JP6453574B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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本発明は、例えば自動車等に搭載される車両用空調装置に関するものである。
従来より、この種の車両用空調装置は、車室内の空気(内気)と車室外の空気(外気)を選択して空調ケーシングに導入することができるように構成されている。また、導入された空気は熱交換器等によって温度調節された後、空調ケーシングに形成されたデフロスタ吹出口、ベント吹出口、ヒート吹出口の内、選択された吹出口から車室に吹き出すようになっている。
特許文献1、2の車両用空調装置は、内気を導入して温度調節した後、車室内に供給する内気循環モードと、外気を導入して温度調節した後、車室内に供給する外気導入モードと、内気及び外気の両方を導入して温度調節した後、車室内に供給する内外気混入モードとの3つのインテークモードに切り替えることができるように構成されている。そして、車室内外の状態(車室内温度、外気温度、日射量)と乗員が設定した設定温度とに基づいてインテークモード、吹出モード、風量、吹出温度等を自動で設定するオートエアコン制御が行われる。
特許文献1では、内外気混入モードにおいて外気と内気の導入割合を変更することができるとともに、湿度センサで測定した車室内湿度が20%以下ならば内気循環モードとし、50%ならば外気導入モードとしている。
特許文献2では、窓ガラスが曇り易いか否かを判定する判定手段を設け、窓ガラスが曇り難いと判定手段が判定すると、少なくとも内気を循環させ、窓ガラスが曇り易いと判定手段が判定すると、外気導入モードとして窓ガラスに曇りが生じるのを防止するようにしている。さらに、内外気混入モードにおける内気循環量を段階的に増加させる制御モード、内気及び外気の比率を持続する制御モード、及び内外気混入モードにおける外気の導入量を段階的に増加させる制御モードを備えており、窓ガラスの曇り易さに基づいて制御モードを選択するようにしている。窓ガラスが曇らない範囲で内気循環量を高めることで換気量が減少して暖房に要するエネルギ消費量を少なくすることができる利点がある。
特公平1−27891号公報 特許第5152355号公報
ところで、車両の一般的な使用状況を想定すると、走行時には走行風が窓ガラスに当たることによって窓ガラスの温度が低下し、停止すると車室内の熱によって窓ガラスが暖められて窓ガラスの温度が上昇する。特に、停止状態から走行状態になると車速にもよるが窓ガラスの温度が急に低下して曇り易い状態となる。その他にも環境的な要因によって窓ガラスの曇り易さが急に変化することは十分に考えられる。
しかしながら、特許文献1、2では、内外気混入モードにおける内気循環量及び外気導入量を、窓ガラスの曇り易さを予測して制御しているので、上述のように窓ガラスの曇り易さが急に変化した場合に対応できず、窓ガラスが曇ってしまう恐れがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、暖房に要するエネルギ消費量を減らす必要のないときには内気循環量を減らすことで、窓ガラスの曇り易さが急に変化した場合であっても、窓ガラスに曇りが発生し難くすることにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、
車室内の空気の循環量と、車室外の空気の導入量とを変更するインテーク部と、
上記インテーク部から導入された空気を加熱する加熱器を有する温度調節部と、
上記温度調節部で温度調節された調和空気を車室の各部に供給する吹出方向切替部と、
車両の窓ガラスの曇り易さを検出し、この検出結果に基づいて窓ガラスが曇り易い場合には外気導入量を増やす一方、窓ガラスが曇り難い場合には内気循環量を増やすように構成された制御装置とを備えた車両用空調装置において、
上記加熱器にエンジン排熱によって供給される供給熱量を検出する供給熱量検出手段と、
上記加熱器が空気を加熱することによって消費する消費熱量を検出する消費熱量検出手段とを備え、
上記制御装置は、暖房時に車室内の空気と車室外の空気を上記温度調節部に導入する場合に、上記供給熱量検出手段で検出された上記加熱器への供給熱量に基づいて外気導入量を変更するとともに、上記消費熱量検出手段で検出された上記加熱器の消費熱量に基づいて外気導入量を変更し、さらに、車両の窓ガラスの曇り易さに基づいて設定した外気導入量と、上記供給熱量検出手段で検出された上記加熱器への供給熱量に基づいて設定した外気導入量と、上記消費熱量検出手段で検出された上記加熱器の消費熱量に基づいて設定した外気導入量との内、最も多い外気導入量を選択して上記インテーク部を制御するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、暖房時に車室内の空気を温度調節部に導入して温度調節するようにしたので、換気量が減少して暖房に要するエネルギ消費量が少なくて済む。そして、供給熱量検出手段で検出された加熱器への供給熱量に基づいて外気導入量を変更するようにしているので、例えば、加熱器への供給熱量が多い場合に、エンジン排熱が多く、暖房エネルギを減らす要求度合いが減るため、外気導入量を増やすようにすることが可能になる。このようにした場合、窓ガラスの晴れ性に有利な外気導入量が増えることで、環境的な要因によって窓ガラスの曇り易さが急に変化しても窓ガラスに曇りが発生し難くなる。
また、車両の窓ガラスの曇り易さに基づいて設定した外気導入量と、加熱器への供給熱量に基づいて設定した外気導入量と、加熱器の消費熱量に基づいて設定した外気導入量との内、最も多い外気導入量で制御することで、窓ガラスの曇りを抑制することが可能になる。
