JP3972752B2 - 文書データ生成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データから文書データを作成する装置に関する。より詳細には、画像データを分割することなく、画像データの少なくとも一部をページ内容として有するページデータとして利用可能にする文書データ生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像をページデータとする文書データを作成する方法および装置が存在する。たとえば、スキャナでスキャンした画像のJPEGファイルやTIFFファイルを入力して、PDF(Portable Document Format)ファイルを作成するソフトウェアがある。
【0003】
図7は、従来の文書データ生成装置における文書データの生成方法を説明する図である。従来の方法および装置では、図7に示すように、1つの入力画像データを文書データ中の1ページのページデータとして文書データを作成する。また、複数の画像から文書データを作成すると、各々の入力画像データが文書データのページの各々に対応するように文書データが作成される。
【0004】
さらに、マルチページTIFF(Tagged Image File Format)ファイルのように、画像ファイルが複数の画像を持つファイル場合には、画像ファイルに含まれる各々の画像が文書の1ページになるような複数ページ文書を作成するものもある。
【0005】
一方、単一の画像データから複数のページデータを作成したいという要求もある。たとえば、スキャナで本や雑誌の見開きページを一度にスキャンした画像を文書データに変換する場合には、画像を左右に2等分してそれぞれを1ページとしたいというケースなどである。
【0006】
また、FAX装置で長尺の文書を受信した場合には、画像の幅はA4サイズまたはレターサイズと同じであるのに高さがA4またはレターに比べて長すぎるケースもある。この場合、A4またはレターのような定形のページに収まるよう、高さ方向に分割して定形のページに割り付けたいという要求もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図8は、従来の文書データの生成方法および装置の問題点を説明する図である。図7にて示したように、従来の手法では、単一の画像を単一のページとするものであるために、単一の画像を複数ページとするためには、図8に示すように、文書データに変換する前に画像データを分割しなければならない。
【0008】
この場合、画像データを分割するために処理時間がかかるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、単一の画像データから複数ページの文書データを作成する場合において、従来の方法や装置よりも処理時間を短縮することのできる文書データ生成方法および装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る文書データ生成装置は、入力された画像データに基づいて、当該画像データの少なくとも一部をページ内容として有するページデータを複数含んで成る文書データを作成する文書データ作成装置であって、画像データを取得する画像データ取得部と、文書データのそれぞれのページデータに対して、画像データ取得部が取得した画像の参照領域を設定する画像参照領域設定部と、画像データ取得部が取得した画像データと、画像参照領域設定部が設定したそれぞれのページデータについての参照領域に関するページ情報とに基づいて、個々のページデータを生成するページデータ生成部とを備えた。
【0013】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る文書データ生成装置のさらなる有利な具体例を規定する。
【0014】
【作用】
上記構成においては、それぞれのページデータを生成する際、入力された画像データに対して各ページデータに対しての参照領域を設定する。そして、この設定した参照領域の画像データと、それぞれのページデータについての参照領域に関するページ情報とに基づき個々のページデータを生成する。これにより、個々のページデータに合うように入力画像を分割するような処理を不要化した。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る文書データ生成装置の一実施形態を備えた文書データ処理システムのブロック図である。図示するように、文書データ処理システム1は、文書データ生成装置100と、文書データ生成装置100にて使用する画像データを生成する画像データ生成装置200と、文書データ生成装置100にて生成された文書データにも基づいて印刷物を生成する印刷装置(プリンタ)300とから構成されている。
【0017】
