JP4019017B2 - 移動体通信端末 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信ネットワークから配信される情報を受信する機能と、利用者によって登録されたアプリケーションプログラムを実行する機能とを備えた携帯電話機等の移動体通信端末に関するものである。
【0002】
従来、この種の移動体通信端末として、移動体通信ネットワーク側に設けられた情報提供サーバから、予め区画された複数の地域ごとに一斉に送信されている各種情報を受信することができる携帯電話機が知られている(例えば特許文献1参照)。この携帯電話機は、ニュース、天気予報、商品情報、地域情報、緊急情報等のほか、その移動体通信端末が位置する現在位置に対応した位置登録管理エリアの位置情報(例えば最寄の基地局の緯度、経度、住所)も受信することができる。
また、上記移動体通信端末として、プラットフォームに依存しないオブジェクト指向のプログラミング言語で記述されたアプリケーションプログラムを実行可能な携帯電話機が知られている(例えば特許文献2参照)。例えば、JAVA(サンマイクロシステムズ社の登録商標。以下、同様である。)仮想マシン機能を実装し、JAVAで記述されたアプリケーションプログラムを実行できるようにした携帯電話機が知られている。このような携帯電話機では、移動体通信ネットワーク上のサーバから利用者が所望のアプリケーションプログラムをダウンロードして携帯電話機内に登録しておく。そして、この登録されているアプリケーションプログラムを利用者が起動することにより、携帯電話機のディスプレイ上に3次元動画からなる待ち受け画面を表示させたり、携帯電話機上でゲームや占いを行ったり、音楽を再生したりすることができる。
最近では、上記移動体通信ネットワークから情報を受信する機能を有するとともに、上記アプリケーションプログラムを利用者が登録して実行できる多機能の携帯電話機が市販されるようになってきている。また、上記アプリケーションプログラムとしては、移動体通信ネットワークから受信して携帯電話機内に保存された現在位置の位置情報を利用したものがある。このアプリケーションプログラムを携帯電話機で実行しているときに、携帯電話機に保存されている位置情報を読み出して利用し、移動体通信ネットワーク上のサーバから現在位置関連の情報を受信したり、サーバや他の携帯電話機に現在位置の情報を送信したりすることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−197021号公報
【特許文献2】
特開2000−347867号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の携帯電話機では、移動体通信ネットワークから受信して携帯電話機に保存されている位置情報と、その携帯電話機が実際に位置している現在位置の位置情報とが食い違うおそれがあった。
移動体通信端末である携帯電話機と移動体通信ネットワークとの間の通信回線を確立するために、携帯電話機の現在位置の情報は、移動体通信ネットワークにある位置登録サーバに常に登録されるようになっている。この位置登録サーバにある位置情報に基づいて、移動体通信ネットワークと各携帯電話機との間で通信回線を確立し、移動体通信ネットワーク側から各携帯電話機を呼び出すことができる。上記位置登録サーバに対する携帯電話機の位置登録と携帯電話機に保存される現在位置の位置情報は、一つの基地局又は複数の基地局に対応したセルと呼ばれる位置登録管理エリアで管理されている。
一方、移動体通信ネットワークの情報提供サーバからの情報の受信は、情報提供サービスを運営している通信事業者によって予め定義されているゾーンと呼ばれる情報配信管理エリアで管理されている。この情報配信管理エリア(ゾーン)は通常、複数の位置登録管理エリア(セル)で構成され、位置登録管理エリア(セル)よりも広くなっている。
また、移動体通信ネットワークの情報提供サーバから情報を受信するタイミングは、次のようなタイミングに設定されている。
▲1▼電源をONしたタイミング
▲2▼情報受信メニューにある各種情報ごとに予め設定されているタイミング
▲3▼利用者が手動操作で位置情報を更新を要求したタイミング
▲4▼利用者が予め設定しているタイミング(6時間毎など)
▲5▼携帯電話が位置する情報配信管理エリアが変化したタイミング
