JPH11321275A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH11321275A
JPH11321275A JP13836998A JP13836998A JPH11321275A JP H11321275 A JPH11321275 A JP H11321275A JP 13836998 A JP13836998 A JP 13836998A JP 13836998 A JP13836998 A JP 13836998A JP H11321275 A JPH11321275 A JP H11321275A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リアクーラの冷房能力を制御すること無く、
リアクーラを運転したときに不快感を生じさせる冷房能
力の増加を抑える。 【解決手段】 環境条件を読み込むと、環境条件と設定
温度等の運転条件に基づいて必要な空調能力を演算する
(ステップ、100、102)。次に、大きな空調能力
を必要とする立上げ運転中か否か後席空調装置が運転さ
れているか否かを確認し、立上げ運転が終了し、かつ、
後席空調装置が運転されているときには、ステップ10
8へ移行して後席空調装置の空調能力に基づいて空調能
力の補正量を演算し、演算した空調能力の補正量に基づ
いて前席空調装置の空調能力を補正し、補正した空調能
力で、前席空調装置の空調運転を行なう(ステップ10
4〜112)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車室内を空調する
車両用空調装置に係り、詳細にはそれぞれが独立して空
調運転が可能な複数の空調装置を備えた車両用空調装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】車両には、室内を所望の空調状態とする
ための空調装置(車両用空調装置)が設けられている。
一般に車両用空調装置は、前席の前方側に設けられてい
るインスツルメントパネル内に設置されており、インス
ツルメントパネルに設けている吹出し口から吹出す空調
風によって車室内を空調するようになっているものが多
いが、乗用車でも上級車では、後席にも空調装置(例え
ばリアクーラ)を備えているものが多い。
【0003】また、ワンボックス車やワゴン車と呼ばれ
る広い室内空間を有する車両ががある。特に室内空間が
車両の前後方向に沿って長い車両には、インストルメン
トパネル内に設けた空調装置(以下「前席空調装置」と
する)に加えて、主に車両の後席側を空調する空調装置
(例えばリアクーラなど、以下「後席空調装置」とす
る)を設けることがある。
【0004】前席空調装置と後席空調装置が設けられて
いる車両では、前席空調装置によって車室内の空調が可
能となっているが、必要に応じて後席空調装置を作動さ
せることにより、車室内の後席側を重点的に空調するこ
とができる。このような後席空調装置としては、主に後
席側を冷房するリアクーラが用いられる。
【0005】ところで、前席空調装置(例えばフロント
エアコン)によって冷房運転を行なっているときに後席
空調装置(例えばリアクーラ)を運転させると、一時的
に冷房能力が増加してしまう。このために、室内温度が
大きく低下して、乗員に不快感を生じさせることがあ
る。
【0006】このようなフロントエアコンによる冷房運
転中にリアクーラを運転したときの不快感を防止するた
めに、特開昭58−26615号公報等では、車室内を
空調するための必要熱量に対するフロント側の空調装置
とリア側の空調装置の分担比率を設定しておき、フロン
ト側の空調装置とリア側の空調装置を同時に運転すると
きに、この分担比率の熱量が得られるようにフロント側
の空調装置とリア側の空調装置の運転能力を設定するよ
うにしている。
【0007】このとき、特開昭58−26615号公報
では、リアクーラのエバポレータへ冷媒を循環させるた
めに冷凍サイクル中に設けているリア冷媒バルブのオン
/オフ等を行なうことにより吹出し風の温度を制御する
ようにしている。
【0008】また、実公昭63−47130号公報は、
車室内の前席側と後席側で独立して温度調節を行なうと
きに、前席側の吹出し風の温度のみならず前席側の吹出
口モードに応じて後席側の吹出し風の温度を制御するよ
うにしている。すなわち、前席温度設定器により設定さ
れる信号と温度センサにより検出されるセンサ信号とを
含む信号に基づいて前席側の吹出口から吹出される空気
の温度を制御する前席温度制御信号の比例変化した制御
信号を含む後席側温度制御信号に基づいて後席吹出口か
ら吹出される空気の温度を制御する後席温度制御手段
に、前席側吹出口モード変換を検出し、この検出信号に
基づいて後席側温度制御信号を補正する補正手段を設け
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前席側
の設定温度や吹出口モードに応じて後席側に吹出す空気
の温度を制御しただけでは、後席側の運転/停止等によ
って実質的な空調能力が変化するため、前席に乗車した
乗員に不快感を生じさせることがある。また、後席空調
装置は、一般に後席側の室温が設定温度となるように吹
出し風の風量を制御する簡単な構造で小型化されたもの
が用いられるが、後席空調装置に吹出し風の温度を制御
する機能を設けた場合、制御が複雑となり装置のコスト
アップに繋がると言う問題が生じる。
【0010】本発明は上記事実に鑑みてなされたもので
