JP7397416B2 - 抗がん剤の分解方法 - Google Patents

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Description

本発明は、抗がん剤の分解方法に関する。
がんの治療方法の一つとして、抗がん剤を投与する方法が一般的に利用されている。近年、このような抗がん剤を用いた療法は、入院時のみならず、外来でも行われるようになってきている。例えば、医師や看護師等の医療従事者が、患者の容態を確認した上で、病棟や外来の処置室などで薬物を混合・調製して抗がん剤を生成し、使用する場合がある(非特許文献1、非特許文献2参照)。
抗がん剤の多くは、細胞のDNAに傷害を与えたり、細胞分裂を阻害することにより、がん細胞を死滅させる一方で、がん細胞だけでなく正常細胞にも影響を及ぼすことが知られている。具体的には、抗がん剤は通常、輸液に注入して使用されるが、その輸液の調製時、投与時、又は廃棄時において、医療従事者が抗がん剤を吸入したり、医療従事者の皮膚に付着したりする危険性が指摘されている(非特許文献1、非特許文献2参照)。
上記課題への対策として、例えば特許文献1では、オゾンを含んだ加湿空気を作用させることで、抗がん剤を分解する方法が提案されている。また、別の方法として、例えば特許文献2では、二酸化チタン粒子及び界面活性剤を含有する光触媒水性組成物を噴霧することで、抗がん剤を分解する方法が提案されている。
国際公開第2014/208428号公報 特開2012-91114号公報
医療従事者への抗がん剤ばく露とリスクアセスメント手法の確立第二報 チェックリストと安全作業マニュアルの提案とその検証,労働安全衛生総合研究所特別研究報告,JNIOSH-SRR-NO.40 (2010) 抗がん剤調製者への被爆調査と閉鎖式調製器具の使用効果に関する研究,昭和大学薬学雑誌,第3巻第1号,2012年4月
しかし、特許文献1の方法を採用しようとすると、オゾンガス濃度(ppm)と接触時間(分)との積で規定されるCT値に鑑みた場合、極めて高濃度のオゾンを導入するか、又は、極めて長い時間にわたって処理対象物に対してオゾンを曝露しなければ、処理対象物に付着した抗がん剤を分解する効果が得られない可能性が高い。特に、前者の場合には、オゾンガスが他の空間に漏れ出すことで、人体に対して影響を及ぼす懸念も考えられる。
また、特許文献2の方法を採用しようとすると、処理対象物の表面に対して光触媒水性組成物が噴霧されるため、処理後の処理対象物の表面に、光触媒の粒子や界面活性剤が残留するおそれがある。このような残留物が表面に残されると、微粒子吸入による健康被害や、潤滑性による処理対象物の転倒などのリスクが懸念される。
本発明は、上記の課題に鑑み、高濃度のオゾンを用いる必要がなく、また、処理後に粒子状の残留物を残すことのない、抗がん剤を分解する方法を提供することを目的とする。
本発明に係る抗がん剤の分解方法は、200nm以上、300nm未満の波長域に光出力を示す紫外線を抗がん剤に照射する工程(a)を含むことを特徴とする。
本発明者の鋭意研究により、200nm以上、300nm未満の波長域に光出力を示す紫外線によって、抗がん剤を分解できることが確認された。詳細は、発明を実施するための形態の項で後述される。
かかる方法によれば、高濃度のオゾンを用いることなく、抗がん剤の分解が可能となる。また、二酸化チタン粒子及び界面活性剤を含有する光触媒水性組成物を噴霧する必要がないため、処理対象物の表面に、二酸化チタン粒子等の残留物が残ることもない。
なお、本明細書において「光出力を示す」とは、スペクトル上において、主ピーク波長の光強度に対して、20%以上の光強度を示す場合を指すものとして構わない。
より詳細には、前記工程(a)は、前記抗がん剤が付着した物体表面に対して前記紫外線を照射する工程とすることができる。
このような物体としては、例えば、医療現場であれば、抗がん剤の調整等が行われる安全キャビネットの台座や作業空間(作業室)内の壁、安全キャビネットが設置されている室内の床や壁、作業時に利用されるトレー等が想定される。また、医療現場に限られず、トイレ、浴室、被服等にも適用が可能である。
抗がん剤が投与された患者からの排泄物に、体内で消費されなかった抗がん剤の一部が含まれることがある。このため、例えば健常者が清掃作業などを行っている間に、トイレ等に付着していた抗がん剤を直接吸引したり、又は、前記健常者の被服等への付着を介して吸引する事態が生じる可能性がある。しかし、上記の方法によれば、トイレや被服等、抗がん剤が付着している可能性がある箇所に対して、前記紫外線を照射することで、抗がん剤を分解できるため、健常者が抗がん剤を吸引するリスクを低下できる。
