JP3978323B2 - ロール紙自動繰り出し装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオルなどのロール紙を、自動的に繰り出して切断するロール紙自動繰り出し装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、たとえばトイレットペーパーの繰り出し装置付きロール紙ホルダーは、本願出願人による特開２０００−２８７８７２号公報に開示されているように、ロール紙ロールより一定の長さのロール紙をモータ駆動の送りローラで繰り出して、紙受けにより折り畳むとともにカッターで切断していた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術の場合、ロール紙ロールから繰り出されたロール紙は、紙受けにより一定の幅に折り畳まれるが、必要に応じてその幅を広くしたり狭くしたりする調整ができないものであった。また、カッターの刃が切れなくなると、装置を一部分解して刃の交換をしなければならず、作業が面倒であった。
【０００４】
この発明は、上記従来の技術の問題点に鑑みてなされたもので、ロール紙のロールから必要な長さのロール紙を適宜繰り出して、折り畳み状態とすることができ、取り扱いも簡単なロール紙自動繰り出し装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この発明は、トイレットペーパー等のロール紙を回転自在に支持し、上記ロール紙のロールから連続して送り出されるロール紙を繰り出す一対の送りローラと、この送りローラを回転駆動する駆動装置と、一対の上記送りローラより先へ繰り出された上記ロール紙を一使用単位分の長さだけ繰り出すように自動制御する繰り出し量制御手段とを備えたロール紙自動繰り出し装置である。そして、上記送りローラから一使用単位分の長さで先に繰り出された上記ロール紙を自動的に切断するカッターと、切断された上記ロール紙を自重によりジグザグ状に折り畳む紙受けと、この紙受けによる折り畳み幅を調整する紙受け幅調整部とを備えたロール紙自動繰り出し装置である。
【０００６】
上記ロール軸は鍔部を備え、この鍔部とロール軸側面との間には、連続的に直径が変化した傾斜部が設けられ、この傾斜部で上記ロール紙の軸挿通孔を支持し、上記カッターは、直方体の箱状のカートリッジ内に固定刃と可動刃が収納されて成り、このカートリッジは、上記可動刃を駆動する駆動装置に対して着脱自在に設けられ、上記カートリッジの上面部及び下面部には、上記ロール紙が挿入されて上記固定刃と可動刃の間を通過して出ていくスリットが各々形成され、上記駆動装置により上記可動刃が揺動して上記ロール紙を切断する。カートリッジ側方には、回動軸を中心に回動等してカートリッジを押し出すレバー等の押出部材が設けられている。また、上記送りローラの一方には、Ｏリングが嵌合され、このＯリングが他方の送りローラに接している。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図１〜図４は、この発明の一実施形態のロール紙自動繰り出し装置の全体概略構造を示している。この実施形態のロール紙自動繰り出し装置１０は、外装を構成する背面板１２と、この背面板１２に対して着脱自在に設けられ湾曲面状に形成されたハウジング１４と、このハウジング１４の正面部分の一部に設けられ、揺動開閉自在に設けられた蓋部１６とを備えている。ハウジング１４の下方には開口部１４ａが設けられ、背面板１２の下方には、繰り出されたトイレットペーパー等のロール紙２０を真下で受ける紙受け２２を備えている。背面板１２と紙受け２２は、連結部２４により所定間隔を空けて設置されている。
【０００８】
紙受け２２は連結部２４に対してほぼ直角に位置し、紙受け２２の前側壁２２ａは、繰り出されるロール紙２０が当接可能な高さである。さらに、連結部２４と紙受け２２の前側壁２２ａとの間隔は、紙受け幅調整部である進退用ガイド部２２ｂに沿って前側壁２２ａが手前に摺動可能に設けられている。
