JP3979787B2 - スパッタリングターゲット、その製造方法、および被覆方法 - Google Patents

スパッタリングターゲット、その製造方法、および被覆方法 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般にスパッタリングシステムに関するものであり、特にはスパッタリング装置において基材若しくはウエハを処理するのに使用するためのスパッタリングターゲットに関する。
【0002】
(発明の背景)
スパッタ被覆は、スパッタリング装置の真空処理室内で半導体ウエハのような基材を被覆するためのプロセスを言及する。スパッタ被覆プロセスにおいて、印加電場は、ウエハを、それに対向して取り付けられた、負にバイアスされたスパッタリング材料製のターゲットに対して正にバイアスする。ひとたび処理室が真空排気されると、不活性気体が低圧で室内に導入され、そして印加電場はプロセス気体をイオン化する。その結果、気体からの正のイオンはターゲットに射突してターゲット材料スパッタせしめてウエハ上への薄膜形態での付着をもたらす。磁石もしくは電磁石をウエハに面するターゲットの表面上方に磁場を与えるべくターゲットの背後に配置して、ターゲットに隣り合ってイオン「プラズマ」を閉じこめ、それによりスパッタ被覆作業を増進させるようにすることができる。
【0003】
スパッタリングターゲットは代表的に、アルミニウム合金、金、銀、銅、チタン、チタン−タングステン或いは白金のようなターゲット材料製の一般に円形状のディスクとして形成される。ターゲット材料ディスクは、交換可能なスパッタリングターゲット組立体を形成するように支持用のバッキングプレートに半田付けされるか若しくは別様に結合されうる。スパッタリング作業中、ターゲット材料は、ターゲットの上面からスパッタされてウエハ上に付着堆積する。スパッタリング材料は代表的に、ウエハに対して露出されるターゲットの幅方向即ちターゲット面を不均一に横切って侵食を受け、ターゲットのある帯域は他の帯域より一層急速に侵食される。
【0004】
この問題を克服するために、幾つかのスパッタリング装置は、ターゲットの面を横切って全体的に一様なスパッタリング速度を生み出すように、磁場の変化或いはターゲット上での多数の非平面状侵食帯域の形成或いは両者を使用している。代表的に、ターゲットの外側半径方向領域は、ターゲットの中央領域より厚くされた。ターゲットは、ターゲット面に形成された凹入領域或いはターゲットの中央を貫いて形成された穴さえ含みうる。スパッタリング材料はターゲットから次第に侵食されていき、ついにはターゲットはもはやウエハ上に所望の被覆特性を与えることができなくなる。その時点で、侵食されたターゲットとバッキングプレートから成るターゲット組立体は新しいターゲット組立体と交換される。
【0005】
例えば、窒化チタン(TiN)のスパッタリングにおいては、チタンスパッタリングターゲットとバッキングプレート組立体が、ターゲット露出表面をウエハと対面させて真空処理室内に装着される。真空室は排気され、そして後窒素気体で充填される。窒素気体は印加電場の存在下でイオン化する。プラズマプロセス気体からの正のイオンは、ターゲットの上面に射突しそしてチタン粒子をウエハに向けて叩き出す即ちスパッタせしめる。スパッタリングプロセス中、チタン粒子は窒素プロセス気体と化学的に反応して、ウエハ表面上に窒化チタン薄膜を形成する。
【0006】
ウエハのスパッタ被覆における重要な様相は、ウエハ上に付着される皮膜の純度である。スパッタ処理室内での汚染物の量が増加するにつれ、ウエハに不純物が形成されるので、ウエハ生産収率は減少する。例えば、窒化チタニウムのスパッタリングにおいて、ターゲットの中央部分からの材料がスパッタされそして、ウエハ上にではなく、ターゲット面の外周縁部に再付着するにつれ、TiNノジュールがターゲットのスパッタリング面に形成されることが知られている。スパッタリング作業中、TiNノジュールが、剥離しそしてウエハ上の付着窒化チタン皮膜の純度に悪影響を与える汚染粒子(パーティクル)を発生する傾向がある。TiN粒子の発生はターゲットの使用の増加に伴い悪化するから、容認しうるデバイス収率を維持するためにはターゲットは周期的にコンディショニングされねばならない。
【0007】
