JP2001521574A - 液体酵素調製物およびその使用 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 液体酵素調製物を、ポリヘキサメチレンビグアニドまたはＮ,Ｎ−ビス(3−アミノプロピル)ドデシルアミンまたはこれら化合物の塩を添加することにより、有効な方法で安定化する。希釈の後、上記のように安定化した本発明の酵素調製物を、乳製品用設備の洗浄に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 液体酵素調製物およびその使用 本発明は、一般的には硬表面の酵素洗浄、より具体的には、液体の安定化酵素 調製物ならびに硬表面（特に乳製品製造／販売における）を洗浄するためのその 使用に関する。 タンパク質および脂肪を含有する堆積物は、ミルクの製造および加工の際に、 ミルクまたはミルク製品と接触することになる容器およびパイプ表面上で形成さ れる。除去するのが非常に困難であるそのような堆積物は、搾乳機、ミルク収集 トラック、タンク、パイプラインおよびヒーターにおいて特に顕著に生じる。汚 れの頑固な性質のために、この種の装置は、一般には強アルカリ性およびある種 の場合には強酸性の洗浄剤によって洗浄されるが、これら洗浄剤はその強い腐食 特性のために慎重な配慮をもって取り扱わなければならない。さらに、この種の 洗浄剤が敏感な材料において使用される場合には、これらの洗浄剤は、特別な予 防策をたてないかぎり、腐食を引き起こすことが予想され得る。主排水系に排水 する前に、これらの洗浄剤を中和しなければならない。 強アルカリ性または強酸性の洗浄溶液の使用に包含される問題のために、実質 的には中性pH値であるが、強アルカリ性または強酸性洗浄剤と同程度の効果で洗 浄する洗浄溶液を開発する試みが少なからず存在していた。とりわけ、酵素、特 にプロテアーゼをこの目的で使用することが提案されている。この対象に対する 多くの公表が文献（例えば、国際特許出願公開WO96／6910を参照：この中に多く の参照文献を見出すことができる）に記載されている。基本的に、中性pHであっ ても、プロテアーゼを使用する場合には十分な洗浄が可能であるが、これらの酵 素の使用は他の問題を伴う。即ち、特に業務用洗浄において、実際の洗浄溶液を 調製するために液体濃縮物を使用するのが好ましい。残念ながら、液体酵素濃縮 物は、貯蔵中にその効力を非常に早く失う。これは、存在する酵素が 変性するかまたはその活性を失うためである。この理由から、多くの試みは、貯 蔵中の液体酵素調製物の安定性を、いわゆる安定剤の添加によって改善している 。例えば、ホウ酸またはホウ酸塩および可溶性カリウム塩の添加、さらに多価ア ルコールの添加が、広く実践されている。残念ながら、これらの安定剤は、課題 に対する全体的に満足のいく解決をいまだ与えていない。 本発明の指向する課題は、液体酵素調製物の安定性を改善することであった。 本発明の指向する別の課題は、硬表面（特に乳製品業における）を洗浄するのに 適する酵素調製物を開発することであった。さらに、これらの酵素調製物は、特 に業務用洗浄に必要な種類の再使用可能な洗浄溶液の製造に適する。 驚くべきことに、上記の課題が、ある種の塩基性窒素化合物を液体酵素調製物 に添加することにより解決され得るということがわかった。 即ち、本発明は、プロテアーゼ、ならびにエチレングリコール、プロピレング リコール、グリセロールおよびこれらの混合物からなる群からの溶媒、ならびに ポリヘキサメチレンビグアニド、Ｎ,Ｎ-ビス-(3-アミノプロピル)-ドデシルアミ ン、これらの塩およびこれら化合物の混合物からなる群からの安定剤、を含有す る液体の安定化酵素調製物に関する。好ましい態様において、この酵素調製物は 、水および所望の他の助剤、より具体的には界面活性剤、可溶化剤およびそれら の混合物の群からの助剤をさらに含有する。また、本発明は、乳製品用設備を洗 浄するための洗浄溶液の製造のために酵素調製物を使用すること、ならびに、実 質的に中性〜弱アルカリ性の範囲のそのような洗浄溶液を使用して乳製品用設備 を洗浄するための方法に関する。 