JP3980514B2 - 殺菌洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、殺菌洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
学校、病院、宿泊施設や、食品加工工場等の各種工場では、陶器製のタイル、金属製の壁、床など、洗浄、殺菌すべき様々な硬質表面が存在する。また、食品加工工場などでは、一連の加工処理を自動化して行うため、加工機械の洗浄、殺菌は極めて重要である。
【0003】
これらの硬質表面に付着した頑固な油汚れや米飯汚れ等に対する洗浄性能を向上させ同時に除菌するために、アルカリ剤とカチオン系殺菌剤を併用し、洗浄剤を発泡させて泡状にして適用することが行われる。泡状での洗浄は、洗浄剤の散布状況が目視にて確認できるので、処理箇所が容易に判別でき、また洗浄剤の不必要な飛散を抑制できるという利点がある。また、泡状に塗布することで、洗浄対象における滞留時間が長くなるため、洗浄、殺菌効果が向上する。特許文献1には皮脂汚れや石鹸かす汚れに対して洗浄と殺菌を同時に行うことができる殺菌洗浄剤として、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及びビルダーを含む液体洗浄剤組成物が開示されているが、発泡性が低く食品加工機器の殺菌洗浄には適さない。
【0004】
さらに、特許文献2には、硬質表面を効果的に殺菌、洗浄できる殺菌洗浄剤としてカチオン系殺菌剤、アルカリ剤及び界面活性剤を含む硬質表面用固形殺菌洗浄剤組成物が開示されているが、発泡性と泡持続性の両方を満足するものではない。
【0005】
特許文献3には、液状殺菌洗浄剤組成物をフォーマー容器に充填して泡状に吐出させる、中性ないし弱酸性で好適に使用される泡状殺菌洗浄剤組成物が、さらに特許文献4には、泡安定性能と泡保持性能に優れ、泡洗浄に適した殺菌洗浄剤組成物が開示されているが、これらは主に手指の殺菌洗浄が目的であり、共に硬質表面の殺菌洗浄用としては洗浄力や殺菌力が不十分である。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−256198号公報
【特許文献2】
特開平11−124594号公報
【特許文献3】
特開平10−330799号公報
【特許文献4】
特開2002−53893号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように殺菌性能と洗浄性能を併せ持つ殺菌洗浄剤が種々開発され使用されているが、洗浄性のためにはアルカリ剤が必要である。カチオン系殺菌剤(第4級アンモニウム塩系殺菌剤、ピリジウム塩系殺菌剤)、ビグアナイド系殺菌剤及びアミノ酸系殺菌剤から選ばれる1種以上の殺菌剤を使用した場合に、珪酸塩、特に珪酸アルカリ金属塩を併用すると、析出物が発生し処理対象物に残存、付着して、いわゆる白化現象を起こすことがある。白化現象を起こしてしまうと、すすぎ時などにこれを除去するための擦り洗いなどが必要となり、処理面積が大きくなればなるほど負担も増大する。
【0008】
また、泡洗浄剤として使用した時に、発泡性が良くても泡持続性が不十分であれば、膨潤し除去しやすくなった汚れが乾燥により洗浄し難くなり、洗浄性の低下につながる。
【0009】
本発明の課題は、優れた殺菌性能と洗浄性能を併せ持ち、且つ処理対象物の白化現象を起こさず、更に発泡性と泡持続性の両方に優れ、高い洗浄性が得られる殺菌洗浄剤組成物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カチオン系殺菌剤、ビグアナイド系殺菌剤及びアミノ酸系殺菌剤より選ばれた1種以上の殺菌剤(A)〔以下、(A)成分という〕、珪酸を含まないアルカリ剤(B)〔以下、(B)成分という〕、非イオン界面活性剤(C)〔以下、(C)成分という〕、両性界面活性剤(D)〔以下、(D)成分という〕、並びに、金属キレート剤(E)〔以下、(E)成分という〕を含有し、1重量%水溶液のpH(25℃)が9以上である殺菌洗浄剤組成物に関する。
【0011】
また、本発明は、上記本発明の殺菌洗浄剤組成物を1〜1000mL/水1Lの濃度に希釈した水希釈液を発泡させて洗浄対象物に接触させる洗浄方法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
<(A)成分>
