JP3976286B2 - 2−ベンゾイル−環状1,3−ジケトン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、農薬あるいは農薬中間体として有用な2−ベンゾイル−環状1,3−ジケトン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
2−ベンゾイル−環状1,3−ジケトン化合物が除草剤あるいは除草剤中間体として有用なことは既に知られており、様々な構造を有する化合物が提案されている(例えば、特開昭58-180451号、特開昭62-292755号、特開平2-222号、特開 平2-6425号、特開平3-5408号、特開平3-63248号、特開平3-255047号、特開平6-25144号、特開平7-500818号など)。
【0003】
このような2−ベンゾイル−環状1,3−ジケトン化合物の製造方法としては、
(a)エノールエステルの転位による製造方法、
(b)ベンゾイルシアナイドを経由する製造方法、
(c)縮合剤(DCC等)による脱水縮合反応による製造方法などが知られている。
【0004】
(a)エノールエステルの転位による製造方法は、環状1,3−ジケ卜ン類とベンゾイルクロライド化合物とを反応させてエノールエステルを得、その後様々な反応試剤、触媒によって転位反応に付し、2−ベンゾイル−環状1,3−ジケトン化合物を得るものである。
(式中、Rは置換基を表わす。)
【0005】
転位反応は、エノールエステルにトリエチルアミンなどの塩基存在下、触媒としてシアノ源を使用して行なわれている(特公平7-10787号公報)。この方法は 、2−ベンゾイル−環状1,3−ジケトン化合物の製造方法として、最も一般的な方法であるが、ベンゾイル基のオルト位にニトロ基やハロゲン原子等を有している場合、反応条件下で存在する塩基によって、ベンゾイル基のオルト位の置換基とジケトン上の一方のケトンのエノールプロトンによる、脱離・縮合反応によりクロモン様の閉環・エーテル構造を持つ三環性副生成物
が発生し易く、収率および純度が低下することがあり、適用温度幅が狭いという問題がある。また、この方法ではエノールエステルの合成及び転位において、幾分高価なトリエチルアミンを2から3モル当量以上も使用する必要があり、さらに目的物が酸性化合物であるため、目的物を単離するに際し、使用した塩基当量以上という大量の酸を必要とする欠点を有している。
【0006】
また、転位反応として、エノールエステルに2モル当量の塩化アルミニウムを使用する方法も開示されているが(SYNTHESIS, p.925-927 (1978))、この方法 では、エノールエステルの合成に塩基であるピリジンを使用し、転位にルイス酸である塩化アルミニウムを使用するため、1ポットで連続的に合成はできず、エノールエステルを単離しなければならないばかりか、触媒量の試薬で転位を実現できないという問題がある。また、ベンゾイル部分の置換様式に関しては、無置換およびメタ位にメトキシ基を有する例のみしか開示されておらず、しかも反応温度が−10〜0℃の間に限定されており、極めて汎用性の低い反応である。
【0007】
転位反応としては、その他にエノールエステルに塩基存在下、酸性触媒あるいは塩基性触媒を使用する方法が開示されている(特開昭63-154639号公報、特開 昭63-203644号公報)。酸性触媒としては塩化アルミニウムや塩化鉄が、塩基性 触媒としてはイミダゾールや4−N,N−ジメチルアミノピリジンが報告されている。しかしながら、その適用範囲は極めて限られており、シクロヘキサンジオン誘導体の種類及びベンゾイル部の置換基の種類や様式によって転位反応が進行しない場合が多く、一般性に欠けている。
【0008】
(b)ベンゾイルシアナイドを経由する製造方法は、置換ベンゾイルシアナイドを合成後、塩化亜鉛とトリエチルアミンの存在下、環状1,3−ジケトン類と反応させ、2−ベンゾイル−環状1,3−ジケトン化合物を得るものである(特開昭58-180451号公報、特開平6-211780号公報)。しかしながら、置換ベンゾイルシアナイドの合成収率は満足なものではなく、更にシアン化物を大量に使用する必要があり、安全上に問題がある。
【0009】
(c)縮合剤による脱水縮合反応による製造方法は、置換基を有する安息香酸と環状1,3−ジケトン類をDCC(N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド)及び塩基存在下において脱水縮合反応させ、2−ベンゾイル−環状1,3−ジケ卜ン化合物を得るものである(特開平1-143851号公報)。しかしながら、DCCは高価な試薬であり、しかも後処理において煩雑な処理を必要とするため工業的に有利な方法とは言い難い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、副生成物が発生せず、2−ベンゾイル−環状1,3−ジケトン誘導体を高収率・高純度で得られる簡便な製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
