JP4268458B2 - 移動体通信端末 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンテンツデータを外部記憶装置に保存する機能とアプリケーションプログラムを実行する機能とを備えた携帯電話機等の移動体通信端末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、移動体通信端末として、プラットフォームに依存しないオブジェクト指向のプログラミング言語で記述されたアプリケーションプログラムを実行可能な携帯電話機が知られている(例えば特許文献1参照)。例えば、JAVA(登録商標)仮想マシン機能を実装し、JAVA(登録商標)で記述されたアプリケーションプログラムを実行できるようにした携帯電話機が知られている。このような携帯電話機では、移動体通信ネットワーク上のサーバから利用者が所望のアプリケーションプログラムをダウンロードして携帯電話機内に登録しておく。そして、この登録されているアプリケーションプログラムを利用者が起動することにより、携帯電話機のディスプレイ上に3次元動画からなる待ち受け画面を表示させたり、携帯電話機上でゲームや占いを行ったり、音楽を再生したりすることができる。
【0003】
また、従来の携帯電話機では、画像データ、音楽データ等のコンテンツデータを利用する場合があった。このコンテンツデータは、インターネット上の情報提供サイトや携帯電話通信事業者等が管理運営する情報提供システム等からダウンロードされ、携帯電話機の内部メモリに保存されて利用される。そして、このコンテンツデータは、バックアップ等のために着脱可能な外部記憶装置としてのメモリカードに暗号化して保存する場合があった(例えば、特許文献1参照)。このメモリカードをパソコン等に装着してメモリカード内の暗号化済みのコンテンツデータをパソコン等にコピーすれば、コンテンツデータのバックアップが可能となる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−347867号公報
【特許文献2】
特開2002−171251号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
最近では、上記アプリケーションプログラムを利用者が登録して実行できる機能と、コンテンツデータを外部記憶装置としてのメモリカードに保存する機能とを有する多機能の携帯電話機が市販されるようになってきている。このような携帯電話機で実行可能なアプリケーションプログラムの中には、そのアプリケーションプログラムの実行によって画像や音楽等のコンテンツデータを生成するものもある。そして、アプリケーションプログラムの実行停止後に、その生成したコンテンツデータを携帯電話機内で利用したり、上記メモリカードに保存して他の携帯電話機やパソコン等の外部装置でも利用したりすることが考えられる。また、メール機能を有する携帯電話機であれば、上記生成したコンテンツデータをメールに添付して送信し、他の携帯電話機やパソコン等の外部装置で利用することも考えられる。
ところが、上記アプリケーションプログラムの実行によって生成する画像や音楽等のコンテンツデータの中には、著作権で保護され、他の携帯電話機やパソコン等の外部装置での使用が禁止されている場合がある。また、アプリケーションプログラムの作成者によっては、そのアプリケーションプログラムの実行によって生成する画像や音楽等のコンテンツデータを、その携帯電話機内での利用に制限し、他の携帯電話機やパソコン等の外部装置での使用を禁止したい場合もある。
【0006】
本発明は以上の背景の下で鑑みなされたものである。その目的は、アプリケーションプログラムで生成したコンテンツデータを、そのアプリケーションプログラムの実行停止後に利用できるとともに、そのコンテンツデータの著作権に応じて、他の移動体通信端末や外部装置でのコンテンツデータの利用を規制することができる移動体通信端末を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、コンテンツデータを記憶するためのデータ記憶手段と、該データ記憶手段にコンテンツデータを保存するデータ保存手段と、該データ記憶手段内のコンテンツデータを読み出すデータ読出手段と、該データ読出手段で読み出したコンテンツデータを外部記憶装置に保存するデータ外部保存手段と、アプリケーションプログラムを実行するためのアプリケーションプログラム実行手段とを備えた移動体通信端末であって、上記アプリケーションプログラムは、上記アプリケーションプログラム実行手段におけるアプリケーション実行環境の設定データとともにサーバからダウンロードされて当該移動体通信端末に登録され、上記アプリケーションプログラム実行手段で実行されることによってコンテンツデータの生成を伴う処理を行うアプリケーションプログラムであり、上記アプリケーションプログラム実行手段は、上記アプリケーション