ここで、上記▲5▼のタイミングにおける情報配信管理エリアの変化は次のように検知される。携帯電話機は、上記提供対象の情報の受信よりも短い時間間隔で制御情報を受信している。この制御情報には、携帯電話機が位置する情報配信管理エリアを識別するためのエリア識別ID(Cell Group ID)が含まれており、この制御情報中のエリア識別IDの変化により情報配信管理エリアの変化を検知することができる。この情報配信管理エリアの変化を検知したタイミングで、現在位置に対応した位置登録管理エリアの位置情報を受信する。しかしながら、前述のように情報配信管理エリアは位置登録管理エリアよりも広く設定されているため、携帯電話機が位置する情報配信管理エリアが変化していないときでも、現在位置に対応した位置登録管理エリアの位置情報が変化している場合がある。従って、携帯電話機が同じ情報配信管理エリア内を移動しており、しかも上記▲1▼〜▲4▼のタイミングでもない場合は、携帯電話機に保存されている位置情報と実際の現在位置の位置情報とが食い違ってしまうおそれがある。
このように携帯電話機に保存されている位置情報と実際の現在位置の位置情報とが食い違うと、アプリケーションプログラムの実行により、間違った位置情報に基づいてサーバから情報を受信したり、サーバや他の携帯電話機に間違った現在位置の情報を送信したりしてしまう。
【0005】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、現在位置の正確な位置情報をアプリケーションプログラムで利用可能になる移動体通信端末を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、現在位置の位置情報を含む配信情報を移動体通信ネットワークから受信する情報受信手段と、該情報受信手段で受信した位置情報を記憶するための情報記憶手段と、該情報受信手段と該情報記憶手段とを制御するように当該移動体通信端末のプラットフォームに設けられた制御手段と、当該移動体通信端末のプラットフォーム上に汎用のアプリケーション実行環境を構築し、ダウンロードサーバからダウンロードして登録された複数のアプリケーションプログラムから選択されたアプリケーションプログラムを該アプリケーション実行環境上で実行するアプリケーションプログラム実行手段とを備えた移動体通信端末であって、上記制御手段は、上記アプリケーションプログラムを実行している上記アプリケーションプログラム実行手段から送出された位置情報更新要求指令に基づいて、所定時間のタイマーを起動した後、上記位置情報の受信及び上記情報記憶手段への保存を行うように制御するとともに、上記タイマーの所定時間内に上記情報記憶手段の位置情報が書き換えられて更新処理が終了したか否かにより該情報記憶手段の位置情報が正常に更新されたか否かを判断し、上記タイマーの所定時間内に上記情報記憶手段の位置情報が正常に更新されたと判断した場合には、上記情報記憶手段から読み出された更新後の位置情報を上記アプリケーションプログラム実行手段に通知し、上記タイマーの所定時間内に上記情報記憶手段の位置情報が正常に更新されなかったと判断した場合には、そのエラー情報を上記アプリケーションプログラム実行手段に通知するように制御し、上記アプリケーションプログラム実行手段は、上記制御手段に上記位置情報更新要求指令を送るとき、上記アプリケーション実行環境で呼び出されている関数内でブロック状態にし、上記制御手段から上記更新後の位置情報又は上記エラー情報を受け取ったとき、上記ブロック状態を解除することを特徴とするものである。
【0007】
本発明の移動体通信端末では、アプリケーションプログラム実行手段で実行しているアプリケーションプログラムが現在位置の位置情報を必要とする場合は、アプリケーションプログラム実行手段から制御手段に位置情報更新要求指令が送出される。制御手段は、アプリケーションプログラム実行手段から送出された位置情報更新要求指令に基づいて、所定時間のタイマーを起動した後、移動体通信ネットワークから現在位置の位置情報を受信し、情報記憶手段に保存するように制御する。この位置情報の受信及び保存により、情報記憶手段に記憶している位置情報を現在位置の正確な位置情報に更新することができる。また、制御手段は、上記タイマーの所定時間内に情報記憶手段の位置情報が書き換えられて更新処理が終了したか否かにより情報記憶手段の位置情報が正常に更新されたか否かを判断する。そして、上記タイマーの所定時間内に情報記憶手段の位置情報が正常に更新されたと判断した場合には、情報記憶手段に記憶されている位置情報を読み出し、その情報記憶手段から読み出された更新後の位置情報をアプリケーションプログラム実行手段に通知する。これにより、このアプリケーションプログラム実行手段に渡された現在位置の正確な位置情報をアプリケーションプログラムで利用できるようになる。一方、上記タイマーの所定時間内に情報記憶手段の位置情報が正常に更新されなかったと判断した場合には、そのエラー情報をアプリケーションプログラム実行手段に通知する。
