JP3981289B2 - 発泡性エアゾール組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発泡性エアゾール組成物に関する。詳細には、水性原液中に炭化水素が可溶化したクリアな外観を有し、水性原液と油性成分である炭化水素とは分離せず使用前に振る必要がない均一な発泡性エアゾール組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水性原液と液化ガスとからなり、均一(1液)なエアゾール組成物について、種々開示されている。
【0003】
特許第2862491号公報には、ジメチルエーテルなどのC1〜C6アルキルエーテルとプロパン、ブタンなどのC3〜C6炭化水素との混合噴射剤0.5〜20重量%、界面活性剤(C6〜C20アルキルポリグルコシドなど)0.5〜40重量%、およびカップリング剤(PPG−10ブタンジオール)0.5〜20重量%を含有する透明な単一相化粧品組成物が記載されている。
【0004】
前記化粧品組成物は、噴射剤として両親媒性のジメチルエーテルを必須成分としているため、均一な組成物が得られやすいが、ジメチルエーテルの配合量が多くなると発泡性が悪くなるという問題がある。
【0005】
また、前記化粧品組成物を充填する容器としてポリエチレンテレフタレートなどの樹脂製容器を用いた場合には、ジメチルエーテルにより容器が白化され、容器の耐圧強度が低下する、さらには製品としての外観を損なうなどの問題が生じやすい。
【0006】
また、特許第2988730号公報には、噴霧ガス0.5〜10重量%と、非イオン性界面活性剤および両性界面活性剤から選択される界面活性剤の混合物を含む水性組成物90〜99.5重量%とを含有する単相で透明な組成物が記載されている。前記非イオン性界面活性剤として、乳化型界面活性剤と増粘界面活性剤を用いることが好ましいことが記載されている。
【0007】
しかしながら、噴霧ガスの分離を抑え、安定な組成物とするために水性組成物を増粘界面活性剤にて増粘させているため、泡状の吐出物がべたついたり、塗り伸ばしにくいなど使用感が悪いという問題がある。
【0008】
また、特開平9−143039号公報には、高級アルコール、界面活性剤、エタノールおよび水からなる原液と、液化石油ガスとを含有する噴射剤とからなり、原液と噴射剤とが均一な液相を形成するエアゾール組成物が記載されている。
【0009】
しかしながら、水を含む原液に高級アルコールを配合しているため、低温時に高級アルコールが析出しやすく、バルブや吐出部材で詰まりやすいという問題がある。
【0010】
また噴射剤の具体例としてLPG(液化石油ガス)とDME(ジメチルエーテル)との比率が100:0〜50:50であることが好ましいと記載されているが、実施例においてはすべてがLPGとDMEとの混合物を用いており、均一なエアゾール組成物は得られやすいものの、発泡性の低下や容器への影響などの問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記課題を解決し、水性原液と炭化水素とを均一な状態にし、長期間静置した場合であっても水性原液と油性成分である炭化水素とは分離せず、使用前に振る必要がない発泡性エアゾール組成物を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、HLBが13〜17である非イオン型界面活性剤を1〜50重量%含有する水性原液90〜99.5重量%と、炭素数が3〜6である炭化水素0.5〜10重量%とからなるエアゾール組成物であって、25℃における透過度が70〜100%であって、該非イオン型界面活性剤がポリグリセリン脂肪酸エステルであり、該水性原液中に2価または3価のポリオールを10〜50重量%含有する発泡性エアゾール組成物に関する。
【0013】
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、ペンタグリセリルモノラウレート、ペンタグリセリルモノミリステート、ペンタグリセリルモノオレエート、ペンタグリセリルモノステアレート、ヘキサグリセリルモノラウレート、ヘキサグリセリルモノミリステート、デカグリセリルモノラウレート、デカグリセリルモノミリステートおよびデカグリセリルモノオレエートから選ばれる一種、またはこれらの混合物であることが好ましい。
さらに、加圧剤を含有することが好ましい。
前記ポリオールが、炭素を2〜6個有することが好ましい。
前記水性原液中にポリオールを20〜40重量%含有することが好ましい。
前記水性原液中に、さらにHLBが13より小さい非イオン型界面活性剤を、その配合量が前記ポリグリセリン脂肪酸エステルとの合計量が3〜50重量%となるように含有することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のエアゾール組成物は、HLBが13〜17である非イオン型界面活性剤1〜50重量%を含有する水性原液90〜99.5重量%と、炭素数が3〜6の炭化水素0.5〜10重量%とからなり、25℃における透過度が70〜100%であって、該非イオン型界面活性剤がポリグリセリン脂肪酸エステルであり、該水性原液中に2価または3価のポリオールを10〜50重量%含有する均一な発泡性エアゾール組成物であることを特徴としている。
