JP2008081037A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員が感知する空調空気の吹出し騒音を低減すること。
【解決手段】
【請求項1】前席空調領域120に空調空気を吹き出す前席送風機13と、後席空調領域140に空調空気を吹き出す後席送風機25と、前席送風機13と後席送風機25とを連動制御するエアコンECU30とを備え、エアコンECU30は、前席送風機13を、助走期間T1では最大風量に向けて空調空気の風量を増大させるように作動させるとともに、後席送風機25を、前席送風機13の助走期間T1終了後に作動させるようにした。
【選択図】図4
【解決手段】
【請求項1】前席空調領域120に空調空気を吹き出す前席送風機13と、後席空調領域140に空調空気を吹き出す後席送風機25と、前席送風機13と後席送風機25とを連動制御するエアコンECU30とを備え、エアコンECU30は、前席送風機13を、助走期間T1では最大風量に向けて空調空気の風量を増大させるように作動させるとともに、後席送風機25を、前席送風機13の助走期間T1終了後に作動させるようにした。
【選択図】図4
Description
本発明は、前席空調領域に空調空気を吹き出す前席送風機と、後席空調領域に前記空調空気を吹き出す後席送風機とを備えた車両用空調装置に関する。
この種の車両用空調装置として例えば特許文献1に記載されているものが知られている。これは、前席送風機により前席空調領域に空調空気を吹き出すとともに、前席送風機により前席空調領域へ吹き出された空調空気を、後席送風機を用いて後席空調領域に吹き出すように構成している。
従って、前席送風機により前席空調領域に空調空気が吹き出されたときには、前席空調領域へ吹き出された空調空気を後席空調領域に吹き出すために、後席送風機を前席送風機に連動させるようにしている。具体的には、前席送風機をその風量が増大するように制御しているときには、後席送風機も前席送風機の風量と一致するように制御している。
このような空調装置は、車室内空間の比較的広いワンボックスタイプあるいはミニバンタイプの車両に搭載されており、後席送風機は、天井部のうち前席乗員の頭上位置に設けられることが多い。
実開平5−22113号公報
上記従来装置では、前席乗員の頭上に設けられた後席送風機が前席送風機に連動しているため、前席乗員には、前席送風機による吹出し騒音と後席送風機による吹出し騒音との双方が感知されて不快感を与えることとなる。特に空調初期では、両送風機から吹き出される空気の風量が最大風量に向かって増加するため、両送風機による吹出し騒音の上昇が乗員に感知され、騒音を一層煩わしく感じ易い。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、乗員が感知する吹出し騒音を低減することができる車両用空調装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、前席空調領域に空調空気を吹き出す前席送風機と、後席空調領域に空調空気を吹き出す後席送風機と、前席送風機を前席空調領域に吹き出す空調空気の風量を最大風量へ向けて増加させるとともに、後席送風機も後席空調領域に吹き出す空調空気の風量を最大風量へ向けて増加させるように、前席送風機及び後席送風機を連動制御する制御手段とを備え、制御手段は、前席送風機が前席空調領域に吹き出す空調空気の風量を最大風量へ向けて増加させる助走期間内で動作しているときには、後席送風機を、後席空調領域に吹き出す空調空気の風量が前席空調領域に吹き出す空調空気の風量以下の風量となるように制御することを特徴とする車両用空調装置。
請求項1の発明によれば、前席送風機の助走期間内では、後席送風機の風量を前席送風機の風量以下の風量で作動させているため、後席送風機の風量増加に起因する吹出し騒音が低減される。これにより、前席送風機の風量と後席送風機の風量とを一致させるようにして連動制御する場合に比べて、乗員が感知する吹出し騒音を低減することができる。
請求項2の発明では、制御手段は、後席送風機の風量増加開始タイミングを、助走期間の開始後に設定したことを特徴としている。
請求項2の発明によれば、前席送風機の作動による吹出し騒音の上昇期間と、後席送風機の作動による吹出し騒音の上昇期間とが、時間軸上でずれることとなる。従って、乗員が感知する吹出し騒音の上昇は、両送風機を同時に作動させたときよりも低減されるため、乗員が感知する吹出し騒音を低減することができる。
