JP3982788B2 - 半導体層の形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体層の形成方法に関し、さらに詳細には、各種の材料からなる基板上などに、例えば、GaN(窒化ガリウム)などの薄膜や厚膜などのエピタキシャル半導体層を形成する際に用いて好適な半導体層の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、青色波長域〜紫外波長域のような短波長域における発光素子材料として、III−V族窒化物半導体であるGaNが注目されており、GaN系薄膜を材料とした青色発光ダイオード(LED)が実現されるとともに、GaN系薄膜を材料とした青色レーザーの研究が進められている。
【0003】
なお、GaN系薄膜としては、GaNのみならず、例えば、AlGaNやInGaNなどが知られている。
【0004】
こうしたGaN系薄膜を材料とした青色LEDの発光の効率を向上させたり、GaN系薄膜を材料とした青色レーザーを実現するためには、GaN系薄膜中に存在する、例えば、ミスフィット転位やミスフィット転位によって生じる貫通転位のような転位あるいは粒界などの構造欠陥を制御することが重要であると考えられている。
【0005】
ところで、基板として広く使用されるサファイア(Al)や炭化シリコン(SiC)上に形成されたGaN薄膜やAlGaN薄膜における欠陥密度(単位面積当たりの構造欠陥の数)は、Al基板上やSiC基板上に形成され実用化されている他のIII−V族半導体(GaAs、InPなど)薄膜における欠陥密度と比較すると、極めて高い値を示している。
【0006】
このようなGaN系薄膜の欠陥密度の高さは、Al基板やSiC基板とGaN系薄膜の間の格子定数差に起因するものであり、基板材料としてGaN基板が存在しない現状においては、GaN系薄膜の欠陥密度の高さは避け難い問題として指摘されていた。
【0007】
また一方、Al基板やSiC基板はGaN系薄膜に対して濡れ性が悪い。
【0008】
従来、Al基板の濡れ性の悪さを改善するためには、薄膜構造を模式的に示した図1に示すように、Al基板100上に、バッファー層として600℃で低温成長させたGaNまたはAlNのアモルファス層102を形成するようになされていた。そして、このGaNまたはAlNのアモルファス層102上に、1080℃で結晶成長させたGaN薄膜(またはAlGaN薄膜)104を形成していた。
【0009】
また、SiC基板の濡れ性の悪さを改善するためには、薄膜構造を模式的に示した図2に示すように、SiC基板100上に、バッファー層として1140℃で成長させたAlN薄膜202を形成するようになされていた。そして、AlN薄膜202上に、1080℃で結晶成長させたGaN薄膜(またはAlGaN薄膜)204を形成していた。
【0010】
こうしたGaNまたはAlNのアモルファス層102を下地にしたGaN薄膜(またはAlGaN薄膜)104は、下地のアモルファス層102がその後の成長温度1080℃への昇温過程で結晶化された高密度微小結晶を核として成長し融合する。
【0011】
また、AlN薄膜202を下地にしたGaN薄膜(またはAlGaN薄膜)204は、下地のAlN薄膜202がアモルファスではなく粒界の細かい結晶の集合体による微小核が高密度で密集しているものであり、その高密度微小結晶を核として成長し融合する。
【0012】
上記した図1に示す薄膜構造において、厚さ1nm以上のGaNのアモルファス層102上に1.5μmの厚さのGaN薄膜104を形成した場合や、上記した図2に示す薄膜構造において、厚さ1nm以上のAlN薄膜202上に1.5μmの厚さのGaN薄膜204を形成した場合には、上記高密度微小結晶核の密度に応じた結晶粒界が生じ構造欠陥である貫通転位が粒界部に発生する。転位密度は10cm−2〜1010cm−2と高密度であり、さらに、転位密度を大幅に低減することが強く望まれていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記したような要望に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、各種の材料からなる基板上などにGaNなどの薄膜や厚膜の半導体層を形成する場合において、煩雑な工程を必要とすることなしに、当該半導体層中の構造欠陥の欠陥密度、特に、貫通転位の転位密度を大幅に低減させることができるようにした半導体層の形成方法を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、基板上に半導体層を形成する半導体層の形成方法において、SiC基板上にGaN結晶よりなる三次元核を10cm−2以下の低密度の核密度でエピタキシャル成長させる第1のステップと、上記SiC基板上にエピタキシャル成長された上記三次元核を上記三次元核の横方向へ主に成長するモードである横方向成長モードで結晶成長させ、上記三次元核を融合してGaN結晶よりなる半導体層を上記SiC基板上に形成する第2のステップとを有し、上記第1のステップと上記第2のステップとを有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metalorganic Chemical Vapor Deposition)法により行うようにしたものである。
