JP3980471B2 - 物品収納装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャビネットや机等の天板上に載置したり、支柱状のスタンドや間仕切等の所定高さ位置に固定したりして使用する物品収納装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スタンドや間仕切等の所定高さ位置に固定して用いる物品収納装置としては、収納本体の開口部に配置した上下一対の扉を、左右一対の連動手段を介して一つの動作で同時に開閉する構成、換言すると、いずれか一方の扉を開閉操作すると他方の扉も一緒に開閉する構成のものがある。
【0003】
この構成では、上扉を収納本体の上方に移動させ、かつ下扉を収納本体の下方に移動させることにより、収納本体の開口部を開放するようになっている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
国際公開第02/068785号パンフレット
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記先行技術の物品収納装置を、スタンドや間仕切等の所定高さ位置に固定して使用するだけでなく、キャビネットや机等の天板上に載置した状態で使用したい場合がある。
【0006】
しかし、前記先行技術の構成では、前記特許文献1のFig.2から明らかなように、下扉の移動軌跡の一部が収納本体の下面よりも下方にはみ出ている、すなわち、上下両扉が開閉動する途次において、下扉の下端部は収納本体の下面よりも下向きに突出するため、上下両扉を開閉動させると、下扉の下端部がキャビネット等の天板に突き当たってそれ以上移動できなくなり、収納本体の開口部を完全には開放または閉止できないという問題があった。
【0007】
このため、前記従来の物品収納装置の配置態様は、スタンドや間仕切等の所定高さ位置に固定するというものに限定されていたのであった。
【0008】
また、前記先行技術における下扉の表面には凹み状の把手が形成されており、この把手は前記下扉の全開状態で完全に収納本体の下面方向に向くため、その下方に大きな空間がなければ前記把手を掴めないという問題もあった。
【0009】
そこで、本発明はこのような問題を解消した物品収納装置を提供することを技術的課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するため、請求項1の発明は、前向きに開口した収納本体と、この収納本体の開口部に配置した上下一対の扉と、これら上下両扉の開閉動を連動させる左右一対の連動手段とを備え、当該左右一対の連動手段を介して、前記上扉を前記収納本体の上方に移動させるとともに前記下扉を前記収納本体の下方に移動させることにより、前記収納本体の開口部を開放するように構成した物品収納装置において、前記連動手段としてのリンク機構により前記上下両扉が連結された状態で、 当該上下両扉は、前記収納本体の側面視において、前向き凸湾曲状の回動軌跡をもって開閉回動するように構成され、前記収納本体の開口部よりも外周側の下部を、前記収納本体の底板の下方に適宜隙間を空けて配置したベースで支持し、前記底板と、前記収納本体における左右両側板と、前記ベースとにより、前向き開口空間を有する下框を構成し、前記上下両扉が開き回動するにつれて前記下框における前向き開口空間内に前記下扉が前方から入り込み可能とするように、当該下扉の回動軌跡は前記収納本体の下端よりも上側にあるように設定されているものである。
【0011】
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載した物品収納装置において、前記下扉の前面には、開閉操作のための把手が突出するように設けられ、前記下扉の全開位置にて、前記前向き開口空間より前側に突出しているものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図8は本発明を適用したキャビネットの第1実施形態を示している。図1はキャビネットの概略斜視図、図2は収納本体の分離斜視図、図3は上扉の一部分離斜視図、図4は下扉の一部分離斜視図、図5は上下両扉の開閉動の態様を示す一部切欠き側断面図、図6は下扉及び第2リンク杆と下框との関係を示す要部拡大側断面図、図7は閉止状態の上下両扉の要部拡大側断面図、図8は閉止状態の上下両扉を内面側から見た図である。