あり、後席空調装置の大型化や取付コストを含む製品コ
ストの上昇を招くこと無く、前席空調装置の運転中に後
席空調装置の運転/停止を行なったときに、乗員に不快
感を生じさせることがない車両用空調装置を提案するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
車両の前席側に設けられて環境条件及び設定条件に基づ
いて空調能力を制御しながら車室内を空調する前席空調
装置と、車両の後席側に設けられて主に車両の後席側を
空調する後席空調装置と、を含む車両用空調装置であっ
て、前記後席空調装置の運転状態を検出する後席空調検
出手段と、前記後席空調検出手段の検出結果に基づいて
前記前席空調装置の空調能力を補正する補正手段と、を
含み、前記前席空調装置が前記補正手段によって補正さ
れた空調能力に基づいて空調運転を行なうことを特徴と
する。
【0012】この発明によれば、前席空調装置が運転中
に後席空調装置の運転を開始したときには、後席空調装
置が運転することによる空調能力の変化を考慮して前席
空調装置の空調能力を補正する。また、前席空調装置と
共に後席空調装置の運転中に、後席空調装置を停止させ
たときには、後席空調装置の運転が停止することによる
空調能力の変化を考慮して前席空調装置の空調能力を補
正する。
【0013】一般に車両の前席に設けられている前席空
調装置は、環境条件等に基づいて空調能力を細かく制御
することができる。このとき、後席空調装置としては、
吹出し風の風量のみを制御して室内温度を設定温度に維
持する簡単な構成のものを用いることができる。
【0014】請求項2に係る発明は、前記前席空調装置
が空調能力に基づいて吹出し風の風量ないし吹出し風の
温度を設定して、設定した風量ないし吹出し風温度で車
室内を空調するときに、前記補正手段が前記吹出し風の
風量又は前記吹出し風の温度の何れか少なくとも一方を
補正することを特徴とする。
【0015】この発明によれば、前席空調装置の風量な
いし吹出し風の温度の何れか少なくとも一方を補正す
る。
【0016】例えば、前席空調装置としてフロントエア
コンが設けられ、後席空調装置としてリアクーラが設け
られているときに、リアクーラが作動することにより空
調能力はリアクーラの冷房能力QR だけ増加する。
【0017】 QR =CP ・γ・VR ・(Tr −TRE) ・・・(1) 但し、 CP :空気の定圧比熱、 γ :空気の比重量、 VR :リアクーラの風量、 Tr :室温(車室内平均温度)、 TRE:リアクーラのエバポレータ後温度 なお、リアクーラのエバポレータ後温度としては、フロ
ントエアコンのエバポレータ後温度と略同じであるの
で、フロントエアコンのエバポレータ後温度を用いても
良く、これにより、リアクーラのエバポレータ後温度の
検出を不要とすることができる。
【0018】一方、フロントエアコンの風量VF を風量
ΔVだけ減らすことにより減少する冷房能力ΔQは、 ΔQ=CP ・γ・ΔV・(Tr −TFO) ・・・(2) 但し、TFO:フロントエアコンの吹出し風の温度 また、フロントエアコンの吹出し温度TFOを温度ΔTだ
け減らすことにより減少する冷房能力ΔQは、 ΔQ=CP ・γ・VF ・ΔT ・・・(3) 乗員が快適と感じるのは、冷房能力が変化しないことで
あり、このためには、リアクーラの空調能力(冷房能
力)分だけフロントエアコンの空調能力を減少させれば
良く、ここから、 ΔV=VR ・(Tr −TRE)/(Tr −TFO) ・・・(3) また、 ΔT=(Tr −TRE)・VR /VF ・・・(4) すなわち、リアクーラを運転しているときには、リアク
ーラの風量VR に基づいてフロントエアコンの風量又は
吹出し風の温度を減少させることにより、空調能力を一
定に保つことができる。
【0019】これにより、リアクーラの冷房能力を調整
すること無く、フロントエアコンの冷房能力を抑えるだ
けで車室内を快適な空調状態に保つことができる。
【0020】請求項3に係る発明は、前記前席空調装置
の空調運転開始時に、前記補正手段の作動が停止される
ことを特徴とする。
【0021】この発明によれば、前席側を含む車室内の
空調を行なう前席空調装置の運転開始時は、設定温度と
室内温度の温度差が大きく、室内温度を設定温度とする
ために大きな空調能力を必要とする。このときに、前席
空調装置の空調能力を補正した場合、空調能力が不足し
て空調不足を感じさせてしまう恐れがある。
【0022】このように、大きな空調能力を必要とする
ときには、後席空調装置を運転することによる前席空調
装置の空調能力が抑えられるのを防止する。これによ
り、空調能力の不足感を感じさせるのを防止できる。
【0023】すなわち、図1に示されるように、本発明
の前席空調装置は、ステップ100で室内温度、外気温
度、日射量等の環境条件と共に設定温度等の運転条件を
読み込んで、室内温度を設定温度とするために必要な空
調能力を演算する(ステップ102)。次に、ステップ
104では、大きな空調能力を必要とする立上げ運転中
か否かを確認し、また、ステップ106では、後席空調
装置が運転されているか否かを確認する。
【0024】ここで、立上げ運転が終了し(ステップ1
04で否定判定)、かつ、後席空調装置が運転されてい
るとき(ステップ106で否定判定)には、ステップ1
08へ移行して後席空調装置の空調能力に基づいて空調
能力の補正量を演算し、ステップ110では、演算した
空調能力の補正量に基づいて前席空調装置の空調能力を
補正する。