ベンゾイルハライドは強力なアシル化試薬であるが、環状1,3−ジケトン類と反応させると、カルボニル基に挟まれた2位の炭素と反応せず、むしろ一方のカルボニル基の酸素と反応し、エノールエステルを生成する。しかしながら、本発明者らは2〜4モル当量の塩化アルミニウムを適当な溶媒中で使用することによって、環状1,3−ジケトンの2位炭素に直接ベンゾイル化が進行すること、またクロモン様の三環性副生成物が生成せず、従来の製造方法より高収率で高純度の2−ベンゾイル−環状1,3−ジケトン誘導体が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
すなわち、本発明は
1)一般式(1)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、各々独立して水素原子またはC1〜4の低級アルキル基を表わし、またはR1とR3もしくはR1とR5が一緒になってC1〜3のアルキレン基を表わす。)
で示される環状1,3−ジケトンと、一般式(2)
(式中、Xはハロゲン原子を表わし、R7は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基 、1〜3個のフッ素原子によって置換されていてもよいC1〜2の低級アルキル基、C1〜2の低級アルキルスルホニル基を表わし、R8は水素原子、ハロゲン 原子、C1〜2の低級アルキル基、C1〜4の低級アルコキシ基、C2〜4の低級アルコキシメチル基、C2〜5の低級アルコキシカルボニル基を表わし、R9 は水素原子、ハロゲン原子、1〜3個のフッ素原子によって置換されていてもよいC1〜3の低級アルコキシ基、C1〜3の低級アルキルチオ基、1〜6個のフッ素原子によって置換されていてもよいC1〜3の低級アルキルスルホニル基または低級アルキルスルホニルオキシ基を表わす。)
で示されるベンゾイルハライド化合物とを無水塩化アルミニウム存在下で反応させることを特徴とする一般式(3)
(式中の記号は前記と同じ意味を表わす。)
で示される2−ベンゾイル−環状1,3−ジケトン誘導体の製造方法、
2)無水塩化アルミニウムを、ベンゾイルハライド化合物に対して2〜4モル当量使用する前記1に記載の製造方法、
3)環状1,3−ジケトンが、R1とR5が一緒になってエチレン基を表わし、R2、R3、R4及びR6が水素原子を表わす化合物であり、ベンゾイルハライド化合物が、XとR7が塩素原子、R8が水素原子、R9がメチルスルホニル基を表わす 化合物である前記1〜2に記載の製造方法、及び
4)反応後、得られた粗生成物を、水溶性有機溶媒と鉱酸酸性水溶液の混液から晶析させ、単離精製する前記1〜3に記載の製造方法を提供するものである。
【0013】
本発明の製造方法では、無水塩化アルミニウムをベンゾイルハライド化合物に対して2モル当量以上使用することによって反応を進行させるが、好ましい無水塩化アルミニウムの量は2〜4モル当量であり、さらに好ましくは2.5〜3.5モル当量である。無水塩化アルミニウムの使用量が2モル当量を下回ると反応は進行しない。無水塩化アルミニウムの代わりに塩化亜鉛、塩化鉄(III)、塩化スズな どを使用してもエノールエステルが生成するのみで目的の化合物は得られず、また塩化チタンを使用した場合にはエステル化も起こらない。
【0014】
無水塩化アルミニウム、ベンゾイルハライド化合物及び環状1,3−ジケトンの混合の順序は製造時の操作性を考慮し決定すればよいが、実用的な観点からは、無水塩化アルミニウムとベンゾイルハライド化合物とを混合した後、環状1,3−ジケトンを投入し反応させることが好ましい。
【0015】
本方法において使用できる溶媒としては、ハロゲン系炭化水素などの不活性溶媒が挙げられるが、好ましくはジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン(EDC)である。溶媒使用量は環状1,3−ジケトン1重量部に対して、10重量部から100重量部である。
【0016】
本発明の製造方法においては適用反応温度は広く、氷温から溶媒還流温度で反応を行なうことができる。例えば、本反応で好ましい溶媒である1,2−ジクロロエタンを使用した場合、氷温から溶媒の還流温度である83℃付近までの温度範囲で行なうことができる。本来、置換ベンゼン環上のオルト位にニトロ基やハロゲン原子などの脱離能の強い置換基を有する2−ベンゾイル−環状1,3−ジケトン化合物は、加熱あるいは殊に塩基存在下での加熱によって、ベンゾイル基上のオルト位の置換基が脱離すると共に、環状ジケトン上の一方のケトンのエノール性酸素原子との間で閉環反応を起こし、クロモン様構造を持つ三環式副生成物が発生し易い性質をもっているが、塩基を必要としない本発明条件下では熱を加えても全く副生成物が発生することはないばかりか、加熱によりさらに反応が促進され、反応時間を短縮することさえ可能である。
