JP3968871B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用空調装置における内外気切替時における風量制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両用空調装置では、内気モード時、外気モードとも送風機モータに印加する電圧レベルを同一にして、内気モード時、外気モードとも送風機モータの回転数レベルを同一にしている。
ところが、車両搭載状態における実際の通路形態では、通常、内気側通路に比して外気側通路の長さが長くなるので、内気側通路に比して外気側通路の通風抵抗が大きくなってしまう。その結果、内気モード時、外気モードとも送風機モータの回転数レベルを同一にすると、内気モード時の方が外気モードに比して車室内への送風量が増加し、乗員の温感(温度感覚)に差が発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この内外気モードの違いに基づく送風量の差異を解消するため、内気モードに比して外気モードの送風機モータの回転数レベルを高くすることが従来提案されている。
しかし、内外気モードの切替は、内外気ドアを内気吸入口と外気吸入口との間で移動させる必要があり、このドア移動の完了には通常、3秒程度の時間がかかる。これに対して、送風機モータの回転数レベルは印加電圧の変更によりほとんど瞬時に完了するので、内外気モードの実際の切替時には、まず、最初に、空調制御装置による送風機モータの回転数レベル変動により送風騒音の変化が起きる。その後に、内外気ドアの移動完了による通風抵抗の変動により送風騒音の変化が起きる。
【0004】
従って、乗員からみると、送風騒音が波打つように2回にわたって変動するように聞こえてくるので、不自然であり、違和感を感じる。
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、内外気モード切替時における、送風騒音の不自然な変動を解消することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1ないし4記載の発明では、送風機(6)の回転数を制御して車室内への送風量を制御するとともに、内気吸入口(2)から内気を吸入する内気モード時における、送風機(6)の回転数レベルと、外気吸入口(3)から外気を吸入する外気モード時における、送風機(6)の回転数レベルとを異ならせる車両用空調装置において、
内外気ドア(4)を駆動するサーボモータ(5)が、モータ回転位置を検出する位置検出手段を設けない構成になっており、
内気モードと外気モードとの切替時に、送風機(6)の回転数レベルを、両モードの一方の回転数レベルから他方のモードの回転数レベルに向かって予め決められた所定時間かけて徐々に変化させる徐変制御手段(S201)を備え、
さらに、車速が所定値以下であるときに、内気モード時における、送風機(6)の回転数レベルを、外気モード時における、送風機(6)の回転数レベルより低くし、車速が所定値以上であるときに、外気モード時における、送風機(6)の回転数レベルを、前記内気モード時における、送風機(6)の回転数レベルより低くすることを特徴としている。
【0006】
これによると、内外気切替時に内外気ドア(4)の移動に伴う通風抵抗の変化に応じて送風機(6)の回転数を徐々に変化させることができるので、送風騒音が徐々に変化するとともに、その変化レベルも僅少にすることができる。その結果、従来技術のような波打ち状の不自然な送風騒音の変動を効果的に防止できる。
さらに、車速が所定値以下であるときに、内気モード時における、送風機(6)の回転数レベルを、外気モード時における、送風機(6)の回転数レベルより低くすれば、車両走行動圧の小さい低車速時に、内気モード時の送風量と外気モードの送風量とを一致させることができる。そして、車速が所定値以上であるときに、前記外気モード時における、前記送風機(6)の回転数レベルを、前記内気モード時における、前記送風機(6)の回転数レベルより低くすれば、車両走行動圧の大きい高車速時に、内気モード時の送風量と外気モードの送風量とを一致させることができる。
【0007】
請求項2記載のごとく、具体的には、内気モードと外気モードとの切替時に、送風機(6)の回転数レベルを複数段階にわたって段階的に変化させればよい。