【0025】このようにして設定した空調能力に基づい
て空調運転を行なう(ステップ112)ことにより、後
席空調装置の運転/停止に拘わらず車室内を空調するた
めの空調能力を一定に保つことができ、後席空調装置の
運転/停止によって室内温度が変化して、車室内の快適
感が損なわれるのを確実に防止することができ、車室内
を快適な空調状態に保つことができる。
【0026】また、後席空調装置の吹出し風の温度制御
を行なう必要が無いため、リア冷媒バルブを頻繁にオン
/オフさせることによる騒音の発生や、冷媒圧力を制御
するための高価な部品を使用する必要が無くなる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。 [第1の実施の形態]図2には、本実施の形態に適用し
た車両用空調装置10の概略構成を示している。車両用
空調装置10は、前席空調装置として図示しない車両の
インストルメントパネル内に設けられたフロントエアコ
ン12と、後席空調装置として後席側に設けられて後席
へ向けて空調風を吹出すリアクーラ14を備えている。
【0028】フロントエアコン12は、空調ダクト16
を備えている。この空調ダクト16は、図示しないイン
ストルメントパネル内に設けられており、一方の開口端
に空気取入口18、20が形成されている。
【0029】空気取入口18は、車両外部と連通してお
り、この空気取入口18から空調ダクト16内に外気が
導入可能となっている。また、空気取入口20は、車室
内と連通しており、この空気取入口20から車室内の空
気(内気)を空調ダクト16内に導入可能となってい
る。
【0030】一方、空調ダクト16の他端は、車室内へ
向けて開口された吹出し口22となっている。本実施の
形態に適用したフロントエアコン12には、吹出し口2
2が3系統に大別されている。
【0031】吹出し口22の1系統は、フロントインス
トルメントパネルに設けられて主に乗員へ向けて空調風
を吹出すVENT吹出し口24となっている。このVE
NT吹出し口24は、空調ダクト16から延設されたダ
クト26Aに設けられたセンタレジスタ24A及びダク
ト26B、26Cのそれぞれに設けられたサイドレジス
タ24B、24Cによって構成されている。
【0032】また、吹出し口22の他の1系統は、主に
乗員の足元へ向けて空調風を吹出すHEAT吹出し口2
8となっている。HEAT吹出し口28は、空調ダクト
16から延設されたダクト30Aから前席に着座してい
る乗員の足元へ向けて開口された足元吹出し口28A
と、ダクト30Bから後席に着座した乗員の足元へ向け
て開口された足元吹出し口28Bによって構成されてい
る。
【0033】更に、残りの1系統は、ウインドシールド
ガラスへ向けて空調風を吹出すデフロスタ吹出し口32
となっている。このデフロスタ吹出し口32は、センタ
デフロスタ32A及びサイドデフロスタ32B、32C
によって構成されている。
【0034】フロントエアコン12の空調ダクト16内
には、エバポレータ34とヒータコア36が設けられて
いる。エバポレータ34は、図示しないコンプレッサ、
コンデンサ、エキスパンションバルブ等との間で冷媒が
循環される冷凍サイクルを形成しており、エバポレータ
34には、車両のエンジン等の駆動源の駆動力によって
コンプレッサが回転駆動されることにより、コンプレッ
サによって圧縮されて液化された冷媒が供給される。エ
バポレータ34では、この冷媒が気化することにより、
エバポレータ34を通過する空気を冷却するようになっ
ている。
【0035】また、ヒータコア36には、エンジン冷却
水が循環されるようになっており、ヒータコア36は、
エンジンを冷却することにより加熱されている冷却水に
よって通過する空気を加熱するようになっている。
【0036】一方、空調ダクト16内には、空気取入口
18、20の近傍に切替ダンパ387が設けられ、ま
た、空気取入口18、20とエバポレータ34の間にブ
ロワファン40が設けられている。切替ダンパ38は、
サーボモータ42の作動によって空気取入口18、20
の開閉を行なう。
【0037】ブロワファン40は、ブロワモータ44の
駆動によって回転して、空気取入口18又は空気取入口
20から空調ダクト16内に空気を吸引し、吸引した空
気をエバポレータ34へ向けて送り出すようになってい
る。このとき、切替ダンパ38が空気取入口18を閉止
した状態では、空気取入口20から内気が空調ダクト1
6内に導入される内気循環モードとなり、切替ダンパ3
8が空気取入口20を閉止した状態では、空気取入口1
8から外気が挿入される外気導入モードとなる。
【0038】ブロワファン40によって空調ダクト16
内に導入された空気は、全量が空調ダクト16内を吹出
し口22へ向けて送られる。
【0039】エバポレータ34の下流側には、ヒータコ
ア36と共にエアミックスダンパ46が設けられてい
る。ヒータコア36の近傍では、空調ダクト16内の空
気の通過がヒータコア36を通過する通路と、ヒータコ
ア36をバイパスする通路似分けられており、エアミッ
クスダンパ46は、サーボモータ48の作動によってそ
れぞれの通路の開口を開閉する。
【0040】エバポレータ34を通過した空気は、エア
ミックスダンパ46の開度Sに応じてヒータコア36へ
送られる空気とヒータコア36をバイパスする空気に分
けられる。ヒータコア36を通過した空気とヒータコア
36をバイパスした空気は、吹出し口22の近傍で混合
される。これにより、エアミックスダンパ46の開度S
