JP3476247B2 - ポリ塩化ビフェニルの光分解装置およびその方法 - Google Patents

ポリ塩化ビフェニルの光分解装置およびその方法

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JP3476247B2 JP14183694A JP14183694A JP3476247B2 JP 3476247 B2 JP3476247 B2 JP 3476247B2 JP 14183694 A JP14183694 A JP 14183694A JP 14183694 A JP14183694 A JP 14183694A JP 3476247 B2 JP3476247 B2 JP 3476247B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は処理の困難な有害廃棄物
であるポリ塩化ビフェニル(以下、PCBと記す)を無
害化処理するためのPCBの光分解装置およびその方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光によるPCB無害化処理技術と
しては例えば特許第919505号の「ポリ塩化ビフェニルの
分解方法」や特開昭49-45027号公報に開示された「塩素
化合物の脱塩素化方法」、特開昭 57-166175号公報「ポ
リ塩化ビフェニルの分解処理方法」などが知られてい
る。
【0003】これらはいずれもアルカリ性アルコール中
にPCBを溶解させたものに紫外線を照射することによ
りPCBの脱塩素反応を起こさせるものである。
【0004】以下、従来の技術を図10を用いて簡単に説
明する。従来のPCBの光分解装置は図中符号1で示す
容器と、この容器1内からアルカリ性アルコールにPC
Bを溶解した反応液2が注入されて保持する反応槽3
と、この反応槽3に設けた紫外光透過特性の良い窓ガラ
ス4と、この窓ガラス4を通して紫外光6を反応槽3内
部に導光し、反応液2に照射する紫外線ランプ5と、こ
の反応槽3の下部に接続した排出ポンプ21とからなって
いる。Vはバルブを示している。
【0005】この装置においては反応液2中の、PCB
の光吸収によって脱塩素反応する過程と、その結果、生
成するラジカルによりさらに連鎖的に脱塩素反応を起こ
す過程とがあり、PCBは比較的速い速度で分解する。
このPCB光分解の結果、主生成物としてビフェニル、
塩、アセトン、水等が生成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な装置でのPCBの分解方法では以下の理由で分解反応
が阻害される。
【0007】(1) 光分解が進むにつれて反応生成物が蓄
積され生成物による光の吸収や、反応の阻害が起こり、
光エネルギーが余分に必要になる。
【0008】(2) アルカリ性アルコールより沸点の低い
生成物の例としてアセトンがある。このアセトンにはP
CBの吸収スペクトルの存在する300nm 以下の波長域に
吸光度の大きな吸収帯が存在し、照射した紫外線6の一
部を吸収するため、光の損失になる。
【0009】(3) 反応液2に溶存している酸素や反応に
よって発生する水素等の気体はラジカル連鎖反応過程を
阻害し、反応速度を低下させる。(4) 反応によって生成
する水分は反応速度を低下させる作用がある。
【0010】(5) 反応によって生成するアルカリ金属塩
はアルコール中にとけ込まず、結晶として反応液中に浮
遊し、照射する光を散乱するなど光の利用率を低下させ
るため、反応速度を低下させる作用がある。
【0011】(6) PCBの分解が進むにつれ、PCB濃
度が小さくなるため、PCBに吸収される光の割合が急
激に小さくなり、光の利用率が大幅に低下する。
【0012】(7) 反応によってアルカリが消費される
が、これによってアルカリ濃度が低くなって脱離した塩
素がPCBもしくはビフェニルに再付着しやすくなり、
反応速度を低下させる。また、初期のPCB仕込濃度を
高くすることが分解の効率や分解率の面で望ましいが、
アルコール中のアルカリ濃度溶解度に制限があるため、
アルカリの初期仕込濃度を高くすることが困難であり、
PCB仕込濃度を高くすることはできない。
【0013】(8) 一般的にPCBと総称されているもの
は塩素化数と塩素化位置によって理論的に 210種類の異
性体があり、通常使用されていたものは数十種類の異な
ったPCB種の混合物である。また、これらの光吸収ス
ペクトルの形状は成分毎にそれぞれ異なっており、単一
の波長の光で分解処理する場合、PCB種によって分解
が非常に遅くなる場合がある。
【0014】(9) 反応によって生成するビフェニルはP
CBとほぼ同様の吸収帯を持つため、分解が進んだ時点
では照射した紫外光のほとんどがビフェニルに吸収され
て光の大きな損失になる。
【0015】これら(1) から(9) の結果、PCB処理と
しては経済性で不利であり、しかも、分解がある程度以
上は進まずPCBの処理方法として有害性で不利となる
などの課題がある。
【0016】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、光分解反応の阻害要因を取り除くことがで
き、かつ高効率的に分解できるPCBの光分解装置およ
びその方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、アル
カリ金属またはその水酸化物あるいはその両者とアルコ
ールとを混合して調製したアルカリ性アルコール中にポ
リ塩化ビフェニルを溶解した反応液を反応槽内に収容し
前記反応液に紫外線を照射してポリ塩化ビフェニルを光
分解する装置において、前記反応槽を密閉構造とし、前
記反応槽に減圧ポンプを接続し、かつ前記反応槽内の圧
力を制御して反応を阻害するアルカリ性アルコールより
沸点の低い生成物を除去する低沸点生成物除去機構と、
前記反応槽内の反応溶液中の水分を除去する水分除去機
構と、前記反応槽内の溶液温度において気体である反応
を阻害する生成物を反応槽から除去する気体生成物除去
機構と、前記反応槽を陽イオン交換膜で仕切って第1お
よび第2の反応槽に区画し、これらの反応槽に電極を設
けて直流電圧を印加し、この陰極側の第1の反応槽にポ
