JP3669151B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内を空調する車両用空調装置に係り、詳細にはそれぞれが独立して空調運転が可能な複数の空調装置を備えた車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、室内を所望の空調状態とするための空調装置(車両用空調装置)が設けられている。一般に車両用空調装置は、前席の前方側に設けられているインスツルメントパネル内に設置されており、インスツルメントパネルに設けている吹出し口から吹出す空調風によって車室内を空調するようになっているものが多いが、乗用車でも上級車では、後席にも空調装置(例えばリアクーラ)を備えているものが多い。
【0003】
また、ワンボックス車やワゴン車と呼ばれる広い室内空間を有する車両ががある。特に室内空間が車両の前後方向に沿って長い車両には、インストルメントパネル内に設けた空調装置(以下「前席空調装置」とする)に加えて、主に車両の後席側を空調する空調装置(例えばリアクーラなど、以下「後席空調装置」とする)を設けることがある。
【0004】
前席空調装置と後席空調装置が設けられている車両では、前席空調装置によって車室内の空調が可能となっているが、必要に応じて後席空調装置を作動させることにより、車室内の後席側を重点的に空調することができる。このような後席空調装置としては、主に後席側を冷房するリアクーラが用いられる。
【0005】
ところで、前席空調装置(例えばフロントエアコン)によって冷房運転を行なっているときに後席空調装置(例えばリアクーラ)を運転させると、一時的に冷房能力が増加してしまう。このために、室内温度が大きく低下して、乗員に不快感を生じさせることがある。
【0006】
このようなフロントエアコンによる冷房運転中にリアクーラを運転したときの不快感を防止するために、特開昭58−26615号公報等では、車室内を空調するための必要熱量に対するフロント側の空調装置とリア側の空調装置の分担比率を設定しておき、フロント側の空調装置とリア側の空調装置を同時に運転するときに、この分担比率の熱量が得られるようにフロント側の空調装置とリア側の空調装置の運転能力を設定するようにしている。
【0007】
このとき、特開昭58−26615号公報では、リアクーラのエバポレータへ冷媒を循環させるために冷凍サイクル中に設けているリア冷媒バルブのオン/オフ等を行なうことにより吹出し風の温度を制御するようにしている。
【0008】
また、実公昭63−47130号公報は、車室内の前席側と後席側で独立して温度調節を行なうときに、前席側の吹出し風の温度のみならず前席側の吹出口モードに応じて後席側の吹出し風の温度を制御するようにしている。すなわち、前席温度設定器により設定される信号と温度センサにより検出されるセンサ信号とを含む信号に基づいて前席側の吹出口から吹出される空気の温度を制御する前席温度制御信号の比例変化した制御信号を含む後席側温度制御信号に基づいて後席吹出口から吹出される空気の温度を制御する後席温度制御手段に、前席側吹出口モード変換を検出し、この検出信号に基づいて後席側温度制御信号を補正する補正手段を設けている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前席側の設定温度や吹出口モードに応じて後席側に吹出す空気の温度を制御しただけでは、後席側の運転/停止等によって実質的な空調能力が変化するため、前席に乗車した乗員に不快感を生じさせることがある。また、後席空調装置は、一般に後席側の室温が設定温度となるように吹出し風の風量を制御する簡単な構造で小型化されたものが用いられるが、後席空調装置に吹出し風の温度を制御する機能を設けた場合、制御が複雑となり装置のコストアップに繋がると言う問題が生じる。
【0010】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、後席空調装置の大型化や取付コストを含む製品コストの上昇を招くこと無く、前席空調装置の運転中に後席空調装置の運転/停止を行なったときに、乗員に不快感を生じさせることがない車両用空調装置を提案することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、車両の前席側に設けられて環境条件及び設定条件に基づいて車室内を設定温度とする空調能力が得られるように吹出し風の風量及び温度を制御しながら車室内を空調する前席空調装置と、主に車両の後席側を設定温度とする空調能力が得られるように吹出し風の風量及び温度を制御して後席側を空調する後席空調装置と、を含む車両用空調装置であって、前記後席空調装置の運転状態を検出する後席空調検出手段と、前記後席空調検出手段が前記後席空調装置の運転を検出しているときに後席空調装置による空調能力の増加分に応じて前記前席空調装置の空調能力が減少するように補正する補正手段と、を含み、前記前席空調装置が前記補正手段によって補正された空調能力に基づいて空調運転を行なうことを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、前席空調装置が運転中に後席空調装置の運転を開始したときには、後席空調装置が運転することによる空調能力の増加を考慮して前席空調装置の空調能力が減少するように補正する。なお、前席空調装置と共に後席空調装置の運転中に、後席空調装置を停止させたときには、後席空調装置の運転が停止することによる空調能力の変化を考慮して前席空調装置の空調能力が増加するように補正するものであれば良い