画像データ生成装置200としては、たとえば原稿画像を読み取って画像データを取得するスキャナを利用することができる。なお、画像データ生成装置200は、スキャナに限定されるものではなく、ワープロソフトなどの文書データを生成し、あるいは画像編集ソフトなどビットマップ画像を生成するなどためのアプリケーションプログラムが組み込まれ、このアプリケーションプログラムを利用して画像を生成するものであってもよい。また、たとえばHTML(Hypertext Markup Language) などのマーク付き言語ファイルなどを利用するWebサーバであってもかまわない。
【0018】
文書データ生成装置100は、文書や図形などの画像データを取得する画像データ取得部110と、画像データ取得部110が取得した画像データに基づいて複数ページに亘る文書データを生成する文書データ生成部120と、文書データ生成装置100の各部の動作を制御する中央制御部140とを有する。また文書データ生成装置100は、画像データ生成装置200との間のインタフェース機能をなすインタフェース部150と、印刷装置300との間のインタフェース機能をなすインタフェース部160とを有する。
【0019】
画像データ取得部110は、インタフェース部150を介して外部の画像データ生成装置200にて生成された画像データを取得する。あるいは、画像データを生成するためのアプリケーションプログラムが組み込まれ、このアプリケーションプログラムを利用して画像データを生成するものであってもよい。画像データ取得部110は、取得した画像データを文書データ生成部120に渡す。
【0020】
文書データ生成部120には、たとえば、画像データ取得部110から入力された画像データに基づいて複数ページに亘る文書データを生成するためのアプリケーションプログラムが組み込まれる。
【0021】
また中央制御部140には、文書データ生成装置100の全体を制御するソフトウェアであるOS(オペレーティングシステム)142や印刷装置300を制御するためのソフトウェアであるプリンタドライバ144が組み込まれる。
【0022】
これにより、文書データ生成装置100は、プログラムに基づいてソフトウェア的に文書データを生成するようになる。すなわち、後述する各機能部を構成するためのプログラムを格納したCD−ROMなどからプログラムを読み出して図示しないハードディスク装置などにそのプログラムをインストールさせておき、ハードディスク装置からプログラムを読み出して図示しないCPUが後述する処理手順を実行することにより、各機能をソフトウェア的に実現する。
【0023】
なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。また、これらのプログラムや当該プログラムを格納した記憶媒体は、既存のシステムやアプリケーションプログラムをバージョンアップするものとして提供されてもよい。あるいは、各機能部分をソフトウェア的に実現するパッチファイルなど、一部の機能に対応したオプションプログラムとして提供されてもよい。
【0024】
なお、このように、コンピュータプログラムを利用して文書データ生成装置100の機能部分をコンピュータにより実現することに限らず、後述する文書データ生成装置100の各機能部分をハードウェアで構成してもよい。
【0025】
図2は、文書データ生成装置100における文書データ生成部120の文書データの生成機能に関わる部分の機能ブロック図である。図示するように、文書データ生成部120は、画像参照領域設定部122と文書作成部124とを備える。また文書作成部124は、ヘッダ情報生成部126と、画像データ複写部128と、ページデータ生成部130と、データ合成部132とを含む。
【0026】
画像参照領域設定部122は、画像データ取得部110から入力画像のサイズに関する情報を受け取り、各ページが参照すべき画像の部分領域の情報をページ情報としてページデータ生成部130に通知する。参照領域の割り当て方は、入力画像の特質や個々のページ画像の出力サイズに応じて適宜設定することができる。
【0027】
たとえば、画像参照領域設定部122は、文書データのそれぞれのページデータについて、画像データ複写部128が取得した画像データにおける、それぞれ異なる参照領域を設定するものであってもよい。つまり、画像参照領域設定部122は、同一の画像データを参照する複数ページが、入力画像のそれぞれ異なる部分を参照するように、各ページデータの参照領域を設定する。換言すれば、別々のページが共通の原画像の異なる領域をクリップする。
【0028】
また、画像参照領域設定部122は、文書データのそれぞれのページデータのうち隣接するページデータについては、隣接するページデータの境界部が、画像データ複写部128が取得した入力画像における、共通の領域を参照するように参照領域を設定するものであってもよい。つまり、画像参照領域設定部122が設定するページごとの参照領域がすこしずつ重なり合うように、参照領域を設定する。換言すれば、同一の画像データを参照する複数ページは、画像が少しずつ重なるように入力画像を参照してもよい。
【0029】
また画像参照領域設定部122は、参照領域を設定する際、矩形状の領域を参照領域として設定するものであることが好ましい。つまり、各ページデータが参照する画像の部分の形状が矩形状であることが好ましい。これは、文書データ生成装置100にて生成した文書ファイルは、印刷装置300にてA4やB5などの矩形状の定型サイズで印刷に供されるなど、一般的な文書は矩形状の定型サイズであることが多いからである。