第2の発明は、上記制御装置は、上記供給熱量検出手段で検出された上記加熱器への供給熱量が多いほど外気導入量を多くするように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、供給熱量が多いときはエンジン排熱が多く、暖房に要するエネルギ量を減らす要求度合いが減るため、外気導入量を増やして窓ガラスに曇りが発生しないようにすることが可能になる。
の発明は、
車室内の空気の循環量と、車室外の空気の導入量とを変更するインテーク部と、
上記インテーク部から導入された空気を加熱する加熱器を有する温度調節部と、
上記温度調節部で温度調節された調和空気を車室の各部に供給する吹出方向切替部と、
車両の窓ガラスの曇り易さを検出し、この検出結果に基づいて窓ガラスが曇り易い場合には外気導入量を増やす一方、窓ガラスが曇り難い場合には内気循環量を増やすように構成された制御装置とを備えた車両用空調装置において、
上記加熱器が空気を加熱することによって消費する消費熱量を検出する消費熱量検出手段を備え、
上記制御装置は、暖房時に車室内の空気と車室外の空気を上記温度調節部に導入する場合に、上記消費熱量検出手段で検出された上記加熱器の消費熱量が少ないほど外気導入量を多くするように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、暖房時に車室内の空気を温度調節部に導入して温度調節するようにしたので、換気量が減少して暖房に要するエネルギ消費量が少なくて済む。そして、消費熱量検出手段で検出された加熱器の消費熱量に基づいて外気導入量を変更するようにしているので、例えば、加熱器での消費熱量が少ない場合に、暖房に要するエネルギ消費量自体が少なく、エネルギを減らす要求度合いが減るため、外気導入量を増やすようにすることが可能になる。このようにした場合、窓ガラスの晴れ性に有利な外気導入量が増えることで、環境的な要因によって窓ガラスの曇り易さが急に変化しても窓ガラスに曇りが発生し難くなる。
また、消費熱量が少ないときは暖房に要するエネルギ消費量自体が少なく、エネルギを減らす要求度合いが減るため、外気導入量を増やして窓ガラスに曇りが発生し難くすることが可能になる。
の発明は、第1または2の発明において、
上記供給熱量検出手段は、上記加熱器の温度状態を検出する検出センサであることを特徴とする。
この構成によれば、加熱器に供給される熱量を簡単な構成で得ることが可能になる。
の発明は、第の発明において、
上記車両用空調装置は、空気を冷却する冷却器を備え、該冷却器により冷却された冷風と上記加熱器により加熱された温風との混合割合を調整するように構成され、
上記消費熱量検出手段は、冷風と温風との混合割合を検出するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、温風の混合割合が増加した場合には加熱器の消費熱量が増加することになり、反対に、温風の混合割合が減少した場合には加熱器の消費熱量が減少することになる。この混合割合を検出することで、簡単な構成によって加熱器の消費熱量を得ることが可能になる。
の発明は、第1からのいずれか1つの発明において、
冷凍サイクルと、
車室外の空気温度を検出する外気温度センサと、
車室内の空気温度を検出する内気温度センサと、
上記冷凍サイクルが作動状態にあるか否かを検出する冷凍サイクル作動状態検出手段と、
上記冷凍サイクルが有する冷媒蒸発器の温度状態を検出する蒸発器温度検出手段とを備え、
上記制御装置は、上記冷凍サイクル作動状態検出手段により上記冷凍サイクルが作動状態にあると検出された場合に、上記外気温度センサで検出された車室外の空気温度及び上記蒸発器温度検出手段で検出された上記冷媒蒸発器の温度状態を比較するとともに、上記内気温度センサで検出された車室内の空気温度及び上記蒸発器温度検出手段で検出された上記冷媒蒸発器の温度状態を比較し、車室外の空気と車室内の空気との内、上記蒸発器温度検出手段で検出された上記冷媒蒸発器の温度状態に近い温度の空気を導入するように上記インテーク部を制御するように構成されていることを特徴とする。
すなわち、冷凍サイクルの作動時にはインテーク部に導入された空気が冷媒蒸発器で冷却されて除湿されるので、窓ガラスに曇りが発生し難い状況になる。このときに冷凍サイクルの冷媒蒸発器の温度状態に近い空気をインテーク部に導入することで、冷媒蒸発器による冷却負荷が軽減されてエネルギ消費量が少なくなる。
第1の発明によれば、暖房時に車室内の空気と車室外の空気を導入する場合に、加熱器への供給熱量に基づいて外気導入量を変更するようにしたので、環境的な要因によって窓ガラスの曇り易さが急に変化した場合であっても、暖房エネルギ削減の要求度合いに応じて窓ガラスに曇りが発生し難くすることができる。
また、車両の窓ガラスの曇り易さに基づいて設定した外気導入量と、加熱器への供給熱量に基づいて設定した外気導入量と、加熱器の消費熱量に基づいて設定した外気導入量との内、最も多い外気導入量で制御することで、窓ガラスの曇りを抑制できる。
第2の発明によれば、加熱器への供給熱量が多いほど外気導入量を多くすることで、暖房エネルギ削減の要求度合いが低いときには、より窓ガラスに曇りが発生し難くすることができる。
の発明によれば、暖房時に車室内の空気と車室外の空気を導入する場合に、加熱器の消費熱量に基づいて外気導入量を変更するようにしたので、環境的な要因によって窓ガラスの曇り易さが急に変化した場合であっても、暖房エネルギ削減の要求度合いに応じて窓ガラスに曇りが発生し難くすることができる。