また、請求項1記載のごとく、内気モードと外気モードとの切替時に、送風機(6)の回転数レベルを所定時間かけて変化させるに際し、この所定時間を、請求項3記載のように内外気ドア(4)が内気吸入口(2)と外気吸入口(3)との間で移動するのに要する時間以内とすれば、内外気ドア(4)の移動完了までに、送風機(6)の回転数レベルを予め設定した内外気モードの目標レベルに到達させることができる。
【0008】
送風機(6)の回転数レベルは、具体的には、請求項4記載のごとく送風機(6)を駆動するモータ(6c)の印加電圧レベルを変化させて、変化させることができる。
【0009】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態による車両用空調装置全体のシステム構成図を示す。空調ケース1は車室内へ吹き出す空調風の空気通路を形成するもので、その空気上流側部位には、内気(車室内空気)を吸入するための内気吸入口2と、外気(車室外空気)を吸入するための外気吸入口3とが形成されている。
【0011】
そして、空調ケース1の空気上流側部位には内外気ドア4が回転軸4aを中心として回動可能に設けられている。このドア4にて内気吸入口2を開いて外気吸入口3を閉じると、空調ケース1内に内気のみを導入する内気モードが設定され、また、ドア4にて内気吸入口2を閉じて外気吸入口3を開くと、空調ケース1内に外気のみを導入する外気モードが設定される。このように内外気ドア4は内外気モードを切り替えるためのもので、駆動手段としてのサ−ボモ−タ5によって駆動される。
【0012】
内外気ドア4の下流側部位には、空調ケース1内に車室内へ向かう空調風を送風する送風機6が配置されている。この送風機6は、遠心多翼ファン(シロッコファン)からなる送風ファン6aと、この送風ファン6aを収容しているスクロールケーシング6bと、送風ファン6aを回転駆動するモータ6cとにより構成されている。
【0013】
送風ファン6aの回転数、すなわち車室内への送風量は、モータ6cに印加される送風機モータ電圧によって制御される。なお、この送風機モータ電圧は後述の空調制御装置7によって決定される。
送風機6の下流側には、蒸発器(冷却用熱交換器)8が配設されている。蒸発器8は、周知のごとく車両エンジンによって駆動される圧縮機を有する空調用冷凍サイクル内に設けられ、低温低圧の気液2相冷媒を蒸発器8内の冷媒通路で蒸発させて、その蒸発潜熱を空調ケース1内の送風空気から吸熱することにより、送風空気を冷却する。
【0014】
空調ケース1内で、蒸発器8の空気下流側には、ヒータコア(加熱用熱交換器)9が配設されている。ヒータコア9は、その内部に車両エンジンの温水(冷却水)が流れ、この温水を熱源として通過する空気を加熱する温水式熱交換器である。そして、空調ケース1内で、ヒータコア9の側方には、ヒータコア9をバイパスして空気(冷風)が流れるバイパス通路10が形成されている。
【0015】
さらに、ヒータコア9の空気上流側には、蒸発器7からの冷風のうち、ヒータコア9を通る風量(温風)Aの割合と、バイパス通路10を通る風量(冷風)Bの割合とを調節するエアミックスドア11が回動可能に配設されている。このエアミックスドア11は上記風量割合の調節により車室内への吹出空気温度を調節する温度調節手段であって、適宜のリンク機構12を介して駆動手段としてのサーボモータ13によって駆動されて回動量が調節される。なお、サーボモータ13にはポテンショメータ13aが内蔵されており、このポテンショメータ13aはサーボモータ13の回動位置を検出して、空調制御装置7にフィードバックする。
【0016】
また、空調ケース1の最下流側部位には、車室内乗員の上半身に空調風を吹き出すためのフェイス吹出口14と、車室内乗員の足元に空気を吹き出すためのフット吹出口15と、車両窓ガラスの内面に向かって空気を吹き出すためのデフロスタ吹出口16とが形成されている。
上記各吹出口14〜16の入口部には吹出口モード切替ドア17、18、19が回動可能に配設されている。これらドア17〜19の流路切替により、空調風をフェイス吹出口14から吹き出すフェイスモード、空調風をフット吹出口15から吹き出すフットモード、空調風をフェイス吹出口14とフット吹出口15の両方から吹き出すバイレベルモード、および空調風をデフロスタ吹出口16から吹き出すデフロスタモードを選択できる。なお、これらの吹出口モード切替ドア17〜19も、それぞれ駆動手段としてのサーボモータ(図示せず)によって駆動される。
【0017】