実行環境の設定データに基づいて、上記コンテンツデータの生成を伴うアプリケーションプログラムを実行し、上記データ保存手段は、上記アプリケーションプログラムの実行によって生成したコンテンツデータを上記アプリケーションプログラム実行手段から受け取って上記データ記憶手段に保存するとき、該コンテンツデータについての著作権の有無を示す著作権情報を該アプリケーションプログラム実行手段から受け取り、該著作権情報を該コンテンツデータと関連付けて保存するように構成し、上記データ外部保存手段は、上記データ読出手段で読み出したコンテンツデータを上記外部記憶装置に保存するとき、該コンテンツデータと関連付けられて保存されている著作権情報に基づき、該著作権情報が著作権なしの情報の場合には該コンテンツデータを該外部記憶装置に転送して保存し、該著作権情報が著作権ありの情報の場合には該コンテンツデータの該外部記憶装置への転送及び保存を行わないように構成したことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の移動体通信端末において、上記アプリケーションプログラム実行手段は、上記アプリケーションプログラムの実行中にコンテンツデータが生成されコンテンツデータ保存機能が呼び出されたとき、保存対象のコンテンツデータ及び該コンテンツデータについての著作権の有無を示す著作権情報とともに、コンテンツデータ保存機能を呼び出すためのコンテンツデータ保存指令を、上記データ保存手段に出力し、該アプリケーションプログラムを一時停止することなくアプリケーション実行環境の関数内でブロック状態とし、該データ保存手段によるコンテンツデータ保存機能を起動するように構成したことを特徴とするものである。
【0009】
請求項1の移動体通信端末では、アプリケーションプログラムの実行によって生成したコンテンツデータを、アプリケーションプログラム実行手段から受け取ってデータ記憶手段に保存することができる。このデータ記憶手段内のコンテンツデータをデータ読出手段で読み出すことにより、そのコンテンツデータを移動体通信端末内で利用することができる。
ここで、上記生成したコンテンツデータが、著作権ありのデータを含むコンテンツデータである場合は、そのコンテンツデータについて著作権ありを示す著作権情報をアプリケーションプログラム実行手段から受け取る。そして、この著作権情報をコンテンツデータと関連付けてデータ記憶手段に保存する。このデータ記憶手段に保存したコンテンツデータを読み出して外部記憶装置へ保存しようとする場合、上記著作権情報が著作権ありを示しているため、そのコンテンツデータの外部記憶装置への保存を実行しない。
一方、著作権ありのデータを含まないコンテンツデータである場合は、そのコンテンツデータについて著作権なしを示す著作権情報をアプリケーションプログラム実行手段から受け取る。そして、この著作権情報をコンテンツデータと関連付けてデータ記憶手段に保存する。このデータ記憶手段に保存したコンテンツデータを読み出して外部記憶装置へ保存しようとする場合、上記著作権情報が著作権なしを示しているため、そのコンテンツデータの外部記憶装置への保存を実行する。
以上のように、上記コンテンツデータと関連付けて保存した著作権情報に基づいて、そのコンテンツデータの外部記憶装置への保存を実行するか否かを切り換えることができる。しかも、上記アプリケーション実行手段から出力される著作権情報は、上記コンテンツデータの内容やアプリケーションプログラムの作成者側の希望に応じて設定できる。従って、アプリケーションプログラムの実行によって生成するコンテンツデータの内容やアプリケーションプログラムの作成者側の希望に応じて、上記外部記憶装置を介した他の移動体通信端末や外部装置でのコンテンツデータの利用を規制することができる。
【0011】
なお、上記「コンテンツデータ」は、移動体通信端末で利用可能な静止画、動画、音楽、音声、ソフトウェア等の各種情報のデータである。
上記「移動体通信端末」としては、PDC(Personal Digital Cellular)方式、GSM(Global System for Mobile Communication)方式、TIA(Telecommunications Industry Association)方式等の携帯電話機、IMT(International Mobile Telecommunications)−2000で標準化された携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、自動車電話機等の電話機のうち、アプリケーションプログラム実行可能なものが挙げられる。また、この「移動体通信端末」としては、上記電話機のほか、電話機能を有しないPDA(Personal Digital Assistance)等の移動型の移動体通信端末も挙げられる。