請求項3の発明では、制御手段は、助走期間において、後席送風機の最大風量を、前席送風機の最大風量よりも小さく設定したことを特徴としている。
請求項3の発明によれば、後席送風機の風量を抑えることで、乗員が感知する吹出し騒音を低減することができる。
請求項4の発明では、制御手段は、助走期間において、後席送風機の風量増加率を、前席送風機の風量増加率よりも小さく設定したことを特徴としている。
請求項4の発明によれば、助走期間での後席送風機の風量増加率を抑えることで、助走期間における吹出し騒音の上昇を低減することができる。
請求項5の発明では、制御手段は、助走期間における後席送風機の風量を、最小風量に設定することを特徴としている。
請求項5の発明によれば、助走期間での吹出し騒音を一層低減することができるとともに、最小風量で後席空調領域へ空調空気が吹き出すようにしたことで、後席乗員に対する空調感を保持できる。
<第1の実施形態>
本発明に係る車両空調装置の第1の実施形態について図1ないし図6を参照して説明する。本実施形態の車両用空調装置は、前席空調領域120に空調空気を吹き出す前席送風機13と後席空調領域140に空調空気を吹き出す後席送風機26を備えており、後席送風機26を前席送風機13に連動させている。
本発明に係る車両空調装置の第1の実施形態について図1ないし図6を参照して説明する。本実施形態の車両用空調装置は、前席空調領域120に空調空気を吹き出す前席送風機13と後席空調領域140に空調空気を吹き出す後席送風機26を備えており、後席送風機26を前席送風機13に連動させている。
図1に車両用空調装置の全体構成を示す。室内ユニットを構成する空調ユニット10の空気流れ最上流側には外気導入口11aと内気導入口11bを有する内外気切替箱11が配置され、この内外気切替箱11内に内外気切替ドア12が回動自在に設置されている。
この内外気切替ドア12は外気導入口11aと内気導入口12bとの分岐点に配置され、アクチュエータ12aにより駆動されて、空調ユニット10に導入する空気を内気と外気に切り替えたり、あるいは内気と外気の混合割合を調整する。
前席送風機13は内外気切替箱11内に空気を吸い込んで空調ユニット10の下流側に送風するものであり、前席ブロワモータ14と、その回転軸に連結された遠心式送風ファン15を有している。そして、この送風ファン15の下流にはエバポレータ16とヒータコア17が設けられている。
エバポレータ16は冷却用熱交換器であって、図示しない車両エンジンにより駆動されるコンプレッサ等と結合されて冷凍サイクルを構成し、その内部の低圧冷媒が空気から吸熱して蒸発することにより空気を冷却する。また、ヒータコア17は加熱用熱交換器であって、図示しない車両エンジンの冷却水(温水)が内部を循環し、このエンジン冷却水を熱源として空気を加熱する。
ヒータコア17の上流側には、吹出空気温度調整手段としてのエアミックスドア18が回動自在に設けられ、エアミックスドア18の開度はアクチュエータ18aにより駆動されて調節される。これによって、ヒータコア17を通過する空気とヒータコア17をバイパスする空気の割合とが調整され、車室内に吹き出す空気の温度が調整される。
空調ユニット10の最下流には、デフロスタ(DEF)吹出口19を開閉するデフロスタドア20、フェイス(FACE)吹出口21を開閉するフェイスドア22、およびフット(FOOT)吹出口23を開閉するフットドア24が設けられている。
これら各ドア20、22、24は吹出モード切替手段を構成するもので、アクチュエータ25により駆動されて各吹出口19、21、23を開閉することによって各種の吹出モード(フェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフモード、デフロスタモード等)が設定される。そして、各吹出モードに応じて開口した吹出口から、温度調整された空気が車室内へ吹き出される。
ここで、フェイスモード時は、フェイス吹出口21を全開し、デフロスタ吹出口19およびフット吹出口23を閉塞して、フェイス吹出口21のみから空調風を車室内の乗員上半身側へ吹き出す。
バイレベルモード時は、フェイス吹出口21およびフット吹出口23を全開し、デフロスタ吹出口19を閉塞して、フェイス吹出口21およびフット吹出口23の両方から乗員上半身側および乗員足元側へ空調風を略同量ずつ吹き出す。