第4の発明によれば、加熱器の温度状態を検出する検出センサを設けることで、加熱器に供給される熱量を簡単な構成で得ることができる。
の発明によれば、消費熱量検出手段が冷風と温風との混合割合を検出するように構成されているので、加熱器の消費熱量を簡単な構成で得ることができる。
の発明によれば、冷凍サイクルの冷媒蒸発器の温度状態に近い温度の空気をインテーク部に導入するようにしたので、窓ガラスの曇りを抑制しながら、エネルギ消費量を少なくすることができる。
実施形態に係る車両用空調装置の概略構成図である。 車両用空調装置のブロック図である。 制御装置による制御内容を示すフローチャートである。 第1インテークドア補正開度を算出するグラフである。 第2インテークドア補正開度を算出するグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用空調装置1の概略構成図である。この車両用空調装置1は、例えば自動車等の車両に搭載されるものであり、車室内の空気(内気)と車室外の空気(外気)との一方または両方を導入して温度調節した後、車室の各部に供給するように構成されている。車両の車室内には、図示しないが、運転席及び助手席からなる前席と、前席の後方に配設される後席とが設けられている。
車両用空調装置1は、空調ケーシング10と、冷凍サイクルHと、制御装置(図2に示す)30とを備えている。空調ケーシング10は、例えば車室の前端部に配設されたインストルメントパネル(図示せず)の内部に収容されている。空調ケーシング10は、空気流れ方向上流側から下流側に向かって順に、インテーク部11と、温度調節部12と、吹出方向切替部13とを備えている。インテーク部11には、外気導入口11aと内気導入口11bとが形成されている。外気導入口11aは、例えば図示しないインテークダクトを介して車室外と連通しており、外気を導入するようになっている。内気導入口11bは、インストルメントパネルの内部で開口しており、内気を導入するようになっている。
インテーク部11の内部には、外気導入口11aと内気導入口11bを開閉するインテークドア11cが配設されている。インテークドア11cは、例えば板状の部材で構成することができ、インテーク部11の側壁に対して回動可能に支持されている。インテークドア11cは、内外気切替アクチュエータ11dによって任意の回動角度となるように駆動される。これによりインテークモードが切り替えられる。内外気切替アクチュエータ11dは、制御装置30によって制御される。
例えば、図1に実線で示すように外気導入口11aを全閉にし、かつ、内気導入口11bを全開にするまでインテークドア11cを回動させると、インテークモードが内気循環モードとなる。このときのインテークドア11cの開度は100%とする。一方、図1に仮想線で示すように外気導入口11aを全開にし、かつ、内気導入口11bを全閉にするまでインテークドア11cを回動させると、インテークモードが外気導入モードとなる。このときのインテークドア11cの開度は0%とする。そして、インテークドア11cの開度が1%〜99%の間にあるときには、外気導入口11aと内気導入口11bの両方が開状態となり、内気と外気の両方が温度調節部12に導入される。このインテークモードが内外気混入モードである。内外気混入モード時には、インテークドア11cの開度によって内気と外気の導入比率、即ち、内気循環量と外気導入量とが変更される。インテークモードの切替制御の詳細は後述する。
インテーク部11には、送風機15が設けられている。送風機15は、ファン15aと、ファン15aを駆動するブロアモータ15bとを備えている。ファン15aが回転することによって内気及び外気の少なくとも一方がインテーク部11に導入された後、温度調節部12に送風される。ブロアモータ15bは、印加される電圧を変更することで単位時間当たりの回転数を調整することができるように構成されている。このブロアモータ15bの回転数によって送風量が変化するようになっている。ブロアモータ15bは、制御装置30によって制御されるので、制御装置30は、ブロアモータ15bへの印加電圧に基づいて、調和空気の車室内への吹出風量を間接的に得ることができる。
温度調節部12は、インテーク部11から導入された空気の温度調節を行うための部分である。温度調節部12の内部には、冷却用熱交換器(冷却器)16と加熱用熱交換器(加熱器)17とエアミックスドア18とが配設されている。すなわち、温度調節部12の内部には、空気流れ方向上流側に冷風通路R1が形成され、この冷風通路R1に冷却用熱交換器16が収容されている。また、冷風通路R1の下流側は温風通路R2とバイパス通路R3とに分岐しており、温風通路R2に加熱用熱交換器17が収容されている。
冷却用熱交換器16は、冷凍サイクルHの冷媒蒸発器で構成されている。冷凍サイクルHは、従来から車両用空調装置に用いられているものであり、冷却用熱交換器16の他に、冷媒圧縮機2、冷媒凝縮器3及び膨張弁4を備えていて、これらが冷媒配管によって接続されて冷凍サイクルを構成している。冷媒圧縮機2は、電動モータで駆動されるものであってもよいし、車両のエンジンで駆動されるものであってもよい。
また、加熱用熱交換器17は、例えばエンジン排熱によって加温されたエンジン冷却水が供給されるヒータコア等で構成することができる。また、電気式ヒータを補助熱源として付加することもできる。
この実施形態では、加熱用熱交換器17がヒータコアである場合について説明する。加熱用熱交換器17には、図示しないが、車両に搭載されているエンジンのウォータジャケットに連通するヒータ配管が接続されており、エンジンのウォータポンプの動作によってエンジン冷却水が循環するようになっている。