リ塩化ビフェニルを溶解したアルカリ性アルコールを投
入してポリ塩化ビフェニル分解槽とし、正極側の第2の
反応槽にアルカリ性アルコール調製で用いたアルカリ金
属の水酸化物水溶液を満たしたアルカリ金属塩除去機構
とを設けたことを特徴とする。
【0018】請求項2の発明は、前記低沸点生成物除去
機構として前記反応槽に溶液の温度を制御する機構を備
えたことを特徴とする
【0019】請求項3の発明は、前記気体生成物除去機
構として、前記反応槽に反応溶液を冷却固化できる冷却
装置および減圧排気装置を備えことを特徴とする。
【0020】請求項4の発明は、前記気体生成物除去機
構として、前記反応槽に光分解反応に影響を与えない希
ガス等の気体を前記反応液中に噴出できる気体導入装置
および排出装置を備えことを特徴とする。
【0021】請求項5の発明は、前記水分除去機構とし
て、前記反応槽に反応溶液中にゼオライト等の水分を吸
着する多孔性無機固体物質を混入させる装置を備えたこ
とを特徴とする
【0022】請求項6の発明は、前記水分除去機構とし
て前記反応槽に反応中に生成する水分量に応じてアルカ
リ金属を追加供給できる機構を備えたことを特徴とす
【0023】請求項7の発明は、前記水分除去機構とし
て前記反応槽内に電極を設け、この電極に直流電圧を印
加する機構を備えたことを特徴とする
【0024】請求項8の発明は、請求項1記載のポリ塩
化ビフェニルを光分解する装置において、反応槽内にポ
リ塩化ビフェニルの光分解によって減少するポリ塩化ビ
フェニルとアルカリ成分を分解反応中に追加供給できる
機構を備えたことを特徴とする
【0025】請求項9の発明は、前記反応初期のポリ塩
化ビフェニルの塩素数変換濃度をアルカリ濃度の1倍以
上とし、分解が進むにつれて消費されるアルカリ成分を
逐次補給する装置を設け、かつ常に反応溶液をアルカリ
条件に制御する制御機構を設けたことを特徴とする
【0026】請求項10の発明は、前記分解対象とするポ
リ塩化ビフェニル混合物中の各成分の吸収スペクトルに
対応させて波長の異なった複数の紫外線源を備えたこと
を特徴とする
【0027】請求項11の発明は、前記紫外線源として1
MW/cm 2 以上の光強度で照射可能なパルスレーザー装
置を備えたことを特徴とする
【0028】請求項12の発明は、前記紫外線源として1
MW/cm 2 以上の光強度で照射可能 なパルスレーザー装
置と1W/cm 2 程度の比較的弱い光強度で照射可能な連
続もしくは準連続光源を備えたことを特徴とする
【0029】請求項13の発明は、前記反応槽は照射光に
対し透明な材質を用いた多重構造を持ち、最外槽から最
内槽に反応液を移送する装置を備えたことを特徴とす
【0030】請求項14の発明は、前記反応槽の内面また
は外面に光反射体を備えたことを特徴とする
【0031】請求項15の発明は、アルカリ金属またはそ
の水酸化物あるいはその両者とアルコールとを混合させ
て調整したアルカリ性アルコール中にポリ塩化ビフェニ
ルを溶解した反応液に紫外線を照射してポリ塩化ビフェ
ニルを光反応分解するポリ塩化ビフェニルの光分解方法
において、光反応を阻害する反応生成物であるアルカリ
性アルコールより沸点の低い低沸点生成物および前記反
応液の温度で気体である生成物および水およびアルカリ
金属塩を逐次除去しながらポリ塩化ビフェニルを分解す
ることを特徴とする。
【0032】
【0033】請求項16の発明は、前記ポリ塩化ビフェニ
ルの光分解によって減少する塩化ビフェニルとアルカリ
成分を分解反応中に追加供給しながらポリ塩化ビフェニ
ルを分解することを特徴とする。
【0034】請求項17の発明は、前記光反応分解は分解
対象とするポリ塩化ビフェニル混合物中の各成分の吸収
スペクトルに対応させて波長の異なった複数の紫外線を
同時または交互に照射することによりポリ塩化ビフェニ
ルを分解することを特徴とする。
【0035】
【作用】上記の構成による作用はつぎのとおりである。
分解によって生成する生成物による反応の阻害が無く
なるため、小量の光エネルギーで効率的にPCBを分解
することができる。
【0036】また、アルコールより沸点の低いアセトン
等の低沸点生成物を圧力制御により減圧蒸留で取り除け
るためアセトン等による光の損失や反応阻害を抑える
ことができる。また、PCB分解が進んでも圧力の制御
によりアルコール分の蒸発量も制御できPCB濃度を高
めたまま分解反応を継続させることができるので、効率
的にPCBを分解でき、かつ、分解率を高めることがで
きる。
【0037】また、反応溶液の冷却、冷凍、減圧がで
き、これにより解凍の過程で溶存する酸素や水素等の反
応を阻害する気体を除去することができるので、ラジカ
ル連鎖反応の阻害要因がなくなり分解速度を速くでき
る。
【0038】また、希ガスや窒素ガス等のラジカル反応
に影響を与えない気体を反応溶液中に噴出することがで
き、また反応溶液中に溶存する酸素や水素などをバブリ
ングにより除去できるので、ラジカル連鎖反応の阻害要
因がなくなり分解速度を速くできる。
【0039】また、反応にともなって生成する水分をゼ
オライト等の吸着物質にて選択的に除去でき、水分によ
る反応の阻害がなくなるので、効率的にPCBを分解で
き、かつ、分解率を高めることができる。
【0040】また、反応にともなって生成する水分をア
ルカリ金属と反応させてアルカリ金属の水酸化物と水素
ガスとして分解除去できるので、効率的にPCBを分解
でき、かつ、分解率を高めることができる。
【0041】また、反応にともなって生成する水分を電
気分解によって水素ガスに分解除去できるので、効率的
にPCBを分解でき、かつ、分解率を高めることができ
る。
【0042】また、反応にともなって生成する水分と塩
を隔膜電気分解法によって塩素ガスとアルカリ金属の水
酸化物に分離除去できるので、塩による光の散乱が少な
くなる。また、水分による反応阻害を無くすことがで
き、かつ電気分解により再生したアルカリ金属を供給で
き、光分解溶液側のアルカリ濃度を一定に保つことがで
きるので、効率的にPCBを分解でき、かつ、分解率を
高めることができる。
【0043】また、PCBの光分解によってPCB濃度
が小さくなってもアルカリとともに逐次追加することが
できるため、相対的にPCBへの光吸収量がふえるの
で、効率的にPCBを分解でき、かつ、分解率を高める