前記工程(a)は、主ピーク波長が200nm以上、300nm未満の前記紫外線を照射するものとしても構わない。このような紫外線を発する光源としては、具体的には、KrCl、KrBr、XeI、XeBr等を発光ガスとして含むエキシマランプ、低圧水銀ランプ、LED等を利用できる。
特に、前記紫外線の主ピーク波長が、200nm以上、230nm以下の波長範囲内であるのが好適である。この波長範囲内の紫外線は、仮に人体の皮膚に対して照射されても、皮膚の角質層で吸収され、それよりも内側(基底層側)には進行しない。角質層に含まれる角質細胞は細胞としては死んだ状態であるため、有棘層、顆粒層、真皮など、生きた細胞に吸収されてDNAが破壊されるというリスクがほとんど存在しない。
つまり、上記波長範囲内の紫外線によって抗がん剤を分解することで、分解処理の実行中に、人間が近くに存在していた場合であっても、紫外線が曝露することによる人体への影響が抑制される。従って、紫外線の照射処理を、無人時に限定して行う必要がなく、より柔軟な分解処理が実現される。
このような主ピーク波長が、200nm以上、230nm以下の紫外線を発する光源としては、例えば、KrCl又はKrBrを含む発光ガスが封入されたエキシマランプを好適に採用することができる。この中では、発光効率の観点からは、KrClを含む発光ガスが封入されたエキシマランプを採用するのが特に好ましい。
また、前記光源として、LEDやLD等の固体光源を用いても良い。例えば、波長が190nm以上240nm未満に発光域を有するLEDとして、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系の発光素子や、窒化アルミニウム(AlN)系の発光素子、酸化マグネシウム亜鉛(MgZnO)系の発光素子を採用することができる。さらに、光源に波長変換素子を組み合わせるものであってもよい。例えば、ガスレーザや固体レーザ素子から放射される光を周波数倍化させ、第二次高周波(SHG)や第三次高周波(THG)等の高次高周波を発生させる非線形光学結晶を波長変換素子として用いることで、波長が190nm以上240nm未満の紫外光を生成しても良い。
前記抗がん剤は、一例としてドキソルビシンを挙げることができる。その他の抗がん剤としては、例えば、メトトレキサート、シタラビン、ビンクリスチン、エトポシド、マイトマイシンC、ベンダムスチン、ダカルバジン、ドセタキセル、及びイリノテカンからなる群に属する一種以上が挙げられる。
本発明の方法によれば、高濃度のオゾンを用いることなく抗がん剤を分解することができ、処理後に粒子状の残留物を残すこともない。
本発明の抗がん剤の分解方法の一実施形態を模式的に示す図面である。 図1の図面を作業者の方向から見た状態を模式的に示す図面である。 光源の一例としてのエキシマランプの構成を模式的に示す平面図である。 図3のA1-A1線断面図である。 発光ガスにKrClが含まれるエキシマランプから出射される紫外線L1のスペクトルを示す図面である。 ドキソルビシン塩酸塩の吸収スペクトルを示す図面である。 紫外線が照射されていない分析用試料に対する、HPLCクロマトグラムである。 500mJ/cm2の露光量で紫外線が照射された分析用試料に対する、HPLCクロマトグラムである。 1000mJ/cm2の露光量で紫外線が照射された分析用試料に対する、HPLCクロマトグラムである。 5000mJ/cm2の露光量で紫外線が照射された分析用試料に対する、HPLCクロマトグラムである。 222nm及び254nmの紫外線をそれぞれ照射したときの、ドキソルビシン塩酸塩の残存率と露光量の関係を示すグラフである。 222nm及び254nmの紫外線をそれぞれ照射したときの、メトトレキサートの残存率と露光量の関係を示すグラフである。 メトトレキサートの吸収スペクトルを示す図面である。 シタラビンの吸収スペクトルを示す図面である。 ビンクリスチン硫酸塩の吸収スペクトルを示す図面である。 エトポシドの吸収スペクトルを示す図面である。 マイトマイシンCの吸収スペクトルを示す図面である。 抗がん剤としてマイトマイシンCを用いた場合の、紫外線の照射前における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。 抗がん剤としてマイトマイシンCを用いた場合の、紫外線の照射後における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。 