【０００９】
ハウジング１４内には、図示しない一対のブラケットが上方に設置され、その間には、トイレットペーパー等のロール紙２０のロールが、ロール紙２０の軸挿通孔に通したロール軸２６を介して着脱自在に、かつ回転可能に支持される。ロール軸２６は、ロール紙２０の軸挿通孔の直径程度の鍔部２８を備え、この鍔部２８とロール軸２６の側面との間には、連続的に直径が変化した傾斜部３０が設けられている。傾斜部３０は、図示するように湾曲した形状の他、円錐台状であっても良い。
【００１０】
ハウジング１４内のロール軸２６の下方には、ロール紙２０を繰り出す複数対の送りローラ３２，３４が設けられ、その一方の送りローラ３４には、図示しない駆動機構を介して送りローラ３４を回転駆動する駆動モータが連結されている。送りローラ３４は回転軸３９に固定され、送りローラ３４の外周面中央全周には１本の溝が形成され、図４に示すように、この溝にＯリング３６が嵌合している。また、駆動機構及びモータは、駆動装置用のケース３８内に収納されている。送りローラ３２は、回転軸４０に固定され、回転軸４０はケース３８の軸受け部４１，４２に軸受け４５、４６を介して軸支されている。各軸受け部４１，４２には、円弧状の長孔４４が各々形成され、軸受け部４２の軸受け４６には一体にレバー４８が形成されている。そして、レバー４８を揺動させることにより、回転軸４０とともに送りローラ３２が揺動し、対向する送りローラ３４との間に隙間を形成可能に設けられている。また、送りローラ３２が揺動し、対向する送りローラ３４との間に隙間が形成された状態で、レバー４８または回転軸３９等を一時的にロック可能とするロック機構が設けられていると良い。これにより、ロール紙２０の挿通動作がより容易となる。
【００１１】
送りローラ３４または駆動機構には、送りローラ等の回転数からロール紙２０の繰り出し量を検出する検出器が設けられている。検出器は、リミットスイッチのオンオフ回数を検知するものや、光センサや近接センサを利用したもの、その他各種ロータリエンコーダ等からなる。検出器は図示しない制御装置に接続され、制御装置は、制御装置内のカウンターに設定された繰り出し量設定カウント数と、検出信号によるカウント数とを比較し、その設定された回転数に検出カウント数が到達すれば、駆動モータを停止させる。
【００１２】
送りローラ３２，３４の下方には、カートリッジ式のカッター５０が設けられている。カッター５０は、直方体の箱状のカートリッジ５２内に固定刃５４と可動刃５５が収納されて成り、駆動装置のケース３８内に設けられた図示しないカッター用モータに駆動機構を介して接続され、これにより可動刃５５が揺動してロール紙２０を切断する。カートリッジ５２の上面部及び下面部には、ロール紙２０が挿入されて出ていくスリットが各々形成されている。
【００１３】
また、カートリッジ５２は、駆動装置のケース３８及びその中の可動刃５５を駆動するカッター用モータに対して、着脱自在に設けられている。取り付け機構は、カートリッジ５２の側面に設けられた係止突起５６に、ケース３８に設けられた着脱レバー５８が係合して、カートリッジ５２がケース３８に保持されている。着脱レバー５８は、回動軸６０を中心に回動自在に設けられ、操作部６２側に、係止突起５６に係合する係止部６４が設けられている。回動軸６０を中心として、操作部６２の反対側には、回動軸６０を中心に回動した際にカートリッジ５２を押し出す押出部６６が一体に設けられている。
【００１４】
ハウジング１４の正面側下方には、ロール紙２０の繰り出しを行わせるスイッチ７２が設けられ、スイッチ７２の外側に押しボタン７４が設けられている。押しボタン７４の側方のハウジング１４には、ロール紙１０の繰り出し量を調節するボリューム等の調節つまみ７６が設けられている。
【００１５】