【0017】
反応の終点は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)等で原料の消失により確認できる。この時、ある種の2−ベンゾイル−環状1,3−ジケトン誘導体はアルミニウムとの錯体を反応液中で形成しているので、次の単離処理工程後、錯体の解離処理を行なう。
【0018】
反応終了後、目的化合物を単離する。単離は、塩酸等の鉱酸強酸性水溶液を氷冷下に加え、分液操作後有機層を回収、必要に応じてさらに水層を抽出溶媒により抽出することにより行なわれる。この時、鉱酸強酸性水溶液によって両性金属であるアルミニウムが水層に溶解する範囲の酸性水溶液を使用するが、塩酸水溶液を使用した場合には、通常2規定以上の水溶液を使用する。例えば、6規定塩酸水溶液を使用した場合、1,3−ジケトン類1重量部に対し5重量部から50重量部の水溶液が使用される。抽出溶媒は反応に使われた溶媒が好ましいが、疎水性有機溶媒で目的生成物を溶解するものであれば特に限定されない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系炭化水素類、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類が挙げられる。なお、この時アルミニウム錯体も有機層に抽出される。
【0019】
抽出溶媒を濃縮することにより目的物の2−ベンゾイル−環状1,3−ジケトン誘導体及びそのアルミニウム錯体の粗生成物を得ることができ、さらに水溶性溶媒に溶解後、鉱酸酸性水溶液を徐々に加えることにより、目的物の結晶を析出させることができる。この結晶析出操作を行なうことにより、アルミニウム錯体からアルミニウムを解離させることができ、遠心分離あるいはろ過操作により目的の2−ベンゾイル−環状1,3−ジケ卜ン誘導体の結晶を、高純度でかつ高収率で得ることができる。使用できる水溶性溶媒としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンなどのエーテル類、アセトニトリルなどのニトリル類が挙げられるが、安価なメタノール、アセトンなどが有利である。また、鉱酸酸性水溶液は塩酸などの強酸性水溶液が好ましく、1〜6規定塩酸水溶液を使用した場合には、使用量は目的物1重量部に対して水溶性溶媒2〜20重量部、鉱酸酸性水溶液0.5〜20重量部使用される。
【0020】
本発明の製造方法において原料として使用する環状1,3−ジケトン(1)中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が表わすC1〜4の低級アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル基及びそれらの異性体基である。また、R1と R3またはR1とR5が一緒になって表わすC1〜3のアルキレン基とはメチレン 、エチレン、プロピレン基である。
好ましい環状1,3−ジケトンとしては、例えばシクロヘキサン−1,3−ジオン、ジメドン(5,5−ジメチルシクロヘキサン−1,3−ジオン)、4,4,6,6−テトラメチルシクロヘキサン−1,3−ジオン、ビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオンなどが挙げられる。
【0021】
本発明において、もう一方の原料として使用するベンゾイルハライド化合物(2)中、X、R7、R8及びR9が表わすハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原 子、臭素原子、ヨウ素原子である。
【0022】
一般式(2)中、R7が表わす1〜3個のフッ素原子によって置換されていてもよいC1〜2の低級アルキル基とは、メチル基、エチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基及びそれらの異性体基であり、C1〜2の低級アルキルスルホニル基とは、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基である。
【0023】
一般式(2)中、R8が表わすC1〜2の低級アルキル基とはメチル基及びエ チル基であり、C1〜4の低級アルコキシ基とはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基及びそれらの異性体基であり、C2〜4の低級アルコキシメチル基とはメトキシメチル、エトキシメチル、プロピルオキシメチル基及びそれらの異性体基であり、C2〜5の低級アルコキシカルボニル基とはメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル基及びそれらの異性体基である。