【0013】
一般に車両の前席に設けられている前席空調装置は、環境条件等に基づいて空調能力を細かく制御することができる。このとき、後席空調装置としては、吹出し風の風量のみを制御して室内温度を設定温度に維持する簡単な構成のものを用いることができる。
【0014】
請求項2に係る発明は、前記前席空調装置が前記環境条件及び前記運転条件に基づいて吹出し風の風量ないし吹出し風の温度を設定して、設定した風量ないし吹出し温度で車室内を空調するときに、前記補正手段が前記風量又は前記吹出し温度の何れか少なくとも一方を補正することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、前記風量が所定値以下となるときに、前記吹出し温度の補正に切り換えることを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明によれば、前席空調装置の風量ないし吹出し風の温度の何れか少なくとも一方を補正する。また、請求項3の発明によれば、前記空調装置の風量を補正するときに、風量を所定値以下にする必要が生じたときには、吹出し温度を補正するように切り換える。
【0016】
例えば、前席空調装置としてフロントエアコンが設けられ、後席空調装置としてリアクーラが設けられているときに、リアクーラが作動することにより空調能力はリアクーラの冷房能力QR だけ増加する。
【0017】
R =CP ・γ・VR ・(Tr −TRE) ・・・(1)
但し、
P :空気の定圧比熱、 γ :空気の比重量、
R :リアクーラの風量、 Tr :室温(車室内平均温度)、
RE:リアクーラのエバポレータ後温度
なお、リアクーラのエバポレータ後温度としては、フロントエアコンのエバポレータ後温度と略同じであるので、フロントエアコンのエバポレータ後温度を用いても良く、これにより、リアクーラのエバポレータ後温度の検出を不要とすることができる。
【0018】
一方、フロントエアコンの風量VF を風量ΔVだけ減らすことにより減少する冷房能力ΔQは、
ΔQ=CP ・γ・ΔV・(Tr −TFO) ・・・(2)
但し、TFO:フロントエアコンの吹出し風の温度
また、フロントエアコンの吹出し温度TFOを温度ΔTだけ減らすことにより減少する冷房能力ΔQは、
ΔQ=CP ・γ・VF ・ΔT ・・・(3)
乗員が快適と感じるのは、冷房能力が変化しないことであり、このためには、リアクーラの空調能力(冷房能力)分だけフロントエアコンの空調能力を減少させれば良く、ここから、
ΔV=VR ・(Tr −TRE)/(Tr −TFO) ・・・(3)
また、
ΔT=(Tr −TRE)・VR /VF ・・・(4)
すなわち、リアクーラを運転しているときには、リアクーラの風量VR に基づいてフロントエアコンの風量又は吹出し風の温度を減少させることにより、空調能力を一定に保つことができる。
【0019】
これにより、リアクーラの冷房能力を調整すること無く、フロントエアコンの冷房能力を抑えるだけで車室内を快適な空調状態に保つことができる。
【0020】
請求項4に係る発明は、前記前席空調装置の空調運転開始時に、前記補正手段の作動が停止されることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、前席側を含む車室内の空調を行なう前席空調装置の運転開始時は、設定温度と室内温度の温度差が大きく、室内温度を設定温度とするために大きな空調能力を必要とする。このときに、前席空調装置の空調能力を補正した場合、空調能力が不足して空調不足を感じさせてしまう恐れがある。
【0022】
このように、大きな空調能力を必要とするときには、後席空調装置を運転することによる前席空調装置の空調能力が抑えられるのを防止する。これにより、空調能力の不足感を感じさせるのを防止できる。
【0023】
すなわち、図1に示されるように、本発明の前席空調装置は、ステップ100で室内温度、外気温度、日射量等の環境条件と共に設定温度等の運転条件を読み込んで、室内温度を設定温度とするために必要な空調能力を演算する(ステップ102)。次に、ステップ104では、大きな空調能力を必要とする立上げ運転中か否かを確認し、また、ステップ106では、後席空調装置が運転されているか否かを確認する。
【0024】
ここで、立上げ運転が終了し(ステップ104で否定判定)、かつ、後席空調装置が運転されているとき(ステップ106で肯定判定)には、ステップ108へ移行して後席空調装置の空調能力に基づいて空調能力の補正量を演算し、ステップ110では、演算した空調能力の補正量に基づいて前席空調装置の空調能力を補正する。
【0025】
このようにして設定した空調能力に基づいて空調運転を行なう(ステップ112)ことにより、後席空調装置の運転/停止に拘わらず車室内を空調するための空調能力を一定に保つことができ、後席空調装置の運転/停止によって室内温度が変化して、車室内の快適感が損なわれるのを確実に防止することができ、車室内を快適な空調状態に保つことができる。
【0026】