また、上記「外部記憶装置」としては、移動体通信端末に着脱可能なメモリーカードのほか、メール等の通信を利用して送信されたコンテンツデータを記憶するコンピュータ装置や他の移動体通信端末内の記憶装置がある。また、上記「外部記憶装置」としては、移動体通信端末との間でシリアルケーブル等による近距離有線通信、赤外線や電磁波を介した近距離無線通信でデータ送受信可能な外部装置内の記憶装置も挙げられる。
また、上記移動体通信端末における制御及び情報処理は、その移動体通信端末に設けられたコンピュータで所定のプログラムを実行することによって実現することもできる。このコンピュータで用いるプログラムの受け渡しは、デジタル情報としてプログラムを記録したFD,CD−ROM等の記録媒体を用いて行なってもいいし、コンピュータネットワーク等の通信ネットワークを用いて行なってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を移動体通信端末としての携帯電話機に適用した実施形態について説明する。
図2は、本実施形態に係る携帯電話機20を用いる移動体通信システムの主要部を示す説明図である。この移動体通信システムにおいて、ユーザー1が使用する携帯電話機20は、プラットフォームに依存しないオブジェクト指向プログラミングによって開発されたアプリケーションプログラムを実行可能な構成を有している。このアプリケーションプログラムとしては、JAVA(登録商標)で記述されたアプリケーションプログラムなどが挙げられる。この携帯電話機20は、通信ネットワークとしての携帯電話通信網10に接続可能である。この携帯電話通信網10には、プログラム提供用サーバとしてのアプリケーションプログラムダウンロードサーバ(以下、「ダウンロードサーバ」という。)11が接続されている。また、携帯電話通信網10には、ダウンロードサーバ11のほか、図示しない情報提供サーバ、位置登録サーバ、メールサーバ等も接続されている。なお、これらサーバは単一のサーバで構成してもよい。また、これらのサーバは、互いに異なる構成を有する専用の制御装置として構成してもいいし、汎用のコンピュータシステムを用いて構成してもよい。また、各サーバは、1台のコンピュータで構成してもいいし、複数の機能をそれぞれ受け持つ複数台のコンピュータをネットワークで結んで構成してもよい。
【0013】
ダウンロードサーバ11は、携帯電話機20からのダウンロード要求を受け付けると、その要求に係るアプリケーションプログラムを携帯電話機20に対して送信する。また、Webサーバ12は、携帯電話機20からの閲覧要求を受け付けると、その要求に係る閲覧画面であるWebページ画面を携帯電話機20に対して送信する。
【0014】
ダウンロードサーバ11から提供されるアプリケーションプログラムは、アプリケーションプログラムの開発元2から提供される。具体的には、例えば、アプリケーションプログラム開発元2側のパーソナルコンピュータ等から、専用回線や公衆回線を介してダウンロードサーバ11にアップロードして提供する。なお、開発したアプリケーションプログラムを記録した光ディスクや磁気ディスク等の記録媒体を、アプリケーションプログラム開発元2からダウンロードサーバ11を管理・運営する通信事業者に送り、その記録媒体内のアプリケーションプログラムをダウンロードサーバ11で読み取るようにして、提供してもよい。このようにして提供されたアプリケーションプログラムは、携帯電話機20から携帯電話通信網10を介してダウンロード可能な状態でダウンロードサーバ11に登録される。
【0015】
上記位置登録サーバは、各携帯電話機20の位置している現在位置の情報すなわち各携帯電話機10が位置している位置登録管理エリアの位置情報を登録して管理するサーバである。この位置登録管理エリアは、各携帯電話機20と無線通信する基地局が管轄する一つのセルからなるエリアであっていいし、隣接する複数のセルを一つのグループとして管理されるエリアであってもよい。一つの位置登録管理エリアの典型的なサイズは数km〜数百mである。上記位置登録サーバに対する各携帯電話機20の位置登録は、電源ON時に、定期的に、及び携帯電話機20が位置するセルが変わるたびに行われる。
【0016】
上記情報提供サーバは、各位置登録管理エリアの基地局を介して、所定の通信チャンネルによって地域情報、該当する位置登録管理エリアの位置情報(緯度、経度、住所)、コンテンツ情報等の各種情報を配信する。このように各種情報が送信されている通信チャンネルについて、携帯電話機10が所定のタイミングで受信動作を実行することにより、その通信チャンネルで送信されている情報を取得し情報記憶手段としての内部メモリーに保存することができる。各通信チャンネルに対する受信動作は、予め初期設定で設定されているタイミングや、利用者が設定したタイミングで実行することができる。この受信動作は定期的に実行してもいいし、不定期に実行してもよい。
【0017】
