JP3980645B2 - 抗齲蝕口用組成物 - Google Patents

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Description

発明の分野
齲蝕(虫歯)は、齲蝕原生の口内細菌が単純および複合糖類を代謝して酸を生産するときに生じる多因性の病気であり、酸が歯のエナメルを溶解させ、よってカリエス障害またはカリエス腔を生じさせる。本発明は、口用ビヒクル中に抗齲蝕剤が分散されてなる口用組成物(oral composition)を提供する。特に本発明は、口用ビヒクル中にカルシウム、アルギニンおよび齲蝕抑制アニオンが分散されてなる口用組成物を開示する。抗齲蝕剤を含んでなる口用組成物の調製方法もまた本発明によって開示される。さらに、カルシウム、アルギニンおよび齲蝕抑制アニオンを含有する口用組成物の治療有効量を口腔に付与することからなる、齲蝕の低減方法を開示する。
発明の背景
1890年にミラー(Miller)が、炭水化物の発酵中に口内細菌により生成される酸が歯の脱塩化と齲蝕化プロセスの開始化の主たる原因であるという証拠を初めて提供して以来、歯の脱塩化を遅延させまたは防止する能力について多くの研究がなされてきている。Miller W.D.(1890),"Micro-organisms of the human mouth"Reprinted 1973 Karger,Basel。ミラーは齲蝕の形成を二段階プロセスとして記述した。第1段階では、口内細菌、主としてグラム陽性菌が口腔に存在する発酵性炭水化物を代謝し、酸を生成する。第2段階では、口内細菌により生成された酸が歯のエナメル質、象牙質および/またはセメント質を脱塩化し、歯冠または歯根にカリエス障害またはカリエス腔を生じさせる。
ミラープロセスの第1段階において口内細菌により代謝される発酵性炭水化物の主たる供給源は食餌である。グルコースは食餌性炭水化物から得られる主たる糖である。これは、スクロース、マルトース、ラクトースおよびデンプンの構成単糖である。口内細菌の純粋培養についての研究で、口内グラム陰性菌よりも発酵プロセスにさらに寄与するグラム陽性菌によりグルコースが即座に発酵されることが示されている。このような発酵は、乳酸が主たる生成物であるホモ発酵性と、ギ酸、酢酸、プロピオン酸およびコハク酸並びにエタノールと二酸化炭素を含む、乳酸以外の多くの量の生成物が生成され得るヘテロ発酵性の何れかであるとして任意に分類される。Platt and Foster(1958)J.Bacteriol.,75:453-459。
研究者は、種々の度合いの成功率ながら、歯垢中に存在する微生物による酸の生成を低減しようとした。Jenkins G.N.(1978)The Physiology and Biochemistry of the Mouth,4th Ed.,Oxford,England,Blackwell、pp414-500。これらには、(i)食餌から得られ得る発酵性炭水化物を減少させ、(ii)歯垢の量と歯垢中の酸発生菌(acidogenic bacteria)の数を減少させ、(iii)特定の細菌を妨害し、(iv)歯垢細菌が炭水化物から酸をつくる代謝プロセスである細菌性解糖を妨害し、(v)解糖中に形成された酸を中和し、(vi)主に尿素とアルギニンからの歯垢細菌によって塩基の形成を刺激して、カリエスプロセスに特徴的な酸形成に対抗する方法が含まれている。Kleinbergら(1979)"Metabolism of nitrogen by the oral mixed bacteria(口内混合細菌による窒素の代謝)",Saliva and Dental Caries(唾液と齲蝕)(Kleinbergほか編)、pp.357-377,Information Retrieval,Washington D.C.。しかしながら、これらの方法で齲蝕を減少させるには限界があった。
研究者らは、ミラーの齲蝕形成プロセスの第2段階に抗することにより、すなわちフッ化物を使用してエナメル質の溶解度を減少させてエナメル鉱物質の溶解を減少させることにより、齲蝕を減少または防止することに大きな成功を収めた。多くの研究において歯垢細菌により生成される酸でのエナメル質の溶解を阻害する治療法が調査されている。フッ化物が最も有効な治療法であると証明されている。Newburn(1986)Fluorides and Dental Caries(フッ化物と齲蝕),3rd.Ed.,Springfield,Illinois,Charles Thomas。フッ化物は、可溶化率を低減させ、再鉱化を増加させ、エナメル質、セメント質および象牙質において殆どの鉱質を構成しているリン酸カルシウムの溶解生成物を変えることによってプラーク酸によるエナメル質の溶解を阻害することが見出されている。さらに少ない度合いで、フッ化物は細菌による糖類の移送と解糖プロセスにも影響を及ぼしている。Hamilton(1969)Can.J.Microbiol.,15:1021-1027。
種々の治療剤が、その齲蝕防止能力について調べられたが、齲蝕の発生率は、特に第3世界の国々において、また唾液欠乏症、なかでも唾液阻害薬物を受けている成人においては許容できないほど高いままである。齲蝕を十分に遅延化させる従来の治療法が失敗した理由の一つは、これらの歯科治療がミラーの齲蝕プロセスの第2段階に主として焦点をおいていたことにあり、齲蝕が多因性の病気であって多くの要因を考慮したアプローチをする必要があるという事実に十分即した治療法を提供することに失敗した点にある。よって、フッ化物を使用して歯のエナメル質の溶解度を低減させるだけでは、約20%〜40%の範囲の齲蝕が減少するに過ぎないということは驚くべきことではない。酸の生成とエナメル質の脱塩化プロセスの両方に同時に影響を及ぼしうる薬剤を開発する試みは殆どなされていない。