フットモード時は、フェイス吹出口21を閉塞し、フット吹出口23を全開し、デフロスタ吹出口19を小開度だけ開口する。これにより、フット吹出口23から主に空調風を乗員足元側へ吹き出すと同時に、デフロスタ吹出口19から少量の空調風を車室内の窓ガラス内面側へ吹き出す。
デフロスタモード時は、フェイス吹出口21およびフット吹出口23を閉塞し、デフロスタ吹出口19を全開して、デフロスタ吹出口19のみから空調風を窓ガラス内面側へ吹き出す。
フットデフロスタモード時は、フェイス吹出口21を閉塞し、デフロスタ吹出口19およびフット吹出口23を全開して、フット吹出口23とデフロスタ吹出口19から空調風を略同量ずつ吹き出す。
また、空調ユニット10と独立して、後席送風機26が設けられている。この後席送風機26は、上述した前席送風機13と同一構成とされている。つまり、後席ブロワモータ27と、その回転軸に連結された遠心式送風ファン28を有している。
図2に車両用空調装置の車内配置構成を示す。空調ユニット10は、車両100の前部に配置されており、前席110の乗員が存在する前席空調領域120に空調空気を吹き出す。吹き出すべき空調空気の風量は、前席送風機13を構成する前席ブロワモータ14へ印加するブロワ電圧によって決定されるようになっている。
また、後席送風機26は、車内天井部のうち前席乗員の頭上位置に配置されており、空調ユニット10のデフロスタ吹出口19から前席空調領域120に吹き出された空調空気を吸い込んで、後席130の乗員が存在する後席空調領域140に空調空気を吹き出す。後席空調領域140に吹き出す空調空気の風量は、当該後席送風機26を構成する後席ブロワモータ27のブロワ電圧により決定される。
エアコンECU30(制御手段)は、空調ユニット10内の各構成要素及び後席送風機26の動作を制御するものであり、各ブロワモータ14,27のブロワ電圧を調整して、その回転数を制御する。また、アクチュエータ12a、18a、25に対して、各ドアを駆動するための制御信号を出力する。
エアコンECU30には、車室内計器盤に設置された空調操作部33から操作信号が入力される。この空調操作部33には、空調装置の自動制御状態を設定するAUTOスイッチ34、内外気吸込モードを手動で切替設定するための内外気切替スイッチ35、吹出モードを手動で切替設定するための吹出モード切替スイッチ36、ファン15の送風量を手動で切替設定するための送風量切替スイッチ37、乗員の好みの車室内温度(設定温度)を設定するための温度設定スイッチ38等が設けられている。
また、エアコンECU30には、車室内の空調状態に影響を及ぼす環境条件を検出する各種センサからの信号が入力される。具体的には、車室内の空気温度(内気温度)TRを検出する内気温センサ39、車室外の空気温度(外気温度)TAMを検出する外気温センサ40、車室内に入射する日射量TSを検出する日射センサ41、蒸発器温度(具体的には蒸発器吹出空気温度)TEを検出する蒸発器温度センサ42、ヒータコア17を循環するエンジン水温TWを検出する水温センサ43等からの各信号が入力される。
本発明の構成は以上であり、続いてその動作について説明する。
「全体制御」
図3のフローチャートに示すように、ステップS100では空調操作部33の各種スイッチ34〜38の操作信号を読み込み、ステップS110では各種センサ39〜43からのセンサ検出信号(環境条件信号)を読み込む。
「全体制御」
図3のフローチャートに示すように、ステップS100では空調操作部33の各種スイッチ34〜38の操作信号を読み込み、ステップS110では各種センサ39〜43からのセンサ検出信号(環境条件信号)を読み込む。
ステップS120では、ステップS100及びS110で読み込んだ環境条件信号、および設定温度等に基づいて、車室内に吹き出す空気の目標吹出温度TAOを算出する。この目標吹出温度TAOは下記数式1により算出する。
(数1)
TAO=KSET×TSET−KR×TR−KAM×TAM−KS×TS+C
但し、KSET、KR、KAM、KSは係数、Cは定数であり、TSET、TR、TAM、TSはそれぞれ上記した設定温度、内気温度、外気温度、日射量である。
TAO=KSET×TSET−KR×TR−KAM×TAM−KS×TS+C