次に、上記車両用空調装置の制御系について説明すると、空調制御装置7には車室内の空調環境に影響を与える空調環境情報を検出するセンサ群20が接続されている。センサ群20として、具体的には、外気温度Tamを検出する外気温センサ、車室内温度Tr を検出する内気温センサ、車室内に照射される日射量Ts を検出する日射センサ、ヒータコア9に流入する温水温度Tw を検出する水温センサ、蒸発器8の冷却温度(具体的には蒸発器7を通過した直後の空気温度)Te を検出する蒸発器温度センサ等が設けられる。
【0018】
さらに、空調制御装置7には、車室内のインストルメントパネルに配設されたコントロールパネル21上の各種操作スイッチ類が接続され、これらの操作スイッチ類からの信号が入力される。なお、上記コントロールパネル21の操作スイッチとしては、車室内の設定(目標)温度Tsetを設定する温度設定器、内外気モードを手動設定する内外気スイッチ、送風機6の送風量を手動設定する送風スイッチ、吹出口モードを手動設定する吹出口モードスイッチ、空調自動制御処理を行うための自動スイッチ等が設けられる。
【0019】
空調制御装置7の内部には、周知のマイクロコンピュータが設けられ、上記センサ群20およびコントロールパネル21の操作スイッチからの信号は、入力回路によってA/D変換された後、上記マイクロコンピュータへ入力されるように構成されている。なお、空調制御装置7は、車両エンジンのイグニッションスイッチがオンされたときに、車載バッテリーから電源が供給される。
【0020】
図2は上記した内外気ドア4の駆動用サ−ボモ−タ5の回路図を例示するもので、サ−ボモ−タ5はモータ本体部50と回路切替部51とからなり、回路切替部51にはモータ本体部50の回転に連動して回転するV字状の回転接点52と、固定接点53、54、55とを有している。固定接点53はモータ本体部50を介して電源正極端子56に接続され、また、固定接点54、55は、上記コントロールパネル21に設けられた内外気スイッチ22の内気側接点22bまたは外気側接点22aを介して電源負極端子57に接続される。本例のサ−ボモ−タ5は、モータの回転位置を検出するポテンショメータ等の位置検出手段を設けていない。
【0021】
図2から理解されるように、モータ本体部50への電源電圧の印加方向は常に同一方向であるため、内外気スイッチ22の投入位置にかかわらず、常にモータ本体部50は同一方向に回転する。そして、モータ本体部50が所定角度回転すると、回転接点52による、固定接点53と固定接点54または55との間の導通状態が遮断されるので、モータ本体部50は電源電圧の印加が遮断されて回転を停止する。
【0022】
このように、モータ本体部50が所定量づつ一方向に回転することにより、モータ本体部50と内外気ドア4の回転軸4aとの間に設けられたリンク機構にて、内外気ドア4の回転方向が反転して、内気モード→外気モードへの切替あるいは外気モード→内気モードへの切替を行う。
次に、空調制御装置7のマイクロコンピュータによる空調自動制御処理を図3のフローチャートを用いて説明する。なお、車両エンジンのイグニッションスイッチがオンされて空調制御装置7に電源が供給された状態において、上記コントロールパネル21の自動スイッチがオンされると図3のルーチンが起動される。
【0023】
先ず、ステップS100では、コントロールパネル21の温度設定器にて設定された設定温度Tset 、上記センサ群20の各検出値(Tam、Tr 、Ts 、Tw 、Te )を読み込む。
続いて、ステップS110にて、下記数式1に基づいて、車室内へ吹き出される空調風の目標吹出温度(TAO)を算出する。この目標吹出温度(TAO)は車室内を設定温度Tset に維持するために必要な吹出温度である。
【0024】
【数1】
TAO=Kset ×Tset −Kr ×Tr −Kam×Tam−Ks ×Ts +C
なお、上記Kset 、Kr 、Kam、およびKs はゲイン、Cは補正用の定数である。
次に、ステップS120にて送風機6により送風される空気の送風量を決定する。この送風量決定方法の詳細は後述の図4、5により説明する。次に、ステップS130にて、上記目標吹出温度(TAO)に応じて吹出口モードを決定する。この吹出口モードは、周知のごとくTAOが低温側から高温側へ上昇するにつれて、フェイスモード→バイレベルモード→フットモードと切替設定する。
【0025】
次に、ステップS140にて、エアミックスドア11の開度SWを下記数式2に基づいて算出する。
【0026】
【数2】
SW=〔(TAO−Te )/(Tw−Te)〕×100(%)