抗がん剤としてシタラビンを用いた場合の、紫外線の照射前における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。 抗がん剤としてシタラビンを用いた場合の、紫外線の照射後における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。 抗がん剤としてベンダムスチンを用いた場合の、紫外線の照射前における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。 抗がん剤としてベンダムスチンを用いた場合の、紫外線の照射後における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。 抗がん剤としてドキソルビシンを用いた場合の、紫外線の照射前における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。 抗がん剤としてドキソルビシンを用いた場合の、紫外線の照射後における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。 抗がん剤としてイリノテカンを用いた場合の、紫外線の照射前における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。 抗がん剤としてイリノテカンを用いた場合の、紫外線の照射後における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。 抗がん剤としてダカルバジンを用いた場合の、紫外線の照射前における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。 抗がん剤としてダカルバジンを用いた場合の、紫外線の照射後における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。 抗がん剤としてエトポシドを用いた場合の、紫外線の照射前における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。 抗がん剤としてエトポシドを用いた場合の、紫外線の照射後における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。 抗がん剤としてビンクリスチンを用いた場合の、紫外線の照射前における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。 抗がん剤としてビンクリスチンを用いた場合の、紫外線の照射後における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。 抗がん剤としてドセタキセルを用いた場合の、紫外線の照射前における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。 抗がん剤としてドセタキセルを用いた場合の、紫外線の照射後における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。 222nm及び254nmの紫外線をそれぞれ照射したときの、マイトマイシンCの残存率と露光量の関係を示すグラフである。 222nm及び254nmの紫外線をそれぞれ照射したときの、シタラビンの残存率と露光量の関係を示すグラフである。 222nm及び254nmの紫外線をそれぞれ照射したときの、ベンダムスチンの残存率と露光量の関係を示すグラフである。 222nm及び254nmの紫外線をそれぞれ照射したときの、ドキソルビシンの残存率と露光量の関係を示すグラフである。 222nm及び254nmの紫外線をそれぞれ照射したときの、イリノテカンの残存率と露光量の関係を示すグラフである。 222nm及び254nmの紫外線をそれぞれ照射したときの、ダカルバジンの残存率と露光量の関係を示すグラフである。 222nm及び254nmの紫外線をそれぞれ照射したときの、エトポシドの残存率と露光量の関係を示すグラフである。 222nm及び254nmの紫外線をそれぞれ照射したときの、ビンクリスチンの残存率と露光量の関係を示すグラフである。 222nm及び254nmの紫外線をそれぞれ照射したときの、ドセタキセルの残存率と露光量の関係を示すグラフである。
本発明に係る抗がん剤の分解方法は、抗がん剤に対して所定の紫外線を照射することで抗がん剤を分解することを特徴とするものである。具体的には、抗がん剤が表面に付着した物体(処理対象物)に対して紫外線が照射される。