但し、KSET、KR、KAM、KSは係数、Cは定数であり、TSET、TR、TAM、TSはそれぞれ上記した設定温度、内気温度、外気温度、日射量である。
ステップS130では、前席送風機13及び後席送風機26へのブロワ電圧を決定する。このブロワ電圧は、前席送風機13と後席送風機26とで個別に決定する。尚、当該ステップS130の具体的処理については後述する。
ステップS140では、目標吹出し温度TAOに対するエアミックスドア18の開度SWを下記数式2に基づいて算出する。
(数2)
SW=(TAO−TE)/(TW−TE)×100(%)
SW=(TAO−TE)/(TW−TE)×100(%)
ステップS150では、内外気切替ドア12による内外気吸込モードを図5の制御特性(マップ)によりTAOに基づいて決定する。次に、ステップS160にて吹出モードドア20、22、24による吹出モードを図6の制御特性(マップ)によりTAOに基づいて決定する。
ステップS170では、上記各ステップS120〜S160で決定された各種制御信号を駆動回路32を介して各ブロワモータ14,27の回転数、および各アクチュエータ12a、18a、25の作動を制御する。
尚、当該フローチャートの処理は、所定周期で行われるようになっており、例えば、0.25秒とされている。
「送風機連動制御」
図4に各ブロワモータ14,27のブロワ電圧決定のためのフローチャートを示す。ステップS131では、前席ブロワモータ14がOFFからONに切替えられたか否かを判断し、肯定判定したときにはステップS132に進み、否定判定したときにはステップS134に進む。ステップS132では、後席ブロワモータ27がOFFからONに切替えられたか否かを判断し、肯定判定したときにはステップS133に進み、否定判定したときにはステップS134に進む。
図4に各ブロワモータ14,27のブロワ電圧決定のためのフローチャートを示す。ステップS131では、前席ブロワモータ14がOFFからONに切替えられたか否かを判断し、肯定判定したときにはステップS132に進み、否定判定したときにはステップS134に進む。ステップS132では、後席ブロワモータ27がOFFからONに切替えられたか否かを判断し、肯定判定したときにはステップS133に進み、否定判定したときにはステップS134に進む。
従って、ステップS131及びステップS132で共に肯定判定したとき、即ち、両ブロワモータ14,27が共にOFFからONに切替えられたときには、ステップS133に進む。また、いずれか一方が否定判定されたとき、即ち、各ブロワモータ14,27のいずれかがOFFのままであるときには、ステップS134に進む。
ステップS133では、各ブロワモータ14,27のブロワ電圧特性を図示のように決定する。前席ブロワモータ14については、Frf(TIMER)の特性に基づいて決定し、後席ブロワモータ27についてはRrf(TIMER)の特性に基づいて決定する。Frf(TIMER)、Rrf(TIMER)は、ブロワモータ14,27が共にONに切替えられたときを基準に、時間経過によるブロワ電圧変化を示している。
Frf(TIMER)は、ON切替え後、6秒から8秒の期間においてブロワ電圧を4Vに設定し、8秒から15秒の期間(助走期間T1)では、ブロワ電圧を4Vから最大電圧の13.5Vに向けて上昇させる。そして、15秒以降の期間では、ブロワ電圧を最大電圧の13.5Vに一定させる。
一方、Rrf(TIMER)については、その電圧変化はFrf(TIMER)と同一であるが、電圧印加開始のタイミングがON切替え後15秒となっている。すなわち、前席ブロワモータ14の助走期間T1経過後に後席ブロワモータ27への電圧印加が開始されるのである。さらに、電圧上昇開始タイミングが、ON切替え後17秒となっている。
ステップS134では、各ブロワモータ14,27のうち、ONに切替えられたものについては、図示するブロワ電圧特性に基づいてブロワ電圧を決定する。このブロワ電圧特性は、ステップS133で示したFrf(TIMER)と同一である。
ステップS135では、目標吹出し温度TAOに基づくブロワ電圧特性f(TAO)に従って各ブロワモータ14,27のブロワ電圧を決定する。
最後に、ステップS136では、ステップS133またはステップS134で決定されたブロワ電圧と、ステップS135で決定されたブロワ電圧とを比較し、いずれか低いほうのブロワ電圧を各ブロワモータ14,27に印加する電圧(最終ブロワ電圧Frf,Rrf)として決定する。
