JP3633034B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、内気吸入口または外気吸入口から吸入された内気または外気を、暖房用熱交換器にて加熱した後に車室内に吹き出し、かつこの熱交換器における暖房能力を電力で調節するように構成された車両用空調装置に関し、特には電気自動車用空調装置に適している。
【0002】
【従来の技術】
防曇機能を有する車両用空調装置については多数出願されており、例えば実開昭58−54909号公報には、空調に必要な風量(通常時の風量)V1 と防曇に必要な風量V2 とをそれぞれ演算し、ヒータモード時には、上記V1 とV2 とを比較して大きい方の風量で制御する旨が記載されている。従って、窓ガラス内面が曇り易いときには、V1 よりもV2 の方が大きくなることがあり、このときには通常時の風量よりも多くなる。
【0003】
また実開昭60−11811号公報には、暖房時に窓ガラス内面が曇ってきたら、外気導入モードにして風量を増加することによって、窓ガラス内面の曇りを晴らす旨が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上記各従来技術はいずれも「防曇」のことを重視しているため、暖房時で窓ガラス内面が曇り易いあるいは曇ったときに風量を増加させるという手段を採用している。しかし、このような手段をそのまま電気自動車用空調装置な、空調ダクト内の暖房用熱交換器の暖房能力を電力で調節する空調装置に採用した場合、防曇の点では確かに効果はあるにしても、省エネの点からは問題がある。
【0005】
すなわち電気自動車用空調装置では、暖房熱源として例えばヒートポンプ式冷凍サイクルを利用し、このサイクルの圧縮機を電動モータで駆動するようにしている。従って、暖房時で外気導入モードのときには、上記熱交換器の吸込側には低温の外気が導かれるので、上記各従来技術のように、窓ガラスが曇り易いあるいは曇ったからといって風量を増加させると、上記熱交換器における暖房負荷が増大し、電動モータの消費電力が増大してしまうという問題が発生する。
【0006】
また上記のような問題は、上記のようなヒートポンプ式冷凍サイクルを暖房熱源とするもの以外に、例えば上記熱交換器が電気ヒータである空調装置といったように、上記熱交換器の暖房能力を電力で調節するように構成された車両用空調装置で発生する。
そこで本発明は上記問題に鑑み、内気吸入口または外気吸入口から吸入された内気または外気を、暖房用熱交換器にて加熱した後に車室内に吹き出し、かつこの熱交換器の暖房能力を電力で調節するように構成された車両用空調装置において、窓ガラスが曇らない範囲で上記電力の消費を抑えることのできる車両用空調装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、
一端側に、内気を吸入する内気吸入口(5)および外気を吸入する外気吸入口(6)が形成され、他端側に、車室内に通ずる吹出口(14〜16)が形成された空気通路(2)と、
前記内気吸入口(5)および外気吸入口(6)を選択的に開閉する吸入口開閉手段(7)と、
前記内気吸入口(5)または外気吸入口(6)から前記吹出口(14〜16)に向かって、前記空気通路(2)内に空気流を発生する送風手段(4)と、
前記空気通路(2)内に設けられ、この空気通路(2)内の空気を加熱する暖房用熱(12)とを備え、
この暖房用熱交換器(12)の暖房能力が電力で調節されるように構成された車両用空調装置において、
前記吸入口開閉手段(7)が前記内気吸入口(5)を閉じて前記外気吸入口(6)を開く外気導入モードか否かを判定する内外気切換モード判定手段(ステップ120)と、
車両窓ガラス内面の曇りにくさが所定の曇りにくさ以上か否かを判定する曇りにくさ判定手段(ステップ150)と、
前記内外気切換モード判定手段(ステップ120)によって前記外気導入モードであると判定され、かつ前記曇りにくさ判定手段(ステップ150)によって前記所定の曇りにくさ以下であると判定されたとき、前記送風手段(4)における送風量が第1の送風量となるように前記送風手段(4)を制御する第1の送風制御手段(ステップ170、180)と
