JP3978351B2 - 複写機及び複合機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、運搬する際に運搬者が持ちやすいように運搬用レバーを有する複写機及び複合機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の複写機又は複合機は、重量が約100kgと重い機器であるため、階段を登りながら運搬するのは困難であった。一方、複写機を納品する事務所が常にエレベータを備えているとは限らないため、運搬者が手で複写機を持って階段を運搬する必要性が存在する。
【0003】
そのため、この種の機器には、装置本体に運搬用レバーを取り付けたものがある。このような運搬用レバーは、複写機の水平方向に引き出し可能に設けられている。
【0004】
図16は、従来の複写機1600の外観を示す斜視図である。図16(a)、(b)に示すように、運搬用レバー1601は、非運搬時には装置内部に収納される一方、運搬時には装置外部に引き出して使用される。
【0005】
複写機1600を階上に運搬する場合、この運搬用レバー1601は装置の左右の側面にそれぞれ2本づつ突き出るので、2人以上の運搬者が装置の左右にそれぞれ位置し、両腕で運搬用レバー1601を握り、装置全体を持ち上げて階段を登る、という作業を行っていた。
【0006】
なお、このような運搬用レバー1601は、通常、図17に示すように、複写機1600のメインフレーム1700に固定されている。これにより、運搬用レバー1601を持ち上げる力を直接メインフレーム1700に加えて複写機1600を運搬していた。
【0007】
また、運搬途中で運搬用レバー1601が装置内部に戻ると危険であるため、運搬用レバー1601にはロック機構が設けられていた。このロック機構の働きにより運搬用レバー1601は装置外部に突き出た状態に維持される。運搬作業が終了すると、このロック機構を解除して、運搬用レバー1601を装置内部に収納していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の技術では、以下のような問題が生じていた。
【0009】
即ち、運搬用レバー1601を横方向にスライドさせて、装置内部に収納したり装置外部に出したりする構成であると、複写機1600には正面の開閉カバーや給紙カセット段が存在するため、その邪魔にならない位置に設けなければならない。そのため、運搬用レバー1601の取付位置が大幅に制約されるという問題があった。
【0010】
また、かかる制約下で運搬に適した位置に運搬用レバー1601を配置するとなると、運搬用レバー1601の太さを細く構成しなければならなかった。この場合、複写機1600の重量は重いので、運搬用レバー1601を握る手に運搬用レバー1601が食い込み、非常に運搬作業をしにくいものになっていたという問題があった。逆に、前述の制約下で運搬に適した位置に太い運搬用レバーを設けた場合には、複写機1600全体を大型化しなければならないという問題が生ずる。
【0011】
さらに、従来の技術では、運搬用レバー1601を持ち上げる際の力がメインフレーム1700に直接加わるので、メインフレーム1700を変形させ、一定の位置精度により維持されている記録部などを構成する各部材の相互関係を崩し、画質を低下させるなどの不都合の発生するという問題があった。
【0012】
さらに、ロック機構の解除機構が、複写機1600の運搬中に運搬用レバー1601を握っている手と同じ手で解除できるものであると、運搬中に手が誤って解除機構に接触し、ロック機構が解除されるという事態が生ずる。そのため、ロック機構の解除機構は、運搬用レバー1601に近傍にありつつも、運搬中に手が誤って接触しても解除されない機構であることが要請される。
【0013】
本発明は、かかる問題点に鑑みて為されたものであり、装置全体を大型化することなく、運搬に適した位置に持ちやすい運搬用レバーを有し、また、運搬中に運搬用レバーのロックが誤動作により解除される事態を確実に防止することができる複写機又は複合機を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、運搬用レバーを上方に水平状態まで回動させて装置本体から引き出し、突出片を保持部に保持させた状態でロック手段が下方移動し嵌合溝に嵌合することにより運搬用レバーの下方への回動を規制すると共に、ロック手段を上方移動させ嵌合溝との嵌合を解除して運搬用レバーを下方に回動自在にする。
【0015】
これにより、装置全体を大型化することなく、運搬に適した位置に持ちやすい運搬用レバーを有し、また、運搬中に運搬用レバーのロックが誤動作により解除される事態を確実に防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の態様に係る複写機は、装置本体から上方に水平状態まで回動して装置外部に露出されると共に下方に回動して装置内部に収納され、水平状態とされた際の上面に嵌合溝を有する一方、下面近傍に突出片を有する運搬用レバーと、水平状態とされた前記運搬用レバーの上面に向けて上下方向に移動可能なロック手段と、前記運搬用レバーを収納すると共に水平状態とされた前記運搬用レバーの前記突出片を保持する保持部を有する収納部と、を具備し、前記運搬用レバーを上方に水平状態まで回動させて装置本体から引き出し、前記突出片を前記保持部に保持させた状態で前記ロック手段が下方移動し前記嵌合溝に嵌合することにより前記運搬用レバーの下方への回動を規制すると共に、前記ロック手段を上方移動させ前記嵌合溝との嵌合を解除して前記運搬用レバーを下方に回動自在にする構成を採る。
【0017】
この構成によれば、運搬用レバーを水平状態まで回動し、突出片が保持部に保持される位置まで装置本体から引き出し、運搬用レバーの下方への回動を不能な状態とし、この状態でロック手段を下方移動させて回動を禁止(ロック)する。これにより、単に運搬用レバーを回動させて水平状態にしただけではロックはかからず、ロックがかかるまでに2段階の操作を必要とするので、ロックのかけ忘れを未然に確実に防止し、安全な運搬を保証することができる。また、運搬用レバーを水平状態とし、装置本体を運搬可能状態とした場合にはロック手段を上方に上げなければ、運搬用レバーは下方には回動しない。これにより、ロック手段を解除するにはロック手段を上方に上げるという運搬用レバーを握ったままではできない別の操作をしなければならず、運搬用レバーを握っている手と同じ手ではロック手段を解除できない。したがって、装置の運搬中にロック手段に誤って指が接触してロック手段が解除されることはなく、運搬中に運搬用レバーが回動して運搬のバランスを崩すという危険を確実に回避することができる。