次に、ステップS150にて、上記各ステップS120〜S140で決定された作動状態が得られるように、各アクチュエータ(送風機モータ6c、サーボモータ13およひ吹出口モードドア用サーボモータ)に対して制御信号を出力する。なお、内外気モードは、本例では、コントロールパネル21の内外気スイッチ22(図2)の操作によって常に手動設定されるので、図3のフローチャートには内外気モード決定のステップを設けていない。もちろん、内外気モードを手動設定の他に、目標吹出温度(TAO)等に応じて自動的に設定するようにしてもよい。
【0027】
次に、図4は、図3のステップS120における送風量決定ステップの詳細を示すもので、まず、ステップS121にて送風量決定がオート(自動制御)か判定される。この判定は、コントロールパネル21の手動設定の送風スイッチの投入有無により行うことができ、この送風スイッチが投入されていないときは、送風量決定がオートであり、次のステップ122にて送風量を図5のマップ(マイクロコンピュータのROMに記憶されている)に基づいて決定する。
【0028】
すなわち、図5の縦軸は送風機モータ6cに印加する電圧レベルBLW(V)であり、横軸は目標吹出温度TAO(°C)であり、目標吹出温度TAOの変化に対して、低温域および高温域で送風量を大にし、中間温度域で送風量を小にする。また、図5において、BLW1 は外気モード時の送風機モータ印加電圧レベルで、BLW2 は内気モード時の送風機モータ印加電圧レベルである。内気モード時のモータ印加電圧レベルBLW2 に比して外気モード時のモータ印加電圧レベルBLW1 は所定量Cだけ大きくしてある。
【0029】
一方、コントロールパネル21の送風スイッチが投入されていると、ステップS121の判定はNOとなり、次のステップ123にて送風量を図6のマップ(マイクロコンピュータのROMに記憶されている)に基づいて決定する。図6において、Loは送風スイッチ投入位置=低速位置、M1 は送風スイッチ投入位置=第1中速位置、M2 は送風スイッチ投入位置=第2中速位置(第1中速位置より早い速度位置)、Hiは送風スイッチ投入位置=最高速度位置をそれぞれ示す。
【0030】
そして、Lo〜Hiの4段階速度位置における送風機モータ印加電圧レベルBLW1 、BLW2 の数字は電圧レベルの高低を表すもので、数字が大きくなる程、電圧レベルが高くなることを表している。図6の例では、電圧レベル=31が最高電圧であり、破線範囲内の第1中速位置M1 および第2中速位置M2 では内気モード時のモータ印加電圧レベルBLW2 に比して外気モード時のモータ印加電圧レベルBLW1 は所定量(図示の例では、4段階)だけ大きくしてある。
【0031】
次に、ステップS124にて内外気モードが外気モードであるか判定する。外気モードであるときは、次のステップS125にて車速補正を行う。この車速補正は、外気モード時に車両走行動圧(ラム圧)による送風量増加を補正するために行うものである。すなわち、車速が高速になる程、車両走行動圧が上昇するので、送風機モータ回転数が同一であっても外気導入量が増加しようとする。そこで、車速の上昇に応じて外気モード時のモータ印加電圧レベルBLW1 を低下させるように補正すれば、車速の変動による外気導入量の変動を抑制できる。
【0032】
次に、図7は図3のメインフローチャートに対する割り込み制御を示す図で、コントロールパネル21の内外気スイッチ22が内気側→外気側へ、または外気側→内気側へ切替わると、この切替動作を制御装置7内で判定し、図7の割り込み制御をスタートさせる。ステップS200にて、外気モード時のモータ印加電圧レベルBLW1 と内気モード時のモータ印加電圧レベルBLW2 が同一であるか判定する。すなわち、図5、6に示すように、BLW1 とBLW2 は基本的には相違するが、図4のステップS125による車速補正が行われた結果、BLW1 とBLW2 が同一になる場合もあるので、ステップS200の判定を行う。
【0033】
BLW1 とBLW2 が同一の場合は、ステップS201によるモータ印加電圧レベルの徐変制御を行わない。BLW1 とBLW2 が異なる場合は、ステップS201に進み、モータ印加電圧レベルの徐変制御を行う。この徐変制御は、図5のBLW1 とBLW2 の所定量Cの差、あるいは図6に示す破線範囲のBLW1 とBLW2 の差を一気に変化させずに、所定時間をかけて段階的に徐々に変化させる制御を言う。本例では、ステップS201により本発明の徐変制御手段が構成される。
【0034】
図8はこの徐変制御の具体例を示すもので、外気モードから内気モードに切り替える場合を示している。図8の縦軸はモータ印加電圧レベルで、外気モード時のモータ印加電圧レベルBLW1 をaレベルとし、内気モード時のモータ印加電圧レベルBLW2 をa−4レベルとしている。従って、図8の例は、両電圧レベルBLW1 、BLW2 の差が4レベルの場合を示している。また、図8の横軸は内外気ドア4の移動時間であり、本例では、内外気ドア4の外気側位置から内気側位置への移動完了時間が3秒である。
