JPH11244873A - 光触媒反応装置 - Google Patents

光触媒反応装置

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JPH11244873A
JPH11244873A JP10052592A JP5259298A JPH11244873A JP H11244873 A JPH11244873 A JP H11244873A JP 10052592 A JP10052592 A JP 10052592A JP 5259298 A JP5259298 A JP 5259298A JP H11244873 A JPH11244873 A JP H11244873A
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JP
Japan
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titanium dioxide
reactor
photocatalytic
water
treated
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JP10052592A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Noguchi
寛 野口
Rie Kagami
理恵 加賀美
Shigeo Sato
茂雄 佐藤
Miyoko Kusumi
美代子 久住
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 促進酸化処理に用いる二酸化チタン膜の表面
積を拡大してもガス通過上の障害物とはならず、オゾン
による気液混合作用を高めて効率よく光触媒反応を生起
させることができる光触媒反応装置を提供することを目
的とする。 【解決手段】 光触媒反応器12内にランプ保護管21
を介在して光源を挿入配置するとともに、該光触媒反応
器12内に、二酸化チタンを担持したサドル型の形状を
有する二酸化チタンの担体22を充填し、被処理水30
にオゾンガスの放散と光源から発する光を照射すること
により、担体22に担持された二酸化チタン表面の近傍
部位に拡散してきた溶存オゾンと光触媒反応で生じた活
性酸素種との相互作用により溶存オゾンを分解してOH
ラジカルを生成し、このOHラジカルにより被処理水3
0中の有機物の酸化除去を行うことを特徴とする光触媒
反応装置を基本構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光触媒を利用して被
処理水中の有機物の酸化除去を行う光触媒反応装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光エネルギーを化学反応に直接利
用する方法として、光触媒を利用して水質を浄化する方
法が注目されている。このような光触媒の中でも二酸化
チタンは高い活性と安定した触媒機能を有しているた
め、水質浄化への応用が最も期待されている。
【0003】二酸化チタンを触媒として用いる場合に、
粉状二酸化チタンを用いる方法、担体にコーティン
グした二酸化チタンを用いる方法との2通りの方法が考
えられる。連続的に水処理を行うには、の方法は二酸
化チタンの回収面から考慮して現実的ではなく、の方
法が有効であるものと考察される。
【0004】上記の方法を行うに際して、光触媒反応
器内に石英ガラス等を用いたランプ保護管を介在して紫
外線ランプもしくはブラックライトを光源として挿入配
置し、該ランプ保護管の表面に予め二酸化チタン膜をコ
ーティングしておく手段とか、光触媒担体としてガラス
ビーズとかガラス板、陶磁器ボールを採用して、これら
の担体表面に二酸化チタンをコーティングし、光触媒反
応器内に光触媒担体を投入する方法が有効である。特に
光触媒としての反応効率を高める上で、二酸化チタン膜
のコーティング面とか光触媒担体の表面積を大きく形成
し、光源からのコーティング面もしくは光触媒担体に対
して効率的に光を照射する手段が重要となる。
【0005】上記のような光触媒を用いた水処理は、反
応の完了までに所定の時間がかかるため、オゾンとか過
酸化水素等の酸化剤を併用する手段が有効である。しか
し過酸化水素を併用すると残留するオキシダントの処理
が問題となるため、オゾンを併用する手段が好ましい。
【0006】オゾンの酸化力を高める手段として従来か
ら促進酸化処理法が検討されている。この促進酸化処理