【0015】
従って、本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、図3に示すように、第1のステップにより、基板10上に半導体物質結晶よりなる三次元核12が低密度の核密度で生成される。
【0016】
ここで、三次元核12には、図4(a)に示すように、それぞれ貫通転位が存在している。
【0017】
そして、第2のステップにより、図4(b)に示すように、基板10上に生成された三次元核12が横方向成長モードで結晶成長されて、三次元核同士が融合されることになり、半導体物質結晶よりなる半導体層14が基板10上に形成されることになるものである。
【0018】
換言すると、基板10上に形成された半導体層14においては、三次元核12の周囲を埋めるようにして半導体物質結晶が横方向成長モードで結晶成長して、三次元核12同士が横方向成長モードで結晶成長する半導体物質結晶により融合されるので、観念的には図4(c)において破線で示すように三次元核12は存在しているが、その存在を視認することはできない。
【0019】
このように、本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、横方向成長モードにより転位の伝播方向が基板10の表面に平行した横方向になり、このため半導体層14の表面まで達する貫通転位を著しく減少することができる。
【0020】
ここで、横方向成長モードとは、図5に示すように、基板10に形成された三次元核12の高さ方向(図5における矢印A方向)へ主に成長する通常モードとは異なり、基板10に形成された三次元核12の横方向(図5における矢印B方向ならびに矢印C方向)へ主に成長するモードである。
【0021】
この横方向成長モードとするには、例えば、通常モードよりも成長温度を1℃乃至200℃ほど上昇させ、更に、III族原料であるTMGの供給量を抑え、かつV族原料であるNHの供給量を上昇させればよい。
【0022】
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、本発明のうち請求項1に記載の発明において、上記第1のステップは、上記SiC基板の温度が800℃乃至1300℃において上記三次元結晶核を成長させるようにしたものである。
【0023】
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、本発明のうち請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の発明において、上記第2のステップは、上記三次元核を横方向に成長させて上記三次元核同士を融合してGaN結晶よりなる半導体層を形成するようにしたものである。
【0024】
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、本発明のうち請求項1、請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の発明において、上記第2のステップは、上記第1のステップにおける成長よりも横方向成長レートが速い横方向成長モードにおいて、上記三次元核を横方向に成長させて上記三次元核同士を融合してGaN結晶よりなる半導体層を形成するようにしたものである。
【0027】
また、本発明のうち請求項に記載の発明は、基板上に半導体層を形成する半導体層の形成方法において、SiC基板上に材料ガスとしてTMGとNHとを供給して、上記SiC基板上にGaN結晶よりなる三次元核を10cm−2以下の低密度の核密度で生成する第1のステップと、上記三次元核が生成された上記SiC基板上に材料ガスとしてTMGとNHとを供給して、上記SiC基板上に生成された上記三次元核を上記三次元核の横方向へ主に成長するモードである横方向成長モードで結晶成長させ、上記三次元核を融合してGaN結晶よりなる半導体層を上記SiC基板上に形成する第2のステップとを有するようにしたものである。
【0028】
また、本発明のうち請求項に記載の発明は、本発明のうち請求項に記載の発明において、上記第1のステップでは上記SiC基板を1080℃に加熱し、上記第2のステップでは上記SiC基板を1120℃に加熱するようにしたものである。
【0029】
