JP4394779B2 - 油中水型エアゾール組成物およびその製造方法 - Google Patents
油中水型エアゾール組成物およびその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は油中水型エアゾール組成物およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、水成分を油性成分の一部で乳化した油中水型成分、油性成分および噴射剤からなる油中水型エアゾール組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、油中水型エアゾール組成物用原液を調製するためには、各成分を加温し、たとえばホモミキサーなどで攪拌することが必要であるため、その操作が非常に煩雑であった。そのうえ、処方や製造条件の設計を充分に行った場合でも、大量生産時においては、得られる油中水型エアゾール組成物にばらつきが生じ、管理が困難となったり、また使用時のべたつきを減少させるために水分含量を増加させると、原液の粘度が上昇して乳化性がわるくなり、層分離がおこりやすくなるという問題がある。
【0003】
特開平6−329532号公報には、油成分3〜50重量%、非イオン性界面活性剤0.05〜10重量%および水成分50〜95重量%を含有してなる原液50〜97重量%および液化ガス3〜50重量%とからなる油中水型エアゾール組成物およびその製造方法が記載されている。この組成物は、特定の界面活性剤が少なくともいずれか一方に配合された特定の配合割合の油成分および水成分とを混合した原液を用い、保存安定性および皮膚や頭髪などに対する親和性にすぐれ、さっぱりとした使用感を与えるものである。
【0004】
一方、特開平8−175948号公報には、有効成分0.1〜80重量%、界面活性剤0.1〜50重量%、揮発性シリコーン0.1〜80重量%、水0.1〜95重量%からなる原液と噴射剤からなるエアゾール組成物が記載されている。この組成物は、高い制汗効果を維持しながら、スプレータイプの簡便性を有し、使用後には不快なべたつきがみられないという特徴を有している。
【0005】
しかし、これらの公報に記載されている方法では、各構成成分を一括して混合することにより水成分と油成分をエマルジョン化し、エアゾール製品を製造するが、前記製造方法では水成分と油成分のバランスがわるい場合、とくに水成分が非常に少ない場合は、溶解系となったり、両者の濃度差が大きいため水成分をエマルジョン化させるのは困難であった。その結果、水成分を油性成分で乳化するためには多量の界面活性剤が必要であって、ベタツキや皮膚への刺激性など、使用感の点で実用的ではなかった。また、界面活性剤の使用量を低減すると、エマルジョンの安定性が低下し、さらには安定なエマルジョンを形成することができないという問題を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、エアゾール組成物に水成分を配合することによって使用感を向上させ、油中水型にすることによって霧を細かく発泡を少なくし、さらに油中水型にすることによって容器の腐食を低減させた油中水型エアゾール組成物を提供することを目的とする。また、水成分を含有するため、環境負荷を含めたライフサイクルアセスメント(LCA)の観点からも性能の向上した組成物を提供することも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記問題を解決するために検討した結果、あらかじめ水成分を油性成分の一部で乳化させておき、そののちにこの乳化物を残りの油性成分とともに充填することによって、水成分とすべての油性成分を一括して乳化させる場合と比較して、エマルジョンの形成しやすさおよび安定性が大きく向上することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
水成分を油性成分の一部で乳化した油中水型成分、油性成分および噴射剤からなる油中水型エアゾール組成物(請求項1)、および
水成分を油性成分の一部で乳化した油中水型成分、油性成分および噴射剤をそれぞれ別個に充填することを特徴とする請求項1記載の油中水型エアゾール組成物の製造方法(請求項2)
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のエアゾール組成物は、原液が油性成分、水成分および両成分を乳化する界面活性剤からなり、噴射剤が液化石油ガスからなることを特徴とする油中水型(W/O型)エアゾール組成物である。
【0010】
前記油性成分は、皮膚や毛髪に対する浸透性や光沢を付与したり、保護してその健康な状態を維持し、伸展性を良好にするための成分である。このような油性成分としては、炭化水素、エステル油、高級脂肪酸、シリコーン、油脂、ろうなどがあげられる。
【0011】
炭化水素としては、n−ヘキサン、i−ヘキサン、ケロシン、石油エーテル、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、ワセリン、パラフィン、イソパラフィンなどがあげられる。
【0012】
エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、酢酸ラノリン、酢酸エチル、酢酸ブチル、オレイン酸オレイル、セトステアリルアルコール、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ミリスチン酸ヘキシルデシル、パルミチン酸イソセチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシルなどがあげられる。