本発明は、齲蝕を予防するための現在の治療法に伴う多くの問題を解消する。特に、本発明により提供される口用組成物は、ミラーにより記述された両方の段階での齲蝕プロセスに抗する。特に、ここに記載される齲蝕抑制口用組成物は、治療有効量のカルシウム、アルギニンおよび齲蝕抑制アニオンを含有する。これらの化合物は相互作用をして抗齲蝕錯体を作用する。
アルギニンは、歯垢細菌による塩基の形成と、プラーク中でのアルカリ生成ミクロフローラの増殖に寄与する。KanapkaとKleinberg(1983)Archs.oral Biol.28,1007-1015。アミノ酸が遊離ものとして見出されるか、ペプチドまたはタンパク質、特に唾液から得られたものかにかかわらず、多くの歯垢細菌により生成された酸は、アルギニンから生成されたアルカリ化合物により中和される。Kleinberg et al(1979)"Metabolism of nitrogen by the oral mixed bacteria(口内混合細菌による窒素の代謝)−Saliva and Dental Caries(唾液と齲蝕)(Edited by Kleinberg et al.)pp.357-377,Information Retrieval,Washington,D.C.。よって、ここに記載されてた組成物のアルギニン成分はミラープロセスの第1段階を攻撃する。
カルシウムは本発明の口用組成物のもう一つの成分である。カルシウムは質量作用により歯のエナメル質の可溶化を抑制し、酸の攻撃を受けたとき歯のエナメル質からのカルシウムの放出を低減させる。カルシウムは、酸が可溶化する間、エナメル質、象牙質および他のリン酸カルシウム含有組織からのリン酸の放出に先行する。よって、ここに記載されている組成物のカルシウム成分はミラー齲蝕プロセスの第2段階を攻撃する。
本発明の口用組成物の齲蝕抑制アニオンは齲蝕プロセスの両方の段階を攻撃する。齲蝕抑制アニオンは、(i)アルギニンの酸中和活性を高める緩衝効果と酸自体を中和する効果とを有し、(ii)表面被覆または「ポイズン」として作用するか、または歯垢細菌により加水分解されて、歯の溶解を阻害し、歯の再ミネラル強化を促進する無機オルトリン酸塩を放出する有機リン酸塩源を提供し、または(iii)その両方を行う。従来の口用組成物とは異なり、本発明に記載されている口用組成物は、ミラーの齲蝕形成プロセスの両方の段階におけるカリエス障害の形成を攻撃することにより、互いに作用し合って齲蝕を十分に低減させる成分を含有している。
発明の要約
本発明は、口用ビヒクル中にカルシウム、アルギニンおよび齲蝕抑制アニオンを治療的量分散せしめて含有する口用組成物に関する。好適な実施態様では、口用組成物にはフッ化物が補われている。
また本発明は、抗齲蝕剤を含有する口用組成物を調製する方法にも関する。
さらに本発明の他の側面は、口腔内に、カルシウム、アルギニンおよび齲蝕抑制アニオンを含有する口用組成物を治療有効量付与(移送)することを含んでなる、齲蝕を低減させる方法をも対象としている。好ましい実施態様では、ここで記載される方法に使用される口用組成物は、さらにフッ化物を含有する。
図の簡単な説明
図1は、カルシウム−アルギニン−フィテート(CAP)錯体系の存在下で、5.6mMのグルコースでインキュベートされた唾液沈殿物のpH応答を示す。齲蝕抑制アニオンはフィチン酸塩であり、カルシウムとアルギニンは相互的に変化する。フィチン酸アルギニンは、カルシウム濃度がゼロのCAP錯体と考えられる。対照にはフィチン酸塩だけとアルギニンだけとのインキュベート用混合物が含まれる。この糖濃度において、in vivoのプラークpH応答の第1のタイプが観察される。
図2は、CAP錯体系の存在下で、28.0mMのグルコースでインキュベートされた唾液沈殿物のpH応答を示す。齲蝕抑制アニオンはフィチン酸塩であり、カルシウムとアルギニンは相互的に変化する。フィチン酸アルギニンは、カルシウム濃度が0のCAP錯体とみなされる。対照にはフィチン酸塩だけとアルギニンだけとのインキュベート用混合物が含まれる。この糖濃度において、in vivoのプラークpH応答の第2のタイプが観察される。
図3は、カルシウム、アルギニンおよび齲蝕抑制アニオンを、インキュベート用混合物に添加する3時間前および3時間後に、11.2mMのグルコースでインキュベートされた唾液沈殿物のpH応答を示す。添加された齲蝕抑制アニオンは炭酸塩/重炭酸塩である。対照は、炭酸カルシウムを含むもの、重炭酸カルシウムを含むもの、およびその両方を含有しないものであった。
発明の詳細な記載
本発明は、口用ビヒクル中に抗齲蝕剤を分散して含有する口用組成物を示すものである。特に、本発明は、口用ビヒクル中にカルシウム、アルギニンおよび齲蝕抑制アニオンが治療的量分散して含有された口用組成物を開示している。「齲蝕抑制」という用語は、カリエス障害の再鉱化を含む、齲蝕を遅延または防止することのできる薬剤を示す。ここで定義したように、齲蝕抑制アニオンは、カルシウムとアルギニンの抗齲蝕活性を高めることのできる、生物学的に融和性のあるアニオンである。抗齲蝕活性を高めることができるアニオンの証例には、例えば、カルシウムおよびアルギニンを含有する組成物に添加した場合に、齲蝕抑制アニオンを含有しない同様の口用組成物よりも齲蝕を遅延または防止するアニオンが含まれる。生物学的に融和性のあるアニオンは副反応なしに経口的に哺乳類に投与することのできるアニオンである。齲蝕抑制アニオンの例には、重炭酸塩、炭酸塩、グリセロリン酸塩、フィチン酸塩およびそのイノシトールリン酸塩誘導体等々が含まれる。
許容可能な口用ビヒクルには、例えば任意の従来の口用送達系、例えば歯の手入れ用製品、食品およびチューインガムが含まれる。歯の手入れ用製品の例には、デンタルフロス、錠剤またはゲル、パウダーおよび液体の形態の口内洗浄剤、ペーストまたは溶液、歯磨き剤が含まれる。ここに記載した口用組成物を含有する食品の例には、例えば飴(トローチ剤)および菓子類が含まれる。