ことができる。
【0044】また、アルコール中に溶け込むアルカリ金
属の飽和量以上、初期PCB濃度を高くする事ができ、
分解が進むにつれてアルカリを必要量加えることができ
るため、効率的にPCBを分解でき、かつ、分解率を高
めることができる。
【0045】また、内槽において低PCB濃度での分解
が進み、この反応溶液を透過した漏洩光が外槽にある場
合より高いPCB濃度の反応溶液によって吸収されるの
で、光の利用率を向上させることができる。
【0046】また、反応が進みPCB濃度が低くなって
光の大部分が透過するようになっても、反応槽の内面ま
たは外面の光反射体により反射されるので、漏洩光が無
くなり光の利用率を向上させることができる。
【0047】また、吸収スペクトルの異なるPCB成分
に対してそれぞれ吸光度の高い適切な波長の光を与える
ことができるので、効率的にPCBを分解でき、かつ、
分解率を高めることができる。
【0048】また、パルスレーザー光の高強度特性によ
りビフェニル構造自体を分解することができ、ビフェニ
ルによる反応阻害や光吸収がなくなるので、効率的にP
CBを分解でき、かつ、分解率を高めることができる。
【0049】また、低強度光で進む逐次的脱塩素反応に
加え、パルスレーザー光の高強度特性によりビフェニル
構造自体を分解することができ、ビフェニルによる反応
阻害や光吸収がなくなるので、効率的にPCBを分解で
き、かつ、分解率を高めることができる。
【0050】
【実施例】つぎに本発明に係る第1から第10の実施例を
図1から図9を参照しながら説明する。 (第1の実施例) 図1は反応生成物除去機構として温度制御によるアルカ
リ性アルコールより低沸点の反応生成物を蒸留して除去
する機構と、希ガスバブリングによる気体生成物の除去
機構と、ゼオライト等の水分吸着物質混入による水分の
除去機構と、隔膜電気分解によるアルカリ金属塩の電気
分解除去の機構を同時に備えたPCB光分解装置を模式
的に示したものである。
【0051】すなわち、図1中符号1で示す容器内には
アルカリ性アルコール中にPCBを溶解させた反応槽3
内に収容する反応液2が保持されている。この第1の実
施例ではアルカリ性アルコールとして2−プロパノール
と水酸化ナトリウムの混合液を用い、これに平均塩素化
数 3.2のPCB混合物を溶解させている。
【0052】PCBの濃度は高い方が連鎖的脱塩素反応
の数が多くなり反応速度の面で有利であるが、この連鎖
的脱塩素反応はアルカリ条件でないと起こらないことが
判っている。
【0053】このため、PCB濃度を高くするには水酸
化ナトリウム濃度も比例して高くする必要があるが、2
−プロパノールに対する飽和によりある程度以上高くす
ることができない。
【0054】そこで、この第1の実施例においての濃度
はアルコールに対してPCBを塩素換算で 0.012mol /
リットル、水酸化ナトリウムをその 1.5倍の 0.018mol
/リットルとして調製したものを供した。容器1から反
応液2は密閉可能な反応槽3に移送され収容される。
【0055】反応槽3の上面には紫外線の透過特性の良
い石英製の窓ガラス4がはめ込まれており、外部に設置
した紫外線ランプ5で発光した紫外線6は窓ガラス4を
通して反応液2に照射され、これにより反応液2中に含
まれるPCBを光分解することができる。
【0056】この第1の実施例では紫外線ランプ5に波
長248nm に発光スペクトルを持つマイクロ波励起弗化ク
リプトン(KrF)エキシマランプを用いている。光分
解とともに生成物としてアセトン、水、ビフェニル、プ
ロパノール2量体、塩化ナトリウムが主として生成され
る。
【0057】この他にも反応中の溶液にはフェニルシク
ロヘキサジエン、水素等も分析の結果微量ながらも存在
することが判っている。この光分解の過程で、PCB中
に結合していた塩素はアルカリ性アルコールと反応し、
塩化ナトリウムを生成する。
【0058】本実施例では、イオン交換樹脂7の膜で反
応槽3を2つの部屋に区画し、反応液2の存在する部屋
の反対側に水酸化ナトリウムの水溶液8を入れておく
と、塩化ナトリウムを構成する塩素イオンは水溶液8に
移行する。
【0059】それぞれの部屋に設置した白金電極9およ
び白金電極10に電気分解制御装置11から電流を供給する
事により水溶液8中の塩素イオンは白金電極10表面で塩
素ガスの形で気泡になり水溶液8から除去される。これ
により、反応液2に存在した塩化ナトリウムは結局水酸
化ナトリウムに再生されることになる。
【0060】この場合、白金電極9と白金電極10間に流
す電流はPCBの分解速度すなわち塩化ナトリウムの生
成速度に依存するが、本実施例で対象とした平均塩素化
数 3.2のPCB混合物を毎時10g処理する場合では概ね
1アンペア程度となる。この時、発生した塩素ガスは塩
素除害装置12と排気ポンプ13によって反応槽3から排出
される。
【0061】また、この光分解の過程で生成するアセト
ン等の低沸点生成物は反応液2の温度を温度制御装置14
および加熱ヒータ15を用いて制御することで蒸留し除去
される。
【0062】この温度設定値としては反応槽3内の内圧
を常圧とする場合には、アセトンの沸点と2−プロパノ
ールの沸点の関係から60℃に設定することが望ましいこ
とが判っている。この時、蒸発した低沸点生成物は圧力
制御装置16を介して排気ポンプ13から反応系外に排出さ
れる。
【0063】この蒸留過程において2−プロパノール自
体の蒸発もあるが、生成するアセトン等の低沸点生成物
生成量は高々分解したPCB量程度であるため大きな影
響はない。
【0064】むしろ積極的に2−プロパノール蒸発を
促進することで、分解反応の進展とともに減少するPC
B濃度を2−プロパノールの蒸発により濃縮する効果が
あるため、高分解率時のPCBの連鎖的脱塩素反応数の
増大やPCBへの光吸収効率の向上効果もあり、反応速
度を向上させることがきる。
【0065】また、この光分解過程で生成する水分の一
部は塩化ナトリウムの電気分解の過程で除去できるが、
より反応液2中の水分含有量を減らすために、この第1
の実施例では吸着材容器17から水分吸着材18を投入し、
反応液2に混入させることができる。吸着材としてはゼ
オライト等の多孔性の無機固体物質が望ましい。これに
