JP3782956B2 - 携帯端末装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯端末装置に関し、更に詳しくは複数の携帯端末と、各携帯端末の機種別及び版数別のバージョンアップ用制御プログラムを蓄積・管理するソフトウェア管理装置とがメールにより相互に通信可能な移動通信システムの携帯端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、PDCやPHSで代表される携帯無線電話(端末)の普及には目覚しいものがあり、既に多種多様の大量の携帯端末機が市場に投入(市場で利用)されている。一方、このような携帯端末を製造するメーカ側では、十分な機能テスト(移動機制御ソフトウェアの開発及びテスト)を行った上で、携帯端末を市場に提供するが、市場で実運用されるような過酷な環境下では、携帯端末のソフトウェアに不測の不具合が発見される場合も少なくない。
【0003】
この場合に、従来は、通信事業者がエンドユーザに不具合のダイレクトメールを送付し、エンドユーザは事業者の小売店等に出向き、新しいソフトウェアが書き込まれた移動機に交換していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記ダイレクトメールの送付や新しい移動機を製造・輸送する為のコストがメーカや事業者にとって大きな負担であった。また、移動機へのソフトウェアの書き込みは、専用のID書込端末に数十台〜数百台をシリシルケーブルで直結し、シリアル信号により制御プログラムの全てを書きかえる方法を取っているため、ソフトウェアの書き込みには長時間を要した。
【0005】
このように、従来は,移動機を製造するメーカでの作業時間、小売店まで物理的に携帯電話を輸送すること、及びエンドユーザが小売店に出向かなくてはいけないこと等、エンドユーザの手元に新しい移動機が届くまでには相当の時間がかかるため、エンドユーザに不満を与える可能性が極めて高かった。
【0006】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成されたもので、その目的とする所は、市場に投入された携帯端末のソフトウェアバージョンアップを能率よく的確に行える移動通信システムの携帯端末装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は例えば図1,図4の構成により解決される。即ち、本発明(1)の携帯端末装置は、複数の携帯端末10と、各携帯端末の機種別及び版数別のバージョンアップ用制御プログラムを蓄積・管理するソフトウェア管理装置40とがメールにより相互に通信可能な移動通信システムの携帯端末装置であって、自己の制御プログラムを一定サイズのセクタ毎に消去及び書込可能なフラッシュメモリに保持すると共に、予め各セクタを被修正プログラムの記憶エリアと、修正用プログラムの記録エリアとに分割しておき、セクタ単位にプログラム修正を行うものである。従って、携帯端末の制御プログラムのうちの修正の必要な部分のプログラムを含むセクタのみを、速やかに、短時間で、かつ効率よく修正できる。
好ましくは、このような携帯端末を収容する移動通信システムは、複数の携帯端末10と、各携帯端末の機種別及び版数別のバージョンアップ用制御プログラムを蓄積・管理する遠隔のソフトウェア管理装置40とがメールにより相互に通信可能な移動通信システムであって、前記携帯端末10Aは、外部装置80からの端末ID(例えば電話番号)の書き込みを契機として、その後の電源投入時に自端末10Aの機種名と、制御プログラムの版数と、端末IDとを含む利用登録メールを作成し、ソフトウェア管理装置40に送信するものである。
【0008】
このシステムにおいては、携帯端末10Aは、通信事業者による外部装置80からの端末ID(例えば電話番号)の書き込みを契機として、その後の電源投入時に自端末10Aの機種名と、制御プログラムの版数と、端末IDとを含む利用登録メールを作成し、ソフトウェア管理装置40に送信するので、このような携帯端末10Aのメーカ側では、市場に投入された自メーカ製の携帯端末を、速やかに、漏れなく、かつ効率よくソフトウェア管理装置40の管理下に置ける。
【0009】
好ましくは、前記ソフトウェア管理装置40は、携帯端末10からの利用登録メールにより通知された当該端末の機種名と、制御プログラムの版数と、端末IDとを記録する利用者情報データベース431と、保守者が入力した機種別及び版数別の各バージョンアップ用制御プログラムを記憶するバージョンアップ用プログラムデータベース432とを備え、保守者が入力した機種名と版数の指定に基づき、利用者情報データベース431から各対応する携帯端末の端末IDを抽出すると共に、該抽出された端末IDのリストを元に、前記入力された機種名及び版数に基づきバージョンアップ用プログラムデータベース432から抽出されたバージョンアップ用制御プログラムを含むバージョンアップ通知メールを作成し、これらを各携帯端末10に送信するものである。
【0010】
従って、保守者による携帯端末の機種名と版数を指定するだけの簡単な操作により、市場に投入された保守対象携帯端末のソフトウェアバージョンアップを能率よくかつ的確に行える。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に好適なる実施の形態を詳細に説明する。なお、全図を通して同一符号は同一又は相当部分を示すものとする。
【0014】
図2は実施の形態による移動機ソフトウェア管理システムのブロック図で、複数の移動機(図1の携帯端末に相当)10が無線基地局(BS)60と移動体交換局(MSC)50を含む移動網200及び公衆網100を介して遠隔の移動機ソフトウェア管理サーバ(図1のソフトウェア管理装置に相当)40に接続するネットワーク構成を示している。なお、メールアドレスサ−バ70については後述する.