液体酵素調製物の安定化に使用する塩基性窒素化合物は、従来、その抗微生物 活性によって殺菌剤においてほとんど全てに使用されている物質である。即ち、 ロンザ(Lonza)およびゼネカ・バイオシズ(Zeneca Biocides)から、それぞれロン ザバック(Lonzabac)BFGおよびバントシル(Vantocil)IBの名称で、ポリヘキサメ チレンビグアニド塩酸塩をこの目的に利用することができる。ロンザ社からロン ザバック-12.30またはバルダック(Bardac)21の名称で、Ｎ,Ｎ-ビス-(3-アミノ プロピル)-ドデシルアミンをこの目的に利用することができる。これらの抗微生 物剤が、液体酵素調製物に対して安定化効果を持つという事実は知られていなか った。１つの特別な利点は、これら塩基性窒素化合物が非常に少量であっても液 体酵素調製物を安定化するのに十分であるということである。これらは、液体酵 素調製物全体を基準にして、好ましくは約0.5〜約5重量％の量、より好ましくは 約1〜約3重量％の量で使用されるが、特別な場合には、この濃度範囲外の量で安 定剤を使用することも適するであろう。上記の市販形態の２種類の安定剤（即ち 、塩酸塩または遊離塩基として）が好ましく使用される形態であるが、塩基性窒 素化合物の他の塩（これが、いずれかの特別の場合に適切であるとき）を使用す ることももちろん可能である。塩基性窒素化合物それ自体に加えて、酵素調製物 に可溶性である無機または有機酸との全ての塩を用いることもできる。 液体酵素調製物は、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセ ロールからなる群からの少なくとも１つの物質を溶媒として含有する。これらの 溶媒はそれ自体で使用することができるが、追加の溶媒として水と一緒に使用す るのが好ましい。酵素調製物中のエチレングリコール、プロピレングリコール、 グリセロールおよびその混合物からなる群からの溶媒の含量は、調製物全体を基 準にして、好ましくは約10〜約70重量％、より好ましくは約30〜約50重量％であ る。追加の溶媒として水を使用するときには、水含量は、再び液体酵素調製物全 体を基準にして、好ましくは約5〜約40重量％、より好ましくは約10〜約30重量 ％である。一般的に、カリウム塩は酵素溶液に対して安定化効果を有するので、 水道水を酵素調製物に使用するのが好ましい。 上記の窒素含有塩基の安定化効果は、全ての酵素の液体調製物に及ぶが、洗浄 活性酵素（即ち、硬表面または織物の洗浄において幾つかの点または他の点で用 途を有する酵素）の溶液を安定化するために、本発明に従って使用するのが好ま しい。従って、本発明に従って安定化される酵素調製物は、プロテアーゼ(ペプ チダーゼ)、アミラーゼ、セルラーゼ、グリコシダーゼ、リパーゼおよび酸化還 元酵素の群からの少なくとも１つの酵素を含有するのが好ましい。また、本発 明の調製物は、酵素間の問題となる相互作用が生じないならば、様々な種類から の幾つかの酵素を含有することもできる。本発明の調製物の特に好ましい適用（ 即ち、ミルク加工中の硬表面の洗浄）のために、本調製物は、少なくとも１つの プロテアーゼを、より具体的にはプロテアーゼそれ自体または他のプロテアーゼ との混合物の形態で含有する。 本発明の調製物中の酵素量は、調製物が意図する目的に従って選択される。従 って、酵素量は、非常に広い範囲内で自由に選択することができる。塩基性窒素 化合物の有利な安定化効果は、全ての酵素濃度で生じる。また、調製物中の酵素 濃度は、使用される特定の酵素の比活性にもちろん依存する。従って、以下にお いて酵素量が記載されている場合、それらは大まかな基準とみなされるべきであ り、所望によりどちらの方向に超過してもよい。濃度数値は純粋な酵素に当ては まり、製造元が酵素調製物に添加することが多い希釈液、助剤および溶媒を含有 しない。一方、本発明の酵素調製物は、市販の酵素濃縮物から調製されるのが普 通であるので、この助剤および希釈液は、自動的に本発明の調製物の成分になる 。