より、反応液2に混入していた水分をほとんど除去する
ことが可能になる。
【0066】さらに、反応過程で生成する水素や、反応
液にもともと含まれていた酸素等の反応液2中に溶存す
る気体反応阻害物質の除去のために、この第1の実施例
では、窒素ガス供給装置19とガスバブリング装置20が備
えられている。
【0067】ガスバブリング装置20において、窒素ガス
供給装置19からの乾燥窒素ガスを直径1mm前後の細かい
気泡として反応液2中に噴出させる。これにより、溶存
していた反応阻害性の気体は窒素ガスとおき変わり圧力
制御装置16、排気ポンプ13を介して反応系外に排出され
る。
【0068】この時の窒素ガス流量は反応装置の規模に
もよるが毎時10gのPCBを分解する装置では毎分1リ
ットル程度で十分である。このようにしてPCBを光分
解させた後の反応後溶液は水分吸着材18等とともに排出
ポンプ21によって光反応装置から排出される。
【0069】この第1の実施例に係る装置において、生
成物除去装置を備えていない従来のPCB光分解装置に
くらべ、PCB分解率90%までの反応時間が2/3程度
に、99.9999 %分解率までの反応時間では概ね25分の1
程度の時間で大幅に分解速度が向上し、効率よく分解す
ることができた。これは各種の生成物除去装置を備えた
ことにより、照射光の利用率の向上、連鎖的脱塩素反応
回数の増大ができたためである。
【0070】(第2の実施例) 図2は反応生成物除去機構として排気ポンプ13により減
圧条件でアルカリ性アルコールより低沸点の反応生成物
を減圧蒸留除去する機構と、冷凍減圧脱気法による気体
生成物の除去機構と、アルカリ金属の供給により水分を
分解除去する機構を同時に備えたPCB光分解装置を模
式的に示したものである。
【0071】図2中符号1〜21は第1の実施例と同様の
ものである。また、反応液2の組成条件および紫外線ラ
ンプ5の光源条件等も第1の実施例と同様である。これ
により、第1の実施例と同様にPCBは光分解し、生成
物としてアセトン、水、ビフェニル、プロパノール2量
体等を生成する。
【0072】第2の実施例では、光分解の過程で生成す
るアセトン等の低沸点生成物は反応槽3の内部の圧力を
負圧調整装置22と排気ポンプ13によって構成される減圧
蒸留除去される。
【0073】この時の調整圧力はアセトンを含む低沸点
生成物を対象にするとき、反応液2の温度が20℃の条件
で、 27000Pa程度が望ましい。これは、この温度での
アセトンの蒸気圧が約 27000Paであることに由来す
る。
【0074】一方、2−プロパノールのこの温度での蒸
気圧は約4300Paあり、アセトン等の減圧蒸留除去とと
もに一部2−プロパノールも蒸発するが、生成するアセ
トン等の低沸点生成物生成量は高々分解したPCB量程
度であるため大きな影響はない。
【0075】むしろ、積極的に2−プロパノールの蒸発
を促進することで、分解反応の進展とともに減少するP
CB濃度を2−プロパノールの蒸発により濃縮する効果
があるため、高分解率時のPCBの連鎖的脱塩素反応数
の増大やPCBへの光吸収率の向上効果もあり、反応速
度を向上させることができる。
【0076】ただし、減圧蒸留の過程で反応液2から蒸
発潜熱が奪われることによる反応液2の冷却や、入射す
る紫外光6による加熱の効果などで反応液2の温度は若
干変動するが、この変動に応じて負圧調整装置22により
適当な圧力に調整することができる。
【0077】またもともと反応液2中に溶存していた酸
素や反応過程で生成する反応阻害ガスなどの気体を除去
するために第2の実施例では、冷凍器23と冷凍温度制御
装置24で構成される、冷凍減圧脱気装置が備えられてい
る。
【0078】これにより、光分解開始前や途中において
光照射を一時中止し、冷凍器23により反応液2を冷凍さ
せる。その後に負圧調整装置22と排気ポンプ13により 1
00Pa程度に減圧する。
【0079】この圧力状態を保ったまま、冷凍温度制御
装置24で反応液2温度を次第に上昇させる再度液化を行
う。この時、反応液2に溶存していた気体は気泡とな
り、負圧調整装置22と排気ポンプ13を経由して反応系外
に排出される。
【0080】このときの冷凍温度は− 100℃程度で十分
であり、液体窒素等によって簡単に実現できる。また、
昇温速度は発生した気体が突沸しない程度の速度で良
く、1分間5℃程度が望ましい。
【0081】また、反応過程で生成する水分は、アルカ
リ金属容器26内に保持しているアルカリ金属25を必要に
より投入することで、反応液2中に存在する水分と反応
させてアルカリ金属の水酸化物と水素ガスに分離するこ
とで反応液2から除去することができる。
【0082】発生した水素ガスは負圧調整装置22と排気
ポンプ13を経由して反応系外に排出される。アルカリ金
属はアルカリ性アルコールを調製するときと同種のアル
カリ金属が望ましい。このため、本実施例では金属ナト
リウムを用いる。
【0083】この場合、金属ナトリウムは2−プロパノ
ールとも反応し、ナトリウムアルコラートを生成するが
これは光分解をむしろ促進することが実験で判ってお
り、問題は無い。しかしながら、水分除去の目的には生
成する水分のmol 数より2倍程度多くしておく必要があ
る。このようにしてPCBを光分解させた後の反応後溶
液は排出ポンプ21によって光反応装置から排出される。
【0084】この第2の実施例の装置において、生成物
除去装置を備えていない従来のPCB光分解装置に比
べ、PCB分解率90%までの反応時間が2/3程度に、
99.9999 %分解率までの反応時間では概ね20分の1程度
まで大幅に分解速度が向上した。これは各種の生成物除
去装置を備えたことにより、照射光の利用率の向上、連
鎖的脱塩素反応回数の増大ができたためである。
【0085】(第3の実施例) 図3は第2の実施例のアルカリ金属の供給による水分分
解除去のわりに、水分を電気分解により除去する機構
に変えたPCB光分解装置を模式的に示したものであ
る。
【0086】図3中符号1〜26は第2の実施例と同様の
ものである。また、反応液2の組成条件および紫外線ラ
ンプ5の光源条件等も第2の実施例と同様のものであ
る。これにより、第2の実施例と同様にPCBは光分解
し、生成物としてアセトン、水、ビフェニル、プロパノ