(A)成分は、主として殺菌効果に寄与するものである。(A)成分のうち、カチオン系殺菌剤としては、第四級アンモニウム塩系殺菌剤、ピリジニウム塩系殺菌剤が挙げられ、具体的には、ジアルキル(アルキル基は、好ましくは炭素数8〜14)ジメチルアンモニウムハライド、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム及びこれらの対イオンが他のアニオンに置換された化合物等が挙げられる。第四級アンモニウム塩系殺菌剤、ピリジニウム塩系殺菌剤は、下記一般式(A−1)で表される化合物及び下記一般式(A−2)で表される化合物から選ばれるものが好ましい。
【0013】
【化3】
Figure 0003980514
【0014】
〔式中、R1、R2、R3、R4は、これらの1つ又は2つが、炭素数8〜16の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基又は次式
【0015】
【化4】
Figure 0003980514
【0016】
で表される基を示し、残りは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基、ベンジル基又は次式−(CH2CH2O)mH(mはエチレンオキサイドの平均付加モル数であり2〜20の数である。)で表される基を示し、R5は炭素数12〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、X-は塩素イオン等のハロゲンイオン又はモノアルキルリン酸イオン、グルコン酸イオン等の有機アニオンである。〕
【0017】
また、ビグアナイド系殺菌剤としては、クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレンビグアニジン等が挙げられる。
【0018】
また、アミノ酸系殺菌剤としては、アルキル(好ましくは炭素数12〜18)ジアミノエチルグリシン、ジ(アルキル(好ましくは炭素数6〜12)アミノエチル)グリシン等のアルキルポリアミノエチルグリシン等が挙げられる。(A)成分としては、第四級アンモニウム塩系殺菌剤、ピリジニウム塩系殺菌剤及びビグアナイド系殺菌剤から選ばれる一種以上が好ましく、特に第四級アンモニウム塩系殺菌剤及び/又はピリジニウム塩系殺菌剤が好ましい。
【0019】
第四級アンモニウム塩系殺菌剤、ピリジニウム塩系殺菌剤としては、塩化ベンザルコニウム(例えば、商品名サニゾールC、花王(株)製等)、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド(例えば、商品名コータミンD10E、花王(株)製等)が特に好ましい。また、ビグアナイド系殺菌剤としては、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩が特に好ましい。
【0020】
<(B)成分>
(B)成分は、主として洗浄効果に寄与するものである。(B)成分は、珪酸を含まないアルカリ剤であり、具体的には、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、モノエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。なかでも、アルカリ金属の水酸化物、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムが好ましく、特に水酸化カリウムが好ましい。
【0021】
<(C)成分>
(C)成分としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、アルキルポリグリセリンエーテル等が挙げられる。
【0022】
なかでも、ポリオキシアルキレン(好ましくは炭素数2〜4)アルキル(好ましくは炭素数6〜24)エーテル、ポリオキシアルキレン(好ましくは炭素数2〜4)アルキル(好ましくは炭素数6〜24)アリール(好ましくはフェニル)エーテル、アルキル(好ましくは炭素数6〜24)ポリグリコシド、アルキル(好ましくは炭素数6〜24)ポリグリセリン(好ましくは縮合度2〜20)エーテルが好ましく、アルキル(好ましくは炭素数6〜24)ポリグリコシドが特に好ましい。これらにおけるオキシアルキレンの平均付加モル数は、3〜50が好ましい。
【0023】
<(D)成分>
