JP6973991B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車等に搭載される車両用空調装置に関し、特に、車室外の空気と車室内の空気とを空調風として同時に導入して温度調整する技術分野に属する。
一般に、車両用空調装置には、車室内の空気(内気)と車室外の空気(外気)を選択して空調用空気として導入するための内外気切替装置が設けられている。内外気切替装置は、内気を導入する内気導入口と外気を導入する外気導入口とが形成された送風ケーシングを備えている。外気導入口は、車体にカウル等に形成された開口部を介して車室外と連通している。送風ケーシング内に、内気導入口と外気導入口を開閉する内外気切替ダンパが設けられている。導入された空調用空気は冷却用熱交換器や加熱用熱交換器等によって温度調節された後、デフロスタ吹出口、ベント吹出口、ヒート吹出口の内、選択された吹出口から車室に吹き出すようになっている。
特許文献1、2の車両用空調装置は内外気切替ダンパを制御することにより、内気を導入して温度調節した後、車室内に供給する内気循環モードと、外気を導入して温度調節した後、車室内に供給する外気導入モードと、内気及び外気の両方を導入して温度調節した後、車室内に供給する内外気混入モードとの3つのインテークモードに切り替えることができるように構成されている。そして、車室内外の状態(車室内温度、外気温度、日射量)と乗員が設定した設定温度とに基づいてインテークモード、吹出モード、風量、吹出温度等を自動で設定するオートエアコン制御が行われる。
特許文献1では、内外気混入モードにおいて外気と内気の導入割合を変更することができるとともに、湿度センサで測定した車室内湿度が20%以下ならば内気循環モードとし、50%ならば外気導入モードとしている。
特許文献2では、窓ガラスが曇り易いか否かを判定する判定手段を設け、窓ガラスが曇り難いと判定手段が判定すると、少なくとも内気を循環させ、窓ガラスが曇り易いと判定手段が判定すると、外気導入モードとして窓ガラスに曇りが生じるのを防止するようにしている。さらに、内外気混入モードにおける内気循環量を段階的に増加させる制御モード、内気及び外気の比率を持続する制御モード、及び内外気混入モードにおける外気の導入量を段階的に増加させる制御モードを備えており、窓ガラスの曇り易さに基づいて制御モードを選択するようにしている。窓ガラスが曇らない範囲で内気循環量を高めることで換気量が減少して暖房に要するエネルギ消費量を少なくすることができる利点がある。
特公平1−27891号公報 特許第5152355号公報
ところで、上述した内外気混入モードに切り替えられる空調装置を搭載した車両が降雪時に走行している状況を想定すると、窓ガラスが曇らない範囲で内気循環量を高めるべく内外気切替ダンパが作動し、外気導入口と内気導入口との両方が開いた状態なっている場合がある。外気導入口が開いていると、雪がカウルの開口部から外気導入口を介して送風ケーシング内に入ってしまうことが考えられる。特に向かい風の中を走行している場合や高速走行時には、走行風が外気導入口に勢いよく入り込むので、走行風の一部が内気導入口から車室内に流入することがあり、このような外気の流れに乗って外気導入口から入った雪が車室内に入ってしまう恐れがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内外気切替ダンパによって内外気混入モードに切替可能に制御する場合に、雪が走行風に乗って車室内に入りにくくすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、雪が走行風に乗って車室内に入りやすい状況にあるか否かを推定し、その推定結果に基づいて内外気切替ダンパを制御して雪が車室内に入らないようにした。
第1の発明は、
車室内の空気を導入して車室内に循環させる内気導入口と、車室外の空気を導入する外気導入口とが形成された送風ケーシングと、
上記送風ケーシングに設けられ、上記内気導入口及び上記外気導入口を開閉する内外気切替ダンパと、
上記内外気切替ダンパを駆動する内外気切替ダンパ駆動手段と、
上記内外気切替ダンパ駆動手段を制御する制御装置とを備え、
上記制御装置は、車両の窓ガラスの曇り易さを検出し、この検出結果に基づいて上記窓ガラスが曇り易い場合には外気導入量が増える方向に上記内外気切替ダンパを作動させるべく上記内外気切替ダンパ駆動手段を制御し、一方、上記窓ガラスが曇り難い場合には内気循環量が増える方向に上記内外気切替ダンパを作動させるべく上記内外気切替ダンパ駆動手段を制御する内外気混入モードを選択可能に構成された車両用空調装置において、
上記車両用空調装置は、外気温度を検出する外気温度検出手段と、車両のワイパーの作動状態を検出するワイパー作動状態検出手段と、車両の車速を検出する車速検出手段とを備え、
上記制御装置は、上記内外気混入モードが選択されているときに、最初に、上記外気温度検出手段により外気温度が3℃以下であるか否か判定し、外気温度が3℃以下であることが検出された場合には、上記ワイパー作動状態検出手段により車両のワイパーが作動状態であるか否か判定し、車両のワイパーが作動状態であることが検出されると、最後に、上記車速検出手段により車両が走行状態であるか否か判定し、車両が走行状態であることが検出された場合には、車両の窓ガラスの曇り易さの検出結果に基づいて制御された内外気切替ダンパの開度よりも上記内気導入口の開度が小さくなるように上記内外気切替ダンパ駆動手段を制御することを特徴とする。
すなわち、外気温度検出手段により外気温度が所定温度、例えば3℃以下であることが検出された場合には、冬季で雪が降りそうな気温であることが想定され、この場合に、ワイパー作動状態検出手段により車両のワイパーが作動状態であることが検出された場合には、雪が実際に降っていることが想定される。そして、車速検出手段により車両が走行状態であることが検出された場合であって、かつ、内外気混入モードが選択されていると、雪が走行風に乗って外気導入口から送風ケーシングに入ることが考えられる。このとき、例えば向かい風が吹いていると、走行風の勢いが強くなり、送風ケーシングに入った走行風の一部が内気導入口から車室内に流入することがあり、このような走行風の流れに乗って雪が車室内に入ることが考えられるが、この発明では、上述した3つの条件が成立したときに、内外気切替ダンパによる内気導入口の開度が小さくなるので、走行風の車室内への流入が抑制されて雪が車室内に入りにくくなる。