【0018】
本発明の第2の態様に係る複写機は、前記第1の態様において、前記運搬用レバーは前記収納部に収納される際、長辺が縦状態となるよう収納される構成を採る。
【0019】
この構成によれば、運搬用レバーを装置内部に収納する場合には長辺が縦状態となるように収納される。これにより、例えば、給紙カセット段は複数段重なるため空きスペースは縦方向であれば同一個所に生じるが、この空きスペースを有効に利用することができる。このため、この空きスペースの領域が許す限り、最大限運搬用レバーを太くでき、持ちやすい運搬用レバーを実現できる。
【0020】
また、空きスペースを利用するので、収納部のために特別に領域を確保する必要がなく、装置が大型化するのを防止することができる。
【0023】
本発明の第3の態様に係る複写機は、前記第1の態様において、前記運搬用レバーの嵌合溝に嵌合した前記ロック手段を上方移動させ、前記運搬用レバーを装置本体側に押し込んで前記突出片を前記保持部から外し、前記運搬用レバーを自重により下方に回動させる構成を採る。
【0024】
この構成によれば、運搬用レバーを収納する場合、ロック手段を解除するだけではなく、さらに運搬用レバーを押し込むことで運搬用レバーを回動可能とする。これにより、運搬用レバーが下方に回動するまでに2段階の操作を必要とするので、ロック手段の解除により直ちに運搬用レバーが回動する場合に比べて、万が一ロックが誤って解除された場合でも、急には運搬用レバーは回動せず、安全性を確実に確保できる。
【0025】
本発明の第4の態様に係る複写機は、前記第1の態様において、水平状態とされた前記運搬用レバーの先端は当該運搬用レバーの下面よりも下方側に突出した形状の樹脂製カバーで覆われている構成を採る。
【0026】
この構成によれば、運搬用レバーの先端を下面よりも下方側に突出した形状の樹脂製カバーで覆うことにより、運搬用レバー自体を板金で形成した場合であっても運搬用レバーの先端を下方側に突出した形状とすることができる。このため、運搬用レバーを掴んだ手が樹脂製カバーにひっかかって、運搬用レバーから手が抜けるのを防止することができる。
【0027】
また、運搬用レバーの先端を樹脂製カバーで覆うことにより、運搬用レバーを下方に回動させて収納する際に装置本体の内壁に当たった場合の衝撃を樹脂製カバー自身の弾力で吸収することができる。これにより、運搬用レバーの先端が装置本体の内壁に当たる際に生ずる衝撃音を、板金と板金とが当たる際の衝撃音に比べて小さくすることができる。
【0028】
本発明の第5の態様に係る複写機は、前記第1の態様において、前記ロック手段は前記収納部の外壁面に沿って移動する構成を採る。
【0029】
この構成によれば、ロック手段を収納部の外壁面に沿って移動させることにより、ロック手段が上下方向に移動する際の案内ガイドとして収納部の外壁面をそのまま利用することができる。このため、案内ガイドとして別部材を設ける必要がなく、その分部品点数の削減を図ることができる。
【0030】
本発明の第6の態様に係る複写機は、前記第1の態様において、前記ロック手段は前記収納部の外壁面に沿って移動し、前記嵌合溝は前記収納部の外壁面に沿って前記ロック手段が下方移動する位置に設けられている構成を採る。
【0031】
この構成によれば、ロック手段は、収納部の外壁面近傍で運搬用レバーの回動を規制することができる。このため、ロック手段の嵌合位置から先端までの長さを最大限長くでき、運搬用レバーの持ち領域を最大限長くすることができるので、持ち易い運搬用レバーを実現して、安定した装置本体の運搬を確保することができる。
【0032】
本発明の第7の態様に係る複写機は、前記第1の態様において、前記ロック手段は前記収納部の外壁面に沿って移動し、前記運搬用レバーが前記収納部内に収納されている場合の前記ロック手段の下方移動は、前記ロック手段の表面に設けられた開口部を介して前記収納部の外壁面に固定されたねじで規制される構成を採る。
【0033】
運搬用レバーが装置内部に収納されている場合、ロック手段は上下に移動可能に設けられているので、落下防止のための機構がなければ落下する。本発明の第8の態様では、ロック手段の落下防止のための手段としてねじを用いることにより、特別な機構を設ける必要がないので、簡易な構成且つ低コストでロック手段の落下を防止することができる。
【0034】
本発明の第8の態様に係る複写機は、前記第1の態様において、前記収納部は水平状態とされた運搬用レバーの前記嵌合溝近傍の上面と前記収納部内に配置された当該運搬用レバーの先端部近傍の下面とで当該運搬用レバーに加わる力を受け止める構成を採る。
【0035】
この構成によれば、収納部は、水平状態とされた運搬用レバーの嵌合溝近傍の上面と収納部内に配置された運搬用レバーの先端部近傍の下面とで運搬用レバーに加わる力を受け止める。これにより、収納部は運搬用レバーを握って装置本体を持ち上げる際に発生する、上方に向う力のみならず、下方に向う力をも受け止める。このため、収納部は装置本体を持ち上げる際に発生する力を上下の2方向に分散して受けることができる。したがって、装置本体を持ち上げる際に一方向のみ力を受け止める場合に比較して、収納部に加わる負荷を軽減することができる。
【0036】
本発明の第9の態様に係る複写機は、前記第1の態様において、前記収納部は装置内部のメインフレームとは別に設けられている構成を採る。
【0037】
この構成によれば、運搬用レバーの収納部を装置内部のメインフレームとは別に設けている。このため、運搬用レバーで装置本体を持ち上げる際に発生する力は直接には収納フレームに加わることになって、メインフレームに直接加わることはない。したがって、運搬用レバーで装置本体を持ち上げる際の力がメインフレームに直接加わってメインフレームを変形させ、一定の位置精度により維持されている記録部などを構成する各部材の相互関係を崩し、画質を低下させるなどの不都合の発生を確実に防止することができる。
【0038】
本発明の第10の態様に係る複合機は、装置本体から上方に水平状態まで回動して装置外部に露出されると共に下方に回動して装置内部に収納され、水平状態とされた際の上面に嵌合溝を有する一方、下面近傍に突出片を有する運搬用レバーと、水平状態とされた前記運搬用レバーの上面に向けて上下方向に移動可能なロック手段と、前記運搬用レバーを収納すると共に水平状態とされた前記運搬用レバーの前記突出片を保持する保持部を有する収納部と、を具備し、前記運搬用レバーを上方に水平状態まで回動させて装置本体から引き出し、前記突出片を前記保持部に保持させた状態で前記ロック手段が下方移動し前記嵌合溝に嵌合することにより前記運搬用レバーの下方への回動を規制すると共に、前記ロック手段を上方移動させ前記嵌合溝との嵌合を解除して前記運搬用レバーを下方に回動自在にする構成を採る。
【0039】
この構成によれば、運搬用レバーを水平状態まで回動し、突出片が保持部に保持される位置まで装置本体から引き出し、運搬用レバーの下方への回動を不能な状態とし、この状態でロック手段を下方移動させて回動を禁止(ロック)する。これにより、単に運搬用レバーを回動させて水平状態にしただけではロックはかからず、ロックがかかるまでに2段階の操作を必要とするので、ロックのかけ忘れを未然に確実に防止し、安全な運搬を保証することができる。また、運搬用レバーを水平状態とし、装置本体を運搬可能状態とした場合にはロック手段を上方に上げなければ、運搬用レバーは下方には回動しない。これにより、ロック手段を解除するにはロック手段を上方に上げるという運搬用レバーを握ったままではできない別の操作をしなければならず、運搬用レバーを握っている手と同じ手ではロック手段を解除できない。したがって、装置の運搬中にロック手段に誤って指が接触してロック手段が解除されることはなく、運搬中に運搬用レバーが回動して運搬のバランスを崩すという危険を確実に回避することができる。
【0040】
本発明の第11の態様に係る複合機は、前記第10の態様において、前記運搬用レバーは前記収納部に収納される際、長辺が縦状態となるよう収納される構成を採る。
【0041】
この構成によれば、運搬用レバーを装置内部に収納する場合には長辺が縦状態となるように収納される。これにより、例えば、給紙カセット段は複数段重なるため空きスペースは縦方向であれば同一個所に生じるが、この空きスペースを有効に利用することができる。このため、この空きスペースの領域が許す限り、最大限運搬用レバーを太くでき、持ちやすい運搬用レバーを実現できる。
【0042】
また、空きスペースを利用するので、収納部のために特別に領域を確保する必要がなく、装置が大型化するのを防止することができる。
【0045】
本発明の第12の態様に係る複合機は、前記第10の態様において、前記運搬用レバーの嵌合溝に嵌合した前記ロック手段を上方移動させ、前記運搬用レバーを装置本体側に押し込んで前記突出片を前記保持部から外し、前記運搬用レバーを自重により下方に回動させる構成を採る。
【0046】
この構成によれば、運搬用レバーを収納する場合、ロック手段を解除するだけではなく、さらに運搬用レバーを押し込むことで運搬用レバーを回動可能とする。これにより、運搬用レバーが下方に回動するまでに2段階の操作を必要とするので、ロック手段の解除により直ちに運搬用レバーが回動する場合に比べて、万が一ロックが誤って解除された場合でも、急には運搬用レバーは回動せず、安全性を確実に確保できる。
【0047】
本発明の第13の態様に係る複合機は、前記第10の態様において、水平状態とされた前記運搬用レバーの先端は当該運搬用レバーの下面よりも下方側に突出した形状の樹脂製カバーで覆われている構成を採る。
【0048】
この構成によれば、運搬用レバーの先端を下面よりも下方側に突出した形状の樹脂製カバーで覆うことにより、運搬用レバー自体を板金で形成した場合であっても運搬用レバーの先端を下方側に突出した形状とすることができる。このため、運搬用レバーを掴んだ手が樹脂製カバーにひっかかって、運搬用レバーから手が抜けるのを防止することができる。
【0049】
また、運搬用レバーの先端を樹脂製カバーで覆うことにより、運搬用レバーを下方に回動させて収納する際に装置本体の内壁に当たった場合の衝撃を樹脂製カバー自身の弾力で吸収することができる。これにより、運搬用レバーの先端が装置本体の内壁に当たる際に生ずる衝撃音を、板金と板金とが当たる際の衝撃音に比べて小さくすることができる。
【0050】
本発明の第14の態様に係る複合機は、前記第10の態様において、前記ロック手段は前記収納部の外壁面に沿って移動する構成を採る。
【0051】
この構成によれば、ロック手段を収納部の外壁面に沿って移動させることにより、ロック手段が上下方向に移動する際の案内ガイドとして収納部の外壁面をそのまま利用することができる。このため、案内ガイドとして別部材を設ける必要がなく、その分部品点数の削減を図ることができる。
【0052】
本発明の第15の態様に係る複合機は、前記第10の態様において、前記ロック手段は前記収納部の外壁面に沿って移動し、前記嵌合溝は前記収納部の外壁面に沿って前記ロック手段が下方移動する位置に設けられている構成を採る。
【0053】
この構成によれば、ロック手段は、収納部の外壁面近傍で運搬用レバーの回動を規制することができる。このため、ロック手段の嵌合位置から先端までの長さを最大限長くでき、運搬用レバーの持ち領域を最大限長くすることができるので、持ち易い運搬用レバーを実現して、安定した装置本体の運搬を確保することができる。
【0054】
本発明の第16の態様に係る複合機は、前記第10の態様において、前記ロック手段は前記収納部の外壁面に沿って移動し、前記運搬用レバーが前記収納部内に収納されている場合の前記ロック手段の下方移動は、前記ロック手段の表面に設けられた開口部を介して前記収納部の外壁面に固定されたねじで規制される構成を採る。
【0055】