(D)成分としては、アルキル(好ましくは炭素数6〜22、特に好ましくは炭素数12)ジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド、アルキル(好ましくは炭素数6〜22、特に好ましくは炭素数12)ジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルジメチルアミノ脂肪酸ベタイン、ラウロイルアミドプロピルベタイン等のアルキル(好ましくは炭素数6〜22)アミドベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等のアルキル(好ましくは炭素数6〜22)スルホベタイン、ココアミドジメチルヒドロキシプロピルスルホベタイン等のアルキル(好ましくは炭素数6〜22)アミドスルホベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン型両性界面活性剤が挙げられ、中でもアミンオキサイド、アルキルジメチルアミノ脂肪酸ベタインが好ましい。(D)成分を含有することにより、製剤安定性や泡立ちが良くなる。
【0024】
<(E)成分>
(E)成分としては、ヒドロキシカルボン酸塩、アミノカルボン酸塩等が挙げられ、特にエチレンジアミンテトラ酢酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸塩、ニトリロトリ酢酸塩、クエン酸塩が好ましい。(E)成分は、希釈時の安定化に効果的であり、また硬度成分による白濁防止や発泡機内での珪酸スケール(珪酸カルシウム)の沈着防止の点でより好ましい。
【0025】
その他、本発明の殺菌洗浄剤組成物に配合できる成分として、以下のものが挙げられる。
【0026】
<(F)水溶性溶剤>
具体的には、エタノール等の炭素数1〜5の1価アルコール、プロピレングリコール等の炭素数2〜12の2価アルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等の(C)成分以外のポリアルキレングリコールアルキルエーテル等が挙げられる。加水分解等による水溶性溶剤の変質防止の観点から、水溶性溶剤は、エステル結合やアミド結合を有しないものが好ましい。
【0027】
<(G)防錆剤>
具体的には、亜硝酸塩、安息香酸塩、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、リン酸塩、ポリリン酸塩等が挙げられる。
【0028】
本発明の殺菌洗浄剤組成物は、(A)成分を0.01〜20重量%、更に0.1〜10重量%含有することが好ましい。また、(B)成分を0.01〜20重量%、更に0.1〜10重量%含有することが好ましい。また、(C)成分を0.01〜30重量%、更に0.1〜20重量%含有することが好ましい。また、(D)成分を0.01〜10重量%、更に0.1〜10重量%含有することが好ましい。また、(E)成分を0.01〜10重量%、更に0.1〜5重量%含有することが好ましい。
【0029】
また、本発明の殺菌洗浄剤組成物では、(B)成分と(C)成分の重量比は、(B)/(C)=1/0.5〜1/10、更に1/1〜1/5が好ましい。
【0030】
また、本発明の殺菌洗浄剤組成物では、(C)成分と(D)成分の重量比は、発泡性と泡持続性のバランスの観点から、(C)/(D)=1/9以上9/1未満、更に1/9以上2/1未満、特に2/8〜1/1が好ましい。
【0031】
(C)成分の非イオン界面活性剤の単独使用では、泡持続性は良好であるが発泡性が不十分であり良好な泡を形成することが困難となる。一方、(D)成分の両性界面活性剤の単独使用では、発泡性は良好であるが泡持続性が不良となる。本発明では、(C)成分と(D)成分を併用することで、発泡性と泡持続性の両方に優れた殺菌洗浄剤組成物が得られる。
【0032】
本発明の殺菌洗浄剤組成物は、洗浄性の観点から、1重量%水溶液のpH(25℃)が9以上であり、好ましくは10〜13である。
【0033】
また、本発明では、珪酸を含まないアルカリ剤を(B)成分として使用するが、殺菌洗浄剤組成物中の珪酸の濃度は2重量%以下、更に0.5重量%以下であることが、白化防止の点で好ましい。なお、珪酸塩等、珪酸を含有する化合物は、珪酸換算の濃度とする。
【0034】
また、本発明の殺菌洗浄剤組成物は、原液ないし100倍程度に希釈して使用されるが、使用時の各成分の濃度は、(A)成分が10ppm〜20重量%、更に100ppm〜20重量%、(B)成分が10ppm〜20重量%、更に100ppm〜20重量%、(C)成分が10ppm〜30重量%、更に100ppm〜20重量%、(D)成分が10ppm〜20重量%、更に100ppm〜10重量%、(E)成分が10ppm〜10重量%、更に100ppm〜10重量%が好ましい。