によって吹出し口22から車室内へ吹出される空気の温
度(吹出し温度)が定まる。
【0041】空調ダクト16内には、吹出し口22の近
傍にモード切換ダンパ50が設けられている。モード切
換ダンパ50は、サーボモータ52の作動によって、ダ
ンパ50AがVENT吹出し口24とHEAT吹出し口
28を開閉すると共に、ダンパ50Bがデフロスタ吹出
し口32を開閉する。なお、サーボモータ52は、ダン
パ50A、50Bを一体でかつ段階的に開度が変化する
ように作動する。
【0042】フロントエアコン12は、マイクロコンピ
ュータを備えた制御装置(以下「エアコンECU54」
と言う)を備えている。このエアコンECU54には、
切替ダンパ38、エアミックスダンパ46及び切替ダン
パ50を操作するサーボモータ42、48、50が接続
され、ブロワモータ44を駆動するコントローラ56が
接続されている。
【0043】フロントエアコン12には、運転操作用の
操作パネル58がインスツルメントパネルに設けられて
おり、この操作パネル58が、エアコンECU54に接
続されている。フロントエアコン12は、この操作パネ
ル56のスイッチ操作によって、運転/停止操作と共
に、内気循環モードか外気導入モードか、運転モード
(吹出し口22の選択)、設定温度、マニュアルモード
かオートモードか、マニュアルモードでの風量等の運転
条件の設定操作が行なわれる。
【0044】また、エアコンECU54には、車外の温
度を検出する外気温度センサ60、車室内の温度を検出
する室温センサ62、日射量の検出する日射センサ64
と共に、エバポレータ34を通過した空気の温度を検出
するエバポレータ後温度センサ66が接続されている。
【0045】なお、オートモードに設定されることによ
り、エアコンECU54は、モード切換ダンパ50及び
ブロワファン30の動作(吹出し口22の選択と風量)
を制御する。また、エアコンECU54には、エアミッ
クスダンパ46の開度Sを検出するエアミックスダンパ
センサ68が接続されており、サーボモータ48の作動
によって開閉するエアミックスダンパ46の開度Sをエ
アミックスダンパセンサ68によって検出して、エアミ
ックスダンパ46が設定した開度Sとなるようにサーボ
モータ48を制御する。
【0046】エアコンECU54は、操作パネル58の
スイッチ操作によってフロントエアコン12の運転が指
示されると、操作パネル58によって設定された運転条
件に基づいて、ブロワファン40、切替ダンパ38、モ
ード切換ダンパ50を制御すると共に、外気温度センサ
60、室温センサ62、日射センサ64等によって検出
した環境条件に基づいて定まる空調負荷から車室内を所
望の温度(設定温度)とするための目標吹出し温度を演
算して決定し、決定した目標吹出し温度に応じてエアミ
ックスダンパ46を制御しながら運転する。これによ
り、車室内を所望の空調状態に維持するようにしてい
る。
【0047】目標吹出し温度TAOは、(5)式に示され
るように、従来公知の一般的方法を用いて演算すること
ができる。
【0048】 TAO=k1 ・TSET −k2 ・Tr −k3 ・TO −k4 ・ST+C ・・・(5) 但し、 TSET :設定温度、 Tr :室温、 TO :外気温度、 ST:日射量、 k1 、k2 、k3 、k4 、C:定数 エアコンECU54は、フロントエアコン12の目標吹
出し温度TAOを演算し、演算した目標吹出し温度TAO
基づいて吹出し風の風量及びエアミックスダンパ46の
開度Sを設定し、この設定結果に基づいてブロワファン
40を駆動するファンモータ44及びエアミックスダン
パ46を操作するサーボモータ48を制御する。
【0049】エアコンECU54は、例えば図3(A)
に示されるように、目標吹出し温度TAO(TFAO )に対
する風量VF のマップ又はこのマップに基づいた設定し
た演算式を記憶しており、このマップ又は演算式に基づ
いて目標吹出し温度TFAO から求められた風量VF が得
られるようにブロワモータ44の回転数を設定する。
【0050】一方、実際の吹出し温度TFOは、エアミッ
クスダンパ46によって分割されたヒータコア36を通
過した空気と、ヒータコア36をバイパスした空気を混
合することにより得られる温度となる。ここから、エア
コンECU54では、目標吹出し温度TFAO から目標と
なる温風と冷風との混合比を決定し、この混合比からエ
アミックスダンパ46の開度Sを設定する。
【0051】具体的には、実際の吹出し温度TFOが目標
吹出し温度TAOとなるようにヒータコア36を通過する
温風と、これをバイパスする冷風の混合比r(r=温風
風量/全風量)を演算するが、この混合比rは次式で求
められる。
【0052】 r=(TFO−TE )/(TH −TE ) ・・・(6) なお、ヒータコア後温度TH は、センサによってヒータ
コア36を通過した空気の温度を直接検出しても良く、
冷却水温度TW を検出して、この冷却水温度T W から演
算によって算出しても良い((7)式参照)。また、ま
た、エンジン冷却水は、エンジンの運転中であればサー
モスタットによって一定に保たれているので、この温度
を用いても良い。
【0053】 TH =A・TW +(1−A)・TE ・・・(7) 但し、Aは0<A<1の定数 エアコンECU54は、混合比rを決定すると、この混
合比rから例えば図3(B)に示されるマップに基づい
てエアミックスダンパ46の開度Sを決定し、エアミッ
クスダンパ46が決定した開度Sとなるように、エアミ