次にこの実施形態のロール紙自動繰り出し装置のロール紙２０の給紙方法について説明する。まず、ロール紙２０にロール軸２６を通して、ハウジング１４内の一対のブラケットの間にセットし、図２，図３に示すように、ロール紙２０を送りローラ３２，３４間に挿通する。このとき、レバー４８を手前に倒して送りローラ３２，３４間を開けて、ロール紙２０を通す。さらに、ロール紙２０をカッター５０のカートリッジ５２に形成されたスリットに通して、レバー４８を戻す。この状態で、ロール紙２０は繰り出し可能となる。使用時においては、押しボタン７４を押すと、制御装置により、ロール紙２０が一定量送りローラ３２，３４の回転により繰り出される。繰り出されたロール紙２０は、ハウジング１４の下方の開口部１４ａを経て紙受け２２に落下する。このとき、ロール紙２０は、連結部２４と紙受け２２の前側壁２２ａとの間で、自重により撓んで一方に当接するとその位置で折り返され、他方に向かって折り畳まれ、以下同様にジグザグに折り畳みが進行する。この折り畳みの幅は、適宜前側壁２２ａの突出位置を調節して設定する。また、ロール紙２０の繰り出し量は、調節つまみ７６を回して制御装置の設定量を任意に設定する。
【００１６】
さらに、ハウジング１４の下部には、医薬剤散布装置を設置し、折り畳み状態で切断されたロール紙２０の上部に、切断完了信号により自動的に医薬剤を散布するようにしてもよい。また、落下中のロール紙２０や折り畳み途中のロール紙２０に薬剤を散布してもよい。
【００１７】
この実施形態のロール紙自動繰り出し装置は、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオルなどのロールから連続して出されるロール紙２０を、送りローラ３２，３４により一使用単位分の長さに自動的に繰り出され、折り畳まれ、切断するもので、一連の動作をワンタッチで行うことができる。しかも、繰り出したロール紙２０の長さ及び折り畳み幅を任意に設定することができ、使用目的に応じて適切な量のロール紙２０を繰り出すことができ、効率的な使用を可能にする。また、ロール軸２６の両側には、傾斜部３０が形成されているので、ロール紙２０のロールは常にロール軸２６の中心部に位置し、送りローラ３２，３４やカッター５０に対する位置決めが自動的に成される。
【００１８】
また、この発明のロール紙自動繰り出し装置は、送りローラ３４にＯリング３６を取り付けているので、送りローラ３２との間で確実にロール紙２０を保持し、繰り出すことができる。また、Ｏリング３６の取り替えも容易である。さらに、カッター５０はカートリッジ式であるので、刃が切れにくくなると容易に交換することができる。
【００１９】
なお、押しボタン７４は、プッシュ式のほか、光センサや近接センサを用いた非接触式のものでもよい。さらに、音声応答する装置を押しボタンの代わりに設けてもよい。さらに、１回の操作で、複数の折り畳まれた紙が自動的に供給されるようにしてもよい。この場合、１回の折り畳み切断動作の後、その紙を取り上げると、それを検知して自動的に次の繰り出し、折り畳み、切断動作がなされ、次の使用が可能な状態になるようにし、必要な回数これが自動的に繰り返されるように設定するとよい。この回数は任意に設定可能とする。また、折り畳まれる紙の長さも適宜設定可能とするとよい。
【００２０】
これにより、使用者は両手を使うことなく、所望の状態に折り畳まれた紙を得ることができる。特に、年輩者や障害を持つ人にとっては、ロール紙の繰り出し動作を軽減することができる。
【００２１】
ここで、駆動モータやカット用モータ、スイッチ類、検出器、制御装置等の電源は、交流電源あるいは乾電池等の直流電源でもよい。また、紙受けの形状も適宜設定可能である。
【００２２】
【発明の効果】
