JP3981653B2 - 移動体通信端末 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも一つのキーをそれぞれ有する第1のキー操作部と第2のキー操作部とを互いに異なる位置に備えた携帯電話機等の移動体通信端末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の移動体通信端末として、プラットフォームに依存しないオブジェクト指向のプログラミング言語で記述されたアプリケーションプログラムを実行可能な携帯電話機が知られている(例えば特許文献1参照)。例えば、JAVA(登録商標)仮想マシン機能を実装し、JAVA(登録商標)で記述されたアプリケーションプログラムを実行できるようにした携帯電話機が知られている。このような携帯電話機では、移動体通信ネットワーク上のサーバから利用者が所望のアプリケーションプログラムをダウンロードして携帯電話機内に登録しておく。そして、この登録されているアプリケーションプログラムを利用者が起動することにより、携帯電話機のディスプレイ上に3次元動画からなる待ち受け画面を表示させたり、携帯電話機上でゲームや占いを行ったり、音楽を再生したりすることができる。このようなアプリケーションプログラムの実行中に、利用者は携帯電話機のキーを操作することにより、ゲームの進行内容を指示したり、再生する音楽の曲目を選択したりすることができる。通常操作用のキーを有する本体部とその本体部を覆う蓋部とを有する折畳式の携帯電話機の場合は、蓋部を開いた第1の状態で本体部にある通常操作用のキーを操作する。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−347867号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のアプリケーションプログラム実行可能な折畳式の携帯電話機では、蓋部を閉じた第2の状態においてもアプリケーションプログラムの実行を継続させたい場合があった。この場合、蓋部を閉じた第2の状態で外部に露出している背面キーやサイドキー等の閉時操作用のキーを操作することになる。このようにアプリケーションプログラムの実行中において蓋部を閉じたときに閉時操作用のキーを操作できるようにするため、アプリケーションプログラムによってキー割当切換の制御を行うことが考えられる。
ところが、アプリケーションプログラムによってキー割当切換の制御を行おうとすると、そのキー割当切換のための複雑な制御を考慮してアプリケーションプログラムを開発する必要があるという問題点があった。
【0005】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものである。その目的は、第1のキー操作部のキーが操作できない第2の状態にあるときでもアプリケーションプログラムの実行中のキー操作が可能になるとともに、移動体通信端末の状態変化に伴うキー割当切り換えのための制御を考慮することなくアプリケーションプログラムの開発が可能になる移動体通信端末を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、移動体通信端末のプラットフォームに依存しないアプリケーションプログラムが実行される仮想的なアプリケーションプログラム実行環境を該プラットフォーム上に構築し、そのアプリケーションプログラム実行環境上でアプリケーションプログラムの実行を管理するアプリケーションプログラム実行手段と、少なくとも一つのキーをそれぞれ有し互いに異なる位置に配置された第1のキー操作部及び第2のキー操作部と、上記プラットフォーム側に設けられ、上記第1のキー操作部のキーが操作されたときに生じるキー操作の情報に応じて上記アプリケーションプログラムが実行されるように該キー操作の情報を上記アプリケーションプログラム実行手段に送る主制御部と、を備え、少なくとも第1のキー操作部のキーが操作可能な第1の状態と、第1のキー操作部のキーが操作できず且つ第2のキー操作部のキーが操作可能な第2の状態とをとり得る移動体通信端末であって、上記第1の状態と上記第2の状態との間の変化を検知する状態変化検知手段と、上記アプリケーションプログラム実行手段で構築された上記アプリケーションプログラム実行環境上におけるキー操作を伴うアプリケーションプログラムの実行中に、上記第1の状態から上記第2の状態への状態変化が上記状態変化検知手段で検知されたとき、上記実行中のアプリケーションプログラムで用いられるキー操作の情報を生じさせるキーを、該アプリケーションプログラムからの指令を用いずに、上記状態変化前に操作可能であった上記第1のキー操作部において該キー操作の情報を生じさせるキーから、上記状態変化後に操作可能な上記第2のキー操作部において該キー操作の情報を生じさせるキーに切り換えるキー割当切換手段とを、上記プラットフォーム側に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の移動体通信端末において、通常使用時に利用者が操作するための通常操作用のキーを有する本体部と、該本体部の通常操作用のキーを覆うための蓋部とを備え、上記第1の状態は、該本体部の通常操作用のキーを利用者が操作可能な位置に該蓋部が移動した開状態であり、上記第2の状態は、該本体部の通常操作用のキーを覆った位置に該蓋部が移動した閉状態であり、上記第1のキー操作部のキーは、該本体部に設けられた通常操作用のキーであり、上記第2のキー操作部のキーは、該蓋部が閉状態にあるときに利用者が操作可能な閉時操作用のキーであり、上記状態変化検知手段は、該蓋部の開状態と閉状態との間の変化を検知するものであることを特徴とするものである。
【0007】
請求項1の移動体通信端末において、第1のキー操作部のキーを操作可能な第1の状態にあるときは、アプリケーションプログラムの実行中に利用者が操作するキーとして、第1のキー操作部のキーが割り当てられる。この第1のキー操作部のキーを用いて、アプリケーションプログラムの実行中に必要なキー操作を行うことができる。
上記アプリケーションプログラムの実行中に、上記第1の状態から、第1のキー操作部のキーが操作できず且つ第2のキー操作部のキーが操作可能な第2の状態に変化すると、その変化を状態変化検知手段が検知する。この状態変化検知手段の検知結果に基づいて、アプリケーションプログラムの実行中に用いるキーの割当を、上記第1のキー操作部のキーから第2のキー操作部のキーへ切り換える。この第2のキー操作部のキーを用いることにより、アプリケーションプログラムの実行中に必要なキー操作を行うことができる。このように第1のキー操作部のキーが操作できないときでもアプリケーションプログラムの実行中にキー操作が可能になる。しかも、アプリケーションプログラム実行手段で実行しているアプリケーションプログラムからの指令を用いずに、上記第2の状態になったときのキー割当の切り換えを行うことができる。
【0008】
請求項2の移動体通信端末において、本体部の通常操作用のキーを操作可能な開状態に蓋部があるときは、アプリケーションプログラムの実行中に利用者が操作するキーとして、本体部の通常操作用のキーが割り当てられる。この本体部の通常操作用のキーを用いて、アプリケーションプログラムの実行中に必要なキー操作を行うことができる。
上記アプリケーションプログラムの実行中に、利用者の操作によって蓋部が上記開状態から通常操作用のキーを覆った閉状態に変化すると、その変化を状態変化検知手段が検知する。この状態変化検知手段の検知結果に基づいて、アプリケーションプログラムの実行中に用いるキーの割当を、上記通常操作用のキーから閉時操作用のキーへ切り換える。この閉時操作用のキーを用いることにより、アプリケーションプログラムの実行中に必要なキー操作を行うことができる。このように蓋部を閉じたときでもアプリケーションプログラムの実行中にキー操作が可能になる。しかも、アプリケーションプログラム実行手段で実行しているアプリケーションプログラムからの指令を用いずに、上記蓋部を閉じたときのキー割当の切り換えを行うことができる。
【0009】
なお、上記「移動体通信端末」としては、PDC(Personal Digital Cellular)方式、GSM(Global System for Mobile Communication)方式、TIA(Telecommunications Industry Association)方式等の携帯電話機、IMT(International Mobile Telecommunications)−2000で標準化された携帯電話機、PHS(Personal Handyphone Service)、自動車電話機等の電話機のうち、アプリケーションプログラム実行可能なものが挙げられる。また、この「移動体通信端末」としては、上記電話機のほか、電話機能を有しないPDA(Personal Digital Assistance)等の移動型の移動体通信端末も挙げられる。また、上記第1の状態である「開状態」には、端部のヒンジ部を中心にして蓋部又は本体部が揺動することにより本体部と蓋部の各対向面が離間して口を開いた状態のほか、本体部を覆っている蓋部と本体部の対向面が互いに接触又は近接した状態で端部の回転軸を中心にして回転することにより本体部と蓋部とがスライドして離れた状態も含まれる。このように蓋部の開状態の態様は、特定のものに限定されるものではなく、また、蓋部の開状態(第1の状態)と閉状態(第2の状態)との間の状態変化の態様についても、特定のものに限定されるものではない。