ところで、一般に、ある通信事業者の提供する移動網200に収容されるような移動機10には、メーカAの移動機10AとメーカBの移動機10B等とが混在しているが、本実施の形態では、例えばメーカAの移動機10Aが該メーカAの提供する移動機ソフトウェア管理サーバ40により移動機制御プログラムのバージョンアップサービスを受ける場合を説明する。但し、以下の説明では移動機10Aを単に移動機10と呼ぶ。以下、主要部(移動機ソフトウェア管理サーバ40,移動機10)の構成を詳細に説明する。
【0015】
移動機ソフトウェア管理サーバ40において、41は管理サーバ40の主制御・処理を行うCPU(管理サーバ制御部)、42はCPU41が使用する主メモリ(MM)、43は管理サーバ40の運用に必要な各種データベース(利用者情報DB431,バージョンアップ用プログラムDB432等)を記憶する2次記憶装置(ハードディスク等)、44は公衆網100に接続するための通信制御部、45はCPU41の共通バス、46は保守者が操作をする外部の保守コンソール(OC)である。
【0016】
図10に実施の形態による各種データベースの記憶例を示す。図10(A)は利用者情報DB431の記憶例を示しており、ここには、各移動機(加入者)1〜N毎に、移動機のID情報(電話番号)、機種名、移動機に搭載されている制御プログラムのバージョン(版数)情報が記録される。これらの情報は、市場に投入された際の各移動機10から通知される。
【0017】
図10(B)はバージョンアップ用プログラムDB432の記憶例を示しており、ここには、移動機の管理情報を記憶する記憶エリア432Aと、バージョン(版数)毎のバージョンアップ用プログラムファイルを記憶する記憶エリア432Bとが含まれる。管理情報の記憶エリア432Aでは移動機の機種毎及び制御プログラムのバージョン毎に作成された各バージョンアップ用プログラムファイルのファイル名が管理される。またバージョンアップ用プログラムファイルの記憶エリア432Bには移動機の機種毎及びバージョン毎に作成された各バージョンアップ用プログラムファイル(本体)が記録される。
【0018】
従って、保守者が、バージョンアップしたい移動機の機種名とバージョン(版数)を指定すると、CPU41は該各指定情報に基づき記憶エリア432A、432Bを参照することで,対応するバージョンアップ用プログラムファイルを抽出できる。
【0019】
図3は実施の形態による移動機ソフトウェア管理サーバの機能ブロック図であり、ここには上記CPU41のプログラム実行により実現される管理サーバ制御部の主な機能ブロックが示されている。図において、主制御部411は他の各機能ブロック412〜416の統括的な制御を行う。利用者情報処理部412は利用者情報DB431に対する記憶情報の追加/更新/削除を行う。バージョンアッププログラム処理部413はバージョンアップ用プログラムDB432に対する記憶情報の追加/更新/削除を行う。保守入力制御部414は外部の操作コンソール46と移動機ソフトウェア管理サーバ40との間における各種保守情報入出力のインタフェース機能を提供する。メール通信処理部415は、移動機10に送信するメール(バージョンアップ通知メール等)の作成処理、及び移動機10から受信したメール(利用登録メール等)の解析処理等を行う。そして、サーバ外部通信制御部416は、移動機10との間でメール通信を行うための下位レイヤプロトコル処理(例えばTCP/IP)を有し、メールの送受信機能を提供する。
【0020】
図4は実施の形態による移動機のブロック図で、図において、11はアンテナ、12は送受分波スイッチ、13はπ/4シフトQPSK方式等による無線受信部、14は周波数シンセサイザ、15はπ/4シフトQPSK方式等による無線送信部、16はPDC方式等による通信制御部、17は無線通信データRD/TDとPCMデータ間の変換を行うコーデック(CODEC)、18はPCMデータと音声信号間の変換を行うベースバンド処理部(BBP)、19はスピーカ(SPK)、20はマイク(MIC)、21は移動機の主制御・処理(周辺デバイスの制御,呼処理,移動機制御ソフトウェアのバージョンアップ処理等)を行うCPU、22はCPU21が使用する主メモリ(MM)、23は液晶等による表示部(DISP)、24はダイヤルキーやその他の各種制御キーを備えるキーボード(KBD)、25はCPU21の共通バス、26は不図示のコネクタを介して外部機器との間でシリアルデータのやり取りを可能にするシリアルインタフェース(SIF)、80は、外部機器の一つであり、ここでは、移動機10にID情報(電話番号)を書き込むためのID書込端末(図1の外部装置に相当)である。