【0008】
なお、上記「移動体通信端末」としては、PDC(Personal Digital Cellular)方式、GSM(Global System for Mobile Communication)方式、TIA(Telecommunications Industry Association)方式等の携帯電話機、IMT(International Mobile Telecommunications)−2000で標準化された携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、自動車電話機等の電話機のうち、アプリケーションプログラム実行可能なものが挙げられる。また、この「移動体通信端末」としては、上記電話機のほか、電話機能を有しないPDA(Personal Digital Assistance)等の移動型の移動体通信端末も挙げられる。
また、上記移動体通信端末における制御及び情報処理は、その移動体通信端末に設けられたコンピュータで所定のプログラムを実行することによって実現することもできる。このコンピュータで用いるプログラムの受け渡しは、デジタル情報としてプログラムを記録したFD,CD−ROM等の記録媒体を用いて行なってもいいし、コンピュータネットワーク等の通信ネットワークを用いて行なってもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を移動体通信端末としての携帯電話機に適用した実施形態について説明する。
図2は、本実施形態に係る携帯電話機20を用いる移動体通信システムの主要部を示す説明図である。この移動体通信システムにおいて、ユーザー1が使用する携帯電話機20は、プラットフォームに依存しないオブジェクト指向プログラミングによって開発されたアプリケーションプログラムを実行可能な構成を有している。このアプリケーションプログラムとしては、JAVAで記述されたアプリケーションプログラムなどが挙げられる。この携帯電話機20は、通信ネットワークとしての携帯電話通信網10に接続可能である。また、この携帯電話通信網10には、プログラム提供用サーバとしてのアプリケーションプログラムダウンロードサーバ(以下、「ダウンロードサーバ」という。)11と、情報提供サーバ13と、位置登録サーバ14がそれぞれ接続されている。なお、これらサーバは単一のサーバで構成してもよい。また、これらのサーバは、互いに異なる構成を有する専用の制御装置として構成してもいいし、汎用のコンピュータシステムを用いて構成してもよい。また、各サーバは、1台のコンピュータで構成してもいいし、複数の機能をそれぞれ受け持つ複数台のコンピュータをネットワークで結んで構成してもよい。
【0010】
ダウンロードサーバ11は、携帯電話機20からのダウンロード要求を受け付けると、その要求に係るアプリケーションプログラムを携帯電話機20に対して送信する。また、Webサーバ12は、携帯電話機20からの閲覧要求を受け付けると、その要求に係る閲覧画面であるWebページ画面を携帯電話機20に対して送信する。
【0011】
ダウンロードサーバ11から提供されるアプリケーションプログラムは、アプリケーションプログラムの開発元2から提供される。具体的には、例えば、アプリケーションプログラム開発元2側のパーソナルコンピュータ等から、専用回線や公衆回線を介してダウンロードサーバ11にアップロードして提供する。なお、開発したアプリケーションプログラムを記録した光ディスクや磁気ディスク等の記録媒体を、アプリケーションプログラム開発元2からダウンロードサーバ11を管理・運営する通信事業者に送り、その記録媒体内のアプリケーションプログラムをダウンロードサーバ11で読み取るようにして、提供してもよい。このようにして提供されたアプリケーションプログラムは、携帯電話機20から携帯電話通信網10を介してダウンロード可能な状態でダウンロードサーバ11に登録される。
【0012】