また、上記「閉時操作用のキー」は、蓋部が閉状態にあるときに利用者が操作可能な位置であれば、本体部及び蓋部のどちらに設けてもよい。
また、上記移動体通信端末における制御及び情報処理は、その移動体通信端末に設けられたコンピュータで所定のプログラムを実行することによって実現することもできる。このコンピュータで用いるプログラムの受け渡しは、デジタル情報としてプログラムを記録したFD,CD−ROM等の記録媒体を用いて行なってもいいし、コンピュータネットワーク等の通信ネットワークを用いて行なってもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を移動体通信端末としての携帯電話機に適用した実施形態について説明する。
図2は、本実施形態に係る携帯電話機20を用いる移動体通信システムの主要部を示す説明図である。この移動体通信システムにおいて、ユーザー1が使用する携帯電話機20は、プラットフォームに依存しないオブジェクト指向プログラミングによって開発されたアプリケーションプログラムを実行可能な構成を有している。このアプリケーションプログラムとしては、JAVA(登録商標)で記述されたアプリケーションプログラムなどが挙げられる。この携帯電話機20は、通信ネットワークとしての携帯電話通信網10に接続可能である。この携帯電話通信網10には、プログラム提供用サーバとしてのアプリケーションプログラムダウンロードサーバ(以下、「ダウンロードサーバ」という。)11が接続されている。また、携帯電話通信網10には、ダウンロードサーバ11のほか、図示しない情報提供サーバ、位置登録サーバ、メールサーバ等も接続されている。なお、これらサーバは単一のサーバで構成してもよい。また、これらのサーバは、互いに異なる構成を有する専用の制御装置として構成してもいいし、汎用のコンピュータシステムを用いて構成してもよい。また、各サーバは、1台のコンピュータで構成してもいいし、複数の機能をそれぞれ受け持つ複数台のコンピュータをネットワークで結んで構成してもよい。
【0011】
ダウンロードサーバ11は、携帯電話機20からのダウンロード要求を受け付けると、その要求に係るアプリケーションプログラムを携帯電話機20に対して送信する。また、Webサーバ12は、携帯電話機20からの閲覧要求を受け付けると、その要求に係る閲覧画面であるWebページ画面を携帯電話機20に対して送信する。
【0012】
ダウンロードサーバ11から提供されるアプリケーションプログラムは、アプリケーションプログラムの開発元2から提供される。具体的には、例えば、アプリケーションプログラム開発元2側のパーソナルコンピュータ等から、専用回線や公衆回線を介してダウンロードサーバ11にアップロードして提供する。なお、開発したアプリケーションプログラムを記録した光ディスクや磁気ディスク等の記録媒体を、アプリケーションプログラム開発元2からダウンロードサーバ11を管理・運営する通信事業者に送り、その記録媒体内のアプリケーションプログラムをダウンロードサーバ11で読み取るようにして、提供してもよい。このようにして提供されたアプリケーションプログラムは、携帯電話機20から携帯電話通信網10を介してダウンロード可能な状態でダウンロードサーバ11に登録される。
【0013】
上記位置登録サーバは、各携帯電話機20の位置している現在位置の情報すなわち各携帯電話機10が位置している位置登録管理エリアの位置情報を登録して管理するサーバである。この位置登録管理エリアは、各携帯電話機20と無線通信する基地局が管轄する一つのセルからなるエリアであっていいし、隣接する複数のセルを一つのグループとして管理されるエリアであってもよい。一つの位置登録管理エリアの典型的なサイズは数km〜数百mである。上記位置登録サーバに対する各携帯電話機20の位置登録は、電源ON時に、定期的に、及び携帯電話機20が位置するセルが変わるたびに行われる。
【0014】