この発明で定義されたようなカルシウム、アルギニンおよび齲蝕抑制アニオンの治療的量とは、炭水化物の代謝の結果生じるプラークによりつくられる酸を中和し、同時にエナメル質の再鉱化を増加させるか、または脱塩化を低減させるのに十分なこれら抗齲蝕剤の量のことである。例えば、歯磨きは0.5〜4%(v/v)、好ましくは1〜3%(v/v)の範囲内の量の抗齲蝕剤を含有し、口内洗浄剤は0.5〜3.5%(v/v)、好ましくは1〜3%(v/v)の範囲内の量の抗齲蝕剤を含有し得る。
一つの好ましい実施態様において、口用組成物は、5μg/mg〜200μg/mgの範囲の量のカルシウム、5μg/mg〜700μg/mgの範囲の量のアルギニン、および5μg/mg〜600μg/mgの範囲のフィチン酸塩または5μg/mg〜200μg/mgの範囲の量の重炭酸塩または5μg/mg〜200μg/mgの範囲の量の炭酸塩を含有する。より好ましい実施態様においては、口用組成物は200〜1500ppmの範囲の量のフッ化物をさらに含有する。
さらに本発明は、抗齲蝕剤を含有する口用組成物の調製方法に関する。特に、口用ビヒクルに付与される治療的量のカルシウム、アルギニンおよび齲蝕抑制アニオンを含有する口用組成物の調製方法が、本発明において記載されている。口用組成物を調製するために使用される方法は、使用される口用ビヒクルと抗齲蝕剤に対する溶解度要件に依存する。一つの実施態様において、酸の形態の齲蝕抑制アニオンは、最初に、アルギニン遊離塩基、例えば水酸化アルギニンで滴定され、続いて水酸化カルシウムで滴定される。他の実施態様において、酸の形態の齲蝕抑制アニオンは水酸化アルギニンおよび一または複数のカルシウム含有化合物、例えば炭酸カルシウムで所望のpHの口用組成物に滴定される。また、抗齲蝕剤は、齲蝕抑制アニオンを所望のpHの口用組成物に滴定することにより調製される。調製された組成物は乾燥され、パウダー状のカルシウムが添加され、組成物と完全に混合される。齲蝕抑制アニオンがカルシウムと可溶性塩を形成する場合は、アルギニンの添加はカルシウム添加後になされる。齲蝕抑制アニオンが重炭酸塩または炭酸塩である場合は、炭酸カルシウムの溶解度が乏しく、重炭酸アルギニンの溶解度が高いため、必ずカルシウムよりもアルギニンでまず重炭酸塩または炭酸塩を滴定することにより調製することができる。
重炭酸アルギニンは、まず、アルギニン遊離塩基溶液に過度のドライアイスを添加するか、または二酸化炭素をバブリングすることにより、水酸化アルギニンから調製される。口用組成物のカルシウム成分はカルシウムとして添加され得る。本発明の口用組成物の調製に使用されるカルシウム含有化合物の好ましい例には、例えば可溶性の有機リン酸カルシウム、溶解性に乏しい有機リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウムが含まれる。口用ビヒクルが歯磨きの場合には、炭酸カルシウムが好ましい実施態様である。炭酸カルシウムは公知の研磨剤である。
本発明の口用組成物の抗齲蝕剤は、相互作用をして錯体化合物を形成する。例えば齲蝕抑制アニオンがフィチン酸塩である場合、カルシウムとアルギニンはフィチン酸塩と結合し、カルシウム−アルギニン−フィテート錯体(CAP錯体)を形成する。
抗齲蝕剤に加えて、本発明に記載されている口用組成物は、特定の口用ビヒクル用の任意の従来の成分を含有してよい。例えば、液状の口内洗浄剤は、溶媒、例えば蒸留水または脱イオン水、エタノール等;甘味料、例えばサッカリン、アスパルテーム等;調味料、例えばペパーミント油、スペアミント油等を含有してよい。ペースト状またはゲル状歯磨きは、例えば水、グリセリンまたはソルビトール、従来の研磨剤、例えばピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、樹脂、不溶性のメタリン酸アルカリ金属塩等を20−60重量%の標準量で;バインダー(粘結剤)、例えばヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース−ナトリウム等を0.5−5.0重量%の標準量で;発泡剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ココナッツスルホン酸モノグリセリドナトリウム、ナトリウム−N−メチル−N−パルミトイル−タウリド等を0.5−3.0重量%の標準量で;調味料;甘味料;防腐剤および特定の調製物に必要な任意の他の成分を含有してよい。パウダー状の歯磨きは抗齲蝕剤に加えて、従来の研磨剤および調味料を含有してもよい。錠剤およびパウダーは、例えばビヒクル、例えばラクトース、マンニトール等;粘結剤、例えばコーンスターチ、カルボキシメチルセルロース等;および崩壊剤を含有してもよい。
本発明に記載されている口用組成物は、エナメル質にダメージを与えたり、石灰質を除去することなく、経口的に適用することができる。本発明の口用組成物のpHは一般的に約6.0〜約9.0の範囲内にある。ある実施態様においては、口用組成物のpHは約7.0〜約8.0の範囲内にある。ここで記載されている口用組成物のpHは、酸、例えば塩酸、または塩基、例えば水酸化ナトリウムで調整することができる。
さらに本発明は、口腔に本発明の口用組成物を治療有効量付与(移送)することからなる齲蝕を低減させる方法に関する。本発明で定義される口用組成物の治療的量とは、炭水化物の代謝の結果生じるプラークにより生成される酸を中和または低減して齲蝕を遅延または防止し、同時にカルシウムを付与して質量化作用による歯の溶解性を抑制するか、または再鉱化に寄与させることでエナメル質、象牙質およびセメント質の脱塩化を低減させることのできる口用組成物の量のことである。例えば、本発明の方法で移送される歯磨きは0.5〜4%、好ましくは1〜3%の範囲の量の抗齲蝕剤を含有してよい。口内洗浄剤は、0.5〜3.5%、好ましくは1.0〜3.0%の抗齲蝕剤を含有してよい。