エアミックスドア18は、冷却用熱交換器16と加熱用熱交換器17の間に配設されており、温風通路R2の上流端とバイパス通路R3の上流端とを開閉するものである。エアミックスドア18は、例えば板状の部材で構成することができ、温度調節部12の側壁に対して回動可能に支持されている。エアミックスドア18は、エアミックスアクチュエータ18aによって任意の回動角度となるように駆動される。エアミックスアクチュエータ18aは、制御装置30によって制御される。
エアミックスドア18が温風通路R2の上流端を全開にし、かつ、バイパス通路R3の上流端を全閉にすると、冷風通路R1で生成された冷風の全量が温風通路R2に流入して加熱されるので、吹出方向切替部13には温風が流入する。一方、エアミックスドア18が温風通路R2の上流端を全閉にし、かつ、バイパス通路R3の上流端を全開にすると、冷風通路R1で生成された冷風の全量がバイパス通路R3に流入するので、吹出方向切替部13には冷風が流入する。エアミックスドア18が温風通路R2の上流端及びバイパス通路R3の上流端を開く回動位置にあるときには、冷風及び温風が混合した状態で吹出方向切替部13に流入することになる。エアミックスドア18の回動位置によって吹出方向切替部13に流入する冷風量と温風量との混合割合が調整されて所望温度の調和空気が生成される。
制御装置30には、エアミックスドア18の開度を検出するエアミックスドア開度検出部30aが設けられている。エアミックスドア18の開度を検出することで、温風の割合が多いか少ないかを把握することができる。温風の割合が多い場合には、加熱用熱交換器17から奪う熱量が多くなるので、加熱用熱交換器17が空気を加熱することによって消費する消費熱量が多くなる。一方、温風の割合が少ない場合には、加熱用熱交換器17から奪う熱量が少なくなるので、加熱用熱交換器17が空気を加熱することによって消費する消費熱量が少なくなる。つまり、エアミックスドア18の開度を検出すれば、加熱用熱交換器17が空気を加熱することによって消費する消費熱量を間接的に得ることが可能になる。エアミックスドア開度検出部30aは、本発明の消費熱量検出手段である。
尚、エアミックスドア18は、上記した板状のドアに限られるものではなく、冷風量と温風量との混合割合を調整することができる構成であればその構成はどのような構成であってもよい。例えばロータリドアやフィルムドア等であってもよい。また、温度調節の構成は上記した構成でなくてもよく、冷風量と温風量とを変更することができる構成であればよい。
吹出方向切替部13は、温度調節部12で温度調節された調和空気を車室の各部に供給するための部分である。吹出方向切替部13には、デフロスタ吹出口21と、ベント吹出口22と、ヒート吹出口23とが形成されている。デフロスタ吹出口21は、インストルメントパネルに形成されたデフロスタノズル24に接続されている。このデフロスタ吹出口21は、フロントウインドガラス(窓ガラス)Gの車室内面に調和空気を供給するためのものである。デフロスタ吹出口21の内部には、デフロスタ吹出口21を開閉するためのデフロスタドア21aが設けられている。
ベント吹出口22は、インストルメントパネルに形成されたベントノズル25に接続されている。ベントノズル25は、前席の乗員の上半身に調和空気を供給するためのものであり、インストルメントパネルの車幅方向中央部と、左右両側にそれぞれ設けられている。ベント吹出口22の内部には、ベント吹出口22を開閉するためのベントドア22aが設けられている。
ヒート吹出口23は、乗員の足元近傍まで延びるヒートダクト26に接続されている。ヒートダクト26は、乗員の足元に調和空気を供給するためのものである。ヒート吹出口23の内部には、ヒート吹出口23を開閉するためのヒートドア23aが設けられている。
デフロスタドア21a、ベントドア22a及びヒートドア23aは吹出方向切替アクチュエータ27によって駆動されて開閉動作する。吹出方向切替アクチュエータ2は、制御装置30によって制御される。デフロスタドア21a、ベントドア22a及びヒートドア23aは、図示しないがリンクを介して連動するようになっており、例えば、デフロスタドア21aが開状態で、ベントドア22a及びヒートドア23aが閉状態となるデフロスタモード、デフロスタドア21a及びヒートドア23aが閉状態で、ベントドア22aが開状態となるベントモード、デフロスタドア21a及びベントドア22aが閉状態で、ヒートドア23aが開状態となるヒートモード、デフロスタドア21a及びベントドア22aが開状態で、ヒートドア23aが閉状態となるデフベントモード、デフロスタドア21a及びヒートドア23aが開状態で、ベントドア22aが閉状態となるバイレベルモード等の複数の吹出モードの内、任意の吹出モードに切り替えられる。
図2に示すように、車両用空調装置1には、外気温度センサ31、内気温度センサ32、日射量センサ33、冷却水温センサ34、エバポレータセンサ35、フロントウインド温度センサ36、フロントウインド近傍温度センサ37、フロントウインド近傍湿度センサ38、操作スイッチ39、乗員センサ40及び車速センサ41を備えている。これらセンサ31〜38、40、41は制御装置30に接続され、制御装置30へ信号を出力している。また、操作スイッチ39も制御装置30に接続されており、乗員による操作状態を制御装置30が検出できるようになっている。
外気温度センサ31は、例えば車室外において車両前部や側部等に配設されており、車両の周囲の空気温度(外気温度)を検出するものである。内気温度センサ32は、例えば車室内においてインストルメントパネルの近傍等に配設されており、車室内の空気温度(内気温度)を検出するものである。日射量センサ33は、例えば車室内においてインストルメントパネルの近傍等に配設されており、車室に照射される日射量を検出するものである。