ックスダンパセンサ68によってエアミックスダンパ4
6の開度を検出しながらサーボモータ48を駆動する。
【0054】このように、フロントエアコン12として
は、車室内を所望の空調状態とするように吹出し温度及
び吹出し風の風量を制御する一般的構成のものを用いる
ことができる。
【0055】一方、リアクーラ14は、図示しないケー
シング内に空調ダクト70が形成されている。この空調
ダクト70には、空気取入口72と吹出し口74が形成
されており、内部にブロワファン76及びエバポレータ
78が設けられている。
【0056】リアクーラ14は、ブロワファン76の作
動によって空気取入口72から車室内の空気を吸い込ん
でエバポレータ78へ向けて送り出すようになってい
る。また、エバポレータ78を通過した空気は、吹出し
口74から後席へ向けて吹出される。
【0057】リアクーラ14のエバポレータ78は、フ
ロントエアコン12のエバポレータ34と同じ冷凍サイ
クル中に設けられており、圧縮された冷媒が供給される
ことにより、通過する空気を冷却するようになってい
る。
【0058】ブロワファン76を駆動するブロワモータ
80は、コントローラ82を介してエアコンECU54
に接続されており、エアコンECU54によって作動が
制御される。なお、リアクーラ14としては、例えば図
示しないケーシング又は後席側の所定の位置に設けられ
ている操作パネルのスイッチ操作によって運転/停止等
の操作がなされるものであっても良いが、本実施の形態
では、一例としてフロントエアコン12と同じに操作パ
ネル54に運転操作用のスイッチが設けられているもの
とする。すなわち、操作パネル54のスイッチ操作によ
って運転/停止操作等がなされる。
【0059】エアコンECU54は、リアクーラ12の
運転開始が指示されると、リア冷媒バルブ84を開いて
コンプレッサによって圧縮された冷媒がエバポレータ7
8へ循環されるようにすると共に、室内温度Tr 等の環
境条件と設定温度TSET 等の運転条件に基づいた風量V
R で作動する一般的構成となっている。
【0060】なお、エアコンECU54には、リアクー
ラ14のエバポレータ78へ冷媒を循環させるリア冷媒
バルブ84と共に、コンプレッサとエンジンを断続する
マグネットクラッチ(図示省略)が接続されており、フ
ロントエアコン12ないしリアクーラ14の運転が指示
されると、マグネットクラッチを作動させてエンジンの
回転をコンプレッサに伝達すると共に、リア冷媒バルブ
84を開くようになっている。
【0061】エアコンECU54には、目標吹出し温度
AOに基づいて風量を設定して、設定した風量となるよ
うにファンモータ44を駆動する。なお、エアコンEC
U54には、目標吹出し温度TAOに対する風量VR が予
め設定されて記憶されている。
【0062】この目標吹出し温度TAOに対する風量VR
は、図4(A)に示されるように、目標吹出し温度TAO
に対して段階的に変化するものであっても良く、また、
図4(B)に示されるように、目標吹出し温度TAOの変
化に対して連続的に変化するように設定したもので合っ
ても良い。
【0063】ところで、エアコンECU54は、フロン
トエアコン12が運転中にリアクーラ14が運転される
と、リアクーラ14の空調能力(冷房能力)に応じて空
調能力を抑えるために、吹出し風の風量を補正する。す
なわち、エアコンECU54は、リアクーラ14を運転
することにより増加する冷房能力分だけフロントエアコ
ン12の冷房能力を下げることにより、車両用空調装置
10による冷房能力が変化するのを防止するようにして
いる。
【0064】リアクーラ14の空調能力QR は、エバポ
レータ後温度TREが吹出し温度であるから、 QR =CP ・γ・VR ・(Tr −TRE) ・・・(1) この空調能力QR 分だけフロントエアコン12の空等能
力を減少させるために必要な風量ΔVは、 CP ・γ・VR ・(Tr −TRE)=CP ・γ・ΔV・(Tr −TFO) ΔV=VR ・(Tr −TRE)/(Tr −TFO) ・・・(3) エアコンECU54は、リアクーラ14が運転されるこ
とにより、フロントエアコン12の風量VF を風量ΔV
だけ減少させるように、ファンモータ44を制御する。
すなわち、風量ΔVだけ減少するように風量VF を補正
する。
【0065】なお、リアクーラ14は、設置位置によっ
て車外の熱の影響を受けて暖められることがあるた
め、、必ずしも演算した冷房能力QR が得られないこと
がある。このため、(9)式に示されるように、風量Δ
Vを補正するようにしても良い。
【0066】 ΔV=VR ・R・(Tr −TRE)/(Tr −TFO) ・・・(8) 但し、R:定数(0<R≦1) この定数Rは、予め実験結果によって設定したものを用
いることができる。また、複数の設定値から日射量等に
基づいて選択するようにしても良い。
【0067】一方、フロントエアコン12の混合比r
は、吹出し風の風量VF に対するヒータコア36を通過
した空気の風量となるので、吹出し温度TFO、エバポレ
ータ後温度TFE及びヒータコア後温度TH に基づいて求
めることができる((6)、(7)式参照)。
【0068】また、この混合比rは、エアミックスダン
パ46の開度Sに応じて変化する関数となるので、ここ
から、フロントエアコン12の吹出し風の温度TFOは、 TFO=f(S)・(TH −TFE)+TFE ・・・(9) 但し、f(S):開度Sの関数 なお、フロントエアコン12の吹出し温度TFOは、室温