本発明の調製物は、様々な製造元から販売されている高濃度の液体酵素調製物 から調製されるのが好ましい。例えば、液体プロテアーゼは、ジェネンコール(G enencor)およびノボ(Novo)などの製造元からアルカラーゼ(Alkalase)、サビナー ゼ(Savinase)、プラフェクト(Purafect)およびマクサターゼ(Maxatase)の名称で 得られる。好ましい酵素は、洗浄のために酵素調製物を使用するpH値付近におい て最適効果を現わす酵素である。本発明の酵素調製物は、好ましくは約1〜約15 重量％、より好ましくは約2〜約8重量％の洗浄活性酵素を含有する。プロテアー ゼの場合、これは、好ましくは100ｇの調製物あたり約5〜約100のアンソン(Anso n)単位に相当すべきである。 既に記載した成分に加えて、本発明の酵素調製物は、特定の適用に適する場合 には、他の助剤を含有していてよい。そのような助剤は、特に洗浄効果を高める ための界面活性剤、および水を含有する調製剤の場合には可溶化剤（ヒドロトロ ープ）である。別の助剤および添加剤の例は、他の通常の酵素安定剤（例えば可 溶性カリウム塩およびホウ酸塩）、増粘剤、染料、抗酸化剤、発泡抑制剤、保存 剤および緩衝剤である。助剤および添加剤を選択する場合に、本発明の調製物の 他成分との問題となる相互作用が生じないことを確保することが重要である。即 ち、基本的には全ての既知の種類の界面活性剤を使用することができるが、非イ オン、陽イオンおよび両性界面活性剤が特に好ましく、非イオン界面活性剤が最 も重要である。 適当な非イオン界面活性剤は、特に、長鎖アルコール、アルキルフェノールお よびアミドおよびカルボン酸と、エチレンオキシド(EO)および所望によるプロピ レンオキシド(PO)との付加生成物である。これらは、例えば、好ましくは2〜6モ ルのエチレンオキシドと、鎖中に12〜18個の炭素原子を含有する長鎖第一級また は第二級アルコール、より具体的には同じ鎖長を有する脂肪アルコールおよびオ キソアルコールとの付加生成物ならびにエチレンオキシドと鎖中に12〜18個の炭 素原子を含有する脂肪酸との付加生成物を包含する。エチレンおよびプロピレン オキシドと12〜18個の炭素原子を含有する脂肪アルコールとの混合付加生成物、 特に分子中に約２モルのEOおよび約４モルのPOを含有する付加生成物が特に好ま しい。適当な非イオン界面活性剤の例は、デハイポン（Dehypon^R）LS24、デハイ ポン LS54、エウムルギン（Eumulgin^R）05、デヒドール（Dehydol^R）LT8、デヒ ドールLT6およびデヒドールLS6の名称でヘンケル社（Henkel KGaA）から市販さ れている脂肪アルコールアルコキシレートである。 他の適当な非イオン界面活性剤は、6〜12個の炭素原子を含有する脂肪酸およ びポリオール、より具体的には炭水化物（例えばグルコース）のエステルである 。非イオン界面活性剤が本発明の酵素調製物中に存在する場合、その含有量（％ ）は、調製物全体を基準にして、好ましくは約5〜約50重量％、より好ましくは 約20〜約40重量％である。 適当な陽イオン界面活性剤は、特に、第四級中心に少なくとも１つの長鎖Ｃ_{8- 18} アルキル基を持つ、脂肪族またはへテロ環式の第四級アンモニウム化合物お よび第四級ホスホニウム化合物である。そのような陽イオン界面活性剤の例は、 ココアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアン モニウムクロリドおよびトリブチルテトラデシルホスホニウムクロリドである。 適当な両性界面活性剤は、特に、ベタイン構造のＣ_8-18脂肪酸アミド誘導体、 より具体的にはグリシンの誘導体、例えばココアルキルジメチルアンモニウムベ タインである。 適当な可溶化剤の例は、クメンスルホネート、キシレンスルホネートおよびオ クチルスルホネートであるが、他の通常の可溶化剤も、もちろん使用できる。可 溶化剤の含量は、必要に応じて選択され、調製物全体を基準にして、好ましくは 約1〜約10重量％、より好ましくは約2〜約５重量％である。 