第2の発明は、第1の発明において、
上記制御装置は、上記内外気混入モードが選択されているときに、上記外気温度検出手段により外気温度が3℃以下であることが検出された後、上記ワイパー作動状態検出手段により車両のワイパーが作動状態であることが検出され、その後、上記車速検出手段により車両が走行状態であることが検出された場合には、上記内気導入口を全閉状態とするように上記内外気切替ダンパ駆動手段を制御することを特徴とする。
この構成によれば、内外気混入モードが選択されているときに、外気温度が所定温度以下であり、ワイパーが作動していて車両が走行状態である場合に、内気導入口が全閉状態になるので、走行風の車室内への流入が無くなり雪が車室内に入りにくくなる。
第3の発明は、第1または2の発明において、
上記車両用空調装置は、日射量を検出する日射量検出手段を備え、
上記車両用空調装置は、日射量を検出する日射量検出手段を備え、
上記制御装置は、上記内外気混入モードが選択されているときに、上記外気温度検出手段により外気温度が3℃以下であることが検出された後、上記日射量検出手段により日射量が所定量以下であることが検出され、その後、上記ワイパー作動状態検出手段により車両のワイパーが作動状態であることが検出され、その後、上記車速検出手段により車両が走行状態であることが検出された場合には、車両の窓ガラスの曇り易さの検出結果に基づいて制御された内外気切替ダンパの開度よりも上記内気導入口の開度が小さくなるように上記内外気切替ダンパ駆動手段を制御することを特徴とする。
すなわち、日射量が所定量以下、例えば天気が曇りである場合には、上述した各条件が成立していることを前提としたときに雪が降っている可能性が高まる。この場合に内外気切替ダンパによる内気導入口の開度が小さくなるので、内気導入口の開度を小さくするという制御が的確に行われるようになる。
第4の発明は、第1または3の発明において、
上記制御装置は、上記内外気混入モードが選択されているときに、上記ワイパー作動状態検出手段により、上記車両のワイパーが作動状態であることとして、上記ワイパーが所定時間以上継続して作動していることが検出された場合に、上記内気導入口の開度が小さくなるように上記内外気切替ダンパ駆動手段を制御することを特徴とする。
すなわち、ワイパーが例えば数秒間だけ作動した場合は窓ガラスの汚れを除去するためだけにワイパーを作動させたのであり、このような場合には雪が降っていないことが考えられる。この発明によれば、ワイパーが所定時間以上継続して作動していて雪が降っている可能性が高い場合に内外気切替ダンパによる内気導入口の開度が小さくなるので、内気導入口の開度を小さくするという制御が的確に行われるようになる。
第5の発明は、第1、3及び4のいずれか1つの発明において、
上記制御装置は、上記内外気混入モードが選択されているときに、上記車速検出手段により、上記車両が走行状態であることとして、車両が所定車速以上の高速走行状態であることが検出された場合に、上記内気導入口の開度が小さくなるように上記内外気切替ダンパ駆動手段を制御することを特徴とする。
この構成によれば、車両が高速走行状態であるときに内外気切替ダンパによる内気導入口の開度が小さくなる。従って、車両が低速走行状態であるときのように走行風の勢い弱いと考えられる場合に内気導入口の開度が小さくならないので、制御が的確に行われるようになる。
第1の発明によれば、内外気混入モードが選択されているときに、外気温度が3℃以下であり、ワイパーが作動していて車両が走行状態である場合に、内気導入口の開度が小さくなるので、雪が走行風に乗って車室内に入りにくくすることができる。
第2の発明によれば、内気導入口を全閉状態にすることができるので、走行風の車室内への流入を無くすことができる。これにより、雪が車室内に入らないようにする効果をより一層向上させることができる。
第3の発明によれば、日射量を検出するようにしたので、内外気混入モードが選択されているときに内気導入口の開度を小さくするという制御を的確に行うことができ、不要時に内気導入口の開度が小さくならないようにすることができる。
第4の発明によれば、ワイパーが所定時間以上継続して作動している場合に内気導入口の開度を小さくすることができ、不要時に内気導入口の開度が小さくならないようにすることができる。
第5の発明によれば、車両が高速走行状態である場合に内気導入口の開度を小さくすることができる。これにより、内気導入口の開度を小さくするという制御を的確に行うことができる。
実施形態に係る車両用空調装置の概略構造を示す図である。 車両用空調装置のブロック図である。 制御装置による制御手順を示すフローチャートである。 インテーク制御手順を示すフローチャートである。 閾値Aを算出するためのグラフである。 閾値Bを算出するためのグラフである。 露点温度補正値を算出するためのグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用空調装置1の概略構成図である。この車両用空調装置1は、例えば自動車等の車両に搭載されるものであり、車室内の空気(内気)と車室外の空気(外気)との一方または両方を導入して温度調節した後、車室の各部に供給するように構成されている。車両の車室内には、図示しないが、運転席及び助手席からなる前席と、前席の後方に配設される後席とが設けられている。
車両用空調装置1は、空調ケーシング10と制御装置(図2に示す)30とを備えている。空調ケーシング10は、例えば車室の前端部に配設されたインストルメントパネル(図示せず)の内部に収容されている。空調ケーシング10は、空気流れ方向上流側から下流側に向かって順に、送風ケーシング11と、温度調節部12と、吹出方向切替部13とを備えている。送風ケーシング11には、外気導入口11aと内気導入口11bとが形成されている。外気導入口11aは、例えば図示しないインテークダクトを介して車室外と連通しており、車室外の空気(外気)を導入するようになっている。内気導入口11bは、インストルメントパネルの内部で開口しており、車室内の空気(内気)を導入して車室内に循環させるようになっている。外気導入口11aから導入する外気の量が外気導入量となる。内気導入口11bから導入する内気の量が内気循環量となる。