内気温度センサ32、外気温度センサ31及び日射量センサ33は、乗員が感じる冷熱に関連する情報を検出するものである。すなわち、内気温度センサ32から出力される内気温度は、乗員の雰囲気温度と略等しい温度であり、内気温度が高いということは乗員が暖かいと感じ、内気温度が低いということは乗員が寒いと感じる。また、外気温度センサ31から出力される外気温度が高いと乗員が暖かいと感じ、外気温度が低いと乗員が寒いと感じる。さらに、日射量センサ33から出力される日射量が多いと乗員が暖かいと感じ、日射量が少ないと乗員が寒いと感じる。
冷却水温センサ34は、車両に搭載されているエンジンの冷却水の温度を検出するものであり、この冷却水温センサ34により、加熱用熱交換器17に流入するエンジンの冷却水の温度を推定することができるので、加熱用熱交換器17の温度状態(加熱用熱交換器17の表面温度)を検出することができる。
エンジンの冷却水は、空気を加熱するための熱量を加熱用熱交換器17に供給する熱搬送媒体である。エンジンの冷却水の温度により、加熱用熱交換器17に供給される単位時間当たりの熱量(供給熱量)が変化することになるので、本発明の供給熱量検出手段は冷却水温センサ(検出センサ)34で構成されることになる。エンジンの冷却水の温度は、例えば渋滞中のように走行風が少ない状態では上昇し易くなり、長い下り坂等では低下し易くなる。
尚、加熱用熱交換器17を冷媒凝縮器で構成する場合には、例えば、冷媒の温度状態や圧力状態等を検出するセンサによって供給熱量検出手段を構成することができる。
エバポレータセンサ35は、冷却用熱交換器16の空気流れ方向下流側に配設されており、冷却用熱交換器16の温度状態(冷却用熱交換器16の表面温度)を検出する蒸発器温度検出手段である。
フロントウインド温度センサ36は、フロントウインドガラスGの車室内面に配設されており、フロントウインドガラスGの車室内面の温度を検出するものである。フロントウインド近傍温度センサ37は、フロントウインドガラスGの車室内面から離れ、かつ、該内面近傍に配設されており、フロントウインドガラスGの車室内面近傍の温度を検出するものである。フロントウインド近傍湿度センサ38は、フロントウインドガラスGの車室内面から離れ、かつ、該内面近傍に配設されており、フロントウインドガラスGの車室内面近傍の湿度を検出するものである。
操作スイッチ39は、例えばインストルメントパネル等に配設されて制御装置30に接続されており、例えば、空調装置1のON/OFFの切替スイッチ、冷凍サイクルHのON/OFFを切り替えるためのエアコンスイッチ5(図1及び2に示す)、送風量を増減させる風量切替スイッチ(図示せず)、車室の温度を設定する温度設定スイッチ(図示せず)、内気循環、外気導入及び内外気混入モードを切り替える内外気切替スイッチ(図示せず)、オートエアコン制御とするか否かを選択するオートスイッチ(図示せず)、吹出方向を切り替える吹出モード切替スイッチ(図示せず)、デフロスタスイッチ(図示せず)等で構成されている。
エアコンスイッチ5をONにすると、冷媒圧縮機2が作動して冷凍サイクルHが作動状態となり、OFFにすると冷媒圧縮機2が停止して冷凍サイクルHが非作動状態となる。制御装置30には、冷凍サイクルHが作動中であるか否か(作動状態)を検出するための冷凍サイクル作動状態検出部(冷凍サイクル作動状態検出手段)30bが設けられている。冷凍サイクル作動状態検出部30bは、エアコンスイッチ5のON/OFFを検出することによって冷凍サイクルHが作動中であるか否かを検出するようにしている。
乗員センサ40は、前席に乗員が着座しているか否かを検出するとともに、後席に乗員が着座しているか否かも検出することができるものである。具体的には、例えば前席及び後席のシートクッション部にそれぞれ感圧センサを内蔵しておき、この感圧センサによって乗員が着座しているか否かを検出することができる。また、前席及び後席のシートベルトが装着状態にあるか否かを検出するセンサが一般の車両に設けられているので、このセンサを利用してシートベルトが装着状態にあれば乗員が着座していることを検出できる。車速センサ41は、車両の速度を検出することができるものであり、従来から周知のセンサ類を使用することができる。
制御装置30は、上記センサ31〜38、40、41から出力される信号(出力値)と、操作スイッチ39の操作状態とに基づいて、内外気切替アクチュエータ11d、エアミックスアクチュエータ18a、吹出方向切替アクチュエータ27及びブロアモータ15bを制御する。すなわち、操作スイッチ39のオートスイッチによってオートエアコン制御が選択されて冷凍サイクルHがONにされた場合には、車室外の温度、車室内の温度、日射量、エンジン冷却水温度、冷却用熱交換器16の表面温度、設定温度等に基づいて、車室内に供給する調和空気の目標吹出温度を決定するとともに、この目標吹出温度となるようにエアミックスドア18の開度を演算し、エアミックスドア18がこの開度となるようにエアミックスアクチュエータ18aを制御してエアミックスドア18を回動させる。これにより、調和空気の温度が目標吹出温度となる。冷凍サイクルHがONにされている場合には、冷却用熱交換器16の表面温度が下がって空気が除湿される。
尚、冬場のように気温が低い場合には、冷凍サイクルHが乗員によって非作動状態とされることがある。この場合であっても、車室内に供給する調和空気の目標吹出温度を決定して目標吹出温度となるようにエアミックスドア18の開度を演算し、エアミックスアクチュエータ18aを制御してエアミックスドア18を回動させるが、冷却用熱交換器16の表面温度が下がらないので、除湿効果は期待できない。
