JP4350980B2 - 車両用空調制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置の作動を制御する制御装置に関し、特に、フロントウインドウの曇りを防止するための対策に係る。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両用空調制御装置としては、車室内外の温度状態や日射しの強さ等に応じて空調空気の温度や吹出し風量、或いは吹出しモード等を自動的に制御するいわゆるオートエアコンが広く普及しており、これにより、乗員が煩雑な設定操作を行うことなく、快適な室内環境を得ることができるようになっている。
【0003】
そのようなオートエアコンの制御は、基本的には車室の温度が設定温度に近づくように、該車室内に供給する熱量、即ち調和空気の吹出し温度及び吹出し風量を制御するものであるが、これに加えて、主に吹出し温度に応じて、乗員が不快感を抱かないように車室内への調和空気の吹出口を変更する、吹出しモード制御も行われる。
【0004】
また、オートエアコンでは、通常、空調用の空気を車室外から取り入れる外気導入モードを基本とし、例えば車室内外の温度差が所定以上に大きいとき等、大きな冷房能力が求められる状況で、車室内の空気を循環させる内気循環モードに切り替えるようにしている。
【0005】
ところで、前記外気導入モードでは、ラム圧によって車外の空気が押し込まれることから、車速が増大すると、ブロワの回転数が一定であっても空調用空気の流量が増大する。この結果、車速の変化とともに車室への調和空気の吹出し風量が変化してしまい、冷暖房能力も変動することになるから、乗員が違和感を覚えたりして、快適性が損なわれる虞れがあった。
【0006】
この問題に対し、例えば特許文献1に開示されるように、外気導入時には車速の上昇に応じてブロワモータへ供給する電力を低下させることにより、車室内への調和空気の吹出し風量を車速によらず略一定に保って、快適性を維持するようにした空調装置も公知である。
【0007】
【特許文献1】
特開昭56−047312号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来例(特許文献1)の空調装置のように車速に応じてブロワの回転数を低下させる補正(以下、車速補正ともいう)を行うようにした場合、低外気時にフロントウインドウが曇り易くなる、という新たな問題を生じることが分かった。すなわち、一般的に外気温の低いときには走行風によりフロントウインドウが冷やされて、その裏面(車室側の面)に曇りを生じることがあるが、このときには吹出しモードがフットモード、フット・デフモード又はデフモードのいずれかとされていることが多く、比較的暖かい調和空気がフロントウインドウガラスの裏面に向かって吹き出されて、曇りの防止が図られている。
【0009】
そして、車速の上昇に伴いフロントウインドウに当たる走行風量が多くなっても、これに伴い該ウインドウの裏側に吹き出す調和空気の風量も多くなれば、曇りを効果的に防ぐことができるが、前記従来例の如く車速補正を行うと、車速が高くなってもフロントウインドウの裏側へ吹出す調和空気の風量は多くならないから、特に高速走行時に曇りが発生し易くなるのである。
【0010】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、車両用空調制御装置において車速の上昇に伴う調和空気の風量増大を抑制すべく、ブロワ制御の車速補正を行う場合に、所定の条件下ではフロントウインドウガラスが曇り易くなることに着目して、斯かる不具合を解消することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本願発明では、少なくとも、調和空気をフロントウインドウガラスの裏面に向けて吹出すときには車速に対応するブロワ制御の補正量(車速補正量)を低減させるようにした。
【0012】
具体的に、請求項1の発明では、車室の温度状態が目標値に近づくように該車室内へ供給する調和空気の少なくとも温度及び風量を制御する基本制御手段と、車速を検出する検出手段と、外気導入時に車速の上昇によらず調和空気の風量が略一定に保たれるように、前記検出手段による車速の検出値に基づいて、前記基本制御手段によるブロワの制御を、車速の上昇に応じてブロワモータへの供給電力が低下するように補正する車速補正手段と、を備えた車両用空調制御装置を前提とする。
【0013】
