JPS5811927B2 - 口腔組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は口腔用組成物、さらに詳しくは、歯垢の歯牙付
着を抑制する口腔用組成物に関する。

一般に、歯垢は種々の細菌群、細菌の代謝産物唾液成分
などからなる歯牙付着物で、歯垢中の口腔内細菌が産生
する酸や蛋白分解酵素が虫歯や歯槽膿漏の一原因とされ
ている。

そこで、虫歯や歯槽膿漏の予防、治療には歯垢の除去と
共に、歯垢の歯牙への付着を抑制することが非常に有効
な手段となる。

本発明者は歯垢の歯牙への付着を抑制する手段について
種々研究を重ねる間に、特定のＮ−アセチル化アミノ糖
が特異的に歯垢の歯牙への付着を抑制することを見出し
た。

すなわち、歯垢の歯牙への付着機構は、まず、唾液成分
が歯牙エナメル質に吸着されてその表面に薄い膜を形成
し、ついで、この膜に口腔内細菌が定着して歯垢の付着
が起こるとされている。

該Ｎ−アセチル化アミノ糖はこの口腔内細菌の唾液成分
への定着を阻止して歯垢の歯牙への付着を抑制するもの
と考えられる。

しかして、本発明は、活性成分としてＮ−アセチルグル
コサミン、Ｎ−アセチルガラクトサミンおよびＮ−アセ
チルラクトサミンから選ばれる１種または２種以上のＮ
−アセチル化アミノ糖を配合してなる口腔用組成物を提
供するものであり、本発明の組成物は歯垢の歯牙への付
着を抑制して虫歯や歯槽膿漏に対する優れた予防効果を
発揮する。

つぎに該Ｎ−アセチル化アミノ糖の、歯垢の歯牙への付
着抑制効果を試験した結果を示す。

試験 １ ３Ｈでラベルした歯牙ハイドロキシアパタイト吸着性唾
液画分に、ストレプトコッカス・ミチス（Ｓｔｒ、ｍ１
ｔｉｓ）またはストレプトコッカス・サンギス（Ｓｔｒ
、ｓａｎｇｕｉｓ） の精秤した乾燥菌体２０ｍｇを加
え、ついで、つぎの第１表に示す各種の糖を全量に対す
る濃度が５０ｍＭとなるように加え、４℃で１時間培養
した。

培養後、遠心分離により菌体を分離し、数回洗浄して、
菌体の放射能を指標として菌体に吸着された唾液量を測
定した（唾液の吸着量の多い方が菌と結合し、歯垢の歯
牙への付着の多いことを意味する）。

糖を添加せずに同様に処理した対照群の唾液吸着量と糖
添加群の唾液吸着量を比較して各糖の吸着阻止％を算出
した。

結果を第１表に示す。この結果から明らかなごとく、Ｎ
−アセチルグルコサミン、Ｎ−アセチルガラクトサミン
およびＮ−アセチルラクトサミンが特異的に唾液の菌体
への吸着を阻止している。

シュークロースやグルコースあるいは、通常、湿潤剤と
して歯磨に用いられるソルビトールなどにはかかる効果
は認められない。

試験 ２ つぎに、これらのＮ−アセチル化アミノ糖のヒト歯垢の
歯牙付着抑制効果を試験した。

臨床的に健康な口腔状態にある被験者２０人（男性、２
２〜３０才）を４群（１群、５人）にわけ、第１群には
Ｎ−アセチルグルコサミン０．１％（重量％、以下同じ
）配合洗口剤（蒸留水）、第２群にはＮ−アセチルガラ
クトサミン０．１％配合洗口剤（蒸留水溶液）、第３群
にはＮ−アセチルラクトサミン０．１％配合洗口剤（蒸
留水溶液）、第４群は対照群として、プラセボ洗口剤（
蒸留水）を、各々、毎日５回、３日間使用させた。

すべての被験者は試験開始前にスケーリングして歯牙の
汚れを除去し、試験中は読口以外の口腔清掃を行なわせ
ないこととした。

３日後、歯牙に付着した歯垢をエリスロシンで染色し、
クイグリ−およびバイン〔Ｇ、ＱｕｉｇｌｅｙおよびＪ
、Ｈｅ１ｎ。

Ｊｏｕｒｎａｌ ｏｆ Ａｍｅｒｉｃａｎ Ｄｅｎｔａ
ｌ Ａｓ５ｏｃｉ −ａｔｉｏｎ、６５，２６（１９６
２）〕の記載するインデックス法に従って歯垢の歯牙付
着状態を評価した。

第４群（対照群）の平均歯垢付着度合を１００として、
他の各群の平均歯垢付着度合を算出した。

結果をつぎの第２表に示す。第２表に示すごとく、これ
らのＮ−アセチル化アミノ糖を配合した洗口剤はヒトに
おける歯垢の歯牙への付着を明らかに抑制する。

かくして、本発明の口腔用組成物には、Ｎ−アセチルグ
ルコサミン、Ｎ−アセチルガラクトサミンおよびＮ−ア
セチルラクトサミンから選ばれるＮ−アセチル化アミノ
糖を単独で、あるいは２種以上併用して配合する。

配合割合はその効力に応じて適宜選択できるが、通常、
組成物全量に対して０．００１〜１０％、好ましくは、
０．１〜１．０％とする。

本発明の口腔用組成物は常法に従って練歯磨、粉歯磨、
液状歯磨などの歯磨類、洗口剤などの口腔洗浄剤、トロ
ーチ、チューインガムなどの剤形にすることができる。

他の配合成分は通常用いられるものいずれでもよく、例
えば、歯磨の場合はグリセリン、ソルビトールなどの湿
潤剤、第ニリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、無水ケ
イ酸、水酸化アルミニウム、ピロリン酸カルシウム、不
溶性メタリン酸ナトリウムなどの研磨剤、ラウリル硫酸
ナトリウム、アシルサルコシンナトリウム、ショ糖脂肪
酸エステルなどの発泡剤、カルボキシメチルセルロース
ナトリウム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ベ
ントナイトなどの粘結剤、甘味料、香料、その他、モノ
フルオロリン酸ナトリウム、各種殺菌剤、抗炎症剤など
の薬効剤が配合される。

つぎに実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。

実施例 １ つぎの処方に従い、常法によって練歯磨を得た。

実施例 ２ つぎの処方に従い、常法によって練歯磨を得た。

実施例 ３ つぎの処方に従い、常法によって練歯磨を得た。

実施例 ４ つぎの処方に従い、常法によって洗口剤を得た。

実施例 ５ つぎの処方に従い、常法によってトローチ剤を得た。

実施例 ６ つぎの処方に従い、常法によってチューインガムを得た
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ Ｎ−アセチルグルコサミン、Ｎ−アセチルガラクト
   サミンおよびＮ−アセチルラクトサミンから選ばれる１
   種または２種以上のＮ−アセチル化アミノ糖を配合した
   ことを特徴とする口腔用組成物。 ２ 該Ｎ−アセチル化アミノ糖を組成物全量に対して０
   ．００１〜１０重量％配合した前記第１項の組成物。 ３ 歯磨組成物の剤形である前記第１項または第２項の
   組成物。 ４ 口腔洗浄剤の剤形である前記第１項または第２項の
   組成物。 ５ トローチの剤形である前記第１項または第２項の組
   成物。 ６ チューインガムである前記第１項または第２項の組
   成物。