また、本発明のうち請求項に記載の発明は、基板上に半導体層を形成する半導体層の形成方法において、有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metalorganic Chemical Vapor Deposition)法を用い、76torr(0.1気圧)に減圧した結晶成長反応炉内において、SiC基板を1080℃に加熱し、材料ガスとしてTMGとNHとを用い、TMGのキャリアガスとしてHを用い、上層フローとしてNを用い、TMGの流量を10sccmとし、NHの流量を2slmとし、Hの流量を2slmとし、Nの流量を0.5slmとして、上記SiC基板上に10秒以上同時供給し、上記SiC基板上にGaN結晶よりなる三次元核を10cm−2以下の低密度の核密度で生成する第1のステップと、上記三次元核が生成された上記SiC基板を1120℃に加熱し、材料ガスとしてTMGとNHとを用い、TMGのキャリアガスとしてHを用い、上層フローとしてNを用い、TMGの流量を5sccmとし、NHの流量を4slmとし、Hの流量を2slmとし、Nの流量を0.5slmとして、上記SiC基板上に10分以上同時供給し、上記SiC基板上に生成された上記三次元核を上記三次元核の横方向へ主に成長するモードである横方向成長モードで結晶成長させ、上記三次元核を融合してGaN結晶よりなる半導体層を上記SiC基板上に形成する第2のステップとを有するようにしたものである。
【0030】
そして、本発明のうち請求項10に記載の発明のように、本発明のうち請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8または請求項9のいずれか1項に記載の発明において、上記第1のステップを、上記基板上に上記三次元核を10cm−2以下の低密度の核密度で生成するものとすることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による半導体層の形成方法の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0032】
なお、この本発明による半導体層の形成方法の実施の形態の一例においては、SiC基板上に半導体層としてGaN結晶薄膜を形成する場合について説明する。
【0033】
ここで、SiC基板上に半導体層としてGaN結晶薄膜を形成するには、横型の減圧(76Torr)した有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metalorganic Chemical Vapor Deposition)装置を用いることとするが、これに限られるものではないことは勿論であり、後述するように、MOCVD以外の分子線エピタキシ法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)などの薄膜製造技術を用いてもよい。
【0034】
図6には、MOCVD装置の概念構成説明図が示されている。なお、図4(a)(b)(c)においては、「基板」の符号を「10」とし、三次元核の符号を「12」とし、「半導体層」の符号を「14」としているが、図6においても、図4と同一あるいは相当する構成には、図4において用いた符号と同一の符号を付して示すものとする。
【0035】
このMOCVD装置300は、RF加熱コイル302により周囲を覆われた結晶成長反応炉304内には、表面にGaN結晶薄膜を成長させる基板としてのSiC基板306を上面に配置するとともに当該SiC基板306を加熱するためのサセプター308が配設されている。
【0036】
また、RF加熱コイル302にはRF電源310が接続されており、さらに、RF電源310にはマイクロコンピューターにより構成されたRF制御装置312が接続されている。
【0037】
そして、RF制御装置312によって、RF電源310はその出力を制御される。即ち、RF制御装置312によりRF電源310からRF加熱コイル302への給電が制御されるものであり、RF加熱コイル302はRF電源310からの給電に応じてサセプター308を加熱することになる。
【0038】
即ち、この結晶成長装置300においては、RF電源310からRF加熱コイル302への給電による渦電流誘起加熱により、サセプター308が加熱されるものである。
【0039】
なお、サセプター308は、例えば、カーボンなどにより形成されているものである。
【0040】
一方、結晶成長反応炉304には、SiC基板306上に形成するGaNの原料となる材料ガスやキャリアガスなどの各種のガスを導入するためのガス導入孔304aと、結晶成長反応炉304内に導入された各種のガスを排出するためのガス排出孔304bとが形成されている。
【0041】
ここで、GaN結晶薄膜を形成するために必要とされる材料ガスは、トリメチルガリウム(TMG)およびアンモニア(NH)である。また、TMGのキャリアガスは水素(H)であり、上層フローガスとしては窒素(N)である。
【0042】
以上の構成において、まず、結晶成長反応炉304内の圧力を76torr(0.1気圧)に減圧する。
【0043】
そして、サセプター308に配置されたSiC基板10上にGaNの結晶薄膜を形成するためには、キャリアガスとともにGaNの結晶薄膜を形成するために必要な原料となる材料ガスを、ガス導入孔304aから76Torr(0.1気圧)に減圧された結晶成長反応炉304内へ供給する。
【0044】
この際に、サセプター308内に埋め込まれた熱電対(図示せず)のモニターに基づいて、RF制御装置312により制御されたRF電源310からの給電に応じてRF加熱コイル302によってサセプター308が加熱されており、加熱されたサセプター308からの熱伝導によって、SiC基板306も所定の温度に加熱されることになるものである。
【0045】