【0014】
図1(a)(b)に示すように、第1実施形態のキャビネット1は、前向きに開口した略箱型の収納本体2と、この収納本体2の開口部3を塞ぐ上下一対の扉4,5とを備えている。これら上下両扉4,5は、収納本体2における左右両側板8,8の内面に取付けた左右一対の連動手段6,6を介して上下に開閉するようになっている。
【0015】
収納本体2は、平面視略矩形状の底板7と、この底板7の左右両側端に立設した左右両側板8,8と、これら両側板8,8及び底板7を後ろ斜め上方から覆う側面視略L字状の天蓋板9とからなり、下向き開口略箱型のベース10上に載置されている。各板7,8,8,9は金属板製または合成樹脂製等のものであり、これら各板7,8,8,9同士は溶接等で固定されている。
【0016】
図2に示すように、底板7の下面のうち前後方向中途部には、開口部3の間口方向(開口部3に沿った左右方向)に長い複数の梁部材11(実施形態では2本)が前後に並んで溶接固定されており、これら両梁部材11,11の下面に対して、ベース10が下方からねじ12止めされている(実施形態では4箇所、図2、図5及び図6参照)。
【0017】
底板7とベース10との間は、2つの梁部材11,11の存在により前後三つの空間(隙間)に仕切られており(図2参照)、これら3つの空間のうち前寄り(開口部3側)のものは、底板7の下面と、左右両側板8,8の内面と、ベース10の上面と、前寄りの梁部材11の前面とで囲まれて前向きに開口している。この実施形態では、底板7と左右両側板8,8とベース10と前寄りの梁部材11とにより、前向き開口状の下框13が構成されている(図1(a)、図5及び図6参照) 。
【0018】
収納本体2内の左右の側部には、側板8に対して適宜隙間を隔てて対向するように、内仕切り板14が配置されている(図1(b)、図2及び図5参照)。これら各内仕切り板14は、側板8の内面に取付けた連動手段6に収納本体2内に収納した物品が引っ掛かる等して上下両扉4,5が開閉不能となるのを防ぐためのものである。この実施形態では、各内仕切り板14とこれに対応する側板8との間に、連動手段6が配置されることになる。
【0019】
次に、第1実施形態における上下の扉4,5の構成について説明する。
【0020】
収納本体2の開口部3を塞ぐ扉4,5のうち上扉4は、前向き凸に湾曲形成したアルミニウム等の金属製または合成樹脂製等の表面板21の四周縁部(上下左右の縁部)に、金属製または合成樹脂製等の縁部材22,23,24,24を被嵌固定してなるものである。
【0021】
図3及び図5に示すように、上縁部材22は左右長手でかつ断面下向き略E字状に形成されている。この上縁部材22のうち一方の溝条25には、表面板21の上縁部が嵌るようになっている。上縁部材22における略中央の突出片には、断面略U字状のねじ固定部26が一体成形されている。
【0022】
下縁部材23は左右長手でかつ断面略コ字状に形成されており、上下両扉4,5を閉止した状態では下扉5の上縁部に重なるように構成されている。この下縁部材23におけるコ字型の溝条27には、表面板21の下縁部が嵌るようになっている。また、下縁部材23における一方の突出片にも、断面略U字状のねじ固定部28が一体成形されている。
【0023】
左右の側縁部材24は横向き開口樋状であって、表面板21の左右に対して左右対称状に形成されている。これら各側縁部材24は、上下両扉4,5を閉止した状態では各側板8の前縁部に当接するように構成されている。各側縁部材24における横向きの開口29には表面板21の側縁部が嵌るようになっている。
【0024】