理論に縛られるものではないが、齲蝕抑制アニオンが有機リン酸塩である場合、齲蝕抑制アニオンはエナメル質に表面ポイズンを付与し、質量作用によりエナメル質の溶解を抑制するオルトリン酸塩に加水分解することにより、歯の脱塩化を低減することができると考えられる。齲蝕抑制アニオンが重炭酸塩または炭酸塩である場合、重炭酸塩または炭酸塩アニオンは3つの手段により脱塩化を低減することができると考えられる。第1は、歯の鉱物質の溶解に利用される歯の表面およびプラーク中の酸の量を低減させる緩衝力を付与することによる。第2は、歯垢細菌によるアルギニンの分解に最適なpHに近いpH(約7.0〜8.0)を維持することによりアルギニンの酸中和活性を高めることによる。第3は、酸が中和された場合に二酸化炭素の濃度を低減し、水酸化カルシウムを生成してエナメル質を再鉱化することによる。
さらに本発明は、包装用物質と、該包装用物質に収容され、ここに記載されている口用組成物を含んでなる製造品を提供することにあり、該口用組成物は齲蝕を遅延または防止するのに有効なものであり、該包装用物質は、該口用組成物が齲蝕の遅延または防止に有効であることを示したラベルを有するものである。口用組成物の収容に使用される包装用物質は、ガラス、プラスチック、金属または任意の他の適切な不活性材料からなる。例えば本発明の口用組成物を含有する歯磨きは、折りたたみチューブ、典型的にはアルミニウム、鉛貼りまたはプラスチックのもの、または含有物を計って出す圧搾ポンプまたは加圧ディスペンサーまたは引き裂き可能な小袋に収容され得る。
本発明をさらに例証するため、以下の実施例に記載された実験を行った。本発明は、特定の実施例またはそこに記載された詳説に限定されないと理解すべきである。実施例に記載された実験から得られた結果は添付の図および表に示す。
実施例I
この実施例は、本発明に適切なカルシウム−アルギニン−フィテートおよびフィチン酸アルギニンを含有する抗齲蝕剤の調製方法を示す。またこれらの抗齲蝕剤はカルシウム−アルギニン−フィテート(CAP)塩と称される。第1段階において、KaufmanとKleinberg(1971)Archs Oral Biol.16:445-460により修正された、HarrisonとMellanby(1939)Biochem J.,33:1660-1680の手順を使用して、フィチン酸ナトリウムからフィチン酸を調製した。
約100gのフィチン酸ナトリウムまたはカルシウム(Nutritional Biochemicals,Cleveland,Ohioから購入)を200mlの蒸留水に溶解し、濃塩酸でpH1.0に調節した。ついで、塩化第二鉄(0.26M)を添加し、フィチン酸第二鉄(ferric phytate)の白色沈殿物の形成を生じさせた。ついで、遠心分離により液相から沈殿物を分離した。続いて上澄みを除去した。ついで沈殿物を、各々約1.5リットルの蒸留水を使用し、3回洗浄した。沈殿物を蒸留水に懸濁させ、溶液のpHをNaOHで11.0〜12.0に調節した。水酸化第二鉄の綿状沈殿物が形成された。沈殿物を、1600gで20分間の遠心分離により沈殿させた。上澄みをデカントし、沈殿物を0.1NのNaOHで一度洗浄した。洗浄液と上澄みを合わせ、沈殿プロセスを2回繰り返した。
ついで、フィチン酸ナトリウム溶液を、Dowexカチオン交換樹脂(BioRad 50W-x8,100−200メッシュ、H+形態:Calbiochem,Los Angeles,から購入)に通過させ、フィチン酸塩をフィチン酸に転換させた。無機の全リンの分析によりフィチン酸濃度は0.011Mで、無機オルトリン酸塩(P1)濃度は0.002Mであることが示され、これは全リン濃度の約3パーセントである。
1として存在する全リンのパーセンテージは、次の手順を使用することで、全体の3パーセントから0.1パーセントに減少した。貯蔵しておいた0.011Mのフィチン酸溶液の一定分量、通常20mlを、Dowexアニオン交換樹脂(Bio Rad AG 1-x8,200−400メッシュ、Cl形態:Calbiochem,Los Angeles,California,から購入)が収容されたガラスカラム(1.0×30cm)に通過させた。0.25MのLiC150mlでの最初の溶出で、P1を溶出させ;ついで1.0MのLiCl40mlでの溶出で、フィチン酸塩を溶出させた。
フィチン酸塩フラクションを凍結乾燥し、フラクション中のLiClを、5ml容量の無水メタノールで、残査を6回洗浄することにより除去した。残ったメタノールを空気流で蒸発させて除去した。残存したフィチン酸塩は、フィチン酸リチウムとして存在しており、ついでこれを10mlの蒸留水に溶解した。
フィチン酸リチウム溶液を、Dowexカチオン交換樹脂(50-x8,H+形態)を収容したガラスカラム(1.0×30cm)に通過させ、20mlの蒸留水で溶出させて、フィチン酸に転換させた。溶出液を凍結乾燥し、フィチン酸を濃縮して、残ったHClを除去した。残査を溶解して、6回凍結乾燥し、完全にHClを除去した。
結果として得られたフィチン酸水溶液の有機および無機リンに対する分析により、フィチン酸のモル濃度は59.3mMであることが示された。無機リンのモル濃度は3.8mMであった。この濃度において、全リンの1.05%のみが無機リンとして存在する。
フィチン酸の調製に続いて、10mlのフィチン酸を水酸化アルギニン(0.5M)でpH7.0に滴定した。水酸化アルギニンを徐々に添加することにより、滴定を繰り返し、段階的に等モル量のフィチン酸に分けた。これは予備実験において、驚くことにアルギニンが1つの原子価を有しているかのように滴定において作用することが示されたためになされた。
カルシウム−アルギニン−フィチン酸塩を調製するため、最初、上述したアルギニンの段階量でフィチン酸アルギニンを調製した。ついでフィチン酸アルギニンを、0.02M濃度の新たに調製された飽和Ca(OH)2でpH7.0に滴定した。滴定pHを、各々の滴定において、ガラスとカロメルとの複合pH電極により測定した。