より詳細には、図7に示すように、第1ステップとして、SiC基板306を1080℃に加熱し、TMGの流量を10sccmとし、NHの流量を2slmとし、Hの流量を2slmとし、Nの流量を0.5slmとして、SiC基板10上に10秒以上同時供給し、SiC基板10上にGaN結晶よりなる三次元核12を低密度の核密度で生成させる(図3および図4(a)参照)。
【0046】
なお、この際には、SiC基板10上に三次元核12を10cm−2以下の低密度の核密度で生成させることが好ましい。
【0047】
図8(a)(b)には、GaN結晶よりなる三次元核12が生成されたSiC基板10の電子顕微鏡写真が示されている。
【0048】
なお、図8(a)(b)に示す電子顕微鏡写真において、色の薄い白色状の部位が三次元核12である。
【0049】
次に、三次元核12が生成されたSiC基板10を1120℃に加熱し、TMGの流量を5sccmとし、NHの流量を4slmとし、Hの流量を2slmとし、Nの流量を0.5slmとして、SiC基板10上に10分以上同時供給し、SiC基板10上に生成された三次元核12を横方向成長モードで結晶成長させ、三次元核12を融合してGaN結晶よりなる半導体層14をSiC基板10上に形成させる(図4(b)(c)および図5参照)。
【0050】
ここで、図9(a)は、従来方法でSiC基板上に形成された半導体層の平面の透過電子顕微鏡写真である。像中の黒い微小な点がそれぞれ貫通転位に対応しており、その密度は非常に高い。
【0051】
一方、図9(b)は、上記のようにしてSiC基板10上に形成された半導体層14の平面の透過電子顕微鏡写真である。
【0052】
図9(b)に示されているように、SiC基板10上に形成された半導体層14の貫通転位の数が従来よりも著しく減少している。
【0053】
図10は、上記のようにしてSiC基板10上に形成された半導体層14の断面の透過電子顕微鏡写真である。
【0054】
このように、従来よりも貫通転位の数が著しく減少するのは、横方向成長モードにより転位の伝播方向がSiC基板10の表面に平行した横方向になり、このため半導体層14の表面まで達する貫通転位を著しく減少することができるものである。
【0055】
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(3)に説明するように変形することができ
る。
【0056】
(1) 上記した実施の形態においては、薄膜製造方法としてMOCVDを用いるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、MOCVD以外の薄膜製造技術、例えば、図12(a)に示すような、MBE(Molecular Beam Epitaxy)、CBE(Chemical BeamEpitaxy)、HVPE(Halide Vapor Phase Epitaxy)、GSMBE(Gas−source Molecular Beam Epitaxy)、MOMBE(Metalorganic MBE)、LPE(Liquid Phase Epitaxy)、CVD(Chemical Vapor Deposition)、スパッタリングまたは真空蒸着法などの各種の薄膜製造技術を用いるようにしてもよい。
【0057】
(2) 上記した実施の形態においては、基板としてSiC基板を用いるとともに、半導体層を形成するとして半導体物質GaNを用いたが、これに限られることなしに、基板としてはAl、Si、GaAs、GaPまたはInPを用い、半導体物質としてはAlGaN、AlN、InN、InGaNまたはInAlGaNを用いてもよい。
【0058】
(3)上記した実施の形態ならびに上記(1)乃至(2)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
【0059】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、各種の材料からなる基板上などにGaNなどの薄膜や厚膜の半導体層を形成する場合において、煩雑な工程を必要とすることなしに、当該半導体層中の構造欠陥の欠陥密度、特に、貫通転位の転位密度を大幅に低減させることができるようになるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のAl基板上にGaNまたはAlNのアモルファス層を介して形成されたGaN薄膜またはAlGaN薄膜の薄膜構造を模式的に示す説明図である。
【図2】従来のSiC基板上にAlN薄膜を介して形成されたGaN薄膜またはAlGaN薄膜の薄膜構造を模式的に示す説明図である。
【図3】基板上に半導体物質結晶よりなる三次元核が低密度の核密度で生成された状態を示す概念図である。
【図4】基板上に生成された半導体物質結晶よりなる三次元核と横方向成長モードと転位との関係を示す概念図であり、(a)は基板上に生成された三次元核を示し、(b)は横方向成長モードにおける半導体層の形成を示し、(c)は横方向成長モードに形成された半導体層を示す。
【図5】結晶成長のモードとしての通常モードと横方向成長モードとを示す説明図である。
