JP3982898B2 - ガス栓 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハンドルを開の位置から左又は右方向に回転して栓を開閉する機構と、このハンドルを90°回転して栓を閉止した状態において、ハンドルをロックすることにより、悪戯、或いは物が当たったりして不用意にハンドルが回転して栓が開放されたりしないようにするロック機構を有するガス栓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガスメータの入側のところに取り付けられる元栓と称されるガス栓の場合、通常屋外において露出して取り付けられているケースが多い。又、この元栓は、長期間ガスが使用されないときは、ハンドルを封印するようになっている。
【0003】
このロック機構としては、実公昭60−11337号及び同61−23989号公報に掲載されているようなコイルスプリング31、ロック部材27、小径ネジ23、大径ネジ20をハンドル12の把手15の下の根元の部分に組み込んで、ハンドル12の回転を規制し、ロックを行うようにした構造のものが公知である。
【0004】
又、図6に示すように、ガス栓本体50の栓組込口51を上段半径縁52と下段半径縁53に形成すると共に、この上・下段半径縁52、53の境界部分にロック溝54を形成し、ハンドル55側の把手56の基部下面に形成したロックねじ組込孔57内に小径部61付のロックねじ60及び閉塞ねじ62を組み込み、ロックねじ60の位置調整によりハンドル55をロックしたり、開閉自在としたものが公知である。図6において、63は栓、64は栓用コイルスプリング、65は防水パッキンである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報記載のロック機構においては、ロック部材27にロック解除溝29を加工したり、小径ネジ23、大径ネジ20に夫々ネジ切りを行ったりする必要があり、部品の加工に手数とコストがかかる。又、部品の点数も4点となり、この組み立てに手間がかかることから、これを3点以下に減少させても同一の機能を発揮するロック機構の提案が要望されている。
【0006】
又、図6に示す従来例においては、ロック部品の点数が少なくなった代わりに、下段半径縁53の外径を旋盤で加工するときに、上段半径縁52の外径面に、下段半径縁53の外径と同一径の切削溝67が形成され、コスト高の要因となっている。
【0007】
本発明は斯る点に鑑みて提案されるものであって、機械加工の手数と部品点数を極力減少させることによって、従来と同一の性能を示しながらコストの低減を図ることができるロック機構付のガス栓を提供することが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明においては、ガス栓本体の栓組込口の上縁に180°の範囲において上段半径縁と下段半径縁を形成すると共に、この上段半径縁と下段半径縁との境界にロック溝を形成し、前記上段半径縁の外径を下段半径縁の外径より小さくしたこと、ハンドル側の把手の下面であって、基部のところに水平方向にストッパーねじ組込孔を形成すると共に、このストッパーねじ組込孔の奥に封印用ねじ孔を切設したこと、先端に小径部を形成し、中間の大径部に封印用ねじ孔に螺合する封印用ねじを切設すると共に、この封印用ねじの直径を前記ロック溝の幅より大きく設定し、頭部端面に回転工具係合溝を形成してなるストッパーねじを設けたこと、
前記封印用ねじの端面が前記上段半径縁の外周面に突き当たるまで前記封印用ねじを前記封印用ねじ孔に螺合させたとき、前記栓組込口の径方向において前記上段半径縁の外端縁と前記下段半径縁の外端縁との間に位置する前記封印用ねじの下部が前記ロック溝に入り込むことにより、前記ハンドルの左右いずれかの方向への回転も阻止するようにしたこと、前記ストッパーねじ組込孔内にストッパーねじを挿入したときに、このストッパーねじが脱落するのを防止するためにストッパーねじ組込孔の入口に嵌合するためのストッパーリングを設けたことを特徴とするものである。
【0009】
上記ガス栓のロック機構において、ストッパーねじの端面に設ける回転工具係合溝は、−又は+或いは四角、6角孔その他の形状を含み、任意である。
【0010】
ガス栓は、ガス栓本体内に栓組込口から栓を組み込み、この上に栓用コイルスプリング及び防水パッキンを介在させてからハンドルの下面に形成した扇状係合鍔を栓組込口内に形成した同形状の切り欠きに合わせ、ハンドルを押し込んだまま90°又は180°回転し、係合鍔を回転鍔の下に位置させることにより、ハンドルが外れるのを防止する。
【0011】
次に、ハンドルを開又は閉栓の状態にしたまま、ストッパーねじ組込孔内にストッパーねじを組み込むと共に、ストッパーねじ組込孔の入口にストッパーリングを嵌合させておくことにより、ストッパーねじが脱落するのを防止する。
