JP3984829B2 - 折り畳みコンテナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、底部を囲むように配設された側壁が、底部に重なるように折り畳むことが可能な折り畳みコンテナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、平面形状が、ほぼ長方形の底部の相対する長辺部に形成された土手部に、ヒンジ部を介して、長側壁を連結し、また、底部の相対する短辺部に形成された土手部に、同じくヒンジ部を介して、短側壁を連結した折り畳みコンテナーが知られている。そして、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを折り畳むには、先ず最初に、相対する長側壁を、底部に重なるように倒し、次いで、相対する短側壁を、底部に重ねられた長側壁の上に、重なるように倒すことにより、折り畳むことができるように構成されている。
【0003】
そして、箱型に組み立てられた状態から、折り畳みコンテナーを折り畳む際に、後から倒される短側壁がヒンジ連結されている、底部の相対する短辺部に形成されている土手部は、最初に倒される長側壁がヒンジ連結されている、底部の相対する長辺部に形成されている土手部より、その高さが高く形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの高さをより低くして、折り畳まれた折り畳みコンテナーの回収効率を向上するために、底部の高さがより低く形成されている。折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの高さを、より低くすることにより、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの高さが高い場合に比べて、折り畳まれた折り畳みコンテナーを、多数、段積みすることができ、従って、トラック等の運送手段により、より多数の折り畳まれた折り畳みコンテナーを回収することができるとともに、倉庫等における収容効率も向上することになる。
【0005】
しかしながら、底部の高さがより低くなると、会社名や収納物品の種類や行き先等の種々の情報が記載或いは記憶されているシールやラベルやバーコードやメモリー等の識別部材を取着するための底部の外側面のスペースが小さくなるという問題があった。
【0006】
特に、上述したように、最初に倒される長側壁がヒンジ連結されている底部の長辺部側の土手部は、短辺部側の土手部に比べて、その高さがより低いので、底部の長辺部側の土手部に設けられた識別部材を取着するためのスペースが非常に狭く、従って、識別部材の取着作業が困難であったり、或いは、底部の長辺部側の土手部には、識別部材の取着スペースを設けることができないという問題があった。識別部材が、底部の長辺部側の土手部に取着されていないと、作業者は、折り畳みコンテナーを回転させたり、或いは、作業者が移動して、底部の短辺部側の土手部に取着されてる識別部材を確認しなければならないことになる。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来の折り畳みコンテナーが有する課題を解決することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、底部と底部の高さの低い土手部にヒンジ連結された相対する側壁と底部の高さの高い土手部にヒンジ連結された相対する側壁とを有し、箱型に組み立てられた状態から、先ず最初に、底部の高さの低い土手部にヒンジ連結された相対する側壁を、底部に重なるように倒し、次いで、底部の高さの高い土手部にヒンジ連結された相対する側壁を、先に倒された前記底部の高さの低い土手部にヒンジ連結された相対する側壁の上に重ねることにより、折り畳むことが可能な折り畳みコンテナーにおいて、第1には、前記底部の高さの低い土手部の中央領域に、底部の角部に形成された支持ブロックのほぼ上面まで延在する、識別部材を取着するための板状部材を形成するとともに、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた際に、前記識別部材を取着するための板状部材が、前記底部の高さの低い土手部にヒンジ連結された側壁の外壁面に形成されている下部フランジに干渉しないように、前記識別部材を取着するための板状部材と相対するように配置される前記下部フランジの前記底部の高さの低い土手部にヒンジ連結された側壁の外壁面からの高さを、前記底部の高さの低い土手部にヒンジ連結された側壁の外壁面に形成されている横リブや縦リブより、低く形成したものであり、第2には、折り畳まれた状態において、底部の高さの低い土手部の中央領域に形成された板状部材が、底部の高さの高い土手部にヒンジ連結された相対する側壁間に形成される間隙に挿入されるように構成したものである。
【0009】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0010】
1は、平面形状が、ほぼ長方形状の底部であり、底部1の相対する長辺部に形成された土手部(以下、長辺側土手部という。)1aには、公知の適当なヒンジ部材を介して、長側壁2がヒンジ連結されている。また、底部1の相対する短辺部に形成された土手部(以下、短辺側土手部という。)1bには、同様に公知の適当なヒンジ部材を介して、短側壁3がヒンジ連結されている。そして、長側壁2がヒンジ連結されている短辺側土手部1aの高さは、短側壁3がヒンジ連結されている短辺側土手部1bの高さより低く構成されている。
【0011】