そして、調和空気の少なくとも一部を車両のフロントウインドウガラス裏面に向けて吹出す所定吹出しモードのときに、前記車速補正手段によるブロワ制御の補正量を低減させる補正量低減手段を備える構成とする。
【0014】
前記の構成により、まず、外気導入時に基本的にはブロワ制御の車速に応じた補正(車速補正)が行われることで、車速の上昇に伴う調和空気の風量増大が抑制されて、車室の快適性維持が図られる。
【0015】
その際、調和空気の少なくとも一部をフロントウインドウガラス裏面に向けて吹出す所定吹出しモードであれば、前記ブロワ制御補正量が低減されることで、フロントウインドウガラスの裏面に向けて吹出す調和空気の量が車速の上昇とともに増大することになり、これによりウインドウの曇り防止も可能となる。
【0016】
より具体的に、前記補正量低減手段は、車速補正手段によるブロワ制御の補正量を予め設定した所定割合だけ低減させるものとすればよい(請求項2の発明)。こうすれば、車両の高速走行時にフロントウインドウが曇ることを防止しながら、同時に、車速の上昇に伴う調和空気の風量の増大も適宜、抑制することができる。
【0017】
また、前記補正量低減手段は、車速補正手段によるブロワ制御の補正量を零にするもの、即ちブロワ制御の補正を禁止するものであってもよい(請求項3の発明)。こうすれば、車両の高速走行時にフロントウインドウが曇ることを確実に防止できる。尚、一般的に、フロントウインドウの曇りが懸念されるのは低外気のときであり、このときにはフロントウインドウガラス裏面に向けて吹出された比較的暖かな調和空気が該ウインドウガラスを介して外気により直接的に冷却されることになるので、車速の上昇に伴い調和空気の風量が増大しても、その分、車室への供給熱量が増えるわけではない。よって、車速補正を禁止しても車室の快適性が大きく損なわれることはない。
【0018】
前記構成の空調制御装置において、フロントウインドウの曇りが発生し得る所定環境下にあることを判定する判定手段をさらに備え、補正量低減手段は、前記判定手段により前記所定環境下にあると判定されたときにのみ、ブロワ制御の補正量を低減するものとするのが好ましい(請求項4の発明)。
【0019】
或いは、フロントウインドウの曇り易さの程度を推定する推定手段をさらに備え、補正量低減手段は、前記推定手段により推定される曇り易さの程度に応じて、より曇り易いときほどブロワ制御の補正量の低減度合いを大きくするものとしてもよい(請求項5の発明)。
【0020】
すなわち、一般に、外気導入時に車両のフロントウインドウが曇るのは、低外気であって且つ車室内外の温度差がある程度以上、大きいときに限られ、しかも、フロントウインドウに強い日射が当たっていれば曇りは発生しない。そして、そのように曇りの発生し得ない(非常に発生し難い)環境下ではブロワ制御の車速補正量を低減する必要はないから、前記請求項4の発明のように、フロントウインドウの曇りが発生し得る所定環境下にあるときにのみ、ブロワ制御補正量の低減を行うようにすれば、それ以外のときには車速補正によって車室の快適環境を容易に維持できる。
【0021】
また、前記請求項5の発明のように、フロントウインドウの曇り易さの程度に応じてブロワ制御補正量の低減度合いをきめ細かく変更するようにすれば、フロントウインドウの曇りを防止しながら、車速の変化による空調吹出し風量の変化も十分に抑制することができ、これにより快適環境の維持が図られる。尚、フロントウインドウの曇り易さの程度は、主に外気温と車室内外の温度差とによって推定することができ、さらに、日射の影響や乗員の人数、車室の湿度等も加味することが望ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る車両用空調制御装置Sの全体構成を模式的に示す。この例では空調装置A自体の構成は従来周知のものであって、図示しない車両の車室に配置された室内空調ユニット2と、この室内空調ユニット2内に配設されたエバポレータ3に接続されて、HFCやCO2等の空調用冷媒を循環させる冷媒回路4とを備えている。冷媒回路4は、従来周知の蒸気圧式冷凍サイクルを用いたものであり、少なくとも、エンジン1により回転駆動されて冷媒ガスを圧縮するコンプレッサ5と、該コンプレッサ5により圧縮された高温高圧の冷媒ガスを冷却して凝集等させるコンデンサ6と、該コンデンサ6において冷却された冷媒を膨張させて圧力を低下させる膨張弁7とを備えている。
【0024】