位置登録サーバ14は、各携帯電話機20の位置している現在位置の情報すなわち各携帯電話機10が位置している位置登録管理エリアの位置情報を登録して管理するサーバである。この位置登録管理エリアは、各携帯電話機20と無線通信する基地局が管轄する一つのセルからなるエリアであっていいし、隣接する複数のセルを一つのグループとして管理されるエリアであってもよい。一つの位置登録管理エリアの典型的なサイズは数km〜数百mである。上記位置登録サーバ14に対する各携帯電話機20の位置登録は、電源ON時に、定期的に、及び携帯電話機20が位置するセルが変わるたびに行われる。
【0013】
上記情報提供サーバ13は、各位置登録管理エリアの基地局を介して、所定の通信チャンネルによって地域情報、該当する位置登録管理エリアの位置情報(緯度、経度、住所)、コンテンツ情報等の各種情報を配信する。このように各種情報が送信されている通信チャンネルについて、携帯電話機10が所定のタイミングで受信動作を実行することにより、その通信チャンネルで送信されている情報を取得し情報記憶手段としての内部メモリーに保存することができる。各通信チャンネルに対する受信動作は、予め初期設定で設定されているタイミングや、利用者が設定したタイミングで実行することができる。この受信動作は定期的に実行してもいいし、不定期に実行してもよい。
【0014】
特に、現在位置に対応した位置登録管理エリアの位置情報が配信される通信チャンネルについては、次のタイミングで受信動作を実行する。
▲1▼電源をONしたタイミング
▲2▼情報受信メニューにある各種情報ごとに予め設定されているタイミング
▲3▼利用者が手動操作で位置情報を更新を要求したタイミング
▲4▼利用者が予め設定しているタイミング(6時間毎など)
▲5▼携帯電話が位置する情報配信管理エリアが変化したタイミング
ここで、▲5▼のタイミングを決める情報配信管理エリア(以下「ゾーン」という。)は、上記位置登録管理エリアと同じに設定される場合もあるし、位置登録管理エリアよりも広く設定される場合もある。特に、都心等の基地局が密集している場所では、上記ゾーンが複数の位置登録管理エリアで構成される場合が多い。
上記ゾーンの変化は次のように検知される。携帯電話機20は、上記提供対象の情報の受信よりも短い時間間隔で制御チャネルを介して送信されている制御情報を受信している。この制御情報には、携帯電話機20が位置するゾーンを識別するためのCell Group IDが含まれており、この制御情報中のCell Group IDの変化によりゾーンの変化を検知することができる。このゾーンの変化を検知したタイミングで位置情報を受信する。
また、本実施形態の携帯電話機20は、実行中のアプリケーションプログラムが要求したタイミングで位置情報を受信することもできる。このタイミングで位置情報の受信するための制御については、後述する。
上記所定のタイミングの受信動作により、各携帯電話機20内に保存される位置情報が、その携帯電話機が存在している現在位置に対応した情報管理エリアの位置情報(緯度、経度、住所)で更新される。
【0015】
図3は、携帯電話機20の外観図であり、図4は、その携帯電話機20のハードウェア構成を示す概略構成図である。
この携帯電話機20は、クラムシェル(折り畳み)タイプの携帯電話機であり、システムバス200、CPU201、RAM202やROM203等からなるデータ記憶手段、入力装置204、出力装置205、携帯電話用通信装置206を備えている。CPU201やRAM202等の構成要素は、システムバス200を介して、互いに各種データや後述のプログラムの命令等のやり取りを行っている。上記入力装置204は、データ入力キー(テンキー、*キー、#キー)21、通話開始キー22、終話キー23、スクロールキー24、多機能キー25、マイク26等から構成されている。上記出力装置205は、画像表示手段である液晶ディスプレイ(LCD)27、スピーカ28等から構成されている。上記携帯電話用通信装置206は、携帯電話通信網10を介して他の携帯電話機や上述したサーバ11,12と通信するためのものである。
【0016】
図5は、上記携帯電話機20の主要部を抽出して示したブロック図であり、図6は、その携帯電話機20におけるソフトウェア構造の説明図である。
この携帯電話機20は、電話通信部211、データ通信部212、操作部213、アプリケーションプログラム実行手段としてのアプリケーションプログラム実行管理部214、制御手段としての主制御部215、出力部216を備えている。また、携帯電話機20は、上記情報提供サーバ13から受信した各種情報を記憶するための情報記憶手段としての情報記憶部217を備えている。