【0021】
上記構成により、本移動機の通話時における受信部13からの受信データRDはコーデック17,BBP18を介して音声信号に変換され、スピーカ19に出力される。また、マイク20からの音声信号はBBP18,コーデック17を介して送信データTDに変換され、送信部15により無線送信される。一方、呼の発/着信等に係る呼制御処理や、メールの送受信に係る通信データCDについては、通信制御部16とCPU21との間でやり取りされる。
【0022】
更に、この主メモリ22には、不揮発性のフラッシュメモリ31と、移動機10の電源をOFFにしても一定(実運用上支障がない程度)の期間はその記憶内容が電池でバックアップ保持される不揮発性RAM32と、移動機10の電源OFFと共に記憶データも失われる揮発性RAM33とが含まれる。なお、本明細書ではフラッシュメモリ31のことをROMと呼ぶ場合もある。
【0023】
フラッシュメモリ31において、311は移動機10に搭載されている制御プログラムのプログラムバージョン(版数)の記憶エリア、312は移動機のID情報(電話番号)の記憶エリア、313は移動機ソフトウェア管理サーバ40のメールアドレスの記憶エリアである。このうちの、プログラムバージョンと管理サーバ40のメールアドレスについては、この移動機の出荷時に既知であり、出荷時に記録可能である。一方、この移動機のID情報(電話番号)については、この移動機の市場への投入時に、ID書込端末80から書き込まれる。更に、314は移動機制御プログラムの保存領域であり、ここには移動機10の主制御・処理を行うための各種アプリケーションプログラムコードが記録されている。
【0024】
不揮発性RAM32において、321はこの移動機を表す所定の情報{機種名,ID(電話番号),ソフトウェアバージョン}の登録を移動機ソフトウェア管理サーバ40に対して行なうか否かを表すフラグ、322は移動機がバージョンアップ処理中(フラッシュメモリ書換中)か否かを表すバージョンアップ状態フラグ、323は各種の受信メール(添付のバージョンアップ用プログラムを含む)を保存するメール保存領域である。
【0025】
揮発性RAM33において、331は、CPU21が使用するワークエリアであり、バージョンアップ処理の際には、一部のバージョンアップ(修正)前の制御プログラムからバージョンアップ(修正)後の制御プログラムを作成する為のワークエリアとしても使用される。
【0026】
図5は実施の形態による移動機の機能ブロック図であり、ここには、CPU21のプログラム実行により実現される移動機制御部の主な機能ブロックが示されている。図において、主制御部211は他の各機能ブロック212〜219を統括的に制御する。
【0027】
ID書込制御部212は外部のID書込端末80からのID情報(電話番号)の書き込みをインタフェースする。バージョンアップ処理部213は受信メール中のバージョンアップ用プログラムコード情報に基づきフラッシュメモリ31中のプログラムセクタの修正書き込みを行う。メール表示処理部214は、受信メールを画面23に表示し、該メールに対する操作(削除/返信/転送等)のユーザインタフェースを提供すると共に、本発明に係るバージョンアップ操作のユーザインフェースを提供する。
【0028】
利用登録処理部215は、市場に投入された移動機が、初回の電源ON時、及び本発明によるバージョンアップ処理を実施した際に、遠隔の移動機ソフトウェア管理サーバ40に対して移動機の機種名,ID,バージョンを通知するための利用登録メールを作成する。この利用登録メールは、初回の電源ON時は、この移動機10が市場に投入されたことをソフトウェア管理サーバ40に知らせるメールであり、またバージョンアップ完了時は、この移動機10が新たなバージョンで稼動中であることをソフトウェア管理サーバ40に知らせるメールである。
【0029】