【0013】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などがあげられる。
【0014】
シリコーンとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサンなどがあげられる。
【0015】
油脂としては、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、ホホバ油、麦芽油、ヤシ油、パーム油、硬化ヒマシ油などがあげられる。
【0016】
ロウとしては、ミツロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、カンデリラロウ、カルナウバロウ、鯨ロウ、モンタンロウなどがあげられる。
【0017】
前記水成分は、得られる油中水型エアゾール組成物が、さっぱりとした使用感を呈するようにするための成分である。かかる水成分にはとくに制限がなく、通常のエアゾール組成物に用いられる蒸留水、イオン交換水などの精製水などを用いることができる。
【0018】
前記界面活性剤は、油中水型エアゾール組成物を得るために乳化剤として作用する成分である。このような界面活性剤としては、非イオン型界面活性剤、陰イオン型界面活性剤、陽イオン型界面活性剤、両性型界面活性剤、高分子界面活性剤、天然界面活性剤などのなかから、単独でまたは適宜2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】
非イオン型界面活性剤としては、たとえばソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン脂肪酸エステル類;グリセリルモノステアレート、グリセリルモノオレエートなどのグリセリン脂肪酸エステル類;デカグリセリルトリステアレート、デカグリセリルトリオレエート、デカグリセリルペンタオレエートなどのデカグリセリン脂肪酸エステル類;ジグリセリルモノオレエート、テトラグリセリルモノオレエート、ヘキサグリセリルモノオレエートなどのポリグリセリン脂肪酸エステル類;POE(n)−ソルビットテトラオレエートなどのポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類;POE(n)−モノステアレート、POE(n)−モノオレエートなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステル類;POE(n)−セチルエーテル、POE(n)−ステアリルエーテル、POE(n)−オレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;POE(n)POP(m)−セチルエーテル、POE(n)POP(m)−デシルテトラデシルエーテルなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類;POE(n)−ノニルフェニルエーテル、POE(n)−オクチルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;POE(n)−ヒマシ油、POE(n)−硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油類やポリオキシエチレンヒマシ油誘導体;POE(n)−ステアリルアミン、POE(n)−オレイルアミン、POE(n)−ステアリン酸アミド、POE(n)−オレイン酸アミドなどのポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド類などがあげられる。なお、前記(n)は(CH2CH2O)の重合数を、前記(m)は(CH2CH(CH3)O)の重合数を、前記POEはポリオキシエチレンを、前記POPはポリオキシプロピレンを表わす。
【0020】
陰イオン型界面活性剤としては、たとえばアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウムなどの脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウムなどの高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウムなどのN−アシルサルコシン酸、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウムなどの高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸などのリン酸エステル塩、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウムなどのN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウムなどの高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、ロート油などの硫酸化油、POEアルキルエーテルカルボン酸、POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、カゼインナトリウムなどがあげられる。
【0021】