前記内外気切換モード判定手段(ステップ120)によって前記外気導入モードであると判定され、かつ前記曇りにくさ判定手段(ステップ150)によって前記所定の曇りにくさ以上であると判定されたとき、前記送風手段(4)における送風量が、前記第1の送風量よりも小さな第2の送風量となるように前記送風手段(4)を制御する第2の送風制御手段(ステップ160、180)と
を備える車両用空調装置を特徴とする。
【0008】
また請求項2記載の発明では、請求項1記載の車両用空調装置において、
前記第1の送風量は、通常の空調に必要な風量であることを特徴とする。
また請求項3記載の発明では、請求項1または2記載の車両用空調装置において、
外気温度を検出する外気温度検出手段(42)と、
この外気温度検出手段(42)によって検出された外気温度が所定の低外気温度以下か否かを判定する外気温度判定手段(ステップ140)とを備え、
前記内外気切換モード判定手段(ステップ120)によって前記外気導入モードであると判定され、かつ前記外気温度判定手段(ステップ140)によって外気が前記所定外気温度以下であると判定されたとき、前記第2の送風制御手段(ステップ160、180)によって前記送風手段(4)を制御するように構成されたことを特徴とする。
【0009】
また請求項4記載の発明では、請求項1ないし3いずれか1つ記載の車両用空調装置において、
前記暖房用熱交換器(12)は、冷凍サイクル(20)の凝縮器であり、
前記冷凍サイクル(20)の一部をなす圧縮機(21)は、電動モータ(30)によって駆動されることを特徴とする。
【0010】
また請求項5記載の発明では、
請求項1ないし4いずれか1つ記載の車両用空調装置が電気自動車用である電気自動車用空調装置を特徴とする。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施例の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0011】
【発明の作用効果】
請求項1ないし6記載の発明によると、送風手段が駆動することによって、内気循環モードのときには内気が、また外気導入モードのときには外気がそれぞれ空気通路内に吸入される。そしてこの内気または外気が、電力で暖房能力が調節される暖房用熱交換器によって加熱された後、吹出口から車室内に向かって吹き出されることによって、車室内暖房が行われる。
【0012】
そして、例えば防曇のために外気導入モードであるときには、さらに窓ガラス内面の曇りにくさが所定の曇りにくさ以上か否かを判定する。そしてこの所定の曇りにくさ以下である、すなわち曇る可能性が高いと判定されたときには、送風手段における送風量を第1の送風量として防曇を優先する。反対に、上記所定の曇りにくさ以上である、すなわち曇る可能性が低いと判定されたときには、上記送風量を、前記第1の送風量よりも小さな第2の送風量とすることによって、暖房用熱交換器における暖房負荷を減らし、この熱交換器の熱交換能力を調節するために消費する電力を抑える。
【0013】
このように本発明では、暖房時で外気導入モードという、暖房用熱交換器における暖房負荷が増大し、上記消費電力が増大する条件のときに、窓ガラスが曇りにくいかどうかをみて、曇りにくいときのみに風量を低下させ、そうでないときには通常の風量とするので、窓ガラスが曇らない範囲で上記電力消費量を抑えることができる。
【0014】
また請求項6記載の発明のように電気自動車用空調装置においては、上記ように電力消費量を抑制することによって、車両走行距離を少しでも伸ばすことができる。
【0015】
【実施例】
次に、本発明を電気自動車用空調装置として用いた第1実施例を図1〜7に基づいて説明する。
図1の空調ユニット1における空調ダクト2は、車室内に空気を導く空気通路を構成するもので、一端側に内外気切換手段3および送風手段4が設けられ、他端側に車室内へ通ずる複数の吹出口14〜16が形成されている。
【0016】