送風ケーシング11の内部には、外気導入口11a及び内気導入口11bを開閉する内外気切替ダンパ11cが配設されている。内外気切替ダンパ11cは、例えば板状の部材で構成することができ、送風ケーシング11の側壁に対して回動可能に支持されている。内外気切替ダンパ11cは、内外気切替アクチュエータ(内外気切替ダンパ駆動手段)11dによって任意の回動角度となるように駆動される。これによりインテークモードが切り替えられる。内外気切替アクチュエータ11dは、制御装置30によって後述するように制御される。
例えば、図1に実線で示すように外気導入口11aを全閉にし、かつ、内気導入口11bを全開にするまで内外気切替ダンパ11cを回動させると、インテークモードが内気循環モードとなる。このときの内外気切替ダンパ11cの開度は100%とする。一方、図1に仮想線で示すように外気導入口11aを全開にし、かつ、内気導入口11bを全閉にするまで内外気切替ダンパ11cを回動させると、インテークモードが外気導入モードとなる。このときの内外気切替ダンパ11cの開度は0%とする。そして、内外気切替ダンパ11cの開度が1%〜99%の間にあるときには、外気導入口11aと内気導入口11bの両方が開状態となり、内気と外気の両方が温度調節部12に導入される。このインテークモードが内外気混入モードである。内外気混入モード時には、内外気切替ダンパ11cの開度によって内気と外気の導入比率が変更され、これにより、外気導入量及び内気循環量が変化する。インテークモードの切替制御の詳細は後述する。
また、内外気混入モード時には外気導入口11aと内気導入口11bの両方が開状態になるので、例えば走行風の勢いが強いと、走行風が外気導入口11aから送風ケーシング11内に入った後、その一部が内気導入口11bから車室内に流入することがある。このときに例えば雪が降っていると、走行風に乗った雪が外気導入口11aから送風ケーシング11内に入り、内気導入口11bから車室内に入ることが考えられるが、この実施形態では後述するように図4に示すフローチャートのステップSB11において雪が車室内に入るのを抑制している。
図1に示すように、送風ケーシング11には、送風機15が設けられている。送風機15は、ファン15aと、ファン15aを駆動するブロアモータ15bとを備えている。ファン15aが回転することによって内気及び外気の少なくとも一方が送風ケーシング11に導入された後、送風ケーシング11の下流側に設けられている温度調節部12に送風される。ブロアモータ15bは、印加される電圧を変更することで単位時間当たりの回転数を調整することができるように構成されている。このブロアモータ15bの回転数によって送風量が変化するようになっている。ブロアモータ15bは、制御装置30によって制御される。
温度調節部12は、送風ケーシング11から導入された空調用空気の温度調節を行うための部分である。温度調節部12の内部には、冷却用熱交換器16と加熱用熱交換器17とエアミックスドア18とが配設されている。すなわち、温度調節部12の内部には、空気流れ方向上流側に冷風通路R1が形成され、この冷風通路R1に冷却用熱交換器16が収容されている。また、冷風通路R1の下流側は温風通路R2とバイパス通路R3とに分岐しており、温風通路R2に加熱用熱交換器17が収容されている。
冷却用熱交換器16は、例えばヒートポンプ装置の冷媒蒸発器等で構成することができるが、これに限られるものではなく、空気を冷却することができるものではあればよい。また、加熱用熱交換器17は、例えば車両のエンジンルームに搭載されているエンジン(図示せず)の冷却水が供給されるヒータコア等で構成することができるが、これに限られるものではなく、例えば電気式ヒータ等、空気を加熱することができるものではあればよい。また、電気式ヒータを補助熱源として付加することもできる。
エアミックスドア18は、冷却用熱交換器16と加熱用熱交換器17の間に配設されており、温風通路R2の上流端とバイパス通路R3の上流端とを開閉するものである。エアミックスドア18は、例えば板状の部材で構成することができ、温度調節部12の側壁に対して回動可能に支持されている。エアミックスドア18は、エアミックスアクチュエータ18aによって任意の回動角度となるように駆動される。エアミックスアクチュエータ18aは、制御装置30によって制御される。
エアミックスドア18が温風通路R2の上流端を全開にし、かつ、バイパス通路R3の上流端を全閉にすると、冷風通路R1で生成された冷風の全量が温風通路R2に流入して加熱されるので、吹出方向切替部13には温風が流入する。一方、エアミックスドア18が温風通路R2の上流端を全閉にし、かつ、バイパス通路R3の上流端を全開にすると、冷風通路R1で生成された冷風の全量がバイパス通路R3に流入するので、吹出方向切替部13には冷風が流入する。エアミックスドア18が温風通路R2の上流端及びバイパス通路R3の上流端を開く回動位置にあるときには、冷風及び温風が混合した状態で吹出方向切替部13に流入することになる。エアミックスドア18の回動位置によって吹出方向切替部13に流入する冷風量と温風量とが変更されて所望温度の調和空気が生成される。尚、エアミックスドア18は、上記した板状のドアに限られるものではなく、冷風量と温風量とを変更することができる構成であればその構成はどのような構成であってもよい。例えばロータリドアやフィルムドア、ルーバーダンパ等であってもよい。また、温度調節の構成は上記した構成でなくてもよく、冷風量と温風量とを変更することができる構成であればよい。
吹出方向切替部13は、温度調節部12で温度調節された調和空気を車室の各部に供給するための部分である。吹出方向切替部13には、デフロスタ吹出口21と、ベント吹出口22と、ヒート吹出口23とが形成されている。デフロスタ吹出口21は、インストルメントパネルに形成されたデフロスタノズル24に接続されている。このデフロスタ吹出口21は、フロントウインドガラス(窓ガラス)Gの車室内面に調和空気を供給するためのものである。デフロスタ吹出口21の内部には、デフロスタ吹出口21を開閉するためのデフロスタドア21aが設けられている。
ベント吹出口22は、インストルメントパネルに形成されたベントノズル25に接続されている。ベントノズル25は、前席の乗員の上半身に調和空気を供給するためのものであり、インストルメントパネルの車幅方向中央部と、左右両側にそれぞれ設けられている。ベント吹出口22の内部には、ベント吹出口22を開閉するためのベントドア22aが設けられている。