陽イオン型界面活性剤としては、たとえばアルキルアンモニウム塩、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウムなどのアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムなどのジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N′−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、塩化セチルピリジニウムなどのアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩などのアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモルホニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどがあげられる。
【0022】
両性型界面活性剤としては、たとえば酢酸ベタイン、イミダゾリウムベタイン、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩などのイミダゾリン系両性型界面活性剤、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタインなどのベタイン系両性型界面活性剤などがあげられる。
【0023】
高分子界面活性剤としては、たとえばアルギン酸ナトリウム、トラガカントゴムなどがあげられる。
【0024】
天然界面活性剤としては、たとえばレシチン、サポニン、大豆リン脂質、大豆リゾリン脂質液などがあげられる。
【0025】
油性成分の含有量は、原液中50〜98重量%であることが好ましく、60〜90重量%であることがより好ましい。50重量%未満の場合、O/W型エマルジョンになりやすく、W/O型エマルジョンとするには、界面活性剤を厳選する必要がある。98重量%をこえる場合、他の成分の配合量が少なくなり、他の成分の効果が充分に得られない。
【0026】
水成分の含有量は、原液中1〜40重量%であることが好ましく、5〜30重量%であることがより好ましい。1重量%未満の場合、エマルジョンを形成せずに溶解系になりやすく、また水を添加したことによる使用感の向上効果が得られない。
【0027】
界面活性剤の含有量は、原液中0.1〜20重量%であることが好ましく、0.5〜15重量%であることがより好ましい。0.1重量%未満の場合、エマルジョンを形成せず、20重量%をこえる場合、使用感においてべとつきを感じる。
【0028】
本発明においては、あらかじめ水成分を油性成分の一部で乳化した油中水型成分を、残りの油性成分と混合することを特徴とするが、水成分を油性成分の一部で乳化した油中水型成分の含有量は、原液中5〜80重量%であることが好ましく、10〜70重量%であることがより好ましい。5重量%未満の場合、後で充填する油性成分が多すぎ、均一なエマルジョンを形成することが困難となり、80重量%をこえる場合、あらかじめ乳化させる成分で、水成分が少ないと乳化が困難となる傾向がある。
【0029】
本発明のエアゾール組成物における噴射剤はとくに限定されないが、液化石油ガスを使用することが好ましい。液化石油ガスとしては、n−ブタン、i−ブタン、プロパンおよびそれらの混合物などがあげられる。エマルジョンを壊さない範囲でジメチルエーテルを添加することもできる。
【0030】
本発明のエアゾール組成物における原液の含有量は、20〜80重量%であることが好ましく、30〜70重量%であることがより好ましい。一方、噴射剤の含有量は、エアゾール組成物中80〜20重量%であることが好ましく、70〜30重量%であることがより好ましい。原液の含有量が20重量%未満の場合、原液(有効成分)の含有量が少なくなり、所望の効果が得られない。80重量%をこえる場合、細かな霧で噴射することが困難となる傾向がある。
【0031】
本発明の油中水型エアゾール組成物の原液中には、油性成分、水成分、界面活性剤のほか、用途に応じて、アルコール類、高分子化合物などを配合することができる。
【0032】
前記アルコール類としては、低級アルコールとしてエタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t―ブチルアルコールなどがあげられる。多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3―ブチレングリコールなどの2価のアルコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価のアルコール、ペンタエリスリトリールなどの4価のアルコール、キシリトールなどの5価のアルコール、ソルビトール、マンニトールなどの6価のアルコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリンなどの多価アルコールの重合体、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのアルコールアルキルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテートなどのアルコールエーテルエステルなどがあげられる。
【0033】
高級アルコールとしては、たとえばラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコールなどの直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの分岐鎖アルコールなどがあげられる。
【0034】
前記高分子化合物としては、天然水溶性高分子として、寒天、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトルセルロース、結晶セルロースなどがあげられ、合成水溶性高分子として、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸ナトリウムなどがあげられ、目的とする用途に応じて一種以上が用いられる。