法とは、オゾンの分解速度を促進してヒドロキシラジカ
ル(以下OHラジカルと略称)の生成速度を増加させ、
このOHラジカルの持つ強力な酸化力を利用する手段で
ある。
【0007】オゾンは活性酸素種との反応により分解さ
れてOHラジカルを生じる。もしくはオゾンが直接二酸
化チタン表面上で分解してOHラジカルが生成する可能
性も考えられる。いずれにしても生じたOHラジカルが
有機物等の分解反応の担い手となる。
【0008】水中におけるオゾン反応は、オゾン直接反
応とOHラジカルによる反応とに区分され、このOHラ
ジカル反応の酸化力はオゾン直接反応の酸化力よりも強
く、オゾン直接反応では困難な有機物を水と炭酸ガスに
完全分解することが可能である。
【0009】図12は二酸化チタンとオゾン処理とを併
用した促進酸化反応装置の概要図であり、1は光触媒反
応器であって、この光触媒反応器1内には石英ガラス等
を用いたランプ保護管2を介在して、光源として波長3
00nm〜420nmのブラックライト3が挿入配置さ
れている。ランプ保護管2の表面には予め二酸化チタン
膜がコーティングされている。ブラックライト3に代え
て波長300nm〜420nmの光を発する紫外線ラン
プを用いる例もある。
【0010】そしてオゾン発生機4から得られるオゾン
ガスがオゾン注入器5を介して光触媒反応器1の底壁近
傍から注入され、光触媒反応器1内の被処理水中に放散
されて気液混合状態となり、オゾンが光触媒反応下で消
費されて有害物質が酸化分解され、被処理水は上部から
ポンプP1により気液分離槽6に送り込まれ、水中に溶
解・混合しているガスが水中から分離されて気相部分に
貯留されて排ガス7として排出される。
【0011】ガス抜きされた被処理水の一部は循環ポン
プP2の作用により流量計8を介して再度オゾン注入器
5に供給され、オゾン発生機4から得られるオゾンガス
とともに再度光触媒反応器1内に注入されて循環処理が
行われる。
【0012】オゾン注入器5の内方上側部には急縮部5
aが設けられていて、オゾンガスのイジェクタ機構が形
成されている。被処理水は急縮部5aを通過する際に負
圧を発生し、この負圧によって側面に付設された吸入口
5bからオゾン発生機4で得られたオゾンガスが吸入さ
れる。
【0013】ここで光触媒反応について説明すると、光
触媒反応器1の中心位置に配置されたブラックライト3
から波長300nm〜420nmの光が発せられると、
この光はランプ保護管2の表面にコーティングされた二
酸化チタン膜に吸収されて活性酸素種を生成する。そし
て二酸化チタン表面の近傍部位に拡散してきた溶存オゾ
ンと光触媒反応で生じた活性酸素種との相互作用により
溶存オゾンを分解してOHラジカルを生成し、このOH
ラジカルの持つ強力な酸化力によって被処理水中の有機
物等の有害物質を除去することができる。
【0014】上記光触媒反応器1における二酸化チタン
の光吸収によって起こる光触媒反応としての機能は、半
導体における光励起反応の原理による。即ち、二酸化チ
タン膜にバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光を照
射すると、価電子帯から伝導帯へ電子が励起され、伝導
帯に電子を、価電子帯に正孔を生じる。伝導帯に励起さ
れた電子は還元力を有し、価電子帯の正孔は酸化力を有
する。電子と正孔が還元と酸化を行った後は、価電子帯
と伝導帯は元の状態に戻り、光が照射されると再び電子
と正孔が生じて還元と酸化が行われる。
【0015】二酸化チタンのバンドギャップは約3.0
eVであり、波長に直すと410nmである。そこで4
10nm以下の紫外線を二酸化チタン膜に照射すること
によって該二酸化チタン膜上で酸化還元反応が進行し、
前記したように酸化還元反応によって被処理水中の溶存
オゾンが分解してOHラジカルが生成する。
【0016】オゾンの光分解によるオゾン促進酸化処理
の原理を簡単に説明すると、オゾンは250nm付近を
ピークとする紫外域200〜300nmのHartley帯と
呼ばれる強い吸収帯域を持ち、この領域の光を吸収する
ことによって光分解反応を起こし、OHラジカルを生成
する。従ってHartley帯のピークである250nmの光
を最もよく吸収してOHラジカルを発生する。
【0017】又、ランプが直接被処理水と接触すること
を防止するためにランプ保護管2を用いる必要があり、
このランプ保護管2として石英ガラスのような254n
mの光をよく透過する高価なガラスを用いる必要があ
る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、光触