ヒート吹出口23は、乗員の足元近傍まで延びるヒートダクト26に接続されている。ヒートダクト26は、乗員の足元に調和空気を供給するためのものである。ヒート吹出口23の内部には、ヒート吹出口23を開閉するためのヒートドア23aが設けられている。
デフロスタドア21a、ベントドア22a及びヒートドア23aは吹出方向切替アクチュエータ27によって駆動されて開閉動作する。吹出方向切替アクチュエータ2は、制御装置30によって制御される。デフロスタドア21a、ベントドア22a及びヒートドア23aは、図示しないがリンクを介して連動するようになっており、例えば、デフロスタドア21aが開状態で、ベントドア22a及びヒートドア23aが閉状態となるデフロスタモード、デフロスタドア21a及びヒートドア23aが閉状態で、ベントドア22aが開状態となるベントモード、デフロスタドア21a及びベントドア22aが閉状態で、ヒートドア23aが開状態となるヒートモード、デフロスタドア21a及びベントドア22aが開状態で、ヒートドア23aが閉状態となるデフベントモード、デフロスタドア21a及びヒートドア23aが開状態で、ベントドア22aが閉状態となるバイレベルモード等の複数の吹出モードの内、任意の吹出モードに切り替えられる。
図2に示すように、車両用空調装置1は、外気温度センサ(外気温度検出手段)31、内気温度センサ32、日射量センサ(日射量検出手段)33、冷却水温センサ34、エバポレータセンサ35、フロントウインド温度センサ36、フロントウインド近傍温度センサ37、フロントウインド近傍湿度センサ38、操作スイッチ39、乗員センサ40、車速センサ(車速検出手段)41、ワイパースイッチ42及びエンジン水温センサ43を備えている。これらセンサ31〜38、40、41、43は制御装置30に接続され、制御装置30へ信号を出力している。また、操作スイッチ39は制御装置30に接続されており、乗員による操作状態を制御装置30が検出できるようになっている。また、ワイパースイッチ42は制御装置30に接続されている。
外気温度センサ31は、例えば車室外において車両前部や側部等に配設されており、車両の周囲の空気温度(外気温度)を検出するものである。内気温度センサ32は、例えば車室内においてインストルメントパネルの近傍等に配設されており、車室内の空気温度(内気温度)を検出するものである。日射量センサ33は、例えば車室内においてインストルメントパネルの近傍等に配設されており、車室に照射される日射量を検出するものである。
内気温度センサ32、外気温度センサ31及び日射量センサ33は、乗員が感じる冷熱に関連する情報を検出することができるものである。すなわち、内気温度センサ32から出力される内気温度は、乗員の雰囲気温度と略等しい温度であり、内気温度が高いということは乗員が暖かいと感じ、内気温度が低いということは乗員が寒いと感じる。また、外気温度センサ31から出力される外気温度が高いと乗員が暖かいと感じ、外気温度が低いと乗員が寒いと感じる。さらに、日射量センサ33から出力される日射量が多いと乗員が暖かいと感じ、日射量が少ないと乗員が寒いと感じる。
冷却水温センサ34は、車両に搭載されているエンジンの冷却水の温度(エンジン水温)を検出するエンジン水温検出手段である。この冷却水温センサ34により、加熱用熱交換器17に流入するエンジンの冷却水の温度を推定することができる。また、冷却水温センサ34により、エンジンの暖気状態を推定することができるとともに、暖房熱源の温度を得ることができる。エバポレータセンサ35は、冷却用熱交換器16の空気流れ方向下流側に配設されており、冷却用熱交換器16の表面温度を検出するものである。
フロントウインド温度センサ36は、フロントウインドガラスGの車室内面に配設されており、フロントウインドガラスGの車室内面の温度を検出するものである。フロントウインド近傍温度センサ37は、フロントウインドガラスGの車室内面から離れ、かつ、該内面近傍に配設されており、フロントウインドガラスGの車室内面近傍の温度を検出するものである。フロントウインド近傍湿度センサ(湿度検出センサ)38は、フロントウインドガラスGの車室内面から離れ、かつ、該内面近傍に配設されており、フロントウインドガラスGの車室内面近傍の湿度を検出するものである。
操作スイッチ39は、例えばインストルメントパネル等に配設されており、例えば、空調装置1のON/OFFの切替スイッチ、送風量を増減させる風量切替スイッチ、車室の温度を設定する温度設定スイッチ、内気循環、外気導入及び内外気混入モードを切り替える内外気切替スイッチ、オートエアコン制御とするか否かを選択するオートスイッチ、吹出方向を切り替える吹出モード切替スイッチ、デフロスタスイッチ等で構成されている。
乗員センサ40は、前席に乗員が着座しているか否かを検出するとともに、後席に乗員が着座しているか否かも検出することができるものである。具体的には、例えば前席及び後席のシートクッション部にそれぞれ感圧センサを内蔵しておき、この感圧センサによって乗員が着座しているか否かを検出することができる。また、前席及び後席のシートベルトが装着状態にあるか否かを検出するセンサが一般の車両に設けられているので、このセンサを利用してシートベルトが装着状態にあれば乗員が着座していることを検出できる。車速センサ41は、車両の速度を検出することができるものであり、従来から周知のセンサ類を使用することができる。この乗員センサ40から出力される信号は本実施形態に係る制御に使用してもよいし、使用しなくてもよい。
ワイパースイッチ(ワイパー作動状態検出手段)42は、車両に設けられているワイパーを作動させるためのものであり、ワイパーを作動状態にするONポジションと、ワイパーを停止状態にするOFFポジションとを少なくとも有している。また、ONポジションでは、ワイパーの作動速度を高速、中速、低速に切り替えることができるとともに、間欠動作をさせることもできるように構成されている。このワイパースイッチ42は制御装置30に接続されているので、制御装置30はワイパースイッチ42によって車両のワイパーの作動状態を検出することができる。
制御装置30は、上記センサ31〜38、40、41、43から出力される信号(出力値)と、操作スイッチ39及びワイパースイッチ42の操作状態とに基づいて、内外気切替アクチュエータ11d、エアミックスアクチュエータ18a、吹出方向切替アクチュエータ27及びブロアモータ15bを制御する。すなわち、操作スイッチ39のオートスイッチによってオートエアコン制御が選択された場合には、車室外の温度、車室内の温度、日射量、エンジン冷却水温度、冷却用熱交換器16の表面温度、設定温度等に基づいて、車室内に供給する調和空気の目標吹出温度を決定するとともに、この目標吹出温度となるようにエアミックスドア18の開度を演算し、エアミックスドア18がこの開度となるようにエアミックスアクチュエータ18aを制御してエアミックスドア18を回動させる。これにより、調和空気の温度が目標吹出温度となる。