通常、本発明の酵素調製物は、洗浄のためにそのまま使用することはなく、そ の代わりに、実際の洗浄溶液の調製のための出発物質となる。最も簡単な場合で は、この洗浄溶液は酵素調製物を水で希釈することによって調製されるが、多く の場合では、他の成分を洗浄溶液に添加する。乳製品用設備を洗浄するための酵 素調製物の好ましい使用においては、酵素調製物を、好ましくは約１：5000〜１ ：500、より好ましくは１：3000〜1：1000の割合で水を用いて希釈する。１つの 特に好ましい態様においては、他の洗浄活性物質、より具体的には錯生成剤、ア ルカリおよび界面活性剤の群からの洗浄活性物質を、この目的のために洗浄溶液 に添加する。もちろん、この時点で他の助剤、例えば発泡抑制剤および緩衝剤、 例えば可溶性炭酸塩またはケイ酸塩を添加することも可能である。 本発明に関わる乳製品用設備の１つの特定の洗浄方法において、洗浄溶液は、 本発明の酵素調製物を上記の割合で水を用いて希釈し、緩衝剤濃縮物を添加する ことによって調製される。この緩衝剤濃縮物は、約8〜約10、好ましくは約8〜約 9.5のpH値に洗浄溶液を調整するために、希釈洗浄溶液全体を基準にして、約0.0 1〜約0.2重量％、好ましくは約0.03〜0.1重量％の量で使用する。酵素調製物の 出発pH値に依存して、この緩衝剤濃縮物は、酸性またはアルカリ性物質、例えば クエン酸、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムを含有していてよい。 アルカリ性pH値を調整するために特に好ましい緩衝剤濃縮物は、以下の組成を 有する： ・3〜20重量％、好ましくは5〜10重量％のポリホスフェート、ポリアク リレートおよびその混合物の群からの錯生成剤、 ・3〜20重量％、好ましくは5〜10重量％の水酸化ナトリウム、水酸化カ リウムおよびその混合物からなる群からのアルカリ金属水酸化物、 ・5〜30重量％、好ましくは10〜20重量％の炭酸ナトリウム、炭酸カリ ウムおよびその混合物からなる群からのアルカリ金属炭酸塩、および 、 ・20〜80重量％、好ましくは40〜60重量％の水。 このように調製された洗浄溶液を用いる乳製品用設備の洗浄は、手によって実 施することができるが、多かれ少なかれ機械によって実施するのが好ましい。通 常、設備は、所望により予備加熱した水で最初に前すすぎし、次いで本発明に従 って調製した洗浄溶液で実際に洗浄する。洗浄は室温で実施することができるが 、特に機械洗浄の場合には、高温で、より具体的には約70℃までの温度で実施す るのが好ましい。約40〜約60℃の温度が特に好ましく、約50〜約60℃の温度が最 も好ましい。洗浄は機械に助けられてよいが、特に比較的高温では満足のいく洗 浄のために洗浄溶液を撹拌する。閉鎖系の場合には、洗浄溶液をポンプ循環し、 所望により洗浄される表面（例えばタンク内側）へ、噴霧ヘッドまたは類似装置 によって噴霧する。所望の洗浄度が達成されるまで、洗浄溶液を十分な時間（例 えば約5〜約30分間）循環する。この洗浄方法は、現場洗浄（CIP）としても知ら れている。この洗浄溶液をポンプ排出した後に、通常は設備を新しい水ですすぎ 、必要であれば、新しい水を除去した後にさらに殺菌溶液で処理し、次いで新し い水ですすぐ。 １つの特に有利な態様においては、本発明の酵素調製物によって調製された洗 浄溶液は、殺微生物活性な塩基性窒素化合物の存在のゆえに微生物侵入を受けな いため、この洗浄溶液を次の洗浄作業のために貯蔵することができる。このため に、洗浄溶液を貯蔵タンク中で貯蔵し、そして洗浄中の設備中に残存する溶液量 およびすすぎ水によって損失する溶液量のみを増補する。このようにして各洗浄 操作中にわずか数％の洗浄溶液が排水になるだけであるため、全洗浄溶液を各洗 浄操作の後に捨てなければならない従来の方法と比較すると、排水の汚染レベル は非常に低い。再利用できる高アルカリ性洗浄剤と比較すると、洗浄溶液中のホ スフェートの不存在および低腐食度を利点と考えることができる。 実施例 １．