ターゲットのコンディショニングは、非製品(試用)基材上にチタンのみのスパッタリングを行うことにより実現される。チタンのみのスパッタリングは、ターゲット上に保持されたTiNノジュールを放離せしめそして非製品基材上に付着せしめる。周期的なコンディショニングは汚染源としてのTiNノジュールを除去することによりターゲットの有用寿命を延長するが、これは、ウエハ被覆生産ラインの中断を必要としそしてスパッタリングシステムの休止をもたらす。従って、公知のスパッタリングターゲットの輪郭付け(所定の外形を形づくること)やスパッタリングシステムの操作への改善にもかかわらず、ターゲット上でのノジュール形成は、特に窒化チタンのスパッタ付着においては、問題となってきた。
【0008】
過去において、ターゲットの外周面近くでのTiN粒子の再付着を減じるために、ターゲットの外周縁に隣り合って急角度の斜面を含む単体としてのスパッタリングターゲットが作製された。例えば、米国特許第5,538,603号においては、ターゲットの平面に対して少なくとも30度の角度でそして好ましくは一層大きな角度、即ち70度でテーパづけられた斜面をターゲットの外縁に隣り合って形成され、それにより後方散乱原子の軌道が原子をしてターゲットの外周面から完全に外れるように為された。斜面の急角度はまた、テーパづけられたターゲット縁近くでのスパッタ付着速度を増大するべくターゲットの外周縁に隣り合うターゲットの厚さを減じるようにも選択される。従って、ターゲット上に衝突しそして再付着する後方散乱TiN粒子はウエハ若しくは基材上に一層再スパッタされやすい。しかし、この急角度のテーパ付きターゲットは、ターゲットバッキングプレートに取り付けられたスパッタリングターゲットと関連する同じTiNノジュール形成問題と遭遇しない単体ターゲットである。
【0009】
従って、スパッタリング作業中形成される可能性のあるノジュールからの汚染源粒子の発生を減じるスパッタリングターゲット及びバッキングプレート組立体に対する必要性が存在している。ターゲットの寿命中一層少ない周期的コンディショニングで済み、それによりシステム休止時間の短縮と予防的保守の軽減をもたらすスパッタリングターゲット及びバッキングプレート組立体に対する必要性もまた存在している。
【0010】
(発明の概要)
本発明は、これまで知られたスパッタリングターゲットの上述の及び他の欠点や短所を克服する。本発明をある種の具体例と関連して記載するが、本発明はこれら具体例に制限されるものでないことが理解されよう。逆に、本発明は、本発明の精神及び範囲内に含まれうるすべての代替、変更及び均等物を含む。
【0011】
本発明の原理に従えば、上面即ち露出されそして被覆されるウエハ若しくは基材に対面するよう設定されている表(おもて)面、従来型式のバッキングプレートに代表的に結合若しくは別様に接合される平面状底面及び外周面を具備し、そしてスパッタリング材料からなるターゲット部材を含む輪郭づけられた(所要の外形を付与された)スパッタリングターゲットが提供される。処理室内でのスパッタリング作業中、スパッタされた材料はターゲット部材の上面から放出されそして基材上に薄い被覆即ち薄膜の形で付着される。
本発明は、スパッタリング装置において基材を処理するための輪郭づけられたスパッタリングターゲットであって、
ターゲットバッキングプレート(14)と、
前記バッキングプレート(14)に取り付けられそして上面(118)、底面(120)及び外周面(122)を具備する、スパッタリング材料から成るターゲット部材(112)であって、スパッタリング作業中前記スパッタリング材料を前記上面(118)から前記基材上に放出せしめるターゲット部材(112)とを包含し、
前記ターゲット部材(112)が、前記上面(118)に形成されそして前記外周面(122)から所定の距離半径方向内方に且つ前記底面(120)から離れて該底面(120)に平行な面に対して30〜60度の範囲の定角度βで延在する第1の輪郭づけられた環状領域(124)を含み、
前記ターゲット部材(112)が、前記上面(118)に形成されそして前記第1環状領域(124)から所定の距離半径方向内方に且つ前記底面(120)から離れて該底面(120)に平行な面に対して5〜20度の範囲の定角度αで延在する第2の輪郭づけられた環状領域(224)を更に含む輪郭づけスパッタリングターゲットを提供する。
また、本発明は上面(118)、底面(120)及び外周面(122)を具備する、スパッタリング材料からなるターゲット部材(112)を形成することと、
前記上面(118)上に、前記外周面(122)から半径方向内方に且つ前記底面(120)から離れて該底面(120)に平行な面に対して30〜60度の範囲の定角度βで延在する第1の輪郭づけられた環状領域(124)を形成することと、