また、後席空調装置の吹出し風の温度制御を行なう必要が無いため、リア冷媒バルブを頻繁にオン/オフさせることによる騒音の発生や、冷媒圧力を制御するための高価な部品を使用する必要が無くなる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
図2には、本実施の形態に適用した車両用空調装置10の概略構成を示している。車両用空調装置10は、前席空調装置として図示しない車両のインストルメントパネル内に設けられたフロントエアコン12と、後席空調装置として後席側に設けられて後席へ向けて空調風を吹出すリアクーラ14を備えている。
【0028】
フロントエアコン12は、空調ダクト16を備えている。この空調ダクト16は、図示しないインストルメントパネル内に設けられており、一方の開口端に空気取入口18、20が形成されている。
【0029】
空気取入口18は、車両外部と連通しており、この空気取入口18から空調ダクト16内に外気が導入可能となっている。また、空気取入口20は、車室内と連通しており、この空気取入口20から車室内の空気(内気)を空調ダクト16内に導入可能となっている。
【0030】
一方、空調ダクト16の他端は、車室内へ向けて開口された吹出し口22となっている。本実施の形態に適用したフロントエアコン12には、吹出し口22が3系統に大別されている。
【0031】
吹出し口22の1系統は、フロントインストルメントパネルに設けられて主に乗員へ向けて空調風を吹出すVENT吹出し口24となっている。このVENT吹出し口24は、空調ダクト16から延設されたダクト26Aに設けられたセンタレジスタ24A及びダクト26B、26Cのそれぞれに設けられたサイドレジスタ24B、24Cによって構成されている。
【0032】
また、吹出し口22の他の1系統は、主に乗員の足元へ向けて空調風を吹出すHEAT吹出し口28となっている。HEAT吹出し口28は、空調ダクト16から延設されたダクト30Aから前席に着座している乗員の足元へ向けて開口された足元吹出し口28Aと、ダクト30Bから後席に着座した乗員の足元へ向けて開口された足元吹出し口28Bによって構成されている。
【0033】
更に、残りの1系統は、ウインドシールドガラスへ向けて空調風を吹出すデフロスタ吹出し口32となっている。このデフロスタ吹出し口32は、センタデフロスタ32A及びサイドデフロスタ32B、32Cによって構成されている。
【0034】
フロントエアコン12の空調ダクト16内には、エバポレータ34とヒータコア36が設けられている。エバポレータ34は、図示しないコンプレッサ、コンデンサ、エキスパンションバルブ等との間で冷媒が循環される冷凍サイクルを形成しており、エバポレータ34には、車両のエンジン等の駆動源の駆動力によってコンプレッサが回転駆動されることにより、コンプレッサによって圧縮されて液化された冷媒が供給される。エバポレータ34では、この冷媒が気化することにより、エバポレータ34を通過する空気を冷却するようになっている。
【0035】
また、ヒータコア36には、エンジン冷却水が循環されるようになっており、ヒータコア36は、エンジンを冷却することにより加熱されている冷却水によって通過する空気を加熱するようになっている。
【0036】
一方、空調ダクト16内には、空気取入口18、20の近傍に切替ダンパ387が設けられ、また、空気取入口18、20とエバポレータ34の間にブロワファン40が設けられている。切替ダンパ38は、サーボモータ42の作動によって空気取入口18、20の開閉を行なう。
【0037】
ブロワファン40は、ブロワモータ44の駆動によって回転して、空気取入口18又は空気取入口20から空調ダクト16内に空気を吸引し、吸引した空気をエバポレータ34へ向けて送り出すようになっている。このとき、切替ダンパ38が空気取入口18を閉止した状態では、空気取入口20から内気が空調ダクト16内に導入される内気循環モードとなり、切替ダンパ38が空気取入口20を閉止した状態では、空気取入口18から外気が挿入される外気導入モードとなる。
【0038】
ブロワファン40によって空調ダクト16内に導入された空気は、全量が空調ダクト16内を吹出し口22へ向けて送られる。
【0039】
エバポレータ34の下流側には、ヒータコア36と共にエアミックスダンパ46が設けられている。ヒータコア36の近傍では、空調ダクト16内の空気の通過がヒータコア36を通過する通路と、ヒータコア36をバイパスする通路似分けられており、エアミックスダンパ46は、サーボモータ48の作動によってそれぞれの通路の開口を開閉する。
【0040】
エバポレータ34を通過した空気は、エアミックスダンパ46の開度Sに応じてヒータコア36へ送られる空気とヒータコア36をバイパスする空気に分けられる。ヒータコア36を通過した空気とヒータコア36をバイパスした空気は、吹出し口22の近傍で混合される。これにより、エアミックスダンパ46の開度Sによって吹出し口22から車室内へ吹出される空気の温度(吹出し温度)が定まる。
【0041】
空調ダクト16内には、吹出し口22の近傍にモード切換ダンパ50が設けられている。モード切換ダンパ50は、サーボモータ52の作動によって、ダンパ50AがVENT吹出し口24とHEAT吹出し口28を開閉すると共に、ダンパ50Bがデフロスタ吹出し口32を開閉する。なお、サーボモータ52は、ダンパ50A、50Bを一体でかつ段階的に開度が変化するように作動する。