以下、送風機連動制御に係る各ブロワモータ14,27の動作について説明する。尚、以下では目標吹出し温度TAOが低温または高温であることを前提として説明する。
1.「前席ブロワモータ14のみが作動する場合」
前席ブロワモータ14のみが作動する場合には(ステップS131でYes、ステップS132でNo)、前席ブロワモータ14について、Frf(TIMER)及びf(TAO)に従ってそれぞれの場合におけるブロワ電圧を算出し(ステップS134、ステップS135)、それぞれの特性に従って算出されたブロワ電圧のうち低いほうのブロワ電圧を最終ブロワ電圧Frfとして決定する(ステップS136)。
前席ブロワモータ14のみが作動する場合には(ステップS131でYes、ステップS132でNo)、前席ブロワモータ14について、Frf(TIMER)及びf(TAO)に従ってそれぞれの場合におけるブロワ電圧を算出し(ステップS134、ステップS135)、それぞれの特性に従って算出されたブロワ電圧のうち低いほうのブロワ電圧を最終ブロワ電圧Frfとして決定する(ステップS136)。
このとき、最終ブロワ電圧Frfとして、Frf(TIMER)に基づくブロワ電圧が適用され続けるため、前席空調領域120に吹き出される空調空気の風量は、時間経過と共に上昇し、ONに切替えられてから約15秒後には、最大風量で空調空気が吹き出されることとなる。
2.「後席ブロワモータ27のみが作動する場合」
後席ブロワモータ27のみが作動する場合には(ステップS131でNo、ステップS132でNo)、後席ブロワモータ27について、Frf(TIMER)及びf(TAO)に従ってそれぞれの場合におけるブロワ電圧を算出し(ステップS134、ステップS135)、それぞれの特性に従って算出されたブロワ電圧のうち低いほうのブロワ電圧を最終ブロワ電圧Rrfとして決定する(ステップS136)。
後席ブロワモータ27のみが作動する場合には(ステップS131でNo、ステップS132でNo)、後席ブロワモータ27について、Frf(TIMER)及びf(TAO)に従ってそれぞれの場合におけるブロワ電圧を算出し(ステップS134、ステップS135)、それぞれの特性に従って算出されたブロワ電圧のうち低いほうのブロワ電圧を最終ブロワ電圧Rrfとして決定する(ステップS136)。
このとき、最終ブロワ電圧Rrfとして、Rrf(TIMER)に基づくブロワ電圧が適用され続けるため、後席空調領域140に吹き出される空調空気の風量は、時間経過と共に上昇し、ONに切替えられてから約15秒後には、最大風量で空調空気が吹き出されることとなる。
3.「両ブロワモータ14,27がともに作動する場合」
両ブロワモータ14,27が共に作動する場合には(ステップS131,S132でYes)、前席ブロワモータ14については、Frf(TIMER)によりブロワ電圧を算出し、後席ブロワモータ27については、Rrf(TIMER)によりブロワ電圧を算出する(ステップS133)。そして、各ブロワモータ14,27について、f(TAO)からそれぞれのブロワ電圧を算出する(ステップS135)。
両ブロワモータ14,27が共に作動する場合には(ステップS131,S132でYes)、前席ブロワモータ14については、Frf(TIMER)によりブロワ電圧を算出し、後席ブロワモータ27については、Rrf(TIMER)によりブロワ電圧を算出する(ステップS133)。そして、各ブロワモータ14,27について、f(TAO)からそれぞれのブロワ電圧を算出する(ステップS135)。
このとき、先に前席ブロワモータ14が作動して前席空調領域120に空調空気が吹き出される。そして、前席ブロワモータ14の助走期間T1終了後に、後席ブロワモータ27が作動して空調ユニット10から吹き出された空調空気を吸い込んで、後席空調領域140に空調空気を吹き出す。
前席ブロワモータ14の動作が助走期間T1中であるときには、この前席ブロワモータ14のブロワ電圧上昇に伴って吹き出される空調空気の風量が増加するため、前席乗員が感知する吹出し騒音は増大する。ただし、当該助走期間T1においては後席ブロワモータ27は作動していないため、乗員が感知する吹出し騒音は前席ブロワモータ14の作動に伴う騒音のみとなる。