上記情報提供サーバは、各位置登録管理エリアの基地局を介して、所定の通信チャンネルによって地域情報、該当する位置登録管理エリアの位置情報(緯度、経度、住所)、コンテンツ情報等の各種情報を配信する。このように各種情報が送信されている通信チャンネルについて、携帯電話機10が所定のタイミングで受信動作を実行することにより、その通信チャンネルで送信されている情報を取得し情報記憶手段としての内部メモリーに保存することができる。各通信チャンネルに対する受信動作は、予め初期設定で設定されているタイミングや、利用者が設定したタイミングで実行することができる。この受信動作は定期的に実行してもいいし、不定期に実行してもよい。
【0015】
上記メールサーバは、各携帯電話機20から送信されたメールのデータを次のメールサーバに転送したり、各携帯電話機20宛に送られてきたメールを受信して保存・管理し、各携帯電話機20からのメール取得要求に応じて受信メールのデータを各携帯電話機に送信したりする。
【0016】
図3(a)及び(b)は、携帯電話機20の外観図であり、図4は、その携帯電話機20のハードウェア構成を示す概略構成図である。
この携帯電話機20は、ヒンジ部20cを中心にして互いに揺動可能な本体部20aと蓋部20bとから成るクラムシェル(折り畳み)タイプの携帯電話機である。蓋部20bは、図3(a)に示すような本体部20aに設けられた第1のキー操作部の通常操作用のキー21〜27が操作可能な第1の状態(以下「開状態」という。)と、図3(b)に示すような通常操作用のキー21〜27を覆った第2の状態(以下「閉状態」という。)とをとり得るようになっている。
【0017】
携帯電話機20は、システムバス200、CPU201、RAM202やROM203等からなるデータ記憶手段、入力装置204、出力装置205、携帯電話用通信装置206、状態変化検知手段としての開閉センサ207を備えている。CPU201やRAM202等の構成要素は、システムバス200を介して、互いに各種データや後述のプログラムの命令等のやり取りを行っている。
【0018】
上記入力装置204は、データ入力キー(テンキー、*キー、#キー)21、通話開始キー22、終話キー23、スクロールキー24、多機能キー25、ソフトキー26,27、マイク28、背面キー33、34等から構成されている。ソフトキー26,27は、携帯電話機で実行されるプログラムによって操作時の機能が定義されるキーである。これらの複数のキーのうち、本体部20a側の第1のキー操作部にあるキー21〜27が通常操作用のキーであり、蓋部20b側の第2のキー操作部にあるキー33,34が閉時操作用のキーである。
上記出力装置205は、画像表示手段としての液晶ディスプレイ(LCD)からなるメインディスプレイ29及びサブディスプレイ32、スピーカ30等から構成されている。メインディスプレイ29は、蓋部20bの内面側に設けられ、サブディスプレイ32は、蓋部20bの背面側に設けられている。
【0019】
上記携帯電話用通信装置206は、携帯電話通信網10を介して他の携帯電話機や上述したサーバ11等と通信するためのものである。この携帯電話用通信装置206は、携帯電話機通信網10を介して他の携帯電話機とメールのやり取りを行ったり、携帯電話機通信網10からゲートウェイサーバを介して、インターネット等の外部の通信ネットワークに接続し、インターネット上での電子メールのやり取り等を行ったりするためのものである。更に、この携帯電話用通信装置206は、携帯電話通信網10を介して、ダウンロードサーバ11が提供するアプリケーションプログラムをダウンロードしたり、現在位置の位置情報を含む配信情報を受信したりする情報受信手段としても用いられる。
【0020】
また、上記ユーザー1が操作可能な本体部20a側のキー21〜27等で構成されている操作部を操作することにより、ユーザーは、携帯電話機20に対してURL等のデータを入力したり、電話着信の際に通話の開始及び終了を行ったり、アプリケーションプログラムの選択、起動及び停止を行ったりすることができる。また、ユーザーは操作部を操作することにより、上記ダウンロードサーバ11からアプリケーションプログラムをダウンロードして登録したり、登録したアプリケーションプログラムを選択して実行したりすることができる。また、ユーザーは操作部を操作することにより、携帯電話通信網10の情報提供サーバから受信した情報を表示することもできる。
【0021】
上記ディスプレイ27、32やスピーカ30等からなる出力装置等で構成されている出力部は、携帯電話通信網10を介して受信したWebページ画面を液晶ディスプレイ(LCD)27に表示したり、携帯電話通信網10から情報を着信した旨をユーザーに報知したりするときに用いられる。具体的には、その情報を着信すると、出力部のディスプレイ27、32に着信報知画像を表示したり、スピーカ30から着信音を出力させたりする。また、出力部は、上記ゲーム等のアプリケーションプログラムの実行中に、そのプログラム実行に関連した画像の表示や音の出力に用いたり、情報提供サーバから受信した情報を表示したりするときにも用いられる。