媒反応装置は二酸化チタンを利用した光触媒反応とオゾ
ン処理とを併用することによって連続的に水処理を行う
ことが可能であるが、実施に際して二酸化チタン膜のコ
ーティング面とか光触媒担体の表面積を大きく形成する
ことが光触媒としての反応効率をより一層高める上で重
要である。しかし前記したようにランプ保護管の表面に
予め二酸化チタン膜をコーティングする手段では二酸化
チタン膜の表面積に限界があるため、この表面積をより
拡大することによる活性上昇に伴う反応効率の向上を期
待することができない。
【0019】又、光触媒担体としてガラスビーズとかガ
ラス板、陶磁器ボール等を採用して、これらの担体表面
に二酸化チタン膜をコーティングする手段によれば、二
酸化チタン膜の表面積は大きくなるが、これらの担体が
ガス通過上の障害物になる場合があり、オゾンによる気
液混合作用が不十分になるケースが発生しやすいという
難点がある。
【0020】そこで本発明は上記に鑑みてなされたもの
であり、二酸化チタン膜の表面積を拡大するとともにガ
ス通過上の障害物とはなることがなく、オゾンによる気
液混合作用を高めて効率よく光触媒反応を生起させるこ
とができる光触媒反応装置を提供することを目的とする
ものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、請求項1に記載したように、光触媒反応
器内にランプ保護管を介在して光源を挿入配置するとと
もに、該光触媒反応器内に、広い表面積を有してガスの
流通を妨げない光触媒担体を充填し、該担体の近傍部位
に拡散してきた溶存オゾンと光触媒反応で生じた活性酸
素種との相互作用により溶存オゾンを分解してOHラジ
カルを生成し、このOHラジカルにより被処理水中の有
機物の酸化除去を行うことを特徴とする光触媒反応装置
を基本構成とする。
【0022】請求項2に記載したように、光触媒担体と
して二酸化チタンを担持したサドル型の形状を有する二
酸化チタンの担体を充填して、被処理水にオゾンガスの
放散と光源から発する光を照射することにより、担体に
担持された二酸化チタン表面の近傍部位に拡散してきた
溶存オゾンと光触媒反応で生じた活性酸素種との相互作
用により溶存オゾンを分解してOHラジカルを生成し、
このOHラジカルにより被処理水中の有機物の酸化除去
を実施する。
【0023】前記光源として波長300nm〜420n
mの紫外線ランプもしくはブラックライトを用いる。
又、二酸化チタンの担体として、全面に多数個の孔部を
形成したサドル型の担体を用いる。
【0024】請求項5により、光触媒反応器内の底壁近
傍にオゾンガスの散気管を配置したことにより、該光触
媒反応器に気液混合機能を付与した光触媒反応装置の構
成にしてあり、請求項5により、光源を光触媒反応器の
周囲に配置した装置例を提供する。
【0025】更に請求項7に記載したように、光触媒反
応器内に配置する光源と二酸化チタンの担体との収納容
器として、小径の内筒と大径の外筒とでなるステンレス
等の金属材料を用いて構成してあり、請求項8に記載し
たように光触媒反応器内に配置する光源と二酸化チタン
の担体との収納容器として、小径の内筒と大径の外筒と
でなるステンレス等の金属材料を用いて構成した複数個
のユニット容器を用いた例を提供する。
【0026】請求項9に記載したように、平形の反応器
本体内に、二酸化チタンを担持したサドル型の形状を有
する二酸化チタンの担体を充填し、該反応器本体内にオ
ゾンを含む被処理水を流通させて太陽光を照射すること
により、担体に担持された二酸化チタン表面の近傍部位
に拡散してきた溶存オゾンと光触媒反応で生じた活性酸
素種との相互作用により溶存オゾンを分解してOHラジ
カルを生成し、このOHラジカルにより被処理水中の有
機物の酸化除去を行うようにした光触媒反応装置の構成
にしてある。
【0027】請求項10により、前記平形の反応器本体
の下方に複数個のブラックライトもしくは紫外線ランプ
を配置して、太陽光とブラックライトもしくは紫外線ラ
ンプの併用照射により光触媒反応を生起させるようにし
ている。更に請求項11により、平形の反応器本体の下
方に複数個のブラックライトもしくは紫外線ランプを配
置するとともに、太陽光中に含まれる紫外線の受光素子
を配備して、該受光素子の検知した太陽光の紫外線の不
足量に応じてブラックライトもしくは紫外線ランプの点
灯制御を行う装置を提供する。
【0028】かかる光触媒反応装置、特に請求項1,2
記載の装置によれば、光触媒反応器の中心位置に配置さ
れた光源から波長300nm〜420nmの紫外線が発