この発明のロール紙自動繰り出し装置は、高年齢者、片手が不自由な身体障害者等、あるいは小児などが、簡単にロール紙から紙を繰り出し、自動切断し、折り畳み状態にすることができ、単一動作で使用可能な状態にまで、安全に短時間で設定する事ができる。さらに、使用者にとって衛生的であり、折り畳まれるロール紙の幅や長さも任意に設定することができ、用途に合わせて適切な状態で使用することができる。また、ロール紙の送りや位置決めが正確に成され、信頼性の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 この発明の一実施形態のロール紙自動繰り出し装置の外観斜視図である。
【図２】 この発明の一実施形態のロール紙自動繰り出し装置の内部の正面図である。
【図３】 この発明の一実施形態のロール紙自動繰り出し装置の縦断面図である。
【図４】 この発明の一実施形態のロール紙自動繰り出し装置の送りローラの上面図である。
【符号の説明】
１０ ロール紙繰り出し装置
１２ 背面板
１４ ハウジング
１６ 蓋部
２０ ロール紙
２２ 紙受け
２２ａ 前側壁
２２ｂ 進退用ガイド部
２４ 連結部
２６ ロール軸
２８ 鍔部
３０ 傾斜部
３２，３４ 送りローラ
３６ Ｏリング
３８ ケース
４０ 回転軸
４１，４２ 軸受け部
４４ 長孔
４５，４６ 軸受け
４８ レバー
５０ カッター
５２ カートリッジ
５４ 固定刃
５５ 可動刃
５６ 係止突起
５８ 着脱レバー
６２ 操作部
６４ 係止部
６６ 押出部
【発明の属する技術分野】
この発明は、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオルなどのロール紙を、自動的に繰り出して切断するロール紙自動繰り出し装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、たとえばトイレットペーパーの繰り出し装置付きロール紙ホルダーは、本願出願人による特開２０００−２８７８７２号公報に開示されているように、ロール紙ロールより一定の長さのロール紙をモータ駆動の送りローラで繰り出して、紙受けにより折り畳むとともにカッターで切断していた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術の場合、ロール紙ロールから繰り出されたロール紙は、紙受けにより一定の幅に折り畳まれるが、必要に応じてその幅を広くしたり狭くしたりする調整ができないものであった。また、カッターの刃が切れなくなると、装置を一部分解して刃の交換をしなければならず、作業が面倒であった。
【０００４】
この発明は、上記従来の技術の問題点に鑑みてなされたもので、ロール紙のロールから必要な長さのロール紙を適宜繰り出して、折り畳み状態とすることができ、取り扱いも簡単なロール紙自動繰り出し装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この発明は、トイレットペーパー等のロール紙を回転自在に支持し、上記ロール紙のロールから連続して送り出されるロール紙を繰り出す一対の送りローラと、この送りローラを回転駆動する駆動装置と、一対の上記送りローラより先へ繰り出された上記ロール紙を一使用単位分の長さだけ繰り出すように自動制御する繰り出し量制御手段とを備えたロール紙自動繰り出し装置である。そして、上記送りローラから一使用単位分の長さで先に繰り出された上記ロール紙を自動的に切断するカッターと、切断された上記ロール紙を自重によりジグザグ状に折り畳む紙受けと、この紙受けによる折り畳み幅を調整する紙受け幅調整部とを備えたロール紙自動繰り出し装置である。
【０００６】
上記ロール軸は鍔部を備え、この鍔部とロール軸側面との間には、連続的に直径が変化した傾斜部が設けられ、この傾斜部で上記ロール紙の軸挿通孔を支持し、上記カッターは、直方体の箱状のカートリッジ内に固定刃と可動刃が収納されて成り、このカートリッジは、上記可動刃を駆動する駆動装置に対して着脱自在に設けられ、上記カートリッジの上面部及び下面部には、上記ロール紙が挿入されて上記固定刃と可動刃の間を通過して出ていくスリットが各々形成され、上記駆動装置により上記可動刃が揺動して上記ロール紙を切断する。