ール2量体等を生成する。
【0087】第3の実施例では、アセトン等の低沸点生
除去および反応溶液2中に存在していた酸素や反応
過程で生成する反応阻害ガス等の気体除去は第2の実施
例と同じである。
【0088】反応過程で生成する水分は、反応液2中に
設置した白金電極27および白金電極28の間に電気分解制
御装置29より電流を供給し、電気分解することにより水
素ガスと酸素ガスとして分解し、反応液2より除去する
ものである。この時、白金電極28を負極とし、白金電極
27側を正極とする。
【0089】このため、白金電極28側に爆発性の水素ガ
スが発生するが、これをガス捕集器30により白金電極27
側で発生する酸素と混合しないようにする。ガス捕集器
30で集められた水素ガスは触媒酸化装置31により蒸気に
再生し排気ポンプ13を経由して反応系外に排出される。
【0090】ところで、この第3の実施例の場合白金電
極27側から発生する酸素が反応阻害要因となるので、第
2の実施例より頻繁に冷凍減圧脱気を行って溶存酸素を
除去する必要がある。このようにしてPCBを光分解さ
せた後の反応後溶液は排出ポンプ21によって光反応装置
から排出される。
【0091】この第3の実施例の装置において、生成物
除去装置を備えていない従来のPCB光分解装置に比
べ、PCB分解率90%までの反応時間が2/3程度に、
99.9999 %分解率までの反応時間では概ね18分の1程度
まで大幅に分解速度が向上した。これは各種の生成物除
去装置を備えたことにより、照射光の利用率の向上、連
鎖的脱塩素反応回数の増大ができたためである。
【0092】(第4の実施例) 図4は最初の実施例でのPCBを事前に溶解、調製した
反応液2を保持する容器1の代りに、PCBとアルカリ
性アルコールを分解反応中に適宜追加供給できる機構を
備えたPCB分解装置を模式的に示したものである。図
4中符号2〜21は第1の実施例と同様のものである。紫
外線ランプ5の光源条件も同様である。
【0093】第4の実施例では、容器32は事前に最初の
実施例と同じ組成条件の反応液が保持されている。PC
B容器33には高濃度の2−プロパノール希釈PCBが保
持されている。この濃度は容器33中のPCB濃度より十
分大きくかつ十分な流動性があればよい。
【0094】試験的には平均塩素化数 3.2のPCB混合
物を用いたので取扱いの面では問題なかったため、容器
33には希釈しないまま保持した。高塩素化PCB混合物
の場合は常温では粘度が高いので適度に希釈する必要が
ある。アルカリ容器34には容器32中の反応液を構成する
アルカリを保持している。この第4の実施例では水酸化
ナトリウムの固形物を用いた。
【0095】この装置おいて、先ず、反応槽3に容器32
から反応液2が満たされる。反応液2に対し紫外線ラン
プ5で発光した紫外線6を照射することによりPCBを
分解することができる。分解開始初期においては反応液
中のPCB濃度が十分高いため、光の利用率や連鎖的脱
塩素反応数も大きく、単位時間あたりのPCB分解速度
は速い。
【0096】しかしながら、このまま照射を続けて分解
がある程度進んだ時点ではPCB濃度が小さくなるた
め、光の利用率や連鎖的脱塩素反応数が小さくなり単位
時間あたりのPCB分解速度が急激に小さくなる。
【0097】そこで、本実施例では、分解反応中に減少
するPCBおよび水酸化ナトリウムをPCB容器33とア
ルカリ容器34から常時供給することで反応溶液2中のP
CB濃度と水酸化ナトリウム濃度をほぼ一定の条件に制
御して、光の利用率や連鎖的脱塩素反応数を分解初期と
同程度に保ちつつPCBを分解するものである。
【0098】このようにすると、単位時間あたりのPC
B分解速度、PCB分解処理量を大きくすることができ
る。また単位PCB分解量あたりの2−プロパノール使
用量も格段に少なくすることができる。なお、分解とと
もに生成する反応阻害物質の除去は最初の実施例と同様
に行う。
【0099】この第4の実施例の装置において、最初の
実施例のPCB分解装置にくらべ、単位時間あたりのP
CB処理量が5〜7倍に向上し、単位分解PCB量あた
りの2−プロパノール使用量が約10分の1に削減でき
た。
【0100】(第5の実施例) この第5の実施例の装置構成等は第4の実施例と同じで
あるが、図中符号32の容器には第4の実施例におけるP
CBとアルカリ性アルコール混合物のPCB濃度を10倍
に高めたものを用いる。
【0101】このようにしたもので、紫外線6によりP
CBの光分解を行うと、分解の初期にはPCB濃度が高
いため、分解速度が5倍程度速くなる。しかしながら分
解が進むにつれてアルカリ成分、つまり水酸化ナトリウ
ムが消費されて、反応液2はアルカリ条件でなくなり、
連鎖的脱塩素反応が起こらなくなる。
【0102】そこで、第5の実施例では、PCBの分解
量に応じて、アルカリ容器34から水酸化ナトリウムを投
入して反応液2中の水酸化ナトリウム濃度を一定の条件
に制御して連鎖的脱塩素反応が停止しないような条件で
PCBを分解する。また、分解とともに生成する反応阻
害物質の除去は最初の実施例と同様に行う。
【0103】このようにすると、反応初期のPCB濃度
がアルカリの飽和濃度によって制限されないので、PC
B分解反応の速度を大きくでき、また使用するアルコー
ルの量も少なくすることができる。
【0104】この第5の実施例の方法において、最初の
実施例にくらべ、単位時間あたりのPCB処理量が5倍
程度向上し、単位分解PCB量あたりの2−プロパノー
ル使用量が約10分の1に削減できた。
【0105】(第6の実施例) 図5は第4の実施例の装置に新たに波長の異なった紫外
光源を加えることによって、請求項12に記載した波長の
異なった2種の紫外光源を用いてPCBを光分解するP
CB分解装置を模式的に示したものである。
【0106】図5中符号2〜34は第4の実施例と同様の
ものである。但し、2種類の紫外光源を備えたため、光
源を若干斜めに配置して一つの窓ガラス4から同時に入
射できるようにしてある。新たに設置した紫外線ランプ
35は紫外線ランプ5と異なった波長の発光スペクトルを
持つ。
【0107】本実施例では、 270〜 280nm近傍に光吸収
のピークを持つPCB成分の分解速度向上を目的とし
て、主発光波長281nm のマイクロ波励起臭化キセノン