図1に示されているように、箱型に組み立てられた状態から、先ず最初に、図2に示されているように、底部1の相対する長辺側土手部1aにヒンジ連結された長側壁2を、底部1に重なるように倒す。次いで、底部1の相対する短辺側土手部1bにヒンジ連結された短側壁3を、底部1方向に倒して、底部1に重ねられている長側壁2の上に重ねることにより、図3に示されているように、折り畳むことができるように構成されている。
【0012】
底部1の大きさが同じ場合には、長側壁2及び短側壁3の高さを高くすることにより、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内容積を、より大きくすることができるが、折り畳まれた状態の高さを、低く抑えるためには、底部1に重ねられた長側壁2同士が重ならないようにすることが必要である。本実施例では、図2に示されているように、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内容積を、より大きくするとともに、折り畳まれた状態の高さを、低く抑えるために、底部1に重ねられた状態の一対の長側壁2の上部フランジ2a同士が、実質的に当接或いは近接するように構成されている。また、折り畳まれた状態の高さを、低く抑えるために、長側壁2及び短側壁3の厚さは、可能な限り薄く形成されているとともに、底部1に重ねられた状態の長側壁2が、底部1の長辺側土手部1aの高さを越えないように構成されている。また、底部1に重ねられた長側壁2の上に重ねられる短側壁3の上部フランジ3aの間には、所定の間隙D1が形成されている。
【0013】
1cは、底部1の4つの角部に形成された、平面形状が、ほぼL状の支持ブロックであり、支持ブロック1cの内側には、段部1c1が形成されている。また、底部1の裏面には、底部1の長辺側土手部1aの下端1a1及び短辺側土手部1bの下端1b1を越えて、下方に延在する嵌合部1dが形成されている。本実施例においては、嵌合部1dは、額縁状の周壁1d1と、額縁状の周壁1d1内に形成され縦横に走る交差リブ1d2とにより構成されている。また、本実施例においては、嵌合部1dの中央部には、短辺側土手部1bに沿った溝部1eが形成されており、溝部1eにより、嵌合部1dが、2つの副嵌合部1d’、1d’に分割されている。本発明の折り畳みコンテナーの底部1のほぼ半分の大きさの底部を有する折り畳みコンテナーを、2個、並設し、その上に、本発明の折り畳みコンテナーを載置した際には、上に位置する本発明の折り畳みコンテナーの底部1に形成されている2つの副嵌合部1d’、1d’が、下に位置する折り畳みコンテナーの開口部に挿入されるとともに、下に位置する並設された折り畳みコンテナーの当接する側壁に形成された上部フランジが、上記の溝部1eに挿入されるように構成されている。
【0014】
折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーを段積みした際には、上に位置する折り畳みコンテナーの底部1に形成された嵌合部1dが、下に位置する折り畳みコンテナーの底部1の角部に形成された支持ブロック1cの段部1c1に載置或いは段部1c1に近接して配置され、上に位置する折り畳みコンテナーの底部1の長辺側土手部1aの下端1a1及び短辺側土手部1bの下端1b1が、支持ブロック1cの上面1c2に載置されるように構成されている。
【0015】
底部1の短辺側土手部1bの高さは、長辺側土手部1aに比べて高く形成されているので、短辺側土手部1bの外側壁には、シールやラベルやバーコードやメモリー等の識別部材が取着できるスペースS1が形成可能である。本実施例においては、識別部材の取着スペースS1は、短辺側土手部1bの外側壁を凹ますことにより形成された凹部s1として構成されている。識別部材の取着スペースS1を凹部s1に形成し、取着スペースS1の平坦な奥部s1’に、識別部材を貼着等して取着することにより、折り畳みコンテナー同士が接触したり、或いは、折り畳みコンテナーが他の物体に接触した際に、識別部材が損傷するようなことがないように構成されている。
【0016】
底部1の長辺側土手部1aの中央領域には、上述した底部1の4つの角部に形成された支持ブロック1cのほぼ上面1c2まで延在する、支持ブロック1cの上面1c2とほぼ同じ高さを有する板状部材4が配設されており、この板状部材4に、識別部材を取着できるように構成されている。従って、高さが低く、従来、識別部材が取着困難であった、長辺側土手部1aにも、識別部材を取着することができる。
【0017】
また、板状部材4は、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの短側壁3の上部フランジ3aの間に形成される間隙D1に挿入されるような横幅を有している。このように構成することにより、板状部材4と後から倒される短側壁3との干渉を防止することができる。更に、識別部材の取着スペースは、広いことが好ましいので、板状部材4の最大横幅は、上記の間隙D1と実質的に同じ横幅に形成することが好ましい。更にまた、板状部材4には、上述した短辺側土手部1bの外側壁に形成されている取着スペースS1と同様に、識別部材が取着される取着スペースS2としての凹部s2が形成されていることが好ましい。
【0018】
板状部材4は、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの短側壁3の上部フランジ3aの間に形成される間隙D1に挿入されるように構成されているので、短側壁3の折り畳み作業の際に、短側壁3が、板状部材4に当接するようなことはない。
【0019】