【0030】
また矩形状の参照領域を設定する際には、矩形状の一辺の長さが画像データ複写部128が取得した入力画像の一辺の長さと略等しくなるように参照領域を設定してもかまわない。この設定方法は、たとえばFAX画像のように、長尺画像を取り扱う際に都合がよい。
【0031】
また画像参照領域設定部122は、各ページデータの何れからも参照されない画像部分を設けるように、各ページデータの参照領域を設定するものであってもよい。換言すれば、同一の画像データを参照する複数ページの何れからも参照されない部分画像データを設けるとよい。
【0032】
この場合、ページデータの何れからも参照されない画像部分を、画像データ複写部128が取得した画像における中央部分および周辺分の少なくとも一方に設定することが望ましい。これは、たとえば書籍など厚めの原稿を読み取った画像から文書データを生成する際に、不要部分の画像が文書データに現れないようにする上で都合がよいからである。
【0033】
また、生成する文書のページサイズを一定とする場合には、画像参照領域設定部122は、複数のページデータのそれぞれに対して全て一定のサイズの参照領域を設定するようにしてもよい。この場合、それぞれのページは同一ページサイズに収まるように画像の一部分を参照する。
【0034】
また生成する文書のページサイズを一定とする場合には、画像参照領域設定部122は、複数のページデータのうちの1ページ分を除くページデータに対して一定のサイズの参照領域を設定するとともに、1ページ分のページデータに対しては、一定のサイズよりも小さな参照領域を設定してもよい。この場合、ページデータ生成部は、一定のサイズよりも小さな参照領域と一定のサイズに応じたサイズとの差分により生じる空白部分については無画像を割り当てることで、その1ページ分のページデータを生成する。
【0035】
換言すれば、ページデータ生成部130が生成する文書のページサイズを一定とし、画像参照領域設定部122は、ページサイズに収まるように画像の参照領域を設定する。つまり、画像の参照において、複数ページを同一ページサイズとし、それぞれのページは同一ページサイズに収まるように画像の一部分を参照する。そして、参照しきれなかった不足部分を有するページについては、その不足部分に実質的に意味のない画素データからなる無画像を割り当てることで、1ページ分の文書を生成する。
【0036】
また、画像参照領域設定部122は、画像データ取得部124が取得した画像の長手方向に分割して得られる画像領域を参照領域として設定するものでもよい。この長手方向は、たとえば画像の高さ方向と同じすればよい。ただし、これに限らず、長手方向が画像の幅方向であるものの場合には、その幅方向に分割して得られる画像領域を参照領域として設定してもかまわない。
【0037】
こうすることで、画像の参照領域が、最後のページに対する参照領域を除いて画像の外接矩形を高さ方向や幅方向に同一サイズに分割したものとなる。この場合にも、入力画像を参照しきれなかった不足部分を有するページについては、その不足部分に実質的に意味のない画素データからなる無画像を割り当てることで、1ページ分の文書を生成する。
【0038】
ページデータ生成部130は、画像データ複写部128が複写した画像データを受け取り、画像参照領域設定部122により決定されたページ情報(各ページに対する画像の部分領域の情報)を参照して各ページの文書データを生成する。ページデータ生成部130は、必要に応じて、画像を変倍処理(拡大処理または縮小処理)や回転処理を施してもかまわない。
【0039】
データ合成部132は、ヘッダ情報生成部126により生成されたヘッダ情報と、ページデータ生成部130により生成された各ページの文書データとを合成して1つの文書データ(以下文書ファイルという)を生成する。この際、ページ情報を参照して文書全体の情報を文書ファイルに書き込む。
【0040】
図3は、文書データ生成部120における文書データの生成方法を説明する図である。画像データ取得部110から文書データ生成部120に画像データが入力されると、先ずヘッダ情報生成部126は、その画像データに基づく文書ファイルのヘッダ情報を生成する(S100)。そして、生成したヘッダ情報をデータ合成部132に送る。データ合成部132は、ヘッダ情報生成部126から取得したヘッダ情報に基づいて、文書ファイルに文書ヘッダを書き込む(S102)。
【0041】
この文書ヘッダの書込処理と並行して、画像データ複写部128は、画像データ取得部110から入力された画像データを文書ファイルに複写(コピー、クリップ)する(S110)。
【0042】
画像参照領域設定部122は、各ページが参照する画像位置と参照範囲、そしてその画像をページのどの領域に配置するかを決定する(S120)。参照範囲は、各々のページのページ情報部に書き込む。画像参照領域設定部122は、この決定したページ情報をページデータ生成部130に通知する(S122)。ページデータ生成部130は、画像参照領域設定部122にて決定されたページ情報を参照して各ページの文書データを生成する(S124)。