【0035】
本発明の殺菌洗浄剤組成物は、殺菌洗浄性能に優れ、且つ処理対象物の白化現象を起こさないため、幅広い分野での殺菌洗浄に有用である。例えば、病院、養護施設、食品加工工場、クリーニング施設、厨房等の壁、床、窓等あるいはそれらで用いられる器具及び備品の殺菌に用いられる。
【0036】
本発明の殺菌洗浄剤組成物は、例えば上記のような適当な濃度に希釈して用いられるが、特に、1〜1000mL/水1L、更に10〜1000mL/水1Lの濃度に希釈した水希釈液を発泡させて洗浄対象物に接触させる洗浄方法に用いるのが好ましい。食品加工工場内の製造ライン等、処理面積が大きい場合は、泡洗浄機(例えば「SCU−HF」スプレーイング社製)が好適に用いられ、まな板等の調理器具や備品等、処理面積が小さい場合は、トリガースプレーヤーやフォーマースプレーヤー等の泡を発生させることのできるハンドスプレーヤーが好適に用いられる。
【0037】
泡洗浄機を用いる場合、発泡倍率〔泡の体積(mL)/泡の重量(g)の比〕が3〜50倍、更に5〜40倍、特に10〜40倍であることが好ましい。トリガースプレーヤーやフォーマースプレーヤー等のハンドスプレーヤーを用いる場合、発泡倍率が2〜30倍、更に2〜20倍、特に3〜10倍であることが好ましい。
【0038】
【発明の効果】
本発明の殺菌洗浄剤組成物は、発泡性、泡持続性が良いため、高い洗浄性及び殺菌性を有する。更に白化防止性に優れるので、すすぎ時に残留成分が殆ど無い。
【0039】
【実施例】
実施例1
表1に示す液体殺菌洗浄剤組成物を調製し、以下の試験を行った。結果を表1に示す。
【0040】
1.デンプン洗浄試験方法
市販のレトルト米飯(さとうの御飯)200gを電子レンジで2分加熱した後、ミキサーの中にイオン交換水200gと共に入れ、1分間撹拌、その後さらにイオン交換水400gを追加し、1分間撹拌する。得られたデンプンスラリーを、市販ガーゼを2重に重ねにしたもので濾過し、試験用のデンプンスラリーを得た。
【0041】
SUS304製金網(目間隔2mm、10cm×10cm)を洗浄、乾燥させた後、精秤(D1g)する。上記デンプンスラリーを約7cn×10cmの面積に刷毛で塗る。24時間室温で乾燥させ、精秤(D2g)し、テストピースを作成した。このテストピースを立ててセットし、その上に各種組成物の5%水溶液を発泡機(スプレーイングシステム社製)で泡状に付与し、60分放置後水洗を行った。この時の発泡倍率は組成によって異なるが、10〜40倍の範囲であった。
【0042】
乾燥後に重量測定を行い(D3)、下記計算式よりデンプンの減少率を算出し、これを洗浄率とした。
洗浄率(%)=〔(D2−D3)/(D2−D1)〕×100
【0043】
2.油洗浄試験方法
表面を240番サンドペーパーで研磨し、洗浄、乾燥したSUS304テストピース(3cm×8cm)を精秤(D1g)する。その表面に、ナタネ油/牛脂混合油(50/50重量比)を均一に塗り精秤(D2g)する。このテストピースを垂直に立てて置き、その上から各種組成物の5重量%水溶液を発泡機(スプレーイングシステム社製)で泡状に付与し、60分放置後水洗を行った。この時の発泡倍率は組成によって異なるが、10〜40倍の範囲であった。
【0044】
乾燥後に重量測定を行い(D3)、デンプン洗浄試験方法における計算式と同様に混合油の減少率を算出し、これを洗浄率とした。
【0045】
3.殺菌性試験
大腸菌(Escherichia coil IFO3972)と黄色ブドウ球菌(Staphylicoccus aureus IFO12732)を、それぞれSCD寒天培地(日本製薬(株))で35℃、24時間前培養した後、寒天培地上に生成されたコロニーを一白金耳かきとって、SCD寒天培地(日本製薬(株))に懸濁して35℃、24時間培養した。細菌の生育が確認されたならば、本懸濁液を遠心洗浄後、適量の滅菌水で約108〜109cell/mLの菌濃度に調整して菌液とした。
【0046】
予め滅菌水を用いて2倍ずつ段階希釈した表1の組成物2mLを試験管に用意し、この中に上記の菌液0.1mLを注ぎ、25℃で15分間接触させた。96穴マイクロシャーレ(コーニングコースター社)に、0.2mLずつ分注した1.0%チオ硫酸ナトリウムを加えたSCDLP培地(日本製薬(株)製)中に、細菌と組成物希釈液との接触液を直ちに0.05mL採取し、組成物を不活化させ、そのまま35℃で24時間培養した。培養後、培養液に濁りが生じない(完全に殺菌できている)最高希釈倍率を最少殺菌濃度とし、希釈倍率で表記した。