【0035】
図8において、内外気ドア4の移動時間=0の時点で、内外気スイッチ22が外気側→内気側に切り替わり、この時点で、モータ印加電圧レベルは、内気モード時のaレベルからa−1レベルに1段階引き下げる。そして、内外気ドア4の移動時間=1秒経過すると、モータ印加電圧レベルはa−2レベルに引き下げられ、内外気ドア4の移動時間=2秒経過すると、モータ印加電圧レベルはa−3レベルに引き下げられる。
【0036】
さらに、内外気ドア4の移動時間=3秒経過すると、すなわち、内外気ドア4の内気側位置への移動が完了すると、モータ印加電圧レベルはa−4レベルに引き下げられ、内気モード時のモータ印加電圧レベルBLW2 の目標レベルに到達する。
このように、外気モードから内気モードへの切替時に、外気モード時のモータ印加電圧レベルBLW1 である「aレベル」から、内気モード時のモータ印加電圧レベルBLW2 である「a−4レベル」に向かって、内外気ドア4の移動時間の範囲内て矢印Dのごとく段階的に徐々に低下させているから、送風機モータ6cの回転数が従来技術のごとく一気に変化せず、内外気ドア4の移動時間をかけて徐々に変化(低下)することになる。従って、内外気ドア4の移動に伴う通風抵抗の変化に応じて送風機モータ6cの回転数を徐々に変化(低下)させることができる。
【0037】
上記は外気モードから内気モードへの切替時について説明したが、内気モードから外気モードへの切替時には、上記とは逆に、内気モード時のモータ印加電圧レベルBLW2 である「a−4レベル」を起点として、ここから、外気モード時のモータ印加電圧レベルBLW1 である「aレベル」に向かって、内外気ドア4の移動時間の範囲内て矢印Eのごとくモータ印加電圧レベルを段階的に徐々に上昇させればよい。
【0038】
以上のように、本実施形態によると、内外気切替時に内外気ドア4の移動に伴う通風抵抗の変化に応じて送風機モータ6cの回転数を徐々に変化させることができるので、送風騒音が徐々に変化するとともに、その変化レベルも僅少にすることができる。その結果、従来技術のようにモータ印加電圧レベルが一気に「aレベル」から「a−4レベル」に向かって変化する場合に発生する、波打つような2回にわたる不自然な送風騒音の変動を効果的に防止できる。
【0039】
ところで、図4のフローチャートにおけるステップS125の車速補正制御によって、外気モード時には、車速の上昇に応じて外気モード時のモータ印加電圧レベルBLW1 を低下させるように補正して、車速の変動による外気導入量の変動を抑制している。
この車速補正制御をより具体的に説明すると、車速の上昇に応じて外気モード時のモータ印加電圧レベルBLW1 を低下させ、所定車速例えば、100km/hにて外気モード時のモータ印加電圧レベルBLW1 が内気モード時のモータ印加電圧レベルBLW2 と同一レベルになる。従って、車両が100km/h以上の高速走行する場合には、内気モード時のモータ印加電圧レベルBLW2 が外気モード時のモータ印加電圧レベルBLW1 より高くなるという逆転現象が発生することになる。
【0040】
このようなモータ印加電圧レベルの逆転現象が発生する高速走行時においても、内外気切替時にモータ印加電圧レベルの徐変制御を実施することにより、不自然な送風騒音の変動を防止できる。
前述の図8の徐変制御の例では、外気モード時のモータ印加電圧レベルBLW1 と内気モード時のモータ印加電圧レベルBLW2 との差が4レベルの場合を示しているが、上記の車速補正制御により上記両電圧レベルBLW1 、BLW2 の差が3レベル以下となっている場合は、内外気ドア4の移動時間(3秒)より短い時間(2秒以内)で、徐変制御を終了させればよい。
【0041】
(他の実施形態)
なお、上記の実施形態では、内外気切替時にモータ印加電圧レベルを段階的に徐々に変化させているが、内外気切替時にモータ印加電圧レベルを連続的(直線的)に徐々に変化させてもよい。
また、上記の実施形態では、送風機モータ6cの回転数を変化させるために、モータ印加電圧レベルを変化させる場合について説明したが、送風機モータ6cにパルス状の電圧を印加し、このパルス状の電圧のパルス幅を変化させて送風機モータ6cの回転数を変化させるパルス幅変調(PWM)方式を用いることもできる。
【0042】