前席ブロワモータ14の助走期間T1終了後、後席ブロワモータ27が作動することで後席空調領域140空調空気が吹き出される。後席ブロワモータ27のブロワ電圧は、前席ブロワモータ14のブロワ電圧が最大電圧に到達した後に上昇し、これによって、後席空調領域140に吹き出される空調空気の風量が増加する。
従って、後席ブロワモータ27のブロワ電圧上昇に伴う後席空調領域140への空調空気の風量は、前席ブロワモータ14の作動による前席空調領域120への空調空気の風量が最大風量に固定された状態で増加するため、乗員が感知する吹出し騒音の上昇は、後席ブロワモータ27の作動に伴うものに限られる。
つまり、前席ブロワモータ14の作動による吹出し騒音の上昇期間と、後席ブロワモータ27の作動による吹出し騒音の上昇期間とが、時間軸上でずれることとなるため、前席乗員が感知する吹出し騒音は、両ブロワモータ14,27を同時に作動させた場合と比べて低くなる。
このように、本実施形態によれば、前席ブロワモータ14の助走期間T1を経過した後に、後席ブロワモータ27を作動させるようにしているため、各ブロワモータ14,27による吹出し騒音の上昇期間が時間軸上でずれることとなり、乗員が感知する吹出し騒音を抑えることができる。
尚、本実施形態は、請求項に記載の「後席送風機の風量増加開始タイミングを、助走期間の開始後に設定した」構成を具体化したものである。
<第2の実施形態>
本発明に係る第2の実施形態について図7を参照して説明する。本実施形態では、図4のステップS133の処理が第1の実施形態と相違している。
本発明に係る第2の実施形態について図7を参照して説明する。本実施形態では、図4のステップS133の処理が第1の実施形態と相違している。
図7に示すように、後席ブロワモータ27のブロワ電圧特性を示したRrf(TIMER)においては、最大電圧を13.5Vから10Vへと低くしているとともに、電圧印加開始のタイミングはFrf(TIMER)と同一としている。
両ブロワモータ14,27を作動させると、後席ブロワモータ27のブロワ電圧上昇の期間(ON切替え後、8秒から12.5秒)は前席ブロワモータ14の助走期間T1と時間軸上で一致しているため、前席乗員が感知する吹出し騒音は第1の実施形態に比べて大きくなるが、後席ブロワモータ27の最大電圧を低くしているため、そのブロワ電圧の上昇期間は前席ブロワモータ14の助走期間T1に比べて短くなる。従って、後席ブロワモータ27のブロワ電圧上昇の期間が終了して最大電圧に到達した後は、乗員が感知する吹出し騒音の上昇は、前席ブロワモータ14の作動によるもののみになるため、吹出し騒音の上昇を感知する期間を短期間化することができる。
一方で、後席ブロワモータ27の作動タイミングを前席ブロワモータ14の作動タイミングと同一としているため、後席空調領域140には早期に空調空気が吹き出されることとなり、後席乗員の快適性を確保し易い。
尚、本実施形態は、請求項に記載の「助走期間において、後席送風機の最大風量を、前席送風機の最大風量よりも小さく設定した」構成を具体化したものである。
<第3の実施形態>
本発明に係る第3の実施形態について図8を参照して説明する。本実施形態では、図4のステップS133の処理が第1の実施形態と相違している。当該処理は、後席ブロワモータ27のブロワ電圧の変化率を、前席ブロワモータ14のブロワ電圧の変化率よりも小さくしている。従って、後席ブロワモータ27のブロワ電圧上昇の期間(ON切替え後、8秒から25秒)は、前席ブロワモータ14の助走期間T1よりも長くなっている。
本発明に係る第3の実施形態について図8を参照して説明する。本実施形態では、図4のステップS133の処理が第1の実施形態と相違している。当該処理は、後席ブロワモータ27のブロワ電圧の変化率を、前席ブロワモータ14のブロワ電圧の変化率よりも小さくしている。従って、後席ブロワモータ27のブロワ電圧上昇の期間(ON切替え後、8秒から25秒)は、前席ブロワモータ14の助走期間T1よりも長くなっている。
図8に示すように、前席ブロワモータ14の助走期間T1が7秒であるのに対して、後席ブロワモータ27のブロワ電圧上昇の期間は17秒となっている。従って、両ブロワモータ14,27を作動させると、前席ブロワモータ14の助走期間T1と後席ブロワモータ27のブロワ電圧上昇の期間の一部が時間軸上で一致するため、乗員が感知する吹出し騒音の上昇は両ブロワモータ14,27の作動に起因するものとなる。