【0015】
特定範囲のHLBを有する非イオン型界面活性剤を特定量配合した水性原液と、特定の炭素数を有する炭化水素とを特定の割合で配合することにより、エアゾール組成物は均一となり、特定の透過度を有する発泡性エアゾール組成物が得られる。
【0016】
そのため、本発明のエアゾール組成物は、長期間静置した場合であっても、水性原液と油性成分である炭化水素とは分離せず、使用前に容器を振り、容器内のエアゾール組成物を混合させる操作が不要となり、化粧台や洗面台、テーブル、陳列棚などに固定したり、据え置いた状態でエアゾール組成物を使用することができる。
【0017】
前記HLB13〜17である非イオン型界面活性剤は、水性原液と炭化水素とが層分離、あるいはエアゾール組成物が炭化水素により白濁しない状態にし、透明で均一なエアゾール組成物とするために、さらに前記エアゾール組成物を吐出したとき、炭化水素が気化してフォーム(発泡物)を形成するために用いられる。またエアゾール組成物をクレンジング剤として使用する場合は、皮膚上の不要な油分を乳化させ、除去する有効成分として用いられる。
【0018】
前記界面活性剤のHLBは13〜17、さらには13.5〜16.5であることが好ましい。HLBが13より小さい、もしくは17をこえる場合は水性原液と炭化水素とが分離しやすくなり、均一なエアゾール組成物が得られない。
【0019】
前記HLBが13〜17である非イオン型界面活性剤としては、ペンタグリセリルモノラウレート(14.0)、ペンタグリセリルモノミリステート(13.0)、ペンタグリセリルモノオレエート(13.0)、ペンタグリセリルモノステアレート(13.0)、ヘキサグリセリルモノラウレート(14.5)、ヘキサグリセリルモノミリステート(13.0)、デカグリセリルモノラウレート(15.5)、デカグリセリルモノミリステート(14.0)、デカグリセリルモノオレエート(14.5)などのポリグリセリン脂肪酸エステル、POE(20)ソルビタンモノラウレート(16.9)、POE(20)ソルビタンモノパルミテート(15.6)、POE(20)ソルビタンモノステアレート(14.9)、POE(20)ソルビタンモノオレエート(15.0)、POE(20)ソルビタンモノイソステアレート(15.0)などのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、POE(25)モノステアレート(15.0)などのポリエチレングリコール脂肪酸エステル、POE(9)ラウリルエーテル(14.5)、POE(15)セチルエーテル(15.5)、POE(20)セチルエーテル(17.0)、POE(10)オレイルエーテル(14.0)、POE(15)オレイルエーテル(16.0)、POE(20)オレイルエーテル(17.0)、POE(20)ベヘニルエーテル(16.5)などのポリオキシエチレンアルキルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテル(16.5)などのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、POE(60)ソルビットテトラステアレート(13.0)、POE(60)ソルビットテトラオレエート(14.0)、POE(6)ソルビットモノラウレート(15.5)などのポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、POE(15)グリセリルモノステアレート(13.5)、POE(15)グリセリルモノオレエート(14.5)などのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、POE(50)硬化ヒマシ油(13.5)、POE(60)ヒマシ油(14.0)、POE(60)硬化ヒマシ油(14.0)、POE(80)硬化ヒマシ油(15.0)、POE(100)硬化ヒマシ油(16.5)などのポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、POE(10)ラノリンアルコール(15.5)、POE(20)ラノリンアルコール(16.0)、POE(40)ラノリンアルコール(17.0)などのポリオキシエチレンラノリンアルコール、などがあげられる。
【0020】
前記HLBが13〜17の非イオン型界面活性剤は単独もしくは混合して配合することも可能であるが、前記界面活性剤のうちポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、またはポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルを配合する場合には、他の界面活性剤を混合しなくてもエアゾール組成物を均一とすることができ、製造が容易になる点から好ましい。さらに、界面活性剤を多く配合した場合であっても、水性原液が増粘しにくく炭化水素と混合しやすい点、低温時でも発泡性に優れている点、さらにべたつき感や皮膚刺激性が少ないなどの使用感に優れたフォームが得られる点からポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを配合することが好ましい。
【0021】