せられると、この紫外線は担体の表面にコーティングさ
れた二酸化チタン膜に吸収されて活性酸素種を生成し、
担体に担持された二酸化チタン表面の近傍部位に拡散し
てきた溶存オゾンと光触媒反応で生じた活性酸素種との
相互作用によって溶存オゾンを分解してOHラジカルが
生成する。このOHラジカルの持つ強力な酸化力によっ
て被処理水中の有機物等の有害物質を除去することがで
きる。
【0029】光触媒反応器内の底壁近傍に散気管を配置
して、オゾン発生機から得られるオゾンガスを該散気管
から放散することにより、光触媒反応器に気液混合機能
を保有させることができる。
【0030】請求項9記載の装置によれば、平形の反応
器本体を採用して内方に二酸化チタン膜が全面にコーテ
ィングされた多数個のサドル形の担体を充填することに
より、オゾンとともに流入される被処理水に対して光源
として太陽光を利用した場合の照射効率が高くなり、太
陽光中に含まれている紫外線と担体の表面にコーティン
グされた二酸化チタン膜による光触媒反応を利用して効
率良く被処理水を処理することができる。
【0031】又、平形の反応器本体の下方に複数個のブ
ラックライトもしくは紫外線ランプを配置したことによ
り、光源として太陽光とブラックライトもしくは紫外線
ランプの発する光の両方を利用することが可能となっ
て、被処理水の処理効率が向上するとともに省エネルギ
ー効果がはかれる。更に太陽光中に含まれる紫外線の受
光素子で受けて、紫外線量信号から演算装置で必要とす
る紫外線の不足量を演算し、該紫外線の不足量に応じて
ブラックライトもしくは紫外線ランプの点灯制御を行う
ことにより、被処理水に対して最適な光照射が行われ、
太陽光とブラックライト等の光源との両方を利用する場
合の光照射効率は最適に維持されて被処理水の処理効率
が向上する。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に本発明にかかる光触媒反応
器の各種実施の形態を説明する。本実施の形態例では、
被処理水に対してオゾンと二酸化チタン及び光を併用し
た促進酸化処理を適用したことにより、連続的に通水さ
れる被処理水中の有害物質の分解反応効率を高めたこと
が作用上の特徴となっている。
【0033】図1は本発明の第1実施形態を示す概要図
であり、先ず主要な構成要素を説明すると、11は気液
混合器、12は光触媒反応器、13は気液分離槽、14
は被処理水の送水ポンプ、15は処理水の送水ポンプ、
16はチェック弁、17,18は流量調整バルブ、19
は流量計である。
【0034】気液混合器11は上方から流入した被処理
水が下方に流出するように構成され、該気液混合器11
の上方側面にオゾンガスの吸入口11aが付設されてお
り、更に気液混合器11の内方上側部には急縮部11b
を設けて、吸入口11aと急縮部11bによりオゾンガ
スのイジェクタ機構を形成する。
【0035】図2は光触媒反応器12の構造を示す拡大
図であり、図示したように略円筒形の反応器本体の中心
位置に波長300nm〜420nmの光を発する紫外線
ランプ20を配置する。紫外線ランプ20は300nm
〜420nmの範囲内の任意の波長の光を発するもので
あればよく、300nm〜420nmの全ての範囲の波
長を含む光を発するものである必要はない。12aは光
触媒反応器12の上方側面に設けられた被処理水の流入
口、12bは下方側面に設けられた被処理水の流出口で
ある。
【0036】21は紫外線ランプ20の外周部を被覆す
る石英ガラス等を用いたランプ保護管であり、このラン
プ保護管21の外側には、多数個の陶磁器で構成された
二酸化チタンの担体22,22を充填する。図3に示し
たように、担体22,22はサドル型の形状を有してお
り、該担体22,22の表裏全面に予め二酸化チタン膜
23がコーティングされている。
【0037】気液分離槽13は下方から流入した被処理
水が上方側面から流出し、気相部に貯留されたガスがチ
ェック弁16から抜けるように構成されている。
【0038】かかる構成によれば、被処理水30が送水
ポンプ14から管路25を経由して気液混合器11の上
方から供給されると、この気液混合器11の内方上側部
に形成された急縮部11bを通過する際に負圧を発生
し、この負圧によって気液混合器11の上方側面に付設
された吸入口11aから図外のオゾン発生機で得られた
オゾンガスが吸入される。
【0039】吸入されたオゾンガスは気液混合器11内
で被処理水30と充分に混合して気液接触が行われ、オ
ゾンガス中のオゾンが被処理水30中に溶解する。そし