また、制御装置30は、冷房時には吹出モードが主にベントモードとなるように吹出方向切替アクチュエータ27を制御し、暖房時には吹出モードが主にヒートモードとなるように吹出方向切替アクチュエータ27を制御する。また、冷房時や暖房時であっても弱めの場合には、バイレベルモードやデフベントモードとなるように吹出方向切替アクチュエータ27を制御する。さらに、操作スイッチ39が有するデフロスタスイッチがONにされると、吹出モードがデフロスタモードとなるように吹出方向切替アクチュエータ27を制御する。
例えば冬季に長時間放置された車両で暖房を行う場合や、夏季で長時間放置された車両で冷房を行う場合には、目標吹出温度と内気温度との差が大きくなる。このような場合には、制御装置30は、風量が多くなるようにブロアモータ15bを制御するが、乗員が風量切替スイッチを操作して好みの風量にすることもできるようになっている。また、オートエアコン制御では、目標吹出温度と内気温度との差が小さくなるにつれて風量が少なくなるようにブロアモータ15bを制御する。ブロアモータ15bの制御は印加電圧の変更によって行われるが、これに限られるものではなく、ブロアモータ15bの回転数を変更できればよい。
制御装置30によるブロアモータ15bの制御及び吹出モードの切替制御によって乗員の上半身への送風量を検出することができる。すなわち、吹出モードがベントモードである場合には、主に乗員の上半身へ調和空気が送風されることになり、このベントモード時におけるブロアモータ15bへの印加電圧を検出することで乗員の上半身への送風量を検出することができる。また、ヒートモード時には、ベントモード時に比べて全体的に乗員の上半身への送風量が少なくなり、このことも制御装置30によって検出できる。
また、制御装置3は、図3に示すフローチャートの手順に従って内外気切替アクチュエータ24を制御する。この内外気切替アクチュエータ24の制御は、車両のイグニッションスイッチがONで、かつ、車両用空調装置1がONとされて制御装置3が暖房を行う必要があると判断した場合に、所定のタイミングで繰り返されている。尚、冷房時には、基本的には乗員が選択したモード(外気導入モードか内気循環モード)となるように内外気切替アクチュエータ24を制御する。
スタート後のステップSA1では、各センサ31〜38、40、41、43の出力値を読み込むとともに、操作スイッチ39及びワイパースイッチ42の操作状態を読み込む。各センサ31〜38、40、41、43は、イグニッションスイッチがOFF状態からONされた時、及びその後、継続して各値を検出し、出力している。
ステップSA1に続くステップSA2では、露点温度を計算する。露点温度は、フロントウインド近傍温度センサ36から出力されるフロントウインドガラスGの車室内面近傍の温度と、フロントウインド近傍湿度センサ38から出力されるフロントウインドガラスGの車室内面近傍の湿度とに基づいて得られる。露点温度は、イグニッションスイッチがOFF状態からONされた時、及びその後、継続して計算される。
ステップSA3では、外気温度センサ31により検出された外気温度が−15℃以上、かつ、10℃以下(所定温度以下)の範囲であるか否かを判定する。すなわち、外気温度が−15℃未満であるか、10℃よりも高い場合には、ステップSA4〜SA6を飛ばしてステップSA7に進むことになるので、ステップSA6の露点温度補正処理が禁止されることになる。ステップSA7における制御は後述する。つまり、外気温度が所定温度以下であることが検出されるとステップSA4に進む。
ステップSA4では、車両のイグニッションスイッチがOFF(IG OFF)状態からON(IG ON)された時のエンジン水温が所定閾値A以下であるか否かを判定する。すなわち、OFF状態にあるイグニッションスイッチがONにされた時のエンジン水温を冷却水温センサ34から得ておき、それを制御装置30に一旦記憶させておき、この制御装置30に記憶されているエンジン水温に基づいてステップSA4で上記判定を行う。
ステップSA4における所定閾値Aは第1閾値であり、図5に示すグラフに基づいて得られる。図5のグラフの横軸は外気温度センサ31により検出された外気温度(℃)であり、縦軸は閾値A(℃)である。外気温度が−15℃のときには閾値Aを5℃とし、外気温度が10℃のときには閾値Aを20℃とする。外気温度が−15℃〜10℃の範囲では、閾値Aが外気温度の増加に比例して高くなる。つまり、制御装置30は、外気温度センサ31により検出された外気温度が高くなるほど閾値Aを高くするように構成されている。尚、図5のグラフにおいて外気温度及び閾値Aは例示であり、具体的な温度については本実施形態による効果が奏される範囲内で変更することができる。
図3に示すフローチャートのステップSA4でYESと判定されてOFF状態にあるイグニッションスイッチがONにされた時のエンジン水温が所定閾値A以下である場合にはステップSA5に進む。ステップSA4でNOと判定されてOFF状態にあるイグニッションスイッチがONにされた時のエンジン水温が所定閾値Aよりも高い場合にはステップSA7に進むことになるので、ステップSA6の露点温度補正処理が禁止されることになる。
ステップSA5では、車両のイグニッションスイッチがOFF(IG OFF)状態からON(IG ON)された時の露点温度が所定閾値B以下であるか否かを判定する。すなわち、OFF状態にあるイグニッションスイッチがONにされた時に計算された露点温度を制御装置30に一旦記憶させておき、この制御装置30に記憶されている露点温度に基づいてステップSA5で上記判定を行う。
ステップSA5における所定閾値Bは第2閾値であり、図6に示すグラフに基づいて得られる。図6のグラフの横軸は外気温度センサ31により検出された外気温度(℃)であり、縦軸は閾値B(℃)である。外気温度が−15℃のときには閾値Bを−16.5℃とし、外気温度が10℃のときには閾値Bを12.5℃とする。外気温度が−15℃〜10℃の範囲では、閾値Bが外気温度の増加に比例して高くなる。つまり、制御装置30は、外気温度センサ31により検出された外気温度が低くなるほど閾値Bを低くするように構成されている。尚、図6のグラフにおいて外気温度及び閾値Bは例示であり、具体的な温度については本実施形態による効果が奏される範囲内で変更することができる。