この状態のとき、ストッパーねじの先端の小径部は下段半径縁上に位置し、逃れていて、ハンドルは開方向又は閉方向に回転することができる。
【0012】
ハンドルは、開の状態で上記ストッパーねじの組み込みを行ったときは、そのままストッパーねじの小径部が上段半径縁(ロック溝)の端面に当たるまで回転して栓を閉止の状態にできる。
【0013】
次に、長期間ガスの使用を中止するためにガス栓を封印ロックする場合には、上記全閉の状態において、ストッパーねじを回転工具を用いて、封印用ねじ孔にストッパーねじの封印用大径ねじ部分が上段半径縁の外端縁に当って止まるまでねじ込む。このようにすると、ストッパーねじの封印用大径ねじ部分の下半がロック溝内に収まり、ハンドルは左右何れの方向にも回転することができなくなり、封印ロックされる。
【0014】
再使用に際しては、回転工具でストッパーねじを回転して後退させ、ねじ込みを解放すると、再びストッパーねじの封印用大径ねじ部分がロック溝の外に外れるので、ハンドルは自由に左又は右方向に回転し、栓を開放することができるようになる。
【0015】
【実施例】
請求項1に記載の発明について、図1〜図5に基づいて、その実施例と組み立て手順及びその作用を詳述する。
1はガス栓本体であって、このガス栓本体1は、内部を貫通するガス通路2を形成し、このガス通路2に対して直角方向から栓を組み込むための栓組込口3を形成すると共に、この栓組込口3の上縁を半円形状に二分割して一方を上段半径縁4となし、他方を下段半径縁5となし、更に、前記上段半径縁4と下段半径縁5の境界部分にロック溝6、6aを形成した構成である。1aはガス栓本体1に形成したパッキン溝である。4aは上段半径縁4の外径面であって、この外径面4aの半径は前記下段半径縁5の上縁から上の部分が外径面5aより小さく形成されている。
【0016】
7は栓組込口3内に形成したハンドル回転鍔8に形成した扇形の切り欠きである。
9は栓であって、この栓9は上面にハンドルとの係合突起10を二股状に突出させ、前記栓組込口3内に上方から組み込まれてガス通路2を開閉するものである。
【0017】
11は栓用コイルスプリング、12は防水パッキン、13はハンドルであって、このハンドル13は、下面に前記ガス栓本体1側のハンドル回転鍔8の切り欠き7と同一形状の係合鍔14を形成すると共に、栓9の係合突起10が係合する溝15を形成し、更に、半径方向に把手16を形成し、この把手16の下面であって、根元の部分に水平方向にストッパーねじ組込孔17を形成した構成である。なお、このストッパーねじ組込孔17の奥には、図2に示すように、封印用ねじ孔18が切設してある。
【0018】
20はストッパーねじであって、このストッパーねじ20は、先端の小径部21に前記ストッパーねじ組込孔17内の封印用ねじ孔18に螺合する封印用大径ねじ22を切設し、頭部23の端面に回転溝孔24を形成した構成である。
25はストッパーリングであって、前記ストッパーねじ組込孔17の入口の部分に嵌合してストッパーねじ20の脱落を防止する。
【0019】
上記実施例のガス栓は、ガス栓本体1内に栓組込口3から栓9を組み込み、この上に栓用コイルスプリング11及び防水パッキン12を介在させてからハンドル13の下面に形成した扇状の係合鍔14を栓組込口3内に形成した同形状の切り欠き7に合わせ、ハンドル13を押し込んだまま90°又は180°回転し、係合鍔14をハンドル回転鍔8の下に位置させることにより、ハンドル13が外れるのを防止する。
【0020】
次に、ハンドル13を開又は閉栓の状態にしたまま、ストッパーねじ組込孔17内にストッパーねじ20を組み込み、この外にストッパーリング25を嵌合する。
この状態において、ストッパーねじ20の小径部21は下段半径縁5上に位置し、封印用大径ねじ22は下段半径縁5の外に位置しているため、ハンドル13は自由に開方向又は閉方向に回転することができる(図2、図5(イ))。
【0021】
次に、閉栓を行う場合には、ハンドル13を開の位置から90°左又は右方向に回転すると、ストッパーねじ20の小径部21がロック溝6又は6aの側面(上段半径縁4の端面)4bに当って止められ、栓9は全閉となる(図5(イ))。
【0022】
次に、長期間ガスの使用を中止するためにガス栓を封印ロックする場合には、上記全閉の状態において、ストッパーねじ20を回転工具を用いて回転して、封印用大径ねじ22が上段半径縁4の外端縁に当たって止まるまで封印用ねじ孔18内にねじ込む。このようにすると、封印用大径ねじ22の下半がロック溝6又は6a内に収まり、ハンドル13は左右何れの方向にも回転することができなくなり、封印ロックされる(図3、図5(ロ))。
【0023】
なお、封印時に、ストッパーねじ20が止まる位置は、上記のように、封印用大径ねじ22が上段半径縁4の外端縁に当たるのではなく、小径部21の先端が封印用ねじ孔18の奥に当たって止まる位置としてもよい。