カートリッジ側方には、回動軸を中心に回動等してカートリッジを押し出すレバー等の押出部材が設けられている。また、上記送りローラの一方には、Ｏリングが嵌合され、このＯリングが他方の送りローラに接している。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図１〜図４は、この発明の一実施形態のロール紙自動繰り出し装置の全体概略構造を示している。この実施形態のロール紙自動繰り出し装置１０は、外装を構成する背面板１２と、この背面板１２に対して着脱自在に設けられ湾曲面状に形成されたハウジング１４と、このハウジング１４の正面部分の一部に設けられ、揺動開閉自在に設けられた蓋部１６とを備えている。ハウジング１４の下方には開口部１４ａが設けられ、背面板１２の下方には、繰り出されたトイレットペーパー等のロール紙２０を真下で受ける紙受け２２を備えている。背面板１２と紙受け２２は、連結部２４により所定間隔を空けて設置されている。
【０００８】
紙受け２２は連結部２４に対してほぼ直角に位置し、紙受け２２の前側壁２２ａは、繰り出されるロール紙２０が当接可能な高さである。さらに、連結部２４と紙受け２２の前側壁２２ａとの間隔は、紙受け幅調整部である進退用ガイド部２２ｂに沿って前側壁２２ａが手前に摺動可能に設けられている。
【０００９】
ハウジング１４内には、図示しない一対のブラケットが上方に設置され、その間には、トイレットペーパー等のロール紙２０のロールが、ロール紙２０の軸挿通孔に通したロール軸２６を介して着脱自在に、かつ回転可能に支持される。ロール軸２６は、ロール紙２０の軸挿通孔の直径程度の鍔部２８を備え、この鍔部２８とロール軸２６の側面との間には、連続的に直径が変化した傾斜部３０が設けられている。傾斜部３０は、図示するように湾曲した形状の他、円錐台状であっても良い。
【００１０】
ハウジング１４内のロール軸２６の下方には、ロール紙２０を繰り出す複数対の送りローラ３２，３４が設けられ、その一方の送りローラ３４には、図示しない駆動機構を介して送りローラ３４を回転駆動する駆動モータが連結されている。送りローラ３４は回転軸３９に固定され、送りローラ３４の外周面中央全周には１本の溝が形成され、図４に示すように、この溝にＯリング３６が嵌合している。また、駆動機構及びモータは、駆動装置用のケース３８内に収納されている。送りローラ３２は、回転軸４０に固定され、回転軸４０はケース３８の軸受け部４１，４２に軸受け４５、４６を介して軸支されている。各軸受け部４１，４２には、円弧状の長孔４４が各々形成され、軸受け部４２の軸受け４６には一体にレバー４８が形成されている。そして、レバー４８を揺動させることにより、回転軸４０とともに送りローラ３２が揺動し、対向する送りローラ３４との間に隙間を形成可能に設けられている。また、送りローラ３２が揺動し、対向する送りローラ３４との間に隙間が形成された状態で、レバー４８または回転軸３９等を一時的にロック可能とするロック機構が設けられていると良い。これにより、ロール紙２０の挿通動作がより容易となる。
【００１１】
送りローラ３４または駆動機構には、送りローラ等の回転数からロール紙２０の繰り出し量を検出する検出器が設けられている。検出器は、リミットスイッチのオンオフ回数を検知するものや、光センサや近接センサを利用したもの、その他各種ロータリエンコーダ等からなる。検出器は図示しない制御装置に接続され、制御装置は、制御装置内のカウンターに設定された繰り出し量設定カウント数と、検出信号によるカウント数とを比較し、その設定された回転数に検出カウント数が到達すれば、駆動モータを停止させる。
【００１２】
送りローラ３２，３４の下方には、カートリッジ式のカッター５０が設けられている。カッター５０は、直方体の箱状のカートリッジ５２内に固定刃５４と可動刃５５が収納されて成り、駆動装置のケース３８内に設けられた図示しないカッター用モータに駆動機構を介して接続され、これにより可動刃５５が揺動してロール紙２０を切断する。カートリッジ５２の上面部及び下面部には、ロール紙２０が挿入されて出ていくスリットが各々形成されている。