前記上面(118)上に、前記第1の輪郭づけられた環状領域(124)から半径方向内方に且つ前記底面(120)から離れて該底面(120)に平行な面に対して5〜20度の範囲の定角度αで延在する第2の輪郭づけられた環状領域(224)を形成することと
を包含する輪郭づけスパッタリングターゲットを製造する方法を提供する。
また、本発明はウエハをスパッタ被覆する方法にして、
上面(118)、底面(120)及び外周面(122)を具備しそしてスパッタリング材料から成り、スパッタリング作業中前記スパッタリング材料を前記上面(118)から前記基材上に放出せしめるターゲット部材(112)にして、前記上面(118)に形成されそして前記外周面(122)から所定の距離半径方向内方に且つ前記底面(120)から離れて該底面(120)に平行な面に対して30〜60度の範囲の定角度βで延在する第1の輪郭づけられた環状領域(124)を含み、更に前記上面(118)上に、前記第1の輪郭づけられた環状領域(124)から所定の距離半径方向内方に且つ前記底面(120)から離れて該底面(120)に平行な面に対して5〜20度の範囲の定角度αで延在する第2の輪郭づけられた環状領域(224)を含むターゲット部材をスパッタリン グ装置処理室内に取り付ける段階と、
前記処理室内に真空を創出する段階と、
前記処理室内に不活性気体を導入する段階と、
前記ウエハと前記ターゲット部材との間に電圧ポテンシャルを印加する段階と
を包含する汚染を低減してウエハをスパッタ被覆する方法を提供する。
【0012】
本発明の具体例において、ターゲット部材は、上面に形成されそして外周面から所定の距離半径方向内方に且つ底面から離れる方向に延在する輪郭づけられた環状領域を有する。ターゲット部材はまた輪郭づけられた環状領域により取り囲まれる、ターゲット上面に形成された平面状の領域、凹面状領域或いは中央くぼみ領域をも含みうる。
【0013】
本発明の具体例において、少なくとも2つの輪郭づけられた環状領域がターゲット部材の上面に形成されうる。輪郭づけられた環状領域の一つは他の輪郭づけられた環状領域から半径方向内方に形成される。輪郭づけられた環状領域の一方乃至両方は、半径方向内方にそして底面から離れて延在する平面状表面を含む。ターゲット部材はまた、輪郭づけられた環状領域により取り囲まれる、ターゲット上面に形成された、平面状の領域、凹面状の領域或いは中央くぼみ領域をも含みうる。
【0014】
ターゲット部材における輪郭づけられた環状領域の形状即ち輪郭は、ターゲット縁における再付着物の累積を減ずるのに特に有益である。追加的に、本発明の輪郭づけスパッタリングターゲットは、外周面近くでのターゲット部材のスパッタリング速度、即ち侵食速度を低減するように特に輪郭づけられる。スパッタリング作業中ノジュール(図示無し)が外周面に若しくはその近くに形成されるにつれ、ターゲットにおいて形成された環状領域近くに存在する低いプラズマ強さ並びにターゲットの輪郭により生み出される減少したスパッタリング速度が、スパッタリング作業中、ノジュールが剥離したりまた再スパッタリングされるのを防止する。ターゲット部材に形成された輪郭づけられた環状領域は、ターゲット部材に形成されうるノジュールを有益に安定化して、スパッタリング作業中のノジュールの再スパッタリングと剥離を著しく減じる。
【0015】
従って、本発明の輪郭づけスパッタリングターゲットは、スパッタリング作業中のノジュールの累積を減少し、そして更にスパッタリング作業中形成される可能性のあるノジュールからの汚染源粒子の発生を減じる。本発明の輪郭づけスパッタリングターゲットはまた、ターゲットの寿命中一層少ない周期的コンディショニングで済み、それによりシステム休止時間の短縮と予防的保守の軽減をもたらす。
【0016】
本発明の上述した特徴及び利点は添付図面を参照しての以下の記載から一層良く理解されよう。
本明細書に組み込まれそしてその一部を構成する添付図面は、本発明の具体例を例示しそして上に述べた本発明の概説及び以下に述べる具体例についての詳細な説明と併せて、本発明の原理を説明する役目を為すものである。
【0017】
(発明の詳細な記述)
図面、特に図1を参照すると、本発明の一具体例に従う輪郭づけスパッタリングターゲット組立体が示される。スパッタリングターゲット組立体は、スパッタリング材料からなるターゲット部材12を含み、これはスパッタリング装置(図示無し)において使用のためターゲットバッキングプレート14に半田づけされるか若しくは別様に接合されうる。当業者には理解されるように、スパッタリングターゲット組立体は、スパッタリング装置(図示無し)における真空処理室(図示無し)内に中央螺刻軸16及び締着具(図示無し)を介して取り付けられる。スパッタリング装置(図示無し)は、共に本件出願人に譲渡された米国特許第4,909,695号及び第5,130,005号に示される型式のものであり得る。これらはここに言及することによりその全体を本明細書の一部となす。