ただし、後席ブロワモータ27のブロワ電圧の変化率は小さくされているため、後席ブロワモータ27のブロワ電圧の変化率を前席ブロワモータ14のブロワ電圧の変化率と同一にした場合と比べて、乗員が感知する吹出し騒音を低減することができる。
また、前席ブロワモータ14の助走期間T1が経過した後にも、後席ブロワモータ27のブロワ電圧上昇が継続しているため、乗員は吹出し騒音の上昇を感知することとなるが、後席ブロワモータ27のブロワ電圧の変化率は小さくなっているため、感知する吹出し騒音の上昇を抑えることができる。
このようにすれば、乗員が感知する吹出し騒音の上昇を低減することができるとともに、後席空調領域140には早期に空調空気を吹き出すことができるため後席乗員に対する快適性を早期に確保し易い。
尚、本実施形態は、請求項に記載の「助走期間において、後席送風機の風量増加率を、前席送風機の風量増加率よりも小さく設定した」構成を具体化したものである。
<第4の実施形態>
本発明に係る第3の実施形態について図9を参照して説明する。本実施形態では、図4のステップS133の処理が第1の実施形態と相違している。当該処理では、後席ブロワモータ27のブロワ電圧上昇の期間を前席ブロワモータ14の助走期間T1から遅らせている点は第1の実施形態と同一であるが、作動タイミングを互いに同じにしておき、後席ブロワモータ27については助走期間T1経過までは、そのブロワ電圧を低電圧としている。
本発明に係る第3の実施形態について図9を参照して説明する。本実施形態では、図4のステップS133の処理が第1の実施形態と相違している。当該処理では、後席ブロワモータ27のブロワ電圧上昇の期間を前席ブロワモータ14の助走期間T1から遅らせている点は第1の実施形態と同一であるが、作動タイミングを互いに同じにしておき、後席ブロワモータ27については助走期間T1経過までは、そのブロワ電圧を低電圧としている。
従って、両ブロワモータ14,27の作動タイミングは同一であるものの、前席ブロワモータ14の助走期間T1内では、後席ブロワモータ27は低電圧で作動続けているため、前席乗員が感知する吹出し騒音は、前席ブロワモータ14の作動に起因するもののみとみなすことができる。また、前席ブロワモータ14の助走期間T1終了後に、後席ブロワモータ27のブロワ電圧上昇の期間が始まるため、前席乗員が感知する吹出し騒音の上昇は、後席ブロワモータ27の作動に起因するもののみとなる。
このようにすれば、乗員が感知する吹出し騒音を低減することができるとともに、後席乗員に対しては、最小限度の空調空気が吹き出されることで、後席乗員に対する最低限の温感を保持することができる。
尚、本実施形態は、請求項に記載の「助走期間における後席送風機の風量を、最小風量に設定した」構成を具体化したものである。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
第1の実施形態では、前席ブロワモータ14の助走期間T1経過後に後席ブロワモータ27が作動するように構成していたが、例えば、前席ブロワモータ14の助走期間T1中に後席ブロワモータ27を作動させるように制御するようにしても良い。
また、第2の実施形態では、後席ブロワモータ27の最大電圧を10Vに設定していたが、この電圧は、前席ブロワモータ14の最大電圧よりも低い電圧であれば任意に変更することができる。
また、第3の実施形態では、後席ブロワモータ27のブロワ電圧上昇の期間を17秒に設定していたが、この助走期間T1は前席ブロワモータ14の助走期間T1よりも長い期間であれば任意に変更することができる。このブロワ電圧上昇の期間は、前席乗員が感知する吹出し騒音の上昇を優先的に抑えたい場合には長く設定し、後席乗員の温熱快適性を優先的に確保したい場合には、短く設定すればよい。
また、上記第1から第4の実施形態での制御を複数組み合わせて行なうようにしても良い。
10…空調ユニット
13…前席送風機
14…前席ブロワモータ
26…後席送風機
27…後席ブロワモータ
120…前席空調領域
140…後席空調領域
Frf(TIMER)…前席ブロワモータブロワ電圧特性
Rrf(TIMER)…後席ブロワモータブロワ電圧特性
T1…助走期間
13…前席送風機
14…前席ブロワモータ
26…後席送風機
27…後席ブロワモータ
120…前席空調領域
140…後席空調領域
Frf(TIMER)…前席ブロワモータブロワ電圧特性
Rrf(TIMER)…後席ブロワモータブロワ電圧特性
T1…助走期間
Claims (5)