運搬用レバーが装置内部に収納されている場合、ロック手段は上下に移動可能に設けられているので、落下防止のための機構がなければ落下する。本発明の第18の態様では、ロック手段の落下防止のための手段としてねじを用いることにより、特別な機構を設ける必要がないので、簡易な構成且つ低コストでロック手段の落下を防止することができる。
【0056】
本発明の第17の態様に係る複合機は、前記第10の態様において、前記収納部は水平状態とされた運搬用レバーの前記嵌合溝近傍の上面と前記収納部内に配置された当該運搬用レバーの先端部近傍の下面とで当該運搬用レバーに加わる力を受け止める構成を採る。
【0057】
この構成によれば、収納部は、水平状態とされた運搬用レバーの嵌合溝近傍の上面と収納部内に配置された運搬用レバーの先端部近傍の下面とで運搬用レバーに加わる力を受け止める。これにより、収納部は運搬用レバーを握って装置本体を持ち上げる際に発生する、上方に向う力のみならず、下方に向う力をも受け止める。このため、収納部は装置本体を持ち上げる際に発生する力を上下の2方向に分散して受けることができる。したがって、装置本体を持ち上げる際に一方向のみ力を受け止める場合に比較して、収納部に加わる負荷を軽減することができる。
【0058】
本発明の第18の態様に係る複合機は、前記第10の態様において、前記収納部は装置内部のメインフレームとは別に設けられている構成を採る。
【0059】
この構成によれば、運搬用レバーの収納部を装置内部のメインフレームとは別に設けている。このため、運搬用レバーで装置本体を持ち上げる際に発生する力は直接には収納フレームに加わることになって、メインフレームに直接加わることはない。したがって、運搬用レバーで装置本体を持ち上げる際の力がメインフレームに直接加わってメインフレームを変形させ、一定の位置精度により維持されている記録部などを構成する各部材の相互関係を崩し、画質を低下させるなどの不都合の発生を確実に防止することができる。
【0060】
以下、本発明の実施の形態にかかる複写機について図面を参照して具体的に説明する。
【0061】
図1は、本発明の一実施の形態に係る複写機100の外観を示す斜視図である。図1(a)、(b)に示すように、複写機100は、装置の片方の側面に2つの開閉カバー101が設けられている。この開閉カバー101の内側に運搬用レバー102が配置されている。運搬者は、開閉カバー101を開くことで運搬用レバー102を露出することができる。
【0062】
運搬用レバー102は、その上方領域で本複写機100の後述する収納部に支持されている。この収納部に支持された箇所を回動支点としてその下端を上方に回動することで運搬用レバー102が装置外部に露出する。
【0063】
図2は、運搬用レバー102周辺の構成を示す拡大図である。図2においては、運搬用レバー102が収納されている状態を示している。
【0064】
開閉カバー101の内側には運搬用レバー102を収納する収納部201が設けられている。収納部201には、上下方向に収納溝202が形成されている。収納溝202は、運搬用レバー102の幅がちょうど収まる幅に形成されている。
【0065】
収納溝202の下方領域には、運搬用レバー102が収納される。なお、運搬用レバー102の下端部の下方に一定のスペースが設けられている。運搬者は、このスペースに手を入れて運搬用レバー102を上方に回動させる。
【0066】
収納溝202の上方領域には、運搬用レバー102を回動させ、水平状態となった運搬用レバー102と嵌合するロック手段としてのロック部材203が取り付けられている。ロック部材203の幅は、収納溝202の幅とほぼ同一に形成されている。
【0067】
収納溝202の側方であって運搬用レバー102が水平状態となった場合の運搬用レバー102の下端部近傍に、後述する運搬用レバー102の突出片を保持する保持部204が設けられている。保持部204は、収納部201の表面からわずかに突出した形状を有する。
【0068】
収納溝202の上方であって、ロック部材203の上端部と対向する位置に係止部205が設けられている。係止部205は、ロック部材203の上端部に係止されたばね206の上端を係止する。ロック部材203は、係止部205に係止されたばね206の付勢力により下方に付勢された状態となる。
【0069】
ロック部材203に開口部207が形成されている。この開口部207の開口領域において、ねじ208が収納部201に取り付けられている。ねじ208は、ばね206により下方に付勢されるロック部材203の下方への移動を規制する。
【0070】
運搬用レバー102が収納部201に収納されている場合、ロック部材203は上下に移動可能に設けられているので、落下防止のための機構がなければ落下してしまう。本複写機100では、ロック部材203の落下防止のための手段としてねじ208を用いる。これにより、特別な機構を設ける必要がないので、簡易な構成且つ低コストでロック部材203の落下を防止することができる。
【0071】
ロック部材203の側方にロック部材203の移動を規制する第1ガイド209、第2ガイド210が設けられている。第1ガイド209は、ロック部材203の側方からロック部材203の表面に回りこみ、開口部207の近傍まで覆う形状を有し、ロック部材203の左右方向及び前後方向の移動を規制する。
【0072】
第2ガイド210は、ロック部材203の側方で収納部201の表面からわずかに突出した形状を有し、ロック部材203の左右方向の移動を規制する。ロック部材203は、収納部201の表面に沿って移動可能な構成となっているが、これらのねじ208、第1ガイド209及び第2ガイド210によりロック部材203の移動が一定領域に規制される。
【0073】
ロック部材203の開口部207の下方には、レバー部211が形成されている。レバー部211は、ロック部材203の表面から突出した形状を有し、運搬者がロック部材203を上方に持ち上げる場合に用いられる。
【0074】
ロック部材203の下端部には、後述する運搬用レバー102の嵌合溝に嵌合する嵌合片212が形成されている。嵌合片212は、ロック部材203の開口部207の開口幅と同一程度の幅に設けられている。
【0075】
図3は、運搬用レバー102を回動させ、水平状態に固定した状態を示している。運搬用レバー102は、例えば、折り曲げ加工等により成型され、その内部が中空状態となっている。折り曲げ加工等の処理を施すことで、軽量ながらも剛性性能を高めている。