【0018】
ターゲット部材12は、限定されるものでないが、チタン、チタン−タングステン、白金、アルミニウム合金、金、銀、銅、或いは高融点金属シリサイドを含めて、スパッタリング材料製の一般に円形のディスクとして形成されうる。ターゲット部材12の直径は被覆されるべきウエハの寸法に依存して変化され、代表的に10〜14インチ(25.4〜35.6cm)の範囲である。例えば、10インチ(25.4cm)直径のターゲットが6インチ(15.2cm)直径のウエハをスパッタ被覆するのに使用でき、また12インチターゲットが8インチ(20.3cm)ウエハをスパッタ被覆するのに使用できる。ターゲット部材12は、ここでは、約10インチ(25.4cm)の直径を有する円形ディスクとして詳述されるが、他の形態及び寸法のターゲット部材が本発明の精神及び範囲から逸脱することなく可能であることが当業者には理解されよう。
【0019】
パッタリング作業中、ターゲット部材12は、ターゲットの12の上面18がウエハ(図示無し)に対面するようにしてスパッタリング処理室(図示無し)内に設置される。斯界で良く知られるように、スパッタリング材料は、ターゲット部材12の上面18から叩き出されそしてウエハ(図示無し)上に薄膜の形態で付着せしめられる。
【0020】
本発明の一具体例に従えば、図及びを参照して最もよく理解されるように、ターゲット部材12は、スパッタリング作業中ターゲットの外周面22近くに形成されうるノジュール(図示無し)からの汚染源となる粒子の発生を減じるように輪郭づけられる。ターゲット部材12の上面18には、外周面22から半径方向内方にそして底面20から離れて延在する輪郭づけられた(所要の外形を付与された)環状領域24が形成される。
【0021】
輪郭づけられた環状領域24の輪郭は特に、外周面22における若しくはその近くでの再付着物の累積を減じるように選択される。輪郭づけられた環状領域24の輪郭はまた、外周面22近くでのターゲット部材12のスパッタリング速度即ち侵食速度を減じるようにも選択される。こうして、ノジュール(図示無し)がその位置において若しくはその近傍で形成されるに際して、ターゲット部材12の輪郭により生み出されるスパッタリング速度の減少と外周面22近くに存在する低めのプラズマ強さがノジュール(図示無し)を安定化しそしてノジュールが剥離しそして処理室内で基材若しくはウエハ(図示無し)上のスパッタ被膜に悪影響を及ぼしうる、汚染源となる粒子が発生するのを防止する。ターゲット部材12の輪郭は特に窒化チタンスパッタリングプロセスにおいてターゲット上に生じうるノジュールからの汚染源粒子の発生を減じるが、当業者は、本発明が本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の種のスパッタリングプロセスにも応用しうることを理解しよう。
【0022】
ここで、図1、図2、及び図3を参照すると、ターゲット部材の具体例がターゲット部材112と表示して示される。ターゲット部材112は、表面即ち上面118、平面状底面120及び好ましくは平面状底面120に直交して延在する外周面122を具備する。
【0023】
図1及び図3を参照して最もよく理解されるように、ターゲット部材112の上面118には、外周面122から半径方向内方にそして底面120から離れて延在する第1の輪郭づけられた環状領域124が形成される。例えば、10インチ(25.4cm)直径ターゲットに対しては、この輪郭づけられた環状領域124は、外周面122から半径方向内方へ約0.50mmから約5.0mmまでの範囲にある環状境界126まで延在しうる。
【0024】
本発明のこの具体例においては、ターゲット部材112の上面118にはまた、第1環状領域124から半径方向内方にそして底面120から離れて延在する第2の輪郭づけられた環状領域224が形成される。例えば、10インチ(25.4cm)直径ターゲットに対しては、この第2の輪郭づけられた環状領域224は、環状境界126から半径方向内方へ約4.46mmから約24.3mmまでの範囲にある環状境界226まで延在しうる。
【0025】
輪郭づけられた環状領域124は、ターゲットの平面状底面120に平行な面128(図2)に対して約30〜60度の範囲にある角度β(図2)において傾斜づけられる。本発明の一具体例において、輪郭づけられた環状領域124は、外周面122から半径方向内方の環状境界126まで傾斜づけられた平面状表面130(図及び図2)を含む
