JP3968409B2 - 有機化合物の分解装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エキシマランプから発生する紫外線によって有機化合物を分解する分解装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水質汚染または大気汚染を起こす有機化合物は、活性炭吸着法、酸化分解法、、活性汚泥法、生物処理法等により除去または分解できる。これらの中でも、活性炭吸着法は、最もよく用いられ、主に水質中に汚染した有機化合物を吸着する目的で使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
活性炭吸着法は、高価な吸着剤である活性炭を使用するため、活性炭を再生利用しなければならない。また、粉末状の活性炭を使用するため、取り扱いが容易でなく、設備も比較的大規模である。さらに、その再生作業および設備のメンテナンスには、多大な労力と経費を要する。このことは、近年、最重要視される環境浄化とそのためのコストとの間でジレンマを生じさせている。そこで、水質汚染または大気汚染を起こす有機化合物を、低コストで容易に除去または分解できる方法と装置が求められていた。
【0004】
本発明は、エキシマランプから発生する紫外線によって有機化合物を容易に分解することができる有機化合物の分解装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、紫外線発光部と、該紫外線発光部を支持する支持部とから構成されたエキシマランプを備える有機化合物の分解装置であって、前記紫外線発光部は、紫外線を透過しやすい発光管と保護管とから構成され、それらの間の空間には不活性なガスが封入され、該発光管の外周には電極が設けられ、該発光管の内部には所定の空間を隔てて冷却管が設けられ、該発光管と該冷却管との間の所定の空間にはエキシマを形成する封入ガスが封入されており、前記保護管の外側に存在する有機化合物に紫外線を照射して、該有機化合物を分解することに特徴を有する。
【0006】
この発明によれば、紫外線発光部から発生するエキシマ光が、有機化合物中のC−C、C−O、C−H、C−Cl等の結合を容易に切断できるので、有機化合物を効率よく分解することができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の有機化合物の分解装置において、前記紫外線が172nmまたは222nmであり、前記有機化合物と、該有機化合物の分解を促進する触媒ガスとを接触させてなることに特徴を有する。
【0008】
この発明によれば、紫外線の波長を172nmまたは222nmとし、有機化合物と、その有機化合物の分解を促進する触媒ガスとを接触させることによって、有機化合物を効率よく分解できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、有機化合物の分解装置の第1実施形態を示す概略図である。この分解装置は、分解すべき流体を収納する矩形または円筒形の縦長の分解処理槽2と、分解処理槽2の天面7の取付口10に一端が固定されたエキシマランプ1と、分解処理槽2の天面7に設けられて分解ガス4を排出する排気口5とによって構成されている。分解処理の際には、分解処理槽2中に有機化合物の液体または有機化合物を含有する溶液(以下、被分解液3という)が供給される。
【0011】
排気口5は、分解処理槽2の側面上部に設けられていてもよい。排気口5に活性炭フィルター8を備えた排気管6を接続することにより、分解ガス4をさらに精製して排出することができる。
【0012】
分解処理槽2には、被分解液3をかき混ぜて分解を効率よく行うための撹はん装置9を設けることができる。撹はんは、分解処理槽2の底部から撹はん子によって撹はんしても、分解処理槽2の上部からプロペラによって撹はんしても何れでもよい。
【0013】
分解処理槽2は、矩形または円筒形の何れでもよいが、エキシマランプ1から発する紫外線および被分解液3に対して反応しない材質または反応しにくい材質、即ち耐溶液性および耐紫外線性を有する材質であることが好ましく、例えばステンレススチール等が好ましい。ステンレススチール等の加工し易い金属の場合は、その天面7にエキシマランプ1の取付口10および排気口5等の加工が容易にできるので好ましい。
【0014】