上記内外気切換手段3は、車室内の空気(内気)を吸入する内気吸入口5と、車室外の空気(外気)を吸入する外気吸入口6とが形成された内外気切換箱内に、各吸入口5、6を選択的に開閉する内外気切換ドア7が設けられ、この内外気切換ドア7がその駆動手段(図示しない、例えばサーボモータ)によって駆動される構成である。またこの駆動手段には、内外気切換ドア7の位置を検出する手段45(具体的にはポテンショメータ、図2参照)が接続されている。
【0017】
上記送風手段4は、上記内気吸入口5または外気吸入口6から上記各吹出口14〜16に向かって、空調ダクト2内に空気流を発生させるもので、具体的には、スクロールケーシング8内に多翼ファン9が設けられ、このファン9がその駆動手段であるブロワモータ10によって駆動される構成である。
また、ファン9よりも空気下流側における空調ダクト2内には冷房用室内熱交換器11が設けられている。この冷房用室内熱交換器11は、後述する冷凍サイクル20の一部を構成する熱交換器であり、後述する冷房運転モード時に、内部を流れる冷媒の吸熱作用によって、空調ダクト2内の空気を除湿、冷却する蒸発器として機能する。なお、後述する暖房運転モード時にはこの冷房用室内熱交換器11内には冷媒は流れない。
【0018】
また、冷房用室内熱交換器11よりも空気下流側における空調ダクト2内には暖房用室内熱交換器12が設けられている。この暖房用室内熱交換器12は、冷凍サイクル20の一部を構成する熱交換器であり、後述する暖房運転モード時に、内部を流れる冷媒の放熱作用によって、空調ダクト2内の空気を加熱する凝縮器として機能する。なお、後述する冷房運転モード時にはこの暖房用室内熱交換器12内には冷媒は流れない。
【0019】
また空調ダクト2内のうち、暖房用室内熱交換器12と隣接した位置には、ファン9から圧送されてくる空気のうち、暖房用室内熱交換器12を流れる量とこれをバイパスする量とを調節するエアミックスドア13が設けられている。
また上記各吹出口14〜16は、具体的には、車両フロントガラスの内面に空調空気を吹き出すデフロスタ吹出口14と、車室内乗員の上半身に向かって空調空気を吹き出すフェイス吹出口15と、車室内乗員の下半身に向かって空調空気を吹き出すフット吹出口16である。またこれらの吹出口の空気上流側部位には、これらの吹出口を開閉するドア17〜19が設けられている。
【0020】
ところで上記冷凍サイクル20は、上記冷房用室内熱交換器11と暖房用室内熱交換器12とで車室内の冷房および暖房を行うヒートポンプ式冷凍サイクルで、これらの熱交換器11、12の他に、冷媒圧縮機21、室外熱交換器22、冷房用減圧装置23、暖房用減圧装置24、アキュムレータ25、および冷媒の流れを切り換える四方弁26を備え、これらが冷媒配管27で接続された構成となっている。また、図中28は電磁弁、29は室外ファンである。
【0021】
ところで冷媒圧縮機21は、電動モータ30によって駆動されたときに冷媒の吸入、圧縮、吐出を行う。この電動モータ30は、冷媒圧縮機21と一体的に密封ケース内に配置されており、インバータ31に制御されることによって回転速度が連続的に可変する。またこのインバータ31は、制御装置40(図2)によって通電制御される。
【0022】
この制御装置40には、図2に示すように、車室内温度を検出する内気温センサ41、外気温度を検出する外気温センサ42、車室内の相対湿度を検出する湿度センサ43、車速を検出する車速センサ44、および上記ポテンショメータ45からの各信号が入力されるとともに、車室内前面に設けられたコントロールパネル51の各レバー、スイッチからの信号も入力される。
【0023】
このコントロールパネル51は図3に示すように、各吹出モードの設定を行う吹出モード設定スイッチ52、車室内へ吹き出される風量を設定する風量設定スイッチ53、内外気切換モードを設定する内外気切換スイッチ54、冷凍サイクル20の運転モードを設定する運転モード設定スイッチ55、車室内への吹出風温度を設定する温度設定レバー56、電動モータ30での消費電力を節約するモードを設定する節電スイッチ57、およびファン9と冷凍サイクル20の運転をオート制御/マニュアル制御で切り換えるオートスイッチ58が設けられている。