【0017】
上記電話通信部211は、他の携帯電話機や固定電話機と電話通信を行うために、携帯電話通信網10の基地局と無線通信を行うものであり、上述のハードウェア構成上の携帯電話用通信装置206等に対応する。
【0018】
上記データ通信部212は、上記電話通信部211と同様に、上述のハードウェア構成上の携帯電話用通信装置206等に対応する。このデータ通信部212は、携帯電話機通信網10を介して他の携帯電話機とメールのやり取りを行ったり、携帯電話機通信網10からゲートウェイサーバを介して、インターネット等の外部の通信ネットワークに接続し、インターネット上での電子メールのやり取り等を行ったりするためのものである。このデータ通信部212は、携帯電話機通信網10を介して、ダウンロードサーバ11が提供するアプリケーションプログラムをダウンロードするためにも用いられる。また、データ通信部212は、上記現在位置の位置情報を含む配信情報を受信する情報受信手段としても用いられる。
【0019】
上記操作部213は、ユーザー1が操作可能な上述のテンキー11、通話開始キー12、終話キー13等で構成されている。この操作部213を操作することにより、ユーザーは、携帯電話機20に対してURL等のデータを入力したり、電話着信の際に通話の開始及び終了を行ったり、アプリケーションプログラムの選択、起動及び停止を行ったりすることができる。また、ユーザーは操作部213を操作することにより、上記ダウンロードサーバ11からアプリケーションプログラムをダウンロードして登録したり、登録したアプリケーションプログラムを選択して実行したりすることができる。また、ユーザーは操作部213を操作することにより、携帯電話通信網10の情報提供サーバ13から受信した情報を表示することもできる。
【0020】
上記アプリケーションプログラム実行管理部214は、上述のシステムバス200、CPU201やRAM202等で構成されている。このアプリケーションプログラム実行管理部214は、図6のソフトウェア構造上において中央の「プログラム実行環境」に対応しており、オブジェクト指向プログラミングで開発されたアプリケーションプログラムに利用されるクラスライブラリ、実行環境管理ライブラリ、アプリケーション管理等のソフトウェアを提供し、アプリケーションプログラムの実行環境を管理する。
ここで、アプリケーションプログラムは、クラスライブラリAPI(アプリケーションインターフェース)を介して上記プログラム実行環境内にある関数等のクラスライブラリを呼び出して使用できるようになっている。この関数等のクラスライブラリの呼び出しの履歴は、アプリケーションプログラムの仮想的な実行環境(仮想マシン:VM)が終了するまで保持される。
また、プログラム実行環境内の実行環境管理ライブラリは、電話機プラットフォームAPIを介して後述の電話機プラットフォーム内の電話機プラットフォームライブラリを呼び出して使用できるようになっている。
【0021】
上記主制御部215は、上記電話通信部211、データ通信部212、操作部213、アプリケーションプログラム実行管理部214、出力部216、情報記憶部217を制御するものである。この主制御部215は、上述のシステムバス200、CPU201やRAM202等で構成されている。
また、この主制御部215は、アプリケーションプログラム実行管理部214、情報記憶部217等との間で制御命令や各種データのやりとりを行い、これらと協働して制御を行う。また、主制御部215は、図6のソフトウェア構造上において最下部の「電話機プラットフォーム」にあり、上記電話通信部211等を制御するための制御用プログラムやユーザインターフェースを実行したり、電話機プラットフォームライブラリを提供したりする。この電話機プラットフォームは、上記プログラム実行環境内の実行環境管理ライブラリに対してイベントを送ることによりアプリケーションプログラムにおける各種処理を実行したり、アプリケーション管理APIを介して上記プログラム実行環境内のアプリケーション管理のソフトウェアを呼び出して使用したりできるようになっている。
【0022】
