JP6860911B2 - ガス栓のロック構造 - Google Patents
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Description
しかしながら、鍔部を設ける構成とすると、ロックネジ(51)の螺合度合いが緩んでネジ孔(50)から下方へ進出し、ロックネジ(51)の突出端が鍔部の上面に当接した場合、ロックネジ(51)の突出端と鍔部の上面との間に摩擦力が生じるため、操作つまみ(5)を回動させる際の操作力が大きくなり、回動させ難くなったり、場合によっては、回動操作できなくなるといった問題が生じる。
前記筒状部に相対回動可能に嵌合して前記ガス流路を開閉操作する操作つまみと、
ガス栓の閉状態にて、前記操作つまみを回動阻止状態にロックするロックネジを有するロック機構部を備えたガス栓のロック構造』において、ガス栓の開状態又は操作つまみによる開閉操作の途中にて、前記ロック機構部のロックネジが、操作つまみの回動阻止手段として機能しないようにすることを課題とする。
操作つまみとガス栓本体の筒状部との嵌合部の外側にて前記操作つまみ又はガス栓本体のどちらか一方に設けられ且つ、操作つまみの回動軸に沿った方向に貫通すると共にロックネジが収容されるロックネジ収容孔部と、
前記操作つまみ又はガス栓本体のどちらか他方に設けられ且つ、ガス栓の閉状態にて前記ロックネジ収容孔部に対向する係合凹部とからなり、
前記ロックネジ収容孔部は、一方に開放し且つロックネジを抜け止め状態に保持する抜け止め筒部と、ロックネジを非螺合状態で収容するロックネジ収容筒部と、他方に開放する雌ネジ筒部とが連続する構成とし、
前記ロックネジは、工具係合部を有する頭部と、ガス栓の閉状態でのみ前記雌ネジ筒部に螺合可能な雄ネジ部と、前記雄ネジ部の雌ネジ筒部への螺合に伴って雌ネジ筒部から突出すると共に前記係合凹部に係合可能な軸部とが連続する構成とし、
ガス栓の開状態又は操作つまみによる開閉操作の途中にて、前記雌ネジ筒部の開放端が対応する範囲に、前記係合凹部の開放端縁と同じ高さの面を有する環状鍔部が設けられている』ことである。
ロック機構部は、操作つまみの回動軸に沿ってロックネジが収容可能なロックネジ収容孔部と、ロックネジの軸部が係合可能な係合凹部とからなり、操作つまみとガス栓本体の筒状部との嵌合部の外側に設けられている。ガス栓の閉状態でのみ、ロックネジ収容孔部の雌ネジ筒部の開放端が係合凹部に対向すると共に、ロックネジの雄ネジ部の雌ネジ筒部への螺合が開始可能となっている。そこで、ガス栓の閉状態にて、ロックネジ収容孔部の抜け止め筒部側から差し入れた工具をロックネジの頭部の工具係合部に係合させて締め付け方向に回動させると、雄ネジ部は雌ネジ筒部に螺合し、螺合に伴って雌ネジ筒部から突出するロックネジの軸部の先端が係合凹部に係合する。これにより、操作つまみの回動は、ロックネジによって阻止され、ガス流路は閉状態に保持される。
ガス栓の開状態又は操作つまみによる開閉操作の途中における前記軸部の先端は、環状鍔部で保持されるから、ロックネジのロックネジ収容孔部からの脱落を防止することが出来る。また、このとき、ロックネジの雄ネジ部は雌ネジ筒部に対して非螺合状態であるから、雌ネジ筒部から突出する軸部の先端が環状鍔部に当接しても、両者は軽く接触し合うだけであり、両者間に大きな摩擦力が生じることはない。
ガス栓の開状態又は操作つまみによる開閉操作の途中では、ロックネジは、ロックネジ収容筒部内に収容された状態で、付勢手段によって、抜け止め筒部側に付勢されているから、ロックネジはロックネジ収容孔部内に確実に収容された状態に保持され、不用意に脱落することはない。また、この付勢状態では、ロックネジの軸部は、ロックネジ収容孔部から突出しないから、環状鍔部に軸部の先端が接触することはない。すなわち、操作つまみの回動操作の際に、その抵抗となるものは皆無となり、操作つまみの回動操作を一層円滑に行うことが出来る。また、付勢手段によって、ロックネジは付勢された状態にあるから、ロックネジが環状鍔部側に移動することがない。よって、操作つまみとガス栓本体の向きに影響されることなく、ロックネジの雄ネジ部と雌ネジ筒部とを非螺合状態に保持することが出来る。
ガス流路を再度開状態とする際には、前記工具により、ロックネジを緩める方向に回動させて、雄ネジ部の雌ネジ筒部への螺合を解除すれば、ロックネジは、付勢手段の付勢力によって抜け止め部側へ移動させられると同時に、軸部は係合凹部から脱出する。