【0022】
上記開閉センサ207は、蓋部20bの内面側のヒンジ部20cの近くに設けられた突起30aと、本体部20aの内面側のヒンジ部20cの近くに設けられた凹部30bと、その凹部30bの内部に設けられた突起感知スイッチによって構成されている。突起感知スイッチは、蓋部20bが開いているときオン状態又はオフ状態にあり、蓋部20bが閉じられて突起30aの先端で押圧されるとオン状態からオフ状態に又はオフ状態からオン状態に切り換る。クラムシェルが閉じて蓋部20bが閉状態になると、本体部20a側の通常操作用のキー21〜27が蓋部20bで覆われて操作できない状態になる。このときメインディスプレイ27は本体部20aで覆われて外部から視認できない状態になる。そして、この状態になると、突起30aが凹部30b内に入り込み、これが上記突起感知スイッチによって検知されることでクラムシェルが閉じたこと、すなわち蓋部20bが閉状態になったことが認識される。
なお、上記蓋部の開閉を検知する状態変化検知手段としては、上記構成の開閉センサ207に限定されるものではなく、他の構成の状態変化検知手段を用いてもよい。例えば、光の反射や透過を用いたセンサ等も用いることができる。
【0023】
図5は、上記携帯電話機20の主要部を抽出して示した機能ブロック図であり、図6は、その携帯電話機20におけるソフトウェア構造の説明図である。
この携帯電話機20は、主制御部210と、アプリケーションプログラム実行手段211と、状態変化検知手段212と、通常操作用のキー214、閉時操作用のキー215とを備えている。通常操作用のキー214は、図3(a)に示した本体部20aの内面側のキー21〜27に対応し、閉時操作用のキー215は、図3(b)に示した蓋部20bの背面側の背面キー33、34に対応している。主制御部210は、通常操作用のキー214と閉時操作用のキー215との間で、アプリケーションプログラム実行中で操作するためのキー割当を切り換えるキー割当切換手段213を有している。この携帯電話機20は、CPU等からなるハードウェア上で所定のプログラムを実行することにより、アプリケーションプログラム実行手段211、状態変化検知手段212及びキー割当切換手段213の各機能を実現している。
【0024】
上記アプリケーションプログラム実行手段(アプリケーションプログラム実行管理部)211は、上述のシステムバス200、CPU201やRAM202等で構成されている。このアプリケーションプログラム実行手段211は、図6のソフトウェア構造上において中央の「プログラム実行環境」に対応しており、オブジェクト指向プログラミングで開発されたアプリケーションプログラムに利用されるクラスライブラリ、実行環境管理ライブラリ、アプリケーション管理等のソフトウェアを提供し、アプリケーションプログラムの実行環境を管理する。
ここで、アプリケーションプログラムは、クラスライブラリAPI(アプリケーションインターフェース)を介して上記プログラム実行環境内にある関数等のクラスライブラリを呼び出して使用できるようになっている。この関数等のクラスライブラリの呼び出しの履歴は、アプリケーションプログラムの仮想的な実行環境(仮想マシン:VM)が終了するまで保持される。
また、プログラム実行環境内の実行環境管理ライブラリは、電話機プラットフォームAPIを介して後述の電話機プラットフォーム内の電話機プラットフォームライブラリを呼び出して使用できるようになっている。
【0025】
上記状態変化検知手段212は、上述のシステムバス200、CPU201、開閉センサ207等で構成され、蓋部20bの開状態と閉状態との間の変化を検知する機能を有している。
【0026】
上記キー割当切換手段213は、主制御部210の一部であり、上述のシステムバス200やCPU201等で構成され、次のような機能を有している。すなわち、キー割当切換手段213は、アプリケーションプログラムの実行中に、上記状態変化検知手段212によって蓋部20bの開状態から閉状態への変化を検知したときに、アプリケーションプログラムの実行中に用いるキーの割当を、通常操作用のキー214から閉時操作用のキー215へ切り換える機能を有している。
【0027】