【0024】
このうち、上記風量設定スイッチ53にて設定できる風量のモードは、LO 、Me1、Me2、Hi の4つであり、このスイッチ53を押す度に、前記設定風量がLO →Me1→Me2→Hi のように1ランクずつアップする。そして、Hi になっている状態で風量設定スイッチ53を押すと、設定風量はオフとなる。
また、上記内外気切換スイッチ54にて設定できる内外気切換モードは、内外気切換ドア7が内気吸入口5を開けて外気吸入口6を閉じる内気循環モードと、内外気切換ドア7が内気吸入口5を閉じて外気吸入口6を開ける外気導入モードとがある。
【0025】
また上記運転モード設定スイッチ55は、圧縮機21の運転を停止させる停止スイッチ55a、冷凍サイクル20の運転モードを冷房運転モードにする冷房スイッチ55b、および冷凍サイクル20の運転モードを暖房運転モードにする暖房スイッチ55c等から成る。
また上記温度設定レバー56は、その設定位置に応じて、冷房運転モード時には、冷房用室内熱交換器11における空気冷却度合い(具体的にはこの熱交換器11を通過した直後の空気温度)の目標値を制御装置40に決定させ、暖房運転モード時には、暖房用室内熱交換器12における空気冷却度合い(具体的にはこの熱交換器12内を流れる冷媒圧力)の目標値を制御装置40に決定させるものである。
【0026】
なお、この制御装置40は、冷房運転モード時には、冷房用室内熱交換器11を通過した直後の実際の空気温度が上記目標値となるようにインバータ31を制御し、暖房運転モード時には、暖房用室内熱交換器12内を流れる実際の冷媒圧力が上記目標値となるようにインバータ31を制御する。
また、図2の制御装置40の内部には、図示しないCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータが設けられ、外気温センサ41およびポテンショメータ45からの信号、およびコントロールパネル51からの各信号は、ECU内の図示しない入力回路を経て、上記マイクロコンピュータへ入力される。
【0027】
そしてこのマイクロコンピュータが後述する所定の処理を実行し、その処理結果に基づいてインバータ31等の上記各駆動手段を制御する。なお、制御装置40は、自動車の図示しないキースイッチがオンされたときに、図示しないバッテリーから電源が供給される。
ところで、車室内乗員が上記冷房スイッチ55bをオンしたときは、上記マイクロコンピュータが圧縮機21を運転させるとともに四方弁26、電磁弁28を制御することによって、冷凍サイクル20は冷房運転モードとなる。このモードのときの冷媒の流れは、圧縮機21→室外熱交換器22→冷房用減圧装置23→冷房用室内熱交換器11→アキュムレータ25→圧縮機21の順である。
【0028】
また、車室内乗員が上記暖房スイッチ55cをオンしたときは、上記マイクロコンピュータが圧縮機21を運転させるとともに四方弁26、電磁弁28を制御することによって、冷凍サイクル20は暖房運転モードとなる。このモードのときの冷媒の流れは、圧縮機21→暖房用室内熱交換器12→暖房用減圧装置24→室外熱交換器22→電磁弁28→アキュムレータ25→圧縮機21の順である。
【0029】
次に、上記マイクロコンピュータが行う送風制御処理について、図4を用いて説明する。
まず、キースイッチがオンされて制御装置40に電源が供給されると図4のルーチンが起動され、ステップ110にて、上記各センサ41〜44、ポテンショメータ45、およびコントロールパネル51の各レバー、スイッチからの信号を読み込む。
【0030】
そして次のステップ120〜140では、暖房用室内熱交換器12における暖房負荷が大きくなる条件か否かを判定する。具体的には、ステップ120では、ポテンショメータ45からの信号に基づいて外気導入モードか否かを判定する。またステップ130では、暖房スイッチ55cがオンされているか否かを判定することによって、暖房運転モードであるか否かを判定する。またステップ140では、外気温センサ42からの信号に基づいて外気温が所定の低外気温度(本実施例では5℃)以下か否かを判定する。
【0031】