上記メールサーバは、各携帯電話機20から送信されたメールのデータを次のメールサーバに転送したり、各携帯電話機20宛に送られてきたメールを受信して保存・管理し、各携帯電話機20からのメール取得要求に応じて受信メールのデータを各携帯電話機に送信したりする。
【0018】
図3は、携帯電話機20の外観図であり、図4は、その携帯電話機20のハードウェア構成を示す概略構成図である。
この携帯電話機20は、クラムシェル(折り畳み)タイプの携帯電話機であり、システムバス200、CPU201、RAM202やROM203等からなるデータ記憶手段、入力装置204、出力装置205、携帯電話用通信装置206、メモリーカードドライブ装置207、撮像手段としての撮像デバイス208を備えている。CPU201やRAM202等の構成要素は、システムバス200を介して、互いに各種データや後述のプログラムの命令等のやり取りを行っている。上記入力装置204は、データ入力キー(テンキー、*キー、#キー)21、通話開始キー22、終話キー23、スクロールキー24、多機能キー25、マイク26等から構成されている。上記出力装置205は、画像表示手段である液晶ディスプレイ(LCD)27、スピーカ28等から構成されている。
【0019】
上記携帯電話用通信装置206は、携帯電話通信網10を介して他の携帯電話機や上述したサーバ11等と通信するためのものである。この携帯電話用通信装置206は、携帯電話機通信網10を介して他の携帯電話機とメールのやり取りを行ったり、携帯電話機通信網10からゲートウェイサーバを介して、インターネット等の外部の通信ネットワークに接続し、インターネット上での電子メールのやり取り等を行ったりするためのものである。更に、この携帯電話用通信装置206は、携帯電話通信網10を介して、ダウンロードサーバ11が提供するアプリケーションプログラムをダウンロードしたり、現在位置の位置情報を含む配信情報を受信したりする情報受信手段としても用いられる。
【0020】
また、上記ユーザー1が操作可能な上述のテンキー21、通話開始キー22、終話キー23等で構成されている操作部を操作することにより、ユーザーは、携帯電話機20に対してURL等のデータを入力したり、電話着信の際に通話の開始及び終了を行ったり、アプリケーションプログラムの選択、起動及び停止を行ったりすることができる。また、ユーザーは操作部を操作することにより、上記ダウンロードサーバ11からアプリケーションプログラムをダウンロードして登録したり、登録したアプリケーションプログラムを選択して実行したりすることができる。また、ユーザーは操作部を操作することにより、携帯電話通信網10の情報提供サーバから受信した情報を表示することもできる。
【0021】
上記液晶ディスプレイ(LCD)27やスピーカ28等からなる出力装置等で構成されている出力部は、携帯電話通信網10を介して受信したWebページ画面を液晶ディスプレイ(LCD)27に表示したり、携帯電話通信網10から情報を着信した旨をユーザーに報知したりするときに用いられる。具体的には、その情報を着信すると、出力部の液晶ディスプレイ(LCD)27に着信報知画像を表示したり、スピーカ28から着信音を出力させたりする。また、出力部は、上記ゲーム等のアプリケーションプログラムの実行中に、そのプログラム実行に関連した画像の表示や音の出力に用いたり、情報提供サーバから受信した情報を表示したりするときにも用いられる。
【0022】
上記メモリーカードドライブ装置207は、メモリーカード29を着脱可能にするための機構を有するとともに、メモリーカード29の電極端子に接触する端子を介してデータ送受信するインターフェース部を有している。
【0023】
上記撮像デバイス208としては、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOSカメラを用いることができる。また、使用環境に応じて、信号処理機能を備えた高速撮像が可能な人工網膜カメラや、赤外線やガンマ線等の可視光線以外の波長領域に感度を有するカメラを用いてもよい。この撮像デバイス208のカメラレンズ部30は、液晶ディスプレイ(LCD)27がある前面とは反対側の背面に設けられている。この撮像デバイス208は、人物や風景等の画像を撮影したり、接写機能により後述のコード画像を撮影したりするときに用いられる。
【0024】
図5は、上記携帯電話機20の主要部を抽出して示した機能ブロック図であり、図6は、その携帯電話機20におけるソフトウェア構造の説明図である。
この携帯電話機20は、主制御部210と、アプリケーションプログラム実行手段211と、各種データを記憶するデータ記憶手段(内部メモリ)212と、着脱可能な外部記憶装置(メモリーカード)220を備えている。主制御部210は、データ保存手段213と、データ読出手段214と、データ外部保存手段215とを有している。この携帯電話機20は、CPU等からなるハードウェア上で所定のプログラムを実行することにより、アプリケーションプログラム実行手段211、データ保存手段213、データ読出手段214及びデータ外部保存手段215の各機能を実現している。