無線通信制御部216は、移動網200との間でPDC通信(音声/パケット)の終端を行なう。メール通信処理部217は、通信事業者のメールサーバとの間のメール送受信プロトコルを終端する。表示制御部218はメール表示処理部214等のアプリケーションからの表示依頼を受けて表示部23の制御を行なう。そして、ボタン制御部219はキーボード部24のボタン操作を検出し、主制御部211に通知する。
【0030】
以上の構成により、以下に、本実施の形態によるソフトウェアバージョンアップサービスの動作を詳細に説明する。図6は実施の形態による利用登録処理のシーケンス図で、移動機が市場に投入される際に実行される。一般に、移動機の市場投入に際しては、自メーカや他メーカの移動機を問わず、通信サービスを提供する事業者により当該移動機に対して固有のID情報(電話番号)が書き込まれるが、本発明による移動機10では、このID情報(電話番号)の書込を契機にして、移動機内部で利用登録フラグ=ONとされる点で、他メーカの移動機とは異なる。
【0031】
動作を具体的に言うと、まずID書込端末80からID情報の書込要求を送り、これに対して移動機10が応答を返すと、ID書込端末80からID情報(例えば電話番号「09012345678」)を送る。これを受けた移動機10では、ステップS1で、ID書込制御部212が、受信したID情報をフラッシュメモリ31のID保存領域312に保存する。ステップS2では、ID書込制御部212が、不揮発性RAM32の利用登録フラグ321をONにする。この利用登録フラグ=ONの状態は、この移動機10が市場に投入(利用に供)されたことを、該移動機10が、その後の適当な早い時期に、遠隔のソフトウェア管理サーバ40に対して知らせるべきであることを示している。そして、ID書込制御部212はID書込端末80に対して書込完了を通知する。
【0032】
その後、この移動機10に電源投入されると、ステップS11では主制御部211が利用登録フラグ=ONか否かを判別し、ONの場合は、ステップS12で利用登録処理部215を付勢し、利用登録メールを作成させる。具体的に言うと、利用登録処理部215は、フラッシュメモリ31から移動機ソフトウェアのバージョン(版数)情報、移動機のID情報(電話番号)、及び移動機ソフトウェア管理サーバ40のメールアドレスを読み出し、これらの送信データ(版数情報,ID情報)及び送信先メールアドレスをメール通信処理部217に受け渡してメール送信を依頼する。メール通信処理部217はこれらの入力データを元に利用登録メールを作成し、無線通信制御部216に送信を依頼する。これを受けた無線通信制御部216は最寄の無線基地局60を介して無線回線の接続を行い、利用登録メールを送信する。このメールは移動網200,公衆網100を経由し、移動機ソフトウェア管理サーバ40に到達する。
【0033】
移動機ソフトウェア管理サーバ40では、移動機10からの利用登録メールを通信制御部44及びサーバ外部通信制御部416を介して受信し、メール通信処理部415に通知する。メール通信処理部415では受信メールの解析を行い、受信データを主制御部411に通知する。これを受けた主制御部411では、利用者情報処理部412に利用者の登録を要求する。この際の要求パラメータには、移動機のID(例えば09012345678)と、移動機の機種名(例えばF504i)と、移動機制御プログラムのバージョン情報(例えば0001版)とが含まれる。これを受けた利用者情報処理部412は、ステップS13で、利用者情報DB431に対して当該移動機10のID(電話番号),機種名,ソフトウェアバージョンを登録する。こうして、市場に投入された移動機10は移動機ソフトウェア管理サーバ40の管理下におかれる。そして、登録が完了すると、主制御部411に登録完了を通知する。 主制御部411は、この通知を受けたことによりメール通信処理部415に対して、正常終了を表す登録完了メールを移動機10に送信するように依頼する。これを受けたメール通信処理部415は登録完了メールを生成し、これをサーバ外部通信制御部416を介して移動機10に送信する。
【0034】
移動機10では、登録完了メールを受信したことにより、メール通信処理部217が、受信メールを解析し、結果を利用登録処理部215に通知する。利用登録処理部215は、登録結果が正常終了であった場合は、ステップS14で利用登録フラグ321をOFFに設定する。なお、登録結果が異常であった場合は、上記の管理サーバ40への利用登録処理を再起動し、正常に完了するまで処理を継続する。