【0042】
フロントエアコン12は、マイクロコンピュータを備えた制御装置(以下「エアコンECU54」と言う)を備えている。このエアコンECU54には、切替ダンパ38、エアミックスダンパ46及び切替ダンパ50を操作するサーボモータ42、48、50が接続され、ブロワモータ44を駆動するコントローラ56が接続されている。
【0043】
フロントエアコン12には、運転操作用の操作パネル58がインスツルメントパネルに設けられており、この操作パネル58が、エアコンECU54に接続されている。フロントエアコン12は、この操作パネル56のスイッチ操作によって、運転/停止操作と共に、内気循環モードか外気導入モードか、運転モード(吹出し口22の選択)、設定温度、マニュアルモードかオートモードか、マニュアルモードでの風量等の運転条件の設定操作が行なわれる。
【0044】
また、エアコンECU54には、車外の温度を検出する外気温度センサ60、車室内の温度を検出する室温センサ62、日射量の検出する日射センサ64と共に、エバポレータ34を通過した空気の温度を検出するエバポレータ後温度センサ66が接続されている。
【0045】
なお、オートモードに設定されることにより、エアコンECU54は、モード切換ダンパ50及びブロワファン30の動作(吹出し口22の選択と風量)を制御する。また、エアコンECU54には、エアミックスダンパ46の開度Sを検出するエアミックスダンパセンサ68が接続されており、サーボモータ48の作動によって開閉するエアミックスダンパ46の開度Sをエアミックスダンパセンサ68によって検出して、エアミックスダンパ46が設定した開度Sとなるようにサーボモータ48を制御する。
【0046】
エアコンECU54は、操作パネル58のスイッチ操作によってフロントエアコン12の運転が指示されると、操作パネル58によって設定された運転条件に基づいて、ブロワファン40、切替ダンパ38、モード切換ダンパ50を制御すると共に、外気温度センサ60、室温センサ62、日射センサ64等によって検出した環境条件に基づいて定まる空調負荷から車室内を所望の温度(設定温度)とするための目標吹出し温度を演算して決定し、決定した目標吹出し温度に応じてエアミックスダンパ46を制御しながら運転する。これにより、車室内を所望の空調状態に維持するようにしている。
【0047】
目標吹出し温度TAOは、(5)式に示されるように、従来公知の一般的方法を用いて演算することができる。
【0048】
AO=k1 ・TSET −k2 ・Tr −k3 ・TO −k4 ・ST+C・・・(5)
但し、
SET :設定温度、 Tr :室温、
O :外気温度、 ST:日射量、
1 、k2 、k3 、k4 、C:定数
エアコンECU54は、フロントエアコン12の目標吹出し温度TAOを演算し、演算した目標吹出し温度TAOに基づいて吹出し風の風量及びエアミックスダンパ46の開度Sを設定し、この設定結果に基づいてブロワファン40を駆動するファンモータ44及びエアミックスダンパ46を操作するサーボモータ48を制御する。
【0049】
エアコンECU54は、例えば図3(A)に示されるように、目標吹出し温度TAO(TFAO )に対する風量VF のマップ又はこのマップに基づいた設定した演算式を記憶しており、このマップ又は演算式に基づいて目標吹出し温度TFAO から求められた風量VF が得られるようにブロワモータ44の回転数を設定する。
【0050】
一方、実際の吹出し温度TFOは、エアミックスダンパ46によって分割されたヒータコア36を通過した空気と、ヒータコア36をバイパスした空気を混合することにより得られる温度となる。ここから、エアコンECU54では、目標吹出し温度TFAO から目標となる温風と冷風との混合比を決定し、この混合比からエアミックスダンパ46の開度Sを設定する。
【0051】
具体的には、実際の吹出し温度TFOが目標吹出し温度TAOとなるようにヒータコア36を通過する温風と、これをバイパスする冷風の混合比r(r=温風風量/全風量)を演算するが、この混合比rは次式で求められる。
【0052】
r=(TFO−TE )/(TH −TE ) ・・・(6)
なお、ヒータコア後温度TH は、センサによってヒータコア36を通過した空気の温度を直接検出しても良く、冷却水温度TW を検出して、この冷却水温度TW から演算によって算出しても良い((7)式参照)。また、また、エンジン冷却水は、エンジンの運転中であればサーモスタットによって一定に保たれているので、この温度を用いても良い。
【0053】
H =A・TW +(1−A)・TE ・・・(7)
但し、Aは0<A<1の定数
エアコンECU54は、混合比rを決定すると、この混合比rから例えば図3(B)に示されるマップに基づいてエアミックスダンパ46の開度Sを決定し、エアミックスダンパ46が決定した開度Sとなるように、エアミックスダンパセンサ68によってエアミックスダンパ46の開度を検出しながらサーボモータ48を駆動する。
【0054】
このように、フロントエアコン12としては、車室内を所望の空調状態とするように吹出し温度及び吹出し風の風量を制御する一般的構成のものを用いることができる。
【0055】