- 前席空調領域に空調空気を吹き出す前席送風機と、
後席空調領域に空調空気を吹き出す後席送風機と、
前記前席送風機を前記前席空調領域に吹き出す前記空調空気の風量を最大風量へ向けて増加させるとともに、前記後席送風機も前記後席空調領域に吹き出す前記空調空気の風量を最大風量へ向けて増加させるように、前記前席送風機及び前記後席送風機を連動制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記前席送風機が前記前席空調領域に吹き出す前記空調空気の風量を最大風量へ向けて増加させる助走期間内で動作しているときには、前記後席送風機を、前記後席空調領域に吹き出す前記空調空気の風量が前記前席空調領域に吹き出す前記空調空気の風量以下の風量となるように制御することを特徴とする車両用空調装置。 - 前記制御手段は、
前記後席送風機の風量増加開始タイミングを、前記助走期間の開始後に設定したことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。 - 前記制御手段は、
前記助走期間において、前記後席送風機の最大風量を、前記前席送風機の最大風量よりも小さく設定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。 - 前記制御手段は、
前記助走期間において、前記後席送風機の風量増加率を、前記前席送風機の風量増加率よりも小さく設定したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両用空調装置。 - 前記制御手段は、
前記助走期間における前記後席送風機の前記風量を、最小風量に設定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両用空調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006265519A JP2008081037A (ja) | 2006-09-28 | 2006-09-28 | 車両用空調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006265519A JP2008081037A (ja) | 2006-09-28 | 2006-09-28 | 車両用空調装置 |
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ID=39352311
Family Applications (1)
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JP2006265519A Pending JP2008081037A (ja) | 2006-09-28 | 2006-09-28 | 車両用空調装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20150020768A (ko) * | 2013-08-19 | 2015-02-27 | 한라비스테온공조 주식회사 | 차량용 공조장치의 제어방법 |
JP2020040495A (ja) * | 2018-09-10 | 2020-03-19 | スズキ株式会社 | 車両用空調装置 |
-
2006
- 2006-09-28 JP JP2006265519A patent/JP2008081037A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20150020768A (ko) * | 2013-08-19 | 2015-02-27 | 한라비스테온공조 주식회사 | 차량용 공조장치의 제어방법 |
KR101677501B1 (ko) * | 2013-08-19 | 2016-11-18 | 한온시스템 주식회사 | 차량용 공조장치의 제어방법 |
JP2020040495A (ja) * | 2018-09-10 | 2020-03-19 | スズキ株式会社 | 車両用空調装置 |
JP7387980B2 (ja) | 2018-09-10 | 2023-11-29 | スズキ株式会社 | 車両用空調装置 |
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