【0043】
図3においては、ページデータ生成部130は、入力画像を3ページ分だけ参照している。たとえば、ページ1は画像の上部、ページ2は画像の中央部、ページ3は画像の下部を参照し、各ページの文書データを生成している。データ合成部132は、この参照範囲を、各々のページのページ情報に書き込む。
【0044】
文書データを構成する全ページ分の文書データを示すページ情報の文書ファイルへの書き込みが終了したら、データ合成部132は、最後に文書全体の情報を生成し(S130)、生成した文書全体の情報を文書ファイルに書き込む(S132)。たとえばデータ合成部132は、文書全体の情報として、総ページ数や、各ページデータのファイル中での位置、各画像データのファイル中での位置がファイル先頭からのバイトオフセット値などを書き込む。
【0045】
図4は、図3の文書データ作成処理における各ページの画像の参照領域の一例を示した図である。図中、括弧内の数字の組が画像中の座標値を表しており、前の数字が入力画像の横方向(x軸方向)の座標値を表し、後の数字が入力画像の高さ方向(y軸方向)の座標値を表している。
【0046】
この図4における参照領域の設定手法においては、先ず、ページ情報生成部130は複数ページのそれぞれを矩形状の同一ページサイズとするものとし、画像参照領域設定部122は複数のページデータのそれぞれに対して一定のサイズの参照領域を設定する、つまり、画像の参照において、複数ページを同一ページサイズとし、それぞれのページは同一ページサイズに収まるように入力画像の一部分を参照する。
【0047】
たとえば、図4(A)に示した入力画像の例では、入力画像の左上が(0,0)で、右下が(2000,3000)となっている。画像参照領域設定部122は、この入力画像中の、文書データにおける各ページの参照領域を決定する。
【0048】
たとえば図4(B)は、入力画像の参照領域を縦方向に分割した矩形とする場合における各ページの参照部分の一例を示している。図示した例では、ページ1は入力画像の左上を(0,0)とし、右下を(500,1000)とする部分を、ページ2は(0,1000)から(500,2000)の部分を、ページ3は(0,2000)から(500,3000)の部分を参照している。
【0049】
一方、図4(C)は、入力画像の参照領域を幅方向に2分割した矩形とする場合における各ページの参照部分の一例を示しており、図示した例では、ページ1は画像左側の(0,0)から(1000,1500)の部分を、ページ2は画像右側の(1000,0)から(2000,1500)の部分を参照している。
【0050】
この図4(C)に示す参照方法は、たとえば、スキャナを用いて、本や雑誌などを左右に見開きで読み取った(スキャンした)入力画像に基づいて文書データを生成する際に好適な参照方法である。(1000,0)から(1000,1500)を結ぶ線分を中心として見開き画像をレイアウトする形態だからである。
【0051】
なお、図4(C)は、入力画像の参照領域を幅方向に2分割した例で示しているが、2分割であれば見開き画像を不都合なくレイアウトすることができるので、入力画像が縦方向(上下)に見開いた画像である場合には、たとえば図4(D)に示すように、入力画像の参照領域を縦方向に2分割して参照すればよい。
【0052】
図4の各例に示したページデータの生成手法によれば、単一の画像データから複数ページの文書データを作成する前には、単に入力画像を文書ファイルに複写するだけであり、予め画像データを分割する必要がない。得られる文書ファイルは、原画像を分割して各々のページに貼り付ける従来の手法と同じであるが、画像データを分割する時間を節約することができる(分割処理を省略できる)ので、文書ファイル生成のための処理時間を従来の方法よりも短縮することができる。
【0054】
図5は、図3の文書データ作成処理における各ページの画像の参照領域の他の例を示した図である。
【0055】
ここで図5(A)は、入力画像の参照領域を各ページごとに少しずつ重なり合うように構成した例を示している。たとえば、ページ1が(0,0)から(500,1000)の画像領域を、ページ2が(0,990)から(500,2000)の画像領域を、ページ3が(0,1990)から(500,3000)の画像領域を参照している。これにより、たとえば(0,990)から(500,1000)の画像領域がページ1とページ2の両ページに共通に参照され、また(0,1990)から(500,2000)の画像領域がページ2とページ3の両ページに共通に参照される。
【0056】
この方法は、ページ間の連続を示すのに適しており、特に、入力画像が地図データである場合などに好適な参照方法である。
【0057】
図5(B)は、入力画像中にどのページからも参照されない領域をとるように構成した一例を示している。たとえば、ページ1が画像の左側の(0,0)から(990,1500)の領域を、ページ2が画像の右側の(1010,0)から(2000,1500)の領域を参照している。これにより、中央部の(990,0)から(1010,1500)の画像領域は、どちらのページからも参照されていない。