【0025】
上記アプリケーションプログラム実行手段(アプリケーションプログラム実行管理部)211は、上述のシステムバス200、CPU201やRAM202等で構成されている。このアプリケーションプログラム実行手段211は、図6のソフトウェア構造上において中央の「プログラム実行環境」に対応しており、オブジェクト指向プログラミングで開発されたアプリケーションプログラムに利用されるクラスライブラリ、実行環境管理ライブラリ、アプリケーション管理等のソフトウェアを提供し、アプリケーションプログラムの実行環境を管理する。
ここで、アプリケーションプログラムは、クラスライブラリAPI(アプリケーションインターフェース)を介して上記プログラム実行環境内にある関数等のクラスライブラリを呼び出して使用できるようになっている。この関数等のクラスライブラリの呼び出しの履歴は、アプリケーションプログラムの仮想的な実行環境(仮想マシン:VM)が終了するまで保持される。
また、プログラム実行環境内の実行環境管理ライブラリは、電話機プラットフォームAPIを介して後述の電話機プラットフォーム内の電話機プラットフォームライブラリを呼び出して使用できるようになっている。
【0026】
上記データ保存手段213は、上述のシステムバス200やCPU201等で構成され、RAM202等の内部メモリからなるデータ記憶手段212にコンテンツデータを保存する機能を有している。更に、このデータ保存手段213は、アプリケーションプログラムの実行によって生成したコンテンツデータをアプリケーションプログラム実行手段211から受け取ってデータ記憶手段212に保存するとき、外部保存制御情報をコンテンツデータと関連付けて保存する。この外部保存制御情報は、当該コンテンツデータの外部記憶装置(メモリーカード)220への保存を許可するか否かを示す情報であり、例えば当該コンテンツデータについての著作権の有無を示す著作権情報である。
【0027】
上記データ読出手段214は、上述のシステムバス200やCPU201等で構成され、データ記憶手段212内に保存されているコンテンツデータや著作権情報を読み出す機能を有している。このデータ読出手段214で読み出したコンテンツデータは、上記アプリケーションプログラムの実行停止後、携帯電話機内で使用することができる。例えば、画像のコンテンツデータであれば液晶ディスプレイ(LCD)27に表示し、音楽のコンテンツデータであればスピーカ28から出力することができる。また、データ読出手段214で読み出したコンテンツデータは、後述のデータ外部保存手段215で外部記憶装置220のメモリーカード29に転送して保存することもできる。
【0028】
上記データ外部保存手段215は、上述のシステムバス200、CPU201、メモリーカードドライブ装置207等で構成され、データ読出手段214で読み出したコンテンツデータを外部記憶装置に保存する機能を有している。また、このデータ外部保存手段215は、上記コンテンツデータと関連付けて保存している外部保存制御情報に基づいて、当該コンテンツデータの外部記憶装置220への保存を実行するか否かを切り換えるように構成されている。
【0029】
また、上記主制御部210は、アプリケーションプログラム実行手段211、データ記憶手段212等との間で制御命令や各種データのやりとりを行い、これらと協働して制御を行う。また、主制御部210は、図6のソフトウェア構造上において最下部の「電話機プラットフォーム」にあり、上記電話通信等を制御するための制御用プログラムやユーザインターフェースを実行したり、電話機プラットフォームライブラリを提供したりする。この電話機プラットフォームは、上記プログラム実行環境内の実行環境管理ライブラリに対してイベントを送ることによりアプリケーションプログラムにおける各種処理を実行したり、アプリケーション管理APIを介して上記プログラム実行環境内のアプリケーション管理のソフトウェアを呼び出して使用したりできるようになっている。
【0030】
携帯電話機20を所定の手順に従って動作させる電話機プラットフォームを構築するための制御用プログラムは、RAM202やROM203に記憶されている。また、基本OS(オペレーティングシステム)のプログラムや、上記プログラム実行環境を構築するためのプログラム及びアプリケーションプログラムも、RAM202やROM203に記憶されている。そして、これらのプログラムは、必要に応じてCPU201やRAM202中の作業エリアに呼び出されて実行される。
【0031】
上記構成の携帯電話機20において、ダウンロードサーバ11からアプリケーションプログラムをダウンロードするときは、ユーザー1は、操作部のキーを操作して、ダウンロードサーバ11にアクセスする。これにより、ダウンロード可能なアプリケーションプログラムを選択するためのダウンロード選択画面がディスプレイ27上に表示される。そして、そのダウンロード選択画面において、ユーザーが希望するアプリケーションプログラムをスクロールキー24を用いて選択し、多機能キー25を押下すると、主制御部が携帯電話通信網用通信装置206を制御して、そのアプリケーションプログラムをダウンロードサーバ11からダウンロードする。