フィチン酸アルギニンおよびカルシウム−アルギニン−フィテートの調製に続いて、化合物を所定の乾燥度になるまで36時間凍結乾燥した(Virtis凍結乾燥機,Virtis,Gardiner,New York)。全ての化合物を無機および有機リンおよび全窒素について分析した。カルシウム−アルギニン−フィテート化合物は、さらにカルシウムについても分析した。
各々の化合物に存在するアルギニンの量は、SingerとKleinberg(1983),Archs.oral Biol.28:873-878,によって記載されているような硫酸過酸化物の温浸後にNessler法を使用して窒素の濃度を測定することにより決定した。
カルシウム−アルギニン−フィテート化合物中に存在するカルシウムの量は、パーキン・エルマー(Perkin-Elmer)330原子吸光分光光度計と、パーキン・エルマーの原子吸光分析法のマニュアル(Perkin-Elmer Manual of Analytical Methods for Atomic Absorption Spectrophotometry)を使用して化合物を分析することにより決定した。
無機および有機リンの量は、ここに出典を明示して取込まれる、Chenほか(1956)Anal.Chem.,28:1756-1758,に記載されている方法により決定した。簡略に記すと、各々の化合物中の無機リンの量は、モリブデン酸アンモニウム水溶液を、続いて硫酸を化合物の水溶液に添加したときに600nmで発色する色調を分光光度計で測定することにより、決定した。有機リンの量は、化合物を過塩素酸および硫酸で加水分解した後、同様の方法で決定される。
カルシウム、リンおよび窒素の分析では、0.2mgの各々の化合物を蒸留水に溶解した。完全に溶解したとき、分析前に懸濁液をベックマン(Beckman)152マイクロフュージ(Microfuge)において9000gで5分間の遠心分離を行った。ついで、遠心分離物をpH4.0の酢酸バッファーに溶解し、同様に分析した。全ての組成物は酸に容易に溶解するが、各組成の中性調製組成物の可溶性/不溶性成分を決定するために二段階の分析を行った。
フィチン酸塩は多価であるために、種々の割合でカチオンとしてアルギニンとカルシウムの両方を担持することができる。錯体に結合するカルシウムが多くなればなるほど錯体の溶解度は減少し、一方錯体に結合するアルギニンが多くなればなるほど錯体の溶解度が増加する(表1−4参照)。
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実施例II
この実施例は本発明に適切な、カルシウム−アルギニン−重炭酸塩/炭酸塩の口用組成物の調製方法を示す。第1段階において、100mlの蒸留水に15グラムのアルギニン遊離塩基(水酸化アルギニン)を溶解し(これはpH10.5を有する)、ついでガス状または固体状の二酸化炭素(ドライアイス)を、pHが8.5に減少するまで添加することにより、重炭酸アルギニンを調製する。このpHで、全ての水酸化アルギニンは重炭酸アルギニンに転化される。ドライアイスを添加する場合は、水酸化アルギニンが重炭酸アルギニンに転化するまで、水酸化アルギニン溶液中にドライアイス片を連続して入れる。ついで、通常の技術を用いて、重炭酸アルギニン溶液を乾燥する。最後に、炭酸カルシウムパウダーを重炭酸アルギニンパウダーと混合し、特定の処方に必要な割合、例えば炭酸カルシウムパウダー1に重炭酸アルギニンパウダー1で、カルシウム−アルギニン−重炭酸塩/炭酸塩の組成物を製造する。
実施例III
この実施例は、in vivoでエナメル質の脱塩化を遅延させる本発明のカルシウム−アルギニン−フィテートの能力を証明する。特にこの実施例は、口内細菌および糖源と共にインキュベートされた抜歯大臼歯の脱塩化を遅延させるカルシウム−アルギニン−フィテートの能力を示す。
大臼歯を、Kleinbergら(1973)Archs.oral Biol.,18:787-798,により開発された、口腔内の混合微生物の代謝をシミュレートしたモデルにおいてインキュベートした。このモデルは唾液沈殿物中の混合口内細菌を利用している。使用した唾液沈殿物モデルは、齲蝕の形成に重要であり、口腔内で見られる種々のpH変化に対して有用な代理物として当該技術で認められているものである。
唾液沈殿物を集めるために、パラフィンロウを噛むことにより刺激された唾液を、粉砕した氷で冷却されたテスト用チューブに喀出した。ドナーは、収集前、少なくとも12時間食餌しておらず、24時間は歯磨きしていない。ドナーは少なくとも12時間の間断食し、最小レベルの外因性炭水化物しか含有しない刺激された全唾液を提供するように指示されていた。KleinbergとJenkins(1964)Archs.oral Biol.,9:493-516。収集後、唾液を1740gで15分間の遠心分離し、続いて上澄みを吸引除去した。次に、沈殿物を氷冷蒸留水で3回洗浄し、残っていた全ての唾液の上澄みを除去した。洗浄された唾液沈殿物を分析が行われるまで粉砕した氷で冷却した。
さらに分析には、ヒトの大臼歯の部分を調製する必要があった。予め蒸留水に貯蔵されていた、咬合、頬または舌表面上に顕微鏡的クラックと腐敗部がない永久大臼歯を、回転ゴムカップを使用して磨いて注意深く洗浄した。洗浄後、各々の歯を、1%のエアゾールTO溶液(Fisher Scientific,Springfield,NJ)で冷却した円形ダイアモンド刃を有する低速鋸[Buehler Isomet,Buehler LTD.,Evanstan,IL)を使用してメシオディスタル(mesiodistal)方向に垂直に切断した。300−500μmの薄片が得られた。根本を切断し、象牙質および脱塩化される任意の領域をラッカーで被覆し、健康なエナメル質のみがさらされるように残しておいた。