【0076】
水平状態における運搬用レバー102の上面であって、ロック部材203の下方領域に配置される位置に嵌合溝301が形成されている。嵌合溝301は、ロック部材203の嵌合片212と同一程度の大きさに形成されている。
【0077】
水平状態における運搬用レバー102の下端部近傍であって側方に突出片302が設けられている。突出片302は、運搬用レバー102が水平状態になった場合に、収納部201の保持部204に載る位置に設けられている。
【0078】
水平状態における運搬用レバー102の先端部は、樹脂製カバー303で覆われている。樹脂製カバー303は、運搬用レバー102の下端部よりも下方に延びた形状を有する。樹脂製カバー303は、運搬用レバー102を掴んだ運搬者の手が先端部から抜けるのを防止する役割を果たす。また、水平状態から自重により回動して収納溝202に入り込む場合に収納部201の内壁と接触する際に生ずる衝撃音を小さくする役割を果たす。
【0079】
このような構成を有する運搬用レバー102を収納部201から回動させ、水平状態に固定するまでの動きについて説明する。
【0080】
運搬用レバー102は、まず、図2に示す状態から図4に示すように、樹脂製カバー303を持ち上げるようにして回動させられる。このとき、運搬用レバー102は、保持部204近傍の回動支点を基準に回動する。
【0081】
水平状態になるまで回動すると、運搬用レバー102は、図5に示すように、運搬用レバー102全体を収納部201の外部に露出していない状態となる。この状態においては、運搬用レバー102の突出片302は、収納部201の内側に配置された状態である。
【0082】
また、ロック部材203の下方に嵌合溝301が配置されておらず、ロック部材203の嵌合片212は、運搬用レバー102の上面によって押し上げられた状態である。
【0083】
次に、運搬用レバー102は、図6に示すように、その全体を収納部201から露出するように水平方向に引き出される。このとき、運搬用レバー102は、突出片302を保持部204の上に載せた状態で水平方向に引き出される。
【0084】
なお、この状態においても、ロック部材203の下方に嵌合溝301は配置されていないため、ロック部材203の嵌合片212は、図5と同様に、運搬用レバー102の上面によって押し上げられた状態である。
【0085】
図6に示す状態からさらに水平方向に引き出されると、ロック部材203の下方に嵌合溝301が移動してくる。このとき、ロック部材203の嵌合片212が嵌合溝301に入り込み、図3に示した状態となる。
【0086】
図7は、運搬用レバー102の嵌合溝301周辺の拡大図である。図7においては、ロック部材203の嵌合片212が運搬用レバー102の嵌合溝301に入り込んだ状態を示している。
【0087】
嵌合片212が嵌合溝301に入り込んだ場合、図7に示すように、運搬用レバー102の突出片302は、保持部204に載った状態となっている。すなわち、突出片302が保持部204に載った状態で、嵌合片212が嵌合溝301に入り込むことで、運搬用レバー102は、水平状態に固定されることとなる。
【0088】
図8は、運搬用レバー102が水平状態となった場合におけるロック部材203の動きを示す図である。図8(a)は、図5及び図6に対応し、嵌合片212が嵌合溝301に入り込む前の状態を示している。また、図8(b)は、図3に対応し、嵌合片212が嵌合溝301に入り込んだ後の状態を示している。
【0089】
図8(a)に示すように、嵌合片212が嵌合溝301に入り込む前には、ロック部材203は、運搬用レバー102の上面により押し上げられ、開口部207も上方に移動した状態となっている。このとき、ねじ208は、開口部207の略中央近傍に配置されている。
【0090】
一方、嵌合片212が嵌合溝301に入り込んだ後には、自重又はばね206の付勢力によりロック部材203が下方に移動し、開口部207も下方に移動した状態となっている。このとき、ねじ208は、開口部207の上端に当接する位置に配置されている。
【0091】
次に、このような運搬用レバー102の一連の動きを、本複写機100の前面(又は後面)から見た場合について示す。図9〜図14は、運搬用レバー102の動きを説明するための本複写機100の断面図である。
【0092】
なお、図9〜図12においては、運搬用レバー102を収納部201から回動させて水平状態に固定する場合の動きについて示し、図13及び図14においては、運搬用レバー102を収納部201に収納する場合の動きについて示している。また、図9〜図14においては、片方の側面に設けられた収納部201のみを示している。
【0093】
まず、運搬用レバー102を収納部201から回動させて、水平状態に固定する場合の動きについて説明する。
【0094】
図9に示すように、収納部201の表面から一定距離をあけて内壁900が設けられている。収納部201の表面と内壁900との間には、ちょうど運搬用レバー102の奥行きが収まるようになっている。
【0095】
収納部201に収納されている状態において、運搬用レバー102は、図9に示すように、その長辺が縦状態となっている。なお、収納部201に収納されている状態においては、樹脂製カバー303の端部が収納部201の内壁900に軽く当接した状態となっている。
【0096】
このように運搬用レバー102を収納部201に収納する場合には長辺が縦状態となるように収納することにより、例えば、給紙カセット段は複数段重なるため空きスペースは縦方向であれば同一個所に生じるが、この空きスペースを有効に利用することができる。このため、この空きスペースの領域が許す限り、最大限運搬用レバー102を太くでき、持ちやすい運搬用レバー102を実現できる。また、空きスペースを利用するので、収納部201のために特別に領域を確保する必要がなく、装置が大型化するのを防止することができる。
【0097】
運搬用レバー102における本複写機100の前面及び後面(以下、「運搬用レバー102の側面」という)側であって上方領域には、開口部901が形成されている。開口部901は、収納部201に収納されている状態における運搬用レバー102の上下方向に長く、その端部に周面を有した形状となっている。