【0058】
この方法は、画像中に不要部分がある場合に適しており、たとえばスキャナを用いて本や雑誌を見開きでスキャンして作成した入力画像では中央部分は空白もしくは影による中黒が生じ易い部分であるため、この空白や中黒を文書データからカット(除去)するために利用する上で都合がよい。
【0059】
図5(C)は、入力画像中にどのページからも参照されない領域をとるように構成した他の例を示しており、画像の周辺部が不要である場合に、周辺部をカットするようにしたものである。図示した例では、(0,0)から(1000,1000)のうちの、(10,10)から(500,990)の画像領域はページ1に、(500,10)から(990,990)の画像領域はページ2に参照されるが、それらを除く外側の領域はどちらのページからも参照されていない。
【0060】
この方法は、たとえばスキャナを用いて本や雑誌を見開きでスキャンして作成した入力画像では周辺部は影による黒枠が生じ易い部分であるため、この黒枠を文書データからカット(除去)するために利用する上で都合がよい。
【0061】
なお、図5(B)と図5(C)のそれぞれに示した参照領域の設定手法を組み合わせることで、複数ページの何れからも参照されない部分を、画像の中央部と周辺部とに設けることができる。
【0062】
図6は、図3の文書データ作成処理における各ページの画像の参照領域の他の例を示した図である。ここでは、各ページを定形サイズに収めるために、参照領域として入力画像の外接矩形を高さ方向に定型サイズで等間隔に分割した矩形を用いる例を示している。この例では、入力画像はA4用紙幅であるが、高さ(画像の長さ)がA4の2倍以上ある長尺画像となっている。
【0063】
このため、3ページから単一の画像を参照するように構成し、ページ1は(0,0)から(210,294)の画像領域を、ページ2は(0,294)から(210,588)の画像領域を、それぞれ参照することで、ページ1とページ2が参照する画像領域はA4サイズに収まるように定めている。
【0064】
一方、最後のページであるページ3は、残りの画像領域である(0,588)から(210,650)を参照する。ただし、このままでは、ページ3は定型サイズにならないので、ページ3が参照する画像データが不足する部分を空白とする。つまり、複数ページを同一ページサイズとし、それぞれのページは同一ページサイズに収まるように画像の一部分を参照するが、参照しきれなかった不足部分を有するページについては、その不足部分に実質的に意味のない画素データからなる無画像を割り当てることで、1ページ分の文書を生成する。
【0065】
この方法は、たとえばファクシミリ通信で高さ方向に長尺の画像を受信した場合に有効である。ここで、ファクシミリの長尺の画像とは、幅がA4サイズやレターサイズなどの短辺程度の長さであるのに、高さがA4サイズまたはレターサイズの長辺より長い画像を言う。この例では、長尺の画像をA4サイズの3ページに収めることができる。
【0066】
また、図示を省略するが、たとえばパノラマ画像のように、幅方向に長尺の画像に基づいて複数ページに亘る文書ファイルを生成する際に、複数ページを同一ページサイズとする場合には、幅方向における最後の1ページ分に参照領域の不足が生じる場合には、その不足部分に実質的に意味のない画素データからなる無画像を割り当てることで、1ページ分の文書を生成するようにしてもよい。
【0067】
このように、長尺画像に基づいて複数ページに亘る文書ファイルを生成する場合においても、単一の長尺画像を文書ファイルにするだけでよく、予め画像データを分割する必要がなく、前述同様に画像データを分割する時間を節約することができる(分割処理を省略できる)ので、文書ファイル生成のための処理時間を従来の方法よりも短縮することができる。
【0068】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0069】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0070】
たとえば、図4〜図6に示した具体的な事例では、主に読み取られた画像(FAX画像も読み取られた画像の一例)に基づいて複数ページに亘る文書ファイルを生成する例を説明したが、これに限定されるものではなく、その他の手法により生成された画像を取り扱うものであってもかまわない。たとえば、一般的に画像ファイルといわれているビットマップデータもしくはその圧縮データで表されたものに限らず、たとえばHTMLファイルなどで示される画像を取り扱うこともできる。
【0071】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、入力画像の参照領域を決定し、この決定した参照領域に基づいて各ページの文書データを生成するようにしたので、単一の画像データから複数ページの文書データを作成する前に予め画像データを分割する必要がない。これにより、画像データを分割する時間を節約することができ、文書ファイル生成の処理時間を短縮することができる。