また、内気モードと外気モードとの間に、外気と内気の両方を同時に吸入する半内気モードを設定する場合がある。このように、内気モードと半内気モードと外気モードとを切り替えるものにおいて、各モード間の切替時に本発明による送風機回転数徐変制御を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の全体システムを示す概略構成図である。
【図2】図1に示す内外気ドア駆動用サーボモータの回路図である。
【図3】本発明の一実施形態の制御内容の全体を示すフローチャートである。
【図4】図3の風量決定ステップの詳細を示すフローチャートである。
【図5】風量オート設定時における送風機モータ印加電圧レベルの特性図である。
【図6】風量マニュアル設定時における送風機モータ印加電圧レベルの特性図である。
【図7】図3の制御ルーチンに対する割り込み制御のフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態における送風機モータ印加電圧レベルの徐変制御の具体例を示す特性図である。
【符号の説明】
1…ケース、2…内気吸入口、3…外気吸入口、4…内外気ドア、
6…送風機、6c…送風機モータ、7…空調制御装置。
Claims (4)
- 空気通路を形成するケース(1)と、
前記ケース(1)の空気上流部に設けられ、内気を吸入する内気吸入口(2)と、
前記ケース(1)の空気上流部に設けられ、外気を吸入する外気吸入口(3)と、
前記内気吸入口(2)と前記外気吸入口(3)とを切替開閉する内外気ドア(4)と、
前記内外気ドア(4)を駆動するサーボモータ(5)と、
前記内気吸入口(2)または前記外気吸入口(3)から吸入された空気を前記ケース(1)内の空気通路を通して車室内へ向かって送風する送風機(6)とを備え、
前記送風機(6)の回転数を制御して前記車室内への送風量を制御するようになっており、前記内気吸入口(2)から内気を吸入する内気モード時における、前記送風機(6)の回転数レベルと、前記外気吸入口(3)から外気を吸入する外気モード時における、前記送風機(6)の回転数レベルとを異ならせる車両用空調装置において、
前記サーボモータ(5)は、モータ回転位置を検出する位置検出手段を設けない構成になっており、
前記内気モードと前記外気モードとの切替時に、前記送風機(6)の回転数レベルを、前記両モードの一方の回転数レベルから他方のモードの回転数レベルに向かって予め決められた所定時間かけて徐々に変化させる徐変制御手段(S201)を備え、
さらに、車速が所定値以下であるときに、前記内気モード時における、前記送風機(6)の回転数レベルを、前記外気モード時における、前記送風機(6)の回転数レベルより低くし、車速が所定値以上であるときに、前記外気モード時における、前記送風機(6)の回転数レベルを、前記内気モード時における、前記送風機(6)の回転数レベルより低くすることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記徐変制御手段(S201)は、前記内気モードと前記外気モードとの切替時に、前記送風機(6)の回転数レベルを複数段階にわたって段階的に変化させることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
- 前記所定時間は、前記内外気ドア(4)が前記内気吸入口(2)と前記外気吸入口(3)との間で移動するのに要する時間以内であることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
- 前記徐変制御手段(S201)は、前記送風機(6)を駆動するモータ(6c)の印加電圧レベルを変化させて、前記回転数レベルを変化させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16102998A JP3968871B2 (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | 車両用空調装置 |
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JP16102998A JP3968871B2 (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | 車両用空調装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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