各側縁部材24のうち裏面側の両端部には、左右方向に貫通した穴31を有する連結片30,30が外向きに突出するように一体成形されている。この実施形態では、上下左右の各縁部材22,23,24,24を表面板21の四周縁部に被嵌した状態で、上縁部材22におけるねじ固定部26の各端部に、左右の側縁部材24における一方の連結片30の穴31を介して固定ねじ32を差し込み固定するとともに、下縁部材23におけるねじ固定部28の各端部にも、左右の側縁部材24における他方の連結片30の穴31を介して固定ねじ32を差し込み固定することにより、上下左右の縁部材22,23,24,24が連結されるようになっている。
【0025】
各側縁部材24のうち裏面側の長手方向中途部には、正断面視略コ字状のフランジ33が外向きに突出するように一体成形されている(図3及び図5参照)。このフランジ33のコ字状溝には、連動手段6における第1リンク杆51の支持アーム部55(詳細は後述する)が嵌め込まれて、ねじ34止めされている(実施形態では2箇所)。
【0026】
他方、下扉5は、アルミニウム等の金属または合成樹脂の押出し成形やロールダイス成形等により、全長にわたって同一の断面形状(略ト字状)に形成した下カバー板41の左右両端部に、第2リンク杆52の支持アーム部62を取付けてなるものである(図4〜図7参照)。
【0027】
下カバー板41の前面(表面)のうち上寄り部位には、前向きに突出した左右長手の把手42が一体成形されている。把手42は、下扉5の長手方向の一部(略中央部)だけであってもよいし、下カバー板41とは別体に構成して、下カバー板41の前面上寄り部位に溶接または接着等で固定するようにしてもよい。
【0028】
下カバー板41の裏面側には、左右長手で断面略U字状のねじ取付け部43,43が下カバー板41の短手方向に並んで一体形成されている。この実施形態では、下カバー板41における左右の端部に、連動手段6における第2リンク杆52の支持アーム部62(詳細は後述する)を重ねた状態で、各ねじ取付け部43の左右の端部に、支持アーム部62の貫通穴63を介して皿頭ねじ47を左右方向外側からねじ込むことにより、下カバー板41が後述する左右両第2リンク杆52,52に連結されている(実施形態では2箇所ずつ)。
【0029】
なお、詳細は図示していないが、支持アーム部62に設けた貫通穴63,63は、その穴径が外表面側で大きく内表面側で小さい漏斗状に形成されており、皿頭ねじ47はその頭部まで貫通穴63内に嵌り込むようになっている。すなわち皿頭ねじ47の頭部上面は、支持アーム部62の外表面からは突出しない。
【0030】
下扉5の左右幅(一方の第2リンク杆52の支持アーム部62から他方の第2リンク杆52の支持アーム部62までの外法寸法)は、開き動した下扉5を収納本体2の下框13に収納できるように、左右両側板8,8間の内法寸法よりも小さく設定されている。
【0031】
なお、図1、図5、図7及び図8に示すように、上扉4における表面板21の下部中央には錠前36が設けられている一方、下扉5における下カバー板41のうち把手42と反対側の面に一体成形した突出片49には、錠前36と相対向する位置に左右長手の係止穴50が設けられている。錠前36は、その略中央に位置する鍵穴37(図1(a)(b)参照)を介した施錠操作により上下回動する回動杆38を有している。
【0032】
上下両扉4,5を閉止した状態で施錠すると、回動杆38は、先端部が下扉5に近付くように下向きに(図8の時計方向に)回動して、下カバー板41における突出片49の係止穴50に入り込む。これにより、上下両扉4,5は開き動不能に保持される(図7及び図8の実線状態参照)。
【0033】
逆に解錠すると、回動杆38は、先端部が上扉4に近付くように上向きに(図8の反時計方向に)回動して、下カバー板41における突出片49の係止穴50から外れる。これにより、上下両扉4,5は開き動可能な状態となるのである(図8の2点鎖線状態参照)。
【0034】
次に、左右一対の連動手段6,6の構成について説明する。
【0035】