(XeBr)エキシマランプを併設している。これによ
り波長248nm の紫外線6と波長281nm の紫外線36を反応
液2に同時に照射してPCBを光分解させる。
【0108】これにより、波長 270〜 280nm近傍に光吸
収のピークを持つPCB成分についても波長250nm 近傍
に光吸収のピークを持つPCB種と同様の反応速度を確
保することができる。この実施例においても反応阻害生
成物の除去、PCB等の逐次添加は第4の実施例と同じ
である。
【0109】このようにして、2種の波長によってPC
B分解を行うと、分解初期には影響が少ないが、第4の
実施例において分解が進むにつれて残留しがちであった
波長270〜280nm に吸収ピークを持つPCB成分の分解
も可能となり、同じ分解時間における到達分解率を一桁
向上することができた。
【0110】(第7の実施例) 図6は第4の実施例の紫外線ランプ6を数MW/cm2
高強度光をパルス的に発光可能なパルスレーザー装置37
に変えて紫外光源とし、PCB分解反応を起こさせるP
CB分解装置を模式的に示したものである。
【0111】この装置においてパルスレーザー37から出
射されるパルスレーザー光38は全反射鏡等で構成される
伝送光学系39によって反応槽3の内部に導かれ反応液2
中のPCB分解に供される。この第7の実施例において
も反応液2の試料組成、反応生成物の逐次除去、PCB
や水酸化ナトリウムの追加供給法等は第4の実施例と同
じである。
【0112】パルスレーザー装置37には紫外光源6と同
じ主発振波長248nm をもつ放電励起型弗化クリプトン
(KrF)エキシマレーザーを用いる。本実施例で用い
た装置では、パルスの時間幅18nsec(半値全幅)、パル
スあたりのエネルギー250mJ 、ビーム面積約2である。
【0113】また、繰り返しは最大100Hz で運転可能な
ものである。これを用いたPCB光分解予備試験の結
果、80mJ/cm2 程度つまり約 4.4MW/cm2 の照射強度
が最もPCB分解に適していることが判っている。
【0114】これにより、光分解を行うとPCBによる
紫外光線の多光子吸収過程があり、PCB光脱塩素反応
の高量子収率化と紫外線ランプのような低強度光照射で
は観測されないPCBの骨格自体の分解までもおこる。
これにより、PCB連鎖的脱塩素反応を起こさせるラジ
カルの種、量ともに多くなるためPCB分解の反応速度
が増大する。
【0115】第4の実施例と同様に逐次PCBとアルカ
リを添加し続けることで、PCB処理速度、処理量を従
来方式より高めたが、10倍量程度以上の追加PCBを投
入したときには、PCB分解反応速度は初期と比較し大
きく低下する。
【0116】これは、PCBの脱塩素によって生成する
ビフェニルの蓄積によるところが大きい。ところが、本
実施例で用いる光源によればビフェニル自体の多光子吸
収によって骨格が分解し、反応液中に蓄積しない。
【0117】このように、反応の進展とともに低強度光
照射で蓄積されるような光吸収性の生成物はすべて分解
されるので、PCBと水酸化ナトリウムの追加投入量の
増大や追加投入停止後に光照射継続により反応液2中の
PCB濃度が限りなく零になるまでの分解も可能とな
る。
【0118】このようしたもので、第4の実施例と比較
すると、一回のPCB処理量が2倍以上にでき、またP
CBの追加投入停止後の光照射継続で最終的にPCBを
検出限界濃度の 0.1ppb 以下まで分解することがきた。
【0119】(第8の実施例) 第8の実施例は第4の実施例に第7の実施例で用いたパ
ルスレーザー装置37を併設したものである。図7中番号
の示すものは第4の実施例または第7の実施例に記載し
たものと同様である。
【0120】ところで、第7の実施例ではパルスレーザ
ー装置37から供給される高強度のパルスレーザー光38に
よってのみPCBの光分解を行うものであるが、この場
合、PCBの脱塩素による生成物であるビフェニルの蓄
積がない反応初期においてはむしろ分解反応速度は紫外
線ランプ6から出射される低強度光の方が速いことが実
験で確かめられている。
【0121】このため、本実施例ではビフェニルの蓄積
量が少ない分解反応初期においては紫外光6によるPC
B光分解を主に行い、ビフェニル蓄積の効果の反応速度
への影響が顕著に見られるときより、パルスレーザー光
38の照射を開始する。この照射の開始とともにビフェニ
ルの骨格分解が進み、PCB分解反応速度の回復が可能
となる。
【0122】このようしたもので、第5の実施例と比較
すると同量のPCB処理量を処理するとき10分の8程度
に時間短縮が可能になる。また、PCBの追加供給停止
後の光照射の継続で検出限界以下を達成するまでま時間
も同程度短縮できる。
【0123】(第9の実施例) 図8は第7の実施例の装置の反応槽を多重構造にして照
射光の利用率を向上させて高効率のPCB分解を可能に
るPCB光分解装置を模式的に表したものである。
【0124】図8中符号2〜39は第7の実施例と同じも
のであり、反応液2の試料組成、パルスレーザー装置37
の運転、照射条件、容器37、PCB容器33、アルカリ容
器34からの溶液取扱い方法および各種の反応生成物除去
の方法も第7の実施例と同じである。
【0125】本実施例では、第7の実施例に加えて、反
応槽3の内部に紫外線の透過特性の良い石英ガラス製の
内部反応槽40が窓ガラス4の下部に設けられている。こ
のうち、内部反応槽40と反応槽3は反応槽3の外部に取
り付けたバルブ41を介して接続されている。
【0126】ところで第7の実施例ではPCB等の追加
供給を停止し、最終的にPCBが検出限界以下の反応液
として処理を終了させるとき、反応後期においてPC
B、ビフェニル等の光吸収成分がほとんど無くなる状態
になる。すなわち、照射したパルスレーザー光38のほと
んどが反応液2を透過して外部に漏れ出てしまう。この
ため、反応後期の光の利用率は非常に低下する。
【0127】ところが、本実施例のように内部反応槽40
を持つことで、反応槽3中のPCBが十分パルスレーザ
ー光を吸収できる濃度である内に反応液2の一部をバル
ブ41を通して内部反応槽40に取り込み、この検出限界程
度までPCB分解を起こさせ、PCB濃度が検出限界以
下の分解液42にしたのちに、排出ポンプ21より分解装置