また、上記主制御部210は、アプリケーションプログラム実行手段211、状態変化検知手段212、通常操作用のキー214、閉時操作用のキー215等との間で制御命令や各種データのやりとりを行い、これらと協働して制御を行う。また、主制御部210は、図6のソフトウェア構造上において最下部の「電話機プラットフォーム」にあり、上記電話通信等を制御するための制御用プログラムやユーザインターフェースを実行したり、電話機プラットフォームライブラリを提供したりする。この電話機プラットフォームは、上記プログラム実行環境内の実行環境管理ライブラリに対してイベントを送ることによりアプリケーションプログラムにおける各種処理を実行したり、アプリケーション管理APIを介して上記プログラム実行環境内のアプリケーション管理のソフトウェアを呼び出して使用したりできるようになっている。
【0028】
携帯電話機20を所定の手順に従って動作させる電話機プラットフォームを構築するための制御用プログラムは、RAM202やROM203に記憶されている。また、基本OS(オペレーティングシステム)のプログラムや、上記プログラム実行環境を構築するためのプログラム及びアプリケーションプログラムも、RAM202やROM203に記憶されている。そして、これらのプログラムは、必要に応じてCPU201やRAM202中の作業エリアに呼び出されて実行される。
【0029】
上記構成の携帯電話機20において、ダウンロードサーバ11からアプリケーションプログラムをダウンロードするときは、ユーザー1は、操作部のキーを操作して、ダウンロードサーバ11にアクセスする。これにより、ダウンロード可能なアプリケーションプログラムを選択するためのダウンロード選択画面がディスプレイ27上に表示される。そして、そのダウンロード選択画面において、ユーザーが希望するアプリケーションプログラムをスクロールキー24を用いて選択し、多機能キー25を押下すると、主制御部が携帯電話通信網用通信装置206を制御して、そのアプリケーションプログラムをダウンロードサーバ11からダウンロードする。
具体的に説明すると、本実施形態において、アプリケーションプログラムは、プロパティ情報であるJADファイル(テキストデータ)とプログラム本体であるJARファイル(バイナリデータ)とからなる。JADファイルには、アプリケーション名、アプリケーションのバージョン、アプリケーションのベンダー名、JARファイルが保存されているURLデータなどの基本データのほか、当該アプリケーションプログラムが認証済みのものか、当該アプリケーションプログラムがネットワークに接続した状態で使用されるものか、当該アプリケーションプログラムが常駐型のものであるかなどの設定データが含まれている。また、このJADファイルには、当該アプリケーションプログラムに関する関連情報を公開している公式WebページのURL(配信元アドレスデータ)も含まれている。そして、上記ダウンロード選択画面においてユーザーが希望するアプリケーションプログラムが選択されると、アプリケーションプログラムのうちJADファイルだけをダウンロードする。その後、主制御部210は、そのJADファイルの中から、JARファイルが保存されているURLデータを読み出し、そのURLにアクセスし、JARファイルをダウンロードする。このようにしてダウンロードされたJADファイル及びJARファイルからなるアプリケーションプログラムは、主制御部210により、RAM102に記憶される。
【0030】
このようにしてダウンロードしたアプリケーションプログラムを実行する場合、ユーザー1は、操作部のキーを操作して、実行するアプリケーションプログラムを選択するためのアプリケーション選択画面をディスプレイ27上に表示させる。そして、そのアプリケーション選択画面において、ユーザーが希望するアプリケーションプログラムをスクロールキー24を用いて選択し、多機能キー25を押下すると、上記アプリケーションプログラム実行手段(アプリケーションプログラム管理部)211は、JARファイルを読み出してアプリケーションプログラムを起動する。このとき、必要に応じて、JADファイルの設定データを参照し、その設定データに従った処理動作を行う環境を設定する。また、アプリケーションプログラム実行中に特定の処理動作を行う際、その処理動作に関するJADファイルの設定データを参照し、そのアプリケーションプログラムに適した処理動作を行うようにする。
アプリケーションプログラムとしては、操作部の各種キーを操作してゲーム等を楽しむアプリケーションプログラムのほか、ディスプレイ29、32上に3次元動画からなる待ち受け画面を表示させたりする常駐型のアプリケーションプログラムなど、あらゆるアプリケーションプログラムが含まれる。
【0031】