前記HLBが13〜17の非イオン型界面活性剤の配合量は、水性原液中1〜50重量%であり、2〜40重量%であることが好ましい。配合量が1重量%より少ないと、水性原液と炭化水素とが分離しやすい、あるいはエアゾール組成物が炭化水素により白濁しやすく、透明で均一なエアゾール組成物が得られにくくなり、50重量%をこえると水性原液の粘度が高くなり取り扱いにくくなる、さらにはべたつき感や皮膚刺激性が強くなるなどの使用感が低下するなどの問題が生じる傾向にある。
【0022】
また水性原液と炭化水素とを均一な状態にし易くするために、さらに吐出物の発泡性を向上させる補助剤として、前記HLBが13〜17の非イオン型界面活性剤とともに、HLBが13より小さい、もしくは17をこえる非イオン型界面活性剤や、陽イオン型界面活性剤、陰イオン型界面活性剤、両性型界面活性剤、シリコーン界面活性剤、天然系界面活性剤などの他の界面活性剤を用いても良い。
【0023】
前記HLBが13より小さい、もしくは17をこえる非イオン型界面活性剤としては、ソルビタンモノラウレート(8.6)、ソルビタンモノパルミテート(6.7)、ソルビタンモノステアレート(4.7)、ソルビタンセスキステアレート(4.2)、ソルビタンモノオレエート(4.3)、ソルビタンセスキオレエート(3.7)、ソルビタントリオレエート(1.7)などのソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリルモノステアレート(1.5〜10.0)、グリセリルモノミリステート(3.5〜8.5)などのグリセリン脂肪酸エステル類、ジグリセリルモノステアレート(5.0)、ジグリセリルモノオレエート(5.5)、ジグリセリルモノイソステアレート(5.5)などのジグリセリン脂肪酸エステル類、トリグリセリルモノラウレート(12.0)、トリグリセリルモノミリステート(12.0)、トリグリセリルモノオレエート(10.0)、トリグリセリルモノステアレート(10.0)などのトリグリセリン脂肪酸エステル、テトラグリセリルモノステアレート(6.0)、テトラグリセリルモノオレエート(6.0)などのテトラグリセリン脂肪酸エステル類、ペンタグリセリルトリミリステート(8.0)、ペンタグリセリルトリオレエート(7.0)などのペンタグリセリン脂肪酸エステル類、ヘキサグリセリルモノオレエート(10.5)、ヘキサグリセリルモノステアレート(10.5)、ヘキサグリセリルトリステアレート(2.5)などのヘキサグリセリン脂肪酸エステル類、およびデカグリセリルモノステアレート(12.0)、デカグリセリルジステアレート(11.0)、デカグリセリルジイソステアレート(10.0)、デカグリセリルジオレエート(10.0)、デカグリセリルトリステアレート(7.5)、デカグリセリルトリオレエート(7.0)などのデカグリセリン脂肪酸エステル類、などのポリグリセリン脂肪酸エステル類、POE(5)グリセリルモノステアレート(9.5)などのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、POE(20)ソルビタントリステアレート(10.5)、POE(20)ソルビタントリオレエート(11.0)、POE(6)ソルビタンモノステアレート(9.6)、POE(6)ソルビタンモノオレエート(10.0)などのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、POE(6)ソルビットテトラオレエート(8.5)、POE(30)ソルビットテトラオレエート(12.5)などのポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、POE(10)モノラウレート(12.5)、POE(10)モノステアレート(11.0)、POE(40)モノステアレート(17.5)、POE(55)モノステアレート(18.0)、POE(10)モノオレエート(11.0)などのポリエチレングリコール脂肪酸エステル、POE(21)ラウリルエーテル(19.0)、POE(10)セチルエーテル(13.5)、POE(25)セチルエーテル(18.5)、POE(20)ステアリルエーテル(18.0)、POE(7)オレイルエーテル(10.5)、POE(50)オレイルエーテル(18.0)、POE(10)ベヘニルエーテル(10.0)、POE(30)ベヘニルエーテル(18.0)などのポリオキシエチレンアルキルエーテル、POE(20)POP(8)セチルエーテル(12.5)、POE(30)POP(6)デシルテトラデシルエーテル(12.0)などのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、POE(40)ヒマシ油(12.5)、POE(40)硬化ヒマシ油(12.5)などのポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ラウリルグルコシド(7.7)などのアルキルグルコシド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(12.5)などの脂肪酸アルキロールアミド、ラウリルジメチルアミンオキシド液(6.1)などのアルキルジメチルアミンオキシド液などがあげられる。
【0024】
なお、前記POEはポリオキシエチレンを、前記POPはポリオキシプロピレンを表わし、化合物名の後ろの括弧内にHLB値を示す。
【0025】