一方、リアクーラ14は、図示しないケーシング内に空調ダクト70が形成されている。この空調ダクト70には、空気取入口72と吹出し口74が形成されており、内部にブロワファン76及びエバポレータ78が設けられている。
【0056】
リアクーラ14は、ブロワファン76の作動によって空気取入口72から車室内の空気を吸い込んでエバポレータ78へ向けて送り出すようになっている。また、エバポレータ78を通過した空気は、吹出し口74から後席へ向けて吹出される。
【0057】
リアクーラ14のエバポレータ78は、フロントエアコン12のエバポレータ34と同じ冷凍サイクル中に設けられており、圧縮された冷媒が供給されることにより、通過する空気を冷却するようになっている。
【0058】
ブロワファン76を駆動するブロワモータ80は、コントローラ82を介してエアコンECU54に接続されており、エアコンECU54によって作動が制御される。なお、リアクーラ14としては、例えば図示しないケーシング又は後席側の所定の位置に設けられている操作パネルのスイッチ操作によって運転/停止等の操作がなされるものであっても良いが、本実施の形態では、一例としてフロントエアコン12と同じに操作パネル54に運転操作用のスイッチが設けられているものとする。すなわち、操作パネル54のスイッチ操作によって運転/停止操作等がなされる。
【0059】
エアコンECU54は、リアクーラ12の運転開始が指示されると、リア冷媒バルブ84を開いてコンプレッサによって圧縮された冷媒がエバポレータ78へ循環されるようにすると共に、室内温度Tr 等の環境条件と設定温度TSET 等の運転条件に基づいた風量VR で作動する一般的構成となっている。
【0060】
なお、エアコンECU54には、リアクーラ14のエバポレータ78へ冷媒を循環させるリア冷媒バルブ84と共に、コンプレッサとエンジンを断続するマグネットクラッチ(図示省略)が接続されており、フロントエアコン12ないしリアクーラ14の運転が指示されると、マグネットクラッチを作動させてエンジンの回転をコンプレッサに伝達すると共に、リア冷媒バルブ84を開くようになっている。
【0061】
エアコンECU54には、目標吹出し温度TAOに基づいて風量を設定して、設定した風量となるようにファンモータ44を駆動する。なお、エアコンECU54には、目標吹出し温度TAOに対する風量VR が予め設定されて記憶されている。
【0062】
この目標吹出し温度TAOに対する風量VR は、図4(A)に示されるように、目標吹出し温度TAOに対して段階的に変化するものであっても良く、また、図4(B)に示されるように、目標吹出し温度TAOの変化に対して連続的に変化するように設定したもので合っても良い。
【0063】
ところで、エアコンECU54は、フロントエアコン12が運転中にリアクーラ14が運転されると、リアクーラ14の空調能力(冷房能力)に応じて空調能力を抑えるために、吹出し風の風量を補正する。すなわち、エアコンECU54は、リアクーラ14を運転することにより増加する冷房能力分だけフロントエアコン12の冷房能力を下げることにより、車両用空調装置10による冷房能力が変化するのを防止するようにしている。
【0064】
リアクーラ14の空調能力QR は、エバポレータ後温度TREが吹出し温度であるから、
R =CP ・γ・VR ・(Tr −TRE) ・・・(1)
この空調能力QR 分だけフロントエアコン12の空等能力を減少させるために必要な風量ΔVは、
P ・γ・VR ・(Tr −TRE)=CP ・γ・ΔV・(Tr −TFO
ΔV=VR ・(Tr −TRE)/(Tr −TFO) ・・・(3)
エアコンECU54は、リアクーラ14が運転されることにより、フロントエアコン12の風量VF を風量ΔVだけ減少させるように、ファンモータ44を制御する。すなわち、風量ΔVだけ減少するように風量VF を補正する。
【0065】
なお、リアクーラ14は、設置位置によって車外の熱の影響を受けて暖められることがあるため、、必ずしも演算した冷房能力QR が得られないことがある。このため、(9)式に示されるように、風量ΔVを補正するようにしても良い。
【0066】
ΔV=VR ・R・(Tr −TRE)/(Tr −TFO) ・・・(8)
但し、R:定数(0<R≦1)
この定数Rは、予め実験結果によって設定したものを用いることができる。また、複数の設定値から日射量等に基づいて選択するようにしても良い。
【0067】
一方、フロントエアコン12の混合比rは、吹出し風の風量VF に対するヒータコア36を通過した空気の風量となるので、吹出し温度TFO、エバポレータ後温度TFE及びヒータコア後温度TH に基づいて求めることができる((6)、(7)式参照)。
【0068】
また、この混合比rは、エアミックスダンパ46の開度Sに応じて変化する関数となるので、ここから、フロントエアコン12の吹出し風の温度TFOは、
FO=f(S)・(TH −TFE)+TFE ・・・(9)
但し、f(S):開度Sの関数
なお、フロントエアコン12の吹出し温度TFOは、室温Tr が設定温度TSET に近ければ、目標吹出し温度TAOにほぼ等しい(TFO=TAO)ので、これを用いてもよい。
【0069】