【0035】
図7は実施の形態によるバージョンアップ通知処理のシーケンス図であり、市場に投入された移動機につきソフトウェアの不具合が発見されると、この処理が行われる。図において、上記不具合を解決するためのバージョンアップ用プログラムが作成されると、保守者は、ステップS21で、保守コンソール46を介してバージョンアップ用プログラム登録の手続▲1▼を行う。これを受けたバージョンアッププログラム処理部413は、ステップS22で、バージョンアップ用プログラムDB432への登録▲1▼を行う。
【0036】
図10(B)に上記手続▲1▼及び登録▲1▼の情報例を示す。保守者の入力情報▲1▼には、機種名:F504i,バージョン:0003,バージョンアップ用プログラム(ファイル名:F504i−003.PAT)の本体が含まれる。バージョンアッププログラム処理部413は、このうちの機種名:F504i,バージョン:0003及びバージョンアップ用プログラムファイル名:F504i−003.PATの各情報を管理情報の記憶エリア432Aに記録し、かつこれに対応するバージョンアップ用プログラムの本体部をバージョンアップ用ファイルの記録エリア432Bに該ファイル名でアクセス可能に記録する。
【0037】
図7に戻り、更に、次の版(0004)のバージョンアップ用プログラムが作成されると、保守者は、ステップS23で、保守コンソール46を介してバージョンアップ用プログラム登録の手続▲2▼を行い、これを受けたバージョンアッププログラム処理部413は、ステップS24で、バージョンアップ用プログラムDB432への登録▲2▼を行う。図10(B)にこの手続▲2▼及び登録▲2▼の情報例を示す。
【0038】
次に、保守者は,移動機ソフトウェアのバージョンアップが必要となると、バージョンアップの指示入力を行う。即ち、ステップS25では、保守者が、バージョンアップの指示入力を行う。この指示は、例えば機種名:F504i,バージョン:0003,0004の入力により行う。これを受けたソフトウェア管理サーバ40では、利用者情報処理部412が、ステップS26で、利用者情報DB431を参照してバージョン毎に送信先IDリストを作成する。
【0039】
図10(A)の利用者情報DB431を参照すると、利用者情報処理部412は、機種名:F504iのうちの、バージョン:0003については2つのID:「09012345602」,「09012345696」を抽出し、またバージョン:0004については3つのID:「09012345697」,「09012345698」,「09012345699」を抽出する。本実施の形態ではこれらのIDに、所定のドメインネーム(例えば@docomo.ne.jp)を付すことで、送信先IDリストを作成する。図11(A)に送信先IDリストの例を示す。
【0040】
ステップS27では、保守者が、必要ならバージョンアップの案内文を入力すると共に、メール送信の決定を行う。なお、案内文については予めあるものを保守者が選択しても良いし、又はメール通信処理部415にて固定文として保持されているものを付与しても良い。
【0041】
これを受けたソフトウェア管理サーバ40では、メール通信処理部415が、ステップS28で、移動機10へのバージョンアップ通知メール(本文,案内文.セパレータ,バージョンアップ通知プログラムコード情報を含む)を作成すると共に、各対応する移動機のメールアドレスを宛先として、バージョンアップ通知メールの送信を行う。
【0042】
図11(B)にバージョンアップ通知メールのフォーマット例を示す。バージョンアップ通知メールは、例えば案内文,セパレータ(以降のデータがバージョンアップ用プログラムコードである事を示す固定文字列等)、バージョンアップ用プログラムコードの構成とする。
【0043】