また、制御装置30は、冷房時には吹出モードが主にベントモードとなるように吹出方向切替アクチュエータ27を制御し、暖房時には吹出モードが主にヒートモードとなるように吹出方向切替アクチュエータ27を制御する。また、冷房時や暖房時であっても弱めの場合には、バイレベルモードやデフベントモードとなるように吹出方向切替アクチュエータ27を制御する。さらに、操作スイッチ39が有するデフロスタスイッチがONにされると、吹出モードがデフロスタモードとなるように吹出方向切替アクチュエータ27を制御する。
例えば冬季に長時間放置された車両で暖房を行う場合や、夏季で長時間放置された車両で冷房を行う場合には、目標吹出温度と内気温度との差が大きくなる。このような場合には、制御装置30は、風量が多くなるようにブロアモータ15bを制御するが、乗員が風量切替スイッチを操作して好みの風量にすることもできるようになっている。また、オートエアコン制御では、目標吹出温度と内気温度との差が小さくなるにつれて風量が少なくなるようにブロアモータ15bを制御する。ブロアモータ15bの制御は印加電圧の変更によって行われるが、これに限られるものではなく、ブロアモータ15bの回転数を変更できればよい。
制御装置30によるブロアモータ15bの制御及び吹出モードの切替制御によって乗員の上半身への送風量を検出することができる。すなわち、吹出モードがベントモードである場合には、主に乗員の上半身へ調和空気が送風されることになり、このベントモード時におけるブロアモータ15bへの印加電圧を検出することで乗員の上半身への送風量を検出することができる。また、ヒートモード時には、ベントモード時に比べて全体的に乗員の上半身への送風量が少なくなり、このことも制御装置30によって検出できる。
また、制御装置30は、図3に示すフローチャートの手順に従って内外気切替アクチュエータ11dを制御する。この制御は、空調装置1がONとされて制御装置30が暖房を行う必要があると判断した場合に、所定のタイミングで繰り返されている。尚、冷房時には、基本的には乗員が選択したモードとなるように内外気切替アクチュエータ11dを制御する。
スタート後のステップSA1では、各センサ31〜38、40、41の出力値を読み込むとともに、操作スイッチ39の操作状態を読み込む。ステップSA1に続くステップSA2では、上述のようにして、吹出モード、風量(ブロアモータ15bへの印加電圧)、エアミックスドア18の開度を決定するとともに、操作スイッチ39の内外気切替スイッチの操作状態から目標インテークモードを決定する。目標インテークモードは、後述する制御手順の中で使用されるものであり、インテークモードが目標インテークモードにただちに切り替えられるわけではない。内外気切替スイッチが外気導入モードを選択している場合には、目標インテークモードを外気導入モードとし、内気循環モードを選択している場合には、目標インテークモードを内気循環モードとし、内外気混入モードを選択している場合には、目標インテークモードを内外気混入モードとする。
そして、ステップSA3では、周知の手法に従って目標露点温度と露点温度を演算する。
目標露点温度は、フロントウインド温度センサ36から出力されるフロントウインドガラスGの車室内面の温度よりも低い温度とする。例えば、フロントウインドガラスGの車室内面の温度が10℃の場合、それよりも2〜3℃程度低い温度を目標露点温度とする。また、フロントウインド近傍温度センサ37から出力されるフロントウインドガラスGの車室内面近傍の温度と、フロントウインド近傍湿度センサ38から出力されるフロントウインドガラスGの車室内面近傍の湿度とに基づいて露点温度を得る。
ステップSA4では、目標インテークモードが内気循環モードであるか否かを判定する。ステップSA4でYESと判定されて目標インテークモードが内気循環モードである場合には、乗員が外気を導入したくない状況であると考えられるので、ステップSA5に進んで目標インテークモードを内気循環モードにし、ステップSA13で内外気切替アクチュエータ11dに制御信号を出力する。内外気切替アクチュエータ11dは、内気循環モードとなるようにインテークドア11cを回動させる。これにより、車室内に外気が導入されることはない。
ステップSA4でNOと判定されて目標インテークモードが外気導入モードまたは内外気混入モードである場合には、ステップSA6に進む。ステップSA6では、冷凍サイクルHが作動状態にあるか否か、即ち、エアコンスイッチがONとされているか否かを検出して判定する。このステップSA6では冷凍サイクル作動状態検出部30bから出力される信号に基づいて判定される。
ステップSA6でYESと判定されて冷凍サイクルHが作動状態にある場合には、ステップSA7に進む。ステップSA7では、エバポレータセンサ35で検出されたエバポレータ温度と、内気温度センサ32で検出された内気温度と、外気温度センサ31で検出された外気温度とを使用して判定を行う。エバポレータ温度から内気温度を引いた値が、エバポレータ温度から外気温度を引いた値以上であるか否かを判定する。
ステップSA7でYESと判定されて、エバポレータ温度から内気温度を引いた値が、エバポレータ温度から外気温度を引いた値以上である場合には、ステップSA8に進んで目標インテークモードを外気導入モードにし、ステップSA13で内外気切替アクチュエータ11dに制御信号を出力する。内外気切替アクチュエータ11dは、外気導入モードとなるようにインテークドア11cを回動させる。これにより、冷却用熱交換器16の温度状態に近い空気をインテーク部11に導入することになるので、冷却用熱交換器16による冷却負荷が軽減されてエネルギ消費量が少なくなる。