具体的に説明すると、本実施形態において、アプリケーションプログラムは、プロパティ情報であるJADファイル(テキストデータ)とプログラム本体であるJARファイル(バイナリデータ)とからなる。JADファイルには、アプリケーション名、アプリケーションのバージョン、アプリケーションのベンダー名、JARファイルが保存されているURLデータなどの基本データのほか、当該アプリケーションプログラムが認証済みのものか、当該アプリケーションプログラムがネットワークに接続した状態で使用されるものか、当該アプリケーションプログラムが常駐型のものであるかなどの設定データが含まれている。また、このJADファイルには、当該アプリケーションプログラムに関する関連情報を公開している公式WebページのURL(配信元アドレスデータ)も含まれている。そして、上記ダウンロード選択画面においてユーザーが希望するアプリケーションプログラムが選択されると、アプリケーションプログラムのうちJADファイルだけをダウンロードする。その後、主制御部210は、そのJADファイルの中から、JARファイルが保存されているURLデータを読み出し、そのURLにアクセスし、JARファイルをダウンロードする。このようにしてダウンロードされたJADファイル及びJARファイルからなるアプリケーションプログラムは、主制御部210により、RAM102に記憶される。
【0032】
このようにしてダウンロードしたアプリケーションプログラムを実行する場合、ユーザー1は、操作部のキーを操作して、実行するアプリケーションプログラムを選択するためのアプリケーション選択画面をディスプレイ27上に表示させる。そして、そのアプリケーション選択画面において、ユーザーが希望するアプリケーションプログラムをスクロールキー24を用いて選択し、多機能キー25を押下すると、上記アプリケーションプログラム実行手段(アプリケーションプログラム管理部)211は、JARファイルを読み出してアプリケーションプログラムを起動する。このとき、必要に応じて、JADファイルの設定データを参照し、その設定データに従った処理動作を行う環境を設定する。また、アプリケーションプログラム実行中に特定の処理動作を行う際、その処理動作に関するJADファイルの設定データを参照し、そのアプリケーションプログラムに適した処理動作を行うようにする。アプリケーションプログラムとしては、操作部の各種キーを操作してゲーム等を楽しむアプリケーションプログラムのほか、ディスプレイ27上に3次元動画からなる待ち受け画面を表示させたりする常駐型のアプリケーションプログラムなど、あらゆるアプリケーションプログラムが含まれる。
【0033】
次に、本発明の特徴部分である、アプリケーションプログラムの実行中に生成したコンテンツデータをメモリーカードへ保存するときの動作について説明する。
図1は、アプリケーションプログラムの実行中にコンテンツデータを生成してから、そのコンテンツデータをメモリーカードへ転送して保存するまでの処理を示すシーケンス図である。
ユーザーは、携帯電話機20の液晶ディスプレイ(LCD)27に表示したアプリケーションプログラムのリストから希望のアプリケーションプログラムを選択して実行することができる。このアプリケーションプログラムは、その実行中に画像や音楽のコンテンツデータを生成するようなプログラムである。例えば、アプリケーションプログラムの実行中に、フレーム画像を指定して撮像デバイス208を用いて写真撮影し、撮影したフレーム付きの画像のコンテンツデータを生成するアプリケーションプログラムである。
【0034】
上記アプリケーションプログラムの実行中にコンテンツデータが生成されると、コンテンツデータ保存機能が呼び出される。この呼び出しがあると、アプリケーション実行環境を構築しているアプリケーションプログラム実行手段(アプリケーションプログラム実行管理部)211は、プラットフォーム側の主制御部210に、保存対象のコンテンツデータ及び外部保存制御情報としての著作権情報とともに、コンテンツデータ保存機能を呼び出すためのコンテンツデータ保存指令を出力する。このコンテンツデータ保存機能が呼び出された場合には、アプリケーションプログラムを一時停止することなくアプリケーション実行環境の関数内でブロック状態とし、主制御部210内のコンテンツデータ保存機能を起動する。
ここで、上記生成したコンテンツデータが著作権付きの画像や音楽を含む場合、上記著作権情報として著作権有りの情報を出力する。例えば、上記写真撮影したときに用いたフレーム画像が著作権付きの画像であるときは、著作権情報として著作権有りの情報を出力する。一方、上記生成したコンテンツデータが著作権付きの画像や音楽を含まない場合は、著作権情報として著作権なしの情報を出力する。