唾液沈殿物およびエナメル質部を準備した後、脱塩化分析を行った。サンプルのインキュベートおよび分析の実施前に、洗浄した唾液沈殿物を蒸留水に再懸濁し、最終濃度が50パーセント(v/v)になるようにした。pH応答を調査する最初の実験のために、16.7%(v/v)の沈殿物、5.6または28.0mMのグルコース、および最終濃度が3.0mMのフィチン酸アルギニンまたはカルシウム−アルギニン−フィテートを含有するインキュベート用混合物を、10×75mmのテスト用チューブ中に調製した。対照には(1)沈殿物とグルコース、(2)沈殿物、グルコースおよびフィチン酸ナトリウム(3.0mM)、(3)いくつかの実験においては、沈殿物、グルコースおよびアルギニンを含有するインキュベート用混合物が含まれる。選択されるグルコース濃度の範囲により、プラークが発酵性の炭水化物に暴露されたときにin vivoで見られる2種類のpH曲線が作成される。Kleinbergら(1973)Archs.oral Biol.,18:787-798およびKleinbergら(1977)Caries.Res.,ll(Suppl.):292-320。混合物をウォータバスで37℃で6時間インキュベートした。他の低グルコースレベルと同様、5.6mMでは、pHは急速に低下して最低値に達し、ついでゆっくりと漸次ベースライン方向に戻ってきた(図1参照)。他の高グルコースレベルと同様、28mMのグルコースレベルでもまたpHは急速に低下するが、グルコースがなお存在して酸を生成し続け、酸性のpHに維持しているために、より少し低下し、残りの実験期間の間、ほとんどまたは全く上昇しなかった(図2参照)。全てのインキュベート用混合物の調製は、37℃のインキュベート用ウォータバスに移すまで、粉砕した氷で冷却されたテスト用チューブでなされた。
各実験において、歯の薄片を含有しない対照サンプルで実験をおこなった。薄片を有する混合物は、エナメル質の脱塩化に対するフィチン酸アルギニンおよびカルシウム−アルギニン−フィテート(CAP)化合物の効果を評価するために使用された。薄片を含有しない混合物は、非歯エナメル源から放出されるリン酸塩およびカルシウムを評価するために使用された。このような供給源には、沈殿物中のカルシウムまたはリン酸塩イオン、フィチン酸アルギニンまたはCAP錯体からの少量の残りのリン酸塩、およびCAP錯体からのカルシウムが含まれる。
インキュベートする前に、1.0MのHClまたはNaOHを使用して、各々の混合物のpHを7.0に調節した。エナメル質の薄片を混合物の半分に添加した。エナメル質の薄片を添加した後、全ての混合物を、時々振盪しながら、37℃のウォータバスで6時間、直ちにインキュベートした。放射性pHメーターに接続されたガラスとカロメルとの複合電極を使用し、インキュベートの開始時、その後の1、2、4および6時間のpHを記録した。同じ時間間隔で、サンプル(60μl)を各々の混合物から回収し、7700gで3分間のマイクロ遠心分離器(152 Microfuge,Beckman)で遠心分離した。各々のサンプルの上澄みを吸引により注意深く除去し、続いて行われる、上述したカルシウムおよび無機リンの分析用に4℃で保存した。エナメル質を有するインキュベート用混合物において、エナメル質は、インキュベートの終わりに双眼顕微鏡で脱塩化(白亜質の増加)が調査された。脱塩化は0〜4の等級で評価され、0は脱塩化がみられないことを示し、4はかなりの脱塩化がみられることを示す。
インキュベート実験用に調製された5つのCAP錯体(CAP1−CAP5として示す)およびフィチン酸アルギニン(CAP0として示す)のカルシウム、リンおよびフィチン酸塩の含有量を表2−4に示す。CAP0ないしCAP5錯体において、含有されるカルシウム量は増加し、アルギニン量は減少していた。フィチン酸塩の含有量はCAP3錯体を除き、全ての錯体においてほぼ同様であった。カルシウムは、錯体1mg当たり0〜155μgと異なった。アルギニン濃度は錯体1mg当たり233.7〜691.8μgと異なった。
低濃度および高濃度(5.6および28.0mM)のグルコースでインキュベートされたインキュベーション混合物のpHに対する、フィチン酸アルギニン(CAP0)およびカルシウム−アルギニン−フィテート(CAP1ないしCAP5)の影響を図1および図2に示す。5.6mMのグルコース(図1)では、pHは急速に低下し、インキュベート30分ないし1時間後には最低値に達した。pHの最も著しい低下は沈殿物およびグルコースのみを含有する混合物(対照)で生じた。pHの最も著しい上昇は、最も多くのアルギニンを含有するCAP混合物で生じた。塩基形成のために口腔内においてより好ましいpHでアルギニンが機能するようにするフィチン酸の緩衝により、これらフィチン酸アルギニン組成物でのより大なるpH上昇が生じる。5つのCAP組成物のなかで最も少ない量のアルギニンを含有するCAP5を有するインキュベート用混合物では、ほとんどpHの上昇がみられなかった(図1)。これらの結果には、口内細菌によるグルコースの異化作用中に生じる酸を抑制する、本発明で記載されたフィチン酸アルギニンおよびカルシウム−アルギニン−フィテート錯体の能力が示されている。
種々のインキュベーションにおける、唾液沈殿物およびグルコースのインキュベート中のエナメル質の脱塩化を表5および6に示す。表5および6には、アルギニン、フィチン酸塩、フィチン酸アルギニンおよび種々のCAP錯体の存在および不在下における、唾液沈殿物−グルコース混合物(5.6mM)中でインキュベートされたエナメル質から放出されたカルシウムおよびリン酸塩が示されている。