そして、ステップ120〜140の全てでYESと判定されたときは、暖房負荷が大きくなる条件とみなして、さらにステップ150にてフロントガラスが曇りにくい条件か否かを判定する。具体的にこのステップ150では、まず車室内相対湿度と車室内温度とから車室内空気露点温度を算出し、次に車室内温度と外気温度と車速とからフロントガラス温度を算出する。その後、上記車室内空気露点温度が上記フロントガラス温度に対して所定温度(本実施例では3℃)以上低いか否かを判定することによって、曇りにくい条件か否かを判定する。
【0032】
上記ステップ120〜150のいずれか1つでNOと判定されたときは、暖房負荷が大きくないか、あるいはフロントガラスが曇る可能性があるということなので、ステップ170にて、通常の空調に必要なブロワ電圧に決定する。具体的にこのステップ170では、ROMに記憶された図5のマップを参照しながら、実際に風量設定スイッチ53で設定されたモードに対応するブロワ電圧を決定する。例えば、そのとき風量設定スイッチ53で設定されているモードがLo モードなら、ブロワ電圧はV1 に決定される。
【0033】
また、上記ステップ120〜150の全てでYESと判定されたときは、暖房負荷が高く、フロントガラスが曇りにくいということなので、ステップ160にて、上記通常のブロワ電圧よりも低い電圧に決定する。具体的にこのステップ160では、ROMに記憶された図6のマップを参照しながら、実際に風量設定スイッチ53で設定されたモードに対応するブロワ電圧を決定する。例えば、そのとき風量設定スイッチ53で設定されているモードがLo モードなら、ブロワ電圧は上記V1 よりも低い電圧(具体的にはV1 の約80%)であるV5 に決定される。なお、図6中の一点鎖線は図5で示したものを示している。
【0034】
そしてこのステップ160またステップ170の処理を終えたら、次のステップ180にて、上記ステップ160またはステップ170で決定されたブロワ電圧をブロワモータ10に印加しその後このルーチンを抜ける。
なお、上記各ステップは、それぞれの機能を実現する手段を構成する。
このように本実施例では、ステップ120〜150の全てでYESと判定されたときに、ステップ160、180の制御を行うので、以下のような効果を奏する。
【0035】
すなわち、暖房運転モードのときにおける暖房用室内熱交換器12の暖房負荷Q、および電動モータ30の消費動力Lは、図7に示すように外気温が低くなる程大きくなる。また、この暖房負荷Qおよび消費動力Lは、暖房用室内熱交換器12を流れる風量が多い場合は図中破線のように大きくなり、熱交換器12を流れる風量が少ない場合は図中実線のように小さくなる。
【0036】
従って、ステップ120〜140の全てでYESと判定されたとき、すなわち室内熱交換器12における暖房負荷が高いときには、通常の風量よりも低下せさせれば、この熱交換器12の暖房負荷が減って電動モータ30の消費電力が減るわけだが、フロントガラスに曇る可能性があるときにこのような風量低下を行ってしまうと、フロントガラスが曇ってしまうという問題が発生する。
【0037】
そこで本実施例では、ステップ120〜140の全てでYESと判定されたときでも、さらにステップ150の判定を行い、このステップ150でもYESと判定されたときのみステップ160、180の制御を行い、ステップ150でNOと判定されたときはステップ170、180の制御を行うようにしている。これによって、フロントガラスが曇らない範囲で、暖房負荷Qおよび消費動力Lを図7の実線のようにすることができ、電動モータ30の消費電力を低減することができる。
【0038】
また本実施例では、上記のように電動モータ30の消費電力を低減できるので、この電動モータ30での電力消費に伴う車両走行距離の低下量も低減できる。また本実施例は、圧縮機21の回転数を温度設定レバー56で設定するものであり、圧縮機21の回転数が固定される。従って、外気導入モードに切り換えたときに低温の外気が暖房用室内熱交換器12の吸込側に導かれて、車室内への吹出風温度が多少低下するが、このときには風量を低下させているので、この吹出風温度の低下幅を小さくすることができる。