エキシマランプ1は、その上部が分解処理槽2の天面7の取付口10に固定され、下部が被分解液3に浸漬されている。図2は、第1実施形態に用いたエキシマランプ1の構造を示す概略図である。エキシマランプ1は、円筒形の紫外線発光部11と、紫外線発光部11を支持する支持部12とから構成されている。
【0015】
紫外線発光部11は、何れも紫外線を透過しやすい石英等の材料からなる発光管16と保護管14とから構成され、それらの間には所定の空間があり、その空間には不活性なガス、例えば窒素ガス等が封入されている。発光管16の外周には電極15がスパイラル状または網状に設けられている。発光管16の内部には、所定の空間を隔てて冷却管20が設けられている。冷却管20の中には仕切18が設けられ、冷却水20が循環し易くなっている。発光管16と冷却管17との間の所定の空間には、エキシマを形成する封入ガス19、例えばキセノンガス、クリプトンガスまたはアルゴンガスが封入されている。紫外線の波長は、封入ガス19によって異なり、紫外線発光部11から発生して、四方に照射する。
【0016】
支持部12には、取付部13が設けられ、分解処理槽2の天面7の取付口10に取り付けられる。支持部12の内部には、電極15の端子や冷却管17への接続口等が設けられている。
【0017】
エキシマランプ1は、分解処理槽2の天面7に限らず、側面や底面に取り付けてもよく、また、脱着できるようにしてもよい。
【0018】
被分解液3は、浸漬されたエキシマランプ1から発する紫外線により、主に二酸化炭素、一酸化炭素および水に分解する。二酸化炭素等のガス成分は、分解ガス4として被分解液3から離脱し、分解処理槽2の天面7に設けられた排気口5から排出される。排気管6および活性炭フィルター8が設けられている場合、分解ガス4は、さらに精製されて外部に排出される。
【0019】
エキシマランプ1は、封入ガス19の種類によって172nm、222nm、308nmの何れかの波長の紫外線を発生する。有機化合物の分解には、172nmまたは222nmの波長の紫外線が好ましい。この波長の紫外線は、大気中または液体中の酸素から酸化力の強い多くの励起酸素原子を直接生成できる。さらに、この波長の紫外線は、光子のエネルギーが強く、有機化合物中のC−C、C−O、C−H、C−Cl等の結合を容易に切断でき、ここに励起酸素原子が反応して有機化合物を分解し、二酸化炭素や水等を生成する。例えば、1,1,1−トリクロロエタンを含有する液体にエキシマによる172nmまたは222nmの波長の紫外線を照射すると、1,1,1−トリクロロエタン中のC−C、C−H、C−Clの結合が切断され、そこに液体中または大気中から供給されて生成した励起酸素原子が反応して分解し、二酸化炭素、一酸化炭素、水、塩化水素、塩素を生成する。
【0020】
被分解液3は、有機化合物のみからなる液体であっても、有機化合物を含有する液体であっても何れでもよい。有機化合物の中でも特に有機塩素化合物は、大気や水質を汚染するものが多い。有機塩素化合物のうち、炭素と塩素との結合の強いものの分解に、真空紫外線の照射が好ましい。それらの有機塩素化合物としては、フロン、ダイオキシン、PCB、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、シス−1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,3−ジクロロプロペン等を例示することができる。これらは何れも塩素化合物であるが、他のハロゲン元素を含む有機ハロゲン化物、例えばフッ素、臭素を含む化合物の分解にも適する。
【0021】
図3は、分解装置の第2実施形態を示す概略図である。第2実施形態の分解装置は、分解すべき流体を収納する矩形または円筒形の縦長の分解処理槽2と、分解処理槽2の側面の取付口22に固定された少なくとも1つの箱型エキシマランプ21と、分解処理槽2の天面7に設けられて分解ガス4を排出する排気口6とによって構成されている。第1実施形態の装置と同様な構成であり、箱型エキシマランプ21の構造とその取付位置が相違する。
【0022】
箱型エキシマランプ21は、分解処理槽2の側面に少なくとも1つ設けられ、分解処理槽2の内部に向かって紫外線を照射して、被分解液3を分解する。分解ガス4は、液体から離脱し、分解処理槽2の天面7に設けられた排気口5から排出される。他は、第1実施形態の装置と同様である。
【0023】
図4は、第2実施形態に用いた箱型エキシマランプ21の構造を示す斜視図である。箱型エキシマランプ21は、円筒形の紫外線発光部24と、紫外線発光部24を覆って保護する矩形状の保護箱23とから構成されている。