そして、前記膨張弁7を通過した低温の冷媒が前記室内空調ユニット2のエバポレータ3に供給されるとともに、ブロワ8から送り出される空調用空気が該エバポレータ3を通過して、このときにエバポレータ3において空気と冷媒との間で熱交換が行われることにより、空調用空気が冷却され且つ除湿される。また、前記室内空調ユニット2のエバポレータ3下流側にはヒータコア9が配設されており、エンジン1から高温の冷却水を受け入れるとともに、エバポレータ3を通過した空気の所定割合を通過させて、両者を熱交換させることにより空調用空気を再加熱するようになっている。
【0025】
すなわち、前記エバポレータ3及びヒータコア9の中間には、エバポレータ3を通過した空気の内、ヒータコア9を通過させる空気の割合を調節するためのエアミックスダンパ10が配設されている。図示の如く、エバポレータ3は、室内空調ユニット2を流通する空調用空気の全量が通過するように設けられ、一方、ヒータコア9は、室内空調ユニット2内の通路の断面積よりも小さく、その通路の一側(図の下側)に寄せて配置されている。このため、エバポレータ3を通過した空気流の一部(図でエアミックスダンパ10よりも上側の流れ)はヒータコア9をバイパスしてその下流側のミックス室11に至り、そこでヒータコア9を通過してきた空気流と混合されて、調和空気が生成される。
【0026】
より詳しくは、前記エアミックスダンパ10は、電動モータ12により支軸の周りに回動されて、ヒータコア9を通過する空調用空気の流量を実質的に零とする全閉位置(図では一番下側に回動した位置)から、その反対に、空調用空気の実質的に全量がヒータコア9を通過するようにする全開位置(図では一番上側に回動した位置)までの間で段階的に、或いは連続的に位置を変えるようになっている。このエアミックスダンパ10の位置に応じて、前記ミックス室11において混合される低温の空気と比較的暖かな空気との割合が変更され、これにより調和空気の温度が調節されるようになっている。
【0027】
そうして、室内空調ユニット2のミックス室11にて生成された調和空気は、当該ユニットのケースに設けられたデフロスト開口部13、ベント開口部14及びフット開口部15の少なくとも1つから図示しない空調ダクトを介して車室内を臨む空調吹出口に送り出される。すなわち、図示しないが、車両のダッシュパネルには、フロントウインドウの裏側に調和空気を吹き出すデフロスト吹出口と、乗員の主に上半身に向かって調和空気を吹き出すベント吹出口と、乗員の主に足下に向かって調和空気を吹き出すフット吹出口とがそれぞれ設けられており、また、ダッシュパネルの内部には前記各吹出口をそれぞれ対応する室内空調ユニット2の各開口部13,14,15に連通するように空調ダクトが配設されている。
【0028】
前記室内空調ユニット2の各開口部13,14,15には、それらを開閉して各空調吹出口から車室内への調和空気の吹出風量(吹出しモード)を調節するための風向調節ドア16,17が配設されている。このうちの第1のドア16は、電動モータ18により支軸の周りに回動されてデフロスト開口部12を単独で開閉するようになっており、また、第2のドア17は、電動モータ19により支軸の周りに回動されて、ベント開口部14を全閉し且つフット開口部15を全開するベント位置(図では一番上側に回動した位置)から、反対に、ベント開口部14を全開し且つフット開口部15を全閉するフット位置(図では一番下側に回動した位置)までの間で位置を変えるようになっている。
【0029】
さらに、前記ブロワ8の上流側には、内気取入れ口20及び外気取入れ口21を択一的に開閉するようにインテークドア22が配設されていて、このドア22が電動モータ23により支軸の周りに回動されることにより、室内空調ユニット2へ車室内の空気を取り入れる内気循環モード(図示の状態)と、図示しないダクトを介して車外の空気を取り入れる外気導入モードと、のいずれか一方に切替えられるようになっている。
【0030】
上述の如き構成の空調装置Aにおいて、コンプレッサ5及びブロワ8の運転状態やエアミックスダンパ10、風向調節ドア16,17及びインテークドア22の位置の制御は、マイクロコンピュータを用いた制御コントローラ30により行われる。このコントローラ30には、少なくとも、前記室内空調ユニット2におけるエバポレータ3の出口近傍に設けられた温度センサ31(以下、エバ温センサと呼ぶ)と、走行風が適度に当たるようにエンジンルームの前部に配設された外気温センサ32と、エンジン1の冷却水温度(エンジン水温)を検出するエンジン水温センサ33と、車両の走行速度(車速)を検出する車速センサ34(車速検出手段)と、例えばインストゥルメントパネルに配設されて、空調装置Aの作動に関する乗員の操作を受ける設定スイッチ35と、イグニションスイッチ(IGスイッチ)36と、車室内の温度状態を検出する内気温センサ37と、車室内に配設されて日射しの強さを検出する日射センサ38と、からそれぞれ出力される信号が入力されるようになっている。