このエアコンECU54は、フロントエアコン12の冷房運転開始直後のクールダウン時には冷房能力の補正を行なわないようにしている。これにより、大きな冷房能力が必要なクールダウン時に冷房能力が低下して冷房感が損なわれるのを防止すると共に、フロントエアコン12とリアクーラ14によって得られる大きな冷房能力によって短時間に室内温度を設定温度に近づけるようにしている。
【0070】
なお、リアクーラ14のエバポレータ後温度TREは、リアクーラ14のエバポレータ78とフロントエアコン12のエバポレータ34と冷媒温度が略同じであるから、フロントエアコン12のエバポレータ後温度TE を用いてもよいし、センサを設けて直接検出してもよい。
【0071】
以下に本実施の形態の作用を、図5に示されるフローチャートを参照しながら説明する。このフローチャートは、フロントエアコン12の空調能力の設定の一例を示しており、フロントエアコン12の冷房運転が設定されると実行される。なお、エアコンECU54は、フロントエアコン12の運転が指示されると、マグネットクラッチを操作してコンプレッサを駆動し、エバポレータ34への冷媒の循環を開始する。
【0072】
このフローチャートでは、最初のステップ120で外気温度センサ60、室温センサ62及び日射センサ64の検出結果を環境条件として読み、次のステップ122で読み込んだ環境条件と操作パネル58のスイッチ操作によって設定された設定温度TSET 等の運転条件に基づいて目標吹出し温度(TAO)を演算する。
【0073】
この後、目標吹出し温度TAOに基づいて、ステップ124では風量VF を演算等によって設定し、ステップ126ではエアミックスダンパ46の開度Sを演算等によって設定する。
【0074】
ステップ128では、フロントエアコン12によるクールダウン中か否かを判断する。冷房運転開始時などで、室温Tr に対して設定温度TSET が低いと、短時間に室内温度Tr を設定温度TSET に近づけるように目標吹出し温度TAOが低くなる。このため、クールダウンか否かは、目標吹出し温度TAOが予め設定している所定の温度T1 より低いか否か(TAO<T1 )に基づいて判断することができる。なお、クールダウンか否かは、設定温度TSET と室内温度Tr の温度差等の従来公知の種々の方法で判断することができる。
【0075】
また、ステップ130では、リアクーラ14が運転中又はリアクーラ14の運転開始が指示されたか否かを確認する。
【0076】
ここで、フロントエアコン12がクールダウン中(ステップ128で肯定判定)であったり、リアクーラ14の運転が停止している(ステップ130で否定判定)ときには、ステップ132へ移行して、設定した風量VF 、エアミックスダンパ46の開度S等に基づいて空調運転を行なう。
【0077】
一方、フロントエアコン12がクールダウン中でなく(ステップ128で否定判定)、リアクーラ14による冷房運転が行なわれる(ステップ130で肯定判定)と、ステップ134へ移行する。
【0078】
このステップ134では、冷房負荷に応じて設定されるリアクーラ14の風量VR を演算する。この風量VR は、一般的には目標吹出し温度TAOに基づいて設定されるが、リアクーラ14の吹出し温度TRO(エバポレータ後温度TRE)に基づいて設定されるようにしてもよい。
【0079】
次のステップ136では、リアクーラ14の風量VR からフロントエアコン12の風量VF の補正値となる風量ΔVを演算し、ステップ138では、演算した風量ΔVに基づいて、先に設定した風量VF を補正する。
【0080】
このようにして風量VF を補正すると、ステップ132へ移行し、既に設定されているエアミックスダンパ46の開度S等と、補正した風量VF に基づいて空調運転を行なう。
【0081】
このように、車両用空調装置10では、リアクーラ14による冷房運転を行なうことにより、フロントエアコン12の吹出し風の風量VF をリアクーラ14の冷房能力QR に基づいて下げるように補正することにより、冷房能力が変化してしまうのを防止している。これにより、フロントエアコン12から吹出される空調風によって、車両の前席に着座している乗員が冷え過ぎ等の不快感を生じるのを防止できる。すなわち、リアクーラ14を運転することによる冷房能力の変化を抑え、冷房能力が変化することにより乗員に不快感を生じさせるのを防止することができる。
【0082】
また、フロントエアコン12のクールダウン中には、風量VF の補正を停止するので、大きな冷房能力を必要とするクールダウン中に冷房能力が下がってしまうことによる冷房不足が生じるのを防止し、リアクーラ14が合わせて運転されることにより、大きな冷房能力で車室内の空調を行なうことができる。
【0083】
また、リアクーラ14は、風量VR を制御する簡単な構成のものを用いることができ、吹出し風の温度を制御しないで済む。このため、吹出し風の温度を制御するために実行されるリア冷媒バルブ84のオン/オフによる騒音の発生や、吹出し風の温度を制御するときに冷媒圧力を調整するために用いられるEPR等の高価な部品が不要となる。
[第2の実施の形態]
以下に第2の実施の形態を説明する。なお、第2の実施の形態の基本的構成は、第1の実施の形態と同一であり、同一の部品には同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0084】