前記陽イオン型界面活性剤としては、アルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩などがあげられる。
【0026】
前記陰イオン型界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸のケン化物、α−オレフィンスルホン酸塩などがあげられる。
【0027】
前記両性型界面活性剤としては、酢酸ベタイン、レシチンなどがあげられる。
【0028】
前記シリコーン型界面活性剤としては、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などがあげられる。
【0029】
前記高分子型界面活性剤としては、ポリアルキルビニルピリジニウム、アルキルフェノールポリマー誘導体、スチレン・マレイン酸重合物誘導体、アルギン酸ナトリウム、トラガカントゴムなどがあげられる。
【0030】
前記天然型界面活性剤としては、サポニン、大豆リン脂質、大豆リゾリン脂質液、サーファクチンナトリウムなどがあげられる。
【0031】
前記他の界面活性剤を配合する場合の配合量は、HLBが13〜17の非イオン型界面活性剤との合計量が水性原液中3〜50重量%、さらには5〜40重量%となる量であることが好ましい。配合量が3重量%より少ないと、透明で均一なエアゾール組成物を得やすくする、発泡性を向上させるなどの補助効果が得られにくく、一方50重量%をこえると、べたつきや皮膚への刺激が強くなる、さらに皮膚に付着したエアゾール組成物を洗い流しにくくなるなど、使用感が低下する。
【0032】
さらに本発明に用いる水性原液には、水性原液の溶解能を調製し、前記界面活性剤や炭化水素、さらには有効成分などの水に溶解し難い成分を水性原液中に配合しやすくし、均一なエアゾール組成物を得やすくするためにポリオールを配合することが好ましい。
【0033】
前記ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、キシリトール、ソルビトール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどがあげられる。また、前記ポリオールの二種以上を組合わせて使用してもよい。なかでも、水性原液の溶解能を調整しやすく、均一なエアゾール組成物が得られやすい点で、グリセリン、1、3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールなどの炭素数を2〜6個有するポリオールが好ましい。
【0034】
前記ポリオールの配合量は、前記水性原液中5〜50重量%である。さらには、下限が10重量%、とくには20重量%、さらには25重量%であることが好ましい。また、上限は40重量%であることが好ましい。ポリオールの配合量が5重量%より少ないと、配合する界面活性剤や炭化水素の種類または配合量によっては水性原液と炭化水素とが分離、あるいは炭化水素により白濁し、均一なエアゾール組成物が得られない。一方、ポリオールの配合量が50重量%をこえると、べたついたり、乾燥性が低下するなど使用感が低下する。
【0035】
前記水性原液に配合される水としては、とくに限定されないが、精製水、イオン交換水、生理食塩水などがあげられる。前記水は、前記ポリオール、界面活性剤、および製品の用途や目的などに応じて配合される有効成分などを配合する溶媒として用いられ、これら成分を配合して全量を100重量%とするように配合される。
【0036】
本発明のエアゾール組成物に用いる水性原液には、前記ポリオール、界面活性剤以外にも用途や目的などに応じて有効成分や低級アルコール、高級アルコール、油性成分、その他の成分を配合することができる。
【0037】
前記有効成分としては、コハク酸ジエトキシエチル、リモネンなどの洗浄成分、プロピレングリコール、グリセリン、1、3−ブチレングリコール、コラーゲン、キシリトール、ソルビトール、ヒアルロン酸、カロニン酸、乳酸ナトリウム、dl−ピロリドンカルボン酸塩、ケラチン、カゼイン、レシチン、尿素などの保湿剤、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、パラクロルメタクレゾールなどの殺菌・防腐剤、アルキルアミノエチル(メタ)アクリレート・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸ブチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、アクリル酸アルカノールアミン、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルジョン、ポリウレタンなどの頭髪用セット剤、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステル、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチルなどの紫外線吸収剤、グリシン、アラニン、ロイシン、セリン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンなどのアミノ酸、レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチンなどのビタミン類、エラストラジオール、エチニルエストラジオールなどのホルモン類、アスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどの酸化防止剤、シャクヤクエキス、ヘチマエキス、バラエキス、レモンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、セージエキス、茶エキス、海藻エキス、プラセンタエキス、シルク抽出液などの各種抽出液、ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチルなどの消臭・防臭剤、サリチル酸メチル、カンフル、インドメタシン、ピロキシカム、フェルビナク、ケトプロフェンなどの消炎鎮痛剤、クロタミトン、d−カンフル、l−メントールなどの鎮痒剤、l−メントール、カンフルなどの清涼剤、酸化亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、クエン酸、乳酸などの収斂剤、アラントイン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、アズレンなどの抗炎症剤、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸リドカインなどの局所麻酔剤、ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェミラミンなどの抗ヒスタミン剤、アルブチン、コウジ酸などの美白剤、N,N−ジエチル−m−トルアミド(ディート)、カプリル酸ジエチルアミド、ジメチルフタレートなどの害虫忌避剤などがあげられる。
【0038】
前記有効成分は水性原液中0.01〜30重量%、さらには0.05〜20重量%であることが好ましい。0.01重量%より少ないと、有効成分の効果が充分得られない傾向にあり、30重量%をこえると、エアゾール組成物中で炭化水素や油溶性の有効成分が分離、あるいは白濁し易くなる傾向にある。
【0039】
前記低級アルコールは、溶媒の一部として用いられるだけでなく、水性原液の溶解能の調整、乾燥性向上、消泡剤、凍結防止剤、高温時の蒸気圧の上昇を少なくするなどの目的で用いられる。たとえば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどがあげられる。低級アルコールを配合する場合、水性原液中0.1〜30重量%、さらには0.5〜20重量%であることが好ましい。0.1重量%より少ないと、低級アルコールを配合する効果が得られにくい傾向にある。30重量%をこえると、均一なエアゾール組成物が得られやすくなるが、炭化水素がエアゾール組成物中で完全溶解し易くなるため、吐出物は発泡し難くなる傾向にある。
【0040】
前記高級アルコールは、発泡性や泡の安定性を向上させる整泡剤として用いられる。また、エアゾール組成物を頭髪用セット剤として用いる場合には、セット力増強剤や再整髪剤として用いられる。たとえば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコールなどがあげられる。高級アルコールを配合する場合、水性原液中0.1〜10重量%、さらには0.5〜5重量%であることが好ましい。0.1重量%より少ないと、高級アルコールを配合する効果が得られにくい傾向にある。10重量%をこえると、泡がべたついたり、エアゾール組成物が分離しやすくなる傾向にある。
【0041】
前記油性成分は、使用感の向上や、艶、撥水性などの効果を付与するための成分である。たとえば、メチルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーン、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、乳酸セチル、酢酸エチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジエトキシエチル、コハク酸ジエトキシエチルなどのエステル油、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、ケロシンなどの炭化水素、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸、ミツロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、カンデリラロウなどのロウ、ツバキ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、ホホバ油、ヤシ油などの油脂があげられる。油性成分を配合する場合、水性原液中0.1〜10重量%、さらには0.5〜5重量%であることが好ましい。0.1重量%より少ないと、油性成分を配合する効果が得られにくい傾向にある。10重量%をこえると、発泡性が悪くなったり、エアゾール組成物中で分離しやすくなる傾向にある。
【0042】
前記その他の成分としては、高分子化合物や粉体などがあげられる。
【0043】
前記高分子化合物は、泡の弾力性や乾燥性などを調製する泡質調整剤、セット力増強剤、粘度調整剤などとして用いられる。たとえば、寒天、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、結晶セルロース、変性ポテトスターチ、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムなどがあげられる。