【0031】
そして、コントローラ30は、前記設定スイッチ35により自動モード(オート)が選択されているときには、乗員により設定された空調設定温度、現在の内気温度、外気温度、日射の強さ、エンジン水温、エバポレータ出口温度等に基づいて、内気温度を設定温度に近けるためにコンプレッサ5の作動制御、ブロワ8の電圧制御、及び、エアミックスダンパ10や各種ドア16,17,22の位置制御を行うようになっている。
【0032】
(空調制御の概要)
前記コントローラ30による空調制御の概略を図2のメインフローに基づいて説明すると、まず、スタート後のステップSA1では、上述した各スイッチ及び各センサからの信号を読み込み、続くステップSA2において、それらの信号値に基づいて調和空気の目標温度を従来周知の手法により設定する。この目標温度は、車両の乗員により設定される空調設定温度(目標値)ではなく、車室へ送給される調和空気の目標温度である。
【0033】
続いて、ステップSA3において、主に前記目標温度に基づいてエアミックスダンパ10の位置を制御し、エバポレータ3により冷却された空気の内、ヒータコア9にて再加熱するものの割合を調節して、ミックス室11で生成される調和空気の温度が前記目標温度になるようにする。すなわち、エアミックスダンパ10の位置は主にエバポレータ3出口の空気温度やエンジン水温(ヒータコア9の温度状態)に応じて予め設定されたマップ等により決定される。続いて、ステップSA4では吹出しモードの制御を行う。これは、例えば、冬季の暖房運転時には暖かい調和空気を主にフット吹出口から乗員の足下に吹き出させ、また、夏季の冷房運転時には低温の調和空気を主にベント吹出口から乗員の顔の付近に向かうように吹き出させる、というように、主に調和空気の温度に応じて適切な吹出しモードとなるように予め設定したマップに従うものである。
【0034】
より詳しく吹出しモードの一例を挙げれば、この実施形態の空調装置Aでは、大きく分けてベント・モード、バイレベル・モード、フット・モード、フット/デフ・モード及びデフ・モードの5つの吹出しモードがあり、例えば冷房運転時にはベント・モード又はバイレベル・モードのいずれかとなり、暖房運転時にはフット・モード、フット/デフ・モード又はデフ・モードのいずれか1つとなる。フット・モードでは、調和空気の大部分をフット吹出口から吹き出させるとともに、デフロスト吹出口からは10〜20%を吹き出させる。また、フット/デフ・モードでは、フット吹出口及びデフロスト吹出口からの吹出し風量が略同じになり、デフ・モードでは、調和空気の大部分をデフ吹出口から吹き出させる。
【0035】
前記ステップSA4に続くステップSA5では、ブロワ8による風量制御を行う。これは、詳しくは後述するが、基本的には冷房・暖房のいずれにおいても空調設定温度と内気温度との相違が大きいときほど、風量を増大させて大きな能力を得られるようにし、内気温が空調設定温度に近づけば風量を減らす、というものである。尚、冬季にエンジン水温が十分に高くないときには、ブロワ8を殆ど停止させて送風を抑えることにより、乗員が違和感を覚えることがないようにしている。
【0036】
続いて、ステップSA6において、コンプレッサ5の作動制御を行う。これは、例えば、除湿能力を最大とするためにエバ温センサ31により検出されるエバポレータ3出口の空気温度が3〜4°Cになるまではコンプレッサ5を運転し、それ以下の温度ではコンプレッサ5を停止することで、フロストを防止する、というものである。また、車両の燃費を改善するためにエバポレータ3出口の空気温度がより高い状態でコンプレッサ5を停止させるエコノミーモードもある。
【0037】
そして、ステップSA7において、室内空調ユニット2に取り入れる空気の内外気切替え(インテーク制御)を行って、しかる後にリターンする。ここで、内気導入モードと外気導入モードとの切替えは、一般的には、換気を兼ねる外気導入モードを基本とし、空調設定温度と内気温度との相違が大きくて、大きな冷房能力を必要とするときに内気循環モードに切替えるようにしている。
【0038】
前記図2のメインフローにおいて、特にステップSA1〜SA3、SA5の手順が、車室の温度状態が空調設定温度(目標値)に近づくように該車室内へ供給する調和空気の少なくとも温度及び風量を制御する基本制御手段30aに対応している。