図12にメールに添付されるバージョンアップ用プログラムのフォーマットを示す。「修正後バージョン」はこのバージョンアップを実行した後の移動機ソフトウェアのバージョン(版数)を示す。この情報は、バージョンアップ完了時に、フラッシュメモリのプログラムバージョンの記憶リア311に書き込まれると共に、移動機ソフトウェア管理サーバ40に通知する際にも使用される。「修正ROMセクタ数」は本メールによるバージョンアップ実行時に書き換え(修正)を行うべきフラッシュメモリ31のセクタ数を表す。「セクタ先頭アドレス」はフラッシュメモリ31上の修正対象セクタの先頭アドレスを表す。「セクタサイズ」はセクタ先頭アドレスからの修正サイズ(バイト)を表す。「コードブロック数」は修正対象セクタ内に連続して書き込み可能な修正用プログラムコードのブロック数を表す。例えば1セクタ内の100〜120番地と、200〜230番地の各内容を書き換える場合はコードブロック数=2となる。「コードアドレス」は後述のコード領域内に格納された修正用プログラムコードを1セクタ内のどの相対番地から展開するのかを表す。「コードサイズ」は1ブロック当たりの連続する修正用プログラムコードが何バイトあるかを表す。例えば100〜119番地までを書き換える場合は、コードサイズ=20を示し、連続するコード領域には20バイト分のプログラムコードが格納されている事を表す。そして、「コード領域」にはフラッシュメモリ31に展開すべき修正用プログラムコードが格納されている。
【0044】
次に、上記バージョンアップ通知メールを受信した移動機10での動作を説明する。移動機10では、ユーザがメールを閲覧する際、本文内にバージョンアップ用メールである事を表すセパレータがあるか否かを検索し、該セパレータを検出すると、当該メールのサブメニュー画面を表示する際には、バージョンアップを行う為のメニュー項目を表示する。また、バージョンアップ状態フラグ322にOFF(バージョンアップ未実施)を記憶する。そして、ユーザが当該サブメニュー画面よりバージョンアップの操作を行った場合は、バージョンアップ処理部213を起動し、この時入力データとしてメール本文内のバージョンアップ用プログラムコードを引き渡す。
【0045】
このバージョンアップ処理は、できるだけ短時間で行うために、不具合のあったセクタのみを書き換える(修正する)方式とする。このためには、図4に示す如く、予めフラッシュメモリ31の各セタク(i〜i+n)をプログラムコードの書込エリア(例えば63Kバイト)と、プログラム修正(パッチ)のための空きエリア(例えば1Kバイト)とに分けておき、セクタ毎の修正用プログラムコードを各パッチエリアに書き込む方法で行う。以下、これを具体的に説明する。
【0046】
図8は実施の形態による移動機バージョンアップ処理のフローチャートで、バージョンアップ処理部213により実行される。ステップS51ではバージョンアップ状態フラグ322をON(実行中)にする。なお、この状態フラグ322は、後述のステップS59におけるROMセクタの消去開始直前にONにしても良い。上記いずれにしても、予めバージョンアップ状態フラグ322をONにしておくのは、最初のセクタ消去実行後に予期せぬ要因により移動機10の電源がOFFにされたような場合には、該移動機10のプログラムが不完全な状態となってしまうため、次回電源ON時にその事がプログラムより識別可能な様にバージョンアップ状態フラグ322をONに書き換えるものである。
【0047】
ステップS52ではレジスタiにバージョンアップ用プログラム中の修正ROMセクタ数をセットする。ステップS53ではi=0か否かを判別し、i=0でない場合は、ステップS54に進み、バージョンアップ用プログラム中のセクタ先頭アドレスで指定されるフラッシュROMアドレスから1セクタ分の修正前のプログラムコードを読出し、これをRAM33のワークエリア331にコピーする。ステップS55ではレジスタjにバージョンアップ用プログラム中のコードブロック数をセットし、かつレジスタkに1をセットする。ステップS56ではj=0か否かを判別する。
【0048】
j=0でない場合は、ステップS57に進み、k(最初は1)番目のコードブロックデータに基づき、前記ワークエリア331上にコピーされたプログラムコードを修正する。ステップS58では、レジスタjに−1し、かつレジスタkには+1する。そして、ステップS56に戻る。こうして、1セクタにつき、コードブロック数分の修正が順次行われる。
【0049】
図12の挿入図(a)に上記プログラム修正処理のイメージを示す。この例では最初の修正セクタにつき2つの修正用コードブロック▲1▼,▲2▼が存在する。まずk=1では、コードブロック▲1▼のコード領域にある修正用プログラムコード▲1▼をRAM領域331のパッチエリアにコピーすると共に、該RAMのプログラムコードエリア中の修正対象位置から該パッチプログラムコード▲1▼の先頭番地にジャンプし、かつ該パッチプログラムコード▲1▼の終わりの番地から前記プログラムコードエリア中の戻り位置にジャンプする(戻る)ように修正を行う。次に、k=2では、次コードブロック▲2▼について上記同様の修正処理を行う。こうして、修正の必要な個所のみが効率よく修正される。