て溶存オゾンを含む被処理水30は、気液混合器11の
下方から流出して、流入口12aから次段の光触媒反応
器12内に送り込まれる。
【0040】ここで光触媒反応器12の中心位置に配置
された紫外線ランプ20から波長300nm〜420n
mの紫外線が発せられると、この紫外線は担体22,2
2の表面にコーティングされた二酸化チタン膜23に吸
収されて活性酸素種を生成する。そして担体22,22
に担持された二酸化チタン表面の近傍部位に拡散してき
た溶存オゾンと光触媒反応で生じた活性酸素種との相互
作用によって溶存オゾンを分解してOHラジカルが生成
する。このOHラジカルの持つ酸化力によって被処理水
30中の有機物等の有害物質を除去することができる。
【0041】光触媒反応器12を通過した被処理水30
は、流出口12bから次段の気液分離槽13に送り込ま
れ、水中に溶解・混合しているガスが水中から分離され
て気相部分に貯留してチェック弁16から外部に放出さ
れる。ガス抜きされた処理水の一部は気液分離槽13か
ら送水ポンプ15,流量調整バルブ17,流量計19,
管路26を通って再度気液混合器11に送り込まれて循
環処理が行われ、気液分離槽13から溢れた処理水は管
路27から流量調整バルブ18を経由して放流される。
【0042】図4は本発明の第2の実施形態を示してお
り、この例では二酸化チタンの担体22の材質として多
孔性陶磁器を採用する。この担体22の全面には多数個
の孔部28,28を形成してあり、この孔部28,28
により担体22としての表面積が実質的に拡大されて二
酸化チタン膜23による光触媒活性が向上し、被処理水
30中の有害物質の除去効果を高めることができる。
【0043】図5は本発明の第3の実施形態を示してお
り、基本的な構成は前記第1の実施形態と一致している
ため、同一の構成部分に同一の符号を付して表示してあ
る。この例では光触媒反応器12に気液混合器11の機
能を受け持たせたことが特徴となっている。
【0044】具体的には光触媒反応器12内の底壁近傍
に散気管29を配置し、図外のオゾン発生機から得られ
るオゾンガスを該散気管29から放散する。この散気管
29の直上に設けた支持床31上にサドル型の形状を有
する二酸化チタンの担体22,22を多数個充填する。
オゾンガスの流通性を維持するため、支持床31には多
数の孔部が開口されている。
【0045】32は前記紫外線ランプ20に代えて光触
媒反応器12の中心位置に配置されたブラックライトで
あり、21はブラックライト32の外周部を被覆するラ
ンプ保護管である。光触媒反応器12の下方側面に被処
理水の流入口12aを設け、光触媒反応器12の上方側
面に被処理水の流出口12bを設ける。その他の構成は
図2に示す構成と一致している。
【0046】かかる構成によれば、光触媒反応器12の
下方側面に設けた流入口12aから流入した被処理水3
0が上方側面に設けた流出口12bに向けて流れる際
に、散気管29から放散されるオゾンガスと混合して気
液接触が行われ、溶存オゾンが生成するのと同時に光触
媒反応器12の中心位置に配置されたブラックライト3
2から波長300nm〜420nmの光が発せられて担
体22,22の表面にコーティングされた二酸化チタン
膜23に吸収されて活性酸素を生成する。
【0047】そして担体22,22に担持された二酸化
チタン表面の近傍部位に拡散してきた溶存オゾンと光触
媒反応で生じた活性酸素種との相互作用によって溶存オ
ゾンを分解してOHラジカルが生成し、このOHラジカ
ルの持つ酸化力によって被処理水30中の有機物等の有
害物質が除去される。
【0048】図6は本発明の第4の実施形態を示してお
り、基本的な構成は上記第3の実施形態と一致してい
る。この例では第1の実施形態と同様に光触媒反応器1
2の上方側面に被処理水の流入口12aを設け、光触媒
反応器12の下方側面に被処理水の流出口12bを設け
る。更に光触媒反応器12の上壁を貫通して排ガスを排
出するためのガス抜き口33を設置する。
【0049】第4の実施形態の基本的作用は第3の実施
形態と略一致しているが、被処理水30とオゾンガスと
が光触媒反応器12内で対向流として気液接触が行われ
るため、第3の実施形態よりもオゾンの溶解効率が高め
られるという特徴がある。
【0050】次に本発明の第5の実施形態を説明する。
この例では第3の実施形態で説明した光触媒反応器12
の中心位置に配置されたブラックライト32を、該光触
媒反応器12の周囲に移動して配置してある(図示省
略)。尚、ブラックライト32に代えて前記紫外線ラン