図3に示すフローチャートのステップSA5でYESと判定されてOFF状態にあるイグニッションスイッチがONにされた時の露点温度が所定閾値B以下である場合にはステップSA6に進む。ステップSA5でNOと判定されてOFF状態にあるイグニッションスイッチがONにされた時の露点温度が所定閾値Bよりも高い場合にはステップSA7に進むことになるので、ステップSA6の露点温度補正処理が禁止されることになる。
ステップSA6では露点温度補正処理を行う。露点温度補正処理は、ステップSA2で計算した露点温度に、露点温度補正値(℃)を加える処理である。露点温度補正値(℃)は、図7に示すグラフに基づいて得られるようになっている。図7のグラフの横軸は外気温度センサ31により検出された外気温度(℃)であり、縦軸は露点温度補正値(℃)である。外気温度が−15℃のときには露点温度補正値(℃)を−2℃とし、外気温度が10℃のときには露点温度補正値(℃)を−1℃とする。外気温度が−15℃〜10℃の範囲では、露点温度補正値(℃)が外気温度の増加に比例して高くなる。
従って、上記ステップSA3でYESと判定されている場合には外気温度が10℃以下であってフロントウインドガラスGの車室内面が曇り易くなっている。また、上記ステップSA4でYESと判定されている場合にはイグニッションスイッチがONにされた時のエンジン水温が閾値A以下となっている。このため、エンジンが十分に暖まっておらず、車車両の運転開始後の経過時間が短く、暖房熱源の温度が十分に高まっていないことからフロントウインドガラスGの車室内面が曇り易くなっていると考えられる。さらに、上記ステップSA5でYESと判定されている場合にはイグニッションスイッチがONにされた時の露点温度が閾値B以下となっていて、露点温度が低温であることからフロントウインドガラスGの車室内面が曇り易くなっていると考えられる。
ステップSA3〜SA5でYESと判定されてステップSA6に進んだということは、フロントウインドガラスGの車室内面が曇り易くなっているということであり、この場合には、ステップSA6において図7のグラフから得られた露点温度補正値(℃)を露点温度(℃)に加えるので補正処理後の露点温度が低くなる。
ステップSA7では、目標露点温度を計算する。目標露点温度は、フロントウインド温度センサ37から出力されるフロントウインドガラスGの車室内面の温度よりも低い温度とする。例えば、フロントウインドガラスGの車室内面の温度が10℃の場合、それよりも2〜3℃程度低い温度を目標露点温度とする。目標露点温度は、周知の手法に従って得ることができる。
ステップSA8ではインテーク制御を行う。具体的には、図4のフローチャートに示すように、ステップSB1において、オート制御であるか否か、即ち、オートエアコン制御と乗員によるマニュアル操作とのいずれが選択されているかを判定する。オートエアコン制御であるか否かは、操作スイッチ39のうち、オートスイッチが押されているか否かで判定できる。ステップSB1においてNOと判定されてオートエアコン制御でなく、マニュアル操作が選択されている場合にはステップSB2に進み、インテークモードが外気導入モードであるか否かを判定する。尚、マニュアル操作では内外気混入モードを選択できないので、ステップSB2では、外気導入モードと内気循環モードとのうち、いずれのモードであるかを判定することになる。
ステップSB2においてYESと判定されて外気導入モードにある場合には、乗員が外気導入モードを積極的に選択しているということであることからステップSB3に進み、内外気切替ダンパ11cの目標開度を外気導入開度とする。外気導入開度は、外気導入口11aを全開にし、かつ、内気導入口11bを全閉にする開度であり、0%である。一方、ステップSB2において、NOと判定されて内気循環モードにある場合には、乗員が内気循環モードを積極的に選択しているということであることからステップSB4に進み、内外気切替ダンパ11cの目標開度を内気循環開度とする。内気循環開度は、外気導入口11aを全閉にし、かつ、内気導入口11bを全開にする開度であり、100%である。
上記ステップSB1においてYESと判定されてオートエアコン制御である場合にはステップSB5に進む。ステップSB5では、図3に示すフローチャートのステップSA6で補正処理していない場合にはステップSA2で計算した露点温度を使用し、ステップSA6で補正処理した場合にはステップSA6で補正処理した後の露点温度を使用する。そして、ステップSA7で計算した目標露点温度となるように、内外気切替ダンパ11cの目標開度(f)を計算する。
例えば、ステップSB5で露点温度が目標露点温度よりも高い場合には、外気導入量を増やすように内外気切替ダンパ11cの目標開度(f)を計算し、露点温度が目標露点温度よりも低い場合には、内気循環量を増やすように内外気切替ダンパ11cの目標開度(f)を計算する。露点温度が目標露点温度よりも高い場合に、その差が大きくなるほど、外気導入量を増やし、また、露点温度が目標露点温度よりも低い場合に、その差が大きくなるほど、内気循環量を増やす。
つまり、制御装置30は、フロントウインドガラスGの曇り易さをフロントウインド近傍湿度センサ38の出力値に基づいて検出し、基本的には、この検出結果に基づいてフロントウインドガラスGが曇り易い場合には外気導入量を増やす一方、フロントウインドガラスGが曇り難い場合には内気循環量を増やすように構成されている。このように、オートエアコン制御では、基本的に、フロントウインドガラスGの曇り易さに基づいて外気導入量及び内気循環量を変更する内外気混入モードが選択される。
ステップSB5において内外気切替ダンパ11cの目標開度(f)を計算した後、ステップSB6に進んで外気温度センサ31により検出された現在の外気温度が所定温度以下であるか否かを判定する。ステップSB6における所定温度とは、雪が降る程度に低い温度であり、例えば3℃以下、2℃以下、1℃以下、0℃以下、氷点下とすることができる。
ステップSB6においてNOと判定されて現在の外気温度が所定温度よりも高く、雪が降りそうにない温度である場合にはステップSB7に進む。ステップSB7では、ステップSB5で得られた開度(f)を内外気切替ダンパ11cの開度として設定する。