【0050】
図8に戻り、ステップS56ではj=0か否かを判別する。j=0の場合は、1セクタ分の修正準備完了であるので、ステップS59に進み、当該ROMセクタのデータを消去する。ステップS60では、該消去したROMセクタにワークエリア331上の修正後のプログラム(1セクタ分)を書き込む。そして、図示しないが、1つのセクタに書き込み完了した時点で該当セクタへ書き込み禁止設定を行う。ステップS61ではレジスタiに−1し、ステップS53に戻る。
【0051】
ステップS53ではi=0か否かを判別し、やがてi=0になると、全ての修正対象セクタに対しての書き換えが完了したことになる。処理は、ステップS62に進み、バージョンアップ状態フラグをOFF(終了)にする。ステップS63では、自己の制御プログラムがバージョンアップされたことを後に管理サーバ40に知らせるために、利用登録フラグをONにする。そして、この処理を抜ける。
【0052】
なお、移動機10の電源ON時に上記バージョンアップ状態フラグ322=ONの場合には、バージョンアップ処理が何らかの要因により中断したと判断し、上記バージョンアップ処理を再度実行する。
【0053】
図9は実施の形態によるバージョンアップ完了通知のシーケンズ図であり、上記のプログラム修正完了後、この移動機10は出荷時(市場投入時)のプログラムバージョンとは異なるものとなる為、移動機ソフトウェア管理サーバ40に対してバージョンアップを行った旨をメールにて通知する。
【0054】
なお、このバージョンアップ完了通知は、移動機ソフトウェア管理サーバ40の側から見ると、新たなバージョンを有する移動機(但し、ID同一)が新たに利用登録されるのと同様である。従って、このバージョンアップ完了通知のシーケンズは、上記図6で述べた利用登録通知のシーケンスと略同様に行える。但し、この利用登録メールに搭載されるバージョン(版数)は更新後の版数である。これを受けた移動機ソフトウェア管理サーバ40では、ステップS73で、当該端末IDに対応する欄のバージョン(版数)を更新する。そして、ソフトウェア管理サーバ40が登録完了メールを返送すると,これを受けた移動機10は、ステップS74で利用登録フラグをOFFにする。
【0055】
なお、上記実施の形態では移動機10のID情報(電話番号)に一定のドメインネーム(例えば@docomo.ne.jp)を加えることで各移動機毎のメールアドレスを自動的に生成したが、これに限らない。他にも、例えばソフトウェア管理サーバ40に利用登録を行う移動機10の側から自己のメールアドレスを通知するようにしても良い。又は、例えば図2に示す如く、移動網200の通信事業者がメールアドレスサーバ70を設けると共に、ソウトウェア管理サーバ40の側から移動機10のID(電話番号)を伴ってメールアドレスサーバ70にメールアドレスの問い合わせを行い、これを受けたメールアドレスサーバ70からソフトウェア管理サーバ40に当該移動機10のメールアドレスを通知するように構成しても良い。
【0056】
また、上記保守者によるバージョンアップ対象情報(機種名,版数等)の入力は、上記図3に示した如く、保守入力制御部414を介した直接的なものでも良いし、又はサーバ外部通信制御部416を介してのネットワーク経由による遠隔からの入力であっても良い。
【0057】
また、上記本発明に好適なる実施の形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない範囲内で各部の構成、制御、処理及びこれらの組み合わせの様々な変更が行えることは言うまでも無い。
【0058】
(付記1) 複数の携帯端末と、各携帯端末の機種別及び版数別のバージョンアップ用制御プログラムを蓄積・管理する遠隔のソフトウェア管理装置とがメールにより相互に通信可能な移動通信システムであって、前記携帯端末は、外部装置からの端末IDの書き込みを契機として、その後の電源投入時に自端末の機種名と、制御プログラムの版数と、端末IDとを含む利用登録メールを作成し、ソフトウェア管理装置に送信することを特徴とする移動通信システム。