【0044】
前記粉末は、粉体自体が有効成分として作用したり、他の有効成分を担持する担体、保護剤、付着剤、固体潤滑剤などとして用いられる。たとえば、タルク、酸化亜鉛、カオリン、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、シリカ、ゼオライト、セラミックパウダー、窒化ホウ素などがあげられる。
【0045】
本発明に用いられる水性原液は、HLBが13〜17である非イオン型界面活性剤、必要に応じて配合されるポリオール、他の界面活性剤、有効成分などの成分を精製水などの水に溶解もしくは一部を分散させることにより調製される。
【0046】
本発明のエアゾール組成物は、前記水性原液を耐圧性容器に充填し、容器開口部にバルブを取り付け、次いで炭素数が3〜6の炭化水素を充填し、容器内部で水性原液と炭化水素とを混合し、均一とすることにより調製される。なお、炭化水素の蒸気圧が低い場合には、予め水性原液と混合し、均一な状態で容器に充填しても良い。
【0047】
前記炭化水素は、水性原液を発泡させる発泡剤として作用する。前記炭化水素としては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、およびこれらの混合物などがあげられる。
【0048】
前記炭化水素の配合量は、エアゾール組成物中0.5〜10重量%である。さらには1〜8重量%であることが好ましい。炭化水素の配合量が0.5重量%より少ないと、発泡性が悪くなる。一方、炭化水素の配合量が10重量%をこえると、炭化水素が水性原液と層分離、あるいはエアゾール組成物を白濁しやすくなり、均一なエアゾール組成物が得られない。
【0049】
また、炭素数が4〜6の蒸気圧の低い炭化水素を用いる場合には、エアゾール組成物の圧力が低くなり、低温時、圧力が降下して吐出し難くなるおそれがあるため、加圧剤を配合してもよい。
【0050】
前記加圧剤としては、窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素ガス、圧縮空気などの圧縮ガスがあげられる。前記加圧剤は、25℃における製品圧力が0.3〜0.8MPa、好ましくは0.4〜0.7MPaとなる量が充填される。
【0051】
本発明のエアゾール組成物は、水性原液と油性成分である炭化水素とが均一な状態で存在することに特徴があるが、本発明でいう均一とは、炭化水素が水性原液と層分離せず、またエアゾール組成物が炭化水素により白濁せず、エアゾール組成物の透過度が特定の範囲になることをいう。
【0052】
エアゾール組成物の25℃における透過度は70〜100%であり、80〜100%であることが好ましい。透過度が70%より低いと、保存条件によっては分離する。なおエアゾール組成物の透過度は、色彩色差計CT−210(ミノルタカメラ(株)製)を用いて、透明なポリエチレンテレフタレートに精製水のみを充填したものを基準試料(100%)として測定した値である。
【0053】
本発明のエアゾール組成物を充填する容器としては、アルミニウムやブリキなどの金属製容器、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂製容器、耐圧ガラスなどのガラス製容器などがあげられる。なお、前記樹脂製容器は、炭化水素として蒸気圧が0.2MPaをこえるものを用いる場合、高圧ガス保安法により容器の満注量が100ml未満のものに限定されるが、本発明のエアゾール組成物は、炭化水素の蒸気圧が0.2MPa未満のものを用いても優れた発泡性が得られるため、容器満注量が100mlを越えるものにも充填可能である。
【0054】
本発明のエアゾール組成物は、特定のHLBを有する非イオン型界面活性剤を配合した水性原液と特定の炭素数を有する炭化水素とからなり、特定の透過度を有する均一なエアゾール組成物であるため、長期間静置した場合であっても、水性原液と油性成分である炭化水素とは分離せず、使用前に容器を振り、容器内のエアゾール組成物を混合させる操作が不要となり、化粧台や洗面台、テーブル、陳列棚などに固定したり、据え置いた状態でエアゾール組成物を使用することができる。
【0055】
本発明のエアゾール組成物の用途としては、クレンジング剤、保湿剤、殺菌消毒剤、消炎鎮痛剤、かゆみ止めなどの皮膚用製品や、スタイリング剤、トリートメント剤、洗浄剤などの頭髪用製品などに好適に用いられる。
【0056】
以下、実施例に基づき、本願のエアゾール組成物を詳細に説明するが、これら実施例に限定されるものではない。
【0057】
【実施例】
実施例3、6〜8、比較例1〜4および参考例1、2、4、5
表1および表2に示す水性原液19.2g(96重量%)をPET容器(満注量30ml)に充填したのち、バルブを前記容器開口部に取り付けた。ついで、炭化水素としてノルマルブタンとイソブタンの混合物(ノルマルブタン/イソブタン=50/50(重量比))を0.8g(4重量%)充填し、容器内部で前記水性原液と炭化水素とを混合して、エアゾール組成物を得た。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