【0039】
(風量制御)
次に、本発明の特徴部分として、前記メインフローのステップSA5における風量制御の手順を図3及び図4に基づいて、具体的に説明する。
【0040】
まず、図3のフローチャートに示すスタート後のステップSB1では、ブロワ8の運転モードがオートモードであるかどうか判定する。この判定がNOで、ブロワ8の運転モードがマニュアル設定されていれば、ステップSB2に進んで、設定されているマニュアル段数に対応する電圧Voutをブロワ8のモータに供給する。このブロワ出力電圧Voutは、予めマニュアル段数に対応付けてコントローラ30のメモリに記憶させておけばよい。
【0041】
また、前記の判定がYESでオートモードであればステップSB3に進み、まず、各センサ31〜38からの信号等に基づいて、ブロワ8モータへの基本的な供給電圧Vaを計算する。この基本的な供給電圧Vaは、空調装置Aの発揮し得る最大の冷暖房能力と現在の内気温度及び空調設定温度の温度偏差とを考慮して、できるだけ速く該空調設定温度に内気温度を近けるように決定した風量を得るためのものであり、例えば、予め実験等により前記温度偏差に対応する電圧の最適値を求めて、両者の対応関係を設定したテーブルをコントローラ30のメモリに電子的に格納しておけばよい。
【0042】
続いて、ステップSB4において外気導入モードかどうか判定し、この判定がNOで内気循環モードであればステップSB5に進んで、前記ステップSB3にて計算した基本的な供給電圧Vaをブロワ出力電圧Voutとする(Vout=Va)。一方、判定がYESで外気導入モードであればステップSB6に進み、今度は、吹出しモードが、調和空気の少なくとも一部をフロントウインドウガラス裏面に向けて吹出す所定吹出しモード(この実施形態ではフット・モード、フット/デフ・モード又はデフ・モードのいずれか)かどうか判定する。
【0043】
前記ステップSB6において前記所定吹出しモードにあるYESと判定されれば後述のステップSB9に進む一方、所定吹出しモードにないNOと判定されればステップSB7に進み、ブロワ8への供給電圧を車速に応じて補正するための補正値Vs(車速補正値)を図4に例示するテーブルから読み込む。この車速補正は、車速の上昇に伴うラム圧増大の影響を打ち消して、車室内への調和空気の吹出し風量を略一定に保てるように、車速の上昇に応じてブロワ8モータへ供給する電圧を低下させるためのものであり、図例のテーブルには、実線のグラフで示すように、車速補正値Vsが車速の上昇に応じて大きくなるように予め実験等により設定されて、コントローラ30のメモリに電子的に格納されている。
【0044】
そして、続くステップSB8では、前記ステップSB3にて計算した基本的な供給電圧Vaから前記ステップSB7にて読み込んだ車速補正値Vsを減算して、これをブロワ出力電圧Voutとする(Vout=Va−Vs)。つまり、外気導入モードであって且つ吹出しモードがフット・モード、フット/デフ・モード又はデフ・モードのいずれでもないときには、車速の上昇に応じてブロワ8モータへの供給電圧Voutを低下させる車速補正を行い、これにより、車室内への調和空気の吹出し風量を車速の変化に依らず略一定に保つようにしている。
【0045】
一方、前記ステップSB6において前記所定吹出しモードであるYESと判定して進んだステップSB9では、今度は、車両のフロントウインドウに曇りが発生し得る所定環境下であるかどうか判定する。すなわち、例えば、外気温が設定値(例えば10°C)以下であり、内外気の温度差が設定値(例えば15°C)以上であり、且つ日射センサ38からの信号値が設定値以下であれば、曇りが発生し得ると判定し、それ以外ならば曇りは発生しない、又は非常に曇り難いと判定する。
【0046】
そして、判定がNOで曇りの発生し得ない(非常に発生し難い)環境であれば、前記ステップSB7,SB8に進んで車速補正を行う一方、判定がYESで曇りの発生し得る環境であれば、前記ステップSB5に進み、ブロワ出力電圧Voutは基本的な供給電圧Vaとする(車速補正を行わないようにする)。つまり、外気導入モードであって且つ吹出しモードがフット・モード、フット/デフ・モード又はデフ・モードのいずれかであり、しかも、フロントウインドウの曇りが発生し得る環境下にあれば、前記の車速に応じたブロワ出力電圧Vsの補正は行わず、デフロスト吹出口からフロントウインドウガラス内面へ吹出す調和空気の風量が車速の上昇に伴い増大するようにして、曇りを防止するようにしたものである。