この実施形態における両連動手段6,6は、上下両扉4,5の左右に対して左右対称状に設けられており、いずれも基本的に同じ構成である。そこで、収納本体2における右側板8の内面に取付けた連動手段6を例として、以下に説明する。
【0036】
連動手段6は、上下両扉4,5を連動させて開閉動するように関連付けるためのものであり、上扉4を上下回動可能に支持する第1リンク杆51と、下扉5を上下回動可能に支持する第2リンク杆52と、これら両リンク杆51,52をつなぐ連結アーム53とにより構成されている(図5参照)。
【0037】
第1リンク杆51は、略S字状の回動アーム部54と、この回動アーム部54の先端部から交差するように延びる支持アーム部55とからなり、回動アーム部54の基端部が、右側板8の内面のうち開口部3側の上寄り部位に設けた第1ボス部15(図2参照)に、先細の段付き状軸部を有する第1枢支ピン(ねじ)56で枢着されている。
【0038】
この第1リンク杆51が第1枢支ピン56周りに上下回動することにより、上扉4は、開口部3の上部を塞ぐ閉止位置(図1(a)、図5の2点鎖線状態及び図7参照)から、収納本体2における天蓋板9の上方の開放位置(図1(b)、図5の実線状態参照)までの範囲で上下方向に開閉動するようになっている。
【0039】
なお、第1リンク杆51は、回動アーム部54の基端部と右側板8の内面のうち奥寄り部位に溶接等で固定したブラケット17(図2参照)との間に装架した引張りばね57で、上向き回動する方向に常時付勢されている。この引張りばね57は、開放位置すなわち収納本体2における天蓋板9の上方に位置した上扉4を、この位置で安定的に保持する役割を果たしている。
【0040】
第2リンク杆52は、クランク軸のように折れ曲がった形状のクランクアーム部61と、このクランクアーム部61の先端部から交差するように延びる支持アーム部62とからなり、クランクアーム部61の略中央部が右側板8のうち開口部3側の下寄り部位に設けた第2ボス部16に、先細の段付き状軸部を有する第2枢支ピン58で枢着されている。
【0041】
この第2リンク杆52が第2枢支ピン58周りに回動することにより、下扉5は、開口部3の下部を塞ぐ閉止位置(図1(a)、図5及び図6の2点鎖線状態及び図7参照)から、収納本体2における下框13の開口空間内の開放位置(図1(b)、図5及び図6の実線状態参照)までの範囲で、上下方向に開閉動するようになっている。
【0042】
この場合、図6に詳細に示すように、下扉5のうち下框13の開口空間内に嵌る部位の最小回動半径DB(第2枢支ピン58の回動中心Oから下扉5の裏面部位までの距離)が、第2枢支ピン58の回動中心Oから底板7の前縁部までの距離Lよりも大きく(DB>L)、かつ下扉5のうち下框13の開口空間内に嵌る部位の最大回動半径DF(第2枢支ピン58の回動中心Oから下扉5の前面部位までの距離、ただし把手42の突出部を除く)が、第2枢支ピン58の回動中心Oからベース10の上面までの最短距離Mよりも小さくなるように(DF<M)、第2リンク杆52の支持アーム部62からクランクアーム部61の中央枢着部までの長さと、下扉5の厚みと、下框13の上下幅W1(底板5の下面からベース10の上面までの内法寸法)との関係が設定されている。
【0043】
換言すると、側面視において下扉5の移動軌跡が下框13の開口空間内にきっちりと収まるように構成されている。また、前述したように、下扉5の左右幅は左右両側板8,8間の内法寸法よりも小さく設定されている。
【0044】
以上のことから、第2リンク杆52が反時計方向に回動するにつれて、下扉5は、底板7の前縁部やベース10の上面等に接触することなく、下框13の開口空間内に前方からスムーズに入り込むことができるのである。
【0045】
なお、下扉5を開放位置(図5及び図6に実線で示す姿勢)まで反時計方向に回動させると、下カバー板41の把手42がベース10の前縁部に当るか、左右両第2リンク杆52,52のクランクアーム部61,61が底板7の前縁部に当るか、または下扉5の底部が前寄りの梁部材11の前面に当る。これらにより、下扉5ひいては第2リンク杆52は、それ以上反時計方向に回動しないように規制されることになる。