外部に排出する。
【0128】この仕上げ照射中には、分解液42はほとん
どPCB成分が無いので、パルスレーザー光39のほとん
どは透過し内部反応槽40より漏出する。この漏出光によ
り反応液2中に含まれるPCBをさらに分解する。
【0129】このようにすることで、光分解装置のみで
PCBを検出限界濃度以下に分解するときの光利用率を
大幅に向上でき、第7の実施例と比べると、同量のPC
Bを検出限界以下まで分解するための時間を10分の9程
度にできる。
【0130】(第10実施例) 図9は第7の実施例の装置において反応槽3の外面を反
射鏡にして、照射光の利用率を向上させたPCB光分解
装置を模式的に示したものである。
【0131】図9中符号2〜39は第7の実施例と同じも
のであり、反応液2の試料組成、パルスレーザー装置37
の運転、照射条件、容器37、PCB容器33、アルカリ容
器34からの溶液取扱い方法および各種の反応生成物除去
の方法等も第7の実施例と同じである。
【0132】この第10の実施例では、第7の実施例のP
CB光分解装置において、紫外線透過特性の良い石英ガ
ラス製の反応槽3の内面にアルミ蒸着43を施してある。
【0133】この第10の実施例によれば、PCB分解反
応後期において、PCB濃度が小さくなりパルスレーザ
ー光38の大部分が反応液2を透過するようになった場合
においても反応槽3の外部に光を漏出することがなく、
アルミ蒸着43により反射されて反応槽3の内部に閉じ込
めることができ、照射したパルスレーザー光38の無駄な
く反応液2に与えるようにしてある。
【0134】このようにすることで、光分解装置のみで
PCBを検出限界濃度以下に分解するときの光の利用率
を大幅に向上でき、第7の実施例と比べると、同量のP
CBを検出限界以下迄分解するための時間を10分の9程
度にできる。
【0135】
【発明の効果】本発明は、アルカリ金属またはその水酸
化物あるいはその両者とアルコールとを混合させて調製
したアルカリ性アルコール中にPCB(ポリ塩化ビフェ
ニル)を溶解し、これに紫外線を照射させてPCBを光
分解する装置およびその方法であって、つぎに示す効
がある。
【0136】すなわち、反応生成物を逐次除去でき、反
応が進むにつれて増える漏洩光が無くなり、多くの異性
体の混合物であるPCBの各成分に適合した波長の光を
照射でき、反応溶液の適正な混合比を保ったままPCB
を光分解でき、ラジカル連鎖反応を阻害する反応液に溶
存する酸素等を除去することができる。
【0137】したがって、本発明によれば従来より効率
的にPCBを分解でき、かつ、分解率を高めることがで
きる経済性および安全性の高いPCB光分解装置を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るPCBの光分解装置の第1の実施
例を示す模式図。
【図2】本発明に係るPCBの光分解装置の第2の実施
例を示す模式図。
【図3】本発明に係るPCBの光分解装置の第3の実施
例を示す模式図。
【図4】本発明に係るPCBの光分解装置の第4および
第5の実施例を示す模式図。
【図5】本発明に係るPCBの光分解装置の第6の実施
例を示す模式図。
【図6】本発明に係るPCBの光分解装置の第7の実施
例を示す模式図。
【図7】本発明に係るPCBの光分解装置の第8の実施
例を示す模式図。
【図8】本発明に係るPCBの光分解装置の第9の実施
例を示す模式図。
【図9】本発明に係るPCBの光分解装置の第10の実施
例を示す模式図。
【図10】従来のPCBの光分解装置を示す模式図。
【符号の説明】
1…容器、2…反応液、3…反応槽、4…窓ガラス、5
…紫外線ランプ、6…紫外線、7…イオン交換樹脂、8
…水溶液、9…白金電極、10…白金電極、11…電気分解
制御装置、12…塩素除害装置、13…排気ポンプ、14…温
度制御装置、15…加熱ヒータ、16…圧力制御装置、17…
吸着材容器、18…水分吸着材、19…窒素ガス供給装置、
20…ガスバブリング装置、21…排出ポンプ、22…負圧調
整装置、23…冷凍器、24…冷凍温度制御装置、25…アル
カリ金属、26…アルカリ金属容器、27…白金電極、28…
白金電極、29…電気分解制御装置、30…ガス捕集器、31
…触媒酸化装置、32…容器、33…PCB容器、34…アル
カリ容器、35…紫外線ランプ、36…紫外線、37…パルス
レーザー装置、38…パルスレーザー光、39…伝送光学
系、40…内部反応槽、41…バルブ、42…分解液、43…ア
ルミ蒸着。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C25B 1/16 C25B 1/16 (72)発明者 島田 秀樹 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (72)発明者 鵜木 和夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 花井 宏維 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会 社東芝 本社事務所内 (72)発明者 蘆立 修一 東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 東京電力株式会社内 (72)発明者 財満 英一 東京都調布市西つつじケ丘2丁目4番1 号 東京電力株式会社 技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭49−109351(JP,A) 特開 平4−293517(JP,A) 特開 平5−305154(JP,A) 特開 平7−313619(JP,A) 特開 平4−112842(JP,A) 特開 平5−277205(JP,A) 特開 昭49−41344(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 19/12 A62D 3/00 143 A62D 3/00 350 A62D 3/00 651 C25B 1/16

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属またはその水酸化物あるい
    はその両者とアルコールとを混合して調製したアルカリ