【0035】
上記コンテンツデータ保存指令を受けた主制御部210は、保存対象のコンテンツデータと外部保存制御情報としての著作権情報とを関連付けて、データ記憶手段(内部メモリ)212内の所定のデータフォルダーに保存する。
【0036】
主制御部210は、コンテンツデータ及び著作権情報の保存が完了すると、データ保存が完了した旨のデータ保存処理結果の情報をアプリケーションプログラム実行手段(アプリケーションプログラム実行管理部)211に渡す。
【0037】
上記データ保存処理結果の情報を受け取ったアプリケーションプログラム実行手段(アプリケーションプログラム実行管理部)211は、上記ブロック状態を解除し、アプリケーションプログラムの実行を自動的に再開する。
【0038】
その後、アプリケーションプログラムの実行を停止した場合、上記データ記憶手段(内部メモリ)212内の所定のデータフォルダーに保存した画像や音楽のコンテンツデータは、携帯電話機20内で読み出して利用することができる。例えば、画像のコンテンツデータであれば液晶ディスプレイ(LCD)27上に待受け画面としてに表示することができる。また、音楽のコンテンツデータであればスピーカ28から出力することができる。
また、アプリケーションプログラムの実行停止後、上記データ記憶手段(内部メモリ)212に保存したコンテンツデータを外部記憶装置220のメモリーカード29へ転送して保存するときの制御は、次のように実行される。
【0039】
図7は、上記コンテンツデータを外部記憶装置220のメモリーカード29へ転送して保存するときの制御のフローチャートである。
まず、ユーザは、操作部の所定のキーを操作することにより、転送対象のコンテンツデータを特定して転送・保存を指示する。この操作により、上記データ記憶手段(内部メモリ)212内の所定のデータフォルダーに保存されている転送対象のコンテンツデータが、そのコンテンツデータに関連付けられて保存されている著作権情報とともに読み出される(ステップ1)。
次に、上記読み出した著作権情報の内容を確認し、当該コンテンツデータを外部記憶装置220のメモリーカード29へ転送して保存することを許可するか否か、すなわち当該コンテンツデータの外部保存が可能な否かを判断する(ステップ2、3)。
ここで、コンテンツデータが著作権付きのデータを含まず外部保存が可能であると判断した場合は、そのコンテンツデータを外部記憶装置220のメモリーカード29へ転送して保存する(ステップ4)。一方、コンテンツデータが著作権付きのデータを含み外部保存ができないと判断した場合は、そのコンテンツデータの転送・保存を行わずに終了する。
【0040】
以上、本実施形態によれば、アプリケーションプログラムの実行によって生成したコンテンツデータをデータ記憶手段(内部メモリ)212に保存することにより、アプリケーションプログラムの実行停止後に、そのコンテンツデータをデータ記憶手段(内部メモリ)212から読み出して携帯電話機20内で利用することができる。このようにアプリケーションプログラムの実行中に生成した著作権付きのデータを含むコンテンツデータを、アプリケーションプログラムの実行停止後に携帯電話機20内で利用できるようになるため、ユーザの満足度が向上する。また、コンテンツデータを供給するコンテンツプロバイダーにとってもコンテンツの新しい展開が可能になる。
【0041】
また、本実施形態によれば、上記コンテンツデータの外部記憶装置220のメモリーカード29への保存を実行するか否かの切り換えに用いる外部保存制御情報(著作権情報)に、コンテンツデータの内容やアプリケーションプログラムの作成者側の希望に応じて、そのコンテンツデータの外部記憶装置220への保存を許可するか否かの情報を設定できる。従って、アプリケーションプログラムの実行によって生成するコンテンツデータの内容(例えば著作権付きか否か)や、アプリケーションプログラムの作成者側の希望に応じて、上記外部記憶装置220を介した他の携帯電話機やパソコン等の外部装置でのコンテンツデータの利用を規制することができる。また、アプリケーションプログラムの実行によって生成することができるコンテンツデータの著作権の面でも特定の携帯電話機内での「個人利用」に制限するという保護が可能となるため、かかるコンテンツデータを供給するコンテンツプロバイダーの参入を促進することができる。
【0042】
なお、上記実施形態では、外部記憶装置220が携帯電話機に着脱可能なメモリーカード29である場合について説明したが、本発明は、メモリーカード以外の他の外部記憶装置の場合についても同様に適用することができる。
例えば、メール等の通信を利用して送信されたコンテンツデータを記憶するコンピュータ装置(サーバ)や他の携帯電話機内のメモリが、外部記憶装置である場合にも適用できる。この場合は、上記外部保存制御情報(著作権情報)に基づいて、コンテンツデータのメールへの添付処理やデータ送信等の処理を実行するか否かを切り換える。