【0047】
前記図3に示す風量制御のフローにおいて、ステップSB3は、基本制御手段30aにより、車室の温度状態が空調設定温度に近づくように該車室内へ供給する調和空気の風量を制御する手順に対応しており、ステップSB4からステップSB6,SB7,SB8へと進む手順が、外気導入時に車速の上昇に伴う調和空気の風量の増大を抑制するように、車速に応じてブロワ出力電圧Voutを補正する車速補正手段30bに対応している。
【0048】
また、前記フローのステップSB6からステップSB9を経てステップSB5に至る制御手順が、調和空気の少なくとも一部を車両のフロントウインドウガラス裏面に向けて吹出す所定吹出しモードのときに、前記車速補正手段30bによるブロワ制御の補正量を零にする補正量低減手段30cに対応している。
【0049】
特に前記ステップSB9は、車両のフロントウインドウの曇りが発生し得る所定環境下にあることを判定する判定手段30dに対応しており、前記補正量低減手段30cは、前記判定手段30dによって前記所定環境下にあると判定されたときにのみ、ブロワ制御の補正量を零にするように構成されている。
【0050】
したがって、この実施形態に係る車両用空調制御装置Sによれば、外気導入モードのときに基本的には車速の上昇に応じてブロワ出力電圧Voutを低減する車速補正を行うことで、ラム圧の増大による影響を打ち消して調和空気の風量を略一定に保ち、車室の快適性を維持することができる。
【0051】
また、調和空気の少なくとも一部をフロントウインドウガラス裏面に向けて吹出す所定吹出しモードであって、且つ該フロントウインドウの曇りが発生し得る所定環境下にあれば、前記車速補正を禁止して、デフロスト吹出口からフロントウインドウガラス内面へ向かって吹出す調和空気の風量を車速の上昇に応じて増大させることで、低外気時の高速走行中であってもウインドウの曇りを確実に防止することができる。
【0052】
その際、低外気であれば通常、調和空気の温度は比較的暖かなものになっているが、この調和空気はフロントウインドウガラスの裏面に向かって吹出されて、該ウインドウガラスを介して外気により直接的に冷却されることになるので、車速の上昇に伴い調和空気の風量が増大しても、その分、車室への供給熱量が増えるわけではない。従って、前記の如く車速補正を禁止しても、車室の快適性が大きく損なわれることはない。
【0053】
また、例えば外気温があまり低くないとき、内外気の温度差が小さいとき、日射が強いとき等のように曇りの発生しない環境下にあるか、或いは、吹出しモードがベント・モードやバイレベル・モードで、調和空気がデフロスト吹出口に送られないときには、そもそも車速補正を禁止する必要はなく、このときには車速補正によって車室内快適環境の維持が十全に図られる。
【0054】
(他の実施形態)
尚、本願発明の構成は前記した実施形態のものに限定されず、それ以外の種々の構成をも包含するものである。すなわち、例えば前記の実施形態では、エアミックス方式の空調装置Aについて説明したが、これがリヒート方式であっても何ら問題はなく、前記実施形態に記載の空調装置Aの構成は単なる例示に過ぎないことは言うまでもない。
【0055】
また、前記実施形態では、車速センサ34が検出する車速をコントローラ30の制御用データとして使用したが、これに限らず、車速を検出して制御用データとして使用するものであればどの様なものでも適用できる。
【0056】
また、前記実施形態のものでは、図3のフローに示すように、補正量低減手段30cとして、車速補正手段30bによるブロワ制御の補正を禁止するようにしているが、これに限らず、例えば、該車速補正手段30bによるブロワ制御の補正量を低減させるだけでもよい。具体的には、例えば、図4に仮想線のグラフで示すように、車速に対する車速補正値Vsの大きさを予め設定した所定割合だけ(図の例では略50%)、低減させるようにすればよく、こうすることで、車両の高速走行時にフロントウインドウの曇りを防止しながら、同時に、車速の上昇に伴う調和空気の風量の増大も適宜、抑制することができる。
【0057】
また、そのようにブロワ制御の補正量を低減させる場合には、その低減の度合いをウインドウの曇り易さの程度に応じて変更するようにしてもよい。具体的に、例えば、外気温、車室内外の温度差、日射の強さ等に基づいて曇りの発生し易さの程度を推定し(推定手段)、この推定結果(曇り易さの程度)に応じて、より曇り易いときほどブロワ制御の補正量の低減度合いを大きくするようにすればよい。そうすれば、フロントウインドウの曇り易さの程度に応じて調和空気の吹出し風量をきめ細かく変更することができるから、フロントウインドウの曇りを防止しながら、車速の変化による空調吹出し風量の変動を抑えて、車室内の快適性を十分に維持できる。
