JP3969772B2 - マイクロチップモジュールユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はノートブック型コンピュータ等の装置に用いられるマイクロチップモジュール(以下マイクロチップモジュールをMCMと称する。)の固定構造を有するMCMユニットに関する。詳しくは、MCMの放熱及び接地を強化し、且つ振動・衝撃等によるコネクタ外れを防止可能とした装置の固定構造を有するMCMユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりパーソナルコンピュータは次第に小型化され、現在では図4に示すような携帯可能なノートブック型コンピータが実現している。これは、キーボード1を有する本体部2と、表示装置3と、該表示装置3と本体部2を接続するヒンジ部4とを有し、前記表示装置3は、本体部2の蓋を構成し開閉可能となっている。また、前記キーボード1は、互いに近接するキートップ5を有するキーが複数個縦・横に整列配置されており、該キーボード1から入力された情報は本体内部に設けられたCPUにより処理されて表示装置3に表示されるようになっている。
【0003】
上記のようなノートブック型コンピータでは、CPUのMCM化を行いさらなる小型化を実現しようとしている。しかし、従来のノートブック型コンピータではMCMを使用していないか、または使用していても高速のCPUのMCM化ではないこともあり、放熱・接地等に特に問題はなく、固定方法を工夫する必要はなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ノートブック型コンピータに高速CPUのMCMを用いようとすると発熱及び使用電流の増加に対して放熱及びグランドの強化を行なわねばならず、また、MCM自身の重量増加により振動・衝撃等によるコネクタ外れが発生するのを防止する必要が生ずる。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑み、MCMの放熱及びグランドを強化し、且つ振動・衝撃等によるコネクタ外れを防止可能にした装置のMCMの固定構造を実現しようとする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のマイクロチップモジュールユニットは第1の基板と、前記第1の基板に搭載されたチップとを備えたマイクロチップモジュールとを有し、第2の基板に接続されるマイクロチップモジュールユニットにおいて、前記マイクロチップモジュールの背面に密接するとともに、側辺に固定孔を有する耳部を備え、前記チップが発生する熱を放熱する放熱板と、前記放熱板が有する前記耳部が嵌合する切り欠き部と、前記放熱板が有する固定孔と前記第2の基板が有する位置決め孔とに連通する固定孔とを側面に有し、前記マイクロチップモジュールの外周を環囲して前記放熱板を支持するとともに、密接する前記放熱板からの熱を放熱する枠と、前記耳部と前記切り欠き部とが嵌合して固定された状態で、前記放熱板が有する固定孔、前記枠が有する固定孔及び前記第2の基板が有する位置決め孔とを挿通して固定する締結手段と、前記第2の基板に対して電気的に接続するために、前記第1の基板に備えられたコネクタとを有することを特徴とする。
【0007】
前記耳部と前記切り欠き部とが嵌合して固定された状態で、前記締結手段を用いて、前記放熱板が有する固定孔、前記枠が有する固定孔及び前記第2の基板が有する位置決め孔とを挿通して固定した場合に、前記チップが前記コネクタを介して前記第2の基板と電気的に接続されることを特徴とする。
【0008】
この構成により、枠がMCMを振動・衝撃等から保護する。また該枠が金属である場合は、放熱、シールド、グランドの役割をなし、その強化に寄与する。
【0009】
前記枠は導電性を有し、前記放熱板が有する固定孔と、前記枠が有する固定孔と、前記第2の基板が有する位置決め孔とを前記締結手段を用いて固定した場合に、前記枠が前記第2の基板に接地されることを特徴とする。
【0010】
前記枠は、前記放熱板からの熱を前記第2の基板に伝導させることを特徴とする。また、前記枠は電磁波に対する遮蔽性を有し、前記チップが発生する電磁波を遮蔽することを特徴とする。
【0011】
前記マイクロチップモジュールはさらに、前記放熱板の上部に設けられた第2の放熱板を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のノートブック型コンピュータのMCM固定構造の実施の形態に用いられるMCMモジュールの分解斜視図である。同図において10は基板であり、該基板10には上面四隅にグランドパターン11が設けられている。また、該基板10の上面には高速CPU12、チップセット13、DC−DCコンバータ14等が搭載され、下面には複数のコネクタ15が取り付けられている。このようにしてMCM16が構成されている。
【0014】
また17はアルミニュウム等の熱伝導の良い金属でMCM16よりやや大きく形成された小型の放熱板(以下MCM放熱板という)であり、その両側辺のそれぞれ中央に耳部18,18が形成され、該耳部18,18には取付け孔19,19が穿設されている。そして、該MCM放熱板17をグランドパターン11及び高速CPU12に密着するようにMCM16と重ね合わせて接合することによりMCMユニットが構成される。
【0015】
図2及び図3は上記MCMユニット20を用いたノートブック型コンピュータのMCMの固定構造の実施の形態を示す図で、図2は分解斜視図、図3は本実施の形態のMCMの固定構造を用いたノートブック型コンピュータのキーボードを除去して内部を示した斜視図である。
【0016】
図2において、20はMCM16とMCM放熱板17とよりなるMCMユニットであり、21は該MCMユニット20の外周を取り巻き且つ該MCMユニット20を支持する枠である。この枠21は金属またはプラスチック、セラミック等で形成され、MCMユニット20を挿入できるようにMCMユニット20の耳部18,18に対応して両壁部に切り欠き部が形成され、その下部に取付け孔22,22を有するボス23,23が形成されている。
【0017】
また、枠21の高さは後述するマザーボード24に設けられたコネクタ27にMCM16のコネクタ15が丁度嵌合したときのMCMユニット20の上面と一致する高さとする。なお、MCM放熱板17を用いない場合はその厚さ分を差し引いた高さとし、且つMCMの基板に耳部及び取付け孔を設ける必要がある。
【0018】
また、24は電子部品を搭載するマザーボードであり、該マザーボード24には枠21の平面形と同形のグランドパターン25が形成され、取付け部には取付け孔26,26が穿設され、さらに該グランドパターン25内にはMCM16のコネクタ15と嵌合する複数のコネクタ27が取付けられている。また28は大型放熱板であり、アルミニュウム等の熱伝導の良い金属で形成され、MCMユニット20の取付け孔19,19に対応する2箇所に取付け孔29,29が穿設されている。なお、30,31は上記各部材を一括して結合する小ねじ及びナットである。
【0019】
このように形成された各部材は、マザーボード24の上に枠21、MCMユニット20、大型放熱板28が順次重ねて載置され、各部材の取付け孔29,19,22,26を小ねじ30により挿通しナット31により締め付けることにより、本発明のノートブック型コンピュータの放熱構造が組立られる。そして図3の如くノートブック型コンピュータ32の本体部の中に装入され、その後キーボードを取付けることによりノートブック型コンピュータが完成される。このようにマザーボード24、枠21、MCMユニット20、大型放熱板28を同時に小ねじ30により固定することにより、MCMの固定を簡単に行うことができる。
【0020】
このように構成された本発明のノートブック型コンピュータのMCMの固定構造の実施の形態の作用を図1乃至図3により説明する。枠21をプラスチック、セラミック等の絶縁物で形成した場合には、その中にMCMユニット20を収容し、該MCMユニット20の取付け孔19,19及び枠21の取付け孔22,22を挿通して小ねじ30,30及びナット31,31により固定することにより、MCMユニット20はその取付け部を支持されると共に、外周を枠21により支持されるため振動・衝撃等より保護される。従ってコネクタ外れは防止される。
【0021】
また、枠21が金属で形成された場合は、プラスチック等の絶縁物で形成された場合と同様に振動・衝撃等に対して保護されることは勿論であり、さらにグランドの強化、放熱の効率化、シールドの強化が行なわれる。
【0022】