また、携帯電話機との間でシリアルケーブル等による近距離有線通信、赤外線や電磁波を介した近距離無線通信でデータ送受信可能なパソコン等の外部装置内の記憶装置が、外部記憶装置である場合に同様に適用できる。この場合は、上記外部保存制御情報(著作権情報)に基づいて、コンテンツデータの上記パソコン等の外部装置への転送処理を実行するか否かを切り換える。
【0043】
また、上記実施形態では、JAVA(登録商標)等のプログラム言語を用いたプラットフォームに依存しないオブジェクト指向のプログラミングで開発されたアプリケーションプログラムを実行できる携帯電話機について説明したが、本発明は、携帯電話機で実行するアプリケーションプログラムの種類に限定されることなく適用でき、同様な効果が得られるものである。
また、本発明は、アプリケーションプログラムを実行可能で、かつ、通信ネットワーク上で配信されている閲覧画面を閲覧可能なものであれば、PHS、自動車電話機等の電話機のほか、携帯型のPDAの場合についても適用でき、同様な効果が得られるものである。
【0044】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、アプリケーションプログラムの実行によって生成したコンテンツデータをデータ記憶手段に保存することにより、アプリケーションプログラムの実行停止後に、そのコンテンツデータをデータ記憶手段から読み出して移動体通信端末内で利用することができる。しかも、上記コンテンツデータと関連付けて保存した著作権情報に基づいて、そのコンテンツデータの外部記憶装置への保存を実行するか否かを切り換えることができるので、アプリケーションプログラムの実行によって生成するコンテンツデータの著作権に応じて、上記外部記憶装置を介した他の移動体通信端末や外部装置でのコンテンツデータの利用を規制することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話機におけるアプリケーションプログラム実行中のコンテンツデータの生成からメモリーカードへ転送保存までの処理を示すシーケンス図。
【図2】同携帯電話機を用いる移動体通信システムの主要部を示す説明図。
【図3】同携帯電話機の外観図。
【図4】同携帯電話機のハードウェア構成を示す概略構成図。
【図5】同携帯電話機の主要部を抽出して示した機能ブロック図。
【図6】同携帯電話機におけるソフトウェア構造の説明図。
【図7】コンテンツデータを外部記憶装置のメモリーカードへ転送して保存するときの制御のフローチャート。
【符号の説明】
10 携帯電話通信網
20 携帯電話機
29 メモリーカード
210 主制御部
211 アプリケーションプログラム実行手段
212 データ記憶手段
213 データ保存手段
214 データ読出手段
215 データ外部保存手段
220 外部記憶装置
Claims (1)
- コンテンツデータを記憶するためのデータ記憶手段と、該データ記憶手段にコンテンツデータを保存するデータ保存手段と、該データ記憶手段内のコンテンツデータを読み出すデータ読出手段と、該データ読出手段で読み出したコンテンツデータを外部記憶装置に保存するデータ外部保存手段と、アプリケーションプログラムを実行するためのアプリケーションプログラム実行手段とを備えた移動体通信端末であって、
上記アプリケーションプログラムは、上記アプリケーションプログラム実行手段におけるアプリケーション実行環境の設定データとともにサーバからダウンロードされて当該移動体通信端末に登録され、上記アプリケーションプログラム実行手段で実行されることによってコンテンツデータの生成を伴う処理を行うアプリケーションプログラムであり、
上記アプリケーションプログラム実行手段は、上記アプリケーション実行環境の設定データに基づいて、上記コンテンツデータの生成を伴うアプリケーションプログラムを実行し、
上記データ保存手段は、上記アプリケーションプログラムの実行によって生成したコンテンツデータを上記アプリケーションプログラム実行手段から受け取って上記データ記憶手段に保存するとき、該コンテンツデータについての著作権の有無を示す著作権情報を該アプリケーションプログラム実行手段から受け取り、該著作権情報を該コンテンツデータと関連付けて保存するように構成し、
上記データ外部保存手段は、上記データ読出手段で読み出したコンテンツデータを上記外部記憶装置に保存するとき、該コンテンツデータと関連付けられて保存されている著作権情報に基づき、該著作権情報が著作権なしの情報の場合には該コンテンツデータを該外部記憶装置に転送して保存し、該著作権情報が著作権ありの情報の場合には該コンテンツデータの該外部記憶装置への転送及び保存を行わないように構成したことを特徴とする移動体通信端末。
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