プ20を用いても良い。その他の構成は第3の実施形態
と一致している。
【0051】かかる構成によれば、第4の実施形態と同
様に被処理水30に対して散気管29からオゾンガスが
放散されて気液接触が行われ、溶存オゾンが生成するの
と同時に光触媒反応器12の周囲に配置されたブラック
ライト32もしくは紫外線ランプから波長300nm〜
420nmの光が発せられて担体22,22の表面にコ
ーティングされた二酸化チタン膜23に吸収され、前記
に説明した通りに被処理水30中の溶存オゾンが分解し
てOHラジカルが生成し、有機物等の有害物質を除去す
ることができる。
【0052】この第5の実施形態ではブラックライト3
2を光触媒反応器12の中心位置に配置していないた
め、該光触媒反応器12自体の構造が簡略化されるとい
う特徴がある。又、好天候の場合にはブラックライト3
2に代えて太陽光を利用することが可能である。
【0053】図7は本発明の第6の実施形態を示してお
り、この例では第1の実施形態で説明した光触媒反応器
12を構成する略円筒形の反応器本体に代えて、平形の
反応器本体35を採用し、この反応器本体35内に二酸
化チタン膜が全面にコーティングされた多数個の前記サ
ドル形の担体22,22を充填しておく。該反応器本体
35の一方側側面に被処理水の流入口12aを設け、反
応器本体35の他方側側面に被処理水の流出口12bを
設ける。
【0054】この実施形態は、光源として太陽光を利用
することが有効であり、反応器本体35を平形としたこ
とによって上面から照射される太陽光Sの照射効率が高
くなり、太陽光S中に含まれている紫外線と担体の表面
にコーティングされた二酸化チタン膜による光触媒反応
を利用して効率良く被処理水を処理することができると
いう特徴がある。
【0055】図8は本発明の第7の実施形態を示すもの
であって、この例では図7で説明した第6の実施形態の
構成に加えて、平形の反応器本体35の下方に、複数個
のブラックライト32を配置してある。ブラックライト
32に代えて紫外線ランプを配置しても良い。その他の
構成は第6の実施形態と一致している。
【0056】この例では光源として太陽光Sか、ブラッ
クライト32もしくは紫外線ランプの何れかを利用する
ことが可能であり、反応器本体35を平形としたことに
よって上面から照射される太陽光Sの照射効率が高めら
るとともに太陽光が照射されないケースではブラックラ
イト32を点灯することにより処理が継続的に行われ、
被処理水の処理効率が向上するとともに省エネルギー効
果がはかれるという特徴がある。
【0057】図9は本発明の第8の実施形態を示すもの
であって、この例では図8で説明した第7の実施形態に
加えて、平形の反応器本体35の上面に太陽光S中に含
まれる紫外線の受光素子36を配備しておき、ブラック
ライト32の制御器37と演算装置38とを配設してあ
る。その他の構成は第7の実施形態と一致している。
【0058】この例では光源として利用した太陽光S中
に含まれる紫外線量を受光素子36で受けて、この紫外
線量信号36aを演算装置38に送り込み、この演算装
置38で必要とする紫外線の不足量を演算して制御器3
7に入力する。制御器37は紫外線の不足量に応じて複
数個のブラックライト32の点灯制御を行うことによ
り、被処理水に対して太陽光Sとブラックライト32に
よる最適な光照射が行われる。従って太陽光Sとブラッ
クライト32もしくは紫外線ランプの併用処理における
光照射効率が最適に維持されて被処理水の処理効率が向
上し、省エネルギー効果が向上するという特徴がある。
【0059】図10は本発明の第9の実施形態を示すも
のであって、前記第1,第3,第4の各実施形態で説明
した二酸化チタンの担体22,22の収納容器40の具
体例を示している。収納容器40として、ステンレス等
の金属材料を用いて構成した小径の内筒40aと大径の
外筒40bを採用し、略円筒形の反応器本体内に該収納
容器40を入れて内筒40a内に紫外線ランプ20とラ
ンプ保護管21を配置し、内筒40aと外筒40b間に
前記陶磁器で構成された二酸化チタンの担体22,22
を多数個充填する。
【0060】第9の実施形態の作用は第1の実施形態で
説明した通りであるが、本例の場合には使用時にランプ
保護管21の清掃とか担体22,22の回収及び交換を
必要とするケースで、略円筒形の反応器本体から収納容
器40を引き上げることで上記の作業を容易に行うこと
ができる。
【0061】図11は本発明の第10の実施形態を示す
ものであって、二酸化チタンの担体22,22の収納容
器41,42,43の具体例を示している。収納容器4