以下では、この本発明に係る抗がん剤の分解方法の詳細につき、実施形態に則して説明される。ただし、本発明に係る抗がん剤の分解方法の利用態様は、以下の実施形態で説明される内容には限定されない。
図1及び図2は、本発明に係る抗がん剤の分解方法の一実施状態を模式的に示す図面である。図1では、安全キャビネット1内で作業員20が薬剤調合等の作業を行う場面が模式的に図示されている。なお、図2は、作業員20側から安全キャビネット1を見たときの模式的な図面に対応する。
抗がん剤の調製作業時に、作業員20が抗がん剤に直接接触したり、霧状の粒子を吸入してしまうと、皮膚の炎症や発がんを生じるリスクがある。更に、抗がん剤が周囲に離散することにより、環境が汚染されて、作業員20以外の人間に対して同様の影響を生じさせるおそれもある。
かかる観点から、作業員20は、保護手袋、マスク、保護メガネといった保護具を装着した上で、安全キャビネット1の作業室4内で作業を行うことが推奨されている。安全キャビネット1は、室内床2の上に設置されており、作業室4内(作業台3の上面)において、作業員20によって患者に投与するための抗がん剤を調製すべく薬剤の調合等の作業が行われる。安全キャビネット1には、作業台3よりも上方の位置にHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ9が設置されている。安全キャビネット1内の雰囲気G1は、当該雰囲気G1に含まれる、抗がん剤の調製作業時に生じた薬剤の微粒子等がHEPAフィルタ9によって吸着除去された後、排気される。
本実施形態の安全キャビネット1には、光源10が取り付けられている。この光源10は、200nm以上、300nm未満の波長域に光出力を示す紫外線L1を出射する。図1及び図2では、光源10からの紫外線L1が、室内床2及び作業台3に向かって照射される例が図示されている。この光源10は、後述するように、安全キャビネット1内や室内床2の面上に付着した抗がん剤を分解する目的で設置されている。
光源10は、一例として紫外線L1を発するエキシマランプで構成される。図3は、このエキシマランプの構成を模式的に示す平面図であり、図4は、図3のA1-A1線断面図である。
光源10は、方向d1に沿って延伸する発光管11を有する。発光管11は、合成石英ガラスなどの誘電体からなり、紫外線L1を透過する材料である。発光管11は内部が封止されており、内部には放電によってエキシマ分子を形成する発光ガス12Gが封入されている。
光源10は、発光管11の管壁に形成された一対の電極13(13a,13b)を備える。図3及び図4の例では、光源10から紫外線L1が取り出される側(+d2側)に配置された電極13aがメッシュ形状又は線形状を呈し、反対側に配置された電極13bが膜形状を呈している。なお、この場合、電極13bは、紫外線L1に対して反射性を示す金属材料(例えばAl、Al合金等)で構成されるか、電極13bが形成されている側における発光管11の管壁に反射膜(不図示)が設けられるのが好ましい。この反射膜としては、Al、Al合金、ステンレス、シリカ、シリカアルミナなどを利用することができる。
なお、図1では、光源10が安全キャビネット1の壁面近傍に設置されているが、例えば、作業室4内の中央付近に設置される場合には、光源10から+d2方向及び-d2方向の双方に向かって紫外線L1が取り出されるのが好ましい。かかる場合には、電極13bについても、電極13aと同様にメッシュ形状又は線形状を呈しているものとしてよい。
不図示の点灯電源から給電線を介して一対の電極13(13a,13b)間に、例えば50kHz~5MHz程度の高周波の交流電圧が印加されると、発光ガス12Gに対して、発光管11を介して前記電圧が印加される。このとき、発光ガス12Gが封入されている放電空間内で放電プラズマが生じ、発光ガス12Gの原子が励起されてエキシマ状態となり、この原子が基底状態に移行する際にエキシマ発光を生じる。
発光ガス12Gの種類によって、紫外線L1の波長が設定される。例えば、発光ガス12GにKrClが含まれる場合には、エキシマランプで構成された光源10からは主ピーク波長が222nm近傍の紫外線L1が出射される。発光ガス12GにKrBrが含まれる場合には、光源10から主たるピーク波長が207nm近傍の紫外線L1が出射される。発光ガス12GにXeIが含まれる場合には、光源10から主たるピーク波長が253nm近傍の紫外線L1が出射される。発光ガス12GにXeBrが含まれる場合には、光源10から主たるピーク波長が283nm近傍の紫外線L1が出射される。