上記出力部216は、上述の液晶ディスプレイ(LCD)27やスピーカ28等からなる出力装置205等で構成されている。この出力部216は、上記データ通信部212で受信したWebページ画面を液晶ディスプレイ(LCD)17に表示したり、電話通信部211やデータ通信部212で情報を着信した旨をユーザーに報知したりするときに用いられる。具体的には、その情報を着信すると、主制御部215により、出力部216の液晶ディスプレイ(LCD)17に着信報知画像を表示したり、スピーカ18から着信音を出力させたりする。また、出力部216は、上記ゲーム等のアプリケーションプログラムの実行中に、そのプログラム実行に関連した画像の表示や音の出力にも用いられる。また、出力部216は、情報提供サーバ13から受信した情報を表示したりするときにも用いられる。
【0023】
携帯電話機20を所定の手順に従って動作させる電話機プラットフォームを構築するための制御用プログラムは、RAM202やROM203に記憶されている。また、基本OS(オペレーティングシステム)のプログラムや、上記プログラム実行環境を構築するためのプログラム及びアプリケーションプログラムも、RAM202やROM203に記憶されている。そして、これらのプログラムは、必要に応じてCPU201やRAM202中の作業エリアに呼び出されて実行される。
【0024】
上記構成の携帯電話機20において、ダウンロードサーバ11からアプリケーションプログラムをダウンロードするときは、ユーザー1は、操作部213のキーを操作して、ダウンロードサーバ11にアクセスする。これにより、ダウンロード可能なアプリケーションプログラムを選択するためのダウンロード選択画面がディスプレイ17上に表示される。そして、そのダウンロード選択画面において、ユーザーが希望するアプリケーションプログラムをスクロールキー14を用いて選択し、多機能キー15を押下すると、主制御部215がデータ通信部212を制御して、そのアプリケーションプログラムをダウンロードサーバ11からダウンロードする。
具体的に説明すると、本実施形態1において、アプリケーションプログラムは、プロパティ情報であるJADファイル(テキストデータ)とプログラム本体であるJARファイル(バイナリデータ)とからなる。JADファイルには、アプリケーション名、アプリケーションのバージョン、アプリケーションのベンダー名、JARファイルが保存されているURLデータなどの基本データのほか、当該アプリケーションプログラムが認証済みのものか、当該アプリケーションプログラムがネットワークに接続した状態で使用されるものか、当該アプリケーションプログラムが常駐型のものであるかなどの設定データが含まれている。また、このJADファイルには、当該アプリケーションプログラムに関する関連情報を公開している公式WebページのURL(配信元アドレスデータ)も含まれている。そして、上記ダウンロード選択画面においてユーザーが希望するアプリケーションプログラムが選択されると、主制御部215がデータ通信部212を制御して、まず、アプリケーションプログラムのうちJADファイルだけをダウンロードする。その後、主制御部215は、そのJADファイルの中から、JARファイルが保存されているURLデータを読み出し、そのURLにアクセスし、JARファイルをダウンロードする。このようにしてダウンロードされたJADファイル及びJARファイルからなるアプリケーションプログラムは、主制御部215により、RAM102に記憶される。
【0025】
このようにしてダウンロードしたアプリケーションプログラムを実行する場合、ユーザー1は、操作部213のキーを操作して、実行するアプリケーションプログラムを選択するためのアプリケーション選択画面をディスプレイ17上に表示させる。そして、そのアプリケーション選択画面において、ユーザーが希望するアプリケーションプログラムをスクロールキー14を用いて選択し、多機能キー15を押下すると、上記アプリケーションプログラム実行管理部214は、JARファイルを読み出してアプリケーションプログラムを起動する。このとき、必要に応じて、JADファイルの設定データを参照し、その設定データに従った処理動作を行う環境を設定する。また、アプリケーションプログラム実行中に特定の処理動作を行う際、その処理動作に関するJADファイルの設定データを参照し、そのアプリケーションプログラムに適した処理動作を行うようにする。アプリケーションプログラムとしては、操作部213の各種キーを操作してゲーム等を楽しむアプリケーションプログラムのほか、ディスプレイ17上に3次元動画からなる待ち受け画面を表示させたりする常駐型のアプリケーションプログラムなど、あらゆるアプリケーションプログラムが含まれる。
【0026】