1はステンレス等の金属材料を用いた小径の内筒41a
と大径の外筒41bとで構成し、同様に収納容器42は
内筒42aと外筒42bとで構成し、収納容器43は内
筒43aと外筒43bとで構成する。つまり収納容器4
1,42,43は別々のユニットとして構成されてい
る。
【0062】そして略円筒形の反応器本体内にユニット
としての収納容器41,42,43を積層した状態とし
て別々に入れてから各内筒内を通して紫外線ランプ20
とランプ保護管21とを配置し、各内筒と外筒間に二酸
化チタンの担体22,22を多数個充填する。
【0063】第9の実施形態の作用は第1の実施形態で
説明した通りであるが、光触媒作用に関与する二酸化チ
タンの担体は被処理水が最初に通過する部分の担体の劣
化速度が最も大であり、例えば被処理水が下方から流入
する場合には、下方に位置する収納容器43の内筒43
aと外筒43b間に充填した担体22の劣化が速く進行
する。
【0064】そこで本例の場合には担体22の回収とか
交換を実施する際に、反応器本体から収納容器41,4
2,43を引き上げて、ユニットとして交換を必要とす
る収納容器内の担体22の回収及び交換を容易に実施す
ることができる。
【0065】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる光触媒反応装置によれば、光触媒反応器に配置され
た光源から波長300nm〜420nmの光が発せられ
ると、この光が担体の表面にコーティングされた二酸化
チタン膜に吸収されて活性酸素種を生成し、担体に担持
された二酸化チタン表面の近傍部位に拡散してきた溶存
オゾンと光触媒反応で生じた活性酸素種との相互作用に
よって溶存オゾンを分解してOHラジカルが生成して、
このOHラジカルの持つ強力な酸化力によって被処理水
中の有機物等の有害物質を除去することができる。
【0066】上記担体としてサドル形の担体を用いたこ
とにより、全面にコーティングされた二酸化チタン膜の
表面積が大きくなる上、サドル形の形状としてことによ
って多くのガス流通路が形成されて担体がガス通過上の
障害物になることはなく、オゾンと被処理水との気液混
合作用は十分に行うことができる。
【0067】又、光触媒反応器内の底壁近傍に散気管を
配置してオゾンガスを該散気管から放散することによ
り、光触媒反応器に気液混合機能を持たせることができ
る。
【0068】更に請求項9に記載したように、光触媒反
応器として内方に二酸化チタン膜がコーティングされた
サドル形の担体が充填された平形の反応器本体を採用し
たことにより、光源として太陽光を利用した場合の照射
効率が高くなり、太陽光中に含まれている紫外線とコー
ティングされた二酸化チタン膜による光触媒反応を利用
して効率良く被処理水を処理することができる。
【0069】平形の反応器本体の下方に複数個のブラッ
クライトもしくは紫外線ランプを配置したことにより、
光源として太陽光とブラックライトもしくは紫外線ラン
プの発する光の両方を利用することが可能となり、更に
太陽光中に含まれる紫外線の不足量を演算してブラック
ライトもしくは紫外線ランプの点灯制御を行うことによ
り、被処理水の処理効率を向上させるとともに省エネル
ギー効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる光触媒反応器の第1の実施形態
を示す概要図。
【図2】第1の実施形態における反応器の内部構造を示
す断面図。
【図3】第1の実施形態における担体の具体例を示す斜
視図。
【図4】本発明の第2の実施形態における担体の要部を
示す拡大図。
【図5】本発明の第3の実施の形態における反応器の内
部構造を示す断面図。
【図6】本発明の第4の実施の形態における反応器の内
部構造を示す断面図。
【図7】本発明の第6の実施の形態を示す斜視図。
【図8】本発明の第7の実施の形態を示す斜視図。
【図9】本発明の第8の実施の形態を示す斜視図。
【図10】本発明の第9の実施の形態における収納容器
の斜視図。
【図11】本発明の第10の実施の形態における収納容
器の斜視図。
【図12】従来の二酸化チタンとオゾン処理とを併用し
た促進酸化反応装置の概要図。
【符号の説明】