【0024】
再使用に際しては、回転工具でストッパーねじ20を回転して封印用大径ねじ22を後退させ、ロック溝6又は6aから外すと、ハンドル13は自由に左又は右方向に回転し、栓9を開放することができるようになる(図5(イ))。
なお、ストッパーねじ20の封印用大径ねじ22を小径に形成し、封印用ねじ孔18をストッパーねじ組込孔17の奥に形成しても、上記封印を行うことが可能である。
【0025】
【発明の効果】
本発明は以上のように、ロック機構において、ストッパーねじとストッパーリングの2点としたことにより、従来の4点部品に比較してコストの低減が可能であると共に、組み立ても簡単になる。
又、本発明においては、ストッパーねじには先端に小径部を形成し、あとは大径ねじ部を形成するだけのため、フライス加工の必要がなくなり、よって、ストッパーねじの加工が簡単になり、この点でもコストダウンを図ることができる。又、本発明によると、ガス栓本体の外径の溝入れ加工がなくなり、この点でもコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガス栓の分解斜視図。
【図2】部品を組み立てた状態のガス栓の断面図。
【図3】閉栓ロック時のストッパーねじの位置を示す説明図。
【図4】閉栓ロック時のストッパーねじの位置を示す説明図。
【図5】(イ)は通常閉栓時のストッパーねじの位置の説明図、(ロ)は閉栓ロック時のストッパーねじの位置の説明図。
【図6】従来のガス栓及びこのロック機構の説明図。
【符号の説明】
1 ガス栓本体
4 上段半径縁
5 下段半径縁
6、6a ロック溝
9 栓
13 ハンドル
17 ストッパーねじ組込孔
20 ストッパーねじ
21 小径部
22 封印用大径ねじ
25 ストッパーリング
Claims (1)
- ガス栓本体の栓組込口の上縁に180°の範囲において上段半径縁と下段半径縁を形成すると共に、この上段半径縁と下段半径縁との境界にロック溝を形成し、前記上段半径縁の外径を下段半径縁の外径より小さくしたこと、
ハンドル側の把手の下面であって、基部のところに水平方向にストッパーねじ組込孔を形成すると共に、このストッパーねじ組込孔の奥に封印用ねじ孔を切設したこと、
先端に小径部を形成し、中間の大径部に封印用ねじ孔に螺合する封印用ねじを切設すると共に、この封印用ねじの直径を前記ロック溝の幅より大きく設定し、頭部端面に回転工具係合溝を形成してなるストッパーねじを設けたこと、
前記封印用ねじの端面が前記上段半径縁の外周面に突き当たるまで前記封印用ねじを前記封印用ねじ孔に螺合させたとき、前記栓組込口の径方向において前記上段半径縁の外端縁と前記下段半径縁の外端縁との間に位置する前記封印用ねじの下部が前記ロック溝に入り込むことにより、前記ハンドルの左右いずれかの方向への回転も阻止するようにしたこと、
前記ストッパーねじ組込孔内にストッパーねじを挿入したときに、このストッパーねじが脱落するのを防止するためにストッパーねじ組込孔の入口に嵌合するためのストッパーリングを設けたこと、を特徴とするガス栓。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP07762698A JP3982898B2 (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | ガス栓 |
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JP07762698A JP3982898B2 (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | ガス栓 |
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JPH11270741A JPH11270741A (ja) | 1999-10-05 |
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JP07762698A Expired - Lifetime JP3982898B2 (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | ガス栓 |
Country Status (1)
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1998
- 1998-03-25 JP JP07762698A patent/JP3982898B2/ja not_active Expired - Lifetime
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