【0026】
輪郭づけられた環状領域224は、ターゲット部材112の平面状底面120に平行な面228(図2)に対して約5〜20度の範囲にある角度α(図2)において傾斜づけられる。本発明の一具体例において、輪郭づけられた環状領域224は、輪郭づけられた環状領域124から半径方向内方の環状境界226まで傾斜される平面状表面230(図1及び図3)を含みうる。図2に示されるような輪郭づけられた環状領域124及び224具体例において、ターゲット部材112のこの形態は、スパッタリング作業中ターゲット部材112の外周面122近くで形成されうるノジュールからの汚染源粒子の発生を減じる。
【0027】
本発明の原理に従えば、ターゲット部材112は、環状領域124及び224により取り囲まれる、上面118に形成された平面状領域(図示無し)を含むことができる。この平面状領域(図示無し)は、ターゲット部材12の底面120に一般に平行に形成される。本発明の別の具体例において、図1及び図3を参照して最もよく理解されるように、ターゲット部材112は、環状領域124及び224により取り囲まれる、上面118に形成された実質上凹面状の領域134を含むことができる。本発明のまた別の具体例において、図7及び8を参照して最もよく理解されるように、ターゲット部材112は、環状領域124及び224により取り囲まれる、上面118に形成された平面状領域136を含むことができる。この平面状領域136は、底面120に一般に平行に形成される。平面状領域136は、上面118に形成された、図4図5及び図6に示すように中央くぼみ領域138を含んでいる。
【0028】
図7を参照してもっとも理解されるように、中央くぼみ領域138は、平面状領域136から上面118に形成されたくぼみ内の平面状領域142まで延在する45度段差140を含みうる。別様には、平面状領域136からくぼみ内の平面状領域142までの段差遷移部は、図及び図6のような90度段差(図示無し)或いは丸みづけ段差(図示無し)として形成されうる。図1及び図3の凹面状の領域134及び図7及び図8の中央くぼみ領域138の形成は、スパッタリング作業中ターゲット部材112の外周面122近くに形成されうるノジュールからの汚染源粒子の発生を更に減じる。
【0029】
本発明の一般原理についての先の開示並びにそれに続いての好ましい具体例についての詳しい記述から、当業者は、本発明になし得る様々の改変例を容易に想起しよう。例えば、中央くぼみ領域138は、ターゲット部材の厚さを貫通して伸延する中央穴(図示無し)と交換されうる。更に、ここで論議した10インチ(25.4cm)直径ターゲット部材12よりもっと大きな或いはもっと小さな直径のターゲットに対して、輪郭づけられた勘定領域124、224の半径方向内方への広がりの程度について上に呈示した寸法が相応に比例的に増減されることが理解されよう。従って、本発明は、その広い様相において、図示しそして記載した特定の細部や例示した具体例に制限されない。従って、出願人の全般的発明概念の精神及び範囲から逸脱することなく、こうした詳細からの変更をなし得る。よって、出願人は次の請求項及びその均等技術事項の範囲によってのみ制限されることを所望する。
【図面の簡単な説明】
図1】 本発明の具体例に従うスパッタリングターゲットを例示する断面図である。
図2図1に示した円で囲まれた部分の拡大図である。
図3図1に示したスパッタリングターゲットの上面図である。
図4図3に示した円で囲まれた部分の拡大図である。
図5】 本発明の別の具体例を示す、図と同様の図面である。
図6】 本発明のまた別の具体例を示す、図と同様の図面である。
【図7】 本発明の第の具体例に従うスパッタリングターゲットを例示する、図1と同様の図面である。
【図8】 図7に示したスパッタリングターゲットの上面図である。

Claims (13)

  1. スパッタリング装置において基材を処理するための輪郭づけられたスパッタリングターゲットであって、
    ターゲットバッキングプレート(14)と、
    前記バッキングプレート(14)に取り付けられそして上面(118)、底面(120)及び外周面(122)を具備する、スパッタリング材料から成るターゲット部材(112)であって、スパッタリング作業中前記スパッタリング材料を前記上面(118)から前記基材上に放出せしめるターゲット部材(112)とを包含し、