前記した第1の実施の形態では、フロントエアコン12の吹出し風の風量VF を補正したが、以下で説明する第2の実施の形態では、リアクーラ14が運転/停止されたときに吹出し風の温度TFOを補正する。
【0085】
図6には、第2の実施の形態に係るフローチャートの一例を示している。このフローチャートは、フロントエアコン12の運転中に実行され、最初のステップ120では、外気温度センサ60、室温センサ62及び日射センサ64等によって環境条件を読み込み、ステップ122では、読み込んだ環境条件と設定されている運転条件に基づいて、目標吹出し温度TAOを演算する。
【0086】
この後、演算した目標吹出し温度TAOに基づいて風量VF (ステップ124)及びエアミックスダンパ46の開度S(ステップ126)を演算等によって設定する。
【0087】
次のステップ128では、フロントエアコン12がクールダウン中であるか否かを確認し、ステップ130では、リアクーラ14が運転しているか否かを確認する。ここで、フロントエアコン12がクールダウン中(ステップ128で肯定判定)であったり、リアクーラ14の運転が停止しているとき(ステップ130で否定判定)には、設定した風量VF 、エアミックスダンパ46の開度S等に基づいて空調運転を行なう(ステップ132)。
【0088】
一方、第2の実施の形態では、フロントエアコン12のクールダウンが終了し(ステップ128で否定判定)、リアクーラ14が運転されている(ステップ130で肯定判定)と、ステップ134へ移行して目標吹出し温度TAOに基づいて設定される風量VR を演算し、次のステップ140では、この風量VR に基づいて吹出し温度TFOの補正値をΔTを演算する。
【0089】
リアクーラ14が運転したときに増加する冷房能力ΔQは、
ΔQ=CP ・γ・VR ・(Tr −TRE) ・・・(1)
となる。この冷房能力ΔQだけフロントエアコン12の冷房能力を下げるのに必要な吹出し風の温度を温度ΔTとすると、
P ・γ・VR ・(Tr −TRE)=CP ・γ・VF ・ΔT
となり、ここから温度ΔTは、
ΔT=(Tr −TRE)・VR /VF ・・・(4)
すなわち、リアクーラ14の風量VR とフロントエアコン12の風量VF から温度ΔTを求めることができる。なお、リアクーラ14が受ける日射量等の環境条件に基づいて温度ΔTを補正するようにしても良い。すなわち、温度ΔTを(10)式に基づいて演算しても良い。
【0090】
ΔT=R・(Tr −TRE)・VR /VF ・・・(10)
ただし、R:定数(0<R≦1)
次のステップ142では、演算した温度ΔTに基づいて吹出し温度TFOを補正し、ステップ144では、吹出し風が設定した吹出し温度TFOとなるように、エアミックスダンパ46の開度Sを設定する。
【0091】
このように補正した吹出し温度TFOに基づいて、フロントエアコン12を制御することにより、リアクーラ14を運転したときの冷房能力の増加を抑えることができ、リアクーラ14を運転することによる冷房能力の変化によって乗員に不快感を生じるのを防止することができる。
[第3の実施の形態]
以下に第3の実施の形態を説明する。なお、第3の実施の形態においても基本的構成は、第1の実施の形態と同一であり、同一の部品には同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0092】
前記した第1の実施の形態では、フロントエアコン12の吹出し風の風量を補正したが、一般にブロワファン40を駆動するブロワモータ44を低回転で駆動した場合、回転ムラが風量ムラとなって現れてしまい正確な空調能力の制御が困難となることがある。
【0093】
このため、第3の実施の形態では、通常は、吹出し風の風量VF を制御することにより空調能力を調整するが、風量VF を所定値以下にする必要が生じたときには、吹出し風の温度TFOの制御に切り換える。
【0094】
図7には、第3の実施の形態に係るフローチャートを示しており、以下、このフローチャートを参照しながら第3の実施の形態を説明する。このフローチャートは、フロントエアコン12のクールダウンが終了し、かつリアクーラ14が冷房運転中であるときに、リアクーラ14の風量VR (リアクーラ14の冷房能力、ステップ134に相当)を演算した後に実行される。
【0095】
最初のステップ150では、リアクーラ14の冷房能力(風量VR )に基づいて、フロントエアコン12の冷房能力を減少させるための風量ΔVを演算する(図5のフローチャートのステップ136に相当)。次のステップ152では、演算した風量ΔVに基づいた風量VF の補正後の風量VX を演算し、ステップ154では、演算した風量VX が、ファンモータ44を安定して回転することができる最低風量VO に達しているか否かを確認する。
【0096】
ここで、補正した風量VXが最低風量VOに達しているとき(ステップ154で肯定判定)には、ステップ156へ移行して、補正した風量VXをフロントエアコン12の吹出し風の風量VFとして設定する。
【0097】
この後、設定した風量VF となるようにファンモータ44を制御することにより、リアクーラ14を運転しても冷房能力が増加するのを防止できる。
【0098】