【0039】
次に本発明の第2実施例を説明する。
上記実施例のステップ170では、図6のマップを用いてブロワ電圧を決定したが、図8の実線で示されるマップを用いてブロワ電圧を決定しても良い。本実施例では、最も強風であるHi モードに設定されたときのみブロワ電圧を低下させるが、このHi モードのときとは、熱交換器12における暖房負荷が最も大きいときであるので、少なくともこのような負荷が最も大きいときにブロワ電圧を低下させることによって、電動モータ30の省電力効果は高くなる。
【0040】
次に本発明の第3実施例を説明する。
上記各実施例では、風量設定スイッチ53をプッシュ式スイッチとしたが、温度設定レバー56のようにスライド式のレバーとしても良い。この場合、ステップ170では例えば図9の実線に示すマップに基づいてブロワ電圧を決定し、ステップ180では図9の一点鎖線に示すマップに基づいてブロワ電圧を決定すれば良い。
【0041】
次に本発明の第4実施例を説明する。
上記各実施例では、ステップ160にて決定するブロワ電圧を、風量設定スイッチ53で設定されたモードに応じて一律に決定したが、この設定モードに対応するブロワ電圧をさらに、図10の実線に示すように、外気温度が低くなる程小さくなるように決定しても良い。
【0042】
つまり、外気温度が低くなる程、外気の絶対湿度は低くなり、この外気を車室内に導入しても車室内湿度は高くならないので、ブロワ電圧を低くしてもフロントガラスに曇りは発生しないという理由、および図7で示したように、外気温度が低くなる程、電動モータ30の消費電力が増加するので、風量を低下させてこの増加を抑えるという理由からである。なお、図10の一点鎖線はステップ170で制御する場合のブロワ電圧を示す。
【0043】
次に本発明の第5実施例を説明する。
上記各実施例では、ブロワ電圧は風量設定スイッチ53にてマニュアルで設定したが、オートで設定するようにしても良い。この場合、例えば車室内の設定温度、車室内温度、外気温度、日射量等に基づいて車室内へ吹き出す目標吹出温度(TAO)を算出し、図11に示すようなTAOとブロワ電圧との関係をマップとしてROMに記憶させておき、TAOに応じたブロワ電圧をこの図11のマップからサーチして決定するようにすれば良い。なお、図11の実線はステップ160、180で制御したときのブロワ電圧、一点鎖線はステップ170、180で制御したときのブロワ電圧である。
【0044】
(変形例)
上記各実施例では、ステップ150にて、車室内空気露点温度がフロントガラス温度に対して所定温度以上高いか否かを判定したが、これ以外にも、例えば外気湿度が所定湿度(例えば90%RH)より少ないか否かで判定しても良いし、車室内湿度が所定湿度(例えば80%RH)より少ないか否かで判定しても良いし、車室内乗員数が所定人数(例えば2人)以下か否かで判定しても良い。またさらには、車室内の暖房を開始してから所定時間(例えば15分)が経過したか否かで判定しても良いし、雨が降っているか否かを例えばワイパーが作動しているか否かで判定しても良い。
【0045】
また、ステップ140を無くしても良い。要は、暖房運転モード中で外気導入モード中という、暖房用熱交換器12の暖房負荷が大きいときに、ステップ150で曇りにくいか否かを判定し、曇りにくいときのみステップ160、180の制御を行い、そうでないときにステップ170、180の制御を行うことによって、フロントガラスに曇りを発生させない範囲で電動モータ30の消費電力を抑えることができる。
【0046】
また、上記各実施例は全て、請求項1記載の発明でいう暖房用熱交換器を冷凍サイクル20の凝縮器で構成したが、電気ヒータで構成しても良い。
また、上記各実施例は全て電気自動車用空調装置であったが、例えば室内用空調装置としても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施例の全体構成図である。
【図2】上記第1実施例の制御系のブロック図である。
【図3】上記第1実施例のコントロールパネルの正面図である。
【図4】上記第1実施例の送風制御処理手順を示すフローチャートである。