【0024】
円筒形の紫外線発光部24は、図2で示した紫外線発光部11の構造と同様である。
【0025】
保護箱23は、紫外線発光部24から発した紫外線を照射するように1つの面が開口している。開口面には、紫外線を透過し易い石英ガラス25が、紫外線発光部24の保護をかねて設けられている。開口面の外縁部には、取付フランジ26が設けられ、分解処理槽2の取付口22に取り付けることができる。開口面以外の保護箱23は、ステンレススチール等の耐紫外線性の材料であることが好ましい。
【0026】
図5は、第2実施形態に用いた分解処理槽2の構造の一例を示す斜視図である。分解処理槽2の側面には、少なくとも1つ以上の箱型エキシマランプ21を取り付けるための取付口22が設けられている。
【0027】
図6は、分解装置の第3実施形態を示す概略図である。第3実施形態の分解装置は、円筒形の縦長の分解処理槽2と、分解処理槽2の側面に固定された少なくとも1つのリング型エキシマランプ27と、分解処理槽2の天面7に設けられて分解ガス4を排出する排気口6とによって構成されている。第2実施形態の装置と同様な構成であり、エキシマランプの構造とその取付位置が相違する。
【0028】
リング型エキシマランプ27は、分解処理槽2の側面に少なくとも1つ設けられ、分解処理槽2の内部に向かって紫外線を照射して、被分解液3を分解する。
【0029】
リング型エキシマランプ27の内部の構造は、前記したエキシマランプ1をリング状にしたものである。このため、分解処理槽2は円筒形であることが好ましく、リング型エキシマランプ27の部分が開口したステンレスまたは全体が石英管であることが好ましい。
【0030】
図7は、分解装置の第4実施形態を示す概略図である。第4実施形態の分解装置は、矩形または円筒形の縦長の分解処理箱28と、分解処理箱28の側面に取り付けられた箱型エキシマランプ21と、分解処理箱28内にあって箱型エキシマランプ21の照射面に近接して設けられた流速緩衝体29と、流速緩衝体29の上流部の分解処理箱28に設けられて被処理液3を流入する流入口30と、流速緩衝体29の下流部の分解処理箱28に設けられて被処理液3を流出する流出口31と、分解処理箱28の天面7に設けられて分解ガス4を排出する排気口6とによって構成されている。
【0031】
本実施形態において、流入口30から流下した被処理液3は、流速緩衝体29で緩やかに流下し、箱型エキシマランプ21からの紫外線が十分に照射され、分解する。分解ガス4は、排気口5から排出され、さらに、活性炭フィルター8によって精製されて排出されてもよい。分解しきれなかった非処理液41は、流出口31から排出される。非処理液41は、流出口31に接続した流出配管33を経て非処理液貯水槽35に貯められ、循環配管37の途中に設けられた循環ポンプ38によって被処理液貯水槽34に送られ、そこから流入配管32の途中に設けられた流量調整弁36によって再び分解処理箱28に流下して分解処理することができる。
【0032】
分解処理箱28は、その材質および箱型エキシマランプ21の取付形態において第2実施形態と同様である。
【0033】
箱型エキシマランプ21は、分解処理箱28の側面に設けられ、その内部に向かって紫外線を照射する。構造は、図4と同様である。また、その形状は必ずしも箱型である必要はなく、1つの面が照射面となる半円筒形状でもよい。
【0034】
被分解液3は、紫外線が十分に照射されるほど効率よく分解される。そのため、流速緩衝体29の構造または流入配管32の途中に設けられた流量調整弁36を調整し、緩やかに流下させることによって、効率よく分解することができる。
【0035】
流速緩衝体29は、照射する紫外線および被処理液3に対して安定な材質、例えば石英、ステンレス等であって、流入する被処理液3の流速を弱める網状、石綿状または束状に加工された部材であることが好ましい。特に、ガラスファイバーで網状または石綿状にした流速緩衝体29は、流入する被処理液3の流速を弱めるのに適している。
【0036】
分解効率を高めるために、分解処理箱28の下部に設けた触媒ガス流入管40から、触媒ガス42を流入することもできる。触媒ガス流入管40から流入した触媒ガス42は、分解処理箱28の上方の排気口5から排出する間に、流速緩衝体29を流下する被分解液3と接触する。触媒ガス42と接触した被分解液3は、紫外線に照射されて容易に分解し易くなり、効率よく分解される。分解ガス4は、触媒ガス42とともに排気口5から排出される。排気口5に接続した排気管6の下流側に吸引ポンプ39を設けて、触媒ガス42と分解ガス4を吸引することもできる。