一方、補正した風量VX が最低風量VO に達していない(ステップ154で肯定判定)時には、ステップ158へ移行して、リアクーラ14の冷房能力に基づいてフロントエアコン12の目標吹出し温度TAOの補正値である温度ΔTを演算し、ステップ160では、演算した温度ΔTに基づいて吹出し温度TAOを補正する(図6に示すフローチャートのステップ140、142に相当)。
【0099】
このように吹出し風の風量VF が低くなりすぎてブロワファン40の安定した回転が得られないときに、吹出し温度TFOを補正して冷房能力を抑えることにより、ブロワファン40の回転が安定せずに吹出し風にムラが生じて不快感を生じさせてしまうのを防止することができる。また別の方法としては風量VX が最低風量VO より小さいとき、風量VF を最低風量VO となるように補正し、補正不足分を、この補正不足分を補う補正値となる温度ΔT' でさらに補正するようにしてもよい。
【0100】
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。前席空調装置としては、環境条件及び設定された運転条件に基づいて風量及び吹出し風の温度を制御して車室内の空調を行なう一般的構成の空調装置を用いることができる。
【0101】
また、本実施の形態では、後席空調装置として後席の冷房するリアクーラ14を用いて説明したが、後席空調装置としては、冷房のみならず冷暖房を行なう空調装置を用いることもできる。この場合においても、後席空調装置で複雑な空調能力の制御を行なうこと無く、車室内を一定の空調状態に保つことができる。
【0102】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明によれば、後席空調装置を運転することにより増加する空調能力分だけ前席空調装置の空調能力を下げるように補正する。これにより、前席空調装置の空調能力を制御するだけで空調能力の変化を抑え、空調能力が変化することにより乗員に不快感を生じさせるのを確実に防止することができる。このような前席空調能力の制御は、吹出し風の温度又は風量によって簡単に制御することができる。
【0103】
また、本発明によれば、クールダウン中等の大きな空調能力が必要となるときには、前席空調装置の空調能力の補正を停止するので、空調能力を補正することにより、空調能力の不足感を生じさせることがないと言う優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略を示す流れ図である。
【図2】本実施の形態に適用した車両用空調装置の概略構成図である。
【図3】(A)は本実施の形態に適用したフロントエアコンの目標吹出し温度の変化に対する風量の変化の概略を示す線図、(B)はフロントエアコンのエアミックスダンパの開度の変化に対する混合比の変化の概略を示す線図である。
【図4】(A)及び(B)はそれぞれ本実施の形態に適用したリアクーラの目標吹出し温度に応じた風量の変化の概略を示す線図である。
【図5】第1の実施の形態に係るフロントエアコンの空調能力の制御の概略を示す流れ図である。
【図6】第2の実施の形態に係るフロントエアコンの空調能力の制御の概略を示す流れ図である。
【図7】第3の実施の形態に適用したリアクーラの運転時のフロントエアコンの空調能力の補正の概略を示す流れ図である。
【符号の説明】
10 車両用空調装置
12 フロントエアコン(前席空調装置)
14 リアクーラ(後席空調装置)
40 ブロワファン
44 ファンモータ
46 エアミックスダンパ
48 サーボモータ
54 エアコンECU(後席運転検出手段、補正手段)
84 リア冷媒バルブ

Claims (4)

  1. 車両の前席側に設けられて環境条件及び設定条件に基づいて車室内を設定温度とする空調能力が得られるように吹出し風の風量及び温度を制御しながら車室内を空調する前席空調装置と、主に車両の後席側を設定温度とする空調能力が得られるように吹出し風の風量及び温度を制御して後席側を空調する後席空調装置と、を含む車両用空調装置であって、
    前記後席空調装置の運転状態を検出する後席空調検出手段と、
    前記後席空調検出手段が前記後席空調装置の運転を検出しているときに後席空調装置による空調能力の増加分に応じて前記前席空調装置の空調能力が減少するように補正する補正手段と、
    を含み、前記前席空調装置が前記補正手段によって補正された空調能力に基づいて空調運転を行なうことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記前席空調装置が前記環境条件及び前記運転条件に基づいて吹出し風の風量ないし吹出し風の温度を設定して、設定した風量ないし吹出し温度で車室内を空調するときに、前記補正手段が前記風量又は前記吹出し温度の何れか少なくとも一方を補正することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記風量が所定値以下となるときに、前記吹出し温度の補正に切り換えることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記前席空調装置の空調運転開始時に、前記補正手段の作動が停止されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の車両用空調装置。
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