【0072】
また、このような手法を採用しても、参照領域の割り当て方は入力画像の特質や個々のページ画像の出力サイズに応じて適宜設定することができるので、不都合はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 文書データ生成装置の一実施形態を備えた文書データ処理システムのブロック図である。
【図2】 文書データ生成部の文書データの生成機能に関わる部分の機能ブロック図である。
【図3】 文書データ生成部における文書データの生成方法を説明する図である。
【図4】 図3の文書データ作成処理における各ページの画像の参照領域の一例を示した図である。
【図5】 図3の文書データ作成処理における各ページの画像の参照領域の他の例を示した図である。
【図6】 図3の文書データ作成処理における各ページの画像の参照領域の他の例を示した図である。
【図7】 従来の文書データ生成装置における文書データの生成方法を説明する図である。
【図8】 従来の文書データの生成方法および装置の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
1…文書データ処理システム、100…文書データ生成装置、110…画像データ取得部、120…文書データ生成部、122…画像参照領域設定部、124…文書作成部、126…ヘッダ情報生成部、128…画像データ複写部、130…ページデータ生成部、132…データ合成部、140…中央制御部、142…OS、144…プリンタドライバ、150,160…インタフェース部、200…画像データ生成装置、300…印刷装置
Claims (9)
- 入力された画像データに基づいて、当該画像データの少なくとも一部をページ内容として有するページデータを複数含んで成る文書データを作成する文書データ作成装置であって、
画像データを取得する画像データ取得部と、
文書データのそれぞれの前記ページデータに対して、前記画像データ取得部が取得した画像の参照領域を設定する画像参照領域設定部と、
前記画像データ取得部が取得した画像データと、前記画像参照領域設定部が設定したそれぞれの前記ページデータについての前記参照領域に関するページ情報とに基づいて、個々のページデータを生成するページデータ生成部と
を備えたことを特徴とする文書データ生成装置。 - 前記画像参照領域設定部は、前記文書データのそれぞれのページデータについて、前記画像データ取得部が取得した画像データにおける、それぞれ異なる参照領域を設定することを特徴とする請求項1に記載の文書データ生成装置。
- 前記画像参照領域設定部は、前記文書データのそれぞれのページデータのうち隣接するページデータについては、当該隣接するページデータの境界部が、前記画像データ取得部が取得した画像データにおける、共通の領域を参照するように、前記参照領域を設定することを特徴とする請求項1に記載の文書データ生成装置。
- 前記画像参照領域設定部は、前記参照領域として矩形状の領域を設定することを特徴とする請求項1から3のうちの何れか1項に記載の文書データ生成装置。
- 前記画像参照領域設定部は、前記矩形状の一辺の長さが前記画像の一辺の長さと略等しくなるように前記参照領域を設定することを特徴とする請求項4に記載の文書データ生成装置。
- 前記画像参照領域設定部は、前記文書データのそれぞれの前記ページデータの何れからも参照されない画像部分を設けるように、各ページデータの前記参照領域を設定することを特徴とする請求項1から5のうちの何れか1項に記載の文書データ生成装置。
- 前記画像参照領域設定部は、前記ページデータの何れからも参照されない画像部分を、前記画像データ複写部が取得した画像における中央部分および周辺分の少なくとも一方に設定することを特徴とする請求項6に記載の文書データ生成装置。
- 前記画像参照領域設定部は、複数のページデータのそれぞれに対して一定のサイズの前記参照領域を設定することを特徴とする請求項1から7のうちの何れか1項に記載の文書データ生成装置。
- 前記画像参照領域設定部は、複数のページデータのうちの1ページ分を除くページデータについて、前記画像データ取得部が取得した画像を当該画像の長手方向に同一サイズで分割して得られる領域を前記参照領域として設定することを特徴とする請求項1から7のうちの何れか1項に記載の文書データ生成装置。
Priority Applications (1)
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JP2002199622A JP3972752B2 (ja) | 2002-07-09 | 2002-07-09 | 文書データ生成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002199622A JP3972752B2 (ja) | 2002-07-09 | 2002-07-09 | 文書データ生成装置 |
Publications (2)
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