    前記ターゲット部材(112)が、前記上面(118)に形成されそして前記外周面(122)から所定の距離半径方向内方に且つ前記底面(120)から離れて該底面(120)に平行な面に対して30〜60度の範囲の定角度βで延在する第1の輪郭づけられた環状領域(124)を含み、
    前記ターゲット部材(112)が、前記上面(118)に形成されそして前記第1環状領域(124)から所定の距離半径方向内方に且つ前記底面(120)から離れて該底面(120)に平行な面に対して5〜20度の範囲の定角度αで延在する第2の輪郭づけられた環状領域(224)を更に含む輪郭づけスパッタリングターゲット。
  2. 前記ターゲット部材(112)が前記第1及び第2の輪郭づけられた環状領域(124、224)により取り囲まれる、前記上面(118)に形成された実質上凹面状の領域(134)を含む請求項1のスパッタリングターゲット。
  3. 前記ターゲット部材(112)が前記第1及び第2の輪郭づけられた環状領域(124、224)により取り囲まれる、前記上面(118)に形成された中央くぼみ領域(138)を含む請求項1のスパッタリングターゲット。
  4. 前記ターゲット部材(112)が前記第1及び第2の輪郭づけられた環状領域(124、224)により取り囲まれる、前記上面(118)に形成された平面状領域(136)を含む請求項1のスパッタリングターゲット。
  5. 前記第1の輪郭づけられた環状領域(124)が平面状表面(130)を有する請求項1のスパッタリングターゲット。
  6. 第1の輪郭づけられた環状領域(124)は、外周面(122)から半径方向内方へ0.50mmから4.95mmまでの範囲で延在する請求項1のスパッタリングターゲット。
  7. 前記第2の輪郭づけられた環状領域(224)が平面状表面(230)を有する請求項1のスパッタリングターゲット。
  8. 第2の輪郭づけられた環状領域(224)は、第1の輪郭づけられた環状領域(124)から半径方向内方へ4.60mmから24.3mmまでの範囲で延在する請求項1のスパッタリングターゲット。
  9. 外周面(122)が底面(120)に実質上直交する請求項1のスパッタリングターゲット。
  10. 上面(118)、底面(120)及び外周面(122)を具備する、スパッタリング材料からなるターゲット部材(112)を形成することと、
    前記上面(118)上に、前記外周面(122)から半径方向内方に且つ前記底面(120)から離れて該底面(120)に平行な面に対して30〜60度の範囲の定角度βで延在する第1の輪郭づけられた環状領域(124)を形成することと、
    前記上面(118)上に、前記第1の輪郭づけられた環状領域(124)から半径方向内方に且つ前記底面(120)から離れて該底面(120)に平行な面に対して5〜20度の範囲の定角度αで延在する第2の輪郭づけられた環状領域(224)を形成することと
    を包含する輪郭づけスパッタリングターゲットを製造する方法。
  11. 前記第1の輪郭づけられた環状領域(124)上に平面状表面(130)を形成することを更に含む請求項10の方法。
  12. 前記第2の輪郭づけられた環状領域(224)上に平面状表面(230)を形成することを更に含む請求項10の方法。
  13. ウエハをスパッタ被覆する方法にして、
    上面(118)、底面(120)及び外周面(122)を具備しそしてスパッタリング材料から成り、スパッタリング作業中前記スパッタリング材料を前記上面(118)から前記基材上に放出せしめるターゲット部材(112)にして、前記上面(118)に形成されそして前記外周面(122)から所定の距離半径方向内方に且つ前記底面(120)から離れて該底面(120)に平行な面に対して30〜60度の範囲の定角度βで延在する第1の輪郭づけられた環状領域(124)を含み、更に前記上面(118)上に、前記第1の輪郭づけられた環状領域(124)から所定の距離半径方向内方に且つ前記底面(120)から離れて該底面(120)に平行な面に対して5〜20度の範囲の定角度αで延在する第2の輪郭づけられた環状領域(224)を含むターゲット部材をスパッタリング装置処理室内に取り付ける段階と、
    前記処理室内に真空を創出する段階と、
    前記処理室内に不活性気体を導入する段階と、
    前記ウエハと前記ターゲット部材との間に電圧ポテンシャルを印加する段階と
    を包含する汚染を低減してウエハをスパッタ被覆する方法。
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