即ち、マザーボード24に形成されたグランドパターン25と枠21は接触し電気的に接続されており、MCM16のグランドパターン11はMCM放熱板17に接続されているため、該MCM16のグランドパターン11はMCM放熱板17の耳部18から枠21を介してマザーボード24のグランドパターン25に接続されるためMCM16のグランドは強化される。
【0023】
さらに、MCMユニット20のMCM放熱板17は、その取付け部18で枠21のボス23と接触しているため、MCM16の発熱はMCM放熱板17を介して枠21に伝えられ、該枠21で放熱されるためMCM16の放熱効率の向上が得られる。また、MCM放熱板17の上に更に大型放熱板28を重ねることによりさらに放熱効率は向上される。また、MCM放熱板17と枠21とは電気的に接続しているため内部に収容されたMCM16をシールドすることができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明のノートブック型コンピュータのMCMの固定構造に依れば、MCMを収容し支持する枠を設けたことにより、MCMを振動・衝撃から保護し、且つ枠を金属で形成すればグランドの強化、放熱効率の向上及びシールドの向上が可能となり、MCMを使用したノートブック型コンピュータの実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のノートブック型コンピュータのMCMの固定構造に用いたれるMCMユニットを示す分解斜視図である。
【図2】本発明のノートブック型コンピュータのMCMの固定構造を示す分解斜視図である。
【図3】本発明のノートブック型コンピュータのMCMの固定構造を用いたノートブック型コンピュータの内部を示した斜視図である。
【図4】従来のノートブック型コンピュータを示す斜視図である。
【符号の説明】
10…基板
11…グランドパターン
12…高速CPU
13…チップセット
14…DC−DCコンバータ
15,27…コネクタ
16…MCM
17…MCM放熱板
18…耳部
19,22,26,29…取付け孔
20…MCMユニット
21…枠
23…ボス
24…マザーボード
25…グランドパターン
28…大型放熱板
30…小ねじ
31…ナット
Claims (6)
- 第1の基板と、前記第1の基板に搭載されたチップとを備えたマイクロチップモジュールとを有し、第2の基板に接続されるマイクロチップモジュールユニットにおいて、
前記マイクロチップモジュールの背面に密接するとともに、側辺に固定孔を有する耳部を備え、前記チップが発生する熱を放熱する放熱板と、
前記放熱板が有する前記耳部が嵌合する切り欠き部と、前記放熱板が有する固定孔と前記第2の基板が有する位置決め孔とに連通する固定孔とを側面に有し、前記マイクロチップモジュールの外周を環囲して前記放熱板を支持するとともに、密接する前記放熱板からの熱を放熱する枠と、
前記耳部と前記切り欠き部とが嵌合して固定された状態で、前記放熱板が有する固定孔、前記枠が有する固定孔及び前記第2の基板が有する位置決め孔とを挿通して固定する締結手段と、
前記第2の基板に対して電気的に接続するために、前記第1の基板に備えられたコネクタとを有することを特徴とするマイクロチップモジュールユニット。 - 前記耳部と前記切り欠き部とが嵌合して固定された状態で、前記締結手段を用いて、前記放熱板が有する固定孔、前記枠が有する固定孔及び前記第2の基板が有する位置決め孔とを挿通して固定した場合に、前記チップが前記コネクタを介して前記第2の基板と電気的に接続されることを特徴とする請求項1記載のマイクロチップモジュールユニット。
- 前記枠は導電性を有し、
前記放熱板が有する固定孔と、前記枠が有する固定孔と、前記第2の基板が有する位置決め孔とを前記締結手段を用いて固定した場合に、前記枠が前記第2の基板に接地されることを特徴とする請求項1又は2記載のマイクロチップモジュールユニット。 - 前記枠は、前記放熱板からの熱を前記第2の基板に伝導させることを特徴とする請求項1乃至3記載のマイクロチップモジュールユニット。
- 前記枠は電磁波に対する遮蔽性を有し、
前記チップが発生する電磁波を遮蔽することを特徴とする請求項1乃至4記載のマイクロチップモジュールユニット。 - 前記マイクロチップモジュールはさらに、
前記放熱板の上部に設けられた第2の放熱板を有することを特徴とする請求項1乃至5記載のマイクロチップモジュールユニット。
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