【0037】
触媒ガス42は、酸化チタンガス、酸化マグネシウムガス等が好ましく、窒素ガス等の不活性なガスとともに使用してもよい。酸化チタンガス中のチタンまたは酸化マグネシウム中のマグネシウムは、特にC−Cl結合部を攻撃し、その結合を切断して分解する際の触媒となり、被分解液3の反応を促進することができる。
【0038】
図8は、流速緩衝体29の一例を示す拡大斜視図である。(a)は網状流速緩衝体43、(b)は石綿状流速緩衝体44を示している。
【0039】
図9は、流速緩衝体29に被処理液3を分岐して流下する一例を示す拡大図である。被処理液3は、流入配管30に設けられた流量調節弁36を経て、分岐配管45で分岐され、幅の広い流速緩衝体29に流下される。これにより、多くの被処理液3を流下することができ、分解能力を上げることができる。
【0040】
図10は、分解装置の第5実施形態を示す概略図である。第5実施形態の分解装置は、矩形または円筒形の縦長の分解処理箱46と、分解処理箱46の側面に取り付けられた箱型エキシマランプ21と、分解処理箱46内にあって箱型エキシマランプ21の照射面に近接して設けられた流速緩衝体29と、流速緩衝体29の上流部の分解処理箱46に設けられて被分解ガス47を流入する流入口30と、流速緩衝体29の下流部の分解処理箱46に設けられて分解ガス48を流出する流出口31とによって構成されている。第4実施形態との相違は、ガスの分解装置である点である。
【0041】
本実施形態において、流入口30から流入した被分解ガス47は、流速緩衝体29を緩やかに上昇し、箱型エキシマランプ21からの紫外線が十分に照射されて分解する。分解ガス48は、流出口31から排出され、さらにその下流側に設けられた活性炭フィルター8によって精製されて排出されてもよい。また、排出口31の下流側に吸引ポンプ39を設けて、分解ガス4を吸引することもできる。
【0042】
分解処理箱46は、その材質および箱型エキシマランプ21の取付形態において第4実施形態と同様である。また、エキシマランプの形状は必ずしも箱型である必要はなく、1つの面が照射面となる半円筒形状でもよい。
【0043】
箱型エキシマランプ21は、分解処理箱46の側面に設けられ、その内部に向かって紫外線を照射する。その構造は、図4と同様である。また、円筒形の分解処理箱46、例えば石英管を用い、その外周に図6に示したリング型エキシマランプ27を設けることもできる。
【0044】
被分解ガス47は、紫外線が十分に照射されるほど効率よく分解される。そのため、流入口30の上流側に流量調整弁36を設けて調整したり、吸引ポンプ39を調整して、被分解ガス47が流速緩衝体29中を緩やかに上昇するようにして、効率よく分解することができる。流速緩衝体29は、第4実施形態と同様である。流量調整弁36を調整することにより、流速緩衝体29を設けなくても分解処理することができる。
【0045】
分解効率を高めるために、流入口30から被分解ガス47と共に触媒ガス42を流入することもできる。触媒ガス42は、被分解ガス47と混合して流速緩衝体29を上昇するため、紫外線に照射されて容易に分解し易くなり、効率よく分解される。触媒ガス42は、分解ガス48とともに流出口31から排出される。触媒ガス42は、第4実施形態と同様である。
【0046】
図11は、第5実施形態の流入部の形態を示す拡大斜視図である。分解処理箱46の上流には、被分解ガス47を充填した被分解ガスボンベ49が、流量調節弁36をともなった流入配管51によって接続されている。触媒ガス42を被分解ガス47とともに流入する場合には、触媒ガス42を充填した触媒ガスボンベ50を、流量調節弁36をともなった触媒ガス流入配管52によって、流入配管51に接続することができる。
【0047】
図12は、ガス用の流速緩衝体29の一例を示す拡大斜視図である。(a)は千鳥状流速緩衝体53であって、分解処理箱46に千鳥状に邪魔板53aを設けるようにしてもよく、(b)の網状流速緩衝体54に示すように、網体54aを分解処理箱46内に波状に配設してもよい。ガス用の流速緩衝体29は、図8の(a)、(b)に示すような網状流速緩衝体43であっても石綿状流速緩衝体44であってもよい。
【0048】