ステップSB6においてYESと判定されて現在の外気温度が雪が降る程度に低い温度である場合には、ステップSB8に進んで日射量センサ33により検出された現在の日射量が所定量以下であるか否かを判定する。ステップSB8における所定量とは、仮に雪が降っていても雪が降っている途中で殆ど溶けるくらいの強めの日射量である。ステップSB8においてNOと判定されて日射量が多く、雪が日射によって溶けそうな場合にはステップSB7に進む。
ステップSB8においてYESと判定されて現在の日射量が雪を溶かす程度に高い場合には、ステップSB9に進んでワイパースイッチ42がONであるか否かを判定する。ワイパースイッチ42がONである場合には、雪がフロントウインドガラスGの表面に付着するくらい降っているということであり、この場合にはステップSB10に進む。一方、ステップSB10でNOと判定されて雪は降っているがフロントウインドガラスGの表面に付着する程でない場合にはステップSB7に進む。
ステップSB10では、車速センサ41で検出された車速が所定車速以上であるか否かを判定する。ステップSB10における所定車速とは、車両が高速走行しているか否かを判定する基準となる速度であり、例えば60km/h以上80km/h以下の範囲で設定することができる。また、ステップSB10では、判定基準速度を下げて、車両が走行しているか否かを判定するようにしてもよい。ステップSB10でYESと判定されて車両が高速走行している場合にはステップSB11に進む。ステップSB11では内外気切替ダンパ11cの目標開度をステップSB5で計算した開度に関わらず、外気導入開度とする。
一方、ステップSB10でNOと判定されて車両が高速走行していない場合には雪が降っていても走行風の勢いが弱く、雪が走行風に乗って車室内にまで入る可能性が低い。この場合には、ステップSB7に進む。
上述のようにしてエアミックスドア18の開度を決定した後、図3に示すフローチャートにおけるステップSA9に進んで内外気切替アクチュエータ11dの駆動処理を行う。具体的には、内外気切替ダンパ11cの開度が、図4に示すフローチャートにおけるステップSB11、SB7で設定された開度となるように内外気切替アクチュエータ11dを作動させる。
また、吹出モード、風量(ファン駆動モーター15bへの印加電圧)も周知の制御手法に基づいて決定する。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態に係る車両用空調装置1によれば、内外気混入モードが選択されているときには、フロントウインドガラスGの曇り易さに基づいて外気導入量及び内気循環量が変更されるので、フロントウインドガラスGが曇らない範囲で内気循環量を高めることが可能になり、これにより換気量が減少して暖房に要するエネルギ消費量が少なくなる。
また、ステップSB6において外気温度が例えば0℃以下であることが検出された場合には、冬季で雪が降りそうな気温であることが想定され、この場合に、ステップSB9において車両のワイパーが作動状態であることが検出された場合には、雪が実際に降っていることが想定される。そして、ステップSB10において車両が高速走行状態であることが検出された場合であって、かつ、内外気混入モードが選択されていると、雪が走行風に乗って外気導入口11aから送風ケーシング11に入ることが考えられる。
このとき、例えば向かい風が吹いていると、走行風の勢いが強くなり、送風ケーシング11に入った走行風の一部が内気導入口11bから車室内に流入することがあり、このような走行風の流れに乗って雪が車室内に入ることが考えられるが、この実施形態では、ステップSB11において内外気切替ダンパ11cによる内気導入口11bの開度が小さくなるので、走行風の車室内への流入が抑制されて雪が車室内に入りにくくなる。
つまり、内外気混入モードが選択されているときに、外気温度が所定温度以下であること、車両のワイパーが作動状態であること、及び車両が走行状態であることが検出された場合には、当該検出前に比べて内気導入口11bの開度が小さくなるように内外気切替アクチュエータ11dが制御されることになる。従って、雪が走行風に乗って車室内に入りにくくすることができる。
尚、この実施形態では、ステップSB11において内外気切替ダンパ11cによる内気導入口11bの開度を0として内気導入口11bを全閉状態にしているが、全閉状態にすることなく、内外気切替ダンパ11cによる内気導入口11bの開度が、ステップSB5で計算された開度よりも小さくなるようにしてもよい。
また、ステップSB8において日射量が所定量以下、例えば天気が曇りである場合には雪が降っている可能性が高まる。この場合にステップSB11において内外気切替ダンパ11cによる内気導入口11bの開度が小さくなるので、内気導入口11bの開度を小さくするという制御が的確に行われるようになる。尚、ステップSB8は省略してもよい。
また、内外気混入モードが選択されているときに、ワイパーが所定時間、例えば30秒間以上継続して作動していることが検出された場合に、内気導入口11bの開度が小さくなるように内外気切替アクチュエータ11dを制御することもできる。この所定時間は、例えば20秒間以上40秒間以下に設定することができる。すなわち、ワイパーが例えば数秒間だけ作動した場合はフロントウインドガラスGの汚れを除去するためだけにワイパーを作動させたのであり、このような場合には雪が降っていないことが考えられるが、ワイパーが所定時間以上継続して作動していて雪が降っている可能性が高い場合に内外気切替ダンパ11cによる内気導入口11bの開度を小さくすることができるので、制御が的確に行われるようになる。
また、制御装置30は、内外気混入モードが選択されているときに、ステップSA3において外気温度が所定温度以下であること及びステップSA4においてエンジン水温が閾値A以下であることが検出された場合には、ステップSA6において、露点温度補正値(℃)を露点温度(℃)に加えるので補正処理後の露点温度が低くなる。これにより、外気導入量が増える方向の補正処理が行われることになる。したがって、例えば乗車人数が多くて車室内の湿度が急に上昇して車室内の実際の湿度変化がフロントウインド近傍湿度センサ38によって検出されるまでにタイムラグが生じたとしても、フロントウインドガラスGが曇り易い状況下において外気導入量が増えるので、フロントウインドガラスGを曇りにくくすることができる。尚、ステップSA5は省略してもよい。