【図5】上記第1実施例の風量設定スイッチで設定されるモードとブロワ電圧との関係を示すマップである。
【図6】上記第1実施例の風量設定スイッチで設定されるモードとブロワ電圧との関係を示すマップである。
【図7】上記第1実施例の暖房負荷Qおよび消費動力Lの、外気温度および風量に対する関係を示す図である。
【図8】本発明第2実施例の風量設定スイッチで設定されるモードとブロワ電圧との関係を示すマップである。
【図9】本発明第3実施例の風量設定レバーで設定されるモードとブロワ電圧との関係を示すマップである。
【図10】上記第4実施例の外気温度とブロワ電圧との関係を示すマップである。
【図11】本発明第5実施例の目標吹出温度(TAO)とブロワ電圧との関係を示すマップである。
【符号の説明】
1…空調ユニット、2…空調ダクト(空気通路)、4…送風手段、
5…内気吸入口、6…外気吸入口、7…内外気切換ドア(吸入口開閉手段)、
12…暖房用室内熱交換器(暖房用熱交換器)、14〜16…吹出口、
20…冷凍サイクル、21…圧縮機、30…電動モータ、40…制御装置、
42…外気温センサ(外気温度検出手段)。

Claims (5)

  1. 一端側に、内気を吸入する内気吸入口および外気を吸入する外気吸入口が形成され、他端側に、車室内に通ずる吹出口が形成された空気通路と、
    前記内気吸入口および外気吸入口を選択的に開閉する吸入口開閉手段と、
    前記内気吸入口または外気吸入口から前記吹出口に向かって、前記空気通路内に空気流を発生する送風手段と、
    前記空気通路内に設けられ、この空気通路内の空気を加熱する暖房用熱交換器とを備え、
    この暖房用熱交換器の暖房能力が電力で調節されるように構成された車両用空調装置において、
    前記吸入口開閉手段が前記内気吸入口を閉じて前記外気吸入口を開く外気導入モードか否かを判定する内外気切換モード判定手段と、
    車両窓ガラス内面の曇りにくさが所定の曇りにくさ以上か否かを判定する曇りにくさ判定手段と、
    前記内外気切換モード判定手段によって前記外気導入モードであると判定され、かつ前記曇りにくさ判定手段によって前記所定の曇りにくさ以下であると判定されたとき、前記送風手段における送風量が第1の送風量となるように前記送風手段を制御する第1の送風制御手段と
    前記内外気切換モード判定手段によって前記外気導入モードであると判定され、かつ前記曇りにくさ判定手段によって前記所定の曇りにくさ以上であると判定されたとき、前記送風手段における送風量が、前記第1の送風量よりも小さな第2の送風量となるように前記送風手段を制御する第2の送風制御手段と
    を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記第1の送風量は、通常の空調に必要な風量であることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  3. 外気温度を検出する外気温度検出手段と、
    この外気温度検出手段によって検出された外気温度が所定の低外気温度以下か否かを判定する外気温度判定手段とを備え、
    前記内外気切換モード判定手段によって前記外気導入モードであると判定され、かつ前記外気温度判定手段によって外気が前記所定外気温度以下であると判定されたとき、前記第2の送風制御手段によって前記送風手段を制御するように構成されたことを特徴とする請求項1または2記載の車両用空調装置。
  4. 前記暖房用熱交換器は、冷凍サイクルの凝縮器であり、
    前記冷凍サイクルの一部をなす圧縮機は、電動モータによって駆動されることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つ記載の車両用空調装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか1つ記載の車両用空調装置が電気自動車用であることを特徴とする電気自動車用空調装置。
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