図13は、分解装置の第6実施形態を示す概略図である。第6実施形態の分解装置は、矩形または円筒形の縦長の分解処理箱46と、分解処理箱46の側面に取り付けられた箱型エキシマランプ21と、分解処理箱46内にあって箱型エキシマランプ21の照射面に近接して設けられた流速緩衝体29と、流速緩衝体29の上流部の分解処理箱46に設けられて被分解ガス47を流入する流入口30と、流速緩衝体29の下流部の分解処理箱46に設けられて分解ガス48を流出する流出口31と、さらに、箱型エキシマランプ21に近接する流速緩衝体29の面とは反対側の面に設けられて触媒ガス42と接触する接触部55と、分解処理箱46の流入口30近傍に設けられた触媒ガス流入管56と、分解処理箱46の流出口31近傍に設けられた触媒ガス流出管57とによって構成されている。第4実施形態との相違は、触媒ガス42が被分解ガス47と混合して流入せず、接触部55にて接触する構造を有する点である。また、エキシマランプの形状は必ずしも箱型である必要はなく、1つの面が照射面となる半円筒形状でもよい。
【0049】
本実施形態において、触媒ガス流入口56から流入した触媒ガス42は、流速緩衝体29に対して箱型エキシマランプ21側と反対側の触媒ガス42が被分解ガス47側に漏れるような小さな開口を有する、例えば網体のような接触部55で、被分解ガス47と接触し、接触後、触媒ガス流出口57から排出する。排出した触媒ガス42を循環して、再び触媒ガス流入口56から流入することもできる。接触部55には、目の細かい網状の接触部材が設けられており、触媒ガス側の圧力を、被分解ガス側の圧力より僅かに上げることによって、触媒ガス42を流速緩衝体29内に吹き込むことができる。こうすることにより、被分解ガス47が、触媒ガス42に混合することを防ぐことができ、触媒ガス42を節約することができる。また、触媒ガス流入口56と触媒ガス流出口57の取付位置を逆にして、触媒ガス42の流れと、被分解ガス47の流れを対向させることも有効である。他については、第5実施形態と同様である。
【0050】
図14は、分解装置の第7実施形態を示す概略図である。第7実施形態の分解装置は、分解すべき流体を収納する矩形または円筒形の縦長の分解処理槽58と、分解処理槽58の天面に取り付けられた箱型エキシマランプ21とによって構成されている。分解処理槽58の側面上部には、分解ガス4を排出する排気口5が設けられ、分解処理槽58の下には、分解処理槽58の底部から被処理液3を加熱して蒸気59を発生させるヒーター60が設けられている。
【0051】
被処理液3は、底部からヒーター60により加熱され、蒸気59を発生する。蒸気59は、有機化合物の蒸気であっても、有機化合物を含有する蒸気であっても何れでもよい。蒸気は、分解処理槽58の中を上昇し、天面に取り付けられた箱型エキシマランプ21からの紫外線によって分解する。分解ガス48は、排気口5から排出される。
【0052】
排気口5には、上述したように活性炭フィルター8を備えていてもよい。
【0053】
分解処理槽58には、撹はん装置9を設けることができる。撹はんは、分解処理槽2の底部から撹はん子によって撹はんしても、分解処理槽2の上部からプロペラによって撹はんしても何れでもよい。
【0054】
分解処理槽58は、その天面に箱型エキシマランプ21を取り付けることができるように開口部を備えている。材質等については、上述と同様である。
【0055】
箱型エキシマランプ21は、分解処理槽2の天面でも側面でも何れでもよいが、天面のほうが好ましい。第1実施形態のような円筒状のエキシマランプ1を、分解処理槽2の上面または側面から挿入することもできる。また、1つの面が照射面となる半円筒形状のエキシマランプでもよい。
【0056】
図15は、分解装置の第8実施形態を示す概略図である。第8実施形態の分解装置は、分解すべき流体を収納する矩形または円筒形の縦長の分解処理槽58と、分解処理槽58の天面に取り付けられた箱型エキシマランプ21と、箱型エキシマランプ21の真下に近接して設けられた触媒ガス流路61とによって構成されている。触媒ガス流路61の下面には、蒸気59と触媒ガス42が接触する接触部55が設けられ、触媒ガス流路61の一方には触媒ガス流入管56が、他方には触媒ガス流出管57が設けられている。排気口5は、触媒ガス流路61の下に近接して分解処理槽58の側面に設けられている。分解処理槽58の底部から被処理液3を加熱して蒸気59を発生させるヒーター60は、分解処理槽58の下に設けられている。第8実施形態との相違は、触媒ガス42と蒸気59が接触部55で接触する点である。
【0057】