【0035】
さらに、製品の目的に応じて有効成分を配合することができる。有効成分としては、頭髪用セット剤、保湿剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤などのほか、各種有効成分があげられる。
【0036】
前記頭髪用セット剤としては、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸オクチルアミド−アクリル酸ヒドロキシプロピル−メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル−アクリル酸ブチル−アクリル酸メトキシエチル共重合体、アクリル酸アルカノールアミン−ビニルピロリドン−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体硫酸塩、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョンなどがあげられる。
【0037】
前記保湿剤としては、たとえばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ヒアルロン酸、dl−ピロリドンカルボン酸塩などがあげられる。
【0038】
前記紫外線吸収剤としては、たとえばパラアミノ安息香酸、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどがあげられる。
【0039】
前記酸化防止剤としては、たとえばアスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなど、抗菌剤としては、たとえば安息香酸、サリチル酸、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノールなどがあげられる。
【0040】
前記各種有効成分としては、たとえばビタミンA油、レチノール、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、パントテン酸などのビタミン類、エストラジオール、エチニルエストラジオールなどのホルモン、アルギニン、アスパラギン酸、シスチン、システイン、メチオニン、セリン、ロイシン、トリプトファンなどのアミノ酸、アラントイン、グリチルレチン酸、アズレン酸などの抗炎症剤、アルブチンなどの美白剤、酸化亜鉛、タンニン酸などの収斂剤、L−メントール、カンフルなどの清涼剤やイオウ、塩化リゾチーム、塩酸ピリドキシン、γ−オリザノールなどの薬剤、フタルスリン、アレスリン、ペルメトリン、シスメスリン、プロパルスリン、レスメトリン、d−フェノトリン、テフルスリン、ベンフルスリンなどの殺虫成分、サイネピリン、ピペロニルブトキサイド、オクタクロロジプロピルエーテルなどの殺虫効力増強剤、N,N−ジエチル−m−トルアミド(ディート)、カプリル酸ジエチルアミド、ジメチルフタレートなどの害虫忌避剤、ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチルなどの消臭・防臭剤、香料、たとえばドクダミエキス、オウバクエキス、シャクヤクエキス、ヘチマエキス、キナエキス、サクラソウエキス、バラエキス、ジオウエキス、レモンエキス、アロエエキス、ユーカリエキス、セージエキス、茶エキス、海藻エキス、マロニエエキス、モモエキス、桃葉エキス、プラセンタエキス、シルク抽出液などの各種の抽出液があげられる。
【0041】
前記有効成分を含有する油中水型エアゾール組成物の用途(製品例)としては、たとえばセット剤、トリートメント剤、艶出剤、艶消剤、染毛剤、脱色剤などの頭髪用品;クレンジング剤(頭皮の油落とし)などの頭皮用品;クレンジング剤、保湿剤、ビタミン剤、美白剤、プレ(アフター)シェーブローション、収斂剤、日焼止め、消炎鎮痛剤、殺菌剤、水虫薬、消臭剤、制汗剤、香水、忌避剤などの皮膚用品;前記人体用品以外にも、ガラスクリーナー、殺虫剤、室内用消臭剤、艶出剤などの家庭・自動車用品などがあげられる。
【0042】
本発明のエアゾール組成物は、油性成分の一部で乳化した油中水型成分、油性成分、および噴射剤をそれぞれ別個に耐圧容器に充填することにより製造することができる。
【0043】
あらかじめ油性成分の一部で乳化した油中水型成分を製造するために、水成分:油性成分の比率は、70:30〜20:80重量部であることが好ましく、70:30〜30:70重量部であることがより好ましい。70:30重量部をこえる場合、水中油型となりやすく、20:80重量部未満の場合、エマルジョン化させることが困難となる。
【0044】
前記エアゾール用耐圧容器にはとくに限定がなく、通常用いられる容器を適用することができる。また、該エアゾール用耐圧容器内に油中水型エアゾール組成物を充填する際には、安全性の面から、通常製品の内圧が35℃で8kg/cm2・G以下であることが好ましく、7kg/cm2・G以下であることがより好ましい。
【0045】
本発明の製造方法は、水成分の配合量が少ない場合であっても、簡便に油中水型エアゾール組成物を製造しうる方法であり、当該製造方法によって得られる油中水型エアゾール組成物は、使用感に優れ、油中水型にすることによって霧を細かく発泡を少なくし、さらに容器の腐食を低減させることができる。さらに該エアゾール組成物は、乳化安定性にすぐれていることから、たとえば化粧品、医薬部外品、医薬品、殺虫剤などに好適に使用することができる。
【0046】
【実施例】
つぎに、本発明の油中水型エアゾール組成物およびその製造方法を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0047】