図5は、発光ガス12GにKrClが含まれるエキシマランプで構成された光源10から出射される紫外線L1のスペクトルを示す図面である。
なお、別の例として、光源10は、低圧水銀ランプやLED等で構成することもできる。
特に、光源10がKrCl又はKrBrを発光ガス12Gとして含むエキシマランプで構成される場合、紫外線L1の主ピーク波長が、200nm以上、230nm以下の波長範囲内となる。この波長範囲内の紫外線は、仮に人体の皮膚に対して照射されても、皮膚の角質層で吸収され、それよりも内側(基底層側)には進行しない。よって、作業員20が安全キャビネット1内で作業中であっても、光源10を点灯できる。
一方、光源10が低圧水銀ランプ等、240nm以上、300nm未満の波長域に光出力を示す場合には、作業員20の人体への影響に鑑み、作業員20が安全キャビネット1の近傍に存在しない時間帯に限って、光源10を点灯させるのが好ましい。
上述したように、作業員20が作業室4内で抗がん剤の調製作業をすることで、安全キャビネット1の壁面や、作業台3の上面、室内床2の上面等に、抗がん剤の一部が漏れて付着する可能性がある。本実施形態の安全キャビネット1には、光源10が設置されているため、光源10からの紫外線L1が照射されることで、壁面等に付着した抗がん剤が分解される。また、単に光源10から紫外線L1を照射することで抗がん剤が分解されるため、従来の方法のように、高濃度のオゾンを空間内に導入したり、処理対象物の表面に光触媒粒子を塗布する必要がない。
図6は、抗がん剤の一種であるドキソルビシンの吸収スペクトルを示す図面である。なお、具体的には、ドキソルビシン塩酸塩の形で調合時には利用されるため、図6においても、ドキソルビシン塩酸塩の吸収スペクトルが示されている。
図6に示すように、ドキソルビシン塩酸塩は、波長200nm以上、300nm以下の範囲内の紫外線L1に対して、比較的高い吸光度を示すことが確認される。このようなドキソルビシン塩酸塩に対して上記波長帯の紫外線L1を照射することで、ドキソルビシン塩酸塩が分解できることにつき、検証を行った。
[検証1]
(手順)
ドキソルビシン塩酸塩(富士フィルム和光純薬社製、040-21521)に対して蒸留水を混合して、濃度200μg/mLのドキソルビシン水溶液X1を精製した。その後、25mm×20mm寸法のアルミホイル切片上に、ドキソルビシン水溶液を100μL滴下し、乾燥させることで、試験物Y1を作製した。
この試験物Y1に対して、照射面における照度2mW/cm2で、照射時間を変化させながら紫外線L1を照射した。照射後の試験物Y2をチューブに入れ、超純水2mLを加えて密閉後、撹拌した。その後、遠心分離を行って上清をサンプリングし、分析用試料Z1を作製した。なお、紫外線L1を照射する光源としては、図3~図5を参照して上述したKrClエキシマランプ(主ピーク波長222nm)と、低圧水銀ランプ(主ピーク波長254nm)とが用いられた。ただし、低圧水銀ランプについては、254nm以外の波長域に生じる副ピーク(185nm近傍)については、遮断するためのフィルタが設けられた。
それぞれの光源から紫外線L1が照射された各分析用試料Z1に対して、高速液体クロマトグラフ(HPLC)装置を用いて分析を行った。なお、比較例として、試験物Y1に対して、紫外線L1の照射を行わない点を除けば同様の方法で作製された分析用試料Z0に対し、同様の分析を行った。
図7Aは、比較例1として準備された分析用試料Z0に対する、HPLCクロマトグラムである。また、図7B~図7Dは、試験物Y1に対して主ピーク波長222nmの紫外線L1が照射されることで得られた、実施例としての分析用試料Z1に対する、HPLCクロマトグラムである。より詳細には、図7B~図7Dは、それぞれ、試験物Y1に対する紫外線L1の露光量を500mJ/cm2、1000mJ/cm2、5000mJ/cm2として作製された分析用試料Z1のHPLCクロマトグラムである。
図7A~図7Dに示す各クロマトグラムでは、いずれも2つのピークが確認されている。これらのピーク値は、分析用試料(Z0,Z1)に含まれるドキソルビシンの量が多いほど、大きくなる。つまり、図7Aに示す、紫外線L1が照射されていない比較例1における分析用試料Z0のクロマトグラムにおいて、2つのピーク近傍の波形が表す領域の面積S0を基準とし、実施例の分析用試料Z1の各クロマトグラムで得られた同領域の面積S1の基準値S0からの減少量(S0-S1)の、基準値S0に対する比率をもって、紫外線L1が照射された後のドキソルビシンの残存率とみなすことができる。