11…気液混合器 12…光触媒反応器 13…気液分離器 14,15…送水ポンプ 16…チェック弁 17,18…流量調整バルブ 19…流量計 20…紫外線ランプ 21…ランプ保護管 22…担体 23…二酸化チタン膜 28…孔部 30…被処理水 31…支持床 32…ブラックライト 33…ガス抜き口 35…反応器本体 36…受光素子 37…制御器 38…演算装置 40,41…収納容器 40a,41a,42a,43a…内筒 40b,41b,42b,43b…外筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 1/78 C02F 1/78 (72)発明者 久住 美代子 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒反応器内にランプ保護管を介在し
    て光源を挿入配置するとともに、該光触媒反応器内に、
    広い表面積を有してガスの流通を妨げない光触媒担体を
    充填し、該担体の近傍部位に拡散してきた溶存オゾンと
    光触媒反応で生じた活性酸素種との相互作用により溶存
    オゾンを分解してOHラジカルを生成し、このOHラジ
    カルにより被処理水中の有機物の酸化除去を行うことを
    特徴とする光触媒反応装置。
  2. 【請求項2】 光触媒反応器内にランプ保護管を介在し
    て光源を挿入配置するとともに、該光触媒反応器内に、
    二酸化チタンを担持したサドル型の形状を有する二酸化
    チタンの担体を充填し、被処理水にオゾンガスの放散と
    光源から発する光を照射することにより、担体に担持さ
    れた二酸化チタン表面の近傍部位に拡散してきた溶存オ
    ゾンと光触媒反応で生じた活性酸素種との相互作用によ
    り溶存オゾンを分解してOHラジカルを生成し、このO
    Hラジカルにより被処理水中の有機物の酸化除去を行う
    ことを特徴とする光触媒反応装置。
  3. 【請求項3】 光源として波長300nm〜420nm
    の紫外線ランプもしくはブラックライトを用いたことを
    特徴とする請求項1又は2項に記載の光触媒反応装置。
  4. 【請求項4】 二酸化チタンの担体として、全面に多数
    個の孔部を形成したサドル型の担体を用いたことを特徴
    とする請求項2に記載の光触媒反応装置。
  5. 【請求項5】 光触媒反応器内の底壁近傍にオゾンガス
    の散気管を配置したことにより、該光触媒反応器に気液
    混合機能を付与したことを特徴とする請求項1,2,3
    又は4項に記載の光触媒反応装置。
  6. 【請求項6】 光源を光触媒反応器の周囲に配置したこ
    とを特徴とする請求項1,2,3,4又は5項に記載の
    光触媒反応装置。
  7. 【請求項7】 光触媒反応器内に配置する光源と二酸化
    チタンの担体との収納容器として、金属材料を用いて構
    成した小径の内筒と大径の外筒とでなる収納容器を用い
    たことを特徴とする請求項2,3,4又は5項に記載の
    光触媒反応装置。
  8. 【請求項8】 光触媒反応器内に配置する光源と二酸化
    チタンの担体との収納容器として、金属材料を用いて構
    成した小径の内筒と大径の外筒とでなる複数個のユニッ
    ト容器を用いたことを特徴とする請求項2,3,4又は
    5項に記載の光触媒反応装置。
  9. 【請求項9】 平形の反応器本体内に、二酸化チタンを
    担持したサドル型の形状を有する二酸化チタンの担体を
    充填し、該反応器本体内にオゾンを含む被処理水を流通
    させて太陽光を照射することにより、担体に担持された
    二酸化チタン表面の近傍部位に拡散してきた溶存オゾン
    と光触媒反応で生じた活性酸素種との相互作用により溶
    存オゾンを分解してOHラジカルを生成し、このOHラ
    ジカルにより被処理水中の有機物の酸化除去を行うこと
    を特徴とする光触媒反応装置。
  10. 【請求項10】 前記平形の反応器本体の下方に複数個
    のブラックライトもしくは紫外線ランプを配置して、太
    陽光とブラックライトもしくは紫外線ランプの併用照射
    により光触媒反応を生起させるようにしたことを特徴と
    する請求項9に記載の光触媒反応装置。
  11. 【請求項11】 前記平形の反応器本体の下方に複数個
    のブラックライトもしくは紫外線ランプを配置するとと
    もに、太陽光中に含まれる紫外線の受光素子を配備し
    て、該受光素子の検知した太陽光の紫外線の不足量に応
    じてブラックライトもしくは紫外線ランプの点灯制御を
    行うことを特徴とする請求項9又は10項に記載の光触
    媒反応装置。
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