【0046】
この下扉5及び第2リンク杆52の回動規制により、第1リンク杆51ひいては上扉4も、天蓋板9の上方の開放位置(図5に実線で示す姿勢)までしか開き動しないことはいうまでもない。
【0047】
連結アーム53は、その一端部が第1リンク杆51の回動アーム部54のうち基端部に近い側のS字コーナ部59に回動可能に枢着される一方、その他端部が第2リンク杆52におけるクランクアーム部61の基端部に枢着されている。この連結アーム53の存在により、両リンク杆51,52は連動して互いに逆方向に回動するように構成されている。すなわち、一方のリンク杆51(52)を時計方向に回動させると、連結アーム53を介して他方のリンク杆52(51)は反時計方向に回動するようになっている。
【0048】
以上の構成において、閉止位置にある上下両扉4,5のうち下扉5を下向き回動(開き動)させると、第2リンク杆52の反時計方向の回動により、連結アーム53を介して第1リンク杆51が押し上げられる(上向き回動する)。なお、詳細は図示していないが、収納本体2における左側板8の内面に取付けた連動手段6も同様の動作を行っている。その結果、上扉4が連動して上向き回動(開き動)し、収納本体2の開口部3が開放される(図1(b)及び図5の実線状態参照)。ここで、第2リンク杆52が反時計方向に回動するにつれて、下扉5は底板7の前縁部やベース10の上面等に接触することなく、下框13の開口空間内に前方からスムーズに入り込むので、前記先行技術の場合のように下扉5の一部が収納本体2の最下面(この実施形態ではベース10の下面)から下向きにはみ出ることはない。
【0049】
そうすると、例えばキャビネット1を、別のキャビネットや机等の天板上に載置したとしても、前記天板が下扉5の開閉動を妨げることはあり得ないから、このキャビネット1は、支柱状のスタンドや間仕切等の所定高さ位置に固定して使用するだけでなく、別のキャビネットや机等の天板上に載置した状態でも使用できる。
【0050】
したがって、本発明に係るキャビネット1によると、その配置態様について選択の幅が広がり、キャビネット1の使い勝手が格段に向上する。また、上下両扉4,5の開放時には下框13を構成する両側板8,8やベース10で下扉5を隠すことができるので、キャビネット1の美観を向上させることもできる。
【0051】
一方、開放位置にある上下両扉4,5のうち下扉5を上向き回動(閉じ動)させると、第2リンク杆52の時計方向の回動により、連結アーム53を介して第1リンク杆51が引き下げられる(下向き回動する)。なお、この場合も、収納本体2における左側板8の内面に取付けた連動手段6は同様の動作を行っている。その結果、上扉4が連動して下向き回動(閉じ動)し、収納本体2の開口部3が閉止される(図1(a)及び図5の2点鎖線状態参照)。
【0052】
上扉4を開閉動させた場合は操作力の伝達方向が変わるだけである。したがって、左右一対の連動手段6,6は、前述の場合と同じ要領で、下扉5を連動させて開閉動させることになる。
【0053】
下扉5における下カバー板41の前面上寄り部位には、前向きに突出した把手42を一体成形しているので、上下両扉4,5を開放した状態では、把手42がベース10の前縁部に当るか、左右両第2リンク杆52,52のクランクアーム部61,61が底板7の前縁部に当るか、または下扉5の底部が前寄りの梁部材11の前面に当ることにより、把手42は下框13の開口部よりも外側に突出する。
【0054】
これにより、例えばキャビネット1を、図11に示すような支柱状のスタンドや、図12に示すごとく間仕切等の所定高さ位置に固定したり、背の高い別のキャビネット等の天板上に載置したりした場合、すなわちキャビネット1が比較的高い位置にある場合であっても、下扉5の方にある把手42を指で摘んで上げ下げすることにより、上下両扉4,5を簡単に開閉することができ、物品の出し入れを簡単に行える。また、この場合、ベース10の存在が開閉操作の邪魔になることもない。