次に、本発明の特徴部分である、アプリケーションプログラムの実行中に蓋部20bを閉じたときのキー割当切り換えについて説明する。
図1は、アプリケーションプログラムの実行中に利用者が蓋部20bを閉じたときのキー割当切り換えを行ったときの処理を示すシーケンス図である。
まず、利用者は、携帯電話機20のメインディスプレイ29に表示したアプリケーションプログラムのリストから希望のアプリケーションプログラムを選択して実行することができる。このアプリケーションプログラムの実行中に、そのアプリケーションプログラムで定義されている本体部20a上のソフトキー26、27を操作すると、そのキー操作の情報がアプリケーション側に送られる。アプリケーション側では、受け取ったキー操作の情報を用いてゲームを進行したり、再生音楽の曲目を選択したりすることができる。カメラ機能を利用する場合は、上記キー操作の情報に基づいて、撮影のシャーター動作を実行することもできる。
【0032】
次に、上記アプリケーションプログラムの実行中に利用者が蓋部20bを閉じると、その蓋部20bの閉状態への変化が、電話機プラットフォーム側にある状態変化検知手段212で検知される。この蓋部20bが閉状態になったときでも、アプリケーションプログラムの実行は継続される。そして、上記状態変化検知手段212の検知結果に基づいて、アプリケーションプログラムの実行中に用いるキーの割当を、本体部20aの内面側にある通常操作用のキー214から、蓋部20bの背面側にある閉時操作用のキー215(背面キー33、34)へ切り換える。このキー割当の切り換えにより、アプリケーションプログラムの実行中に蓋部20bを閉じたときでも、利用者はアプリケーションプログラムで必要なキー操作を行うことができる。
【0033】
また、上記アプリケーションプログラムの実行中に利用者が蓋部20bを再び開くと、その蓋部20bの開状態への変化が、電話機プラットフォーム側にある状態変化検知手段212で検知される。この状態変化検知手段212の検知結果に基づいて、アプリケーションプログラムの実行中に用いるキーの割当を、蓋部20bの背面側にある閉時操作用のキー215(背面キー33、34)から本体部20aの内面側にある通常操作用のキー214へ切り換える。このキー割当の切り換えにより、アプリケーションプログラムの実行中に蓋部20bを再び開いたとき、利用者はアプリケーションプログラムで必要なキー操作を行うことができる。
【0034】
以上、本実施形態によれば、アプリケーションプログラムの実行中に蓋部20bを閉じたときに、利用者が用いるキーの割当が閉時操作用のキー215(背面キー33、34)に切り換えられる。この閉時操作用のキー215を用いることにより、蓋部20bを閉じたときでもアプリケーションプログラムの実行中にキー操作が可能になる。しかも、アプリケーションプログラム実行手段211で実行されているアプリケーションプログラムからの指令を用いずに、蓋部20bの開閉の伴うキー割当の切り換えを行うことができるので、上記キー割当切り換えのための制御を考慮することなくアプリケーションプログラムの開発が可能になる。
【0035】
なお、上記実施形態では、閉時操作用のキー215が蓋部の背面側に設けられた背面キー33、34である場合について説明したが、本発明は、閉時操作用のキー215として他の位置にキーを設けている場合にも同様に適用することができる。例えば、閉時操作用のキー215として、本体部20aの側面や蓋部20bの側面にサイドキーを設けた場合にも同様に適用することができる。
また、上記実施形態では、JAVA(登録商標)等のプログラム言語を用いたプラットフォームに依存しないオブジェクト指向のプログラミングで開発されたアプリケーションプログラムを実行できる携帯電話機について説明したが、本発明は、携帯電話機で実行するアプリケーションプログラムの種類に限定されることなく適用でき、同様な効果が得られるものである。
また、本発明は、アプリケーションプログラムを実行可能で、かつ、通信ネットワーク上で配信されている閲覧画面を閲覧可能なものであれば、PHS、自動車電話機等の電話機のほか、携帯型のPDAの場合についても適用でき、同様な効果が得られるものである。
【0036】
【発明の効果】
請求項1及び2の発明によれば、アプリケーションプログラムの実行中に、第1のキー操作部のキーが操作可能な第1の状態から、第1のキー操作部のキーが操作できず且つ第2のキー操作部のキーが操作可能な第2の状態に変化したときに、利用者が用いるキーの割当が第2のキー操作部のキーに切り換えられる。この第2のキー操作部のキーを用いることにより、第1のキー操作部のキーが操作できない第2の状態にあるときでもアプリケーションプログラムの実行中にキー操作が可能になる。しかも、アプリケーションプログラム実行手段で実行しているアプリケーションプログラムからの指令を用いずに、上記第1の状態と第2の状態との間の状態変化に伴うキー割当の切り換えを行うことができるので、上記キー割当切り換えのための制御を考慮することなくアプリケーションプログラムの開発が可能になるという効果がある。