また、フロントウインド近傍湿度センサ38の検出結果に基づいて算出された露点温度が低い場合に外気導入量を増やすことができるので、補正処理を的確に行うことができる。
また、図7に示すように、外気温度が低くなるほど露点温度補正値(℃)が低くなる。これにより、外気温度が低くなるほど外気導入量を増やすことができる。よって、フロントウインドガラスGをより一層曇りにくくすることができる。
また、エンジン水温が所定温度、例えば70℃以上であって暖房が十分に効く場合にはフロントウインドガラスGが曇りにくい状況にあることが想定される。この場合には、図3に示すフローチャートのステップSA6の露点温度補正処理を禁止するようにしてもよい。これにより、フロントウインドガラスGが曇りにくい状況にあるときに外気導入量が無用に増えないようにすることができる。従って、内気循環量を十分に確保することができるので、暖房に要するエネルギ消費量を少なくすることができる
また、外気温度が低くなるほど閾値Aを低くすることができるので、エンジン水温がより低温度であるときに露点温度補正処理が行われるようになる。これにより、フロントウインドガラスGが曇りにくくなる。
また、外気温度が低くなるほど閾値Bを低くすることができるので、外気温度がより低温度であるときに露点温度補正処理が行われるようになる。これにより、フロントウインドガラスGが曇りにくくなる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明に係る車両用空調装置は、例えば自動車の車室内を空調する場合に使用することができる。
1 車両用空調装置
11 送風ケーシング
11a 外気導入口
11b 内気導入口
11c 内外気切替ダンパ
11d 内外気切替アクチュエータ(内外気切替ダンパ駆動手段)
30 制御装置
31 外気温度センサ(外気温度検出手段)
33 日射量センサ(日射量検出手段)
34 冷却水温センサ(エンジン水温検出手段)
41 車速センサ(車速検出手段)
42 ワイパースイッチ(ワイパー作動状態検出手段)
G フロントウインドガラス(窓ガラス)

Claims (5)

  1. 車室内の空気を導入して車室内に循環させる内気導入口と、車室外の空気を導入する外気導入口とが形成された送風ケーシングと、
    上記送風ケーシングに設けられ、上記内気導入口及び上記外気導入口を開閉する内外気切替ダンパと、
    上記内外気切替ダンパを駆動する内外気切替ダンパ駆動手段と、
    上記内外気切替ダンパ駆動手段を制御する制御装置とを備え、
    上記制御装置は、車両の窓ガラスの曇り易さを検出し、この検出結果に基づいて上記窓ガラスが曇り易い場合には外気導入量が増える方向に上記内外気切替ダンパを作動させるべく上記内外気切替ダンパ駆動手段を制御し、一方、上記窓ガラスが曇り難い場合には内気循環量が増える方向に上記内外気切替ダンパを作動させるべく上記内外気切替ダンパ駆動手段を制御する内外気混入モードを選択可能に構成された車両用空調装置において、
    上記車両用空調装置は、外気温度を検出する外気温度検出手段と、車両のワイパーの作動状態を検出するワイパー作動状態検出手段と、車両の車速を検出する車速検出手段とを備え、
    上記制御装置は、上記内外気混入モードが選択されているときに、最初に、上記外気温度検出手段により外気温度が3℃以下であるか否か判定し、外気温度が3℃以下であることが検出された場合には、上記ワイパー作動状態検出手段により車両のワイパーが作動状態であるか否か判定し、車両のワイパーが作動状態であることが検出されると、最後に、上記車速検出手段により車両が走行状態であるか否か判定し、車両が走行状態であることが検出された場合には、車両の窓ガラスの曇り易さの検出結果に基づいて制御された内外気切替ダンパの開度よりも上記内気導入口の開度が小さくなるように上記内外気切替ダンパ駆動手段を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    上記制御装置は、上記内外気混入モードが選択されているときに、上記外気温度検出手段により外気温度が3℃以下であることが検出された後、上記ワイパー作動状態検出手段により車両のワイパーが作動状態であることが検出され、その後、上記車速検出手段により車両が走行状態であることが検出された場合には、上記内気導入口を全閉状態とするように上記内外気切替ダンパ駆動手段を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項に記載の車両用空調装置において、
    上記車両用空調装置は、日射量を検出する日射量検出手段を備え、
    上記制御装置は、上記内外気混入モードが選択されているときに、上記外気温度検出手段により外気温度が3℃以下であることが検出された後、上記日射量検出手段により日射量が所定量以下であることが検出され、その後、上記ワイパー作動状態検出手段により車両のワイパーが作動状態であることが検出され、その後、上記車速検出手段により車両が走行状態であることが検出された場合には、車両の窓ガラスの曇り易さの検出結果に基づいて制御された内外気切替ダンパの開度よりも上記内気導入口の開度が小さくなるように上記内外気切替ダンパ駆動手段を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項1または3に記載の車両用空調装置において、
    上記制御装置は、上記内外気混入モードが選択されているときに、上記ワイパー作動状態検出手段により、上記車両のワイパーが作動状態であることとして、上記ワイパーが所定時間以上継続して作動していることが検出された場合に、上記内気導入口の開度が小さくなるように上記内外気切替ダンパ駆動手段を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項1、3及び4のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    上記制御装置は、上記内外気混入モードが選択されているときに、上記車速検出手段により、上記車両が走行状態であることとして、車両が所定車速以上の高速走行状態であることが検出された場合に、上記内気導入口の開度が小さくなるように上記内外気切替ダンパ駆動手段を制御することを特徴とする車両用空調装置。
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