本実施形態において、接触部55には、目の細かい網状の接触部材が設けられており、触媒ガス流路61の中の触媒ガス42の圧力を、分解処理槽58の圧力より僅かに上げることによって、触媒ガス42を分解処理槽58内に吹き込むことができる。こうすることにより、蒸気59が、触媒ガス42に混合することを防ぐことができ、触媒ガス42を節約することができる。他については、第5実施形態と同様である。
【0058】
被処理液3は、底部からヒーター60により加熱され、蒸気59を発生する。蒸気59は、分解処理槽58の中を上昇し、接触部55での触媒ガス42との接触により分解が促進される。分解ガス48は、排気口5から排出される。触媒ガス42の循環等については、上述と同様である。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の有機化合物の分解装置によれば、エキシマによる紫外線を照射することによって、有機化合物を容易に且つ簡易に分解することができる。特に、大気または水質を汚染する有機塩素化合物に対して効果的であり、液状もしくは気体状の有機塩素化合物、溶液中に含有する有機塩素化合物またはその溶液からの蒸気を容易に且つ簡易に分解することができ、環境浄化において有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分解装置の第1実施形態を示す概略図である。
【図2】第1実施形態に用いたエキシマランプの構造を示す概略図である。
【図3】分解装置の第2実施形態を示す概略図である。
【図4】第2実施形態に用いた箱型エキシマランプの構造を示す斜視図である。
【図5】第2実施形態に用いた分解処理槽の構造の一例を示す斜視図である。
【図6】分解装置の第3実施形態を示す概略図である。
【図7】分解装置の第4実施形態を示す概略図である。
【図8】流速緩衝体の一例を示す拡大斜視図である。
【図9】幅広で網状の流速緩衝体に液体を分岐して流下する一例を示す概略図である。
【図10】分解装置の第5実施形態を示す概略図である。
【図11】第5実施形態の流入部の形態を示す拡大斜視図である。
【図12】流速緩衝体の一例を示す拡大図である。
【図13】分解装置の第6実施形態を示す概略図である。
【図14】分解装置の第7実施形態を示す概略図である。
【図15】分解装置の第8実施形態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 エキシマランプ
2 分解処理槽
3 被分解液
4 分解ガス
5 排気口
6 排気管
7 槽天面
8 活性炭フィルター
9 撹はん装置
10 取付口
11 紫外線発光部
12 支持部
13 取付部
14 保護管
15 電極
16 発光管
17 冷却管
18 仕切
19 封入ガス
20 冷却水
21 箱型エキシマランプ
22 取付口
23 保護箱
24 紫外線発光部
25 石英ガラス
26 取付フランジ
27 リング型エキシマランプ
28 分解処理箱
29 流速緩衝体
30 流入口
31 流出口
32 流入配管
33 流出配管
34 被処理液貯水槽
35 非処理液貯水槽
36 流量調節弁
37 循環配管
38 循環ポンプ
39 吸引ポンプ
40 触媒ガス流入管
41 非処理液
42 触媒ガス
43 網状流速緩衝体
44 石綿状流速緩衝体
45 分岐配管
46 分解処理箱
47 被分解ガス
48 分解ガス
49 被分解ガスボンベ
50 触媒ガスボンベ
51 流入配管
52 触媒ガス流入配管
53 千鳥状流速緩衝体
53a 邪魔板
54 網状流速緩衝体
54a 網体
55 接触部
56 触媒ガス流入管
57 触媒ガス流出管
58 分解処理槽
59 蒸気
60 ヒーター
61 触媒ガス流路

Claims (2)

  1. 紫外線発光部と、該紫外線発光部を支持する支持部とから構成されたエキシマランプを備える有機化合物の分解装置であって、
    前記紫外線発光部は、紫外線を透過しやすい発光管と保護管とから構成され、それらの間の空間には不活性なガスが封入され、該発光管の外周には電極が設けられ、該発光管の内部には所定の空間を隔てて冷却管が設けられ、該発光管と該冷却管との間の所定の空間にはエキシマを形成する封入ガスが封入されており、
    前記保護管の外側に存在する有機化合物に紫外線を照射して、該有機化合物を分解することを特徴とする有機化合物の分解装置。
  2. 前記紫外線が172nmまたは222nmであり、前記有機化合物と、該有機化合物の分解を促進する触媒ガスとを接触させてなることを特徴とする請求項1に記載の有機化合物の分解装置。
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