特に、請求項2の発明によれば、アプリケーションプログラムの実行中に蓋部を閉じたときに、利用者が用いるキーの割当が閉時操作用のキーに切り換えられる。この閉時操作用のキーを用いることにより、蓋部を閉じたときでもアプリケーションプログラムの実行中にキー操作が可能になる。しかも、アプリケーションプログラム実行手段で実行しているアプリケーションプログラムからの指令を用いずに、上記蓋部の状態変化に伴うキー割当の切り換えを行うことができるので、上記キー割当切り換えのための制御を考慮することなくアプリケーションプログラムの開発が可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話機におけるアプリケーションプログラムの実行中に利用者が蓋部を閉じたときのキー割当切り換えを行ったときの処理を示すシーケンス図。
【図2】同携帯電話機を用いる移動体通信システムの主要部を示す説明図。
【図3】(a)及び(b)は同携帯電話機の外観図。
【図4】同携帯電話機のハードウェア構成を示す概略構成図。
【図5】同携帯電話機の主要部を抽出して示した機能ブロック図。
【図6】同携帯電話機におけるソフトウェア構造の説明図。
【符号の説明】
10 携帯電話通信網
20 携帯電話機
20a 本体部
20b 蓋部
210 主制御部
211 アプリケーションプログラム実行手段
212 状態変化検知手段
213 キー割当切換手段
214 第1のキー操作部のキー(通常操作用のキー)
215 第2のキー操作部のキー(閉時操作用のキー)
Claims (2)
- 移動体通信端末のプラットフォームに依存しないアプリケーションプログラムが実行される仮想的なアプリケーションプログラム実行環境を該プラットフォーム上に構築し、そのアプリケーションプログラム実行環境上でアプリケーションプログラムの実行を管理するアプリケーションプログラム実行手段と、
少なくとも一つのキーをそれぞれ有し互いに異なる位置に配置された第1のキー操作部及び第2のキー操作部と、
上記プラットフォーム側に設けられ、上記第1のキー操作部のキーが操作されたときに生じるキー操作の情報に応じて上記アプリケーションプログラムが実行されるように該キー操作の情報を上記アプリケーションプログラム実行手段に送る主制御部と、を備え、
少なくとも第1のキー操作部のキーが操作可能な第1の状態と、第1のキー操作部のキーが操作できず且つ第2のキー操作部のキーが操作可能な第2の状態とをとり得る移動体通信端末であって、
上記第1の状態と上記第2の状態との間の変化を検知する状態変化検知手段と、
上記アプリケーションプログラム実行手段で構築された上記アプリケーションプログラム実行環境上におけるキー操作を伴うアプリケーションプログラムの実行中に、上記第1の状態から上記第2の状態への状態変化が上記状態変化検知手段で検知されたとき、上記実行中のアプリケーションプログラムで用いられるキー操作の情報を生じさせるキーを、該アプリケーションプログラムからの指令を用いずに、上記状態変化前に操作可能であった上記第1のキー操作部において該キー操作の情報を生じさせるキーから、上記状態変化後に操作可能な上記第2のキー操作部において該キー操作の情報を生じさせるキーに切り換えるキー割当切換手段とを、上記プラットフォーム側に設けたことを特徴とする移動体通信端末。 - 請求項1の移動体通信端末において、
通常使用時に利用者が操作するための通常操作用のキーを有する本体部と、該本体部の通常操作用のキーを覆うための蓋部とを備え、
上記第1の状態は、該本体部の通常操作用のキーを利用者が操作可能な位置に該蓋部が移動した開状態であり、
上記第2の状態は、該本体部の通常操作用のキーを覆った位置に該蓋部が移動した閉状態であり、
上記第1のキー操作部のキーは、該本体部に設けられた通常操作用のキーであり、
上記第2のキー操作部のキーは、該蓋部が閉状態にあるときに利用者が操作可能な閉時操作用のキーであり、
上記状態変化検知手段は、該蓋部の開状態と閉状態との間の変化を検知するものであることを特徴とする移動体通信端末。
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