次に、本発明の特徴部分である、アプリケーションプログラムからの要求に応じて現在位置の位置情報を受信して更新するとともにアプリケーションプログラム側へ通知する動作について説明する。
図1は、位置情報を正常に更新できたときの処理を示すシーケンス図である。ユーザーは、アプリケーションプログラムをダウンロードサーバ11からダウンロードしたり、そのアプリケーションプログラムが予め登録された携帯電話機10を購入したりして、アプリケーションプログラムを取得する。ユーザーは、アプリケーションプログラムのリストから希望のアプリケーションプログラムを選択して実行することができる。
【0027】
上記アプリケーションプログラムの実行中に現在位置の位置情報が必要になったときは、位置情報更新機能が呼び出される。この呼び出しがあると、アプリケーション実行環境を構築しているアプリケーションプログラム実行管理部214は、プラットフォーム側の主制御部215に、位置情報更新機能を呼び出すための位置情報更新要求指令を出力する。この位置情報更新機能が呼び出された場合には、アプリケーションプログラムを一時停止することなくアプリケーション実行環境の関数内でブロック状態とし、位置情報受信機能を起動する。
上記位置情報更新要求指令を受けた主制御部215は、データ通信部212を制御し、位置情報受信用に予め設定されている通信チャネルを参照して位置情報を受信する。次に、主制御部215は情報記憶部217を制御し、データ通信部212で受信した位置情報を情報記憶部217の所定の記憶領域に保存する。ここで、主制御部215は、上記位置情報の受信及び保存を伴う更新処理を開始したときに、所定時間のタイマーを起動(発行)する。このタイマーの時間内に、情報記憶部217の所定の記憶領域における位置情報が書き換えられて更新処理が終了したか否かにより、位置情報が正常に更新されたか否かを判断する。そして、位置情報が正常に更新されたと判断したら、更新成功のデータとともに更新された位置情報をアプリケーションプログラム実行管理部214に渡す。
【0028】
上記更新成功のデータ及び位置情報を受け取ったアプリケーションプログラム実行管理部214は、更新成功のデータ及び位置情報をヒープメモリに保存するとともに、上記ブロック状態を解除し、アプリケーションプログラムの実行を自動的に再開する。これにより、更新された位置情報をアプリケーションプログラムで利用可能になる。
【0029】
図7は、位置情報更新機能でエラーが発生したときの処理を示すシーケンス図である。主制御部215において位置情報の受信及び保存の処理を開始した後、上記タイマーの所定時間内に、情報記憶部217の所定の記憶領域における位置情報が書き換えられないでタイムアウトになった場合には、位置情報が正常に更新されなかったと判断する。このように位置情報が正常に更新されずにエラーが発生したと判断した場合は、そのエラー情報のみをアプリケーションプログラム実行管理部214に通知する。この場合は、主制御部215からアプリケーションプログラム実行管理部214への位置情報の受け渡しは実行されない。
【0030】
以上、本実施形態によれば、アプリケーションプログラム実行管理部214からの位置情報更新要求指令に基づいて、情報記憶部217に記憶している位置情報を現在位置の正確な位置情報に更新することができる。従って、アプリケーションプログラム実行管理部214に渡された現在位置の正確な位置情報をアプリケーションプログラムで利用できるようになる。
また、本実施形態によれば、位置情報が正常に更新された場合にのみ、情報記憶部217から位置情報を読み出してアプリケーションプログラム実行管理部214に渡すので、現在位置の正確な位置情報をより確実にアプリケーションプログラムで利用できるようになる。
【0031】
なお、上記実施形態では、JAVA等のプログラム言語を用いたプラットフォームに依存しないオブジェクト指向のプログラミングで開発されたアプリケーションプログラムを実行できる携帯電話機について説明したが、本発明は、携帯電話機で実行するアプリケーションプログラムの種類に限定されることなく適用でき、同様な効果が得られるものである。