図8Aは、上記の方法によって算定されたドキソルビシンの残存率と紫外線L1の露光量との関係を示すグラフである。図8Aには、主ピーク波長222nmの紫外線L1が照射された場合と、主ピーク波長254nmの紫外線L1が照射された場合の双方のデータが示されている。
いずれの波長の紫外線L1によっても、露光量が増加するに従ってドキソルビシンの残存率も低下していることが分かる。つまり、紫外線L1の照射によって、ドキソルビシンが分解されることが確認される。
ドキソルビシン塩酸塩は、以下の(1)式で表される物質である。
Figure 0007397416000001
すなわち、ドキソルビシン塩酸塩には、C-H結合や、C-C結合、C=C結合、O-H結合などの各分子結合が含まれる。例えば、C-H結合の結合エネルギーは408.9kJ/molであり、波長に換算すると293nmである。よって、波長293nm未満の紫外線L1がC-H結合に取り込まれると、理論的にC-H結合が切断されることとなる。
同様に、C-C結合の結合エネルギーは353.2kJ/molであり、波長に換算すると339nmである。
ところで、図6によれば、300nm未満の紫外線L1に対しては、ドキソルビシン塩酸塩はある程度の吸光度を示すことが分かる。一方、波長が300nm以上、400nm以下の範囲内では、ドキソルビシン塩酸塩に対する吸光度は低い。つまり、波長300nm未満の紫外線L1がドキソルビシン塩酸塩に対して照射されると、ドキソルビシン塩酸塩に対して一部の紫外線L1が吸収される結果、ドキソルビシン塩酸塩の化学結合の一部が切断されることで、ドキソルビシンが分解されるものと考えられる。一方で、波長300nm以上、400nm以下の紫外線L1がドキソルビシンに対して照射された場合には、その大部分がドキソルビシンを透過してしまい、充分な光エネルギーをドキソルビシンに対して作用させることができないと考えられる。
また、多くの結合を切断するには多くの露光量が必要になると考えられる。このことは、露光量の増加と共に、ドキソルビシンの残量率が低下する傾向を示す図8の結果にも現れている。
一方で、紫外線L1の波長が200nm未満である場合には、空気中の酸素によって吸収される量が増えてしまう。この結果、処理対象物である室内床2及び作業台3の表面に対して、充分な照度で紫外線L1を照射することができない。かかる観点から、紫外線L1の波長は、200nm以上、300nm未満に設定される。
図8Bは、抗がん剤の材料としてドキソルビシンに替えてメトトレキサートを用いて、、上記と同様の方法で検証を行った結果を、図8Aにならって表示したグラフである。図8Bによれば、主ピーク波長222nmの紫外線L1と、主ピーク波長254nmの紫外線のいずれの場合においても、露光量が増加するに従ってメトトレキサートの残存率も低下していることが分かる。つまり、紫外線L1の照射によって、メトトレキサートが分解されることが確認される。なお、ドキソルビシンはアントラサイクリン系抗癌抗生物質の一例であり、メトトレキサートは葉酸拮抗薬の一例である。
図9A~図9Eは、ドキソルビシン以外の抗がん剤の一例である、メトトレキサート、シタラビン、ビンクリスチン(硫酸塩)、エトポシド、及びマイトマイシンCの吸収スペクトルを示す図面である。ビンクリスチンは調合時には硫酸塩の形で利用されるため、図9Cではビンクリスチン硫酸塩の吸収スペクトルが示されている。
なお、シタラビンは、ピリミジン拮抗薬の一例である。ビンクリスチンは、ビンアルカロイド類の抗がん剤の一例である。マイトマイシンCは、ナイトロジェンマスタード類の抗がん剤の一例である。
これら図9A~図9Eに示す各抗がん剤においても、200nm以上、300nm未満の範囲内の紫外線L1に対して、ある程度の吸光度が確認される。また、これらの抗がん剤についても、ドキソルビシンと同様に、C-C結合や、C-H結合の化学結合を含む。よって、同様の観点から、メトトレキサート、シタラビン、ビンクリスチン硫酸塩、エトポシド、及びマイトマイシンCに対しても、200nm以上、300nm未満の範囲内の紫外線L1が照射されることで、分解作用が示されることが分かる。
[検証2]
更に、複数種類の抗がん剤に対して、上記波長帯の紫外線L1を照射することで、分解できることにつき、別の方法で検証を行った。
(対象の抗がん剤)
検証対象となる抗がん剤としては、以下の物質が採用された。
・ナイトロジェンマスタード類:ベンダムスチン、マイトマイシンC
・ピリミジン拮抗薬:シタラビン
・アントラサイクリン系抗癌抗生物質:ドキソルビシン
・トポイソメラーゼ阻害薬:イリノテカン、エトポシド