【0098】
開口部901は、その内側において運搬用レバー102の回動支点を構成する回動軸902を支持している。収納部201に収納されている状態においては、開口部901の上端で回動軸902を支持した状態となっている。
【0099】
収納部201の内壁900は、一定位置に開口部903が形成されている。この開口部901は、回動する運搬用レバー102の回動軸902側の先端を受け入れるために形成されている。
【0100】
開口部903の下方に配置された内壁900には、第1支持部904が設けられている。第1支持部904は、運搬用レバー102側に向けてわずかに突出した形状を有する。
【0101】
一方、回動軸902を挟んで第1支持部904と対向する位置、言い換えると、ロック部材203が取り付けられた位置の収納部201の裏面部分に第2支持部905が設けられている。第2支持部905は、内壁900側に向けてわずかに突出した形状を有する。
【0102】
これらの第1支持部904及び第2支持部905は、後述するように、水平状態となった運搬用レバー102を支持し、運搬用レバー102に加えられた力を収納部201に伝える役割を果たす。
【0103】
図10は、図4に対応する運搬用レバー102の状態を示す図である。図9に示す状態から図10に示すように、運搬用レバー102の下端が収納部201から引き出される。
【0104】
このとき、回動軸902は、図9と同様に開口部901の上端で支持された状態である。このため、運搬用レバー102は、開口部901の上端部近傍を回動支点として回動する。運搬用レバー102の回動軸902側の先端は、開口部903に進入し始める。
【0105】
図11は、図5に対応する運搬用レバー102の状態を示す図である。すなわち、運搬用レバー102を水平状態まで回動させた状態を示している。運搬用レバー102を回動させる際、突出片303が保持部204に接触する場合がある。この場合には、開口部901内で回動軸902の位置を調整して運搬用レバー102を回動させることができる。
【0106】
運搬用レバー102を水平状態にまで回動させると、運搬用レバー102の回動軸902側の先端は、大幅に開口部903に進入した状態となる。このとき、第1支持部904が運搬用レバー102の下面に当接し、第2支持部905が運搬用レバー102の上面に当接した状態になる。
【0107】
また、ロック部材203は、運搬用レバー102の上面に当接し、押し上げられている。なお、この段階では運搬用レバー102の突出片302は、保持部204よりも収納部201の内側に配置され、保持部204上には配置されていない。
【0108】
図12は、図3対応する運搬用レバー102の状態を示す図である。すなわち、運搬用レバー102を水平方向に引き出した状態を示している。運搬用レバー102を水平方向に引き出すことで、回動軸902が開口部901の左端部まで移動した状態となる。この状態においても、第1支持部904及び第2支持部905は、図11に示した当接状態を維持している。
【0109】
運搬用レバー102を水平方向に引き出すことで、突出片302が保持部204上に移動する。一方、ロック部材203の嵌合片212の下方に、運搬用レバー102の嵌合溝301が移動してくる。移動する領域ができることでロック部材203が下方に移動する。このとき、ロック部材203の嵌合片212が運搬用レバー102の嵌合溝301に入り込む。これにより、運搬用レバー102は下方への回動を防止され、水平状態で固定されることとなる。
【0110】
このように本複写機100では、運搬用レバー102を水平状態まで回動し、突出片302が保持部204に保持される位置まで装置から引き出し、運搬用レバー102の下方への回動を不能な状態とし、この状態でロック部材203を下方移動させて回動を禁止(以下、「ロック」という)する。これにより、単に運搬用レバー102を回動させて水平状態にしただけではロックはかからず、ロックがかかるまでに2段階の操作を必要とするので、ロックのかけ忘れを未然に確実に防止し、安全な運搬を保証することができる。
【0111】
なお、ロック部材203は、収納部201の表面に沿って下方移動し、運搬用レバー102の嵌合溝301に嵌合する。このため、ロック部材203が移動する際の案内ガイドとして収納部201の表面をそのまま利用しているので、案内ガイドとして別部材を設ける必要がなく、その分部品点数の削減を図ることができる。
【0112】
また、ロック部材203は、収納部201の表面近傍で嵌合溝301に嵌合することで、運搬用レバー102の回動を規制する。このため、ロック部材203の嵌合位置から先端までの長さを最大限長くでき、運搬用レバー102を掴む領域を最大限長くすることができるので、持ち易い運搬用レバー102を実現して、安定した装置本体の運搬を確保することができる。
【0113】
次に、水平状態に固定された運搬用レバー102を収納部201に収納する場合の動きについて説明する。水平状態に固定された場合、運搬用レバー102は図12に示す状態である。
【0114】
水平状態に固定された運搬用レバー102を収納部201に収納する場合には、まず、水平状態に固定された運搬用レバー102の嵌合溝301に入り込んでいるロック部材203の嵌合片212を外す。このとき、運搬者はロック部材203のレバー部211を上方に移動させることで容易に嵌合片212を嵌合溝301から外すことができる。そして、突出片302を保持部204の上から外すために運搬用レバー102を収納部201の内側に押し込む。
【0115】
図13は、図12に示す水平状態が固定された状態から運搬用レバー102を収納部201の内側にわずかに押し込んだ状態を示している。ここでは、ロック部材203の嵌合片212は、嵌合溝301から外され、運搬用レバー102の上面に載った状態となっている。
【0116】
また、突出片302が保持部204よりも収納部201の内側に押し込まれた状態となっている。このとき、運搬用レバー102は、収納部201による保持から解放された状態となっている。この状態から運搬用レバー102を掴んでいる手を離されると、運搬用レバー102は、回動軸902を回動支点として自重により回動して収納部201に入り込む。