上述したように、底部1の高さの低い長側壁土手部1aの中央領域に、底部1の4つの角部に形成された支持ブロック1cの上面1c2まで延在するとともに、ほぼ水平に倒された一対の短側壁3間に形成される間隙D1に挿入可能な板状部材4を配設したので、従来、識別部材が取着困難であった高さの低い長辺側土手部1aにも、識別部材を取着することができる。
【0020】
また、底部1の高さの低い長辺側土手部1aの中央領域に、板状部材4を配設したので、短辺側土手部1bに比べて高さが低く、且つ、短辺側土手部1bより長いために、強度や剛性が落ちる、長側壁土手部1aの強度や剛性を増加することができる。
【0021】
更に、本実施例のように、底部1の裏面に配設された嵌合部1dの中央部に、短辺側土手部1bに沿った溝部1eが形成されている場合には、短辺側土手部1bに比べて高さが低く、且つ、短辺側土手部1bより長いた長辺側土手部1aの強度や剛性が落ちることになるが、長辺側土手部1aの中央領域に、板状部材4を配設したので、溝部1eを配設したことによる底部1の強度や剛性の低下を抑制することができる。
【0022】
なお、折り畳みコンテナーを箱型に組みたてた際に、長辺側土手部1aの中央領域に形成された板状部材4が、略垂直に立てられた長側壁2と干渉する場合には、長側壁2の板状部材4と干渉する部分には、板状部材4が、挿入可能な切り欠き凹部等の逃げを設ける。本実施例においては、折り畳みコンテナーを箱型に組みたてた際には、長側壁土手部1aの中央領域に形成された板状部材4が、略垂直に立てられた長側壁2の下部フランジ2bに干渉するので、下部フランジ2bは、長側壁2の外壁面に形成されている横リブ2cや縦リブ2dより、その高さ(長側壁2の外壁面からの高さ)が、低く形成されている。
【0023】
なお、上述した折り畳みコンテナーを構成する底部1、長側壁2及び短側壁3は、それぞれ、射出成形等により、合成樹脂で一体に成形されている。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0025】
底部の高さの低い土手部の中央領域に、識別部材を取着するための板状部材を形成したので、底部を形成する高さの高い土手部と高さの低い土手部の両方に、識別部材を取着することができる。
【0026】
識別部材を取着するための板状部材を、底部の角部に形成された支持ブロックとほぼ同じ高さに形成したので、板状部材の識別部材を取着するスペースを大きくすることができる。
【0027】
識別部材を取着するための板状部材が、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの後から倒される側壁間に形成される間隙に挿入されるように構成したので、板状部材と後から倒される側壁との干渉を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた状態の斜視図である。
【図2】図2は本発明の折り畳みコンテナーの折り畳み途中の斜視図である。
【図3】図3は本発明の折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態の斜視図である。
【図4】図4は本発明の折り畳みコンテナーを構成する底部の裏面方向から見た斜視図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・・・・・底部
1a・・・・・・・・・・・・・・長辺側土手部
1b・・・・・・・・・・・・・・短辺側土手部
2・・・・・・・・・・・・・・・長側壁
3・・・・・・・・・・・・・・・短側壁
4・・・・・・・・・・・・・・・板状部材
S1、S2・・・・・・・・・・・取着スペース
Claims (2)
- 底部と底部の高さの低い土手部にヒンジ連結された相対する側壁と底部の高さの高い土手部にヒンジ連結された相対する側壁とを有し、箱型に組み立てられた状態から、先ず最初に、底部の高さの低い土手部にヒンジ連結された相対する側壁を、底部に重なるように倒し、次いで、底部の高さの高い土手部にヒンジ連結された相対する側壁を、先に倒された前記底部の高さの低い土手部にヒンジ連結された相対する側壁の上に重ねることにより、折り畳むことが可能な折り畳みコンテナーにおいて、前記底部の高さの低い土手部の中央領域には、底部の角部に形成された支持ブロックのほぼ上面まで延在する、識別部材を取着するための板状部材が形成されているとともに、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた際に、前記識別部材を取着するための板状部材が、前記底部の高さの低い土手部にヒンジ連結された側壁の外壁面に形成されている下部フランジに干渉しないように、前記識別部材を取着するための板状部材と相対するように配置される前記下部フランジの前記底部の高さの低い土手部にヒンジ連結された側壁の外壁面からの高さが、前記底部の高さの低い土手部にヒンジ連結された側壁の外壁面に形成されている横リブや縦リブより、低く形成されていることを特徴とする折り畳みコンテナー。
- 折り畳まれた状態においては、底部の高さの低い土手部の中央領域に形成された板状部材が、底部の高さの高い土手部にヒンジ連結された相対する側壁間に形成される間隙に挿入されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳みコンテナー。
Priority Applications (1)
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2001
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