一方、ステップSA7でNOと判定されて、エバポレータ温度から内気温度を引いた値が、エバポレータ温度から外気温度を引いた値未満である場合には、ステップSA9に進む。
また、ステップSA6でNOと判定されて冷凍サイクルHが作動状態にない場合には、冷却用熱交換器16による冷却負荷は関係ないので、ステップSA7の判定を飛ばしてステップSA9に進む。
ステップSA9では、ステップSA3で演算した目標露点温度と露点温度からインテークドア11cの目標開度(INTtrg)を演算する。露点温度が目標露点温度よりも高い場合には、外気導入量を増やすようにインテークドア11cの目標開度(INTtrg)を演算し、露点温度が目標露点温度よりも低い場合には、内気循環量を増やすようにインテークドア11cの目標開度(INTtrg)を演算する。露点温度が目標露点温度よりも高い場合に、その差が大きくなるほど、外気導入量を増やし、また、露点温度が目標露点温度よりも低い場合に、その差が大きくなるほど、内気循環量を増やす。つまり、制御装置30は、フロントウインドガラスGの曇り易さを検出し、基本的には、この検出結果に基づいてフロントウインドガラスGが曇り易い場合には外気導入量を増やす一方、窓ガラスが曇り難い場合には内気循環量を増やすように構成されている。
続くステップSA10では、冷却水温センサ34で検出されたエンジン冷却水温から第1インテークドア補正開度(INTc1)を演算する。第1インテークドア補正開度(INTc1)は、図4に示すグラフに基づいて演算される。エンジン冷却水温が高ければ高いほど第1インテークドア補正開度(INTc1)が小さくなる。第1インテークドア補正開度(INTc1)が小さくなると外気導入量が増える。すなわち、エンジン冷却水温が高いということは加熱用熱交換器16に供給されている供給熱量が多いということであり、この場合に外気導入量が増えることで、加熱用熱交換器16によって外気が十分に加熱されるので、暖房中に乗員に違和感を与えることはない。しかも、フロントウインドガラスGの晴れ性に有利な外気導入量が増えることで、環境的な要因によってフロントウインドガラスGの曇り易さが急に変化してもフロントウインドガラスGに曇りが発生し難くなるようなインテークドア開度となる。
続くステップSA11では、エアミックスドア開度検出部30aで検出されたエアミックスドア18の開度から第2インテークドア補正開度(INTc2)を演算する。第2インテークドア補正開度(INTc2)は、図5に示すグラフに基づいて演算される。エアミックスドア18の開度がCOLD側、温風量の割合が少なくなる側へ行くほど、第2インテークドア補正開度(INTc2)が小さくなる一方、エアミックスドア18の開度がHOT側、温風量の割合が多くなる側へ行くほど、第2インテークドア補正開度(INTc2)が大きくなる。第2インテークドア補正開度(INTc2)が小さくなると外気導入量が増える。すなわち、温風量の割合が少なくなると加熱用熱交換器17での消費熱量が少なくなるということであり、この場合に外気導入量が増えることで、加熱用熱交換器16によって外気が十分に加熱されるので、暖房中の乗員に違和感を与えることはない。しかも、フロントウインドガラスGの晴れ性に有利な外気導入量が増えることで、環境的な要因によってフロントウインドガラスGの曇り易さが急に変化してもフロントウインドガラスGに曇りが発生し難くなるようなインテークドア開度となる。
続くステップSA12では、インテークモードを内外気混入モードとした上で、インテークドア11cの目標開度(INTtrg)、第1インテークドア補正開度(INTc1)及び第2インテークドア補正開度(INTc2)の内、最も小さい開度(最も外気導入量が多い開度)をインテーク開度として選択した後、ステップSA13に進んで内外気切替アクチュエータ11dに制御信号を出力する。内外気切替アクチュエータ11dは、ステップSA12で選択した開度となるようにインテークドア11cを回動させる。これにより外気導入量が多くなるので、フロントウインドガラスGの曇りを抑制することが可能になる。
以上説明したように、この実施形態に係る車両用空調装置1によれば、暖房時に車室内の空気を温度調節部13に導入して温度調節するようにしたので、換気量が減少して暖房に要するエネルギ消費量が少なくて済む。そして、加熱用熱交換器17への供給熱量が多い場合に外気導入量を増やすようにしている。これにより、供給熱量が多い加熱用熱交換器17によって外気が十分に加熱されるので、暖房中の乗員に違和感を与えることはない。しかも、フロントウインドガラスGの晴れ性に有利な外気導入量が増えることで、環境的な要因によってフロントウインドガラスGの曇り易さが急に変化してもフロントウインドガラスGに曇りが発生し難くなる。
また、加熱用熱交換器16の消費熱量が少ない場合に外気導入量を増やすようにしている。これにより、消費熱量が少ない加熱用熱交換器16によって外気が十分に加熱されるので、暖房中の乗員に違和感を与えることはない。しかも、フロントウインドガラスGの晴れ性に有利な外気導入量が増えることで、環境的な要因によってフロントウインドガラスGの曇り易さが急に変化してもフロントウインドガラスGに曇りが発生し難くなる。