【0117】
このように本複写機100では、運搬用レバー102を収納する場合、ロック部材203を解除するだけではなく、さらに運搬用レバー102を押し込むことで運搬用レバー102を回動可能とする。これにより、運搬用レバー102が下方に回動するまでに2段階の操作を必要とするので、ロック部材203の解除により直ちに運搬用レバー102が回動する場合に比べて、万が一ロックが誤って解除された場合でも、急には運搬用レバー102は回動せず、安全性を確実に確保できる。
【0118】
また、本複写機100を運搬可能状態とした場合にはロック部材203を上方に上げなければ、運搬用レバー203は下方には回動しない。これにより、ロック部材203を解除するにはロック部材203を上方に上げるという運搬用レバー102を握ったままではできない別の操作をしなければならず、運搬用レバー102を握っている手と同じ手ではロック部材203を解除できない。したがって、本複写機100の運搬中にロック部材203に誤って指が接触してロック部材203が解除されることはなく、運搬中に運搬用レバー102が回動して運搬のバランスを崩すという危険を確実に回避することができる。
【0119】
図14は、図13に示す状態から運搬用レバー102が収納部201に入り込む直前の状態を示している。図14においては、手を離される直前の運搬用レバー102を実線で示し、手を離された直後の運搬用レバー102を点線で示している。
【0120】
手を離された場合、運搬用レバー102は、回動軸902を回動支点として樹脂製カバー303がある先端部が自重で降下する。そして、運搬用レバー102は、収納部201の内壁に衝突する。このとき、衝突する部分には、樹脂製カバー303が配置されている。したがって、収納部201の内壁との衝突音は運搬用レバー102の筐体が直接衝突する場合の音に比べて大幅に低減することができる。
【0121】
図15は、運搬用レバー102を水平状態に固定した場合の収納部201周辺の拡大図である。図15(a)は運搬用レバー102の側面から見た収納部201周辺を示し、図15(b)は運搬用レバー102の先端部から見た収納部201を示している。なお、図15においては、ロック部材203を省略した場合について示している。
【0122】
図15(a)に示すように、水平状態に固定されると、運搬用レバー102の下端部には、収納部201の内壁に形成された第1支持部904が当接する。また、運搬用レバー102の上端部には、収納部201のロック部材203が取り付けられた部分の裏面に形成された第2支持部905が当接する。
【0123】
この状態で運搬者が本複写機100を持ち上げたとすると、運搬用レバー102に加えられた力は、第1支持部904及び第2支持部905の双方で受け止められる。このように運搬用レバー102を握って本複写機100を持ち上げる際に発生する上方に向う力のみならず、下方に向う力をも受け止めることで、収納部201は、本複写機100を持ち上げる際に発生する力を上下の2方向に分散して受けることができる。したがって、本複写機100を持ち上げる際に一方向のみで力を受け止める場合に比較して、収納部201に加わる負荷を軽減することができる。
【0124】
また、図15(b)に示すように、本実施の形態では収納部201を、本複写機100の内部のメインフレーム1500とは別の構成としている。このため、運搬用レバー102で本複写機100を持ち上げる際に発生する力は、直接には収納部201に加わることになり、メインフレーム1500に直接加わることはない。したがって、運搬用レバー102で本複写機100を持ち上げる際の力がメインフレーム1500に直接加わってメインフレーム1500を変形させ、一定の位置精度により維持されている記録部などを構成する各部材の相互関係を崩し、画質を低下させるなどの不都合の発生を確実に防止することができる。
【0125】
このように本実施の形態の複写機100によれば、収納部201から水平状態に回動する運搬用レバー102が水平状態となった時の上面に嵌合溝301を設ける一方、水平状態の時の運搬用レバー102に向けて下方に移動し嵌合溝301に嵌合して運搬用レバー102の下方への回動を規制すると共に上方に移動し運搬用レバー102との嵌合を解除して運搬用レバー102を下方に回動自在にするロック部材203を設けている。これにより、装置全体を大型化することなく、運搬に適した位置に持ちやすい運搬用レバーを有し、また、運搬中に運搬用レバーのロックが誤動作により解除される事態を確実に防止することができる。
【0126】
なお、本実施の形態では複写機100について説明しているが、これに限定されず、一定以上の重量を有する装置であれば、どのような装置にも適用することができる。例えば、プリンタ機能、コピー機能及びファックス機能のいずれか2つ以上の機能を有する、複合機などに適用することができる。
【0127】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、装置全体を大型化することなく、運搬に適した位置に持ちやすい運搬用レバーを有し、また、運搬中に運搬用レバーのロックが誤動作により解除される事態を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る複写機の外観を示す斜視図
【図2】上記実施の形態に係る複写機の運搬用レバー周辺の構成を示す拡大図
【図3】上記実施の形態に係る複写機の運搬用レバーが水平状態に固定された状態を示す図
【図4】上記実施の形態に係る複写機の運搬用レバーが水平状態に固定される途中の状態を示す図
【図5】上記実施の形態に係る複写機の運搬用レバーが水平状態に固定される途中の状態を示す図
【図6】上記実施の形態に係る複写機の運搬用レバーが水平状態に固定される途中の状態を示す図
【図7】上記実施の形態に係る複写機の運搬用レバーの嵌合溝周辺の拡大図
【図8】上記実施の形態に係る複写機の運搬用レバーが水平状態に固定された場合におけるロック部材の動きを示す図
【図9】上記実施の形態に係る複写機の運搬用レバーの動きを説明するための断面図
【図10】上記実施の形態に係る複写機の運搬用レバーの動きを説明するための断面図
【図11】上記実施の形態に係る複写機の運搬用レバーの動きを説明するための断面図