【００１３】
また、カートリッジ５２は、駆動装置のケース３８及びその中の可動刃５５を駆動するカッター用モータに対して、着脱自在に設けられている。取り付け機構は、カートリッジ５２の側面に設けられた係止突起５６に、ケース３８に設けられた着脱レバー５８が係合して、カートリッジ５２がケース３８に保持されている。着脱レバー５８は、回動軸６０を中心に回動自在に設けられ、操作部６２側に、係止突起５６に係合する係止部６４が設けられている。回動軸６０を中心として、操作部６２の反対側には、回動軸６０を中心に回動した際にカートリッジ５２を押し出す押出部６６が一体に設けられている。
【００１４】
ハウジング１４の正面側下方には、ロール紙２０の繰り出しを行わせるスイッチ７２が設けられ、スイッチ７２の外側に押しボタン７４が設けられている。押しボタン７４の側方のハウジング１４には、ロール紙１０の繰り出し量を調節するボリューム等の調節つまみ７６が設けられている。
【００１５】
次にこの実施形態のロール紙自動繰り出し装置のロール紙２０の給紙方法について説明する。まず、ロール紙２０にロール軸２６を通して、ハウジング１４内の一対のブラケットの間にセットし、図２，図３に示すように、ロール紙２０を送りローラ３２，３４間に挿通する。このとき、レバー４８を手前に倒して送りローラ３２，３４間を開けて、ロール紙２０を通す。さらに、ロール紙２０をカッター５０のカートリッジ５２に形成されたスリットに通して、レバー４８を戻す。この状態で、ロール紙２０は繰り出し可能となる。使用時においては、押しボタン７４を押すと、制御装置により、ロール紙２０が一定量送りローラ３２，３４の回転により繰り出される。繰り出されたロール紙２０は、ハウジング１４の下方の開口部１４ａを経て紙受け２２に落下する。このとき、ロール紙２０は、連結部２４と紙受け２２の前側壁２２ａとの間で、自重により撓んで一方に当接するとその位置で折り返され、他方に向かって折り畳まれ、以下同様にジグザグに折り畳みが進行する。この折り畳みの幅は、適宜前側壁２２ａの突出位置を調節して設定する。また、ロール紙２０の繰り出し量は、調節つまみ７６を回して制御装置の設定量を任意に設定する。
【００１６】
さらに、ハウジング１４の下部には、医薬剤散布装置を設置し、折り畳み状態で切断されたロール紙２０の上部に、切断完了信号により自動的に医薬剤を散布するようにしてもよい。また、落下中のロール紙２０や折り畳み途中のロール紙２０に薬剤を散布してもよい。
【００１７】
この実施形態のロール紙自動繰り出し装置は、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオルなどのロールから連続して出されるロール紙２０を、送りローラ３２，３４により一使用単位分の長さに自動的に繰り出され、折り畳まれ、切断するもので、一連の動作をワンタッチで行うことができる。しかも、繰り出したロール紙２０の長さ及び折り畳み幅を任意に設定することができ、使用目的に応じて適切な量のロール紙２０を繰り出すことができ、効率的な使用を可能にする。また、ロール軸２６の両側には、傾斜部３０が形成されているので、ロール紙２０のロールは常にロール軸２６の中心部に位置し、送りローラ３２，３４やカッター５０に対する位置決めが自動的に成される。
【００１８】
また、この発明のロール紙自動繰り出し装置は、送りローラ３４にＯリング３６を取り付けているので、送りローラ３２との間で確実にロール紙２０を保持し、繰り出すことができる。また、Ｏリング３６の取り替えも容易である。さらに、カッター５０はカートリッジ式であるので、刃が切れにくくなると容易に交換することができる。
【００１９】