【0055】
図9は下框の構成の第1参考例である。ここで、第1参考例以降の実施形態において、構成及び作用が第1実施形態と同じものには同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0056】
この第1参考例の収納本体2ではベース10が省略されており、底板7がその下方に適宜隙間Sを空けるように左右両側板8,8に溶接固定されている。底板7の下面のうち前寄り部位には、左右長手で断面略L字状の受け部材70が前向きに開口するように溶接固定されている。したがって、この第1参考例では、底板7と左右両側板8,8の内面と受け部材70の内面とにより、前向き開口状の下框13′が構成されている。
【0057】
この場合、下扉5のうち下框13′の開口空間内に嵌る部位の最小回動半径DBが、第2枢支ピン58の回動中心Oから底板7の前縁部までの距離Lよりも大きく(DB>L)、かつ下扉5のうち下框13′の開口空間内に嵌る部位の最大回動半径DFが、第2枢支ピン58の回動中心Oから受け部材70の内面のうち略水平な面までの最短距離M′よりも小さくなるように(DF<M′)、第2リンク杆52の支持アーム部62からクランクアーム部61の中央枢着部までの長さと、下扉5の厚みと、下框13′の上下幅W2(底板7の下面から受け部材70の内面のうち略水平な面までの内法寸法)との関係が設定されている。下扉5の左右幅が左右両側板8,8間の内法寸法よりも小さく設定されていることはいうまでもない。
【0058】
このように構成した場合も、第2リンク杆52が反時計方向に回動するにつれて、下扉5は、底板7の前縁部や受け部材70等に接触することなく、下框13′の開口空間内に前方からスムーズに入り込むことができるので、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0059】
また、下カバー板41の把手42は、上下両扉4,5を開放した状態で、左右両第2リンク杆52,52のクランクアーム部61,61が底板7の前縁部に当るか、または下扉5の底部が前寄りの梁部材11の前面に当ることにより、下框13′の開口部よりも外側に突出する。
【0060】
したがって、キャビネット1が比較的高い位置にあっても、第1実施形態の場合と同様に、下扉5の方にある把手42を指で摘んで上げ下げすることにより、上下両扉4,5を簡単に開閉することができ、物品の出し入れを簡単に行えるのである。
【0061】
さらに、図10に示す第2参考例のように、前述した受け部材70を省略してもよい。この場合は、底板7と左右両側板8,8と前寄りの梁部材11とにより下框13″が構成されているので、下扉5のうち下框13″の開口空間内に嵌る部位の最大回動半径DFが第2枢支ピン58の回動中心Oから左右両側板8,8の下端面までの最短距離M″よりも小さくなるように(DF<M″)、底板7の下面から左右両側板8,8の下端面までの隙間S(下框13″の上下幅に相当)の大きさを設定することになる。
【0062】
もちろん、下扉5のうち下框13″の開口空間内に嵌る部位の最小回動半径DBは、第2枢支ピン58の回動中心Oから底板7の前縁部までの距離Lよりも大きくなるように設定しなければならない(DB>L)。この場合も、下扉5の左右幅が左右両側板8,8間の内法寸法よりも小さく設定されていることはいうまでもない。
【0063】
この構成によっても、第2リンク杆52が反時計方向に回動するにつれて、下扉5は、底板7の前縁部や左右両側板8,8の下端面等に接触することなく、下框13″の開口空間内に前方からスムーズに入り込むことができ、第1実施形態及び第1参考例と同様の作用効果を奏する。
【0064】
以上のことから分かるように、前述した作用効果を得るには、ベース10や受け部材70の有無に拘らず、側面視において下扉5の移動軌跡が下框の開口空間内にきっちりと収まるように構成され、かつ下扉5の左右幅が左右両側板8,8間の内法寸法よりも小さく設定されていればよいのである。