安定化した液体酵素調製物 ３種類の液体酵素調製物１、２および３を、個々の成分を混合することによっ て調製した。調製物１は安定化窒素化合物を含有しないが、調製物２および３は 本発明に対応する。３種類の調製物の個々の成分の含量を、表１中に重量％で示 した。 貯蔵中のそれらの安定性を測定するために、これら調製物を60℃での厳密な貯 蔵試験に供した。このために、調製物を加熱キャビネット中の密閉ガラス容器内 に貯蔵した。20、40および60分後に、試料を分取し、標準的方法によって酵素含 量を測定した。この結果を、開始値を100％として、割合（％）の形式で表１に 示した。窒素含有化合物の安定化効果を、明瞭に観察することができる。 ２．酵素洗浄溶液の洗浄効果 従来の高アルカリ性洗浄剤と比較して、人工的に汚したステンレス鋼板上で洗 浄効果を試験した。標準的な汚れを以下のように調製した： 5×10cmの寸法のステンレス鋼板を0.25ｇのコンデンスミルク（脂肪含量10％ ）でぬらし、次いで乾燥させた。このようにして汚したステンレス鋼板を、引き 上げ装置により、50℃に加熱した洗浄溶液（2000ml）中に10回浸漬し、次いで蒸 留水ですすぎ、乾燥させた。洗浄効果を、未処理ステンレス鋼板、汚したステン レス鋼板および洗浄したステンレス鋼板の重量に基づいて、除去された汚れの量 を計算することによって重量で測定した。 以下の組成を有する濃縮した洗浄剤（濃縮物）を、比較のために使用した： 35重量％の次亜塩素酸ナトリウム溶液（12％） 15重量％の苛性ソーダ（50％） 5重量％のK₅PO₃O₁₀ 40重量％の蒸留水。 洗浄溶液を調製するために、濃縮物を１：100の割合で水道水を用いて希釈し た。この洗浄溶液は、pH値12.3を有した。 以下の組成を有する液体酵素調製物を、本発明の調製物として試験した： 10重量％の液体プロテアーゼ調製物（サビナーゼ16.0LEX、ノボの製品 ） 40重量％の1,2−プロピレングリコール 20重量％のＣ_12-14脂肪アルコール+4EO+5PO 5重量％のポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩 25重量％の水 洗浄溶液を調製するために、この調製物を、１：1000の割合で水を用いて希釈 した。希釈溶液のpH値を、炭酸カリウムの添加によって8.5に調整した。 50℃で99.3％の洗浄効果が、１％溶液の従来の洗浄剤を用いて達成された。対 照的に、50℃で99.9％の洗浄効果が、わずか0.1％溶液の本発明の酵素調製物を 用いて達成された。 ３．洗浄溶液中の細菌増殖 本発明の酵素調製物から得た希釈洗浄溶液が、微生物の侵入に対して長期間の 耐性を持ち、従って貯蔵し得るかどうかを測定するために、この溶液に微生物混 合物を殖菌し、微生物含量を25℃で21日間貯蔵した後に測定した。調製物（これ から洗浄溶液を、１：2000の割合での水による希釈によって調製した）の組成を 、表２中に重量％で示した。有機体チャレンジ（攻撃）を模擬するために、0.75 重量％の未処理ミルクを洗浄溶液に添加した。次いで、以下の微生物を含有する １mlの細菌および真菌カクテルを、１リットル(L)の洗浄溶液あたりに添加した ： 細菌カクテル（3×10⁸／ml）: スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus) ATCC6538 エネロコッカス・ファエシウム(Enerococcus faecium) ATCC6057 エシュリキア・コリ(Escherichia coli) ATCC11229 シュードモナス・アエルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa) ATCC15442 エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes) DSM30053 真菌カクテル（15×10⁷／ml）: カンジタ・アルビカンス(Candida albicans) ATCC10231 アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger) ATCC6275 ペニシリウム・ルブルム(Penicilium rubrum) CMI113729 トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride) BAMT21 また、貯蔵後の微生物数（洗浄溶液１mlあたり）も、表２中に示した。