なお、押しボタン７４は、プッシュ式のほか、光センサや近接センサを用いた非接触式のものでもよい。さらに、音声応答する装置を押しボタンの代わりに設けてもよい。さらに、１回の操作で、複数の折り畳まれた紙が自動的に供給されるようにしてもよい。この場合、１回の折り畳み切断動作の後、その紙を取り上げると、それを検知して自動的に次の繰り出し、折り畳み、切断動作がなされ、次の使用が可能な状態になるようにし、必要な回数これが自動的に繰り返されるように設定するとよい。この回数は任意に設定可能とする。また、折り畳まれる紙の長さも適宜設定可能とするとよい。
【００２０】
これにより、使用者は両手を使うことなく、所望の状態に折り畳まれた紙を得ることができる。特に、年輩者や障害を持つ人にとっては、ロール紙の繰り出し動作を軽減することができる。
【００２１】
ここで、駆動モータやカット用モータ、スイッチ類、検出器、制御装置等の電源は、交流電源あるいは乾電池等の直流電源でもよい。また、紙受けの形状も適宜設定可能である。
【００２２】
【発明の効果】
この発明のロール紙自動繰り出し装置は、高年齢者、片手が不自由な身体障害者等、あるいは小児などが、簡単にロール紙から紙を繰り出し、自動切断し、折り畳み状態にすることができ、単一動作で使用可能な状態にまで、安全に短時間で設定する事ができる。さらに、使用者にとって衛生的であり、折り畳まれるロール紙の幅や長さも任意に設定することができ、用途に合わせて適切な状態で使用することができる。また、ロール紙の送りや位置決めが正確に成され、信頼性の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 この発明の一実施形態のロール紙自動繰り出し装置の外観斜視図である。
【図２】 この発明の一実施形態のロール紙自動繰り出し装置の内部の正面図である。
【図３】 この発明の一実施形態のロール紙自動繰り出し装置の縦断面図である。
【図４】 この発明の一実施形態のロール紙自動繰り出し装置の送りローラの上面図である。
【符号の説明】
１０ ロール紙繰り出し装置
１２ 背面板
１４ ハウジング
１６ 蓋部
２０ ロール紙
２２ 紙受け
２２ａ 前側壁
２２ｂ 進退用ガイド部
２４ 連結部
２６ ロール軸
２８ 鍔部
３０ 傾斜部
３２，３４ 送りローラ
３６ Ｏリング
３８ ケース
４０ 回転軸
４１，４２ 軸受け部
４４ 長孔
４５，４６ 軸受け
４８ レバー
５０ カッター
５２ カートリッジ
５４ 固定刃
５５ 可動刃
５６ 係止突起
５８ 着脱レバー
６２ 操作部
６４ 係止部
６６ 押出部
Claims (3)
- ロール紙のロールから連続してロール紙を繰り出す一対の送りローラと、この送りローラを回転駆動する駆動装置と、一対の上記送りローラより先へ繰り出された上記ロール紙を一使用単位分の長さだけ繰り出すように自動制御する繰り出し量制御手段と、上記送りローラから一使用単位分の長さで先に繰り出された上記ロール紙を自動的に切断するカッターと、切断された上記ロール紙を自重によりジグザグ状に折り畳む紙受けと、この紙受けによる折り畳み幅を調整する紙受け幅調整部とを備え、上記カッターは、直方体の箱状のカートリッジ内に固定刃と可動刃が収納されて成り、このカートリッジは、上記可動刃を駆動する駆動装置に対して着脱自在に設けられ、上記カートリッジの上面部及び下面部には、上記ロール紙が挿入されて上記固定刃と可動刃の間を通過して出ていくスリットが各々形成され、上記駆動装置により上記可動刃が揺動して上記ロール紙を切断することを特徴とするロール紙自動繰り出し装置。
- 上記ロール紙を回転自在に支持したロール軸を備え、上記ロール軸は鍔部を有し、この鍔部とロール軸側面との間には、連続的に直径が変化した傾斜部が設けられ、この傾斜部で上記ロール紙の軸挿通孔を支持したことを特徴とする請求項１記載のロール紙自動繰り出し装置。
- 上記送りローラの一方には、Ｏリングが嵌合され、このＯリングが他方の送りローラに圧接することを特徴とする請求項１記載のロール紙自動繰り出し装置。
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