【図6】MOCVD装置の概念構成説明図である。
【図7】結晶の成長時間と基板の温度と材料ガスの供給との関係を示す説明図である。
【図8】(a)(b)は、GaN結晶よりなる三次元核が生成されたSiC基板の電子顕微鏡写真である。
【図9】SiC基板上に形成された半導体層の平面の電子顕微鏡写真であり、(a)は従来の方法によって形成されたGaN薄膜のものであり、(b)は本手法によって形成されたGaN薄膜のものである。
【図10】SiC基板上に形成された半導体層の断面の電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
10 基板(SiC基板)
12 三次元核
14 半導体

Claims (7)

  1. 基板上に半導体層を形成する半導体層の形成方法において、
    SiC基板上にGaN結晶よりなる三次元核を10cm−2以下の低密度の核密度でエピタキシャル成長させる第1のステップと、
    前記SiC基板上にエピタキシャル成長された前記三次元核を前記三次元核の横方向へ主に成長するモードである横方向成長モードで結晶成長させ、前記三次元核を融合してGaN結晶よりなる半導体層を前記SiC基板上に形成する第2のステップと
    を有し、
    前記第1のステップと前記第2のステップとを有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metalorganic Chemical Vapor Deposition)法により行う
    ものである半導体層の形成方法。
  2. 請求項1に記載の半導体層の形成方法において、
    前記第1のステップは、前記SiC基板の温度が800℃乃至1300℃において前記三次元結晶核を成長させる
    ものである半導体層の形成方法。
  3. 請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の半導体層の形成方法において、
    前記第2のステップは、前記三次元核を横方向に成長させて前記三次元核同士を融合してGaN結晶よりなる半導体層を形成する
    ものである半導体層の形成方法。
  4. 請求項1、請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の半導体層の形成方法において、
    前記第2のステップは、前記第1のステップにおける成長よりも横方向成長レートが速い横方向成長モードにおいて、前記三次元核を横方向に成長させて前記三次元核同士を融合してGaN結晶よりなる半導体層を形成する
    ものである半導体層の形成方法。
  5. 基板上に半導体層を形成する半導体層の形成方法において、
    SiC基板上に材料ガスとしてTMGとNHとを供給して、前記SiC基板上にGaN結晶よりなる三次元核を10cm−2以下の低密度の核密度で生成する第1のステップと、
    前記三次元核が生成された前記SiC基板上に材料ガスとしてTMGとNHとを供給して、前記SiC基板上に生成された前記三次元核を前記三次元核の横方向へ主に成長するモードである横方向成長モードで結晶成長させ、前記三次元核を融合してGaN結晶よりなる半導体層を前記SiC基板上に形成する第2のステップと
    を有する半導体層の形成方法。
  6. 請求項に記載の半導体層の形成方法において、
    前記第1のステップでは前記SiC基板を1080℃に加熱し、
    前記第2のステップでは前記SiC基板を1120℃に加熱する
    ものである半導体層の形成方法。
  7. 基板上に半導体層を形成する半導体層の形成方法において、
    有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metalorganic Chemical Vapor Deposition)法を用い、76torr(0.1気圧)に減圧した結晶成長反応炉内において、
    SiC基板を1080℃に加熱し、材料ガスとしてTMGとNHとを用い、TMGのキャリアガスとしてHを用い、上層フローとしてNを用い、TMGの流量を10sccmとし、NHの流量を2slmとし、Hの流量を2slmとし、Nの流量を0.5slmとして、前記SiC基板上に10秒以上同時供給し、前記SiC基板上にGaN結晶よりなる三次元核を10cm−2以下の低密度の核密度で生成する第1のステップと、
    前記三次元核が生成された前記SiC基板を1120℃に加熱し、材料ガスとしてTMGとNHとを用い、TMGのキャリアガスとしてHを用い、上層フローとしてNを用い、TMGの流量を5sccmとし、NHの流量を4slmとし、Hの流量を2slmとし、Nの流量を0.5slmとして、前記SiC基板上に10分以上同時供給し、前記SiC基板上に生成された前記三次元核を前記三次元核の横方向へ主に成長するモードである横方向成長モードで結晶成長させ、前記三次元核を融合してGaN結晶よりなる半導体層を前記SiC基板上に形成する第2のステップと
    を有する半導体層の形成方法。
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