上記実施形態では、冷却水温センサ34で検出されたエンジン冷却水温から第1インテークドア補正開度(INTc1)を演算し、エアミックスドア開度検出部30aで検出されたエアミックスドア18の開度から第2インテークドア補正開度(INTc2)を演算するようにしているが、第1インテークドア補正開度(INTc1)と、第2インテークドア補正開度(INTc2)との内、一方の補正開度のみを演算するようにしてもよい。この場合、ステップSA12に相当するステップにおいて、上記演算した補正開度と目標開度(INTtrg)とを比較して開度が小さい方を選択すればよい。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る車両用空調装置は、例えば自動車の車室内を空調する場合に使用することができる。
1 車両用空調装置
11 インテーク部
11a 外気導入口
11b 内気導入口
11c インテークドア
12 温度調節部
13 吹出方向切替部
30 制御装置
30a エアミックスドア開度検出部(消費熱量検出手段)
30b 冷凍サイクル作動状態検出部(冷凍サイクル作動状態検出手段)
31 外気温度センサ
32 内気温度センサ
33 日射量センサ
34 冷却水温センサ(供給熱量検出手段)
40 乗員センサ
41 車速センサ
G フロントウインドガラス(窓ガラス)

Claims (6)

  1. 車室内の空気の循環量と、車室外の空気の導入量とを変更するインテーク部と、
    上記インテーク部から導入された空気を加熱する加熱器を有する温度調節部と、
    上記温度調節部で温度調節された調和空気を車室の各部に供給する吹出方向切替部と、
    車両の窓ガラスの曇り易さを検出し、この検出結果に基づいて窓ガラスが曇り易い場合には外気導入量を増やす一方、窓ガラスが曇り難い場合には内気循環量を増やすように構成された制御装置とを備えた車両用空調装置において、
    上記加熱器にエンジン排熱によって供給される供給熱量を検出する供給熱量検出手段と、
    上記加熱器が空気を加熱することによって消費する消費熱量を検出する消費熱量検出手段とを備え、
    上記制御装置は、暖房時に車室内の空気と車室外の空気を上記温度調節部に導入する場合に、上記供給熱量検出手段で検出された上記加熱器への供給熱量に基づいて外気導入量を変更するとともに、上記消費熱量検出手段で検出された上記加熱器の消費熱量に基づいて外気導入量を変更し、さらに、車両の窓ガラスの曇り易さに基づいて設定した外気導入量と、上記供給熱量検出手段で検出された上記加熱器への供給熱量に基づいて設定した外気導入量と、上記消費熱量検出手段で検出された上記加熱器の消費熱量に基づいて設定した外気導入量との内、最も多い外気導入量を選択して上記インテーク部を制御するように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    上記制御装置は、上記供給熱量検出手段で検出された上記加熱器への供給熱量が多いほど外気導入量を多くするように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 車室内の空気の循環量と、車室外の空気の導入量とを変更するインテーク部と、
    上記インテーク部から導入された空気を加熱する加熱器を有する温度調節部と、
    上記温度調節部で温度調節された調和空気を車室の各部に供給する吹出方向切替部と、
    車両の窓ガラスの曇り易さを検出し、この検出結果に基づいて窓ガラスが曇り易い場合には外気導入量を増やす一方、窓ガラスが曇り難い場合には内気循環量を増やすように構成された制御装置とを備えた車両用空調装置において、
    上記加熱器が空気を加熱することによって消費する消費熱量を検出する消費熱量検出手段を備え、
    上記制御装置は、暖房時に車室内の空気と車室外の空気を上記温度調節部に導入する場合に、上記消費熱量検出手段で検出された上記加熱器の消費熱量が少ないほど外気導入量を多くするように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項1または2に記載の車両用空調装置において、
    上記供給熱量検出手段は、上記加熱器の温度状態を検出する検出センサであることを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項に記載の車両用空調装置において、
    上記車両用空調装置は、空気を冷却する冷却器を備え、該冷却器により冷却された冷風と上記加熱器により加熱された温風との混合割合を調整するように構成され、
    上記消費熱量検出手段は、冷風と温風との混合割合を検出するように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載に記載の車両用空調装置において、
    冷凍サイクルと、
    車室外の空気温度を検出する外気温度センサと、
    車室内の空気温度を検出する内気温度センサと、
    上記冷凍サイクルが作動状態にあるか否かを検出する冷凍サイクル作動状態検出手段と、
    上記冷凍サイクルが有する冷媒蒸発器の温度状態を検出する蒸発器温度検出手段とを備え、
    上記制御装置は、上記冷凍サイクル作動状態検出手段により上記冷凍サイクルが作動状態にあると検出された場合に、上記外気温度センサで検出された車室外の空気温度及び上記蒸発器温度検出手段で検出された上記冷媒蒸発器の温度状態を比較するとともに、上記内気温度センサで検出された車室内の空気温度及び上記蒸発器温度検出手段で検出された上記冷媒蒸発器の温度状態を比較し、車室外の空気と車室内の空気との内、上記蒸発器温度検出手段で検出された上記冷媒蒸発器の温度状態に近い温度の空気を導入するように上記インテーク部を制御するように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
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