【0065】
図11及び図12はキャビネット1の配置態様の別例を示している。
【0066】
図11に示す第3参考例では、机71における机天板72の上面後部側に左右一対の支柱73,73が立設されており、これら両支柱73,73で支持された棚板74上に、キャビネット1が配置されている。収納本体2における底板7の両梁部材11,11と棚板74とは、下方からのねじ75(図11では2箇所のみ示す)で固定されている。
【0067】
第3参考例では、底板7と左右両側板8,8と前寄りの梁部材11と棚板74により、前向き開口状の下框76が構成されている。したがって、棚板74は、第1実施形態におけるベース10と同様の役割を果たすことになるから、このような棚板74上に本発明に係るキャビネット1を載置した場合も、棚板74の存在が上下両扉4,5の開閉操作の邪魔になることはないのである。
【0068】
図12に示す第4参考例では、収納本体2の後面に設けた左右一対の支持バー76,76の各々に、後向きに突出した鉤状突起77(実施形態では4つ)が設けられており、これら鉤状突起77を、間仕切78の枠体(図示せず)のうち上寄り部位に設けた係止穴(図示せず)に引っ掛け係合することにより、間仕切78の表面にキャビネット1が架設されている。
【0069】
収納本体2の下方箇所には吊下げ式の照明具80が配置されている。この照明具80は、両梁部材11,11で吊支された前後長手で左右一対のガイドレール79,79に前後摺動可能に取付けられている。
【0070】
第4参考例では、底板7、左右両側板8,8、前寄りの梁部材11及び前方位置にある照明具80(図12の2点鎖線状態参照)の上面とにより、下框81が構成されることになる。
【0071】
この場合は、底板7の下面から照明具80の上面までの隙間T(下框81の上下幅に相当)を、前方位置にある照明具80の上面が開放位置にある下扉5の把手42に接触しない程度の大きさに設定しておけば、照明具80の存在が開閉操作の邪魔になることはなく、上下両扉4,5の開閉動及び照明具80の前後摺動をいずれもスムーズに行える。
【0072】
したがって、底板7の下方に所定の隙間Tを空けるようにすれば、収納本体2の下方箇所にも、照明具80や吊棚等を設けたりすることができ、キャビネット1の下方空間を有効利用することができるのである。
【0073】
【発明の効果】
本発明は、左右一対の連動手段を介して一つの動作で同時に開閉する構成であり、前記連動手段としてのリンク機構により前記上下両扉が連結された状態で、 当該上下両扉は、前記収納本体の側面視において、前向き凸湾曲状の回動軌跡をもって開閉回動するように構成されているので、いずれか一方の扉を開閉操作すると左右一対の連結手段を介して他方の扉も一緒に上下に開閉回動する構成の物品収納装置に関するものである。
【0074】
請求項1の発明では、収納本体の側面視において、前向き凸湾曲状の回動軌跡をもって開閉回動するように構成した前記上下両扉を開き回動させるにつれて、前記下扉が前向き開口状の下框内に前方から入り込むように構成されており、前記先行技術の場合のように前記下扉の一部が収納本体の下面から下向きにはみ出ることはないので、請求項1に係る物品収納装置は、支柱状のスタンドや間仕切等の所定高さ位置に固定して使用することができる。
【0075】
【0076】
そして、請求項1の発明は、前記収納本体の開口部よりも外周側の下部を、前記収納本体の底板の下方に適宜隙間を空けて配置したベースで支持し、前記底板と、前記収納本体における左右両側板と、前記ベースとにより、前向き開口空間を有する下框を構成したものであり、且つ前記上下両扉が開き回動するにつれて前記下框における前向き開口空間内に前記下扉が前方から入り込み可能とするように、当該下扉の回動軌跡は前記収納本体の下端よりも上側にあるように設定されているので、前記収納本体における底板の下方に適宜隙間を空けてベースを配置しており、前記下扉の一部が前記収納本体の下面から下向きにはみ出ることはあり得ない。また、支柱状のスタンドや間仕切のブラケット等に設けた棚板をベースとして利用でき、このベース上に、物品収納装置を載置した場合も、前記棚板の存在が前記上下両扉の開閉操作の邪魔になることはない。したがって、使い勝手が格段に向上するという効果を奏する。