なお実施例中の%は、とくにことわらないかぎり、重量%を表す。
【0048】
実施例1
表1に示すスキンクリーム組成で実施した。
【0049】
成分1(流動パラフィン)9.6%に、成分4〜8を溶解させ(油相)、これに成分9〜12を溶解させた成分(水相)を混合して、W/O(油中水型)エマルジョンを形成し、これを耐圧性のガラス容器に充填した。ついで、残りの油相(成分1の残りと成分2、3)を添加し、バルブを取り付け、噴射剤を充填、振とうした。
【0050】
比較例1
表1に示すスキンクリーム組成で実施した。
【0051】
成分1〜8を混合し(油相)、これに成分9〜12を混合した成分(水相)を添加して攪拌し、耐圧性のガラス容器に充填した。ついでバルブを取り付け、噴射剤を充填し、振とうした。
【0052】
比較例2
表1に示すスキンクリーム組成で実施した。
【0053】
成分1〜8を混合した成分(油相)を耐圧性のガラス容器に充填し、ついで成分9〜12を混合した成分(水相)を前記容器に充填し、バルブを取り付けた。これに噴射剤を充填し、振とうした。
【0054】
【表1】
【0055】
実施例2
表2に示すヘアクリーム組成で実施した。
【0056】
成分1(オクタン酸セチル)10.0%に、成分5〜7を溶解させ(油相)、これに成分8〜11を溶解させた成分(水相)を混合して、W/O(油中水型)エマルジョンを形成し、これを耐圧性のガラス容器に充填した。ついで残りの油相(成分1の残りと成分2〜4)を添加し、バルブを取り付け、噴射剤を充填、振とうした。
【0057】
比較例3
表2に示すヘアクリーム組成で実施した。
【0058】
成分1〜7を混合し(油相)、これに成分8〜11を混合した成分(水相)を添加して攪拌し、耐圧性のガラス容器に充填した。ついでバルブを取り付け、噴射剤を充填し、振とうした。
【0059】
比較例4
表2に示すヘアクリーム組成で実施した。
【0060】
成分1〜7を混合した成分(油相)を耐圧性のガラス容器に充填し、ついで成分8〜11を混合した成分(水相)を前記容器に充填し、バルブを取り付けた。これに噴射剤を充填し、振とうした。
【0061】
【表2】
【0062】
実施例3
表3に示すスキンオイル組成で実施した。
【0063】
成分1(流動パラフィン)3.9%に、成分4〜8を溶解させ(油相)、これに成分9〜11を溶解させた成分(水相)を混合して、W/O(油中水型)エマルジョンを形成し、これを耐圧性のガラス容器に充填した。ついで残りの油相(成分1の残りと成分2、3)を添加し、バルブを取り付け、噴射剤を充填、振とうした。
【0064】
比較例5
表3に示すスキンオイル組成で実施した。
【0065】
成分1〜8を混合し(油相)、これに成分9〜11を混合した成分(水相)を添加して攪拌し、耐圧性のガラス容器に充填した。ついでバルブを取り付け、噴射剤を充填し、振とうした。
比較例6
表3に示すスキンオイル組成で実施した。
【0066】
成分1〜8を混合した成分(油相)を耐圧性のガラス容器に充填し、ついで成分9〜11を混合した成分(水相)を前記容器に充填し、バルブを取り付けた。これに噴射剤を充填し、振とうした。
【0067】
【表3】
【0068】
実施例1〜3および比較例1〜6で得られたエアゾール組成物を用いて、以下の方法でエマルジョン形成性とエマルジョン安定性を評価した。その結果を表4に示す。
【0069】
(エマルジョン形成性)
噴射剤充填後、振とう時にエマルジョン形成を確認し、以下の基準で評価した。
○ : 容易にエマルジョン化できた。
△ : エマルジョン化できたが、かなり時間が必要であった。
× : エマルジョン化できなかった。
【0070】
(エマルジョン安定性)
エマルジョン化した製品を25℃の恒温室内に静置して、以下の基準にしたがって目視観察により評価した。
○ : 30日後もエマルジョンは安定しており、分離しなかった。
△ : エマルジョンが壊れ分離したが、振とうすると再び乳化した。
× : 1日でエマルジョンが壊れ、分離した。
【0071】
【表4】
【0072】
本発明の組成物(実施例1〜3)は、エマルジョン形成性およびエマルジョン安定性に優れている。一方、それぞれの実施例に対応する比較例1〜6では、水成分を油性成分であらかじめ乳化していないため、エマルジョン形成性およびエマルジョン安定性に劣っている。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、水成分を含有するので使用感に優れ、油中水型であるので霧を細かく発泡を少なくし、さらに容器の腐食を低減させることができるエアゾール組成物を得ることができる。
Claims (2)
- 水成分と油性成分の一部を界面活性剤で乳化した油中水型成分と、前記油性成分の一部を除いた残りの油性成分と噴射剤とをそれぞれ別個に充填することを特徴とする油中水型エアゾール組成物の製造方法であり、
前記水成分の含有量が原液中1〜40重量%であり、
前記油性成分の一部と前記残りの油性成分の合計量が原液中50〜98重量%であり、
前記界面活性剤の含有量が原液中0.1〜20重量%であり、
前記油中水型成分における前記水成分:前記油性成分の一部の比率が70:30〜20:80であり、
前記油中水型成分の含有量が原液中5〜80重量%であり、
前記原液の含有量がエアゾール組成物中20〜80重量%であり、前記噴射剤の含有量がエアゾール組成物中80〜20重量%であることを特徴とする油中水型エアゾール組成物の製造方法。 - 前記噴射剤が液化石油ガスである請求項1記載の油中水型エアゾール組成物の製造方法。
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