ロックネジの最終締付状態にて、それ以上の締め付けを阻止する締付阻止手段を、ロックネジ収容筒部内とロックネジとに設ける構成としたから、ロックネジの軸部の先端が係合凹部の底部に当接する前に、ロックネジの締め付けは締付阻止手段で阻止される。これにより、ロックネジの軸部の先端が係合凹部の底部に当接した後もなお締め続けられることにより、操作つまみがガス栓本体から浮き上がるといった問題は生じない。よって、操作つまみとガス栓本体の筒状部との間の嵌合部に設けられている防水パッキンの押圧が偏る不都合がなく、防水性能が劣化することがない。
ロックネジ収容孔部に収容されているロックネジを締め付ける方向又は緩める方向に回動させるには、ロックネジ収容孔部の抜け止め筒部側から差し込み可能な工具が必要であるから、専門業者以外の者は、ロックネジを螺合操作することは出来ない。よって、いたずら等により、ガス栓が閉状態にロックされた状態から不用意にロック状態が解除されて操作つまみが回動させられる不都合はない。
上記したように、ガス栓の閉状態にて、操作つまみのロック状態がいたずら等により不用意に解除されたり、ガス栓の開状態にて、操作つまみが不用意にロックされたりすることがないから、安全性が高く、また、使い勝手の良いガス栓のロック構造を提供することが出来る。
この実施の形態は、本発明のガス栓を、所謂、メータガス栓として実施したものである。図1及び図2に示すように、ガス栓本体(3)の、図面における下方にガス入口筒部(3a)が開放し、側方にガス出口部(3b)が開放するように形成されているもので、両者を繋ぐ略L字状のガス通路に設けられたせん収容部(38)には、同様な略L字状のガス通過孔(33)を有する略円錐台形のせん(39)が収容されている。なお、せん収容部(38)の上方には、筒状部(32)が上方に開放するように連設されており、この筒状部(32)に、せん(39)を回動操作するための操作つまみ(2)が、相対回動自在で且つ抜け止め状態に取り付けられる。
操作つまみ(2)の頂面には、その直径に沿って、つまみ部(29)が設けられており、つまみ部(29)の向きで、ガス栓の開閉を確認することが出来る。具体的には、ガス栓の閉状態においては、図2のように、つまみ部(29)はガス出口部(3b)の方向に対して直角に位置しており、ガス栓の開状態においては、つまみ部(29)の一端が、ガス出口部(3b)の方向に向く構成となっている。
ロック機構部(100)は、操作つまみ(2)の環状凹溝(28)よりも外側に位置するつまみ部(29)の一端に設けられており、上下に貫通するロックネジ収容孔部(20)と、これに収容されるロックネジ(1)と、ガス栓本体(3)の筒状部(32)の上端から外方に張り出させた環状鍔部(31)と、環状鍔部(31)に設けられ且つロックネジ(1)の下端が挿入可能な係合凹部(30)とからなる。
ロックネジ収容孔部(20)は、つまみ部(29)の上方に開放し且つロックネジ(1)を抜け止め状態に保持するC字状リング(13)が嵌め込まれる抜け止め筒部(21)と、抜け止め筒部(21)の下方に連続し且つロックネジ(1)の頭部(10)より大径な大径筒部(22a)と大径筒部(22a)の下方に段部(24)を介して連続し且つ頭部(10)より小径な小径筒部(22b)とからなるロックネジ収容筒部(22)と、小径筒部(22b)の下方に段部(25)を介して連続すると共に小径筒部(22b)より小径で且つ軸部(12)が挿通可能な下方開放の雌ネジ筒部(23)とから形成されている。
なお、このとき、軸部(12)の先端は、雌ネジ筒部(23)からつまみ部(29)の下面へ突出する長さに設定されている。
このとき、ロックネジ収容孔部(20)の下方に係合凹部(30)が対応しない場合、軸部(12)の先端は、図5に示すように、環状鍔部(31)の上面のネジ受け面(31a)に当接すると共に持ち上げられ、ロックネジ(1)はロックネジ収容孔部(20)内にて自由状態で収容される態様となる。
ロックネジ(1)の収容状態では、軸部(12)の先端は環状鍔部(31)のネジ受け面(31a)に軽く接触しているだけであるから、両者間に大きな摩擦力が生じることない。よって、開状態にある操作つまみ(2)が摩擦力等で回動し難くなったり、回動不能となったりする不都合はない。