r が設定温度TSETに近ければ、目標吹出し温度TAO
にほぼ等しい(TFO=TAO)ので、これを用いてもよ
い。
【0069】このエアコンECU54は、フロントエア
コン12の冷房運転開始直後のクールダウン時には冷房
能力の補正を行なわないようにしている。これにより、
大きな冷房能力が必要なクールダウン時に冷房能力が低
下して冷房感が損なわれるのを防止すると共に、フロン
トエアコン12とリアクーラ14によって得られる大き
な冷房能力によって短時間に室内温度を設定温度に近づ
けるようにしている。
【0070】なお、リアクーラ14のエバポレータ後温
度TREは、リアクーラ14のエバポレータ78とフロン
トエアコン12のエバポレータ34と冷媒温度が略同じ
であるから、フロントエアコン12のエバポレータ後温
度TE を用いてもよいし、センサを設けて直接検出して
もよい。
【0071】以下に本実施の形態の作用を、図5に示さ
れるフローチャートを参照しながら説明する。このフロ
ーチャートは、フロントエアコン12の空調能力の設定
の一例を示しており、フロントエアコン12の冷房運転
が設定されると実行される。なお、エアコンECU54
は、フロントエアコン12の運転が指示されると、マグ
ネットクラッチを操作してコンプレッサを駆動し、エバ
ポレータ34への冷媒の循環を開始する。
【0072】このフローチャートでは、最初のステップ
120で外気温度センサ60、室温センサ62及び日射
センサ64の検出結果を環境条件として読み、次のステ
ップ122で読み込んだ環境条件と操作パネル58のス
イッチ操作によって設定された設定温度TSET 等の運転
条件に基づいて目標吹出し温度(TAO)を演算する。
【0073】この後、目標吹出し温度TAOに基づいて、
ステップ124では風量VF を演算等によって設定し、
ステップ126ではエアミックスダンパ46の開度Sを
演算等によって設定する。
【0074】ステップ128では、フロントエアコン1
2によるクールダウン中か否かを判断する。冷房運転開
始時などで、室温Tr に対して設定温度TSET が低い
と、短時間に室内温度Tr を設定温度TSET に近づける
ように目標吹出し温度TAOが低くなる。このため、クー
ルダウンか否かは、目標吹出し温度TAOが予め設定して
いる所定の温度T1 より低いか否か(TAO<T1 )に基
づいて判断することができる。なお、クールダウンか否
かは、設定温度TSET と室内温度Tr の温度差等の従来
公知の種々の方法で判断することができる。
【0075】また、ステップ130では、リアクーラ1
4が運転中又はリアクーラ14の運転開始が指示された
か否かを確認する。
【0076】ここで、フロントエアコン12がクールダ
ウン中(ステップ128で肯定判定)であったり、リア
クーラ14の運転が停止している(ステップ130で否
定判定)ときには、ステップ132へ移行して、設定し
た風量VF 、エアミックスダンパ46の開度S等に基づ
いて空調運転を行なう。
【0077】一方、フロントエアコン12がクールダウ
ン中でなく(ステップ128で否定判定)、リアクーラ
14による冷房運転が行なわれる(ステップ130で肯
定判定)と、ステップ134へ移行する。
【0078】このステップ134では、冷房負荷に応じ
て設定されるリアクーラ14の風量VR を演算する。こ
の風量VR は、一般的には目標吹出し温度TAOに基づい
て設定されるが、リアクーラ14の吹出し温度TRO(エ
バポレータ後温度TRE)に基づいて設定されるようにし
てもよい。
【0079】次のステップ136では、リアクーラ14
の風量VR からフロントエアコン12の風量VF の補正
値となる風量ΔVを演算し、ステップ138では、演算
した風量ΔVに基づいて、先に設定した風量VF を補正
する。
【0080】このようにして風量VF を補正すると、ス
テップ132へ移行し、既に設定されているエアミック
スダンパ46の開度S等と、補正した風量VF に基づい
て空調運転を行なう。
【0081】このように、車両用空調装置10では、リ
アクーラ14による冷房運転を行なうことにより、フロ
ントエアコン12の吹出し風の風量VF をリアクーラ1
4の冷房能力QR に基づいて下げるように補正すること
により、冷房能力が変化してしまうのを防止している。
これにより、フロントエアコン12から吹出される空調
風によって、車両の前席に着座している乗員が冷え過ぎ
等の不快感を生じるのを防止できる。すなわち、リアク
ーラ14を運転することによる冷房能力の変化を抑え、
冷房能力が変化することにより乗員に不快感を生じさせ
るのを防止することができる。
【0082】また、フロントエアコン12のクールダウ
ン中には、風量VF の補正を停止するので、大きな冷房
能力を必要とするクールダウン中に冷房能力が下がって
しまうことによる冷房不足が生じるのを防止し、リアク
ーラ14が合わせて運転されることにより、大きな冷房
能力で車室内の空調を行なうことができる。
【0083】また、リアクーラ14は、風量VR を制御
する簡単な構成のものを用いることができ、吹出し風の
温度を制御しないで済む。このため、吹出し風の温度を
制御するために実行されるリア冷媒バルブ84のオン/
オフによる騒音の発生や、吹出し風の温度を制御すると
きに冷媒圧力を調整するために用いられるEPR等の高
価な部品が不要となる。 [第2の実施の形態]以下に第2の実施の形態を説明す
る。なお、第2の実施の形態の基本的構成は、第1の実
施の形態と同一であり、同一の部品には同一の符号を付