5.6mMのグルコース、フィチン酸アルギニンおよび種々のCAP錯体を含有する混合物では、何も添加しないものおよびフィチン酸塩およびアルギニン対照と比較して、6時間のインキュベート終了時での、エナメル質から放出されるカルシウムおよびリン酸塩の量が減少していることが示された(表5および6)。沈殿物−グルコース対照と比較して、種々のCAP化合物の溶解度の減少率は、カルシウムにおいては91.2〜100%(表5)であり、リンにおいては60.1〜97.0%(表6)であった。フィチン酸アルギニン(CAP0)はより少なかった。アルギニン単独ではエナメル質の脱塩化がいくらか阻害されていることが示されているが、その効果はフィチン酸アルギニンおよびCAP錯体よりも低かった。フィチン酸塩単独では何の効果も得られなかった。
Figure 0003980645
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歯の薄片を直接用いた試験では、対照とCAP塩との間に差異があることが示された。
これらの結果には、フィチン酸アルギニンおよびカルシウム−アルギニン−フィテート錯体が、炭水化物の代謝中のエナメル質の脱塩化を遅延させる能力を有していることが明らかに示されている。
エナメル質の脱塩化を遅延させるフィチン酸アルギニンおよびCAP錯体の能力に対する、強くて長期間の酸性pHの影響を表7および8に示す。発酵性炭水化物が、高濃度で長時間、歯垢細菌に利用される場合、あまりアクセスできない歯列部位における口中でこのような条件が生じる(図2参照)。アセテートバッファーを使用して、おのおののインキュベート用混合物の実験時間中、pHを5.0に維持した。これらの表に示すように、フィチン酸アルギニンおよびCAP錯体は、酸性pHで生じるカルシウムおよびリン酸塩の有意な可溶化を阻害した。フィチン酸ナトリウムは、低いpHのこれら化合物とほぼ同様に効果的であり、可溶化の減少におけるその役割を補助した。アルギニン単独では、そこからアルカリ性の最終生成物を生成する細菌が存在しないため、何の効果もなかった。
pH4.0、5.0および6.0で行われた切開用双眼顕微鏡による歯の薄片の視覚試験では、一般にこれらの効果が裏付けられた(表9)。
これらの研究により、フィチン酸アルギニンおよびCAP錯体が、明らかにエナメル質の薄片の脱塩化を効果的に阻害する能力を有していることが示された。これは特に、中間のアルギニンおよびカルシウムレベルを有するCAP錯体にさらされた薄片および5.6mMのグルコースで生じたように、より高いレベルのpHでみられた。
Figure 0003980645
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実施例IV
この実施例は、カルシウム、アルギニンおよび重炭酸塩/炭酸塩(CABC)を含有する口用組成物の、in vivoにおけるエナメル質の脱塩化を遅延させる能力を証明するものである。特にこの実施例は、カルシウム、アルギニンおよび重炭酸塩/炭酸塩含有組成物の、厳しい酸性状態(長時間の間高濃度で存在する発酵性糖類の異化作用の結果、口内細菌によりin vivoで生じる)のpHを、アルギニンからの塩基の形成に最適なpHまで上昇させる能力を示すものである。また、口内細菌および糖源とともにインキュベートされたパウダー状のエナメル質および象牙質の脱塩化の遅延化も証明する。歯の薄片ではなく、ヒトの歯の歯冠からのパウダー状のエナメル質を脱塩化分析に使用した他は、実施例IIIで使用した唾液沈殿物のモデル系をこの実験でも使用した。
パウダー状のエナメル質を、ここに出典を明示して本明細書の一部として取り込まれるManlyとHodge(1939)J.dent.Res.18,133-141,の浮選方法により調製した。最初、永久歯を注意深く洗浄し、ついでボール−ミルで微粉状に粉砕し、60メッシュのふるいにかけて、大きな粒子を除去した。ついで、ふるい分けられた歯のパウダーを、密度が2.70になるように、ブロモホルム91%とアセトン9%(v/v)の比率のブロモホルム/アセトン混合物を使用し、密度分別により分離した。エナメル質フラクション(密度2.9−3.0)はより重かった。遠心分離後、エナメル質フラクションを取り除き、ブロモホルム/アセトン混合物で洗浄し、蒸発により乾燥させた。
それぞれが16.7%(v/v)の唾液沈殿物および11.2mMのグルコースを含有し、全量が2.4mlの5つのインキュベート混合物を調製した。各々の混合物を37℃で3時間インキュベートし、0、0.5、1、2および3時間後のpHを測定した。3時間の終了時に、各々のインキュベート用混合物を、4つのインキュベート混合物に等しく分けた(各々600μl)。4セットの一つの各混合物に、1mgの重炭酸アルギニンと1mgの炭酸カルシウムをパウダー混合物として同様に添加した。第2セットには、各々の混合物に0.5mgの重炭酸アルギニンと0.5mgの炭酸カルシウムを同様に添加した。第3セットにおいては、1mgの重炭酸アルギニンを添加し;第4セットにおいては、1mgの炭酸カルシウムを添加した。第5セットには何も添加しなかった。全ての混合物をアイスバス中で調製し、ついで直ちに、37℃のウォータバスに移し、そこでそれらを時々振盪しつつ、0、0.5、1.5および3時間インキュベートした。
各々のセットから所定の間隔を開けて取り出された1つのチューブ中のpHを記録し、ついで、各セットを2つに分割した。一方の半分は、続くカルシウムおよびリン酸塩の分析用に4℃で保持して貯蔵した。この目的のため、複製サンプル(60μl)を取り除いた。他方の半分は1mgの歯のパウダーに添加し、可溶化能力を評価するために37℃で2時間インキュベートした。2時間後に溶解していない歯のパウダーを、7700gで3分間のマイクロ遠心分離器(152 Microfuge,Beckman)で遠心分離して球粒として水相から分離した。各々のサンプルの上澄みを吸引により注意深く除去し、次の上述したカルシウムおよびリン酸塩の分析のために4℃で貯蔵した。歯のパウダーの球粒を塩酸に溶解し、複製サンプル(60μl)を同様のカルシウムおよびリン酸塩分析のために回収した。