雄ネジ部(11)の雌ネジ筒部(23)への螺合が進むにつれて、ロックネジ(1)は下方へ移動していき、図3に示すように、頭部(10)の下面が大径筒部(22a)と小径筒部(22b)との間の段部(24)に当接した時点で、それ以上の移動は阻止される。すなわち、頭部(10)の下面と段部(24)が、ロックネジ(1)のそれ以上の締め付けを阻止する締付阻止手段として機能し、頭部(10)の下面が段部(24)に当接した時点で、ロックネジ(1)は最終締付位置に達し、操作つまみ(2)は、係合凹部(30)に差し込まれたロックネジ(1)によって回動阻止状態にロックされた状態に保持される。
ロック機構部(100)は、第1番目の実施の形態と同様に、操作つまみ(2)のつまみ部(29)の一端に、ロックネジ(1)を収容させるロックネジ収容孔部(20)が上下に貫通するように設けられると共に、ガス栓本体(3)の筒状部(32)の上端から環状鍔部(31)を周方向略全域に張り出させ、ガス栓の閉状態にて、ロックネジ収容孔部(20)の下方開放端が対向する環状鍔部(31)の所定個所に、ロックネジ(1)の軸部(12)が係合可能な係合凹部(30)が貫通形成された構成となっているが、この第2番目の実施の形態では、ロックネジ収容孔部(20)内に、ロックネジ(1)をC字状リング(13)側に付勢させるコイルバネ(15)を介在させている。
この実施の形態では、雄ネジ部(11)と雌ネジ筒部(23)との螺合が解除されると同時に、コイルバネ(15)の付勢力によって、ロックネジ(1)の軸部(12)を係合凹部(30)から脱出させることが出来るから、操作つまみ(2)を確実に非ロック状態に戻すことが出来る。
また、ロックネジ収容孔部(20)をガス栓本体(3)側に設け、環状鍔部(31)及び係合凹部(30)を操作つまみ(2)側に設ける構成としても良い。
(1) ・・・・・・・・・ロックネジ
(10)・・・・・・・・・頭部
(10a) ・・・・・・・・工具係合部
(11)・・・・・・・・・雄ネジ部
(12)・・・・・・・・・軸部
(13)・・・・・・・・・C字状リング
(2) ・・・・・・・・・操作つまみ
(20)・・・・・・・・・ロックネジ収容孔部
(21)・・・・・・・・・抜け止め筒部
(22)・・・・・・・・・ロックネジ収容筒部
(23)・・・・・・・・・雌ネジ筒部
(3) ・・・・・・・・・ガス栓本体
(30)・・・・・・・・・係合凹部
(31)・・・・・・・・・環状鍔部
(31a) ・・・・・・・・ネジ受け面
(32)・・・・・・・・・筒状部
Claims (3)
- ガス流路が貫通し且つ開放端側に筒状部が連設されているガス栓本体と、
前記筒状部に相対回動可能に嵌合して前記ガス流路を開閉操作する操作つまみと、
ガス栓の閉状態にて、前記操作つまみを回動阻止状態にロックするロックネジを有するロック機構部を備えたガス栓のロック構造において、
ロック機構部は、
操作つまみとガス栓本体の筒状部との嵌合部の外側にて前記操作つまみ又はガス栓本体のどちらか一方に設けられ且つ、操作つまみの回動軸に沿った方向に貫通すると共にロックネジが収容されるロックネジ収容孔部と、
前記操作つまみ又はガス栓本体のどちらか他方に設けられ且つ、ガス栓の閉状態にて前記ロックネジ収容孔部に対向する係合凹部とからなり、
前記ロックネジ収容孔部は、一方に開放し且つロックネジを抜け止め状態に保持する抜け止め筒部と、ロックネジを非螺合状態で収容するロックネジ収容筒部と、他方に開放する雌ネジ筒部とが連続する構成とし、
前記ロックネジは、工具係合部を有する頭部と、ガス栓の閉状態でのみ前記雌ネジ筒部に螺合可能な雄ネジ部と、前記雄ネジ部の雌ネジ筒部への螺合に伴って雌ネジ筒部から突出すると共に前記係合凹部に係合可能な軸部とが連続する構成とし、
ガス栓の開状態又は操作つまみによる開閉操作の途中にて、前記雌ネジ筒部の開放端が対応する範囲に、前記係合凹部の開放端縁と同じ高さの面を有する環状鍔部が設けられているガス栓のロック構造。 - 請求項1に記載のガス栓のロック構造において、
前記ロックネジ収容筒部内に、前記ロックネジを前記抜け止め筒部側に付勢する付勢手段が設けられているガス栓のロック構造。
- 請求項1又は請求項2に記載のガス栓のロック構造において、
前記ロックネジ収容孔部の雌ネジ筒部に対するロックネジの雄ネジ部の最終締付位置を超えた締め付けを阻止する締付阻止手段は、前記ロックネジ収容筒部内とロックネジとに設けられているガス栓のロック構造。
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