与してその説明を省略する。
【0084】前記した第1の実施の形態では、フロント
エアコン12の吹出し風の風量VFを補正したが、以下
で説明する第2の実施の形態では、リアクーラ14が運
転/停止されたときに吹出し風の温度TFOを補正する。
【0085】図6には、第2の実施の形態に係るフロー
チャートの一例を示している。このフローチャートは、
フロントエアコン12の運転中に実行され、最初のステ
ップ120では、外気温度センサ60、室温センサ62
及び日射センサ64等によって環境条件を読み込み、ス
テップ122では、読み込んだ環境条件と設定されてい
る運転条件に基づいて、目標吹出し温度TAOを演算す
る。
【0086】この後、演算した目標吹出し温度TAOに基
づいて風量VF (ステップ124)及びエアミックスダ
ンパ46の開度S(ステップ126)を演算等によって
設定する。
【0087】次のステップ128では、フロントエアコ
ン12がクールダウン中であるか否かを確認し、ステッ
プ130では、リアクーラ14が運転しているか否かを
確認する。ここで、フロントエアコン12がクールダウ
ン中(ステップ128で肯定判定)であったり、リアク
ーラ14の運転が停止しているとき(ステップ130で
否定判定)には、設定した風量VF 、エアミックスダン
パ46の開度S等に基づいて空調運転を行なう(ステッ
プ132)。
【0088】一方、第2の実施の形態では、フロントエ
アコン12のクールダウンが終了し(ステップ128で
否定判定)、リアクーラ14が運転されている(ステッ
プ130で肯定判定)と、ステップ134へ移行して目
標吹出し温度TAOに基づいて設定される風量VR を演算
し、次のステップ140では、この風量VR に基づいて
吹出し温度TFOの補正値をΔTを演算する。
【0089】リアクーラ14が運転したときに増加する
冷房能力ΔQは、 ΔQ=CP ・γ・VR ・(Tr −TRE) ・・・(1) となる。この冷房能力ΔQだけフロントエアコン12の
冷房能力を下げるのに必要な吹出し風の温度を温度ΔT
とすると、 CP ・γ・VR ・(Tr −TRE)=CP ・γ・VF ・Δ
T となり、ここから温度ΔTは、 ΔT=(Tr −TRE)・VR /VF ・・・(4) すなわち、リアクーラ14の風量VR とフロントエアコ
ン12の風量VF から温度ΔTを求めることができる。
なお、リアクーラ14が受ける日射量等の環境条件に基
づいて温度ΔTを補正するようにしても良い。すなわ
ち、温度ΔTを(10)式に基づいて演算しても良い。
【0090】 ΔT=R・(Tr −TRE)・VR /VF ・・・(10) ただし、R:定数(0<R≦1) 次のステップ142では、演算した温度ΔTに基づいて
吹出し温度TFOを補正し、ステップ144では、吹出し
風が設定した吹出し温度TFOとなるように、エアミック
スダンパ46の開度Sを設定する。
【0091】このように補正した吹出し温度TFOに基づ
いて、フロントエアコン12を制御することにより、リ
アクーラ14を運転したときの冷房能力の増加を抑える
ことができ、リアクーラ14を運転することによる冷房
能力の変化によって乗員に不快感を生じるのを防止する
ことができる。 [第3の実施の形態]以下に第3の実施の形態を説明す
る。なお、第3の実施の形態においても基本的構成は、
第1の実施の形態と同一であり、同一の部品には同一の
符号を付与してその説明を省略する。
【0092】前記した第1の実施の形態では、フロント
エアコン12の吹出し風の風量を補正したが、一般にブ
ロワファン40を駆動するブロワモータ44を低回転で
駆動した場合、回転ムラが風量ムラとなって現れてしま
い正確な空調能力の制御が困難となることがある。
【0093】このため、第3の実施の形態では、通常
は、吹出し風の風量VF を制御することにより空調能力
を調整するが、風量VF を所定値以下にする必要が生じ
たときには、吹出し風の温度TFOの制御に切り換える。
【0094】図7には、第3の実施の形態に係るフロー
チャートを示しており、以下、このフローチャートを参
照しながら第3の実施の形態を説明する。このフローチ
ャートは、フロントエアコン12のクールダウンが終了
し、かつリアクーラ14が冷房運転中であるときに、リ
アクーラ14の風量VR (リアクーラ14の冷房能力、
ステップ134に相当)を演算した後に実行される。
【0095】最初のステップ150では、リアクーラ1
4の冷房能力(風量VR )に基づいて、フロントエアコ
ン12の冷房能力を減少させるための風量ΔVを演算す
る(図5のフローチャートのステップ136に相当)。
次のステップ152では、演算した風量ΔVに基づいた
風量VF の補正後の風量VX を演算し、ステップ154
では、演算した風量VX が、ファンモータ44を安定し
て回転することができる最低風量VO に達しているか否
かを確認する。
【0096】ここで、補正した風量VX が最低風量VO
に達しているとき(ステップ154で肯定判定)には、
ステップ156へ一向して、補正した風量VX をフロン
トエアコン12の吹出し風の風量VF として設定する。
【0097】この後、設定した風量VF となるようにフ
ァンモータ44を制御することにより、リアクーラ14
を運転しても冷房能力が増加するのを防止できる。
【0098】一方、補正した風量VX が最低風量VO
達していない(ステップ154で肯定判定)時には、ス
テップ158へ移行して、リアクーラ14の冷房能力に
基づいてフロントエアコン12の目標吹出し温度TAO