製造例1(クレンジングフォーム)
<水性原液> (重量%)
濃グリセリン(ポリオール) 7.5
ジプロピレングリコール(ポリオール) 22.5
ラウリルグルコシド(HLB7.7) 15.0
ラウリルジメチルアミンオキシド液(HLB6.1) 10.0
モノラウリン酸デカグリセリル(HLB15.5) 7.5
モノステアリン酸ペンタグリセリル(HLB13.0) 2.5
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(HLB12.5) 2.0
コハク酸ジエトキシエチル(油性成分) 2.0
精製水 31.0
合 計 100.0
【0061】
エアゾール組成物の製造
実施例9
製造例1の水性原液67.2g(96重量%)をPET容器(満注量100ml)に充填した。バルブを前記容器開口部に取り付けた後、炭化水素としてプロパン、ノルマルブタンおよびイソブタンの混合物(プロパン/ノルマルブタン/イソブタン=20/40/40(重量比))を2.8g(4重量%)充填した。容器内部で水性原液と炭化水素とを混合することにより、エアゾール組成物を得た。
【0062】
実施例10
製造例1の水性原液67.2g(96重量%)をPET容器(満注量100ml)に充填した。バルブを前記容器開口部に取り付けた後、炭化水素としてイソペンタンとイソブタンとの混合物(イソペンタン/イソブタン=75/25(重量比))を2.8g(4重量%)充填した。容器内部で水性原液と炭化水素とを混合することによりエアゾール組成物とし、さらに加圧剤として窒素ガスを充填し、製品圧力を0.7MPaに調製した。
【0063】
実施例11
製造例1の水性原液67.9g(97重量%)をPET容器(満注量100ml)に充填した。バルブを前記容器開口部に取り付けた後、炭化水素としてイソペンタンを2.1g(3重量%)充填した。容器内部で水性原液と炭化水素とを混合させることによりエアゾール組成物とし、さらに加圧剤として炭酸ガスを充填し、製品圧力を0.7MPaに調製した。
【0064】
製造例2(クレンジングフォーム)
<水性原液> (重量%)
1,3−ブチレングリコール(ポリオール) 15.0
濃グリセリン(ポリオール) 15.0
ラウリルグルコシド(HLB7.7) 15.0
ラウリルジメチルアミンオキシド液(HLB6.1) 10.0
モノラウリン酸デカグリセリル(HLB15.5) 7.5
モノステアリン酸ペンタグリセリル(HLB13.0) 2.5
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(HLB12.5) 2.0
コハク酸ジエトキシエチル(油性成分) 2.0
精製水 31.0
合 計 100.0
【0065】
エアゾール組成物の製造
実施例12
製造例2の水性原液67.2g(96重量%)をPET容器(満注量100ml)に充填した。バルブを前記容器開口部に取り付けた後、炭化水素としてプロパン、ノルマルブタンおよびイソブタンの混合物(プロパン/ノルマルブタン/イソブタン=20/40/40(重量比))を2.8g(4重量%)充填した。容器内部で水性原液と炭化水素とを混合することにより、エアゾール組成物を得た。
【0066】
実施例13
製造例2の水性原液67.2g(96重量%)をPET容器(満注量100ml)に充填した。バルブを前記容器開口部に取り付けた後、炭化水素としてイソペンタンとイソブタンの混合物(イソペンタン/イソブタン=75/25(重量比))を2.8g(4重量%)充填した。容器内部で水性原液と炭化水素とを混合させることによりエアゾール組成物とし、さらに加圧剤として窒素ガスを充填し、製品圧力を0.7MPaに調製した。
【0067】
実施例14
製造例2の水性原液67.9g(97重量%)をPET容器(満注量100ml)に充填した。バルブを前記容器開口部に取り付けた後、炭化水素としてイソペンタンを2.1g(3重量%)充填した。容器内部で水性原液と炭化水素とを混合させることによりエアゾール組成物とし、さらに加圧剤として炭酸ガスを充填し、製品圧力を0.7MPaに調製した。
【0068】
製造例3(クレンジングフォーム)
<水性原液> (重量%)
1,3−ブチレングリコール(ポリオール) 10.0
濃グリセリン(ポリオール) 10.0
ラウリルグルコシド(HLB7.7) 2.0
アルキルリン酸(HLB12.5) 17.0
モノラウリン酸デカグリセリル(HLB15.5) 2.5
モノイソステアリン酸ポリグリセリル(HLB12.0) 2.0
モノステアリン酸グリセリル(HLB3.0) 1.0
ジイソステアリン酸デカグリセリル(HLB10.0) 1.0
セタノール(高級アルコール) 0.7
コハク酸ジエトキシエチル(油性成分) 10.0
メチルパラベン(有効成分) 0.1
精製水 43.7
合 計 100.0
【0069】
エアゾール組成物の製造
実施例15
製造例3の水性原液67.9g(97重量%)をPET容器(満注量100ml)に充填した。バルブを前記容器開口部に取り付けた後、炭化水素としてイソブタンとノルマルブタンとの混合物(イソブタン/ノルマルブタン=50/50(重量比))を2.1g(3重量%)充填した。容器内部で水性原液と炭化水素とを混合させることにより透明なエアゾール組成物とし、さらに加圧剤として炭酸ガスを充填し、製品圧力を0.6MPaに調製した。