【図12】上記実施の形態に係る複写機の運搬用レバーの動きを説明するための断面図
【図13】上記実施の形態に係る複写機の運搬用レバーの動きを説明するための断面図
【図14】上記実施の形態に係る複写機の運搬用レバーの動きを説明するための断面図
【図15】上記実施の形態に係る複写機の運搬用レバーを水平状態に固定した場合の収納部周辺の拡大図
【図16】従来の複写機の外観を示す斜視図
【図17】従来の複写機の運搬用レバー周辺の拡大図
【符号の説明】
100 複写機
101 開閉カバー
102 運搬用レバー
201 収納部
202 収納溝
203 ロック部材
204 保持部
205 係止部
206 ばね
207 開口部
208 ねじ
209 第1ガイド
210 第2ガイド
211 レバー部
212 嵌合片
301 嵌合溝
302 突出片
303 樹脂製カバー
900 内壁
901 開口部
902 回動軸
903 開口部
904 第1支持部
905 第2支持部
1500 メインフレーム
Claims (18)
- 装置本体から上方に水平状態まで回動して装置外部に露出されると共に下方に回動して装置内部に収納され、水平状態とされた際の上面に嵌合溝を有する一方、下面近傍に突出片を有する運搬用レバーと、水平状態とされた前記運搬用レバーの上面に向けて上下方向に移動可能なロック手段と、前記運搬用レバーを収納すると共に水平状態とされた前記運搬用レバーの前記突出片を保持する保持部を有する収納部と、を具備し、前記運搬用レバーを上方に水平状態まで回動させて装置本体から引き出し、前記突出片を前記保持部に保持させた状態で前記ロック手段が下方移動し前記嵌合溝に嵌合することにより前記運搬用レバーの下方への回動を規制すると共に、前記ロック手段を上方移動させ前記嵌合溝との嵌合を解除して前記運搬用レバーを下方に回動自在にすることを特徴とする複写機。
- 前記運搬用レバーは前記収納部に収納される際、長辺が縦状態となるよう収納されることを特徴とする請求項1に記載の複写機。
- 前記運搬用レバーの嵌合溝に嵌合した前記ロック手段を上方移動させ、前記運搬用レバーを装置本体側に押し込んで前記突出片を前記保持部から外し、前記運搬用レバーを自重により下方に回動させることを特徴とする請求項1に記載の複写機。
- 水平状態とされた前記運搬用レバーの先端は当該運搬用レバーの下面よりも下方側に突出した形状の樹脂製カバーで覆われていることを特徴とする請求項1に記載の複写機。
- 前記ロック手段は前記収納部の外壁面に沿って移動することを特徴とする請求項1に記載の複写機。
- 前記ロック手段は前記収納部の外壁面に沿って移動し、前記嵌合溝は前記収納部の外壁面に沿って前記ロック手段が下方移動する位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の複写機。
- 前記ロック手段は前記収納部の外壁面に沿って移動し、前記運搬用レバーが前記収納部内に収納されている場合の前記ロック手段の下方移動は、前記ロック手段の表面に設けられた開口部を介して前記収納部の外壁面に固定されたねじで規制されることを特徴とする請求項1に記載の複写機。
- 前記収納部は水平状態とされた運搬用レバーの前記嵌合溝近傍の上面と前記収納部内に配置された当該運搬用レバーの先端部近傍の下面とで当該運搬用レバーに加わる力を受け止めることを特徴とする請求項1に記載の複写機。
- 前記収納部は装置内部のメインフレームとは別に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の複写機。
- 装置本体から上方に水平状態まで回動して装置外部に露出されると共に下方に回動して装置内部に収納され、水平状態とされた際の上面に嵌合溝を有する一方、下面近傍に突出片を有する運搬用レバーと、水平状態とされた前記運搬用レバーの上面に向けて上下方向に移動可能なロック手段と、前記運搬用レバーを収納すると共に水平状態とされた前記運搬用レバーの前記突出片を保持する保持部を有する収納部と、を具備し、前記運搬用レバーを上方に水平状態まで回動させて装置本体から引き出し、前記突出片を前記保持部に保持させた状態で前記ロック手段が下方移動し前記嵌合溝に嵌合することにより前記運搬用レバーの下方への回動を規制すると共に、前記ロック手段を上方移動させ前記嵌合溝との嵌合を解除して前記運搬用レバーを下方に回動自在にすることを特徴とする複合機。
- 前記運搬用レバーは前記収納部に収納される際、長辺が縦状態となるよう収納されることを特徴とする請求項10に記載の複合機。
- 前記運搬用レバーの嵌合溝に嵌合した前記ロック手段を上方移動させ、前記運搬用レバーを装置本体側に押し込んで前記突出片を前記保持部から外し、前記運搬用レバーを自重により下方に回動させることを特徴とする請求項10に記載の複合機。
- 水平状態とされた前記運搬用レバーの先端は当該運搬用レバーの下面よりも下方側に突出した形状の樹脂製カバーで覆われていることを特徴とする請求項10 に記載の複合機。
- 前記ロック手段は前記収納部の外壁面に沿って移動することを特徴とする請求項10に記載の複合機。
- 前記ロック手段は前記収納部の外壁面に沿って移動し、前記嵌合溝は前記収納部の外壁面に沿って前記ロック手段が下方移動する位置に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の複合機。
- 前記ロック手段は前記収納部の外壁面に沿って移動し、前記運搬用レバーが前記収納部内に収納されている場合の前記ロック手段の下方移動は、前記ロック手段の表面に設けられた開口部を介して前記収納部の外壁面に固定されたねじで規制されることを特徴とする請求項10に記載の複合機。
- 前記収納部は水平状態とされた運搬用レバーの前記嵌合溝近傍の上面と前記収納部内に配置された当該運搬用レバーの先端部近傍の下面とで当該運搬用レバーに加わる力を受け止めることを特徴とする請求項10に記載の複合機。
- 前記収納部は装置内部のメインフレームとは別に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の複合機。
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