【0059】
(付記2) 前記ソフトウェア管理装置は、携帯端末からの利用登録メールにより通知された当該端末の機種名と、制御プログラムの版数と、端末IDとを記録する利用者情報データベースと、保守者が入力した機種別及び版数別の各バージョンアップ用制御プログラムを記憶するバージョンアップ用プログラムデータベースとを備え、保守者が入力した機種名と版数の指定に基づき、利用者情報データベースから各対応する携帯端末の端末IDを抽出すると共に、該抽出された端末IDのリストを元に、前記入力された機種名及び版数に基づきバージョンアップ用プログラムデータベースから抽出されたバージョンアップ用制御プログラムを含むバージョンアップ通知メールを作成し、これらを各携帯端末に送信することを特徴とする付記1に記載の移動通信システム。
【0060】
(付記3) 複数の携帯端末と、各携帯端末の機種別及び版数別のバージョンアップ用制御プログラムを蓄積・管理するソフトウェア管理装置とがメールにより相互に通信可能な移動通信システムの携帯端末装置であって、自己の制御プログラムを一定サイズのセクタ毎に消去及び書込可能なフラッシュメモリに保持すると共に、予め各セクタを被修正プログラムの記憶エリアと、修正用プログラムの記録エリアとに分割しておき、セクタ単位にプログラム修正を行うことを特徴とする携帯端末装置。
【0061】
(付記4) プログラムの修正は、まずフラッシュメモリ上の該当する1セクタ分の被修正プログラムコードをワークRAM領域上にコピーし、次に受信メール中の修正用プログラムコードを前記ワークRAM領域の被修正プログラムコード上に展開してプログラムの修正を行い、次に、前記1セクタ分のフラッシュメモリ領域を消去し、次に前記ワークRAM領域上の修正後のプロフラムコードを前記1セクタ分のフラッシュメモリ領域に書き込むことを特徴とする付記3に記載の携帯端末装置。
【0062】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によれば、ユーザ所有の携帯通信端末を回収することなく、また容易な操作により端末内プログラムのバージョンアップを行うことができるため、バージョンアップに伴うユーザの利便性の向上及び製品提供側の労力、経費削減に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する図である。
【図2】実施の形態による移動機ソフトウェア管理システムのブロック図である。
【図3】実施の形態による移動機ソフトウェア管理サーバの機能ブロック図である。
【図4】実施の形態による移動機のブロック図である。
【図5】実施の形態による移動機の機能ブロック図である。
【図6】実施の形態による利用登録処理のシーケンス図である。
【図7】実施の形態によるバージョンアップ通知処理のシーケンス図である。
【図8】実施の形態による移動機バージョンアップ処理のフローチャートである。
【図9】実施の形態によるバージョンアップ完了通知のシーケンズ図である。
【図10】実施の形態による各種データベースの記憶構造を示す図である。
【図11】実施の形態によるバージョンアップ通知処理のイメージ図である。
【図12】メールに添付されるバージョンアップ用プログラムのフォーマットを示す図である。
【符号の説明】
10 移動機
40 移動機ソフトウェア管理サーバ
46 保守コンソール(OC)
50 移動体交換機
60 無線基地局
70 メールアドレスサ−バ
80 ID書込端末(外部装置)
100 公衆網
200 移動網
431 利用者情報データベース
432 バージョンアップ用プログラムデータベース
Claims (1)
- 複数の携帯端末と、各携帯端末の機種別及び版数別のバージョンアップ用制御プログラムを蓄積・管理するソフトウェア管理装置とがメールにより相互に通信可能な移動通信システムの携帯端末装置であって、自己の制御プログラムを一定サイズのセクタ毎に消去及び書込可能なフラッシュメモリに保持すると共に、予め各セクタを被修正プログラムの記憶エリアと、修正用プログラムの記録エリアとに分割しておき、セクタ単位にプログラム修正を行うことを特徴とする携帯端末装置。
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