・トリアゼン類:ダカルバジン
・ビンアルカロイド類:ビンクリスチン
・タキサン類:ドセタキセル
(手順)
対象となる上記それぞれの抗がん剤に対して、所定の容器内で蒸留水を混合して水溶液を精製した。次に、それぞれの水溶液の、紫外線照射前における吸収スペクトルを吸光光度計(サーモフィッシャーサイエンス社製、NANODROP ONE)を用いて測定した。次に、それぞれの水溶液に対して照射面における照度2mW/cm2で、照射時間を変化させながら紫外線L1を照射し、照射後の吸収スペクトルを、上記と同様の方法で測定した。
それぞれの抗がん剤の水溶液に関する、紫外線L1の照射前、及び紫外線L1の照射後の吸収スペクトルを、図10A~図18Bに示す。それぞれの図は、以下に対応する。
図10Aは、抗がん剤としてマイトマイシンCを用いた場合の、紫外線L1の照射前における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。図10Bは、抗がん剤としてマイトマイシンCを用いた場合の、KrClランプから出射された紫外線L1を5000mJ照射した後における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。
図11A、図12A、図13A、図14A、図15A、図16A、図17A、及び図18Aは、図10AにおけるマイトマイシンCに替えて、それぞれ、シタラビン、ベンダムスチン、ドキソルビシン、イリノテカン、ダカルバジン、エトポシド、ビンクリスチン、及びドセタキセルを用いた場合の、紫外線L1の照射前における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。
図11B、図12B、図13B、図14B、図15B、図16B、図17B、及び図18Bは、図10BにおけるマイトマイシンCに替えて、それぞれ、シタラビン、ベンダムスチン、ドキソルビシン、イリノテカン、ダカルバジン、エトポシド、ビンクリスチン、及びドセタキセルを用いた場合の、KrClランプから出射された紫外線L1を5000mJ照射した後における、抗がん剤の水溶液の吸収スペクトルである。
図10A~図18Bの各図によれば、いずれの抗がん剤の場合であっても、紫外線L1の照射前後で吸収スペクトルの形状が大幅に変化していることが分かる。特に、検証を行った各抗がん剤を構成する物質は、紫外線L1の照射前において、KrClランプから出射される紫外線L1の波長域における高い吸光度を示している。つまり、これらの各抗がん剤に対してKrClランプからの紫外線L1が照射されたことで、紫外線L1の一部が抗がん剤に吸収され、抗がん剤を構成する物質の化学結合の一部が切断されたことが示唆される。すなわち、上記いずれの抗がん剤についても、KrClランプから出射された紫外線L1によって分解されることが分かる。
上記の観点から、紫外線L1の照射前後における吸収スペクトルの形状の変化をもって、抗がん剤を構成する物質の残存率を算定することができる。より詳細には、抗がん剤を構成する物質の残存率を以下のように規定することができる。すなわち、紫外線L1の照射前における、抗がん剤の吸収スペクトルのピーク値を示す波長(ピーク波長λp)での吸光度をA1とし、紫外線L1の照射後における前記ピーク波長λpでの吸光度をA2としたときに、照射前後におけるピーク波長λpの吸光度の変化の比率A2/A1によって、抗がん剤を構成する物質の残存率が規定できる。
図19A~図19Iは、上記の方法で算定した、それぞれの抗がん剤を構成する物質の残存率と、紫外線L1の露光量との関係を示すグラフである。図19A、図19B、図19C、図19D、図19E、図19F、図19G、図19H、及び図19Iは、それぞれ、マイトマイシンC、シタラビン、ベンダムスチン、ドキソルビシン、イリノテカン、ダカルバジン、エトポシド、ビンクリスチン、及びドセタキセルの、残存率と紫外線L1の露光量との関係を示すグラフである。
なお、図19A~図19Iでは、検証1と同様に、紫外線L1を照射する光源としてKrClエキシマランプ(主ピーク波長222nm)を用いた場合と、低圧水銀ランプ(主ピーク波長254nm)を用いた場合の結果が示されている。
また、図19Dでは、図8を参照して上述した、検証1の方法で得られたドキソルビシンの残存率と紫外線L1の露光量との関係を示すグラフが、重ね合わせられて図示されている。この検証1による結果は、図19Dにおいて「HPLC」と表記されている。
