成樹脂製の略円筒形で、内周の中央付近には内側に突出した環状の突起82が形成されており、一方の内周面には第1支持部材61の雄セレーション部65と嵌合する雌セレーション部83が刻設され、他方にはホース10先端に接続された金具11を収容する収容部84が形成されている。該雌セレーション部83の外周には、前記第2ガイド部材71の雌ねじ部72に螺着して結合させるための第1雄ねじ部85、及び第2ガイド部材71の先端と当接する鍔部86が外側に突出して形成されている。また、収容部84の外周には、吐水ヘッド17の開口部18に形成された雌ねじ部19と螺合する第2雄ねじ部87が形成されている。鍔部86と第2雄ねじ部87の間には環状の溝88が形成されており、該溝88にはOリング等のシール部材89が装着されている。
【0019】
前記支持装置Cをホルダー12及び吐水ヘッド17に固定するには、第1ガイド部材51をホルダー12先端の開口部13に挿入すると、第1ガイド部材51の鍔部52はホルダー12先端に形成された段部15に、また、大径部55の端部はホルダー12内に形成された凸部14にそれぞれ当接し、小径部53はホルダー12先端より突出した状態となる。
【0020】
次に、第1支持部材61の凸部63が第1ガイド部材51の凹部54に嵌合するようにして、第1支持部材61の鍔部62が第1ガイド部材51の小径部53の先端に当接するまで挿入する。この時、第1支持部材61の雄セレーション部65はホルダー12から露出する。また、ホルダー12,第1支持部材61,第1ガイド部材51に形成されている各ねじ孔16,67,56は同一軸線上となり、外部からねじ22を螺着することで、第1ガイド部材51と第1支持部材61とが結合され、ホルダー12に固定することができる。
【0021】
次に、ホース10先端に接続された金具11を第2支持部材81の収容部84に収容して、ホース10を第2ガイド部材71に挿通しておく。そして、該第2支持部材81の第2雄ねじ部87を、吐水ヘッド17の開口部18に形成された雌ねじ部19に螺着した後、第2ガイド部材71の雌ねじ部72を第2支持部材81の第1雄ねじ部85に螺着することで、第2ガイド部材71,第2支持部材81を吐水ヘッド17に固定する。そして、ホース10を第1ガイド部材51、第1支持部材61が接続されたホルダー12に挿入し、供給管9とホース10を接続することで、吐水ヘッド17と水栓1とが接続される。
【0022】
吐水ヘッド17をホルダー12に支持するには、まず、ホルダー12から露出している第1支持部材61の雄セレーション部65と、吐水ヘッド17に接続している第2支持部材81の雌セレーション部83とを嵌合することで位置決めがなされる。
【0023】
さらに吐水ヘッド17を挿入していくと、第2ガイド部材71の内周面が第1ガイド部材51の小径部53に嵌合する。この両ガイド部材71,51は寸法精度の良い金属製なのでほとんど隙間のない状態で嵌合されており、吐水ヘッド17はがたつくことなくホルダー12に支持される。また、第2ガイド部材71に装着している弾性体74が第1ガイド部材51を押圧することで、吐水ヘッド17ががたつくことなくホルダー12に支持される。なお、本実施例では吐水ヘッドを支持するホルダーは水栓に装着されていたが、水栓とは別体に形成されていても良い。
【0024】
以上のように、吐水ヘッドをホルダーに支持する際には、合成樹脂製の両セレーション部だけでなく、金属製のガイド部材も嵌合されるので、吐水ヘッドはがたつくことなく、ホルダーに安定した状態で支持される。
【0025】
【発明の効果】
本発明は請求項1では、吐水ヘッドのホルダーへの支持を、合成樹脂製の支持部材によるセレーション部での嵌合と、金属製のガイド部材の嵌合により行なうので、吐水ヘッドはがたつくことなく安定した状態でホルダーに支持することができるうえ、吐水ヘッドの引き出し時に外部に露出するセレーション部は、合成樹脂製であるので、セレーション部の歯に手が触れて傷がつくようなことがなく、安心して使用することができる。
【0026】
請求項2では、前記ガイド部材の何れか一方に、弾性体を装着したので、弾性体が装着されているガイド部材が、他方のガイド部材を押圧することで、吐水ヘッドががたつくことなくホルダーに支持されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の支持装置を用いた水栓の説明図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】支持装置の分解斜視図である。
【図4】従来技術を示す参考図である。
【図5】図4の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
10 ホース
12 ホルダー
13 開口部
17 吐水ヘッド
18 開口部
51 第1ガイド部材
61 第1支持部材
65 雄セレーション部
71 第2ガイド部材
73 溝
74 弾性体
81 第2支持部材
83 雌セレーション部
C 支持装置

Claims (2)

  1. ホースが挿通される開口部に、合成樹脂製でセレーション部が刻設された第1支持部材が固定されるホルダーと、前記ホースが接続される開口部に、合成樹脂製でセレーション部が刻設された第2支持部材が固定される吐水ヘッドとからなり、前記セレーション部の一方はホルダー又は吐水ヘッドから露出させ、両セレーション部の嵌合で吐水ヘッドをホルダーに着脱自在に支持する吐水ヘッドの支持装置において、前記ホルダーの第1支持部材に金属製の第1ガイド部材を結合し、前記吐水ヘッドの第2支持部材に金属製の第2ガイド部材を結合し、両セレーション部の嵌合と、両ガイド部材の嵌合により、吐水ヘッドをホルダーに着脱自在に支持することを特徴とする吐水ヘッドの支持装置。
  2. 前記ガイド部材の何れか一方に、弾性体を装着したことを特徴とする請求項1記載の吐水ヘッドの支持装置。
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