【0070】
配合成分
1,3−ブチレングリコール 商品名:1,3−BG(ダイセル化学工業(株))
濃グリセリン 商品名:濃グリセリン(花王(株))
ジプロピレングリコール 商品名:ジプロピレングリコール(BASF社)
ラウリルグルコシド 商品名:マイドール12(花王(株))
ラウリルジメチルアミンオキシド液 商品名:アモーゲンAOL(第一工業製薬(株))
モノラウリン酸デカグリセリル 商品名:サンファクトM12J(太陽化学(株))
モノステアリン酸ペンタグリセリル 商品名:サンファクト5GMS-E(太陽化学(株))
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 商品名:アミゾールCDE(川研ファインケミカル(株))
アルキルリン酸 商品名:プライオリーB-300D(花王(株))
モノイソステアリン酸ポリグリセリル 商品名:NIKKOL DGMIS(日光ケミカルズ(株))
モノステアリン酸グリセリル 商品名:MGS-B(日光ケミカルズ(株))
ジイソステアリン酸デカグリセリル 商品名:Decaglyn2-IS(日光ケミカルズ(株))
コハク酸ジエトキシエチル 商品名:クロダモルDES(クローダジャパン(株))
セタノール 商品名:カルコール6870(花王(株))
【0071】
評価法
(エアゾール組成物の均一性)
樹脂(ポリエチレンテレフタレート)容器に充填したエアゾール製品を25℃の恒温水槽に30分間保持したのち、色彩色差計CT−210(ミノルタカメラ(株)製)を用いて透過度を測定し、以下の基準にしたがって判定した。さらに、3日間25℃で静置したのち、同様に目視で観察し、以下の基準にしたがって判定した。結果を表3、4および5に示す。
【0072】
○:透過度が80〜100%であり、3日間保存しても変化は認められなかった。
△:透過度が60〜70%であり、3日間保存後分離した。
×:透過度が60%以下で見た目にも白濁している、もしくは層分離しており、3日間保存後も変化はなかった。
【0073】
(エアゾール組成物の粘性)
樹脂(ポリエチレンテレフタレート)容器に充填したエアゾール製品を25℃の恒温水槽に30分間保持したのち、製品を横倒ししてエアゾール組成物の粘性を目視にて観察し、以下の基準にしたがって判定した。結果を表3、4および5に示す。
【0074】
○:横倒しするとすぐに流動する(液状)
△:横倒しするとゆっくりと流動する(粘稠液)。
×:横倒ししても流動しない(固いゲル状)。
【0075】
(エアゾール組成物の発泡性)
樹脂(ポリエチレンテレフタレート)容器に充填したエアゾール製品を25℃の恒温水槽に30分間保持したのち、吐出して、発泡状態を観察し、以下の基準にしたがって判定した。結果を表3、4および5に示す。
【0076】
○:良好な発泡物が得られ、泡がすぐには消泡することなく、安定であった
△:泡がやや粗く、消泡が速かった
×:発泡しなかった
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
【0080】
【発明の効果】
本発明のエアゾール組成物は、水性原液と炭化水素とからなる発泡性エアゾール組成物であるが、水性原液と炭化水素とが分離、あるいはエアゾール組成物が炭化水素により白濁することなく均一であるため、長期間静置した場合であっても、水性原液と油性成分である炭化水素とは分離しない。そのため、使用前に容器を振り、容器内のエアゾール組成物を混合させる操作が不要となり、化粧台や洗面台、テーブル、陳列棚などに固定したり、据え置いた状態でエアゾール組成物を使用することができる。
Claims (6)
- HLBが13〜17である非イオン型界面活性剤を1〜50重量%含有する水性原液90〜99.5重量%と、炭素数が3〜6である炭化水素0.5〜10重量%とからなるエアゾール組成物であって、25℃における透過度が70〜100%であり、該非イオン型界面活性剤がポリグリセリン脂肪酸エステルであり、該水性原液中に2価または3価のポリオールを10〜50重量%含有する発泡性エアゾール組成物。
- 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、ペンタグリセリルモノラウレート、ペンタグリセリルモノミリステート、ペンタグリセリルモノオレエート、ペンタグリセリルモノステアレート、ヘキサグリセリルモノラウレート、ヘキサグリセリルモノミリステート、デカグリセリルモノラウレート、デカグリセリルモノミリステートおよびデカグリセリルモノオレエートから選ばれる一種、またはこれらの混合物である請求項1記載の発泡性エアゾール組成物。
- さらに、加圧剤を含有する請求項1または2記載の発泡性エアゾール組成物。
- 前記ポリオールが、炭素を2〜6個有する請求項1、2または3記載の発泡性エアゾール組成物。
- 前記水性原液中にポリオールを20〜40重量%含有する請求項1、2、3または4記載の発泡性エアゾール組成物。
- 前記水性原液中に、さらにHLBが13より小さい非イオン型界面活性剤を、その配合量が前記ポリグリセリン脂肪酸エステルとの合計量が3〜50重量%となるように含有する請求項1、2、3、4または5記載の発泡性エアゾール組成物。
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