図19Dによれば、この検証2の方法で得られたドキソルビシンの分解特性の傾向が、検証1の方法で得られたドキソルビシンの分解特性の傾向と整合することが分かる。つまり、この検証2の方法で得られた分解特性の結果は、抗がん剤の特性が反映されたものである。
図19A~図19Iによれば、222nm及び254nmのいずれの波長の紫外線L1によっても、露光量が増加するに従って、抗がん剤を構成する各物質の残存率が低下していることが分かる。つまり、ドキソルビシン以外の抗がん剤である、マイトマイシンC、シタラビン、ベンダムスチン、イリノテカン、ダカルバジン、エトポシド、ビンクリスチン、及びドセタキセルについても、紫外線L1が照射されることで分解されることが確認される。
なお、上述した各抗がん剤は、単に室内にそのまま放置しているだけでは、吸収スペクトルの変化は見られなかった。このことから、可視光の照射によっては、抗がん剤を構成する物質は分解されないことが示唆される。
[別実施形態]
以下、別実施形態について説明する。
〈1〉上記実施形態では、紫外線L1が照射される処理対象物として、安全キャビネット1の壁、作業台3、及び室内床2を挙げて説明した。しかし、本発明に係る方法は、安全キャビネット1やその設置領域に対しての利用に限定されない。本発明は、抗がん剤が付着している可能性がある対象物の表面(物体表面)に対して、波長200nm以上、300nm未満の紫外線L1を照射する内容を包含するものであり、その対象物には限定されない。
〈2〉紫外線L1としては、主ピーク波長が200nm以上、300nm未満に含まれるのが好ましいが、少なくとも200nm以上、300nm未満の範囲内に光出力を示すスペクトルを示す紫外線L1であれば、本発明に用いることができる。このような紫外線L1であれば、ドキソルビシンを初めとする抗がん剤に対して高い割合で吸収され、抗がん剤を構成する物質の化学結合の一部を切断できる。
〈3〉上記実施形態では、光源2が安全キャビネット1に設置されている場合について説明した。このように、光源2は、処理対象物が存在する領域近くの物体(安全キャビネット1等)や部屋(壁面や天井面)に固定的に取り付けられるものとしても構わない。また、別の例として、光源2は携帯可能な構造であっても構わない。
光源2を携帯可能な構造とすることで、処理対象物の表面に対して短い照射距離で紫外線L1を照射することができる。つまり、処理対象物に対して高い照度で紫外線L1が照射できるため、同じ露光量を実現するために必要な照射時間を短くすることができる。ただし、この場合、光源2を携帯する作業員の人体に対する紫外線L1の被爆による影響を鑑みて、主ピーク波長が200nm以上、230nm以下の波長範囲内に存在する紫外線L1を発する光源2であるのが好適である。
1 :安全キャビネット
2 :室内床
3 :作業台
4 :作業室
9 :HEPAフィルタ
10 :光源
11 :発光管
12G :発光ガス
13 :電極
13a :電極
13b :電極
20 :作業員
G1 :雰囲気
L1 :紫外線

Claims (6)

  1. 主ピーク波長が200nm以上、300nm未満の紫外線を抗がん剤が付着した物体表面に照射する工程(a)を含むことを特徴とする、抗がん剤の分解方法。
  2. 前記工程(a)は、Kr及びClを含む発光ガスが封入されたエキシマランプから前記紫外線を照射する工程であることを特徴とする、請求項に記載の抗がん剤の分解方法。
  3. 前記抗がん剤が、アントラサイクリン系抗癌抗生物質、葉酸拮抗薬、ナイトロジェンマスタード類、ピリミジン拮抗薬、トポイソメラーゼ阻害薬、トリアゼン類、ビンアルカロイド類、及びタキサン類からなる群に属する1種以上であることを特徴とする、請求項請求項1又は2に記載の抗がん剤の分解方法。
  4. 前記抗がん剤が、ドキソルビシンであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の抗がん剤の分解方法。
  5. 前記抗がん剤が、メトトレキサート、シタラビン、ベンダムスチン、マイトマイシンC、シタラビン、イリノテカン、エトポシド、ダカルバジン、ビンクリスチン及びドセタキセルからなる群に属する1種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の抗がん剤の分解方法。
  6. 二酸化チタン粒子を含む光触媒水性組成物を前記物体表面に噴霧する工程を有しないことを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の抗がん剤の分解方法。
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