【0077】
請求項2のように構成すると、前記上下両扉を開放した状態では、前記下扉の前面上寄り部位に設けた把手は前記下框の開口部よりも外側に突出するので、例えば、物品収納装置が比較的高い位置にある場合であっても、前記把手を指で摘んで上げ下げすることにより、前記上下両扉を簡単に開閉することができ、物品の出し入れが容易となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態におけるキャビネットの概略斜視図であり、(a)は閉止状態、(b)は開放状態の図である。
【図2】 収納本体の分離斜視図である。
【図3】 上扉の一部分離斜視図である。
【図4】 下扉の一部分離斜視図である。
【図5】 上下両扉の開閉動の態様を示す一部切欠き側断面図である。
【図6】 下扉及び第2リンク杆と下框との関係を示す要部拡大側断面図である。
【図7】 閉止状態の上下両扉の要部拡大側断面図である。
【図8】 閉止状態の上下両扉を内面側から見た図である。
【図9】 第2実施形態における上下両扉の開閉動の態様を示す一部切欠き側断面図である。
【図10】 第3実施形態における上下両扉の開閉動の態様を示す一部切欠き側断面図である。
【図11】 第4実施形態におけるキャビネットの一部切欠き側断面図である。
【図12】 第5実施形態におけるキャビネットの一部切欠き側断面図である。
【符号の説明】
DB 下扉のうち下框の開口空間内に嵌る部位の最小回動半径
DF 下扉のうち下框の開口空間内に嵌る部位の最大回動半径
L 第2枢支ピンの回動中心から底板の前縁部までの距離
M 第2枢支ピンの回動中心からベースの上面までの最短距離
M′ 第2枢支ピンの回動中心から受け部材の内面のうち略水平な面までの最短距離
M″ 第2枢支ピンの回動中心から左右両側板の下端面までの最短距離
O 第2枢支ピンの回動中心
S 底板の下面から左右両側板の下端面までの隙間幅
T 底板の下面から照明具の上面までの隙間幅
W1,W2 下框の上下幅
1 キャビネット
2 収納本体
4 上扉
5 下扉
6 連動手段
7 底板
8,8 側板
10 ベース
13,13′,13″ 下框
51 第1リンク杆
52 第2リンク杆
53 連結アーム
54 回動アーム部
55,62 支持アーム部
56 第1枢支ピン
58 第2枢支ピン
61 クランクアーム部
70 受け部材
Claims (2)
- 前向きに開口した収納本体と、この収納本体の開口部に配置した上下一対の扉と、これら上下両扉の開閉動を連動させる左右一対の連動手段とを備え、当該左右一対の連動手段を介して、前記上扉を前記収納本体の上方に移動させるとともに前記下扉を前記収納本体の下方に移動させることにより、前記収納本体の開口部を開放するように構成した物品収納装置において、
前記連動手段としてのリンク機構により前記上下両扉が連結された状態で、 当該上下両扉は、前記収納本体の側面視において、前向き凸湾曲状の回動軌跡をもって開閉回動するように構成され、
前記収納本体の開口部よりも外周側の下部を、前記収納本体の底板の下方に適宜隙間を空けて配置したベースで支持し、
前記底板と、前記収納本体における左右両側板と、前記ベースとにより、前向き開口空間を有する下框を構成し、
前記上下両扉が開き回動するにつれて前記下框における前向き開口空間内に前記下扉が前方から入り込み可能とするように、当該下扉の回動軌跡は前記収納本体の下端よりも上側にあるように設定されていることを特徴とする物品収納装置。 - 前記下扉の前面には、開閉操作のための把手が突出するように設けられ、前記下扉の全開位置にて、前記前向き開口空間より前側に突出していることを特徴とする請求項1に記載した物品収納装置。
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