本発明 に従って調製した洗浄溶液(5および6)において微生物抑制効果を、明瞭に観察す ることができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ１１Ｄ 7/42 Ｃ１１Ｄ 7/42 (72)発明者 ゼルヴェ，ヴィルフリート ドイツ連邦共和国デー―51371レーヴァー クーゼン、フェーアシュトラーセ33番

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．洗浄活性酵素、ならびにエチレングリコール、プロピレングリコール、グ リセロールおよびこれらの混合物からなる群からの溶媒、ならびにポリヘキサメ チレンビグアニド、Ｎ,Ｎ-ビス-(3-アミノプロピル)-ドデシルアミン、これらの 塩およびこれらの化合物の混合物からなる群からの安定剤、を含有する液体の安 定化酵素調製物。 ２．プロテアーゼ、リパーゼおよびアミラーゼの群からの少なくとも１つの酵 素、より具体的には少なくとも１つのプロテアーゼを含有する請求項１に記載の 酵素調製物。 ３．界面活性剤、可溶化剤およびその混合物からなる群からの少なくとも１つ の他の助剤を含有する請求項１または２に記載の酵素調製物。 ４．鎖中に12〜18個の炭素原子を含有する長鎖アルコールと、エチレンオキシ ドおよび所望によるプロピレンオキシドとの付加生成物からなる群からの非イオ ン界面活性剤を含有する請求項３に記載の酵素調製物。 ５．以下の成分： ・10〜70重量％、好ましくは30〜50重量％の、エチレングリコール、プ ロピレングリコール、グリセロールおよびその混合物からなる群から の溶媒、 ・0.5〜5重量％、好ましくは１〜３重量％の、ポリヘキサメチレンビグ アニド、Ｎ,Ｎ−ビス−(3−アミノプロピル)−ドデシルアミン、その 塩およびこれら化合物の混合物からなる群からの安定剤、 ・1〜15重量％、好ましくは2〜8重量％の洗浄活性酵素、 ・10〜80重量％の他の助剤および水、 を含有する請求項１〜４のいずれかに記載の酵素調製物。 ６．5〜40重量％、より具体的には10〜30重量％の水を含有する請求項１〜５ のいずれかに記載の酵素調製物。 ７．5〜50重量％、より具体的には20〜40重量％の、脂肪アルコールとエチレ ンオキシドおよび所望によるプロピレンオキシドとの付加生成物からなる群から の非イオン界面活性剤を含有する請求項１〜６のいずれかに記載の酵素調製物。 ８．乳製品用設備を洗浄するための洗浄溶液を調製するための、請求項１〜７ のいずれかに記載の酵素調製物の使用。 ９．請求項１〜７のいずれかに記載の酵素調製物を、1：5000〜1：500、好ま しくは1：3000〜1：1000の割合で水を用いて希釈し、続いてpH7〜10の値に調整 するために、洗浄溶液全体を基準にして、0.01〜0.2重量％、好ましくは0.03〜0 .1重量％の緩衝剤濃縮物を添加することによって調製した洗浄溶液を使用する乳 製品用設備を洗浄するための方法。 １０．緩衝剤濃縮物が、以下の組成： ・3〜20重量％、好ましくは5〜10重量％のポリホスフェート、ポリアク リレートおよびその混合物の群からの錯生成剤、 ・3〜20重量％、好ましくは5〜10重量％の水酸化ナトリウム、水酸化カ リウムおよびその混合物からなる群からのアルカリ金属水酸化物、 ・5〜30重量％、好ましくは10〜20重量％の炭酸ナトリウム、炭酸カリ ウムおよびその混合物からなる群からのアルカリ金属炭酸塩、および 、 ・20〜80重量％、好ましくは40〜60重量％の水、 を有する請求項９に記載の方法。 11．洗浄溶液を洗浄後に集め、次の洗浄操作のために貯蔵する請求項９または １０に記載の方法。