また、本発明は、アプリケーションプログラムを実行可能で、かつ、通信ネットワーク上で配信されている閲覧画面を閲覧可能なものであれば、PHS、自動車電話機等の電話機のほか、携帯型のPDAの場合についても適用でき、同様な効果が得られるものである。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、アプリケーションプログラム実行手段からの要求指令に基づいて、情報記憶手段に記憶している位置情報を現在位置の正確な位置情報に更新することができる。また、タイマーの所定時間内に情報記憶手段の位置情報が書き換えられて更新処理が終了したか否かにより情報記憶手段の位置情報が正常に更新されたか否かを判断する。そして、タイマーの所定時間内に情報記憶手段の位置情報が正常に更新されたと判断した場合には、情報記憶手段に記憶されている位置情報を読み出し、その情報記憶手段から読み出された更新後の位置情報を制御手段からアプリケーションプログラム実行手段に通知する。従って、アプリケーションプログラム実行手段に通知された現在位置の正確な位置情報をアプリケーションプログラムで利用できるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話機で実行するアプリケーションプログラムからプラットフォーム側の位置情報更新機能を呼び出して実行する処理を示すシーケンス図。
【図2】同携帯電話機を用いる移動体通信システムの主要部を示す説明図。
【図3】同携帯電話機の外観図。
【図4】同携帯電話機のハードウェア構成を示す概略構成図。
【図5】同携帯電話機の主要部を抽出して示したブロック図。
【図6】同携帯電話機で実行するソフトウェア構造の説明図。
【図7】位置情報更新機能で読み取りエラーが発生したときの処理を示すシーケンス図。
【符号の説明】
10 携帯電話通信網
11 ダウンロードサーバ
13 情報提供サーバ
14 位置登録サーバ
20 携帯電話機
212 データ通信部
213 操作部
214 アプリケーションプログラム実行管理部
215 主制御部
216 出力部
217 情報記憶部
Claims (1)
- 現在位置の位置情報を含む配信情報を移動体通信ネットワークから受信する情報受信手段と、該情報受信手段で受信した位置情報を記憶するための情報記憶手段と、該情報受信手段と該情報記憶手段とを制御するように当該移動体通信端末のプラットフォームに設けられた制御手段と、当該移動体通信端末のプラットフォーム上に汎用のアプリケーション実行環境を構築し、ダウンロードサーバからダウンロードして登録された複数のアプリケーションプログラムから選択されたアプリケーションプログラムを該アプリケーション実行環境上で実行するアプリケーションプログラム実行手段とを備えた移動体通信端末であって、
上記制御手段は、上記アプリケーションプログラムを実行している上記アプリケーションプログラム実行手段から送出された位置情報更新要求指令に基づいて、所定時間のタイマーを起動した後、上記位置情報の受信及び上記情報記憶手段への保存を行うように制御するとともに、上記タイマーの所定時間内に上記情報記憶手段の位置情報が書き換えられて更新処理が終了したか否かにより該情報記憶手段の位置情報が正常に更新されたか否かを判断し、上記タイマーの所定時間内に上記情報記憶手段の位置情報が正常に更新されたと判断した場合には、上記情報記憶手段から読み出された更新後の位置情報を上記アプリケーションプログラム実行手段に通知し、上記タイマーの所定時間内に上記情報記憶手段の位置情報が正常に更新されなかったと判断した場合には、そのエラー情報を上記アプリケーションプログラム実行手段に通知するように制御し、
上記アプリケーションプログラム実行手段は、上記制御手段に上記位置情報更新要求指令を送るとき、上記アプリケーション実行環境で呼び出されている関数内でブロック状態にし、上記制御手段から上記更新後の位置情報又は上記エラー情報を受け取ったとき、上記ブロック状態を解除することを特徴とする移動体通信端末。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003140084A JP4019017B2 (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 移動体通信端末 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003140084A JP4019017B2 (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 移動体通信端末 |
Publications (2)
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