【0024】
一般式(2)中、R9が表わす1〜3個のフッ素原子によって置換されていて もよいC1〜3の低級アルコキシ基とは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フルオロエトキシ基、ジフルオロエトキシ基、トリフルオロエトキシ基、フルオロプロポキシ基、ジフルオロプロポキシ基、トリフルオロプロポキシ基及びそれらの異性体基である。R9が表わすC1〜3の低級アルキルチオ基とは、メチルチ オ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ基であり、1〜6個のフッ素原子によって置換されていてもよいC1〜3の低級アルキルスルホニル基または低級アルキルスルホニルオキシ基とはメタンスルホニル(オキシ)、エタンスルホニル(オキシ)、プロパンスルホニル(オキシ)基及びこれらのアルキル基の水素原子がフッ素原子によって置換されたものである。
【0025】
好ましいベンゾイルハライド化合物としては、例えばベンゾイルクロライド、2−クロロ−4−メタンスルホニルベンゾイルクロライド、2,4−ジクロロベンゾイルクロライド、4−クロロ−2−ニトロベンゾイルクロライド、2−ニトロ−4−メタンスルホニルオキシベンゾイルクロライド、2−ニトロ−4−ジフルオロメタンスルホニルベンゾイルクロライド、3−メトキシカルボニル−2−メチル−4−メタンスルホニルベンゾイルクロライド、4−クロロ−3−エトキシ−2−ニトロベンゾイルクロライド、2,4−ジクロロ−3−メチルベンゾイルクロライドなどが挙げられる。
【0026】
【発明の効果】
従来、環状1,3−ジケトン類とベンゾイルクロライド化合物とを出発原料とする場合、エノールエステルを経由した2段階反応によって2−ベンゾイル−環状1,3−ジケトン化合物を製造しているが、本発明では環状1,3−ジケトンの2位炭素を直接ベンゾイル化するため、1段階の反応で製造できる。また、本発明の方法では副生成物が発生し難く、高収率で目的物が得られる。
本発明は二環式1,3−ジケトン類にも適用できるため、特開平6-25144号や 特開平7-82240号で開示された化台物あるいはそれらの中間体の工業的に有利な 製造方法として使用できる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例に基いて本発明をより詳細に説明するが、これらの実施例により本発明は限定されるものではない。
【0028】
実施例1:3−(2−クロロ−4−メタンスルホニルベンゾイル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオンの製造
1,2−ジクロロエタン1400mlに無水塩化アルミニウム202.6g(1.5mol)を入れ30分間撹拌させた後、2−クロロ−4−メタンスルホニルベンゾイルクロライド128.5g(0.5mol)を投入した。30分間撹拌した後、ビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン70g(0.5mol)を投入し、反応器 を加熱して内温を58℃まで上昇させ、2時間30分間撹拌した。反応の完結をHPLCにて確認後、放冷し、氷冷した後、6規定塩酸1170mlを滴下し、反応を停止させた。
有機層を分取し、さらに水層を1,2−ジクロロエタン700mlで抽出し有機層と合わせ、減圧濃縮により溶媒を留去した。そこへメタノール700mlを加え加熱溶解した後(内温62℃)、6規定塩酸140mlを20分かけて滴下し、さらに加熱下で1時間、室温で一晩撹拌した。析出した目的物をろ過し、3−(2−クロロ−4−メタンスルホニルベンゾイル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン164.2g(0.46mol)を得た。収率は92%であり、 HPLCによる面積百分率(純度)は99%であった。
【0029】
実施例2:2−(2−クロロ−4−メタンスルホニルベンゾイル)−5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオンの製造