補正値である温度ΔTを演算し、ステップ160では、
演算した温度ΔTに基づいて吹出し温度TAOを補正する
(図6に示すフローチャートのステップ140、142
に相当)。
【0099】このように吹出し風の風量VF が低くなり
すぎてブロワファン40の安定した回転が得られないと
きに、吹出し温度TFOを補正して冷房能力を抑えること
により、ブロワファン40の回転が安定せずに吹出し風
にムラが生じて不快感を生じさせてしまうのを防止する
ことができる。また別の方法としては風量VX が最低
風量VO より小さいとき、風量VF を最低風量VO とな
るように補正し、補正不足分を、この補正不足分を補う
補正値となる温度ΔT' でさらに補正するようにしても
よい。
【0100】なお、以上説明した実施の形態は、本発明
の構成を限定するものではない。前席空調装置として
は、環境条件及び設定された運転条件に基づいて風量及
び吹出し風の温度を制御して車室内の空調を行なう一般
的構成の空調装置を用いることができる。
【0101】また、本実施の形態では、後席空調装置と
して後席の冷房するリアクーラ14を歩用いて説明した
が、後席空調装置としては、冷房のみならず冷暖房を行
なう空調装置を用いることもできる。この場合において
も、後席空調装置で複雑な空調能力の制御を行なうこと
無く、車室内を一定の空調状態に保つことができる。
【0102】
【発明の効果】以上説明した如く本発明によれば、後席
空調装置を運転することにより増加する空調能力分だけ
前席空調装置の空調能力を下げるように補正する。これ
により、前席空調装置の空調能力を制御するだけで空調
能力の変化を抑え、空調能力が変化することにより乗員
に不快感を生じさせるのを確実に防止することができ
る。このような前席空調能力の制御は、吹出し風の温度
又は風量によって簡単に制御することができる。
【0103】また、本発明によれば、クールダウン中等
の大きな空調能力が必要となるときには、前席空調装置
の空調能力の補正を停止するので、空調能力を補正する
ことにより、空調能力の不足感を生じさせることがない
と言う優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略を示す流れ図である。
【図2】本実施の形態に適用した車両用空調装置の概略
構成図である。
【図3】(A)は本実施の形態に適用したフロントエア
コンの目標吹出し温度の変化に対する風量の変化の概略
を示す線図、(B)はフロントエアコンのエアミックス
ダンパの開度の変化に対する混合比の変化の概略を示す
線図である。
【図4】(A)及び(B)はそれぞれ本実施の形態に適
用したリアクーラの目標吹出し温度に応じた風量の変化
の概略を示す線図である。
【図5】第1の実施の形態に係るフロントエアコンの空
調能力の制御の概略を示す流れ図である。
【図6】第2の実施の形態に係るフロントエアコンの空
調能力の制御の概略を示す流れ図である。
【図7】第3の実施の形態に適用したリアクーラの運転
時のフロントエアコンの空調能力の補正の概略を示す流
れ図である。
【符号の説明】
10 車両用空調装置 12 フロントエアコン(前席空調装置) 14 リアクーラ(後席空調装置) 40 ブロワファン 44 ファンモータ 46 エアミックスダンパ 48 サーボモータ 54 エアコンECU(後席運転検出手段、補正手
段) 84 リア冷媒バルブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の前席側に設けられて環境条件及び
    設定条件に基づいて空調能力を制御しながら車室内を空
    調する前席空調装置と、車両の後席側に設けられて主に
    車両の後席側を空調する後席空調装置と、を含む車両用
    空調装置であって、 前記後席空調装置の運転状態を検出する後席空調検出手
    段と、 前記後席空調検出手段の検出結果に基づいて前記前席空
    調装置の空調能力を補正する補正手段と、 を含み、前記前席空調装置が前記補正手段によって補正
    された空調能力に基づいて空調運転を行なうことを特徴
    とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記前席空調装置が空調能力に基づいて
    吹出し風の風量ないし吹出し風の温度を設定して、設定
    した風量ないし吹出し温度で車室内を空調するときに、
    前記補正手段が前記風量又は前記吹出し温度の何れか少
    なくとも一方を補正することを特徴とする請求項1に記
    載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記前席空調装置の空調運転開始時に、
    前記補正手段の作動が停止されることを特徴とする請求
    項1又は請求項2の何れかに記載の車両用空調装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011011713A (ja) * 2009-07-06 2011-01-20 Denso Corp 車両空調システム
JP2017140881A (ja) * 2016-02-08 2017-08-17 株式会社デンソー 車両用空調装置
CN110126580A (zh) * 2018-02-02 2019-08-16 丰田自动车株式会社 车辆用空调装置

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