    性アルコール中にポリ塩化ビフェニルを溶解した反応液
    を反応槽内に収容し前記反応液に紫外線を照射してポリ
    塩化ビフェニルを光分解する装置において、前記反応槽
    を密閉構造とし、前記反応槽に減圧ポンプを接続し、か
    つ前記反応槽内の圧力を制御して反応を阻害するアルカ
    リ性アルコールより沸点の低い生成物を除去する低沸点
    生成物除去機構と、前記反応槽内の反応溶液中の水分を
    除去する水分除去機構と、前記反応槽内の溶液温度にお
    いて気体である反応を阻害する生成物を反応槽から除去
    する気体生成物除去機構と、前記反応槽を陽イオン交換
    膜で仕切って第1および第2の反応槽に区画し、これら
    の反応槽に電極を設けて直流電圧を印加し、この陰極側
    の第1の反応槽にポリ塩化ビフェニルを溶解したアルカ
    リ性アルコールを投入してポリ塩化ビフェニル分解槽と
    し、正極側の第2の反応槽にアルカリ性アルコール調製
    で用いたアルカリ金属の水酸化物水溶液を満たしたアル
    カリ金属塩除去機構とを設けたことを特徴とするポリ塩
    化ビフェニルの光分解装置。
  2. 【請求項2】 前記低沸点生成物除去機構として前記
    反応槽に溶液の温度を制御する機構を備えたことを特徴
    とする請求項1記載のポリ塩化ビフェニルの光分解装
    置。
  3. 【請求項3】 前記気体生成物除去機構として、前記反
    応槽に反応溶液を冷却固化できる冷却装置および減圧排
    気装置を備えことを特徴とする請求項1記載のポリ塩
    化ビフェニルの光分解装置。
  4. 【請求項4】 前記気体生成物除去機構として、前記反
    応槽に光分解反応に影響を与えない希ガス等の気体を前
    記反応液中に噴出できる気体導入装置および排出装置を
    備えことを特徴とする請求項1記載のポリ塩化ビフェ
    ニルの光分解装置。
  5. 【請求項5】 前記水分除去機構として、前記反応槽に
    反応溶液中にゼオライト等の水分を吸着する多孔性無機
    固体物質を混入させる装置を備えたことを特徴とする請
    求項1記載のポリ塩化ビフェニルの光分解装置。
  6. 【請求項6】 前記水分除去機構として前記反応槽に
    反応中に生成する水分量に応じてアルカリ金属を追加供
    給できる機構を備えたことを特徴とする請求項1記載の
    ポリ塩化ビフェニルの光分解装置。
  7. 【請求項7】 前記水分除去機構として前記反応槽内
    に電極を設け、この電極に直流電圧を印加する機構を備
    えたことを特徴とする請求項1記載のポリ塩化ビフェニ
    ルの光分解装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のポリ塩化ビフェニルを光
    分解する装置において、反応槽内にポリ塩化ビフェニル
    の光分解によって減少するポリ塩化ビフェニルとアルカ
    リ成分を分解反応中に追加供給できる機構を備えたこと
    を特徴とするポリ塩化ビフェニルの光分解装置。
  9. 【請求項9】 前記反応初期のポリ塩化ビフェニルの塩
    素数変換濃度をアルカリ濃度の1倍以上とし、分解が進
    むにつれて消費されるアルカリ成分を逐次補給する装置
    を設け、かつ常に反応溶液をアルカリ条件に制御する制
    御機構を設けたことを特徴とする請求項8記載のポリ塩
    化ビフェニルの光分解装置。
  10. 【請求項10】 前記分解対象とするポリ塩化ビフェニ
    ル混合物中の各成分の吸収スペクトルに対応させて波長
    の異なった複数の紫外線源を備えたことを特徴とする請
    求項8記載のポリ塩化ビフェニルの光分解装置。
  11. 【請求項11】 前記紫外線源として1MW/cm2 以上
    の光強度で照射可能なパルスレーザー装置を備えたこと
    を特徴とする請求項8記載のポリ塩化ビフェニルの光分
    解装置。
  12. 【請求項12】 前記紫外線源として1MW/cm2 以上
    の光強度で照射可能なパルスレーザー装置と1W/cm2
    程度の比較的弱い光強度で照射可能な連続もしくは準連
    続光源を備えたことを特徴とする請求項8記載のポリ塩
    化ビフェニルの光分解装置。
  13. 【請求項13】 前記反応槽は照射光に対し透明な材質
    を用いた多重構造を持ち、最外槽から最内槽に反応液を
    移送する装置を備えたことを特徴とする請求項8記載の
    ポリ塩化ビフェニルの光分解装置。
  14. 【請求項14】 前記反応槽の内面または外面に光反射
    体を備えたことを特徴とする請求項8記載のポリ塩化ビ
    フェニルの光分解装置。
  15. 【請求項15】 アルカリ金属またはその水酸化物ある
    いはその両者とアルコールとを混合させて調整したアル
    カリ性アルコール中にポリ塩化ビフェニルを溶解した反
    応液に紫外線を照射してポリ塩化ビフェニルを光反応分
    解するポリ塩化ビフェニルの光分解方法において、光反
    応を阻害する反応生成物であるアルカリ性アルコールよ
    り沸点の低い低沸点生成物および前記反応液の温度で気
    体である生成物および水およびアルカリ金属塩を逐次除
    去しながらポリ塩化ビフェニルを分解することを特徴と
    するポリ塩化ビフェニルの光分解方法。
  16. 【請求項16】 前記ポリ塩化ビフェニルの光分解によ
    って減少する塩化ビフェニルとアルカリ成分を分解反応
    中に追加供給しながらポリ塩化ビフェニルを分解するこ
    とを特徴とする請求項15記載のポリ塩化ビフェニルの光
    分解方法。
  17. 【請求項17】 前記光反応分解は分解対象とするポリ
    塩化ビフェニル混合物中の各成分の吸収スペクトルに対
    応させて波長の異なった複数の紫外線を同時または交互
    に照射することによりポリ塩化ビフェニルを分解するこ
    とを特徴とする請求項17記載のポリ塩化ビフェニルの光
    分解方法。
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