6時間のインキュベート間全体のpHの変化を図3に示す。最初の3時間の間は、pHは急速に低下し、4.65の最低値に達した。次の3時間では、何にも添加しない対照においては、pHはさらに4.51まで低下した。重炭酸アルギニンおよび/または炭酸カルシウムの添加により、pHは直ちに上昇した。最も著しいpHの上昇は、重炭酸アルギニンおよび炭酸カルシウムの両方を含有する混合物(CABC)において生じた。また、重炭酸アルギニンでは、最初、pHは急速に上昇するが、歯列部位における高カリエスに特徴付けられる、強くて長い酸性状態を克服するのに十分な程のpH上昇を維持することはできなかった。さらに、炭酸カルシウムもpHを急速に上昇させるが、他の組成物の度合いよりは低く、引き続く上昇もみられなかった。
歯のパウダーの分析においては、pHが7.0から4.65に低下した、インキュベートの最初の3時間で20%の可溶化がみられ、pHがさらに4.51まで低下した、インキュベートの次の3時間では、さらに12%の可溶化がみられた(全体で32%の可溶化)。炭酸カルシウムの添加により、次の第2の期間では9%のみのさらなる可溶化しか生じなかった。重炭酸アルギニンではさらなる可溶化は16%であった。これに対し、炭酸カルシウム/重炭酸アルギニン(1:1)を組合せたものは、さらなる可溶化がみられないばかりか、インキュベートの最初の3時間でみられた20%の低減が回復されていた(全体で0%の可溶化)。他の炭酸カルシウム/重炭酸アルギニン(0.5:0.5)を組合せたものは、より少ない効果であった。それは、第2の期間で2%のさらなる可溶化を示した。
pH結果は、グルコースの異化作用中に生じる口腔内のpHの低下を抑制するCABC組成物の能力と、CABC組成物中のアルギニンが塩基を生成しうるようにpHを上昇させ、そのpHの上昇を維持する能力を証明している。さらにこの実施例は、歯の可溶化を防止し、齲蝕を低減または防止する手段を提供する本発明記載の組成物の能力を立証している。

Claims (18)

  1. 口用ビヒクル中にカルシウム、アルギニンおよび齲蝕抑制アニオンを分散して含有せしめると共に、該カルシウムが難溶性であり、前記齲蝕抑制アニオンが、重炭酸塩、炭酸塩、グリセロリン酸塩、フィチン酸塩およびフィチン酸塩のイノシトールリン酸塩誘導体からなる群から選択される抗齲蝕口用組成物。
  2. カルシウムが、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウムおよび有機リン酸カルシウムからなる群から選択される塩として提供される、請求項1に記載の口用組成物。
  3. アルギニンが、重炭酸アルギニン、炭酸アルギニンおよび有機リン酸アルギニンからなる群から選択される塩として提供される、請求項1に記載の口用組成物。
  4. 前記口用組成物が治療有効量のフッ化物をさらに含有する、請求項1に記載の口用組成物。
  5. 前記組成物が5μg/mg〜700μg/mgの範囲の量のアルギニンを含有する、請求項1に記載の口用組成物。
  6. 前記口用組成物が5μg/mg〜200μg/mgの範囲の量のカルシウムを含有する、請求項1に記載の口用組成物。
  7. 前記口用組成物が5μg/mg〜200μg/mgの範囲の量の一または複数の齲蝕抑制アニオンを含有する、請求項1に記載の口用組成物。
  8. 前記口用組成物が炭酸カルシウム、アルギニンおよびフィチン酸塩を含有する、請求項1に記載の口用組成物。
  9. 前記口用組成物が炭酸カルシウム、アルギニンおよび重炭酸塩を含有する、請求項1に記載の口用組成物。
  10. 前記口用組成物が歯の手入れ用品である、請求項1に記載の口用組成物。
  11. 前記口用組成物が食品である、請求項1に記載の口用組成物。
  12. 前記口用組成物がチューイングガムである、請求項1に記載の口用組成物。
  13. a)水酸化アルギニン溶液を、重炭酸アルギニン溶液の形成に十分な量の二酸化炭素ガスまたはドライアイスで滴定し;
    b)前記重炭酸アルギニン溶液を、カルシウム−アルギニン−カーボネート−ビカーボネート錯体の形成に十分な量の炭酸カルシウムで滴定する;
    連続した工程を含んでなる、請求項1の口用組成物の調製方法。
  14. a)有機オルトリン酸溶液を水酸化アルギニン溶液で滴定して有機オルトリン酸アルギニン錯体を形成し;
    b)前記有機オルトリン酸アルギニン錯体を、カルシウム−アルギニン−オルトホスフェート錯体の形成に十分な量の飽和水酸化カルシウムで滴定する;
    連続した工程を含んでなる、請求項1の口用組成物の調製方法。
  15. a)フィチン酸溶液を、フィチン酸アルギニン錯体の形成に十分な量と条件下で水酸化アルギニンにより滴定し;
    b)前記フィチン酸アルギニン錯体をカルシウム−アルギニン−フィテート−カーボネート錯体の形成に十分な量の炭酸カルシウムで滴定する;
    連続した工程を含んでなる、請求項1の口用組成物の調製方法。
  16. a)フィチン酸溶液を、フィチン酸アルギニン錯体の形成に十分な量と条件下で水酸化アルギニンにより滴定し;
    b)前記フィチン酸アルギニン錯体を飽和水酸化カルシウムで滴定して、カルシウム−アルギニン−フィテート錯体を形成させる;
    連続した工程を含んでなる、請求項1の口用組成物の調製方法。
  17. pHが5〜9である、請求項1に記載の口用組成物。
  18. 包装用材料と、該包装用物質に収容され、請求項1ないし17の何れか一項に記載の抗齲蝕口用組成物を含有してなる製造品であって、前記口用組成物が齲蝕を遅延または防止するのに有効なものであり、前記包装用物質が、前記該口用組成物が齲蝕の遅延および/または防止に有効であることを示すラベルを含む製造品。
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