【0047】
4.白化防止性評価
SUS304プレート(10cm×20cm)の上に各種組成物の5重量%水溶液を発泡機(スプレーイングシステム社製)で泡状に付与し、60分放置後水洗を行った。その後、表面残留物の有無を目視判定し、以下の基準で評価した。
◎:残留物無し
○:わずかに残留物有り
×:残留物有り
【0048】
5.泡特性
(5−1)起泡性
各種組成物の5重量%水溶液を発泡機(スプレーイングシステム社製)で噴霧した時の泡状態を目視判定し、以下の基準で評価した。
◎:クリーミーな泡を形成する
○:粗い泡を形成する
×:泡を形成せず液状である
【0049】
(5−2)泡持続性
各種組成物の5重量%水溶液を発泡機(スプレーイングシステム社製)で1Lのビーカーに噴霧し、30分経過後の泡残量を目視判定し、以下の基準で評価した。
◎:表面全体にわたって泡が残存する
○:かなりの泡が破泡するが、部分的に泡の残存が認められる
×:泡が破泡し、表面に泡が残っていない
【0050】
【表1】
Figure 0003980514
【0051】
表中の成分は以下のものである。また、pHは、組成物の1重量%水溶液のpH(25℃)である。
・殺菌剤1:塩化ベンザルコニウム〔サニゾールC、花王(株)製〕
・殺菌剤2:ジデシルジメチルアンモニウムクロライド〔コータミンD10E、花王(株)製〕
・非イオン界面活性剤1:ポリオキシエチレン(エチレンオキサイド平均付加モル数12)ラウリルエーテル〔エマルゲン120、花王(株)製〕
・非イオン界面活性剤2:ポリオキシエチレン(エチレンオキサイド平均付加モル数7)−sec−アルキル(C12〜C14)エーテル〔エマルゲン707、花王(株)製〕
・非イオン界面活性剤3:アルキル(C12〜C14)ポリグルコシド〔AG−124、花王(株)製〕
・両性界面活性剤1:ジメチルラウリルアミンオキサイド〔アンヒトール20N、花王(株)製〕
・両性界面活性剤2:アルキル(C12〜C14)ジメチルアミノ酢酸ベタイン〔アンヒトール24B、花王(株)製〕

Claims (6)

  1. カチオン系殺菌剤及びアミノ酸系殺菌剤より選ばれた1種以上の殺菌剤(A)、珪酸を含まないアルカリ剤(B)、アルキルポリグリコシド(C)、両性界面活性剤(D)、並びに、金属キレート剤(E)を含有し、1重量%水溶液のpH(25℃)が11.3〜11.8であり、(C)成分と(D)成分の重量比が(C)/(D)=2/8〜2/4である殺菌洗浄剤組成物。
  2. 両性界面活性剤(D)が、アルキルアミンオキサイド及びアルキルアミノ酢酸ベタインから選ばれる1種以上である請求項1記載の殺菌洗浄剤組成物。
  3. アルキルアミンオキサイドが、炭素数12〜22のアルキル基を有するアルキルアミンオキサイドである請求項3記載の殺菌洗浄剤組成物。
  4. 殺菌剤(A)が、次式(A−1)又は(A−2)で表されるカチオン系界面活性剤である請求項1〜3のいずれか1項記載の殺菌洗浄剤組成物。
    Figure 0003980514
    〔式中、R1、R2、R3、R4は、これらの1つ又は2つが、炭素数8〜16の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基又は次式
    Figure 0003980514
    で表される基を示し、残りは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基、ベンジル基又は次式−(CH2CH2O)mH(mはエチレンオキサイドの平均付加モル数であり2〜20の数である。)で表される基を示し、R5は炭素数12〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、X-はハロゲンイオン又は有機アニオンである。〕
  5. 珪酸を含まないアルカリ(B)が、アルカリ金属の水酸化物である請求項1〜4のいずれか1項記載の殺菌洗浄剤組成物。
  6. 請求項1〜5の何れか1項記載の殺菌洗浄剤組成物を1〜1000mL/水1Lの濃度に希釈した水希釈液を発泡させて洗浄対象物に接触させる洗浄方法。
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