1,2−ジクロロエタン80ml中に無水塩化アルミニウム5.79g(43.4mmol)、2−クロロ−4−メタンスルホニルベンゾイルクロライド3.67g(14.4mmol)、ジメトン2.03g(14.4mmol)を加え、室温にて48時間撹拌した。HPLCにて反応の終結を確認、氷浴にて冷却後、6規定塩酸水溶液を30ml加え撹拌、分液操作にて有機層を回収し、さらに水層から1,2−ジクロロエタン50mlにて抽出し、有機層を合わせた。有機溶媒を減圧下にて濃縮、得られた粗2−(2−クロロ−4−メタンスルホニルベンゾイル)−5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオンをアセトン20mlに溶解後、2規定塩酸25mlを加えた。一夜撹拌を続け十分に結晶を析出させた後、結晶をろ過、ろ過物を乾燥し、2−(2−クロロ−4−メタンスルホニルベンゾイル)−5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン4.73g(13.4mmol)を得、核磁気共鳴にて目的物であることを確認した。収率は93%であり、HPLCの面積百分率で99%の純度であった。
【0030】
実施例3:2−(2−クロロ−4−メタンスルホニルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンの製造方法
1,2−ジクロロエタン70ml中に無水塩化アルミニウム5.35g(40mmol)、2−クロロ−4−メタンスルホニルベンゾイルクロライド3.39g(13.3mmol),1,3−シクロヘキサンジオン1.5g(13.3mmol)を加え、室 温にて48時間撹拌した。HPLCにて反応の終結を確認、氷浴にて冷却後、2規定塩酸水溶液を30ml加え撹拌、分液操作にて有機層を回収し、さらに水層から1,2−ジクロロエタン70mlにて抽出し、有機層を合わせた。有機層を乾燥させ、濃縮させることにより2−(2−クロロ−4−メタンスルホニルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン4.31g(13.1mmol)を得、核磁気共鳴にて目的物であることを確認した。収率は98%であり、HPLCの面積百分率で99%の純度であった。
【0031】
実施例4:2−ベンゾイル−1,3−シクロヘキサンジオンの製造方法
1,2−ジクロロエタン50ml中に無水塩化アルムニウム2.38g(17.8mmol)、ベンゾイルクロライド1.25g、1,3−シクロヘキサンジオン1g(8.9mmol)を加え、室温にて12日間撹拌した。氷冷後6規定塩酸水溶液を3 0ml滴下し、有機層を回収し、乾燥、濃縮することにより、液体の2−ベンゾイル−1,3−シクロヘキサンジオン1.64g(7.6mmol)を得、核磁気共鳴 にて目的物であることを確認した。収率は85%であり、HPLCによる面積百分率(純度)は92%であった。
【0032】
実施例5〜13
環状1,3−ジオンとベンゾイルクロライド化合物として相当する化合物を用い実施例1乃至4と同様の処理をして表1に記載の2−ベンゾイル−環状1,3−ジケトン誘導体を得た。
【0033】
【表1】
Claims (4)
- 一般式(1)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、各々独立して水素原子またはC1〜4の低級アルキル基を表わし、またはR1とR3もしくはR1とR5が一緒になってC1〜3のアルキレン基を表わす。)
で示される環状1,3−ジケトンと、一般式(2)
(式中、Xはハロゲン原子を表わし、R7は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基 、1〜3個のフッ素原子によって置換されていてもよいC1〜2の低級アルキル基、C1〜2の低級アルキルスルホニル基を表わし、R8は水素原子、ハロゲン 原子、C1〜2の低級アルキル基、C1〜4の低級アルコキシ基、C2〜4の低級アルコキシメチル基、C2〜5の低級アルコキシカルボニル基を表わし、R9 は水素原子、ハロゲン原子、1〜3個のフッ素原子によって置換されていてもよいC1〜3の低級アルコキシ基、C1〜3の低級アルキルチオ基、1〜6個のフッ素原子によって置換されていてもよいC1〜3の低級アルキルスルホニル基または低級アルキルスルホニルオキシ基を表わす。)
で示されるベンゾイルハライド化合物とを無水塩化アルミニウム存在下で反応させることを特徴とする一般式(3)
(式中の記号は前記と同じ意味を表わす。)
で示される2−ベンゾイル−環状1,3−ジケトン誘導体の製造方法。 - 無水塩化アルミニウムを、ベンゾイルハライド化合物に対して2〜4モル当量使用する請求項1に記載の製造方法。
- 環状1,3−ジケトンが、R1とR5が一緒になってエチレン基を表わし、R2、R3、R4及びR6が水素原子を表わす化合物であり、ベンゾイルハライド化合物が、XとR7が塩素原子、R8が水素原子、R9がメチルスルホ ニル基を表わす化合物である請求項1または2に記載の製造方法。
- 反応後、得られた粗生成物を、水溶性有機溶媒と鉱酸酸性水溶液の混液から晶析させ、単離精製する請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法。
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