【0058】
さらに、前記実施形態のものでは、所定吹出しモードであって且つウインドウの曇り易い所定環境下にあるときにのみ、ブロワ制御の車速補正を禁止するようにしているが、これに限らず、単に所定吹出しモードであれば車速補正を禁止、或いは補正量を低減するようにしてもよい(図3のフローにおいてステップSB9を無くし、ステップSB6でYESならばステップSB5に進むようにする)。これは、フロントウインドウガラス裏面に向かって調和空気を吹出すモードであれば、概ねウインドウの曇り易い環境下にあると考えられるからである。
【0059】
【発明の効果】
以上、説明したように、本願の請求項1の発明によると、外気導入時に車室の快適性維持を図るべく、ブロワの制御を車速に応じて補正して、車速の上昇に伴う調和空気の風量増大を抑制するようにした車両用空調制御装置において、少なくとも調和空気をフロントウインドウガラスの裏面に向けて吹出すときには、前記ブロワ制御の車速補正量を低減させることで、フロントウインドウガラスの曇り防止が図られる。
【0060】
特に、請求項4の発明のように、前記車速補正量の低減をフロントウインドウの曇りが発生し得る所定環境でのみ行うようにすれば、それ以外のときの車速補正による快適環境維持が容易になる。
【0061】
また、請求項5の発明のように、前記車速補正量の低減の度合いをフロントウインドウの曇り易さの程度に応じて可変とすれば、きめ細かな補正制御によってフロントウインドウの曇りを防止しながら、車室内快適環境の維持が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る車両用空調制御装置の構成図である。
【図2】 空調制御の概要を示すメイン・フローチャート図である。
【図3】 ブロワの風量制御の手順を示すフローチャート図である。
【図4】 車速に対応付けてブロワ出力電圧の補正量(車速補正値)を設定したテーブルの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
A 車両用空調装置
S 車両用空調制御装置
8 ブロワ
30 コントローラ(制御手段)
30a 基本制御手段
30b 車速補正手段
30c 補正量低減手段
30d 判定手段
34 車速センサ(検出手段)

Claims (5)

  1. 車室の温度状態が目標値に近づくように該車室内へ供給する調和空気の少なくとも温度及び風量を制御する基本制御手段と、
    車速を検出する検出手段と、
    外気導入時に、車速の上昇によらず調和空気の風量が略一定に保たれるように、前記検出手段による車速の検出値に基づいて、前記基本制御手段によるブロワの制御を、車速の上昇に応じてブロワモータへの供給電力が低下するように補正する車速補正手段と、を備えた車両用空調制御装置において、
    調和空気の少なくとも一部を車両のフロントウインドウガラス裏面に向けて吹出す所定吹出しモードのときに、前記車速補正手段によるブロワ制御の補正量を低減させる補正量低減手段を備えたことを特徴とする車両用空調制御装置。
  2. 請求項1において、
    補正量低減手段は、車速補正手段によるブロワ制御の補正量を所定割合だけ低減させるものであることを特徴とする車両用空調制御装置。
  3. 請求項1において、
    補正量低減手段は、車速補正手段によるブロワ制御の補正量を零にするものであることを特徴とする車両用空調制御装置。
  4. 請求項2又は3のいずれかにおいて、
    フロントウインドウの曇りが発生し得る所定環境下にあることを判定する判定手段をさらに備え、
    補正量低減手段は、前記判定手段により前記所定環境下にあると判定されたときにのみ、ブロワ制御の補正量を低減させるように構成されていることを特徴とする車両用空調制御装置。
  5. 請求項1において、
    フロントウインドウの曇り易さの程度を推定する推定手段をさらに備え、
    補正量低減手段は、前記推定手段により推定される曇り易さの程度に応じて、より曇り易いときほどブロワ制御の補正量の低減度合いを大きくするように構成されていることを特徴とする車両用空調制御装置。
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